この記事のまとめ
- 語尾の選択に迷った場合は「ですます調」がおすすめ
- 「ですます調」「である調」の長所と短所を把握しよう
- 語尾を使い分ける場合の4つのテクニックを紹介
就活の第一難関ともいわれるエントリーシート(ES)の作成。「ですます」と「である」の文末表現はどちらが良いか迷う学生も多いのではないでしょうか。
基本的にESの文末表現は、「ですます調」「である調」どちらでも問題はありません。しかし、それぞれの文末表現は、面接官に与える印象が変わるため、企業の求める人物像や伝えたい内容に合わせて選ぶことをおすすめします。
この記事ではキャリアアドバイザーの西さん、佐藤さん、降幡さんのアドバイスを交えつつ、ESの「ですます調」「である調」の文末表現が面接官へ与える印象を解説しています。さらに文末表現を使い分けるテクニックも紹介しますので、この記事を読んで効果的な対策を講じましょう。
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ESの語尾の選択は内容を効果的に伝える手段
ESの文末表現は「ですます調」「である調」どちらでも問題はありません。しかし、それぞれの表現は面接官へ与える印象が異なります。
「ですます調」は、丁寧で礼儀正しい印象を与えるのに対し、「である調」は自信に満ち溢れた力強い印象を与えることができます。もちろん語尾の選択も重要ですが、最も大切なのは文章の内容です。自分の魅力が伝わる内容を心掛け、魅力を効果的に伝えるための手段として語尾を使い分けましょう。
この記事では、それぞれの語尾を使用するメリットやデメリットを解説します。さらに、文末表現を使い分けるノウハウも伝授しますので、自分の志望する企業や業種によって合わせて選んでくださいね。
最後に、「ですます」「である」を用いたESの項目ごとの例文を紹介しますので、これらを参考にしながらESの内容をブラッシュアップしてください。ESで自分の魅力をアピールするためにも、文末表現を効果的に活用してくださいね。
「そもそもESの書き方がわからない!」という人もいるでしょう。以下の記事では、ESの基本の書き方や入手方法を解説しています。最後にチェックするポイントも解説しているため、ぜひ参考にしてください。
ESの書き方
エントリーシートの書き方完全版! 提出前の最終チェック項目も紹介
ESの疑問を解決
就活の基本! エントリーシートの疑問を徹底解説|書き方・例文付き
ESの入手方法
ESをダウンロードする方法は? 受け取る方法5選
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迷ったら「ですます調」に! ESの語尾は状況によって使い分けよう
先述したとおり、文末表現によって面接官へ与える印象は異なるため、目的に応じた使い分けが大切です。語尾の選択に迷った場合には「ですます調」がおすすめです。
ですます調は、普段の目上の人との会話や文章でも使い慣れているため、面接官からの印象が落ちることはありません。
一方で「である調」は、説得力が必要な小論文やレポートなどを書く機会がない限り、使うことがないため、不自然な日本語になる可能性もあります。
そのため、「どちらを選べば良いかわからない」「である調は自信がない」という人は、普段からなじみのある「ですます調」をおすすめします。
しかし、どんなに文末表現が優れていても、中身が一貫性のない浅薄な内容だと悪い印象を与える場合があります。
語尾だけに重きを置くのではなく、中身を充実できるように、企業リサーチやエピソードに具体性を持たせることを意識しましょう。
ESは紙上の面接といわれています。ここで「この人に会ってみたいな」と採用担当者に思わせられるかどうかが重要です。
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インターンシップに参加する場合も、ESを書くことがあります。下記の記事では自分を魅力的にアピールするインターンの参加に必要なESの書き方を解説しているので、参考にしてくださいね。
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書類選考は、ESだけでなく、履歴書の提出も求められる場合があります。まずは、ESと履歴書の違いを確認して、面接官に刺さる的確な自己アピールをしましょう。
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ESの語尾を「ですます」に統一するメリット・デメリット
「ですます調」と「である調」にはそれぞれメリットとデメリットがあります。単純に「ですます調が無難」と考えるのではなく、状況に応じた適切な語尾の選択が大切です。
ですます調は、丁寧で柔らかい印象を与えますが、使い方を誤ると単調でリズム感のない文章になります。一方で、である調は簡潔的でインパクトはありますが、固い印象を与えることもあります。
それぞれのメリットやデメリットを把握して、自分の強みを最大限にアピールできる語尾を選んでください。
メリット
ESの語尾を「ですます」に統一するメリット
まずは、ですます調の3つのメリットから紹介します。
①礼儀正しい丁寧な印象を与えやすい
ですます調は、断定的な表現が少なく敬語を含むため、面接官に礼儀正しい印象を与えます。
社会人として働くうえでは、敬語でのコミュニケーション能力は必須であるため、正しい文章を使えると「ビジネスマナーがしっかりしている」などの高評価を受けます。
文章から丁寧さや礼儀正しさが垣間見えることで、会社で一緒に働くイメージを持ってもらいやすい点もメリットの一つでしょう。
ですます調のESからは、社会人として最低限必要なモラルや常識を持ち合わせているといった印象を受けます。
職種や社風にもよりますが、企業内や取引先、顧客とのやりとりにおいても丁寧に対応できる人物であると感じられ好印象です。
②普段から敬語に親しみがあるため書きやすい
ですます調は、アルバイトでの接客やメッセージなど日常的な会話でも使用することが多いため、文章で書く場合もスムーズに表現できます。
一方で、である調は普段から使い慣れていない人も多いため、かえって時間もかかり、誤った表現方法になることも考えられます。
しかし、普段何気なく使用している敬語でも、「ご覧になられる」などの二重敬語に気づかないことが十分にあります。正しい日本語が使用できているか、第三者からのダブルチェックが必要です。
③統一感があり読みやすい
ですます調は、である調と比較すると強い断定的な表現は含まないため、一貫した表現で読みやすい印象を与えます。
たとえば、「私は大学で経済学を学びました。そこで学んだ知識を活かし、貴社の銀行員の一員として働きたいと考えています」などの文章の文末を「〜ました」「〜ます」で統一することで、文章全体がスムーズに読みやすくなります。
一方で「である調」は「私は大学で経済学を専攻した。そこで金融の基礎知識を学んだ。この知識を活かし、貴社の銀行員の一員として働きたいと考える」などの、統一されていない言葉で終わるため、面接官に読みにくい印象を与えます。
そのため、ですます調は面接官にストレスなく、スムーズに読んでもらえる文章になるでしょう。
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ESの語尾を「ですます」に統一するデメリット
ですます調はESでも一般的に使われている文末表現で、面接官へ丁寧な印象を与えますが、デメリットも存在します。メリットだけを把握して書くと、単調で読みにくい文章になる可能性があるため注意しましょう。
ここからは、ですます調のデメリットを3つ紹介します。
①文章が長くなり読みにくくなる
ですます調を多用すると、決められた文字数をオーバーし、大事なポイントを伝えられなくなる可能性があります。
たとえば、「感じました」と5文字になる文章でも、である調であれば「感じた」と3文字に短縮できます。たった2文字の短縮ですが、文字全体の語尾を短縮できるため、よりほかの内容を入れ込んで充実したアピールができるでしょう。
また、である調にすると文章がより簡素化され、要点が明確になるとともに、内容が伝わりやすくなります。
企業によってはESに文字数制限があるため、文字数に余裕がない場合は、である調がおすすめです。
②単調でメリハリのない文章になる
ですます調は、一貫した表現で読みやすい文章である反面、統一すると語尾に変化のない、単調で拙劣な文章になる場合があります。
特に文章では、「です」と「ます」が3回以上続くとリズム感のない、読み手を退屈させる文章になります。
そうならないためにも、語尾を疑問文や体言止めで終わらせるなどの表現技法を工夫し、面接官の心に刺さるような読み応えのある文章にすることが大切です。
- 単調で退屈な文章になると、実際に面接官は流し読みしてしまうのでしょうか……?
単調で退屈な文章でも熱意が伝われば読み進めてもらえる
面接官も多くの学生を面接してきた百戦錬磨のプロです。これまで数多くの文章を読んできました。「文章が上手だから次へ進める」のではなく、「文章が下手でも実際に会ってみないとわからない」というのが本音です。
面接官が「熱意のある文章だな」と感じられるように仕上げることを目指しましょう。面接官は最初から最後まで何度も丹念に文章を読んでくれます。たとえ単調で退屈なものであってもです。
しかし、「字が汚い」「誤字脱字が多い」「何度も読み返さなければ意味が理解できない」文章の場合は、次のステップに進めない可能性が高くなります。
「語尾をどうするか」ということよりも、伝えたいメッセージが伝わる書き方を習得することで、就活だけでなく採用後も活躍できます。
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③誤った敬語になり読み手に違和感を与える
ですます調を使うことで、尊敬語を含むため面接官に丁寧な印象を与えられます。一方で、間違った敬語を使うと、減点ポイントになる可能性もあるため注意が必要です。ESでよく間違いやすい表現は、以下のとおりです。
ESで間違いやすいNGパターン
私は貴社に入社させていただけましたら、全力で業務に励ませていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
NG例文の修正パターン
貴社に入社したら、全力で業務に励みます。どうぞよろしくお願いいたします。
「入社させていただけましたら」は、二重敬語です。「させていただく」自体が謙譲語であるのに対して、さらに「たら」をつけると過剰な使用になります。
このように、誤った敬語を使うと面接官にとって読みにくい文章になり、マイナスなイメージがつく可能性もあります。
しかし、敬語表現を誤ったからといって、すぐに落とされる対象にはなりません。あくまで大事なのは、文章の中身です。自分の魅力を最大限にアピールできる文章を心掛けましょう。
書類選考で落ちるのには、必ず原因があります。その原因を理解しないまま進めると、いつまでたっても書類突破はできません。以下の記事を確認して、落ちる理由を把握しましょう。
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ESの語尾を「である」に統一するメリット・デメリット
ここまでで、ですます調のメリットやデメリットを紹介してきました。である調は一見、不慣れなことから書きにくい印象があるかもしれません。しかし、ですます調で書く学生が多いからこそ、ほかの応募者との差別化が図ることができ、面接官の記憶にも残りやすくなります。
である調を正しく扱うためにも、ここで紹介するメリットやデメリットを把握しておきましょう。
メリット
ESの語尾を「である」に統一するメリット
まずは、である調のメリットから紹介します。
①短い文章で説得力のあるアピールができる
である調は、ですます調と比較すると「だ」や「である」など、文章の内容に自信を持った印象を与えます。自信を持った文章は、強い意志を感じられ、企業への入社志望度の強さをアピールできるでしょう。
また、ですます調と比較すると「いただく」などの謙譲語を使用しないため、文章を短く短縮できる点も大きなポイントです。
しかし、自信を持った印象だからこそ説得力のある内容にしなければESが浅薄なものになります。である調を使用するのであれば、より説得力を持たせるために、細かい数字や具体的なエピソードを織り混ぜながら書くことで、自信を持った印象を与える効果を最大化できます。
短い文章のなかで、自分をアピールするのは難しいものですよね。以下の記事は、誰でも簡単に自己PRできる方法を解説しています。
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ESに悩んでいる就活生は
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②面接官にインパクトを与えられる
先述したとおり、である調は断定的な言い方であるため、企業へ自信を持ってアピールできます。そのため、面接官にインパクトのある印象を与えることができ、ESを最後まで読んでもらいやすくなります。
応募する学生が多いとESも埋もれやすくなりますが、インパクトを与えることで面接官にも覚えてもらいやすいでしょう。
また、ほとんどの学生はですます調で記述しているため、ほかの学生との差別化にもつながります。
- 人気で倍率の高い企業の場合は、である調で書いてインパクトを与えた方が効果がありますか?
企業風土や自分の人柄などを総合的に考えてESの語尾を決めよう
語尾から感じられることはいろいろありますが、結局は内容です。である調でインパクトを与えても、内容がともなわなければむしろ逆効果になることもあります。また「人気で倍率が高い企業」といってもさまざまです。
たとえば航空会社などでCAを志望しているのであれば、「ですます調」のほうが良いでしょう。また製薬会社などで研究職を志望するのであれば、「である調」も良いでしょう。
企業の風土や仕事内容、また自分自身のキャラクターなどを総合的に考えて判断するようにしましょう。
「自分には大した強みがないな……」と思い込んでいる人は多いのではないでしょうか。以下の記事では、自分に合った強みを見つける方法や一覧をまとめています。
自分の強みを見つける方法
強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法
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例文10選|大学生におすすめな自己PRの強み一覧と基本構成を紹介
③豊富に語尾を変えられる
である調は、ですます調と比べると文末表現のバリエーションが豊富に変えられるため、文章がリズム感のある読みやすい文章になりやすいメリットがあります。
ですます調は基本的に、「です」「ます」「ました」「でした」などの同一の表現が多くなります。一方である調は、「考えた」「している」「させた」などのさまざまな表現ができるため、面接官を飽きさせない文章が作れます。
しかし、文末表現の種類が増えすぎるとかえって読みにくい文章になるため、リズム感のない箇所だけに使用するなど、適度に変えることがおすすめです。
デメリット
ESの語尾を「である」に統一するデメリット
である調のメリットを把握したところで、次にデメリットを紹介します。デメリットの内容に即した不適切な例文も紹介しますので、これらを参考にしながら、自分のESと見比べてみてください。
①威圧的なイメージを与えやすい
である調は、自信のある印象を与える反面、普段から見慣れない文章のため威圧的なイメージを与えることもあります。
威圧的に見えやすいNGパターン
私の能力はほかの候補者を圧倒するものである。貴社は私を採用することで、大きな利益を得ることができると考える。
上記のような文章は、企業への敬意があまり感じられず、全体的に謙虚さに欠ける印象を与えています。
書いている間自分では気づきにくいため、翌日の頭がスッキリした状態で見返すと、客観的な自己評価ができるでしょう。である調を使う場合は企業への敬意を忘れずに、具体的なスキルや具体例を取り入れながら、熱意を伝えることが大切です。
- である調で書くと、上から目線に面接官が感じることはあるのでしょうか?
相手に配慮した文章であれば上から目線の印象にはならない
である調が必ずしも上から目線に直結するわけではありませんが、内容と書き方が相まって、上から目線に受け取られることがあるかもしれません。
たとえば自己PRでも、客観的な目線のない一方的な自己主張であったり、根拠のない断定的な書き方だと、印象が悪くなる可能性があります。
である調は事実や実績をシンプルに伝えるのに適しているので、数字や成果を交えて客観的な表現に留めるなど、読み手である面接官に配慮することが必要です。そうした姿勢は文章からも伝わるものです。ぜひ留意してみてください。
②違和感のある読みにくい文章になる
である調は、ですます調と比較して謙譲語を使用しないため、書く際に違和感を感じるかもしれません。
である調のNGパターン
私は貴社の企業理念に強く共感するものであります。ぜひとも貴社で働かせていただきたいと考えている。
上記の例文は、「のであります」と「働かせていただきたい」が丁寧語になっているため、ですます調と混在しています。
である調は、企業に対して敬語を使用せずにESを書くため、違和感が生じ敬語と混在する場合があります。
である調でESを書いた場合は、友人や就活関係サービスなどの第三者を活用して、自分の文章中の癖や間違いを添削してもらうのがおすすめです。
しかし、身近にESを添削してもらえる人がいない方もいるでしょう。実は、AI(人工知能)ツールをESの添削に活用することができます。以下の記事では、活用方法を詳しく解説していますので、ぜひこの機会に活用してください。
関連記事
ES添削でAIを活用する方法|おすすめツールと精度を高めるコツも
「エントリーシート(ES)の提出期限が間近で添削が間に合わない!」と思い、AIを活用しようと思っている人は少なくないのではないでしょうか。 AIをES添削に活用することは効率的に就活を進めることにもつながるため大いに有効 […]
記事を読む
キャリア支援のプロに聞いた! ESでの語尾は評価対象に入る?
ここまでで、「ですます調」と「である調」を使用するメリットとデメリットを解説してきました。しかし「文末表現でミスをすると評価に影響するの?」と思った人も多いのではないでしょうか。
そこで、就活支援のプロであるキャリアアドバイザーの佐藤さんより、文末表現は実際に評価対象に入っているのかを解説してもらいます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
アドバイザーコメント
佐藤 恭子
プロフィールを見る文末表現を活用して自分の魅力を伝える文章は選考を突破しやすい
文末表現だけを評価するということはないでしょう。それぞれのメリット・デメリット、また相手に与える印象を把握し、志望先企業に合わせて選択しましょう。読み手に与える印象が違うということは、意図的に文末表現を使うことで、自分自身を表現することができます。
採用担当者は、かなりの数のESに目を通します。人気企業であればあるほど、その数は多くなるわけです。そのため、初見でもストレスなく読めて、内容が理解でき、人物像が伝わってくる文章は通過しやすくなります。この人物に会って話を聞いてみたいと思わせることが大切です。
ESの内容に魅力を感じれば少しの敬語のミスは気にならない
敬語のミスなど、初歩的なミスがあると内容よりもそこが気になってしまうこともあります。しかし、一つのミスだけで不採用になるかといえば、そういうことでもありません。
ほかの部分で魅力を感じれば、たとえミスがあっても「直接会って話を聞いてみて、それから判断したい」と思うからです。心配であれば第三者に添削してもらい、自分では気付かなかったミスなどを修正してから提出すると良いでしょう。
ESの「ですます」「である」を使い分ける4つのテクニック
ESの「ですます」「である」を使い分ける4つのテクニック
「ですます調」と「である調」を使うメリットとデメリットを紹介してきましたが、「結局どちらにしたら良いかわからない」という人も多いでしょう。
ここでは、文末表現を使い分ける方法を紹介します。判断基準があると、自分がどちらを選んだら良いか的確に選択できるでしょう。表現方法に迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
決められた文字数で選ぶ
文末表現の判断に迷った場合、ESに書ける字数が多い場合は「ですます」、字数に制限がある場合は、「である」を使用しましょう。
目安として、文字数が200文字以下であれば、である調で記載した方が良いといわれています。しかし200文字は比較的短い設定であるため、記載する内容をよく熟考し、要点を絞って記載する必要があります。
ESで文字数制限がある場合、全体の約9割以上を埋めることを目標にしてください。文字数に制限がある場合、情報を制限内に収めるために語尾を短縮できる、である調を用いるのがおすすめです。
自己アピールの内容によって選ぶ
文末表現の使い分けによって、面接官の印象は多少変わります。そのため、面接官にどのような印象を持ってもらいたいのかを考慮し、戦略的に使い分ける方法も有効です。
たとえば、強みが協調性や人柄をアピールする場合は、柔らかい印象を与える「ですます調」が良いでしょう。
一方、強みが責任感の強さや指導力をアピールする場合は自信のある印象を与える、である調を選ぶとより説得力が増します。
「自分が企業にどのような印象を持ってもらいたいか」を基準として語尾を選ぶことで、より効果的に印象を表すことができるでしょう。
私の場合は、論理的で簡潔、仕事に無駄がなく効率的に行動する印象を持ってもらいたいときには、である調にします。
人に接する業務が多い場合など、感情の豊かさや共感性の高さをアピールしたい際には、ですます調を用いるようにしています。
以下の記事は、自己PRや志望動機、ガクチカで面接官の興味を引くような魅力的な書き方を解説しています。ぜひ、参考にしてくださいね。
自己PRの書き方
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業界や業種の特性によって選ぶ
志望する業界や業種によって、文末表現を選択することも可能です。たとえば、ホスピタリティやコミュニケーション力を重視する職種の「ブライダルコーディネーター」「医療・福祉」「ホテル・旅行」などは、ですます調がおすすめです。
一方、論理的な思考や簡潔で客観的な表現が求められる「広告・出版・マスコミ」「コンサルティング・調査」「営業系」などは、である調で書くことを推奨します。
業界や業種が求める人材の特徴によって選ぶことで、企業に与える印象を強められるでしょう。
たとえば教育・福祉業界では生徒・保護者、また、利用者に対して親しみやすが重視される傾向にあるため、ですます調が適しているでしょう。
逆に、研究職・IT・技術系職種では論理性や明確な表現が求められるため、である調がおすすめです。
ESの項目で語尾を選ぶ
ESの1つの項目の文章内で、文末表現を変えることは禁止されています。しかし、自己PRはですます調、志望動機はである調などと、項目ごとに文末表現を変えることは問題ありません。
たとえば、自分の強みをアピールできる自己PRやガクチカは面接官の印象に残るように、ですます調で書くのがおすすめです。
一方、志望動機などは、企業への敬意や謙虚さが大事であるため、ですます調が良いでしょう。
項目ごとに語尾を変えることで、よりほかの学生とも差を付けられ、インパクトを与えるESが作成できます。
私の場合は、論理的に説明をしたい場合や内容に自信があり、簡潔に成果を伝えたい場合は「である調」を、志望動機など、新しい環境のなかで自分自身努力をし、今後企業に貢献していきたい思いなどを伝えたいときは「ですます調」を使います。
アルバイトや部活動での経験を自己PR、強みにでアピールする人は多いものです。ありきたりな内容にならないためにも、差別化できるアピール方法を以下の記事で習得しましょう。
アルバイトのガクチカの作り方
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部活の自己PRで高評価を得る必勝法|15例文を役職・部活別で紹介
油断はNG! 「ですます調」含めた3つの注意点
油断はNG! 「ですます調」含めた3つの注意点
ESができあがっても、油断は禁物。ESを書き上げた後に見直すポイントがいくつかあります。ここではおもに上記の3つを紹介しますので、自分のESと見比べながら確認してください。
これらの注意点が守られていないと、面接官に基本的なビジネスマナーが欠けていると判断されることもあります。面接選考の際は、これら3つの注意点の要素が減点対象となり、結果としてほかの応募者が選ばれる可能性もあります。1つずつ丁寧に確認してくださいね。
語尾の不揃いに注意する
ESの1つの項目にですます調とである調が混在すると、大変読みにくい文章になります。
語尾の不揃いによる読みにくい文章の例
私の強みは、目標達成に向けて周囲と協力する協調性だ。大学のゼミ活動で、チームでプロジェクトを進める際、メンバー間の意見の相違を調整しながら、全員の意見をまとめた提案を仕上げることができました。
その結果、学内コンペで最優秀賞を獲得しました。この経験から、多様な意見を尊重しながら、チームの目標達成に貢献できる力を身に付けることができた。
このように、最初はである調で書いていたのに、徐々にですます調が混じることがあります。
語尾が混在していると、面接官に読みにくい印象を与えてマイナスの評価を受ける可能性があります。まずは、ESをすべて書いた後に語尾の種類が揃っているか、一文ずつ確認しましょう。
不自然な敬語や話し言葉になっていないか注意する
ESで、企業に失礼のないようにと丁寧に書きすぎるあまりに、不自然な敬語を使用したり、話し言葉になったりすることがあります。
間違い | 正解 | |
---|---|---|
社長様 | ◯◯社長 | |
ご覧になられました | ご覧になりました | |
お召し上がりになられました | お召し上がりになりました | |
知りません | 存じ上げません | |
おっしゃられる | おっしゃる | |
ご覧になられる | ご覧になる | |
ご教授 | ご教示 | |
入社させていただきたいと思います | 入社したいと思います |
特に、ですます調に関しては、敬語を使用するため不自然な日本語になっていないか注意が必要です。「お召し上がりになられました」など、「お召し上がり」と「なられました」の二重敬語には気づきにくいため、注意深くチェックしましょう。
話し言葉 | 書き言葉 |
---|---|
なので、だから | そのため、従って |
貴社 | 御社 |
ですから | そのため |
どんな | どのような |
やっと | ようやく |
やっぱり | やはり |
いつも | 常に |
ちゃんと | 正しく |
見れる、食べれる | 見ることができる、食べることができる |
これらは、ですます調とである調のどちらでもミスが起こりやすい表現です。普段の話し言葉は使っていて違和感がないため、文章でも思いがけず話し言葉になることがあります。
特に、「食べられる」から「ら」が抜けた「食べれる」などの「ら抜き言葉」や、「勉強している」から「い」が抜けた「勉強してる」などの「い抜き言葉」は、誤りやすい表現であるため注意しましょう。
自分で見直しをする場合は、WordやGoogleスプレッドシートの校閲機能の活用がおすすめです。日本語で誤りのある部分や誤字脱字の箇所に印を付けてくれるため、間違いに気づきやすいです。
第三者にチェックしてもらうこともミスを防ぐ効果的な手段です。ぜひ依頼してくださいね。
尊敬語と謙譲語の混同も起こりやすいので留意しましょう。よくある間違いは、「ご覧になる」と書くべきところを「拝見される」としてしまうなどです。
また、「させていただく」の乱用も見られます。「させてもらう」の謙譲語としては間違いではないのですが、「する」の謙譲語「いたします」が適切な場合もあります。
たとえば「勉強させていただきました」は「勉強いたしました」としたほうが読みやすいでしょう。
ESでは文末表現も大事ですが、面接官は内容に最も着目します。内容を充実させるためにも、以下の記事を参考にほかの学生と差別化できるような内容に仕上げましょう。
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同じ語尾が何度も連続していないか注意する
文章のなかで「〜です」「〜です」が連続すると、単調なリズムになり面接官が飽きやすくなります。
単調な文章にしないためにも、さまざまな表現技法を用いて工夫しましょう。
ですます調で語尾が連続しない言い回し表現
- 体言止め:文末を名詞で終わらせる
→私の強みは、忍耐力の強さです。どんな困難でも最後までやり抜く姿勢。それが私の特徴です。 - 疑問文:語尾を疑問系で終わらせる
→貴社の今後の成長や発展に、私も参入することはできないでしょうか。 - 倒置法:文章の構成を通常の順番とは逆にする方法
→部署の垣根を越えたかかわりが重要だと、私は考えます。
である調で語尾が連続しない言い回し表現
- 接続詞や副詞を活用
→確かに、物流業界には課題が残存している。しかし、解決策も存在すると考える。 - 中止法:複数の述語を言いっぱなしのように並べる
→私は、大学時代に英語力を磨き、大学3年ではオーストラリアでリスニング力の経験を積んだ。 - 引用法:ネット記事などから引用した言葉を用いる方法
→『顧客ファースト』。この理念に基づき、サービス提供や改善に取り組む。
学生のレポートをチェックしていて「修正したほうがいいよ」と提案したのが「~なのだ」「~と思う(思われる)」「~と考える」の連続です。英語では、「believe」「wonder」「be afraid of」など、thinkに変わる表現は多数あります。
日本語も同様で、さまざまな言い換え表現があります。同じ表現の繰り返しが3回以上続く場合は言葉を変えましょう。
ESに「ですます」「である」を用いた項目ごとの例文
ESに「ですます」「である」を用いた項目ごとの例文
ここからは、「ですます」「である」を用いたESの項目ごとの例文を紹介します。それぞれ自己PRや医療や営業系の志望動機の例文を解説していますので、自分のESにどのように活かせるのか考えながら作成していきましょう。
また、油断はNG! 『ですます調』含めた3つの注意点で解説した内容にも注目しながら読み進めてくださいね。
自己PR:ですます調
自己PR:ですます調
諦めずにやり抜く姿勢。それが私の強みです。
私は大学3年生のときにカナダへ海外留学を経験しました。当時の私は、英語に自信がなく親にも反対されていました。しかし、自分の将来の可能性を広げたい思いから、両親を説得して留学を決意。
留学してからは、予想以上の言語の壁に苦しみ、授業についていくことに必死な毎日でした。しかし、私は諦めずに、多国籍のクラスメートと積極的にコミュニケーションの機会を増やしたり、予習復習の時間を毎日2時間継続したりしました。
その結果、留学の後半では、授業でも積極的な発言ができるようになり、クラスメイトとも自然なコミュニケーションが実現可能に。
この経験を通して、語学力の向上やグローバルな視野を養えたこと、そして何より困難に直面しても諦めずに積極的に挑戦し続ける重要性を学びました。
留学の経験から得た「何事にも諦めずに挑戦する姿勢」の強みを、貴社のCAの一員として業務に活かしていきたいと考えています。
最初に結論が書かれている点、また最後まで強みに沿った内容となっている点も良い部分です。ただ、もう少し具体性が出てくるとさらに良くなると感じました。
CA志望なので、「親」と書いている部分は「両親」に、体言止めの部分は文末まで書いたほうが丁寧に見えるでしょう。
自己PR:である調
自己PR:である調
私の強みは、強い責任感を持ちながら業務を遂行する姿勢である。
大学1年生の頃から2年間続けた居酒屋でのアルバイトでは、始めた1年後に店長から信頼され、アルバイトリーダーを任された。業務としては、20名ほどのスタッフの勤務調整や新人への教育指導、店長代理などをおこなった。
年末の繁忙期に、体調不良者や家庭の事情で欠勤者が増えたことで人員不足となり、営業に大きな影響を与える事態に。
しかし、私は冷静に考え、シフトの再編成、業務フローの見直しを早急におこない人員不足の危機を回避。この経験を通して、リーダーとしての危機管理能力や問題解決能力を身に付けることができた。
この経験で培った強い責任感は、貴社のチームプロジェクトの遂行でも発揮できると考える。
- ESを確認しているのですが、自分では文章の違和感に気付けません……。自分で見直しが難しい場合は、AIに頼んでもよいのでしょうか。
AIは文章の添削に活用しても良いがあくまでもサポート役
添削に活用するのであればChat GPTがおすすめですが、あくまでも「補助的なもの」と考えてください。
文章は「あなたそのもの」を表します。添削をしてもらうときには、あなたのことをよく知っている担当の先生にお願いしたり、大学のキャリアセンターを利用したりしてください。
私は学生のESを添削するときには、学生を前に座らせて、「これはどういうことを伝えたいの?」「ほかに経験してきたことはある?」など質問攻めにして、学生からさらに良い答えを引き出すようにしています。
また、自分で見直す際は「見直しチェックリスト」を作成しておきましょう。書き終えた後に「誤字・脱字」「話し言葉」「文末の統一」などをチェックするリストを用意して、見直しの不備をなくしてください。
医療系の志望動機:ですます調
医療系の志望動機:ですます調
私が貴院を志望する理由は、患者様一人ひとりにしっかりと向き合い、機能回復に取り組めると思ったからです。
高校生の時、私は陸上部に所属していましたが、2年生のときに疲労骨折を起こしてしまい、走れなくなりました。当時は、「しばらくは走れない」という思いからひどく落胆。しかし、当初お世話になった理学療法士の先生は、単にトレーニングだけでなく、私の気持ちに寄り添いながら治療を進めてくれました。
そのおかげもあり、私は前向きに治療に専念でき、徐々に走れるようになったことで、大会への出場も果たせました。ひどく落ち込んだ状況から、希望を与えてくれた理学療法士の方から、患者様の精神面のケアの重要性を私は学びました。
貴院で、専門性を高めながら、患者様一人ひとりのニーズに合わせた治療方針を計画し、寄り添いながら機能回復を手助けできる理学療法士になりたいと思います。
そのときの状況が目に浮かぶ印象に残る良いエピソードですね。「ひどく落胆」の体言止めもアクセントになっています。
改善点としては、一文のなかに「ひどく落ち込んだ状況から~」「理学療法士の方から~」のように「から」が重なり読みにくさを感じられる点です。どちらかの文言を変えてみるとよいかもしれません。
営業系の志望動機:である調
営業系の志望動機:である調
私が貴社を志望した理由は、食で人々を幸せにしたいと考えたからである。
私は大学時代より一人暮らしを経験。始めた当初は、料理もまともに作ったことがなかったことより、コンビニのお弁当や学食を食べる毎日を送っていた。そんななか、スマートフォンの広告で見かけた、貴社のすぐに食べられるレトルト食品。
私は、栄養バランスも気にしていたため、栄養価の高い貴社のレトルト食品に惹かれすぐに購入。貴社の商品は、栄養バランスを考慮しているだけでなく、味にもこだわっており、頻繁に食べても飽きない技術力の高さにすぐに虜になった。
私も貴社の一員として、より多くの人に商品の魅力を知ってもらえるように貢献したいと考える。貴社に入社後は、顧客の喜ぶことを第一に考えながら、業務に取り組みたい。
- である調でESを作成すると自信があって、少し生意気なのでは? と不安です。上記の例文をですます調に書き換えたら印象は変わるのでしょうか?
志望動機は「ですます調」のほうが自分の思いが伝わりやすい
この場合は志望動機になるので、ですます調のほうが丁寧に聞こえるでしょう。
特に上記の例文では企業の商品の魅力について書いているため、である調だとその商品を自分の目線で評価しているようにも聞こえてしまうかもしれません。
そういったリスクを避けるためにも「素晴らしい商品だと感じるから自分もぜひかかわっていきたい」といった思いがより伝わるですます調のほうが良いでしょう。採用担当者もそのほうが気持ち良く読めると思います。
また、体言止めについては多用せず、一箇所程度にしておくと、しつこくなく、文章のリズムに変化が加わって良いと感じました。
ESは「ですます」が一般的! 効果的な使い分けでアピールしよう
ESの語尾は「ですます」「である」などの選択肢がありますが、どちらを選択しても問題ありません。
判断に迷った場合は、「ですます調」をおすすめします。ですます調は、面接官に丁寧で礼儀正しい印象を与えるため、悪い評価は受けません。
面接官に強い印象を与えたい場合や、論理的な思考などが求められる「広告・出版・マスコミ」「コンサルティング・調査」「営業系」は、である調で書くことをおすすめします。
しかし、語尾の選択に注視しすぎるのではなく、文章の内容が重要です。いくら文末表現でうまくアピールできても一貫性がなく浅薄な内容では、面接官に熱意は伝わりません。
文末表現の選択は、あくまでも強みを効果的にアピールする要素として取り入れるようにしましょう。
語尾の工夫次第で面接官に与える印象が大きく異なります。自分にあった表現で、選考へ進んでくださいね。
アドバイザーコメント
降幡 美冬
プロフィールを見るESの誤字脱字や敬語のミスは志望企業への熱意を伝わりにくくする
面接であれば、たとえ敬語を間違ってしまっても、その時の口調や態度から「緊張しているのだろう、意欲は伝わる」と評価されることもあります。しかし、ESはそうではありません。
誤字脱字や敬語の誤用は、「注意力が散漫、見返しや確認を怠る人物」との印象になりかねないミスです。
仕事では、スピードはもちろんですが、同時に正確さや丁寧さも求められます。それだけに、事前にしっかり準備できるはずのESのミスは、あなたの信頼性を損なうだけでなく、企業への熱意や志望度も伝わりにくくさせてしまうのです。
さらに、今後の社会人としての姿勢にも疑問を持たれるかもしれません。
ESは自分で繰り返し見直したうえで第三者にも添削してもらおう
ESは、企業があなたのことを初めて目にする機会であるため、第一印象を大きく左右するものです。だからこそ、ESは時間に余裕を持って取り組み、しっかりと見直しをおこない、丁寧に仕上げることを心掛けてください。
慣れないうちは難しいと感じるかもしれませんが、書いているうちにコツがつかめてくるはずです。それでも不安なときは一人で悩まずに、信頼できる人に添削してもらってください。
自分らしい言葉やエピソードであなたの魅力を伝えるためにも、ぜひこの記事を参考にして、自分に合った文末表現を選んでください。あなたらしさが伝わるESが完成するよう、応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表
Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Kyoko Sato〇証券会社や航空会社のCAとしての勤務を経て、キャリアコンサルタントとして就職支援をおこなう。大学では就活講座や個別相談、企業では新卒採用関連業務を担当。転職相談などでも幅広く活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mifuyu Furihata〇23年間の企業勤めを経て、独立後は企業での採用・育成コンサルティングや研修に従事。個人向けの就活支援セミナーやキャリア相談における、個々の「強み」の掘り下げに定評がある
プロフィール詳細