この記事のまとめ
- 社会人経験とは卒業後に働いていた経験を指している
- 社会人経験に含まれるのは正社員だけではない
- 企業が社会人経験を求める理由の理解が選考突破の近道
皆さんのなかには新しい仕事を探しているものの、求人票の条件に「社会人経験1年以上」といった記載があり、企業の指す社会人経験の意味に悩む人もいるのではないでしょうか。
企業が指す社会人経験は学校を卒業してから働いた経験のことを指します。これを採用条件に含めることで、企業は最低限のビジネスマナーを有している人材を採用したい意図があるケースが多いです。
この記事では、キャリアコンサルタントの吉野さん、増田さん、柴田さんと一緒に、社会人経験に含まれる働き方や企業が社会人経験のある人材を採用したい理由を解説します。
企業が社会人経験を有する人材を求める理由を理解して、就活でどのように自分をアピールするかを考えましょう。
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社会人経験には正社員以外も含まれる! 自分の経験が当てはまるか確認しよう
社会人経験を求めているといわれると、「雇用形態が正社員の場合しか含まれないのでは?」と気になる人もいると思います。しかし、企業が社会人経験のある人材を求めているといっても、必ずしも正社員だった人を採用するわけではありません。
雇用形態に限らず真面目に働いていたことが採用担当者に伝われば、選考を通過できる可能性は大いにあります。
しかし、どのように自分をアピールすれば採用担当者の印象に残るのか、わからない人もいるかもしれません。
そこでこの記事の前半では、社会人経験として認められる雇用形態や働き方を解説します。併せてフリーターが社会人経験にみなされにくいケースもあるため、当てはまりそうな場合はチェックしておきましょう。
そしてその後で、企業が社会人経験を持つ人を採用したい理由や、転職活動を進める際の注意点を解説します。記事を最後まで読めば、企業が社会人経験のある人材を求めている理由がわかり、選考で伝えるべき内容が明確になります。
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社会人経験とは「卒業後に働いていた経験」を指すのが一般的

社会人経験とは、一般的に学校を卒業した後に、企業に勤めたり自分で事業をおこなったりして働いていた経験を指して記載されています。
雇用形態は限定されず、正社員以外にも契約社員や派遣社員なども含まれています。さらに、企業に勤めず自営業やフリーランスとして働いていた場合も社会人経験として計算が可能です。
このように、学校を卒業してから一定期間働いていた経験があれば、社会人経験を採用条件としている企業に応募できます。
- 学校を卒業してから半年ほどどこにも勤めず過ごしていました。その後に働き始めた場合も、社会人経験に含めて良いのでしょうか?
納得感のある説明ができるように準備しておけば問題ない
就業していなかった期間は基本的には社会人経験に含みませんが、その間に学んだことや経験したことが応募先で活かせるようなら、別の方法でアピールすることはできます。
たとえば資格を取るために勉強していたり、学生時代からの学びを深めるべく何かに取り組んでいたりしたなど、採用につながりそうな理由があるのなら、前職での経験とは別の角度からアピールに使ってみましょう。
ただ単純に就職せず時間が空いてしまった場合、面接で質問されたときにスムーズに答えられるよう、その期間をどう説明できるかあらかじめ考えておきましょう。
まずは自分の状況を確認! 社会人経験として認められる雇用形態や働き方
社会人経験として認められる雇用形態や働き方
社会人経験として認められる働き方や雇用形態は、正社員だけではありません。契約社員や派遣社員のような企業に雇用されているケースはもちろん、自営業やフリーランスなど自分で事業をおこなっている場合も含まれるのです。
ここからは、社会人経験として認められる雇用形態や働き方を解説します。自分の状況を整理して、社会人経験に含まれるのかどうかを考えましょう。
正社員
正社員は企業に勤めて働いているため、問題なく社会人経験に含まれます。特に正社員は、さまざまな仕事を任せられている可能性が高いと考えられ、採用担当者から見ても社会人経験の面では不安を持たれにくい傾向があります。
なぜなら、正社員としての経験がある場合は、社会人として果たすべき責任ある仕事を任せられてきたと判断される可能性が高まるからです。
仕事に責任を持っておこなっていた経験があれば、自社に入社した後も真面目に働いてくれると思ってもらいやすくなります。
さらに、新卒で正社員として入社していれば基本的なビジネスマナーはすでに学んでいると判断されるため、一から教える必要はないと考えられる可能性があります。
正社員として入社した後にすぐ辞めてほかの雇用形態になった場合でも、学校を卒業してから就労経験が少なからずあるといえるため、社会人経験はあると考えて問題ありません。
ただし卒業から約2年以内までは第二新卒としても扱われるので、そちらへの応募も可能であると認識しておきましょう。
契約社員
契約社員
企業に雇用されているものの雇用期間が定められている雇用形態。雇用期間は定められているものの、正社員とほぼ変わらない待遇で雇用されている場合が多い
契約社員も正社員と同じように、新卒で入社した場合は一からビジネスマナーを学んでいる場合がほとんどのため、採用担当者から見れば社会人経験として問題ありません。
ただし、在籍していた企業の方針で任せられる業務が限定されていた場合は、選考時に聞かれたら詳細を答える必要があります。
なお、契約期間が1年で期間満了とともに退職している場合は、その後にほかの企業に勤めているかどうかで、社会人経験の長さが変わります。
期間満了後に働いていない場合は、社会人経験は1年となり、2年以上の経験を求める企業に応募はしにくくなるのです。
派遣社員
派遣社員
企業に直接雇用されるのではなく、派遣会社に登録して派遣先企業で働く働き方。なかには、常駐型派遣社員として、派遣会社で正社員として雇用され、派遣先企業で働く場合もある
派遣社員は派遣先企業で働く前に派遣会社で研修を受けるため、ビジネスマナーを有している場合が多いです。このことから、社会人経験を求める企業でも、問題なく社会人経験だと判断されます。
ただし、派遣社員として勤めていた場合は任せられる業務内容が制限されている可能性があるため、応募企業でたずねられた場合は正直に答えましょう。
派遣社員と似た働き方として業務委託があるため、勘違いがないよう以下の記事で違いを理解しておきましょう。
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業務委託と派遣との主な違いは契約形態・業務形態・指示者などにあります。2つの違いをしっかり理解することで、自分に合った働き方ができる就職先を見つけられます。この記事ではキャリアコンサルタントの見解を交えて、それぞれの特徴や選び方のポイントを詳しく解説するため、参考にしてみてください。
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自営業・フリーランス
自営業
会社に属さず、自分で事業を営むこと
フリーランス
企業に属さず、個人として仕事を受注して働く人のこと
人によっては、学校を卒業した後は企業に勤めず、自営業・フリーランスとして働いている人もいるのではないでしょうか。自営業・フリーランスは自分で事業をおこなっていますが、企業が求める社会人経験に含まれます。
なぜなら、事業をおこなうためにはほかの企業とも関係を持つ必要があり、そのためにはビジネスマナーがないと難しいと考えられるからです。
さらに、企業と連絡する際には電話やメールが必要なため、入社後に取引先と連絡するやり方も理解していると考えられやすいです。
このことから、学校を卒業してから企業に雇用されず自分で事業をおこなったり仕事を受注していたとしても、社会人経験がないから転職活動が難しいと悲観する必要はありません。
アルバイト
学校を卒業した後は、正社員や契約社員としては働かず、フリーターになりアルバイトをしていた人もいるのではないでしょうか。アルバイト経験は社会人経験にみなされにくい場合もありますが、基本的には社会人経験とみなして問題ありません。
アルバイトであっても、仕事に対して真摯に向き合い、業務にあたっていたのであれば、顧客対応や電話応対などの基本的なビジネスマナーは問題ないと考えられる場合が多いです。採用担当者に雇用形態について聞かれた場合も、正直に答えられれば問題ありません。
学校を卒業してから長期間アルバイトをしていた場合でも、同じ雇用先で長く勤めていたのであれば、自信を持って社会人経験として伝えましょう。
ただしアルバイトの場合、企業によっては社会人経験とみなされにくいケースもあります。次の章で詳しく解説しているので、併せてチェックしてみてください。
フリーターとして働いた経験がある場合は、正社員との違いを理解することで今後の就職活動が進めやすくなります。下記の記事ではフリーターと正社員の違いを解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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アルバイト経験は注意が必要! フリーターが社会人経験にみなされにくいケース
フリーターが社会人経験にみなされにくいケース
- 単発や短期での就業が多い
- 経験した業務が単純作業中心である
- 基本的なビジネススキルやマナーを身に付けていない
一般的にはアルバイト経験も社会人経験として伝えられますが、働き方によっては社会人経験として認められない可能性があります。どのような働き方が当てはまるのかを理解しておき、自分の状況を客観的に見てみましょう。
この章では、フリーターが社会人経験にみなされにくいケースを解説します。当てはまる場合は記事の後半で解説している伝え方の工夫が大切になるので、アルバイト経験しかない人はチェックしておきましょう。
単発や短期での就業が多い
アルバイトで雇用されている場合でも、一つの企業で長期間働いている場合は、社会人経験とみなされる場合が多いです。
一方で、複数のアルバイト先を転々としていたり、単発でのアルバイトばかりを続けていたりする場合は、採用担当者が不安に思う可能性があります。なぜなら、単発や短期のバイトばかりをおこなっている人だと、一つの企業に長く勤められるのかが判断できないからです。
企業は一人の人材を採用するだけでも多くの時間やコストをかけているため、飽きてすぐ辞めてしまう人や、困難があったときに挫折してしまう人はなるべく採用したくないと考えています。
ただし、単発や短期での就業であっても、採用担当者が納得する理由があれば安心してもらえる確率が高まります。
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加えて、長期勤務の大変さを理解し、それに対する努力や意欲を伝えられれば、単発や短期のアルバイトの経験しかなくても面接官に安心感を与えられるでしょう。
経験した業務が単純作業中心である
アルバイトとして就業している場合、任せられている業務が単純作業ばかりの可能性もあります。その場合、長く勤めていても企業が求めるスキルや経験を有していないと判断され、社会人経験とみなされない可能性があるのです。
もちろん、なかにはアルバイトとして雇用されていても、シフトの作成やクレーム対応などの責任ある仕事を経験してきた人もいるため、アルバイト業務の中でどういった役割を担ってきたかがポイントとなります。
アルバイトであっても価値ある経験や専門的な技術などがあれば、採用担当者に不安を抱かれる心配は極力減らせます。
基本的なビジネススキルやマナーを身に付けていない
企業が社会人経験を有する人材を採用したい背景には、電話応対やメール対応などの、基本的なビジネスマナーが身に付いている人材を採用したい可能性があります。
電話応対やメール対応は企業によって細かなルールが異なるものの、話すときの口調や文章の作り方は共通する部分があるからです。
しかし、アルバイトとして働いているだけでは、このような基本的なビジネスマナーが身に付かない可能性があります。もちろん、アルバイトであっても電話やメールの対応を経験できる可能性はあるため、一概にはいえません。
基本的な立ち振る舞いや言葉遣いなどが身に付いているかどうかは、面接官が最も気にするポイントです。
周りの大人や先輩達がどんな風に相手と接しているかを観察し、自分も実践できるようにしましょう。
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求める能力が見えてくる! 企業が社会人経験を持つ人を採用したい理由
企業が社会人経験を持つ人を採用したい理由
- ビジネスマナーやスキルの教育コストを抑えられるから
- ビジネスパーソンとしての基本姿勢があり一緒に働きやすいから
- 即戦力となる可能性があるから
企業が採用条件に社会人経験を持つ人を求める理由は、教育コストを抑える目的や、一緒に働くときの働きやすさなどさまざまな理由があります。
どのような意図を持って採用条件に社会人経験を含めているのかを理解することで、企業で求められている人物像が明確になるのです。
ここでは、企業が社会人経験を持つ人を採用したい理由を解説します。採用担当者の気持ちを理解して、自分に何を求められているのかを明確にし、適切なアピールの仕方を考えてみましょう。
ビジネスマナーやスキルの教育コストを抑えられるから
企業に勤めるときは、取引先との電話やメール、実際に会ったときの対応など、さまざまなビジネスマナーが求められます。
新卒の場合、ビジネスマナーやスキルを一から教育する必要があるため手間がかかり、一人前になるまで時間もかかります。
一方で、社会人経験を持つ人材であれば、基本的なビジネスマナーは前職で学んでいる場合がほとんどです。そのため企業は一からの人材育成の必要がなくなり、教育コストを抑えられます。
結果として、自社ならではの業務を教えるだけでスムーズに業務対応ができるようになる点が、社会人経験を有する人材を雇う企業側のメリットとなるのです。
ビジネスパーソンとしての基本姿勢があり一緒に働きやすいから
今まで社会人として働いていた経験があれば、報連相の有無や仕事に熱心に取り組むといった、ビジネスパーソンとしての基本姿勢も整っている場合が多いです。
ビジネスパーソンとしての基本姿勢を持たない人材は、働いているときのモチベーションが低く、思いやりを持って働けない可能性も考えられます。
企業が求めるビジネスパーソンとしての基本姿勢はさまざまであるものの、チームのモチベーションを下げる行為をしてしまう人材は、どこの企業でも喜ばれません。
だからこそ、企業は社会人経験を持つ人材を採用してチームのモチベーションを高め、生産性を良くしたいと考えているのです。
即戦力となる可能性があるから
社会人経験を有する人材を採用すれば、新しい企業に勤めた場合でも、即戦力になれる可能性があります。特に、同じ業種・職種の経験がある人材なら、企業独自の部分以外のスキルはそのまま流用できると考えられるのです。
たとえば、別の業界で営業職をしていた人材であれば、ほかの業界に転職したとしても、営業職のノウハウを活かして即戦力になれる可能性があります。
このように、社会人経験を持つ人材を採用することで、自社に入社してからも即戦力になれるのではないかと採用担当者は期待しているのです。
- 社会人経験はありますが、まったく異なる業界に転職する場合も即戦力が求められるのでしょうか。
受動的ではなく能動的に取り組める人材が求められる
社会人経験のある人を求める企業は、足りない点を自分の努力で補おうとする姿勢がある人を求めています。最初から研修や丁寧な指導を期待し、受け身の姿勢でいる人は好まれません。
異業種・異職種への転職を希望する場合は、企業研究や業界研究が欠かせません。
それぞれの仕事によって、大変さや苦労どころは違ってきます。次の仕事で覚悟しておくべき大変さを調べ、自助努力の準備をしておきましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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キャリアコンサルタントが解説! 企業が求める具体的な社会人経験とは
企業が社会人経験を持つ人を求めている理由が理解できても、具体的にどのような経験が求められているのかわからず悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこでこの章では、キャリアコンサルタントの増田さんに企業が求める具体的な社会人経験を解説してもらいます。企業が何を求めているかを理解して、自分がアピールするべき内容を考えましょう。
アドバイザーコメント
増田 綾子
プロフィールを見る社会人経験として良好な人間関係を築くスキルが求められる
職場とは基本的に、多世代の大人がいる場所です。周りの人に不快感を与えることなく、上手に付き合っていけるかどうかが問われます。
特に、これまでビジネスマナーに対してこだわりのない職場で勤めてきた場合は、社会人としての立ち振る舞いに自信が持てなくなるかもしれません。
しかしここで重要な考え方は、相手に敬意をもって接するということです。社会人経験が少ない場合はなおさら、周りの人達は人生の先輩となります。そういう認識を持って、丁寧な態度で接することが大切です。
与えられた仕事をこなせることも社会人として重要な点
時間を守ったり、指示されたことをきちんとやりとげたりすることも、社会人経験が求められる企業では重要視されるポイントとなるので、身に付いていて当たり前のことと考えましょう。
仕事の具体的な内容については、入社後に身に付けていくことが多いと思いますが、ここまで説明してきたことがきちんとできる人は、入社して日が浅くても信用度が高く、頼りにできる人とみなされます。
社会人経験がある人を求めている会社は短期間で即戦力となれる人を欲している傾向にあるため、社会人経験で身に付けたものを十分アピールできるよう、早めに準備を始めましょう。
第二新卒は社会人経験のアピールが可能? 転職活動を進める際の注意点
学校を卒業してから企業に勤めた年数が3年以内と短い場合は、第二新卒という枠組みで転職活動を進めることができます。ここで、第二新卒は社会人経験に含まれるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
ここからは、第二新卒が社会人経験を採用条件とする企業に転職を考えるときの注意点を解説します。転職活動で悩みにくくなるよう、第二新卒がどのような立場になるのかを以下で理解しましょう。
在籍期間が短すぎると社会人経験なし同然に見られることがある
第二新卒は学校を卒業後に企業に勤めた経験はあるものの、在籍期間が短ければ社会人経験に認められない可能性があります。たとえば、半年以内といった短い期間しか在籍していない場合は、社会人経験がない人と同じ扱いを受ける可能性があるのです。
これは、単発や短期間のアルバイトを転々としている人と同じように、同じ場所での就業経験の短さから、企業が求めるスキルやビジネスマナーを身に付けていないと受け取られやすいからです。
さらに、新卒で入社した企業を早期に退職した場合は、採用担当者から仕事を続けることができるのか不安視される可能性も考えられます。
会社によって基準はさまざまですが、おおむね2年程度の社会人経験があれば採用側も問題ないと考えるケースがほとんどです。
それ以前に、なぜ今の時期に転職する必要があるのか、短い期間でも得られた経験やスキルはあるのか、という点を的確に伝えられるように準備しておきましょう。
第二新卒特別枠でない一般的な中途採用で応募すると社会人経験で劣りやすい
第二新卒として転職活動をする場合、特別枠に応募できる企業があります。一方で、第二新卒用の選考枠を用意していない企業では、一般的な中途採用の枠に応募しなければなりません。
しかし、一般的な中途採用の枠で応募するのであれば、ライバルになるのはほかの企業で経験を積んだ人材である可能性が高いです。第二新卒は就業した期間の短さから、ライバルより高いスキルや知識を有していない可能性があります。
豊富な社会人経験を前提とした即戦力を企業が求めているのであれば、ライバルに対して自分のスキルが負けてしまい、採用担当者に魅力的に映らない可能性が考えられます。
社会人経験に乏しい第二新卒が中途採用枠・キャリア採用枠での転職を検討するなら、まずは求人票に記載されている月収額や想定年収を確認しましょう。
給与が高いほど、それに見合うスキルや経験が求められます。現在の自分の年収とかけ離れている場合は、採用されるのが難しいかもしれません。
しかし、大きな差がなければまずは応募し、やる気をしっかり伝えてみましょう。
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職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!
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社会人経験が少ないなら工夫が必要! 転職を成功させるコツ
転職を成功させるコツ
自分の社会人経験が足りていなかったり、アルバイト経験しかなくて社会人経験とみなされにくいと感じたりする場合は、転職を成功させるためにも自分が優先したい事柄を明確にして、仕事への姿勢を採用担当者にアピールする必要があります。
社会人経験が少なくても採用したいと採用担当者に思ってもらえれば、選考突破できる可能性が高まるのです。
この章では、社会人経験の少ない人が転職を成功させるコツを解説します。社会人経験が少なくても納得のいく転職先を見つけて志望先への内定をかなえるために、やるべきことを明確にしましょう。
転職の軸を明確にする
今までの仕事を辞めて新しい仕事を探すときは、自分が働くうえで大切にしたいことを転職の軸にしましょう。転職の軸を明確にすることで、複数ある企業から自分に合った会社を選びやすくなり、転職してから後悔する可能性を減らせます。
転職の軸を明確にするためには、現在のアルバイトや派遣社員、契約社員の働き方に対して不満を感じる部分と、新しい仕事に対して求める要素を洗い出しましょう。
たとえば、「土日祝日は休みたい」「やりたい仕事ができるかどうかを最優先したい」なども、転職の軸に当てはまります。
現状と望む未来を対比させながら一つひとつ深掘りすることで、自身が転職先を選ぶうえで特に重視したい転職の軸が見えてくるのです。
転職先に求める優先したい事柄を書き出したら、優先順位が高い順番に1から数字を振ることで、自分のなかで特に大切にしたい事柄がより明確になります。
そして、番号を振ったなかで3番目までを満たす企業を探すことで、多くの企業から自分にあった就職先を見つけやすくなります。
このように、転職先を探すときは転職の軸を基準に希望選びをすれば、志望動機の筆も進み、採用担当者にも思いや熱意が伝わりやすくなるのです。
- 転職の軸は「収入面」としても問題ないのでしょうか?
転職の軸が「収入面」でも問題はないが理由を明確にしよう
収入面を転職の軸にしても問題はありません。ただ、単にお金がたくさんもらえれば良いなどの安易な考えだと思われないようにする必要があります。
自己啓発や生活面での充実には金銭的な余裕が必要であるなど、自己の成長には収入アップは必須といった考え方もあります。
また、給与の上昇は会社の自分に対する評価の表れなので、自分を高めるための評価軸として収入をその基準としている、などととらえている人もいるかもしれません。
このように、なぜ収入面を転職の軸としているのか明確に伝えられるようにしておきましょう。
転職の軸をどのように明確にすれば良いかわからない人は、下記の記事で詳しいやり方を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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一目でわかる転職の軸! 自分だけの軸の見つけ方をイラストで紹介
転職の軸は企業を選ぶ際に重要な指標です。就活で定めた場合も、転職時には改めて定めるのがおすすめです。記事では、転職の軸の重要性や作り方、具体的な例をイラストで紹介しています。自分だけの転職の軸を見つけて転職を成功させましょう。
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さらに、第二新卒が履歴書を作成するときは、こちらの記事で志望動機や自己PRのコツを理解して作成しましょう。
第二新卒向け志望動機
例文付き! 第二新卒の志望動機でアピールを最大化する秘訣を解説
第二新卒向け自己PR
プロが解説! 第二新卒の自己PRが作れる4ステップと注意点
現職での具体的な成果やスキルがわかる職務経歴書を作成する
第二新卒枠や中途採用の枠から企業に応募する場合は、履歴書だけでなく職務経歴書の提出も一般的です。
職務経歴書
応募先の企業に今までの仕事での職務経験や身に付けたスキル、能力をアピールするための書類
雇用形態が派遣社員やアルバイトの場合でも、職務経歴書で任せられていた仕事を記載しておくことで、社会人経験を有していると判断される可能性が高まります。
たとえば、コンビニの店員であれば商品の補充や接客対応なども職務経歴書に記載して問題ありません。さらに、志望先企業で役立つような能力を記載しておけば、採用担当者の印象にも残りやすくなります。
なお、複数の職場で経験を積んでいた場合は、それぞれを詳しく記載しておくとさらに自分のスキルを伝えやすくなります。
今までアルバイト経験しかない場合は、職務経歴書の書き方に悩む人もいるのではないでしょうか。こちらの記事では職務経歴書の書き方を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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例文で解説! フリーターが職務経歴書を書く際のコツを徹底解説
これまでフリーターをしていたけど働こうと思った場合、職務経歴書に何を書こうか悩んでしまうかもしれません。この記事では、そもそも職務経歴書には何を書けば良いのか、フリーターの期間はどのように書けば良いのかを解説していきます。
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あわせて、フリーター経験を持つ人が正社員を目指す際にはいくつかコツがあります。以下の記事ではフリーターから正社員になる方法を解説しているため、目を通しておきましょう。
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フリーターから正社員になるのは難しいですが、不可能ではありません。記事では、フリーターから正社員になるメリットやなり方、選考通過率を上げるコツをキャリアコンサルタントと解説します。採用率が高い傾向にあるおすすめの職種も紹介するので、参考にして選考を突破しましょう。
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責任感を持って仕事をしていたことを伝える
企業が社会人経験を持つ人材を求めるのは、責任を持って仕事をしてくれる人材に入社してほしいと思っているからです。
雇用形態がアルバイトや契約期間に定めがある契約社員でも、責任感を持って仕事をしていたことを伝えられれば、社会人経験の少なさはカバーできることもあります。
責任感を持って仕事をしていたことを伝えるには、履歴書の自己PR欄がおすすめです。責任を持って仕事をしていたからこそできた工夫や提案を、思う存分アピールしましょう。
履歴書の自己PR欄で責任感を持って仕事に向き合っている姿勢が伝われば、書類選考を通過して面接に呼ばれ、さらに直接熱意を伝えやすくなり、内定に少しずつ近づけます。
これまで経験した仕事で「こんな仕事を任されていた」「こういうときに頼りにされていた」という具体的なエピソードがあれば、社会人経験が少なくても仕事への責任感があると判断されやすいです。
たとえば「接客業で閉店後のレジ締めをおこなっていた」「スーパーで賞味期限切れの商品管理を任されていた」など、その現場でしっかりと責任を全うできる人とみなされていたことが伝われば、採用につながりやすいでしょう。
責任感を自己PRで伝えるときは、失敗例を理解しておくことで採用担当者に響く内容が記載できます。下記の記事では責任感を伝える自己PRの書き方を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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例文11選! 責任感の自己PRに重要な3要素を就活のプロが解説
責任感の自己PRは安易に使用すると高評価を得られません。注意点を踏まえて内容を考える必要があります。この記事では仕事で求められる責任感か見極める基準や自己PRでアピールする方法、周囲と差別化するコツをキャリアコンサルタントが解説します。
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なお、フリーターをしていて自己PRの書き方に悩む場合は、下記のQ&Aコンテンツを参考に作成しましょう。
意欲や熱意があることをアピールする
一緒に働くのであれば、仕事に対して高い意欲や熱意を持った人材を採用したい採用担当者は多いです。
仕事に意欲や熱意を持たない人を採用してしまうと、企業や部署全体の士気が下がる可能性や、熱意のなさから嫌なことがあればすぐに辞めてしまう場合も考えられるからです。
仕事への意欲や熱意を伝えるためには、志望動機でその企業だからこそ入社して働きたいという気持ちを伝えましょう。たとえば、事業内容や取り組みで魅力を感じた部分を記載することで、熱意の高さが伝えやすくなります。
自分がなぜその企業に応募しようと思ったのかを思い返して、他社ではかなえられない未来を伝えましょう。内容に具体性があればあるほど、採用担当者に納得されて選考突破できる確率が高まります。
仕事への意欲や熱意を伝えるときは、逆質問や意気込みをしっかり考えておく方法もあります。下記の記事では逆質問や意気込みの例を解説しているため、併せてチェックしておきましょう。
逆質問のポイント
面接の逆質問50例|熱意を伝えつつ企業とのマッチ度を見極めよう
意気込みの伝え方
例文あり|就活で話す意気込みを場面別で解説! 企業の意図や注意点も
社会人経験について質問された場合の回答を考えておく
企業で社会人経験を聞かれた場合は、今までの企業でどのような経験を積んできたのかを伝えましょう。たとえば、「業務内容の改善を提案した」「顧客の買い周りを想定して導線を考え什器を設置した」といったささいな内容でもかまいません。
また、自分が前職で何を成し遂げたかを、可能であれば具体的な数字を含めて伝えることで、職種や業種の異なる採用担当者にも能力が伝わりやすくなります。
さらに、その成果を出すために基本的なビジネスマナーを有していることも間接的に伝えられ、社会人経験があると判断される可能性が高まるのです。
複数の企業を経験している場合は、各企業でどのようなことをしていたのかを整理しておきましょう。
社会人経験について問われたときに、経験や成果を述べることはもちろん大切です。
しかしそのなかから自身のキャリア形成に関して、どのようなゴールを設定したかまで話せる人はなかなかいません。
日々の仕事でやるべきことをなすだけではなく、そこからどのような自己実現を目指すのか、中長期的なプランを示せる応募者にはとても興味がわきます。
面接の場面で焦らないためには、事前の準備が大切です。質問への想定や面接練習を重ねておき、落ち着いて対応できるようにしましょう。以下の記事では質問の例や効果的な練習方法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
面接の質問対策
面接の質問150選! 回答例から答え方まで質問対策を完全網羅
面接練習の方法
効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介
内定を勝ち取るために! 社会人経験がない既卒でも選考突破する方法
社会人経験がない既卒でも選考突破する方法
- まずは正社員以外の雇用形態に挑戦する
- 過去の経験から得た社会人相当のスキル・知識を伝える
- 履歴書の空白期間に何をしていたかを整理する
人によっては、学校を卒業した後に社会人として働いた経験がない人もいるかもしれません。そのなかでも企業に勤めて働きたい気持ちがあるときは、雇用形態の選び方や空白期間の伝え方を工夫することで、採用担当者の目に留まる可能性が高まります。
ここからは、社会人経験がない既卒でも選考を突破する方法を解説します。社会人経験がないからといって諦めず、何から行動すれば良いのかを理解しましょう。
まずは正社員以外の雇用形態に挑戦する
正社員を目指しているものの、社会人経験がないことで応募できる企業が少ない人もいるのではないでしょうか。その場合は、無理に正社員としての入社を目指すのではなく、契約社員や派遣社員から挑戦するのも一つの手です。
社会人経験がまったくない状況だと、正社員を雇用したい採用担当者は候補者が入社後にきちんと働けるのかが判断できず、採用に踏み切れない可能性があるのです。しかし、契約社員であれば正社員よりもライバルが少ない分、選考突破できる可能性が高まります。
さらに、派遣社員なら登録してから派遣会社が企業を探してくれるため、派遣先がまったく見つからないという事態は避けられる可能性が高いです。
まずは正社員以外の雇用形態で1〜3年ほど働き、社会人経験を身に付けることで、その後に正社員に向けた転職活動がしやすくなります。
雇用形態は、求人内容を確認しながら決めていくのが現実的です。どの雇用形態であっても、まずは週40時間のフルタイムで働く経験が役立ちます。
正社員として働くには、フルタイムに耐えられる体力と気力が欠かせません。そのうえで、将来目指す仕事内容に近い経験ができる求人を選ぶと良いでしょう。
過去の経験から得た社会人相当のスキル・知識を伝える
社会人として働いた経験がなくても、学生時代や卒業後の期間に得た社会人相当のスキルや知識をアピールする方法もあります。
たとえば、学生時代におこなっていたアルバイトで得た経験や、空白期間を活用して秘書検定をはじめとした資格などを取得していれば、社会人経験がなくても採用担当者の目に留まる確率が高まります。
企業が社会人経験を持つ人を求めるのは、基本的なビジネスマナーや即戦力になり得る経験に魅力を感じるからです。このことから、社会人経験がなくても、必要なビジネスマナーやスキルを身に付けていれば、選考突破できる可能性が出てきます。
志望動機や自己PRの書き方を工夫して、自分の能力を採用担当者に伝えましょう。
アルバイト経験を採用担当者に伝えるときは、自己PRた職務経歴書の活用が有効です。下記の記事ではアルバイト経験をアピールする方法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
アルバイト経験の職務経歴書
アルバイト経験を職務経歴書に書く方法|すぐ書けるフォーマット付き
アルバイト経験の自己PR
例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説
就職へ向けてどのような資格を取得すれば良いか悩むときは、下記の記事を参考にすると選びやすくなります。
就職に有利な資格
就職に有利な資格33選! 業界・状況別であなたに合った資格を解説
取りやすい資格
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説
履歴書の空白期間に何をしていたかを整理する
卒業してから半年以上無職の期間がある場合は、採用担当者もその間に候補者が何をしていたのか気になる場合が多いです。履歴書の空白期間が長いと、働くことに関して意欲が低いと見られ、選考突破できない可能性があります。
こうした理由から、面接では履歴書の空白期間に何をしていたのか問われる可能性があります。しかし、空白期間でおこなった活動を説明し納得してもらえれば、社会人経験の少なさはマイナスな印象になりにくいです。
資格取得や家族の看病など、採用担当者が納得しやすい理由を具体的に伝えましょう。
- 履歴書の空白期間を特に何もせず過ごしてしまいました。どのように採用担当者に伝えれば、マイナスの印象にならずに済みますか?
空白期間をとおして感じた思いや価値観の変化を伝えてみよう
空白期間を気にする採用担当者は多いですが、何もしなかったと伝えたり、反対にいかにもありそうな虚偽の話をしたりするのはやめましょう。
就職しなかった理由を冷静に考え、その時期を自分としてどうとらえ、今後に活かしていくかという方向性でアピールポイントに変えていくのがポイントです。
具体的には、就職先をどう選んだら良いのかわからず迷っていた期間が長かったが、応募先企業に魅力を感じ気持ちが固まったなど、自分なりの理由をしっかり考える必要があります。
もし自分だけで上手にまとめることができない場合は、キャリアコンサルタントや地域若者サポートステーションなど、就業支援の専門家に相談してみるのも良い方法です。
履歴書の空白期間に資格取得に向けて勉強していた場合は、併せて資格欄の書き方も理解しておくと効果的に伝えやすくなります。下記の記事では履歴書の資格欄の書き方を解説しているため、目を通しておきましょう。
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履歴書の資格欄で好印象を残すには? 書き方から疑問点まで完全網羅
新卒就活生向けに履歴書の「免許・資格欄」の書き方を、キャリアコンサルタントと共に徹底解説します。採用担当者が見ているポイントや、よくある疑問点を例を交えながら紹介。履歴書の資格欄はスキルをアピールできる項目なので、ぜひ参考にしてみてください。
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就活のプロが解説! 社会人経験がなくても採用したいと思う人の共通点
社会人経験がない場合、どのようにしたら採用担当者にプラスの印象を持ってもらえるのか悩む人もいるのではないでしょうか。自分の経歴に自信が持てないことから、面接の場面でうまく話せない場面もあるかもしれません。
そこでこの章では、キャリアコンサルタントの柴田さんに、社会人経験がなくても採用したいと思う人の共通点を解説してもらいます。採用担当者が魅力を感じやすい人を理解して、選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見るブランクの期間をどう過ごしていたか振り返るのが肝心
社会人としての経験がなかったり、経験が少なくても採用されたりする人は、「これからどうなりたいのか」を明確にできている傾向があります。
たしかにこれまでは自分は何をしたいのか、どうなりたいのかがわからずに社会人としての経験が積めなかったのかもしれません。
しかし、その時期を何もせずに過ごしていたのではなく、自分を見つめ直したり何らかの勉強をしたりするなどの行動を起こしていたのではないでしょうか。
もしそうであれば、それは社会人として働いていなくても、自己の成長につながっているはずです。
そこからさらに「これからどうなりたいのか」というゴールを導き出せていれば、採用担当者にはとても魅力的に映ります。
志望先企業をよくリサーチして思いや熱意を明確にしよう
また、そのような自己理解の結果として応募先企業を選んだという志望動機を示すことも重要です。
志望先はなぜ自分のキャリアゴールを目指すにふさわしいのか、その会社やその業務で何を実現させたいのかなどを示しながら、「どうしても御社で働きたい」という意欲をアピールしましょう。
「ほかの企業ではなく、何が何でも御社でなければならない」と言われて興味を示さない採用担当者はいません。志望先企業についてよく調べ、熱意を力強く伝えましょう。
企業が社会人経験がある人を求める理由を理解して選考突破を目指そう
企業が採用条件に社会人経験を持つ人を含める理由の一つは、基本的なビジネスマナーを持ちビジネスパーソンとしての姿勢を理解している人を求めているからです。
このことを理解したうえで就職活動をおこなえば、社会人経験が少なくても選考突破できる可能性が高まります。
また、社会人経験が不足していて正社員の選考が突破できないと悩むときは、まずは派遣社員などほかの雇用形態から始めるのも手です。一度社会人経験を積むことで、再度転職活動するときにその経験が役立ち、正社員への転職をかなえやすくなります。
いずれにしても、企業が社会人経験を持つ人に何を求めているのかを理解し、書類選考・面接時に自分を効果的にアピールして選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
吉野 郁子
プロフィールを見る他者や社会への貢献実績こそが社会人経験の本質
「社会人経験がある」の対義語は、「学生気分が抜けない」といえるかもしれません。自分が楽しい・学べる・成長できることは、学校や趣味の役割です。
学校と仕事の大きな違いは、「自分のため」か「他者のため(世のため・人のため)」かという目的の違いにあります。
お金をもらうことの責任を自覚し、効率や成果、時間管理を意識して業務に取り組めるかといった姿勢こそが、「社会人経験がある」と期待されるかどうかを左右するポイントです。
具体的なスキルよりも、こうした意識が身に付いていることが重要なのです。
失敗を繰り返すことでも社会人経験は養われる
責任感を持ち業務に取り組む意識は、「失敗した」「叱られた」「迷惑をかけた」といった経験から学ぶことで養われます。反省を通じて成長することが、社会人としての成熟につながるのです。
失敗しながらも周囲の役に立てる自分へと成長・努力した経験は、人生の大きな財産になります。
現時点で「社会人経験が足りない」と感じている人も、今後の仕事で出会う失敗や努力から逃げないことで、必ず成長することができます。まずはご縁のあった仕事に、誠実に取り組んでいきましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/キャリアデザインオフィスあかつき代表
Ayako Masuda〇団体職員や子育てを経験後、行政のワーク・ライフ・バランス推進部署で勤務。現在は若者サポートステーションでキャリア支援をするほか、女性や企業向けのキャリア関連講座の講師も務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/公認心理師
Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細