10の作成例付き|自己PRを自由形式で作るなら企業目線が鍵になる

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表

    Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約30年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/キャリアデザインオフィスあかつき代表

    Ayako Masuda〇団体職員や子育てを経験後、行政のワーク・ライフ・バランス推進部署で勤務。現在は若者サポートステーションでキャリア支援をするほか、女性や企業向けのキャリア関連講座の講師も務める

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 企業が自由形式の自己PRを求める理由から効果的なアピール方法を探ろう
  • 10の作成例を参考に自分の個性を表せるデザインを考えよう
  • 表現の幅が広い自由形式ならではの一工夫が周囲との差をつける

企業から自由形式の自己PRの提出を求められた時、制限のなさにかえって手が止まってしまう人もいるのではないでしょうか。それほどポピュラーではない形式である分、「どこから手を着けたら良いの?」「通常の自己PRとは何が違うの?」といった疑問が湧くのも自然なことです。

自由形式の自己PRは表現の幅が広く、個性を表したり独創的な工夫を凝らしたりしやすいですが、何より重要なのは自己PRとしてのクオリティです。企業が求めている情報を適切に盛り込むことができていなくては、せっかくの創意工夫も魅力が半減してしまいます。

この記事では、キャリアアドバイザーの野村さん、村谷さん、増田さんとともに、自由形式の自己PRの基本的な作成方法と、そこから周囲との差をつけるためのテクニックを解説します。記事の内容を参考に、自分の魅力を十分に企業にアピールできる自己PRを作成してくださいね。

【完全無料】
大学3年生(26卒)におすすめ!
選考前に必ず使ってほしい厳選ツール

1位:自己PR作成ツール
自己PRが思いつかない人は、ツールを活用して自己PRを完成させよう

2位:志望動機作成ツール
5つの質問に答えるだけで、受かる志望動機を自動で作成します

3位:WEBテスト対策問題集
SPI、玉手箱、TG-WEBなどの頻出問題をこれ1つで効率的に対策できます

4位:面接回答集60選
見るだけでOK!面接でよく聞かれる質問と模範解答をまとめました

5位:逆質問例100選
面接官から「志望度が高い」と思われる逆質問例を厳選しています

【併せて活用したい!】
スキマ時間3分でできる就活診断ツール

適職診断
たった30秒であなたが受けない方がいい仕事がわかります

面接力診断
39点以下は要注意!面接を受ける前にあなたの面接力を診断しましょう

目次

自由形式の自己PRでは企業の目的を押さえつつ表現を工夫することが必須

通常の自己PRに比べて表現の自由度が高い自由形式の自己PRは、ついデザインや独創性といった見た目に注力しがちです。たしかに見た目のきれいさも評価対象ですが、求められているのが自己PRであるという前提は忘れてはなりません。同時に、企業がなぜあえて自由形式での提出を求めているのかを考えなくては、企業への適切なアピールはかなわないのです。

記事ではまず、自由形式の自己PRとは一体何なのか、通常の自己PRとの違いや企業の狙いについて解説します。基本を把握した後は、10の作成例を見ながらイメージを固めていきましょう。

自由形式の自己PRがどんなものか理解したら、実際に自分の強みをアピールするための自己PRの作成に移りましょう。企業からの高評価を狙える一工夫や、反対に魅力が削がれてしまう可能性のあるポイントもまとめているので、自由形式の自己PRの完成度を高めるための参考にしてください。

野村 芳克

プロフィール

自由形式の自己PRも通常の自己PRも、基本的には強み、エピソード、成果、熱意を伝えることが大切ですが、特に自由形式ではデザインや構成によって個性と独創性を表現することが求められます。

基本情報をしっかり盛り込んだうえで、自分らしさを出しましょう。

時間がない人におすすめ!
ツールを使えば、自己PRが3分で完成します

自己PRは就活において必ずといっていいほど必要になります。自己PRが曖昧なまま就活がうまくいかなかったという就活生は多くいます。

そこで活用したいのが「自己PR作成ツール」です。これを使えば、簡単な質問に答えるだけで誰であっても、あなたの強みが完璧に伝わる自己PRが完成します。

ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。

簡単な質問に答えるだけで、強みが伝わる自己PRが作れます。
作成スタート【無料】

 ツールで作成した自己PR例文 
 (リーダーシップが強みの場合) 
私はリーダーシップを発揮できる人材です。学生時代にサークル長として運営に携わった際に、リーダーシップを養うことができました。サークル長を務めていたフットボールサークルでは、練習場所や時間が取れないことや、連携を取り切れていないことが問題でした。そこで、大学生側に掛け合い週に2回の練習場所を確保し、時間を決め活動するようにメンバーに声掛けを行いました。さらに週末明けに今週の活動の詳細をメンバーに配信することで連携強化に努めた結果、サークル加入率を前年度の3倍まで伸ばすことができました。問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応していき、周りを良い意味で巻き込んでいくリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

自由形式の自己PRとは? まずは基本を把握しよう

自由形式の自己PRとは? まずは基本を把握しよう

  • 代表的な形式:A4用紙1枚で自由に自己PRする
  • 通常の自己PRとの違い:表現の自由度がかなり高い

自由形式の自己PRとは、エントリーシート(ES)に文章で記入したり、面接で口頭でプレゼンする通常の形式以外のすべての自己PRのことです。しかし、これだけではイメージが湧きにくいですよね。

具体的にはどのような形式があるのか、通常の自己PRとの違いが企業にどういったメリットをもたらすのかを理解して、まずは自由形式の自己PRの大枠をつかんでいきましょう。

そもそも自己PR自体が何なのかよくわからないという人は以下の記事を参考にしてみてください。企業が自己PRを通じて学生に何を求めているのかを把握すると、自己PRでアピールすべきことが明確になりますよ。

関連記事

自己PRとは? 職種別のおすすめテーマや書き方を解説|例文7選

自己PRとは、自分の強みを入社後どのように活かし活躍・貢献できるかを、企業側に伝える項目です。自分の実体験やスキルを企業が求める人物像とリンクさせて論理的に述べなければ、内定を勝ち取ることはできません。この記事では、キャリアコンサルタントの解説とともに質の高い自己PRの作り方を説明します。

記事を読む

自己PRとは? 職種別のおすすめテーマや書き方を解説|例文7選

代表的な形式:A4用紙1枚で自由に自己PRする

自由形式の自己PRのなかでも特に多いのは、「A4用紙1枚で自分の強みを自由に自己PRしてください」というパターンです。このパターンでは色、イラストや写真、カリグラフィなど、さまざまな表現ができることが多いです。企業からの指定がなければ手書きでもパソコンを用いてもかまいません。

この形式の自己PRを作成する際には、自己PRとしての要件を満たしつつ、A4サイズの空間を活用して自分の強みをより効果的にアピールするにはどうするべきかを考えなくてはなりません。プレゼン能力、思考力、創造力が総合的に試される形式です。

そのほかにも以下のような形式で提出する場合があり、いずれも自由形式に該当します。こういった形式での自己PRを求められた際には、ただ自分の好きなように表現するのではなく、「この課題を通して企業は自分の何を知りたがっているのだろう?」と企業の目的を意識することが重要です。

そのほかの自由形式の自己PR形式例

  • 動画で自分の強みをアピールする形式
  • 自分の写真を使って自己PRをする形式
  • 面接内で強みを発揮するシーンを実演する形式
  • 自分の好きなものを作文・プレゼンする形式
  • テーマに応じた体験談を作文・プレゼンする形式

動画形式については以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。ESや口頭でのプレゼンとの違いを理解し、動画内で自分の魅力をしっかりとアピールしましょう。

自己PR動画対策
自己PR動画を1分にまとめる方法|誰でも魅力的に映るコツとは

動画選考対策
動画選考でライバルと差をつける工夫を伝授|注意点や練習法も解説

自己PRをパワーポイントでプレゼンするよう企業から指定される場合もあります。以下のQ&Aでは、スライド形式ならではのプレゼンで注意すべき点についてキャリアアドバイザーが回答しているので、参考にしてみてくださいね。

コピペで使える自己PR文がかんたんに作れます

作成スタート【無料】

自己PR作成ツールはもう試しましたでしょうか?ツールで実際に文章を作成してみてからブラッシュアップする方が効率的に受かりやすい自己PRを作成することができます。

自己PR作成ツール」 を使えば、簡単な質問に答えるだけで誰であっても、あなたの強みが完璧に伝わる自己PRが完成します。

ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。

簡単な質問に答えるだけで、強みが伝わる自己PRが作れます。
作成スタート【無料】

 ツールで作成した自己PR例文 
 (リーダーシップが強みの場合) 
私はリーダーシップを発揮できる人材です。学生時代にサークル長として運営に携わった際に、リーダーシップを養うことができました。サークル長を務めていたフットボールサークルでは、練習場所や時間が取れないことや、連携を取り切れていないことが問題でした。そこで、大学生側に掛け合い週に2回の練習場所を確保し、時間を決め活動するようにメンバーに声掛けを行いました。さらに週末明けに今週の活動の詳細をメンバーに配信することで連携強化に努めた結果、サークル加入率を前年度の3倍まで伸ばすことができました。問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応していき、周りを良い意味で巻き込んでいくリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

通常の自己PRとの違い:表現の自由度がかなり高い

一般的な自己PRとは、ESに300~400字前後で自分の強みを記述したり、面接で1~2分程度のプレゼンをしたりするものです。内容の論理性、文章力、表情・抑揚・ジェスチャーによるプレゼンのメリハリなどで評価が分かれます。

一定の型があり、テンプレートも浸透しつつあるので、特に論理性や文章力で周囲との差別化を図るのは難しいかもしれません。

対して自由形式は基本的に表現に制限がなく、自分の得意領域で表現の工夫が可能なので、自分の魅力を最大限に伝えられる表現をいくらでも模索することができます。ただし、ほかの学生も同じように考えて工夫を凝らしてくるので、画一的な基準で評価をすることは難しいのです。

表現の幅が広いからこそ、装飾そのものではなく自己PRとしての基本的なクオリティを上げることに力を注ぐことが結果的に差別化につながります

増田 綾子

プロフィール

デザイン会社や広告代理店など、ゼロからアイデアを出して仕事を作っていくタイプの企業は、ほかの業界に比べて自由形式の自己PR文の提出を求めることが多いです。

そのほかにも、これまでとは違うものをつくりたいと考える企業や、応募者がどこまで本気で自社に応募しているかを測りたい企業も、自由形式の自己PRを課す場合があります。

元採用担当が解説! 自由形式の自己PRを導入する企業が学生に求めること

自由形式の自己PRの概要を把握したところで、気になるのが企業の目的です。表現が多様な自由形式の自己PRは表現そのものを横ならびに比較することが難しいにもかかわらず、なぜあえて自由形式での提出を求める企業があるのでしょうか。

今回、約30年間の人事・採用経験を活かして就職支援をおこなっている村谷さんに、自由形式の自己PRを課す企業が学生に何を求めているのかたずねてみました。村谷さんの見解を参考に、応募企業がどういう意図で自由形式での自己PRを見たがっているのかを考えてみてください

アドバイザーコメント

企業は自由形式の自己PRから学生の隠れた個性や価値観を見ている

企業が自由形式の自己PRを求める理由は、学生の隠れた魅力をより深く知りたいからです。口頭の自己PRでは暗記したことをそのまま話す学生も少なくないので、通常の形式的な自己PRでは見えにくい部分を発見したいという思いがあるのです。

自由形式の自己PRでは、学生の個性や独特の考え方、論理的思考力、自己分析の深さが自然と表れます。また、興味の幅広さや好奇心、考えを効果的に伝える力も見えてきます。形式にとらわれないため、学生にとっては自分の人柄や性格をより自然に表現できる機会と言えるでしょう。

さらに、「自由に表現する」という課題へのアプローチ自体が、自分の創造性や問題解決能力を示す機会になります。

自由形式の自己PRは自分らしさをアピールする大きなチャンス

企業は、多面的な視点から学生の可能性を評価したいと考えていて、自由形式の自己PRもその一手法です。特に商社やマスコミ、クリエイティブ系の職業では自由形式の自己PRを求められやすいです。

表現の自由さを活かし、決まりきった形式では表現しきれない、自分ならではの才能や能力を最大限にアピールしていきましょう。

テンプレを活用すれば受かる自己PR文が作れます

自己PRのネタを決めても、それを裏付けるエピソードに悩む学生は多いです。しかし、特別なエピソードがなくても受かる自己PRを作ることはできます。

そこで紹介したいのが「自己PR作成ツール」です。自己PR作成ツールなら、簡単な質問に答えるだけで誰であっても、分かりやすいテンプレであなたの強みが完璧に伝わる自己PRが完成します。

ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。

簡単な質問に答えるだけで、強みが伝わる自己PRが作れます。
自己PR作成ツールを試してみる【無料】

 ツールで作成した自己PR例文 
 (リーダーシップが強みの場合) 
私はリーダーシップを発揮できる人材です。学生時代にサークル長として運営に携わった際に、リーダーシップを養うことができました。サークル長を務めていたフットボールサークルでは、練習場所や時間が取れないことや、連携を取り切れていないことが問題でした。そこで、大学生側に掛け合い週に2回の練習場所を確保し、時間を決め活動するようにメンバーに声掛けを行いました。さらに週末明けに今週の活動の詳細をメンバーに配信することで連携強化に努めた結果、サークル加入率を前年度の3倍まで伸ばすことができました。問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応していき、周りを良い意味で巻き込んでいくリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

作成例10選! 自由形式ならではの自己PRで自身の魅力を企業に伝えよう

それでは早速、自由形式の自己PRの作成例を紹介していきます。それぞれのデザインが採用担当者や面接官にどのような印象をもたらすか、口頭でのプレゼンにはどのように活用できるのかなどを解説していきます。

今回は計10種類のデザイン・アイデアを紹介するので、自分の強みをアピールするのに相応しいデザインを考える際の参考にしてください。次章では作成方法の解説に入るので、それまでにデザインの見当をつけておくとスムーズに作業を進められますよ。

なお、今回は例として陸上部での活動をモデルに自由形式の自己PRを作成しましたが、基本的に自己PRの内容はどのような場面での活動でもかまいません。以下の記事を参考に、自分の強みを最もわかりやすく伝えられる自己PRを作成してください。

部活の自己PR
部活の自己PRで高評価を得る必勝法|15例文を役職・部活別で紹介

ゼミの自己PR
自己PRでゼミはアピール可能? 人事の印象に残る秘訣を解説

アルバイトの自己PR
例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説

例①キャッチコピーで強みを印象付ける

キャッチコピーを使った自由形式の自己PR例

強みを端的かつユニークに表現したキャッチコピーを付けると、企業側に自分を印象付けることが可能なだけでなく、「なぜそのワードを選んだのか」といった質問を受けて話がふくらんでいくことも想像できます。フレーズを考える作業がメインになるので、着手しやすい取り組みの一つです。

画像はA4用紙に書き込む場合を想定した作成例になっていますが、動画形式をはじめとするさまざまな形式の自己PRに応用できます。この後に紹介するデザインと組み合わせても良いでしょう。

キャッチコピーは通常の自己PRで言うところの「私の強みは〇〇です」の部分に相当するので、プレゼンの一番最初に持ってくることが前提です。また、印象的なフレーズでなくては効果が見込めないので、「スポンジのように知識を吸収する」「社内の潤滑油としてコミュニケーションを円滑にする」といった一般的に使われる比喩よりも、自分の個性を的確に伝えられる表現を探してみましょう。初対面の相手の興味を引くことができるかを基準に考えてみてください。

野村 芳克

プロフィール

面接官時代に出会った学生の中でも、「迅速な問題解決のエキスパート」や「データで明確な解決策を提案する技術者」など、具体的なスキルや成果を示すキャッチコピーを用いていた学生は印象に残っています。

その後の質疑応答で「売上向上を〇%アップ達成した」などのように具体的な成果の数値を付け足せると、キャッチコピーの説得力が増してさらに好印象です。

採用担当者や面接官の記憶に残ることは選考突破においてとても重要です。以下の記事を参考に、自分の強みを印象付けるキャッチコピーを作成してくださいね。

キャッチフレーズの作り方
キャッチフレーズとは? 就活を制するインパクト抜群の武器の作り方

自分を一言で表す方法
例文20選|「自分を一言で表すと」の回答を考える簡単な3つの方法

自己PRの書き出しのコツ
自己PRは書き出しで命運が決まる! 人事を惹き込むコツを大解剖

キャッチコピーと同じく、自己PRのタイトルも端的かつ人目を引く表現で自分の強みを表現することが求められます。以下のQ&Aでは2人のキャリアアドバイザーが強みをキャッチーに表現するコツを解説しているので、ぜひこちらにも目を通してみてくださいね。

自己PRが思いつかない人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう

ChatGPTを使った自己PR作成ツールはもう試しましたでしょうか?

簡単な質問に答えていくだけでChatGPTが自動で魅力的な自己PRを作成します。

作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。

例②イラストを使ってメリハリを作る

イラストを使った自由形式の自己PR例

イラストを用いたデザインは多様な表現が可能な自由形式ならではのものです。イラストが入ると華やかになるだけでなく、文章量を減らせるので短い時間で具体的なイメージを共有できるというメリットもあります。

ただし、小さなイラストを全体に散りばめるとメリハリがなくなってしまう可能性があるので、イラストを入れる際は具体的なイメージを共有したい部分に絞ることをおすすめします。今回の作成例では、場面が切り替わるごとにイラストを入れています。

反対に、要所に大きなイラストを一つだけ入れるデザインは人目を引くことができます。文章とのバランスが取れればわかりやすい自己PRを作ることが可能なので、イラストの作成に自信のある人はぜひ試してください。

絵を描くのが上手な知人の手を借りても良いですか?

増田 綾子

プロフィール

保有スキルを誤解されかねないので自力で作成しよう

単に自分のPR文を目立たせたいという理由で知人のイラストを使うのはおすすめできません。もし自分が書いたものとして提出すれば、採用側は「この学生はイラスト制作のスキルを持っている」と判断します。

入社後にそのスキルを発揮するよう求められたときになって「あれは知人が書いたものです」と嘘を告白すれば、社内での信用を失ってしまうかもしれません。

イラストにこだわる必要はないので、自由形式であることを活かして、自分にできる方法で自分の個性をアピールできないかを考えてみましょう。

例③飛び出す仕掛けでプレゼンの盛り上がりを操る

飛び出す仕掛けを使った自由形式の自己PR例

絵本やメッセージカードなどで使われることのある飛び出す仕掛けを用いると、創造性の高いユニークな自己PRを作成できます。手書きの自己PRの実物を提出する場合でないと使いづらい手法ですが、口頭でのプレゼンをしながらイラストを動かしたり、新しい文字を出現させたりすれば、面接会場の目線を一気に集めることが可能です

この仕掛けは「ここで面接官を驚かせたい」というポイントに設置するのが重要です。イラストと同じくあまりにたくさんの仕掛けを施すと仕掛け一つひとつのインパクトが減ってしまう恐れがあるので、設置箇所は限定しましょう。

また、提出のための送付や持ち運びの際に仕掛けが壊れてしまう可能性も考えられるので、直前に確認してすぐに修復できるか、作動させなくてもイラストとしてそのまま流用できるようなシンプルな仕掛けにすることをおすすめします。面接の際にははさみやテープなどの道具も持参するとより安心です。

実物を手元に置いた状態でプレゼンをする予定の人や、口頭でのプレゼンに力を入れたい人におすすめの手法です。

自己PRで悩んだらまずは作成ツールを使ってみよう!

「自己PRがうまく書けない」「どんな強みをアピールすればいいかわからない」…そんな悩みを抱えている方には「AI自己PR作成ツール」がおすすめです。

AIがあなたの経験やスキルに基づいて魅力的な自己PRを自動で生成し、短時間で書き上げるサポートをします。

短時間で、分かりやすく自分をアピールできる自己PRを完成させましょう。

例④写真を活用してイメージを共有する

写真を用いるデザインは、イラストを用いるデザインと基本的な考え方は共通しています。具体的なイメージを共有したいシーンに写真を挿入しましょう。イラストの作成にハードルを感じる人にとっても使いやすい手法ですね。

加えて、写真は実際の出来事の記録なのでエピソードの証明にもなりえます。イラストのような誇張表現は難しいですが、自己PRの内容と学生本人をリンクさせるのに適しているので、写真の選び方次第で面接官と当時の空気感まで共有することもできるでしょう

自分の活動の様子が伝わる写真を使って、これまでの努力や実績をよりリアルにアピールしていきましょう。

村谷 洋子

プロフィール

写真は現実的な記録を示すのに適していて、信頼性が高い印象を与えます。一方、手書きのイラストはデザインやクリエイティブな才能をアピールするのに有効です。

自分にどのような印象を持ってもらいたいかを考えて、自分に合った手法を選択しましょう。

自分らしさを伝えられる写真選びのコツはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

関連記事

あなたらしい自己PR写真とは? 合格を引き寄せる1枚の選び方

ESの自己PRの項目では、写真を使ったアピールを求められることも。あなたらしさが伝わって、かつ企業が好印象を抱く写真の選び方をキャリアコンサルタントとともに解説。さらに周囲と差別化したい学生に向けて、オリジナリティのある写真の例を紹介しています。

記事を読む

あなたらしい自己PR写真とは? 合格を引き寄せる1枚の選び方

例⑤内容を図解して強みをエピソード化する

内容を図解した自由形式の自己PR例

通常の自己PRの内容を図へ変換すると、文章の状態で保たれていた論理性をそのまま図に落とし込めるので、第三者が見ても理解しやすいものを作りやすいです。

たしかに自由形式の自己PRは独自性や創造性を表しやすいですが、そういった点ばかりが評価されるわけではありません。前提として、どれだけ見栄えの良いデザインであっても、学生と初対面である採用担当者や面接官が目を通したときに内容がきちんと伝わるものでなくては、高い評価を得るのは難しいことを理解しなくてはなりません

通常の自己PRの内容に自信がある人は、そのクオリティを維持するために話の流れを崩さないことを意識して自由形式の自己PRに臨みましょう。

例⑥ポスター風に強みをキャッチーにアピールする

ポスター風の自由形式の自己PR例

自由度の高さが特徴である自由形式の自己PRでは、文章を最小限にしてデザイン性で勝負することも可能です。応募先がクリエイターやデザイナーを多く擁する企業の場合などは、展示物としての完成度を高く評価することも考えられます。

ポスター風の自己PRは、特に展示物としての要素が強いデザインです。イラストや仕掛けのようにパーツを足し引きするのではなく、資料全体の要素がかみ合ってようやく自身の強みを表現できます。ほかのデザインに比べて文章量が少なくなりやすいので、キャッチコピーのように短い文で強いインパクトを与える工夫も必要になります

ポスター風のデザインはメッセージ性が強くなくては自己PRとしての要件を満たせない可能性があるので、デザインと言葉選びの両方に自信がある人に向いています。

自己PRで悩んだらまずは作成ツールを使ってみよう!

「自己PRで伝えたいことはあるのに、言葉にできない」そんな悩みがある方には「自己PR作成ツール>」が強い味方になってくれます。

表現に悩んでいても、AIがあなたの考えを汲み取り、わかりやすく効果的なPR文にまとめてくれます。

ぜひ効率的に自己PRを仕上げ、選考の準備を整えましょう。

例⑦新聞仕立てで詳細を読み込ませる

新聞風の自由形式の自己PR例

新聞のようなデザインを目指す場合は、実際の新聞の一面や号外を参考にすると良いでしょう。一面は最も話題性の高い内容が載っている紙面を指し、大きな見出しや写真が使われていることが多いです。号外は話題性の高い内容を早急に伝えるための緊急的措置であり、人目を引くために見出しや写真が大きくなっている傾向にあります。

新聞の二面以降は文章が中心になるので、これらを参考にすると、紙一面やデータ全体が文字でびっしりと埋まってしまいます。文章が多いことが悪いわけではありませんが、その自己PR資料を見た採用担当者や面接官が「この学生ともっと話してみたい」「実際に話を聞いてみたい」と思えるかどうかで考えてください。

見出しや写真を活用して、緊急で内容を把握したくなるような自己PRの作成を目指しましょう。

増田 綾子

プロフィール

新聞風のデザインで大切なのはメリハリです。

実際の新聞で考えると、大見出し・リードなどはたいていの人は読むでしょうが、あとは小見出しを見て、興味があるものを中心に読むことが多いでしょう。

そう考えると、通常の自己PR文をそのまま流用したのでは、印象に残りにくく、文字数が多いと全部読んでもらえない可能性もあります。

見出しの使い方を考え、文章もそれにあったものに揃えましょう。

例⑧雑誌にならって周囲の目を引く

雑誌風の自由形式の自己PR例

雑誌もまた、人目を引くための工夫が凝らされている出版物です。雑誌の表紙には、つい手に取りたくなる、つい中身を読んでみたくなる仕掛けが凝縮されています。注目を集める資料を作成する人にとって参考にしやすいものの一つです。

今回の作成例では雑誌の表紙をイメージしていますが、本文を意識したデザインにすることも可能です。志望企業と雰囲気や業界が近い雑誌を参考にすると、企業との相性や企業研究の深さもアピールできます

作成時の注意点としては、テキストの大きさや文の配置が挙げられます。実物を見ればわかるように、雑誌の表紙は文字の大きさや改行位置などを細かく調整して全体のバランスを取っています。また、写真またはイラストと文字が重なる場合は、文字を読みやすいよう縁取り処理をするなどの配慮も必要です。

細かな微調整が多くなるので、手書きよりはパソコンを使っての作成が向いています。

例⑨漫画表現で強みをポップに表す

漫画風の自由形式の自己PR例

イラストと文章を組み合わせたデザインはこれまでにも複数紹介してきましたが、漫画風のデザインでは自分というキャラクターが喋り、考え、行動する点が特徴的です。イラストの活用で文章量が少ないだけでなく、ストーリー性も高いので、採用担当者や面接官にとって目を通しやすいデザインといえます

今回は4コマ漫画をイメージした例を紹介していますが、4コマ漫画は起承転結を1コマ1コマに当てはめていくことができるので、初心者でも挑戦しやすい形です。連載漫画の本文のように細かくコマを割っても良いですが、コマが増えるほどデザインとしては複雑になるので、漫画を描くことに慣れていない人は4コマから挑戦してみましょう。

村谷 洋子

プロフィール

雑誌風や漫画風のデザインは軽やかな印象をもたらしますが、提出すべきでない企業などは特にないでしょう。

堅い社風の企業では、表現を多少マイルドにするなどの工夫が必要になるかもしれませんが、絶対にだめというわけではありません。

例⑩読み物としての完成度で差別化を図る

エッセー風の自己PR例文

幼少期から公園や校庭を走り回って遊んでいた私は、中学に進学すると陸上部に入った。進学先はスポーツにも力を入れる中高一貫校で、陸上部の選手層は非常に厚く、自分の力不足を痛感するのにそう時間はかからなかった。結局、中学3年間で私は一度も大会に出場できなかった。

しかし生来負けず嫌いの私は、どのような形でも陸上で爪痕を残したかった。一人の力で正選手に及ばないのであればチームワークで勝負をしようと考えを変え、中学時代から私と同じように自主練習に励んでいた部員にリレーでの大会出場を目指そうと声をかけた。リレーはバトン渡しでのチームプレーがきわめて重要な競技なので、チームとしての結束を強めることができれば決してかなわないことではないと力説した。

中学でのリベンジを果たしたいという気持ちで結束した私たちは、高校2年にしてリレーの正選手に選ばれた。そして翌年ついに県大会6位入賞という結果を出すことができた。この経験から、求めるものに優先順位をつけることと、同じ目的に向かって仲間と協力することの重要性を実感した。社会人になってからも仲間とともに成果にこだわる姿勢を貫いていきたい。

自由形式の自己PRは必ずイラストや写真などを入れなくてはならないと決まっているわけではありません。表現の自由度が高いことが自由形式の特徴なので、文章のみで自己PRをしても問題はありません。

とはいえ通常の自己PRをそのまま書くのでは、あえて自由形式でと指定している企業の意図を拾いきれていません。

テキストのみで自己PRをおこないたい場合は、表現の自由度を活かして、小説やエッセーのような文体に変えるといった工夫をすることをおすすめします。読み物としてのクオリティを追求し、デザインとは違う角度から表現力をアピールしていきましょう。

自由形式なのに自己PRは文字だけだと浮く気がします。

野村 芳克

プロフィール

読み手を引き込む文章構成とデザイン面の工夫が高評価の鍵

自由形式の自己PRにテキストのみで臨む場合、企業の意図に沿わない可能性がありますが、工夫次第で評価されることもあります。

文字だけの自己PRで高評価を獲得するには、ストーリー性と論理性を高め、読み手を引き込むような構成を心掛ける必要があります。自分の強みや経験を中心に物語を作り、成長過程や成果を詳細に描写することがポイントです。

デザイン重視の企業にテキストのみの自己PRを提出する場合は、文章のレイアウトやフォーマットに工夫を凝らし、ビジュアルにも気を配る必要があります。

たとえば、段落を分けて見出しをつけたり、強調したい部分にボールド体やイタリック体を使ったりして、目を引く工夫を施すと良いでしょう。

こうした取り組みによって、テキストのみの自己PRでも十分にインパクトを持たせることができます。

3ステップで解説! 自由形式の自己PRの基本的な作り方

3ステップで解説! 自由形式の自己PRの基本的な作り方

  • アピール内容を固めて強調ポイントを決める
  • レイアウトの方向性を定めて下書きを作る
  • 全体を見直して読みやすさ・見やすさを確かめる

10の作成例を見て、自由形式の自己PRがどういったものなのかイメージがついたでしょうか。「自分だったらこんなふうにしたい」といった具体的なアイデアまで思い浮かんでいる人もいるかもしれません。

しかし、自由形式の自己PRは下準備なしに着手すると大幅なタイムロスを生むリスクがあります。通常の自己PRと違ってゴールが人それぞれだからこそ、計画性が問われます。準備が不十分だと作業中に「このアイデアのほうが良いかもしれない」と迷いが生じたり、完成後に「ああすれば良かった」と後悔したりするかもしれません。

この章で解説する3ステップに沿って、限られた時間を有効に使ってクオリティの高い自己PRを作成していきましょう。

①アピール内容を固めて強調ポイントを決める

自由形式と指定されるとついデザインに頭を持っていかれがちですが、何よりも重要なのはアピールする内容です。また、内容が定まっていなくては、自分に合ったデザインの見当もなかなか付かないでしょう。よって、自由形式の自己PRを作成するときにはまず内容を固めるところから始めなくてはなりません。

内容の考え方は通常の自己PRと同じです。まずは自己分析をおこない、自分の強みと、強みを発揮したエピソード、自分の強みによって得られた成果・成績を明確にします。そして、自分の強みが応募企業にどのような利益をもたらすかを考えましょう。

応募企業にアピールする内容が固まったら、特に強調すべきポイント、つまり強みを理解してもらうために欠かせない要素もこの段階で確定させておきましょう。強調ポイントを軸にしてデザインの方向性を定めることで、一貫性のある自己PRを作りやすくなります。

自由形式の自己PRで強調すべきポイントの例

  • 大学まで続けた弓道で培った「粘り強さ」
  • 飲食店でのアルバイトで売上を25%アップさせた「発想力」
  • 私は「誰よりも慎重なファーストペンギン」として皆を勇気づける

自己PRの基本的な書き方は以下の記事で詳しく解説しています。自由形式の自己PRは通常の自己PRの応用に当たるので、通常の自己PRのクオリティをもっと高めたいと感じる人はぜひ参考にしてください。

関連記事

例文12選|就活必勝の自己PRの作り方をキャリアのプロが解説

就活で多くの企業から質問される自己PRで、採用担当者を惹き付けるための秘訣をキャリアコンサルタントが解説します。企業適性にマッチした強みを見つけて、企業に採用したいと思われるような人材になれるよう自分を最大限にアピールしましょう。

記事を読む

例文12選|就活必勝の自己PRの作り方をキャリアのプロが解説

自己PRを作成するにあたって欠かせない自己分析の方法は以下の記事でそれぞれ解説しています。フォーマットも活用して、自分の強みや魅力を深掘りしていき、説得力のある自己PRを作成しましょう。

自己分析のやり方
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

手軽な自己分析のフォーマット
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選

②レイアウトの方向性を定めて下書きを作る

アピール内容が決まったら、次にレイアウトの方向性を決めます。レイアウトは、企業から自分にどのような印象を持ってほしいかを考えながら定めましょう

たとえばスポーツに打ち込んでいたことや大会での成績を強調したいのであれば、スポーツ新聞が参考になります。応募先の業界や企業風土に合わせてスマートな印象を押し出したい場合は、雑誌やポスターを参考にすると良いでしょう。

方向性が定まったら、細部を丁寧に練り上げるために、下書きを作ります。自己PRを紙に書く場合、いきなり本番用の用紙に書き込むのではなく、同じサイズの別紙で試し書きをおこなうことをおすすめします。試し書きにのみパソコンを利用するのも、文字サイズや文章量、色の変更がしやすいので便利です。

使用するイラストや写真もこの段階で用意しましょう。特に写真は用意に時間がかかることも考えられるので、早め早めに準備を進めることを意識してください。

③全体を見直して読みやすさ・見やすさを確かめる

自己PRで大切なのは、自分のことを知らない採用担当者や面接官にも自身の強みに納得してもらうことです。そのためにも、実物大の下書きを見直して、初対面の相手にも内容が適切に伝わるデザインかどうかをチェックすることがきわめて大切です

強調すべきポイントがきちんと目立っているか、内容とレイアウトのイメージが一致しているか、文字やイラストの端・高さはそろっているか、イラスト・写真の配置は適切か、ぎゅっと詰まった印象を受ける箇所はないかなど、読み手の立場に立って見直しをおこないましょう。

作成の直後だと読み手の立場をつかみにくいので、一晩から数日程時間を空けて見直すことをおすすめします。

村谷 洋子

プロフィール

文字のフォントを統一することと、文字の間隔や行間を詰めすぎない・空けすぎないことを意識すると読みやすさがぐっと増します。箇条書きを活用し、ぱっと見てわかりやすい文章にすることも重要です。

また、完成した自己PRをほかの人に見せて意見を聞くのも良いと思いますよ。

自分らしいデザインとは? 自由形式の自己PRで個性を活かすコツをプロが解説

ここまで自由形式の自己PRの具体例や基本的な作成手順について解説してきましたが、「自分の強みを表現するのに最適なデザインがどれなのか判断できない」と困ってしまった人もいるのではないでしょうか。

アピールしたい内容や自分の個性をデザインに落とし込むにはどのように考えるべきなのか、採用経験を持つキャリアアドバイザーの野村さんにアドバイスをもらいました。野村さんの意見をもとに、自分の強みをより有効にアピールするためのデザインを探しましょう。

アドバイザーコメント

自分らしいデザインとは自己PRの内容を引き立てるもの

自由形式の自己PRで自分らしさをデザインに落とし込むためには、まず自分の強みや個性をしっかりと理解し、それに合わせたデザインを選ぶことが重要です。以下の3つのステップに沿って、自分の印象を効果的に表現できるデザインを見つけてください。

①アピールポイントに沿ってデザインの方向性を決めよう

たとえば、論理的な思考力を強調するなら、シンプルで整然としたレイアウトが適しています。創造性やエネルギッシュさを表現したいのであれば、カラフルで動きのあるデザインが効果的です。

自分の強みやアピールポイントを明確にしたうえでデザインの方向性を決めることで、自己PRに一貫性を持たせることができます。

②企業に与えたい印象を具体的にイメージしてデザインを固めよう

デザインの参考にするために、同じ業界・職種を目指した人の自由形式の自己PRを調べてみましょう。これにより、どのような印象を与えたいかを具体的にイメージできるようになります。

デザインの選択肢が多い場合は、周囲の意見を聞きながら調整するのも一つの方法です。

③誰にとってもわかりやすいレイアウトを意識しよう

デザインでは見やすさと読みやすさが何よりも大切です。文字のサイズや色使い、レイアウトの整合性に注意を払い、情報がしっかり伝わるようにしましょう。

内容を引き立てる一貫性のあるデザインによって、自由形式の自己PRはより効果的になります。

自由形式の自己PRで周囲と差をつけたい! 誰でもできる一工夫4選

自由形式の自己PRでは学生がそれぞれの感性を活かして創意工夫を凝らします。通常の自己PRと違って形式が統一されていない以上、本来は同じ尺度で評価をおこなうことは難しいですが、「わかりやすく伝わるか」はデザインの完成度にかかわると同時に、自己PRで絶対的に求められることです。

ここでは、デザインに詳しくない人でも簡単にできる工夫を4つ紹介します。採用担当者・面接官にとっての読みやすさを重視した自己PRを作成し、ライバルとの差別化を図りましょう。

①使う色を同系色2色+補色1色に絞って統一感を出す

色を使って重要な情報を強調するといった工夫は大切ですが、色を増やしすぎるとどこが本当に重要なポイントなのかがわかりづらくなってしまいます。色は適切に使えば読みやすさを上げてくれますが、デザインについての専門的な知識を持っている人でなければ、適切な色選びは難しいです。

装飾に使う色選びに迷ったときは、同系色2色と補色1色の合計3色を上限にしましょう。たとえば、見出しやイラストに同系色の緑色・黄緑色を使い、強調したいポイントには緑の補色の赤色を使うといった具合です。補色はお互いの色を目立たせる効果があります。

なお、強調するポイントは成果を表す数字や他者評価といった一部にして、ベースとなる同系色を邪魔しないよう注意しましょう。

②見出し・本文・強調箇所の文字サイズをそろえてメリハリを付ける

自由形式の自己PRでは大きさの異なる文字を書く場面が多いです。おもには見出しと本文で大きさが分かれますが、本文のなかで強調したい部分があればそこもやや大きめにすると重要な情報だということが採用担当者や面接官にも伝わりやすいです。

なおこの時、見出し同士、本文同士、強調箇所同士は大きさをそろえるよう気を付けましょう。文字の大きさは情報の重要度に比例してとらえられるので、文字の大きさがばらついていると重要なポイントがどこなのかわからなくなってしまいます。全体の統一感も失われるので、デザインの観点で評価が下がる可能性も高いです。

手書きの場合は定規を使ってガイドラインを書くなどして文字の大きさをそろえましょう。文字の大きさが統一されていると全体のメリハリもしっかりとつきます。

③長い文章は箇条書きで端的にまとめる

新聞風や小説・エッセー風のように長文がデザインの一部になっている場合を除き、自由形式の自己PRでは長い文章を避けることをおすすめします。イラストや写真などによって文章を書くスペースが狭くなっている場合、改行を繰り返すと読みづらいためです。

イラストなどでイメージを共有できているのであれば、要素は箇条書きにするだけで十分内容を伝えることができます。必ずしも文章で説明しなくても良いという点を確認しておきましょう。

増田 綾子

プロフィール

採用側は常に、目の前の学生が自社が求めている人物像に近いかどうかを確認しようとしています。そのため、「自分のこういうところが企業の求める人物像に合致している」というポイントを箇条書きにしていくと良いでしょう。

応募企業で求められている人物像を把握するには、企業研究から会社風土などを予想しつつ、求人票を分析することが大切です。

あるいは、ライバルと被りそうな内容や口頭で説明できることを省いて、強くアピールしたいポイントを目立たせる書き方も良いでしょう。

④モノクロコピーでもデザインが引き立つよう隙間を確保する

自由形式の自己PRをデータで提出した後、企業のほうでデータを印刷する場合があります。印刷することで提出された自己PR同士を横に並べてみることが可能になるからです。

ただし、印刷がモノクロモードでおこなわれるかもしれないことは留意しましょう。「せっかく色に気を使ったのに」と思う人もいるかもしれませんが、コストの問題であったり、色の判別が難しい人にとってもわかりやすいかどうかを確かめる目的があったりとさまざまな背景が考えられます。

モノクロコピーで起こりうるトラブルの予防策

  • 色部分と文字が干渉しないよう、特に濃い色は線や枠にのみ用いる
  • 印刷されないほど薄い色は使わない
  • 薄い色は印刷されなくても支障がない場所にのみ使う

モノクロ印刷では濃い色は黒っぽく出力されるので、色が文字をつぶしてしまわないよう、文字と文字だけでなく、文字と色の隙間もしっかりと確保しましょう。イラストも同様で、濃い色ばかりを使うとイラストが黒く塗りつぶされたようになってしまいかねません。薄い色も使ったり、色塗りを部分的にしたりといった配慮をしましょう。

提出物がモノクロコピーされることって実際にあるんですか?

村谷 洋子

プロフィール

自由形式の自己PRはモノクロコピーされる前提で作成しよう

カラー印刷はモノクロ印刷よりも費用がかかるため、社内の複数人にコピーを配布する企業などでは、すべての提出物をカラー印刷しないことも十分考えられます。実際、企業の現場ではモノクロコピーが主流なので、白黒で出力されることを想定しておくのが無難でしょう。

また、カラー印刷でもトナーの状態によって原画と異なる色合いで出力されることは多々あるので、さまざまな可能性を考慮して使う色を決めましょう。

自由すぎると逆効果? 自由形式の自己PRならではの5つのチェックポイント

この章では、自由形式の自己PRを提出する際に気を付けるべきことを紹介します。自由形式が何でもありという意味ではないことはここまでにも解説したとおりですが、それ以外にも、作成時に注意しなくてはならないポイントがあります。今回は5つのチェックポイントを紹介するので、作成前・作成後の確認の参考にしてください。

自由形式の自己PRは創意工夫も重要ですが、こだわりがかえって自己PRの評価を下げてしまう可能性もあります。そのような事態に陥らないよう、提出物を適正に評価してもらうために注意すべきポイントを確認していきましょう。

①自己PRに必要な情報が抜けていないか

自己PRを構成する4つの情報と文章量の目安

  1. 自分の強み:全体の10%程度
  2. 強みの根拠となるエピソード:35%程度
  3. 成果を上げられた理由:40%程度
  4. 入社後に強みをどう活かしたいか:15%程度

通常の自己PRでは、①強み②エピソード③成果④熱意の4要素を入れることが標準化されています。これらの要素をこの順序で入れることで、論理的で過不足ない自己PRが書けるからです。

形式が変化しても自己PRに含むべき要素と割合は変わりません。

自由形式の自己PRは表現の幅やデザイン性に目がいきやすく、デザインによっては文章が限りなくゼロに近い状態になることもありえますが、そのような場合であっても自己PRを構成する4要素は必ず含めるようにしましょう

野村 芳克

プロフィール

自由形式の自己PRではデザインや表現に工夫を凝らしがちですが、内容の基礎は通常の自己PRと同じです。強み、エピソード、成果、熱意の4要素は必ず含めるようにしましょう。

形式が変わっても、これらの要素がしっかり伝わることが自己PRでは最も重要です。

自由形式の自己PRは通常の自己PRの応用なので、通常の形式でクオリティの高い自己PRが書けるようになると、自由形式の内容も充実させられます。自己PRそのものの質をより高めたい人は以下の記事を参考にしてみましょう。

関連記事

自己PRの作文で選考を突破するための4つのコツ|強み別の例文つき

自己PRの作文で選考を突破するためのコツを解説。書く前の準備の仕方から伝わる文章にするためのコツや字数調整の仕方までキャリアアドバイザーとともに解説します。強み別の例文も紹介するので、自己PRの作文が上手くかけず悩んでいる人は参考にしてみてください。

記事を読む

自己PRの作文で選考を突破するための4つのコツ|強み別の例文つき

②極端に質の低いイラスト・写真を使っていないか

アピール内容が自己PRの土台であることは前提ですが、企業に提出する以上は提出物全体のクオリティを高める努力は必要です。モチーフがわからないイラストや、解像度の低い写真を使うと、情報を伝える努力を怠っていると評価される恐れがあります。

また、インターネットで発見したイラストを勝手に使ったり、自分以外の人の顔が映っている写真を使うのも適切ではありません。社会人として求められる一般的なリテラシーが不足していると思われる可能性があります。

自由形式の自己PRにイラストや写真を使う際はそれらの作成・選定にも気を配りましょう。

③誰にとってもわかりやすいデザインか

この記事では10の作成例を紹介しましたが、自由形式の自己PRは表現方法が無数にあるので、自分なりの表現を追求することも可能です。しかし注意したいのは、個性や独自性にこだわるあまり、自分以外の人が理解しきれないデザインの自己PRになってしまっていないかという点です。

自己PRはもちろん、デザインは見る人に情報を伝えるための手段です。自分らしさを追求した結果、採用担当者や面接官が内容を汲み取れなくなってしまっては、せっかくのこだわりが伝わりません。

高評価を得るための工夫がかえって評価を下げてしまうのはもったいないですよね。完成後に一日程時間を空けてから見直しを図ったり、第三者にフィードバックをもらったりして客観的にわかりやすさを確かめましょう

④応募企業へ提出するのに相応しいデザインか

自由形式の自己PRは表現に対する制限が緩やかであることはこれまでに解説したとおりですが、あくまでも企業への提出物であることは忘れてはいけません。

応募企業の風土や価値観によって許容範囲には多少差があるものの、過激な表現、倫理に欠ける表現、ビジネスマナーに反する表現は避けるべきです。このほかにも、不適切だと思われる可能性があると感じたものは取り除きましょう。

作成中にも何度も確かめていたとしても、万が一の見落としを防ぐために、提出前にも最終確認をおこなってください。誤字脱字や塗り忘れといった単純なミスも見つかるかもしれません。企業へ自分の魅力をアピールするのに適切な資料かどうかを丁寧に確かめたうえでの提出を心掛けましょう。

作った自己PRがビジネスマナーに沿っているか判断できません。

村谷 洋子

プロフィール

ビジネスシーンに適した言葉遣いと配慮に気を配ろう

自由形式は大きな制限がないのが魅力なので、常識の範囲内で作成すれば問題ありません。強いて言えば、ビジネス文書であるため、最低限敬語を使うべきでしょう。スラングやカジュアルな表現は避けるのが無難です。

また、制作物をデータで提出する場合、画素数の大きい画像を多用すると、ファイルサイズが大きくなりがちです。極端に大きなファイルは開くのに時間がかかるため、相手のことを考慮して画像を圧縮するなどしましょう。

⑤結論で応募企業への適性や熱意を示せているか

自己PRが自分の強みをアピールするための項目であることはたしかですが、企業の最終的な目的は自社で活躍してくれる人材を採用することであり、自己PRにあてはめれば「入社後にその強みをどう活かしてくれるのか」を知りたがっているといえます。

そのため、通常の自己PRと同じように自分を採用するメリットを企業に明示して、採用担当者や面接官に自身の入社後の姿を想像してもらえるよううながすことが重要です。形式が自由であっても自己PRであることを忘れず、自分が応募企業で活躍できる人材であることをしっかりとアピールしましょう

野村 芳克

プロフィール

自由形式の自己PRでは、文字数が限られる場合もありますが、それでも企業への熱意は必ず表現しましょう。

制作物には「応募企業への具体的な貢献」や「自分の強みを活かす方法」を簡潔に記載し、詳細な説明は口頭でのプレゼンで補うと良いです。デザインや形式にとらわれすぎず、内容が伝わるよう意識してください。

自己PRで企業への熱意を伝えるための秘訣はこちらの記事で詳しく解説しています。志望度の高さは企業側も重視するポイントなので、熱意の伝え方が合否を分ける可能性もあります。志望企業への有効なアプローチを研究する際は必見です。

関連記事

自己PRの締め方に必須の3大要素を解説! 強みが届くコツも伝授

自己PRの締め方で採用担当者の印象はがらりと変わります。この記事ではキャリアコンサルタントと自己PRの締め方に必要な3つの要素を解説するので、自己PRの締めに必ず盛り込みましょう。また自己PRの締めに使いやすい6つの型と、やらない方が良い締め方4選も紹介していきます。

記事を読む

自己PRの締め方に必須の3大要素を解説! 強みが届くコツも伝授

センス以上に準備が大事! 自由形式を味方につけた自己PRで選考を突破しよう

自分の強みを自由にアピールするよう求められて戸惑う人も多いかもしれませんが、あくまでも自己PRであるという前提を忘れずに、強みを効果的に企業へアピールするための準備をおこなっていけば、魅力的な自由形式の自己PRを作成することができます。

自由形式の自己PRで大切なのは、デザインへの造形の深さやセンスだけではなく、自己PRとしてのクオリティを高めるための入念な準備です。自由形式ならではの準備も必要ですが、過度に気構えず、自分の魅力を企業に伝えるためにどうするべきかをじっくりと考えてください。

企業の期待に応えつつ、自分らしい自己PRを完成させて選考を突破しましょう。

アドバイザーコメント

自由形式の自己PRは華やかさではなく個性を落とし込むことが重要

自由形式の自己PRではどのような形態で書くかに気を取られがちですが、大切なのは内容です。自分のアピールポイントのうちどれをピックアップするかと、全体の構成を決めてから書き始めましょう。

そのためにはまず、自己分析と応募企業の研究が必要です。なぜなら、「応募企業が求めている人物像に自分がどれだけ合致しているか」を伝えられる文章が自己PRには必要不可欠だからです。自由形式とはいえ、そのポイントを押さえていなければ採用にはつながりません。そのことを念頭に置いて書く内容を決めましょう。

内容が固まったら次に考えるべきはデザインです。デザイン力に自信がない場合は「自分らしさを表現するにはどんな形態が良いか」を考えてみてください。必ずしも凝った作りのものが良いとは限りません。むしろ、自分なりの創造性が発揮されたもののほうが注目されやすいでしょう。

その企業で取り組んでみたいことや、入社後にどのような姿勢で仕事に向き合っていくかなど、働くことへの熱意も入れておきたいですね。

自由形式ならではの表現で強みを自分らしくアピールしよう

自由形式の自己PRは、形式も内容も書き方も自由だからこそ、「採用したら社内でどう活躍してくれるか」を提出物でどれだけ伝えられるかが問われます。

見た目の華やかさにとらわれず、自分という人間がまるでそこにいるかのような自己PRを目指しましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

> コンテンツポリシー

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

> メッセージを読む

関連Q&A

カテゴリーから探す

目次

おすすめ対策ツール・資料

TOP

PORTキャリア