この記事のまとめ
- ガクチカ作成にAIを使う前にAIの課題も理解しよう
- AIでガクチカを作成した際の企業側の印象や選考への影響を紹介
- AIを使って4ステップでガクチカの質を上げる方法を実践しよう
- ChatGPT ガクチカ作成ツール
ChatGPTツールを活用すれば、選考通過率の高いガクチカができます!
この記事を読んでいる人におすすめ
ガクチカ、つまり「学生時代に一番力を入れたこと」は、就活で頻繁に聞かれる質問の一つです。学生時代の努力をアピールする項目なので、自身の強みを示す自己PRとは違う角度で、自身のポテンシャルを示す必要があります。
しかし、いざエントリーシート(ES)に書こうとした時、テーマが思い浮かばなかったり文章がまとまらず、手が止まってしまうという人も多いのではないでしょうか。近年はそういった学生の悩みに寄り添うツールとしてAI(人工知能)が登場していて、指定した要素を盛り込んだ文章を学生に代わってAIが生成してくれます。
とはいえ、「そもそも就活にAIを使っても良いの?」「AIを使ったことが企業にバレたら選考に落ちるのでは……」と疑問や不安も感じてしまいますよね。
この記事ではキャリアアドバイザーの野村さん、杉原さん、平井さんとともに、ガクチカの作成にAIを使うとどうなるか、使うならばどう付き合うべきかを解説していきます。効率的に質の高いガクチカを作成したい人はぜひ参考にしてください。
AIの活かし方を正しく理解すればガクチカを効率的に作成できる!
学生の関心や主体性など、ガクチカは一般的なESの項目のなかでもとりわけ人柄が表れるものです。そのため、エントリー先に応じてガクチカの内容を調節する必要がありますが、それには相当な時間と労力がかかります。
AIは使い方次第で人の労力を削減し、時間短縮に一役買ってくれる便利なツールです。AIを活用できれば、ガクチカ作成のハードルを下げられる可能性がありますが、特有の課題も抱えているので利用の際には注意が必要です。
この記事では、AIを活用して魅力的なガクチカを書く方法を解説します。併せて、AIを利用する際に理解しておくべきメリット・デメリットや、ガクチカを書く際に起こりがちな悩みを解決できるAIハックも紹介するので、ぜひ最後まで読んで、あなたの強みや個性を有効に伝えるガクチカを作成してください。
ガクチカだけではなくESの添削でAIを活用することも可能です。以下の記事ではESでAIを活用するメリットと注意点を詳しくまとめているので参考にしてみてください。
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ガクチカ作成にAIを使うと何が楽になる? 欠点もあわせて解説
ガクチカ生成にAIを使うメリット | ガクチカ生成にAIを使うデメリット |
---|---|
ガクチカを手早く準備することができる | AIの利用が企業にバレると悪印象を持たれやすい |
提出する業界・企業ごとの手直しが効率化できる | AIへの指示内容や用途次第では添削に時間がかかる |
前提として、ガクチカ作成の際に利用するAIは生成AIを指します。人間の指示(プロンプト)に従って、文章や画像などを自動で生成するものです。そしてそのアウトプットは、人間による成果物を大量に学習し再構築したものになります。
こう聞くとAIは便利そうですが、就活においてはどれほど有効に活用できるのでしょうか。2024年6月7日に発表されたマイナビ2025年卒大学生活動実態調査(5月)によると、学生の約37%が就職活動にAIを利用しています。
すでにこれほど多くの学生がAIに利便性を見出しているとなると、就活にAIを活用する学生は今後も増えていくと予想できます。ライバルに遅れを取らないためにも、便利なツールの活用を選択肢の一つとして持っておくのは有益な準備です。
とはいえ、AIには得意不得意があり、目的によってはかえって遠回りになりかねません。ガクチカを作成する際にAIを利用するとどのような恩恵が得られるのか、反対に弊害はあるのか、実際に利用する前に確認していきましょう。
メリット①ガクチカを手早く準備することができる
就活用の生成AIは、ガクチカをはじめとするESの各記入項目の多くの実例や、就活で広く求められる論理的でわかりやすい文章の型をすでに学習しています。
そのため、「ガクチカの書き方がわからない」「文章がうまくまとまらない」といった悩みに対して非常に有効です。アピールしたい要素を指定すれば、瞬時にきれいにまとまったガクチカを作成してくれます。
文章を書くことに苦手意識がある人や、ガクチカとして書きたい出来事をわかりやすく言語化できている自信がない人にとって、AIは大きな手助けになります。
メリット②提出する業界・企業ごとの手直しが効率化できる
ゼロからガクチカを作成するタイミングのみならず、一度完成させたガクチカを書き直す際にもAIは有効活用できます。
学生時代に力を入れた出来事自体はそのままにアピールポイントだけを微調整したい場合や、内容は変えたくないものの字数を削減ないし増幅させたいといった場合も、AIは豊富な情報をもとに回答例を提示してくれます。
AIは人間の知的活動を再現する技術なので、文章に入れる要素や制限といった条件がそろっている状態で、それに沿って行動することは得意なのです。
文章を書くのが苦手な人にとって、AIは非常に役立つ存在でしょう。文法的誤りや主語と述語のねじれのない、いわゆる日本語としてきちんとした文章を生成してくれるからです。
ただし、ESの一部にAIが生成した文章を混ぜると、ほかの文章の文体との違いから本人が書いたものでないとすぐにわかります。注意してください。
コピペで使えるガクチカがChatGPTでかんたんに作れます
学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)は、自己PRや志望動機と差別化するのが重要です。とは言え、ガクチカで話せるネタがなく悩む人も多いでしょう。
そこで活用したいのが「ガクチカ作成ツール」です。このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけで採用担当者に魅力が伝わるガクチカが完成します。
ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。
デメリット①AIの利用が企業にバレると悪印象を持たれやすい
AIが便利なツールであるがために、もし企業にAI利用を気付かれた場合、「この学生は自社のために力を入れてくれなかったのか」とマイナスなイメージを持たれる可能性があります。
時間や労力をかけることが熱意の証明になるわけではありませんが、企業によっては「ガクチカを書くことに力を注いでくれない学生は、入社後に任されるすべての業務に熱心に取り組んでくれるだろうか?」と疑問を抱くきっかけになりかねません。
また、生成AIは他者の成果物を下敷きにしてアウトプットを作っているため、AIそのものに否定的なイメージを持っている面接官がいる可能性もあります。このようなリスクを避けるためにも、AIが生成した文章を丸ごと転記するのではなく、自らの手で文章をブラッシュアップするようにしましょう。
デメリット②AIへの指示内容や用途次第では添削に時間がかかる
AIは利用者である人間の指示に沿って文章を生成するため、指示の内容があいまいだったり、指示自体がAIにとって難しいものだったときには、希望にかなわない文章を提示してくることもあります。AIがおこなうのは成果物の再構築なので、指示のなかに適切量の情報が入っていないとあなたの経験を反映したガクチカは書けません。
あるいは、AIもまだ発展途上の技術なので、不自然な日本語や文法的に正しくない文章を生成することもしばしばあります。効率化を目的にAIを使ったにもかかわらず、その修正に時間がかかっては本末転倒です。
そのため、AIに文章を生成させる際には適切かつ明確な指示を与える必要があります。
ガクチカに限らず、応募書類は応募先の求める人材像に合わせて自分の強みを伝え、企業に貢献できることを示す必要があります。
しかし、AIは企業やあなたの強みが織り込まれていない、一般論的な文章を作成する可能性があります。そのため、生成した文章をそのまま使うのではなく、自力で手直しをすることが不可欠です。
そもそも「ESの質がそんなに大切なの?」と疑問に思う人はこちらのQ&Aをぜひ参考にしてください。キャリアアドバイザーが回答しています。
ガクチカ作成ツールを活用すれば、受かるガクチカが作れます
学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)は、自己PRや志望動機と差別化するのが重要です。とは言え、ガクチカで話せるネタがなく悩む人も多いでしょう。
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AIでガクチカを書いたらバレる? 就職支援のプロが企業の印象を解説
前章のデメリットで解説したとおり、ガクチカを書く際にAIを利用したことがバレると企業からネガティブな印象を持たれる可能性があります。しかし、これほど生成AIが一般化した現在、面接官はどこを見てその学生がAIを使用しているか否かを判断しているのでしょうか。
今回は採用の現場に詳しいキャリアアドバイザーの野村さんにお話を聞きました。野村さんの意見を参考に、企業の目線やAIの使い方について改めて考えていきましょう。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見るAIに頼りきっている学生は文章でも面接でも見抜かれやすい
まず、面接官が学生のAI利用を見抜くポイントは、文章の不自然さです。AIを使ったガクチカは、その文体や内容に特定のパターンが見られることがあります。
たとえば、文法や文章構成が非常に整っている場合や、逆に不自然な語句が文中で使用されている場合、人間が書いた自然な文章ではないと感じ取ることができます。
企業の視点では、AIを使用してガクチカを作成した学生に対する印象は二面的です。効率性や文章のクオリティの向上を評価する一方で、候補者の創造性や表現力などの個性に不足を感じる場合もあります。
特に、個性や創造性を重視する企業では、否定的な印象を与える可能性も高くなります。
生成AIはあくまでも就活準備をサポートするツール
過去の経験から言えば、生成AIを利用した学生に対する企業の姿勢はケースバイケースです。技術の進歩を積極的に評価する企業もあれば、個別の候補者に対する深い理解や独自性を重視する企業もあります。
実際のところ、書類はあくまでも書類です。その後の面接での応答が選考においてはより重要となります。個人の魅力や独自性を最大限に引き出すための補完的役割として、生成AIは位置付けておくのが良いでしょう。
時間がない人におすすめ!
ツールを使えば、ガクチカが3分で完成します
学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)は、自己PRや志望動機と差別化するのが重要です。とは言え、ガクチカで話せるネタがなく悩む人も多いでしょう。
そこで活用したいのが「ガクチカ作成ツール」です。このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけで採用担当者に魅力が伝わるガクチカが完成します。
ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。
そもそもガクチカでは何が評価されている? 企業の意図も把握しよう
そもそもガクチカでは何が評価されている? 企業の意図も把握しよう
- 求める人物像と学生の人柄を照らし合わせるため
- 学生の主体性や学習意欲を測るため
- 学生の仕事への取り組み方を予測するため
ここまでガクチカ作成について、AIに焦点をあてて解説しました。AIは利便性が高い反面、利用時には人間による手直しも欠かせません。とはいえ、「どこをどう直したら良いガクチカが完成するの?」と疑問を感じる人もいるのではないでしょうか。
この疑問を解消するには、どうして多くの企業が学生のガクチカを聞きたがり、そしてどんなガクチカを高く評価するのかを理解しなくてはなりません。実際にガクチカ作成に取りかかる前に、ガクチカそのものの基本的知識を把握しましょう。
なお、ガクチカそのものについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。「ガクチカ自体がよくわからない」という人はこの機に基礎を押さえましょう。例文も多く掲載しているので、作成の際の参考にしてください。
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例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説
ガクチカは企業での再現性があるエピソードを伝えることが重要です。ガクチカの作成ステップや高評価を得るポイント、NGパターンをキャリアコンサルタントと解説します。再現性が伝わるガクチカを作成し、内定を掴み取りましょう。
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①求める人物像と学生の人柄を照らし合わせるため
各企業は自社で活躍してくれそうな人材を求めています。そういった人材を探すにあたって、企業は「自社で活躍できる人材」の条件を明確化していることが多いです。ESや面接を通じて条件に合う人材へ内定を出すのが一般的な採用フローになります。
特にガクチカは学生個人の価値観やモチベーションの源泉が強く反映される項目なので、人柄を知るには最適な質問の一つです。
「学生時代に何に強い興味を持ったのか」「どうして興味を持ったのか」「興味を持ってどうしたのか」「どんな課題をどのように克服したのか」と、企業はガクチカから自社への共感の高さや、自社風土との相性、自社で成長・活躍しそうかどうかを確かめています。
企業が求める人物像の例
- 誠実な人柄
- 前向きな思考を持っている
- チャレンジ精神がある
- コミュニケーション能力が高い
- リーダーシップを発揮できる
- 企業の求める人物像をもとにAIにガクチカを生成させたら、書類選考の通過率は上がりますか?
「理想の学生のガクチカ」をAIに生成させても通過率は上がらない
AIの作る文章は深層学習の結果なので、一般的な内容になり、個性が感じられず訴求力に乏しいガクチガになるでしょう。文章は整っていても企業側から見ると既視感の強い文章です。そのため、個人的には通過率は変わらないと思います。
むしろ「またか」といった印象になり、かえって通過率は悪くなりかねないのではないでしょうか。本人が書いてない文章は意外とわかるものです。
また、たとえ書類選考を通過したとしても、AIの作ったガクチカの人物像と本人が違うので結局面接を突破できません。面接官が知りたいのは、あなた自身の人柄であり、AIが作り出した人柄ではありません。
AIで済ませられる仕事ならそもそも人を雇わないでしょう。企業が欲しいのは人であってAIではないということを覚えておきましょう。
②学生の主体性や学習意欲を測るため
自己PRが自身の強みをアピールする項目である一方、ガクチカは課題に対してどのように立ち向かったかという努力の姿勢を示す項目です。物事に前向きに取り組み困難を克服しようとするプロセスからは、学生の主体性や興味関心のある分野における学習意欲の高さがわかります。
特に入社直後の新人は基礎的な学習が求められる立場です。積極的に仕事に取り組んで業界や業務に関して知見を深めるとともに、自身の課題を発掘し解消する努力を続けてほしいと企業は考えています。そして新人でなくなって以降もその姿勢を忘れず、自身のみならず部下や後輩の成長へつなげていけることが理想です。
つまり企業はガクチカに書かれた学生時代の努力プロセスから、「この学生は入社後、自社の社員としてどのように成長してくれるだろうか」と学生の成長意欲を知ろうとしています。
③学生の仕事への取り組み方を予測するため
課題を明確化し、解消できるまで多角的に施策を打ち続けて結果へつなげるという流れは、仕事にも通じます。つまり企業は、ガクチカに記されている課題への取り組み方が、入社後に業務上の課題が発生したときにも再現されることを前提としてガクチカを読んでいます。
たとえば、ガクチカで「アルバイト先の店舗で顧客単価を平均10%上昇させた」という学生が営業職を志望している場合、企業は「この学生はアルバイト時代と同じように売上アップのための有効な施策を検討・実施できるだろうか」と再現性を確認しようとします。
したがって、ガクチカを書く際には学生時代の取り組みを実際の業務に落とし込み、企業に貢献できるポテンシャルを有していることを示す必要があります。
アルバイトのような課外活動ばかりがガクチカとして相応しいわけではありません。以下の記事も参考に、あなたの魅力を最大限に伝えられるガクチカを作成してください。
学業をガクチカにするコツ
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ゼミをガクチカにするコツ
例文8選|ガクチカでゼミ経験を魅力的にアピールする8ステップ
実際にAIを駆使してガクチカを書いてみよう! やり方を4ステップで解説
AIを活用するメリット・デメリット、そしてガクチカに対する企業の観点を押さえた後は、実際にAIを使いながらガクチカを作成していきましょう。
AIを使いこなすことができれば効率的に高いクオリティーのガクチカを作成することができます。指示の出し方などには慣れも必要になりますが、決して難しくはないので、要点をつかんで就活本格化前の貴重な時間を有効活用しましょう。
①ガクチカに入れたい情報を整理する
前提として、企業の意図に沿ったガクチカをAIに書かせるには、AIへ入力する情報や、その情報をどういった方向性で文章化してほしいかを明確にしておかなくてはなりません。これらの準備を怠ると、AIはあなたの人柄とかみ合わないガクチカを生成してしまう恐れがあります。
そのために、まずは自己分析をおこない、あなたの強みやそれが発揮された過去の出来事を掘り起こさなくてはなりません。この時点では企業の求める人物像などは気にせず、あくまでも過去を振り返ってあなたの魅力を自認し、情報を整理するにとどめましょう。
なお、自己分析はあなたのアピールポイントだけでなく、あなたがいきいきと働ける環境の条件などの洗い出しにもつながるので、特に初回の自己分析では網羅的な振り返りをおこなうことをおすすめします。振り返りが終わり、情報が整理できた後、ガクチカとしてアピールしたいポイントとエピソードを選定していってください。
詳しい自己分析の方法はこちらの記事で解説しています。就活の基盤になるステップなので、ぜひ丁寧に実施してください。フレームワークも複数紹介しているので、自分にとって使いやすいものを見つけてくださいね。
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自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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②業界・企業研究を参考に押し出すポイントを決める
自己分析で強みやエピソードが複数見つかった場合には、志望する業界・職種・企業にあわせてアピール内容を変えることも有効です。
職種を例に挙げれば、営業職とエンジニア職では求められる素質が異なります。いずれも基本的なコミュニケーション能力や積極性などは必要になりますが、営業職は顧客開拓や顧客との折衝においてタフさや交渉力が重視される傾向にあります。一方、エンジニア職では正確な業務遂行能力や新しい情報を常日頃から学習し技術を研鑽する持久力や堅実さが求められやすいです。
また、エピソード自体が同じであっても、そのときに発揮ないし研鑽されたスキルは一つではないはずです。志望先に応じて押し出すポイントを柔軟に変えることで、企業とのマッチ度の高さをアピールすることができます。
自己分析だけでなく、業界研究・企業研究も深化させることで、あなたのどの強みをどのように推すことが有効なのかを考えやすくなりますよ。
なお、業界研究・企業研究については以下の記事でそれぞれ詳しく解説しています。ガクチカに限らず、ESや面接での質疑応答の質を高めるためには必須なので、就活が本格化する前に万全に準備しましょう。
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③ガクチカ作成に活用するツールを決める
ガクチカに落とし込む内容が決まったら、ついにAIの出番です。ツールによって指示の出し方がまったく異なるので、あなたにとって使いやすいツールを探してください。
大枠で考えると、各ツールは汎用性の高い一般的な生成AIと就活用の生成AIに二分されます。例に挙げた5つのツールはChatGPTのみが汎用的な生成AIです。それ以外のツールは就活に特化しているので、指示の出し方も限定的で、これまで生成AIに触れたことがない人でも使いやすく、選択肢から自分に当てはまるものを選ぶだけで文章を作れるツールもあります。
しかしChatGPTの場合、ガクチカを作成するまでに多くの指示(プロンプト)を出す必要があります。その反面、就活に特化したものに比べて文章のカスタムまでAIに任せやすい利点もあるので、生成AIに触れた経験がある人や時間的な余裕のある人におすすめです。
ChatGPTなどの汎用的なAIは柔軟性があり、適切な指示が出せれば、要素を漏らすことなくあなたの個性を豊かに表現した文章を生成してくれます。
一方、就活用AIは応募先に適した具体的な指導の提供が得意です。選択は個々のニーズに応じておこなうのがポイントです。
④面接官の目線で文章を添削する
最後に、AIが生成した文章を自身で読み、面接官が読んだときに合格させたいと思える文章かどうかを確かめましょう。多くの企業がガクチカを求める理由は、学生の「人柄」「学習意欲」「仕事への取り組み方」を確認するためです。つまり、これらが面接官に適切に伝わるかという観点からAIの文章を添削することで、より面接官を惹きつけるガクチカを作成することができます。
また、面接で口頭で説明するときのことを想定しながら添削することもおすすめです。面接官からどのように深掘りされるかというイメージが湧いてくるため、内容の過不足に気付きやすくなります。
内容面以外でも、日本語として不自然な箇所や事実と反する部分、あるいは誤認されかねない表現などの基本的なミスも直す必要がありますが、自分が書いた文章だと細かな修正点に気が付かないこともあるでしょう。文章を客観的に読み直すためには、書き上げた直後ではなく、数時間から一晩ほどの時間を置いてから添削をおこなうことをおすすめします。
面接官に「魅力的な人材だ」と思われるガクチカを目指していきましょう。
ガクチカを添削する際のチェックポイント
- 人柄が企業の求める人物像と一致しているか
- 企業が求めるレベルの主体性や学習意欲を示す内容か
- 物事への取り組み方は実務においても再現できるか
そのほかにも、応募職種に関する専門用語以外で自分が知らない言葉や、普段使ったことがない言葉が出てきた場合は書き換えましょう。そういう表現はたいてい面接官の目に不自然に映るうえ、面接で伝えるときにも違和感を持たれやすいです。
面接官がガクチカをどのようにチェックしているかはこちらの記事でも詳しく解説しています。例文も豊富に掲載しているので、面接官の心をつかむガクチカの作成に役立ててください。
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ガクチカの書き方は順序が最も重要です。この記事ではガクチカの書き方をキャリアアドバイザーが5ステップで紹介します。また、業界別や職種別のガクチカ例文も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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ガクチカの作成にAIを使うなら個人情報は慎重に取り扱おう
生成AIは、人間の成果物を大量学習・再構築することでアウトプットの質を高める技術です。そのため、AIに入力した内容はそのまま学習材料にされてしまうという点には留意しましょう。
そのため個人情報などの不特定多数の人の目に触れるべきではない情報はAIには入力せず、自身の手元で加筆修正する際にガクチカへ落とし込むと安全です。
生成AIはまだ進化の只中にある技術なので、ともすればあなたが入力した内容がそのまま第三者へ表示されてしまう可能性もあります。AIの利便性ばかりに注目せず、リスクヘッジも意識しましょう。AIをはじめとするITリテラシーは企業も求める重要な素養です。
- ガクチカの内容から個人が特定されるとは思えません。AIへの入力にそこまで慎重になる必要があるのでしょうか?
名前や生年月日を第三者に見られるリスクがある
生成AIは大量のデータを学習し、そのデータを基に文章を生成しますが、入力された情報が学習データとして、生成AI側に保存されることがあります。その結果、個人情報が第三者に漏れ、最悪の場合には悪用されるリスクが生じます。
よって生成AIを使用してガクチカを作成する際は、個人情報の取り扱いには特に注意が必要になります。
具体的には、名前や住所、生年月日、電話番号などの直接的な個人情報はAIに入力しないようにしましょう。また、家族や友人の名前、個人的な趣味、特定の場所に関する情報も避けるべきです。
さらに、健康状態や金融情報など、悪用されたら困る情報も入力すべきではありません。
生成AIは便利ですが、その使用には個人情報の保護は非常に重要なポイントになります。
文章作成だけじゃない! ガクチカにまつわる悩みを解消するAI活用術
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- ガクチカのネタの洗い出し
- ガクチカの書き方のインプット
- ガクチカと自己PRの差別化
ここまでAIを使ってガクチカの本文を作成するためにはどうするべきか解説してきました。しかし、AIは作文のみに使えるわけではありません。多くの情報をインプットしているAIならではの活用方法があります。
「AIにガクチカを任せるのはちょっと不安……」と思う人も、これから紹介するような使い道もあることを踏まえて、ぜひAIとの付き合い方を考えてみてください。
ガクチカのネタの洗い出し
ガクチカを書くときに「ガクチカとして書けるようなエピソードがない」と手が止まってしまったという経験のある人もいるかと思います。このような悩みに対しては、就活特化型のAIではなく、ChatGPTのような汎用的なテキスト生成AIの活用が有効です。
「ネタがない」といった悩みの原因は、自己分析が不足していたり、あるいは自己分析の内容をネガティブにとらえていたりすることが挙げられます。このような場合でも、AIに自己分析の内容を入力したうえで「ここから長所を探してください」などと指示を出すと短所だと思っていた側面をAIが長所に言い換えてくれるので、自分を適切に分析することができるのです。
AIが導き出した長所をもとに深掘りをやり直すことで、その強みが光った過去や、強みを獲得した当時を思い出すことができる可能性があります。あくまでも一例ですが、AIを活用して自己分析の精度を高めることは十分に可能です。
もし自己分析をおこなってもガクチカに書けるエピソードが見つからなかった、あるいはガクチカとして出せるエピソードなのか判断がつかないと悩んでいる人は、以下の記事を参考にしてください。つまずきの原因や、これから取るべき行動がわかるようになります。
ガクチカを見つける方法
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新しくガクチカを作る方法
ガクチカが本当にない人がすべきことは? おすすめのテーマも解説
なお、「趣味はガクチカとして書いても良いの?」と疑問に感じた人は以下のQ&Aにもぜひ目を通してください。キャリアコンサルタント2名が回答しています。
ガクチカの書き方のインプット
ガクチカは第三者から見てもあなたの努力が十分に伝わるよう、論理的に、わかりやすく書かなくてはなりません。インターネットで検索しただけでもガクチカの例文は多く出てきますが、あなたと同じ業界・職種を目指す、あなたと同じ領域で努力をした人のガクチカを探すことは難しいでしょう。
そういったとき、あなたに近い属性の仮想の人物のガクチカをAIに複数書かせることで、「自分を魅力的に見せるガクチカの書き方」を見出すことができるかもしれません。それぞれの文章を面接官の立場に立って読み、魅力を感じる箇所の共通点を探しましょう。
例文を大量に書かせる使い方なので、就活に特化したAIのほうが手早くおこなえるでしょう。
ネットの例文もAIの生成した例文も五十歩百歩です。どちらも参考にしかなならないので、最終的に自分の言葉で語る必要があります。
ただし、ネットの例文は混合玉石ですが、AIでは少なくとも文法的な誤りはないはずです。文章力に自信のない人にとってはより参考にしやすいでしょう。
論理的でわかりやすいガクチカの書き方は以下の記事で詳しく解説しています。AIにインプットさせるべき構成がわからないときにぜひ参考にしてください。
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ガクチカの構成は7ステップで高評価を狙おう! 例文12選付き
ガクチカを企業へ適切に伝えられる構成を、キャリアアドバイザーの意見と併せて解説をしています。 その他にも、魅力的な構成のガクチカを作るための準備なども紹介しています。
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ガクチカと自己PRの差別化
ESを書き進めるうちに直面する大きな壁に「自己PRとガクチカの違いがわからない」というものがあります。自身で自覚している場合もあれば、書き分けているつもりでも第三者から見るとわからないといった場合もあります。両者の書き分けはES作成全体においても大きな課題です。
特に、ガクチカと自己PRを同じエピソードで書く場合に起こりやすい問題です。あるいは、学生時代の活動に偏りがあり、ガクチカで取り上げた「失敗から獲得した学びや強み」が自己PRで取り上げた「自身の強みや魅力」と重なってしまうケースも考えられます。
就活向けのAIでも一般的なテキスト生成AIでも文章の書き分けは可能ですが、就活向けのAIのほうが比較的クオリティの安定した文章を生成してくれるでしょう。ただし、書き分けにおける問題点をハッキリと指摘してほしいといった場合にはChatGPTなどの対話型のAIが有効です。
ガクチカと自己PRの違いについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。書き分けについて悩んでいる人は例文なども参考に、両者の違いや書き分けのコツをつかんでくださいね。
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ガクチカと自己PRの違いは? 例文付きで相違点をわかりやすく解説
ガクチカと自己PRの違いは大きく2つに分かれます。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒にガクチカと自己PRの違いを丁寧に解説したあと、違いに沿って回答する方法やより差別化するポイントを紹介しています。ガクチカと自己PRの違いが比較できる例文も参考に、違いを理解していきましょう。
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AIを活用しながら質の高いガクチカを作成して内定獲得に近付こう
AIを活用することで、ガクチカを効率的に、かつ高いクオリティーで作成することが可能です。そのためには、AIの持つ特性やそもそもガクチカに求められる要素なども理解しておくことが重要になります。
この記事で解説した方法を参考に、AIと適切に付き合いながらあなたの魅力を十分に伝えるガクチカを作成していきましょう。ガクチカ作成にかかる時間を短縮することで、面接や質疑応答など、ほかの就活準備により多くの時間を割くことも可能になります。
最新技術を有効に活用しながら、あなたがいきいきと働ける企業からの内定獲得を目指してください。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見るAIを上手に使うことができればガクチカ作成を効率化できる
生成AIにキャリアコンサルタントの思考プロセス、ガクチカの作成方法を学ばせることで、かなり質の良いたたき台が作れると思います。ChatGPTを想定すると、以下のような準備・指示が必要になります。
①ChatGPTに「優秀なキャリアコンサルタント」の定義を教える
②応募先の情報と会社が望む人材像を入力する(ChatGPTに調べさせても良い)
③個人情報や固有名詞等を省いて、自己分析の結果を入力する
④ChatGPTに、優秀なキャリアコンサルタントとして自己分析情報を使って応募先の人材像にあわせたガクチカを書かせる
⑤ChatGPTが作成したたたき台を、企業の人事担当者目線と自分らしさがでているかの視点で添削する
これからの時代はAIを使いこなす力が必要不可欠
上記を参考に、ガクチカの意味、作り方、企業のニーズなどを自分が理解したうえでChatGPTに指示を出ししましょう。出てきた結果もうのみにせず確認することが大切です。
これからはAIを使いこなす力が必須でもあります。就活にAIを使うなら、使いこなす力をつけてください。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細