退職金のない会社はやばい? 後悔のない企業選びの3ステップ

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

    Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている

    プロフィール詳細
  • 国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

    Koji Tanii〇大手メーカーで設計、品質管理に従事。キャリアチェンジののち、高校・大学の就職講師として活動。障がい者の就職や恋と仕事の両立を実現させるコンサルティングなど幅広い支援をおこなう

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  • キャリアコンサルタント

    Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味

    プロフィール詳細

就活で応募先を探す際、給与や労働条件などに加えて多くの人が気になるポイントの一つに退職金制度があります。この退職金について、皆さんのなかには「退職金が出ない会社はやばいのではないか?」と考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし、退職金制度の有無はあくまで会社の特徴の一つに過ぎないため、さまざまな点から自分に合う会社かどうか判断していくことが重要です。

そこでこの記事では、キャリアコンサルタントの桒田さん、谷猪さん、高尾さんとともに、退職金のない会社の実態や自分に合った就職先を見つける方法などについて解説していきます。

退職金の有無にかかわらず、入社後に後悔のないキャリアを築いていきたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

退職金のない会社がやばいという先入観は企業選びの失敗につながる

退職金制度とは、退職の際に会社からまとまったお金をもらうことができるシステムのことですが、なかにはこの制度を導入していない会社もあります。皆さんが就職先を決めるに当たって、そうした退職金のない会社に不安を感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし、「退職金のない会社はやばそう」という先入観にとらわれ過ぎてしまうと、多角的に会社を比較できないため、企業選びに失敗する可能性が高まります。

そこでこの記事では、退職金制度の仕組みや退職金がない会社で働くメリット・デメリットについて詳しく解説します。まずは制度や退職金がない会社について正しく理解して、先入観をなくしていきましょう。

次に、退職金の有無だけに固執して企業選びをすることの4つのリスクについても解説します。具体的なリスクから、あらゆる面から応募先を見極める必要性を理解していってくださいね。

最後に、多角的な視点で自分に合った企業を見つけるための3ステップについても解説します。「退職金のない会社はやばい」と選択肢を狭めてしまうのではなく、豊富な選択肢から後悔しない会社を選ぶためにもぜひ参考にしてみてくださいね。

谷猪 幸司

プロフィール

近年、退職金の支払がない会社は、たくさんあります。理由としては企業も経営が大変だからです。

退職金という一面だけで企業を見るのではなく、自分がどのようなキャリアを歩んでいきたいかどうかということに焦点を当てて選んでください。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

退職金制度とは? 制度の仕組みと現状について知ろう

退職金制度とは、会社が一定の期間働いた従業員に対して、在籍中の職位や実績に応じてお金を支給する制度のことを指します。

皆さんのなかには、この退職金制度についてあまりよく知らないまま、「退職金がない会社で働くのはやばいかも」と不安になっている人もいるのではないでしょうか。

しかし、制度の仕組みを具体的に理解しないまま、なんとなく退職金のない会社を「やばい」と決めつけてしまうのはよくありません。退職金制度は企業によって支給のシステムが異なるため、退職金制度がある会社であっても、皆さんが望むような条件ではない可能性も考えられるのです。

そこでこの章では、退職金制度の種類と退職金の相場について解説します。なんとなくのイメージだけで企業の良し悪しを判断するのではなく、まずは制度の仕組みをしっかり理解しておきましょう。

退職金制度の種類

退職金制度のおもな種類は、以下のような3つに分かれています。

確定給付型在籍年に応じた退職金額が決まっている退職一時金制度(社内積立)
確定給付企業年金制度
厚生年金基金制度
確定拠出型定額の掛け金を積み立て・運用し、退職時の運用成果が退職金となる確定拠出年金制度
中小企業退職金共済制度
特定退職金共済制度
その他生命保険の活用
退職金制度のおもな種類

上記の退職金制度のなかでも、確定拠出型のタイプは企業が従業員に代わって掛け金を資産運用してくれるため、運用が成功すればもとの掛け金の総額よりも多く退職金をもらうことができます。

一方、生命保険を退職金の代わりに活用する場合、支払われる退職金額は保険料として積み立てた金額よりも減ってしまうかもしれません。

生命保険では毎月の保険料の一部を積み立て、残りは保険サービスの運用費として当てられます。退職時に生命保険を解約して返金してもらえるのは積み立てられた分のみとなるため、実際に支払った金額より少なくなる可能性も考えられるのです。

このように退職金制度といってもその運用方法はさまざまで、どれを導入するか、何年目から支給するかなどは企業によって異なるため、退職金制度がある会社すべてで自分の望むような大金が受け取れるわけではないことは理解しておきましょう

どのタイプの制度を取り入れている企業が良いといった違いはありますか?

桒田 里絵

プロフィール

それぞれの制度によって良さやデメリットとなる部分は異なる

どの制度にもメリット・デメリットがあり、企業は退職金を設定する意義や将来性も含めた見通しのうえに制度を作っています。

また、社会情勢がこの先どう変化するかわからないため、一度決めた制度を維持できるかどうか定かではありません。

退職金制度というものは、ある期間会社のために充分な働きをした人に報いるという意味があります。またその金額は退職時の給与の多寡や勤続年数によってかなり変わってくるのです。

会社には退職金制度以外にも見るべき点がたくさんあります。

まだ働いてもいないうちから退職金にこだわりすぎるより、これからの仕事が退職金をたくさんもらえるほど長く働いていける内容なのか、自分が頑張って成長しようと思える環境なのか、まずはそこを見るべきなのです。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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退職金の相場

先の段落では退職金制度の種類について解説しましたが、具体的な金額について気になる人もいるでしょう。

退職金は、従業員が退職する際にこれまでの労働の対価として支払われるものなので、勤続年数が長ければそれだけ会社に貢献してきたとして、退職金額も大きくなります。しかし、退職金の相場の金額は減少傾向にあるのです。

厚生労働省が公開している令和5年就労条件総合調査の概況によると、令和4年の1年間における勤続20年以上かつ45歳以上の退職者一人当たりの平均退職金額は、以下のようになっています。これによると大学・大学院卒の平均退職金額は、平成30年から令和5年の間で100万円ほど減少していることがわかります。

大学・大学院卒高卒
平成30年調査時1,983万円1,618万円
令和5年調査時1,896万円1,682万円
一人当たりの退職金額(勤続20年以上かつ45歳以上の場合)

このように、退職金額の平均は昔と比較すると減少傾向にあるため、退職金のある会社に入社したとしても、自分が退職する際には退職金の額がさらに少なくなっていくことも考えられるのです。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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本当にやばいの? 退職金の出ない企業で働くメリット・デメリット

退職金制度は、法律で導入が義務化されているわけではなく、導入していないこと自体は違法ではないため、退職金制度がないというだけでその会社が「やばい」かどうかは判断できないのです。

そのため退職金制度の有無だけではなく、さまざまな観点から本当にやばいのかどうか考えていく必要があります。

そこでここからは、退職金制度のない会社で働く際のメリットとデメリットについて解説します。

メリット:給与や賞与が高く設定されている傾向が高い

退職金とは、従業員に月々支払われる給与の一部を退職金の分として積み立てているものなので、企業側が捻出しているわけではありません。そのため、退職金制度がない会社では代わりに月々の給与や賞与が高く設定されている傾向があります。

月々の給与が高ければ、それだけ生活に余裕も出やすくなり、余裕のある分は貯金に回したり、自分の好きなときに使ったりすることができるのです。

退職金は自分が退職するときまで手を着けることができませんが、毎月の給与であれば自由に活用することができるため、もらえるお金はもらえるときに欲しいという人や、少しでも給与が高いほうが良いという人にとってはメリットといえます

退職金制度もなく、かといって高い給与や賞与などもあるわけではない会社はやはりやばいのでしょうか?

高尾 有沙

プロフィール

退職金や給与などのお金の面だけで企業の良さは判断できない

一概に「やばい」と判断するのは早計といえます。大切なのは、長期的に自分のキャリア設計にどう影響するかを考えることです。

退職金がない場合であっても、スキルアップや昇進の機会が豊富な企業であれば、転職市場で評価される力を身に付けられ、結果として生涯年収が高くなる可能性もあります。

また、福利厚生や教育制度が充実している場合、長期的な生活の支えとして有効活用できます。

さらに、退職金の代わりに資産形成を自分でおこなうなど、退職金に頼らない方法も取ることができるのです。給与や退職金だけでなく、自分に合った成長環境かどうかを判断材料にしましょう。

デメリット:老後資金や万が一のときのお金を自力で貯める必要がある

先でも解説した通り、退職金は、勤務年数が長くなるほど受け取れる金額は大きくなります。そのため、退職金のある会社に長く勤めて定年退職した場合、まとまった額のお金を受け取ることができ、そのお金を老後資金の一部に当てることができるのです。

対して退職金制度のない会社の場合、どれだけ長く勤めたとしても退職時にまとまったお金をもらうことができないため、老後の資金や万が一のときに必要になるお金を自分で貯めておく必要があります。

日頃から毎月の生活費をやり繰りし、上手に貯金や資産運用ができる人であればさほど大きな問題ではないかもしれませんが、貯金の習慣があまりない人や、浪費癖のある人などにとっては、いざというときにお金がないことは死活問題になりかねません

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

キャリアの専門家に聞いた! 退職金制度を設けていない会社の実態

ここまでの段落で、退職金制度がないことで考えられる良い面も解説しましたが、そうはいっても退職金のない会社に対して「お金がなさそう」「ブラック企業なのでは?」といったイメージを持っている人もいるかもしれません。

そこでここでは、あらゆる職種や業界に詳しく、日々多くの人の仕事や就職の悩みに向き合っているキャリアコンサルタントの高尾さんに、退職金のない会社の実態について聞いてみました。

キャリアのプロの目から見た解説を参考に、なんとなくで感じている不確実なイメージを取り払い、退職金のない会社の特徴を理解していきましょう

アドバイザーコメント

退職金のない会社にはその会社の経営方針に基づいた意図がある

退職金制度を導入していない企業が必ずしも「ブラック企業」や「経営が不安定」というわけではなく、経営方針や働き方改革に基づく戦略的な選択が取られている点は覚えておきましょう。

たとえば、退職金の代わりに給与を高めに設定し、従業員が月々自由に資産を形成できるようにしている企業では、従業員が自分のライフプランに合わせて貯蓄や投資ができるよう支援し、短期間での転職やジョブチェンジも多い現代の働き方に適応しています。

逆に退職金制度がある場合、長期間勤務することが前提のため、勤続年数が短い従業員には恩恵が少ないケースもあるのです。退職金がない企業では、働き方の多様性を重視して短期間でも成長機会を提供する体制が整っていることが多い傾向があります。

特に、ベンチャー企業や成長が著しい企業は、固定の退職金制度に頼るよりも、従業員への報酬やインセンティブに柔軟性を持たせることで、事業拡大や新しい取り組みに注力しています。

確定拠出年金など、個々の積立方式を提供している企業も増えていて、将来的に従業員がリスク分散を図れるよう配慮している会社も少なくありません。

多様な働き方があるからこそ自分のキャリアを軸にして企業を選ぶべし

「生涯一社で勤め続ける」という価値観が薄れてきている現代において、退職金制度の有無だけで企業の健全性や将来性を判断するのは危険ともいえます。

それよりも、その企業が自分のキャリアやライフプランに合った条件を提供しているかどうかを総合的に判断することが大切です。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!

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・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
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後悔する可能性大? 退職金の有無だけで企業を選ぶ4つのリスク

後悔する可能性大? 退職金の有無だけで企業を選ぶ4つのリスク

  • 退職金制度以外の部分でミスマッチを起こす可能性がある
  • 確定拠出年金などの別の制度で対応している企業を見落とす
  • 退職金制度があっても場合によってはもらえないこともある
  • 自分が定年するまで退職金制度が続くかわからない

退職金がもらえないことで、人によってはデメリットが大きいと感じてしまうかもしれません。

しかし、退職金制度はあくまで企業が社員に用意している福利厚生の一部に過ぎず、その制度の有無だけで就職先を決めようとしてしまうのは、さまざまなリスクにつながってしまいます。

ここからは、退職金制度の有無に固執して企業を選ぶことの4つのリスクについて解説します。退職金のような福利厚生が特に気になってしまうという人はいるかもしれませんが、まずはここでの解説を参考に、さまざまな観点から企業を選ぶことの重要性を考えてみてくださいね。

①退職金制度以外の部分でミスマッチを起こす可能性がある

企業選びで応募先を選び、無事に内定を獲得した場合、皆さんはその企業で働くことになります。

しかしもし、退職金の有無に固執して入社する企業を選んでしまっていた場合、仕事内容や社風といった退職金制度以外の部分をしっかり検討できていないことで、ミスマッチを起こしてしまうかもしれません。

そもそも退職金というのは、企業のために長年頑張って働いてくれた従業員に企業が支給するボーナスのようなものです。そのため、そもそもその企業で頑張って働くことができずに早期退職といった結果になってしまえば、わざわざ制度がある企業に入社した意味がなくなってしまうといえます

桒田 里絵

プロフィール

福利厚生が充実している会社に入っても、その制度を充分活用できなければ意味がありません。

福利厚生だけに目が行ってしまうと、仕事内容や社風、職場環境などでミスマッチを起こす可能性があり、福利厚生を活用するどころではなくなります。

②確定拠出年金などの別の制度で対応している企業を見落とす

先ほども解説したように退職金制度にはさまざまなタイプがあり、企業によってその支給システムも異なります。

そのため「退職金あり」というキーワードが求人にあるかどうかでその企業に応募するかを判断してしまうと、別の制度で対応している企業を見落としてしまうかもしれません。

特に、退職金制度のなかでも確定拠出型のような、積み立てたお金を資産運用した成果が退職金となるような制度は、運用がうまくいけば積み立てた金額より退職金額が上振れる可能性もあります

制度の仕組みをよく理解しないまま、「退職金」という言葉だけで企業の良し悪しを決めてしまうと、退職金に代わる制度を導入している良い企業があっても見落としてしまい、企業選びの選択肢を狭めることになるのです。

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③退職金制度があっても場合によってはもらえないこともある

退職金制度を設けている企業は多くありますが、支給対象となる従業員の雇用形態や勤続年数、支給額の計算方法などの細かなルールは企業が自由に決めることができます。

そのため、たとえ退職金制度がある企業に入社したとしても、その企業の定めた基準に満たない場合、制度を活用できないかもしれません。

具体的には、退職金がもらえない場合として以下のようなケースがあります。

退職金がもらえないケース

  • 勤続年数が足りない
  • 契約社員など雇用形態が支給対象ではない
  • 社内規範に違反している

つまり、せっかく退職金のある企業に入社しても、退職時の雇用形態や勤続年数、働き方次第では、その制度のメリットを享受できないことも考えられるのです

④自分が定年するまで退職金制度が続くかわからない

退職金は、その企業に長く勤めるほど高額にはなりますが、そもそもそこまで高額な退職金を受け取るためには、20代前半から定年までといった数十年間働き続ける必要があります。

しかし、数十年の月日のなかで企業の方針や制度がまったく変わらないというところは少ないはずです。時代の流れやそのときの経営状況などにより、今退職金制度がある企業でも、制度がなくなる可能性も十分考えられます

もしそうなってしまった場合、退職金がもらえる企業だから安心だと思って入社した人にとっては大きなリスクになり得るのです。

谷猪 幸司

プロフィール

近年の経済状況や労働市場の変化により、企業のコスト削減やリストラ策が進むため、退職金制度の削減や廃止する企業も増加しています。

退職金制度の導入率は今後も減少傾向が続く可能性があると考えられるのです。

一面だけを見るのではなくさまざまな情報から合った企業を見つけよう

退職金制度は受給できればメリットが大きいといえますが、支給対象となるためには一定の勤続年数が必要だったり、雇用形態や社内規範などにも注意する必要があったりと、そもそも受給できるまでのハードルがあることも事実です。

退職金制度の有無という一面だけを見て企業選びをおこなってしまうと、その企業のほかの特徴を見落とし、適切な判断ができなくなってしまいます。

そして、自分に合った企業を選べていないということは、入社後にミスマッチを起こすだけでなく、そもそもの選考すらもうまくいかなくなってしまうかもしれません

就活における企業選びとは、自分がこれから仕事をする場所を選ぶ大切な行程といえます。だからこそ、退職金制度のような福利厚生だけでなく、具体的な仕事内容や社風、企業の目指すビジョンなどさまざまな情報をもとに自分に合った企業を見つけることが重要です。

高尾 有沙

プロフィール

「危ない会社に入社したくない」と考えるなら、業界研究を含む企業研究を徹底することが大切です。

たとえば退職金制度や福利厚生以外に、業界全体の方向性や会社のビジョンや経営方針、仕事内容、成長機会、社風、働きやすさなどに注目しましょう。

仕事内容が自分に合っているか、キャリアアップの機会があるかを確認することで、より安心して入社する心構えができます。

判断材料を集めよう! 自分に合った企業を見つける3つの手順

判断材料を集めよう! 自分に合った企業を見つける3つの手順

  • 自己分析で定年までのキャリアプランを明確にする
  • 業界・企業研究で退職金制度以外の企業の特徴を把握する
  • 企業の特徴と自分のキャリアプランからマッチ度を判断する

ここまでは、退職金のない会社をやばいと決めつけて企業選びをしてしまう危険性について解説しましたが、そもそもの適切な企業選びのやり方がよくわからないという人もいるかもしれません。

そこでここからは、自分に合った会社を見つけるための3つの手順について詳しく解説します。自分や企業について深く理解し、適切なプロセスで納得して働ける会社を見つけてみましょう。

①自己分析で定年までのキャリアプランを明確にする

先でも述べたように、退職金制度はその企業で長く勤め続けたうえで退職しなければまとまった金額を受け取れるまでにはなりません。

近年では働き方も多様化し、転職をすることで自分のキャリアアップを図る人も増えているため、定年まで勤めず転職する場合、退職金がある企業であってもあまり大きな金額は受け取れない可能性があります

そのため、企業選びでは各企業の退職金の有無を調べるよりもまず、自己分析で自分の定年までの大まかなキャリアプランを明確にしてみましょう。

キャリアプランを考えて、自分がどんな働き方を希望しているのか、将来どのぐらいのポジションでどの程度の収入を目指したいか、その過程で転職の可能性はあるのかなどを明確にすることで、退職金の有無だけではない自分が目指すべき企業像をイメージすることができます。

特にやりたいこともなく、安定した会社にずっといたいので、どうしても退職金の有無にこだわってしまいます……。

高尾 有沙

プロフィール

長く勤めたいなら退職金以外の企業の安定性は特に重要

「安定した会社に長く勤めたい」と願うからこそ、企業選びでは退職金の有無や福利厚生に加え、職場環境や事業内容、自分のキャリアビジョンとの整合性なども同様に確認しましょう。

自分の適性やビジョンとあまりにかけ離れた環境を選んでしまうと、いくら退職金があっても中長期的に働き続けることは難しくなってしまうからです。

また、企業の安定性の観点では、企業の財務状況や離職率などを調べ、安定性を確認するのも重要です。

これらに加えて「仕事に本当に求めるもの」を自己分析によって見極めることで、自分に合った企業が見つかりやすくなります。意外とその要素は、退職金ではないかもしれません。

キャリアプランは、選考時にも企業から質問されることが多いため、しっかり見出しておくことが重要です。以下の記事では、キャリアプランの見つけ方や面接での答え方などを解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

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キャリアプランは面接官が重視する質問の1つ。回答をしっかりと考えることで、入社後のミスマッチを避けられるだけでなく、自分がやりたい業務に配属される可能性が高くなります。この記事では、面接でキャリアプランについて聞かれた際の正しい答え方について、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ解説します。

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マインドマップ

入社後から退職までのキャリアプランを考える際のマインドマップの作成例

具体的なキャリアプランを考える際、自分の頭の中を整理するのにおすすめの方法が、マインドマップを作成することです。

図のように自分を中心に置き、やりたいことや苦手なことなどテーマを決め、そこから連想した自分の気持ちをどんどん書き足してみてください。

たとえば、キャリアプランの一つとしていくつか連想したやりたいことに対して、それぞれの達成したい順番を考えてみることで、どういった順序で希望する姿に向けてキャリアを構築していくべきなのかが考えやすくなります。

ほかにも、自分の得意なことから連想した項目は自分の向いている働き方を考えるための材料となり、苦手なことはストレスにつながりやすい部分や今後克服すべき点を明確にするために役立つのです。

このようにマインドマップは、自分の希望や特徴をまとめて洗い出すことができるため、自分に合った企業を見つけるための判断材料を効率的に集めるのに有効な手段といえます

モチベーショングラフ

モチベーショングラフの作成例

キャリアプランは、自分が将来どんな姿を目指したいかという、ポジティブな将来像をイメージするものであるため、自分の気持ちが前向きになれる状況を明確にすることでよりイメージしやすくなります。

この自分の気持ちの起伏を明確にするために有効な自己分析法がモチベーショングラフです。

モチベーショングラフでは中学生時代、高校生時代などの時系列で区切ってこれまでの人生を振り返り、どのようなときに前向きになれたのか、逆にどんなことによって意欲が下がったりネガティブになったりしてしまうのかを考えていきます。

自分の気持ちが前を向いたときの状況や出来事を具体的に思い出すことで、自分がどんな環境ならいきいきと仕事ができるのかをイメージしやすくなるのです

桒田 里絵

プロフィール

私たち人には、世の中のために使うべき能力が何かしらあるはずです。

やりたいことを仕事にしようとすると「特に何もない」と考え、制度重視に走ってしまうかもしれませんが、自分の力を何に使うことができるかを第一に考えてみてください。

以下の記事では自己分析全般のやり方や、マインドマップ・モチベーショングラフそれぞれの詳しい作成方法をキャリアコンサルタントが解説しているため、自己分析を完璧にマスターしておきたい人は参考にしてみてくださいね。

自己分析のやり方
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

マインドマップ
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説

モチベーショングラフ
テンプレ付き|モチベーショングラフを駆使して自己分析を深めるコツ

②業界・企業研究で退職金制度以外の企業の特徴を把握する

繰り返しになりますが、退職金制度自体はあくまで企業が設けている福利厚生の一つで、これ以外にも事業内容や社風、掲げているビジョンなど企業の特色はさまざまあります。

そのため企業選びでは、業界・企業研究をおこない、退職金制度以外の企業の特徴についてもできるだけ情報を集めておくことが重要なのです。具体的な業界・企業研究の方法には以下のようなものがあります。

業界・企業研究の方法

  1. 会社説明会
  2. OB・OG訪問
  3. インターン

ここからは上記の3つの業界・企業研究の方法について解説していきます。この3つの方法をしっかり押さえることで、企業選びに失敗するリスクを回避できるだけでなく、その後の選考でアピールが必須となる志望動機や自己PRも作成しやすくなるため、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

以下のQ&Aでは、自分に合う企業を見つける自己分析の方法に悩む学生の質問に対して、キャリアコンサルタントがアドバイスしているため、併せてチェックしておきましょう。

会社説明会

企業やその企業が属する業界への理解を深めるのにおすすめな方法の一つは、会社説明会に参加することです。会社説明会は企業側が学生に興味を持ってもらえるように自社についてアピールする場であるため、企業が推し出している魅力や特徴を知るために役立ちます

多くの会社説明会では質疑応答の時間も設けられるため、自分の知りたい会社の特徴に関して質問をすることも可能です。ただしその際、退職金制度や待遇面についてだけを根掘り葉掘り聞くのは望ましくありません。

「仕事内容に興味がない」ととらえられ印象を下げてしまう可能性があるため、その会社の退職金制度以外の事業内容やキャリアパス、社風などについての理解を深められる質問を積極的におこないましょう。

退職金制度などの福利厚生についても聞いておきたい場合には、ストレートにそのまま聞くのではなく「入社後はできるだけ長く働き続けたいと考えているのですが」といったその会社で働く意欲を前置きに添えたうえで質問するのがおすすめです。

会社説明会では、学生から会社の担当者に質問をすることができるため、積極的に質問して自分のほしい情報を手に入れましょう。とはいえどんな質問をすべきなのかわからないという人は、以下の記事をチェックしておいてくださいね。

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OB・OG訪問

自分に合った企業を見つけるためには、企業で自分が実際に働く姿をイメージすることで、相性を見極めやすくなります。しかし、社会人として働いたことがない人の場合、自分がその企業で働く姿を想像することが難しいと感じるかもしれません。

そんなときにおすすめなのが、OB・OG訪問です。OB・OG訪問とは、社会人の先輩たちとコンタクトを取り、その人の働く企業の特徴について教えてもらうことができる場です

すでに社会に出て働いている人から直接仕事の話を聞けるため、自分一人で調べただけでは見えてこないようなリアルな業界・企業の情報だけでなく、実際に働いているからこそわかる退職金制度以外の良い制度や福利厚生などについても知ることができる可能性があります。

とはいえ、OB・OG訪問も企業の特徴をさまざま視点から掘り下げるために活用すべきものであるため、退職金制度やそのほかの待遇ばかり掘り下げることはせず、企業の新たな魅力が引き出せるような質問をするようにしましょう。

OB・OG訪問でおすすめの質問

  • 入社して良かったと思えるときややりがいを感じるのはどんなときですか?
  • 〇〇さん自身が良いと思っている企業の制度や取り組みはなんですか?
  • 〇〇さんの事業部では具体的にどのようなキャリアパスの選択肢がありますか?
OB・OG訪問や会社説明会で、退職金制度について聞いておきたいのですが、やはり質問すべきではないのでしょうか?

谷猪 幸司

プロフィール

退職金制度について掘り下げたいときは配慮が必要

OB・OG訪問や会社説明会において、退職金制度について聞くことは一般的な質問なので、特に失礼に当たることはありません。

ただし、質問の仕方によっては、相手に不快な思いをさせてしまう可能性もあるので、配慮が必要です。

どうしても質問したい場合は、「働くからには長く勤めたいと考えているのですが」といった配慮の一言を添えたうえで、「御社の退職金制度の仕組みについて教えていただけますか?」「御社の退職金制度は、将来的に変更される可能性はありますか?」などと続けましょう。

OB・OG訪問でどんな質問をすべきなのかよくわからないという人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

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OB・OG訪問は質問選びが非常に重要です。事前に聞きたいことを準備しておきましょう。この記事ではOB・OG訪問でのマナーや注意点をキャリアコンサルタントが解説します。また、OB・OG訪問でおすすめの質問100選も併せて紹介します。

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インターン

自分の気になる業界や企業で働いている先輩がいない場合や、さらに具体的に働くイメージを膨らませたい場合には、インターンに参加してみましょう。

これまでインターンと呼ばれていたものとしては以下の4つです。ただし、2022年6月に厚生労働省が公開したインターンシップの推進に当たっての基本的考え方からわかるように一部インターンの取り扱いが変更され、現在インターンとして扱われるのはタイプ③とタイプ④のみとなっています。

種類特徴
タイプ①オープンカンパニー企業が自社の魅力や業界情報を発信する。
タイプ②キャリア教育学生の働く意欲を高め、仕事への理解を深めることをおもな目的としている。
タイプ③汎用的能力・専門活用型インターンシップ企業での職業体験を通じて、学生と企業がより深い接点を持てる。
タイプ④高度専門型インターンシップ企業での職業体験を通じて、学生と企業がより深い接点を持てる。
インターンの種類と特徴

タイプ③とタイプ④の2つでは、必須項目として職業体験が組み込まれていて、職場の雰囲気や上司・先輩の働き方などを間近で見ることができるため、仕事のやりがいや求められる資質、社風など退職金制度以外の企業の特徴を見つけることが可能です

どのタイプのインターンでも質疑応答の時間は設けられますが、そこで退職金制度のような具体的な業務から逸脱した質問だけを聞いてしまうと、企業側からの印象を下げてしまうかもしれません。

インターンはあくまでも業界や業務におけるその企業の特徴を理解する場です。そのことを忘れず、業務に関する質問から積極的におこなって、追加で質問できる場合には退職金制度について聞いてみるようにしましょう。

インターンに向けた準備や対策のポイントなどについても見ておきたいという人は、以下の記事がおすすめです。多くの学生を支援するキャリアコンサルタントが、インターンに参加する際の極意を詳しく解説しています。

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インターンは就活に不可欠? 8つのメリットと選び方を詳細解説

業界研究と企業研究の詳しいやり方は以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

業界研究
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう

企業研究
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も

③企業の特徴と自分のキャリアプランからマッチ度を判断する

自己分析と業界・企業研究によって判断材料が集まった後は、いよいよそれらの情報を精査して自分に合う企業を見つけていきましょう。

先の自己分析でイメージした自分のキャリアプランと企業の特徴とを照らし合わせ、その企業で自分はどんな社会人になれるのか、その将来像は自分のキャリアプランとマッチしているのか、などを考えてみてください。

こうして企業それぞれと自分のキャリアプランとを照らし合わせていくなかで、ここでなら長期的に在籍しながらキャリアを積んでいけそうだという企業が見つかった場合は、退職金制度の有無など企業の福利厚生について調べてみるのも良いかもしれません。

先に制度について気にし過ぎるのではなく、まずは制度以外の企業の特徴を理解して自分の価値観と照らし合わせたうえで、自分には良くない企業なのか、マッチする企業なのか判断してくださいね。

退職金制度以外の判断材料で、その会社がやばいかどうか判断するにはどんなポイントをチェックしておけば良いですか?

桒田 里絵

プロフィール

企業の売り上げや経営利益などの数値で経営状況を確認しよう

その会社がやばいかどうかを知るために見るべきは何よりもまず経営状況の数字です。売り上げや経常利益、自己資本比率などの決算書の数字のほか、株価の動向が発表されている企業であれば目を通しておきましょう。

また、離職率や採用人数の推移、社員数の変化、事業成果の評価、支店や営業所の増減なども参考になると思います。

ただしこういった数字は拡大方向であれば良いというものではありません。明確な考えに基づいて事業規模を縮小することも必要なので一概に数字が下がっているからといって「やばい」とは判断できません。

そこは社内の人たちの様子、OB・OGやインターン時の雰囲気、説明会で得られた情報などを元に総合的に判断するようにしましょう。

そして、自分の目指す仕事が実現できるフィールドかどうか、自分の価値観や考えと合っているかも見るべきです。

キャリアコンサルタント直伝! 企業を選ぶうえで大切な心構えとは

前述の通り、退職金制度などの福利厚生は企業が従業員にモチベーションを保って働いてもらうために設けているものであるため、それだけを当てにしたような企業選びはミスマッチを引き起こしやすくなってしまいます。

とはいえ、条件の良い企業に入社したいという思いが強い人もいるかもしれません。

そこでここでは、就職や仕事について悩みを抱える人たちを日々支援しているキャリアコンサルタントの谷猪さんに、企業選びをおこなううえで大切な心構えについてアドバイスしてもらいました。

谷猪さんの言葉を参考に、自分の先入観やなんとなくのイメージに左右されない客観的視点を養ってくださいね

アドバイザーコメント

退職金制度だけに固執せずに企業選びを成功させるコツは就活軸

退職金や福利厚生なども重要ですが企業を選ぶためのポイントは自分の軸をしっかり持つことです。世の中には何万件もの求人が溢れています。自分の中に就活の軸となるものがなければ、その膨大な求人の数に迷ってしまい、結果、何も考えずにこの会社にしようと決めてしまう人が多くいます。

そのため、会社を選ぶ前に現在の自分は何ができるのか、何が苦手なのかをはっきりさせておくことが大切です。自己分析をおこない、自分としっかり向き合ってください。

自分が大切にしていることと一致する特徴を持つ企業を見極めよう

また良い企業選びには、働く条件を明確にしておくことも重要です。自分が大切にしている働く条件は何か、「仕事内容・勤務時間・収入・休日数・勤務場所」など条件は人それぞれ異なります。その条件を具体的にして、優先順位を付けましょう。

ここまでできてから実際に会社を選んでいくわけですが、その際にも会社の仕事内容や働く人、その会社が何を目標にして経営しているのかをきちんと調べることが重要です。

そしてその後、これまでに見つけた自分の特徴と会社の特徴両方を照らし合わせます。自分の軸とその会社が目標にしていることや求人条件が一致しているかどうかを見極めましょう。

退職金なしの企業に勤める人必見! 後悔しないキャリアを見出す方法

退職金なしの企業に勤める人必見! 後悔しないキャリアを見出す方法

  • スキルアップして昇給や昇格を目指す
  • 資産運用や貯金で将来に備える
  • 退職金のある自分に合った企業に転職する

ここまでの解説で、退職金制度があるかないかだけで企業の良し悪しが決まるわけではないことは把握できたと思います。

しかし、今現在退職金制度のない企業に勤める人のなかには、「このままここで働いていて大丈夫なのだろうか」と不安を感じる人もいるかもしれません。

そこでここでは、退職金制度のない企業であっても後悔しないキャリアを見つけていく方法について3つ紹介します。退職金のような企業制度に頼り過ぎず、自分の納得できる社会人生活を送りたいという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

スキルアップして昇給や昇格を目指す

退職金のない会社がやばいのではと感じてしまう人というのは、この先自分が生きていくうえで必要になるお金全般について不安を感じてしまっているのではないでしょうか。

退職金を含めた将来の収入面に不安がある場合には、自分自身がスキルアップし企業や業界のなかでの市場価値を高めることで改善できるかもしれません。

企業と従業員の関係は雇用契約を結んだ、いわばビジネスパートナーであり、優秀な従業員ほど企業から優遇してもらえるのです。

そのため、今の仕事の専門性を高めるために資格を取得する、率先して業務に参加し重要な役割を全うするなど、自分自身がスキルアップするためのアクションを起こすことで、昇給や昇格につながり、退職金のない企業であっても安定した収入を得られる可能性が高まります。

また、早いうちからスキルを積み、自分の市場価値を高めておくことで、この先転職などで新しいキャリアを目指す場合にも培ったスキルが役立てられるはずです

高尾 有沙

プロフィール

退職金制度の有無にかかわらず、自分のスキルや知識を磨き、多様な経験をすることで、社内での昇給や昇進のチャンスを増やし、長期的に収入を高めることが可能です。

また、万が一退職金制度が変わった場合にも、自身のスキルを高め、人材価値を高めておくことが収入の安定に役立ちます。

転職時には、そのときの年収だけでなく、自分のこれまでの経験やできることが給与の決定要素となるため、結果的に将来にわたって安定したキャリアを築くことにつながるのです。

資産運用や貯金をして将来に備える

将来的に退職金がもらえないことに強い不安がある場合には、この先の自分の人生を見越して貯金を始めてみるなど、今のうちからコツコツ備えておきましょう。

将来の自分のためにお金を準備する方法といっても、ただ毎月コツコツ貯めるやり方しかないわけではありません。毎月貯める資産を上手に運用することで、お金は少しずつ増やすことが可能です。

資産運用方法のおもな種類

  • 外貨預金
  • 株式投資
  • 債券投資
  • 投資信託
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)
  • 貯蓄型保険
  • 不動産投資
  • FX(外国為替証拠金取引)

ただし、こうした資産運用には複雑なお金の管理や専門的なお金の知識も求められるため、よくわからずに手を出すと資産を失ってしまう危険性があります。こうした資産運用などお金に関することは、その道の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談したり、自分でも無理のない範囲で勉強したりしてみましょう

退職金のある自分に合った企業に転職する

将来というのはいつ何が起こるかわからないからこそ、スキルアップしたり自分でコツコツ資産を管理したりしていても、将来への不安が拭いきれないという人もいるかもしれません。

そんな人は、退職金のある自分に合った企業に転職を検討してみるのも一つの選択肢といえます。

ただし、退職金制度はある程度長く勤めなければまとまった金額にはならず、どの会社であっても日々変化しているため、自分が退職するまで退職金制度があるとは限らないということは覚えておいてくださいね。

また転職をする場合は、選考時になぜ転職しようと思ったのかを質問される場合がありますが、この際「今の会社は退職金がないから」のようなネガティブな理由を述べてしまうと心証を大きく下げてしまいかねません。

退職金のある会社に転職する場合であっても企業研究は怠らず、制度以外に魅力に感じたポイントを明確に洗い出しておきましょう

会社の状況に左右されずに自分の市場価値を高めていくためにはどうすれば良いですか?

谷猪 幸司

プロフィール

まずは目の前の目標の達成からコツコツ取り組もう

会社の状況に左右されずに自分の市場価値を高めていくためには、今の皆さんが目前で目標としていることに取り組んでいくことが大事です。

期間が短いものでも良いので、部署内で設定した目標に対してそれに向かって頑張って取り組んでみましょう。その目標を達成できるように振り返りや改善を繰り返すことが大切です。

いきなり自分の市場価値を高めることは誰もできません。一つひとつ着実にこなしていくことから初めていきましょう。

退職金に関してだけでなく、将来に対して漠然とした不安がある人は以下の記事もおすすめです。人の仕事や人生などの悩みに寄り添っているキャリアコンサルタントが、将来の不安の解消のコツを解説しています。

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退職金がないだけでやばいと決めつけず自分にとって良い会社を選ぼう

退職金は、会社が自社に長年貢献し続けてくれた従業員に支給する報酬のことで、この制度の対象者となることができれば、退職時の経済面での安心感は大きいといえます。

逆にこの制度がないからといって、その会社が良くない会社なのかどうかは決められません。会社には退職金制度のような福利厚生だけでなく、事業内容や社風、理念などさまざまな点に違いがあり、魅力があるのです。

だからこそ、退職金制度の有無に固執して企業を見てしまうのではなく、あらゆる手段で情報を集め、多角的に照らし合わせて企業への理解を深めましょう。適切な手順で企業選びをおこなうことができれば、退職金があるかないかなど気にならないほど、自分にとって魅力的な企業を見つけることができるはずです。

アドバイザーコメント

退職金にこだわり過ぎず会社の人が生み出す動きを見ることが重要

退職金制度は企業にとってほんの一要素でしかありません。会社にはほかにも見るべき要素はたくさんあります。

退職金のような福利厚生制度は、いわば企業の本分である営利事業に比べれば副次的なものであり、営業が順調に行かなければ福利厚生も享受できず意味をなさなくなるため、そこにこだわりすぎると判断を誤ることになりかねません。

また会社とは生き物であり、会社の本体は人なのです。人が居なければ会社はただの箱にすぎません。そのため、その会社で人が生み出すすべての考え、動き、結果を見て就職するのかを判断すべきなのです。

制度や福利厚生も含めて自分らしく働ける環境を見つけよう

皆さんは人を見るとき、その人の一面だけを見て判断はしないと思うので、企業もできるだけ多くの要素を元に判断するようにしてください。

とはいえお金は非常に大切なものです。働くうえで最も重要な要素といえるので軽視はできません。

生活に十分な対価を得ながら、自分の目指すキャリアを積み上げていける場であることがベストであるため、充分自己理解したうえで自分の特性に合った仕事内容、いきいきと自分らしく活躍できる職場環境を求めて就職先を選んでいってくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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