この記事のまとめ
- まずはフィンテック企業の市場規模と成長性を把握しよう
- 就活のプロが解説! フィンテックにおける大手とベンチャーの違い
- フィンテック企業が提供する7つのサービスを解説
就職活動を進めていくなかで、「フィンテック」という言葉を耳にする機会が増えているかもしれません。フィンテックは金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、情報技術を活用した金融サービスを提供する企業をフィンテック企業といいます。
ただ、フィンテック企業について「具体的にどのような企業があるのかわからない」「どんなサービスや職種があるのかイメージできない」と悩む人も多いのではないでしょうか。
この記事では、キャリアアドバイザーの隈本さん、板谷さん、高尾さんのアドバイスを交えつつ、フィンテック企業の一例やその成長性、提供するサービスを解説します。フィンテック企業をエントリー候補に考えている人は、ぜひ参考にしてください。
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フィンテック企業に興味を持ったらサービスや仕事内容への理解を深めよう
フィンテック企業に興味を持ったら、業界研究や企業研究を通じて将来性や提供するサービス、仕事内容への理解を深めることが大切です。分析して深く理解することによって、自分のキャリアビジョンやスキルに最も合った企業を見つけ、選択肢を広げられます。
この記事では、フィンテック企業の定義や市場規模を解説し、日本と世界のフィンテック企業10選を説明します。どのようなフィンテック企業があるのかを把握することで、自分に合った企業を見つける手助けとなるでしょう。
また「どのようなサービスを提供しているかわからない」という人に向けて、フィンテック企業が提供する7つのサービスについても解説します。フィンテック業界への理解を深め、選考に進むための準備を整えましょう。
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まずは理解を深めよう! フィンテック企業とは?

フィンテック企業とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた革新的なサービスを提供する企業です。従来の金融機関が提供していたサービスをテクノロジーの力で効率化し、さらに新しい金融サービスを創出しています。
フィンテックの代表的な例
- スマートフォンを使ったキャッシュレス決済
- AIを活用した投資アドバイス
- ブロックチェーン技術を利用した仮想通貨の取引
フィンテック企業が提供する個人向けのサービスは、スマートフォンやパソコンで簡単に利用できるものが多く、ユーザーの利便性を大幅に向上させています。また法人向けには財務管理や融資、保険などの分野でサービスを展開し、企業の経営を効率化する支援をしています。
なお、金融業界やIT業界についてはこちらの記事で解説しています。「金融業界のイメージを掴み切れていない」「IT業界に詳しくなりたい」という人は、事前に確認しておきましょう。
今後も勢いは続く? フィンテック企業の市場規模と成長性を解説
フィンテック企業に興味を持っているものの「フィンテック企業の市場規模はどのくらいなのか」「新しい企業が多くて将来性が不安」と感じている人もいるのではないでしょうか。
ここからは、フィンテック企業の市場規模や成長性を解説します。フィンテック企業の現状を把握し、これからも安定した経営をできる企業が多いかどうかを判断する際に役立ててください。
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市場規模
世界のフィンテック市場規模は、2023年に1,871億米ドルに到達しました。ボストンコンサルティンググループとQEDインベスターズとの共同レポートによると、現在の世界の金融サービス業に占めるフィンテック関連の収益は約2%とされていて、今後も拡大が続くと見込まれているのです。
この成長により、フィンテックは金融サービス業全体の7%程度の収益を占めると見られています。特に銀行関連のフィンテック企業の価値が高まりやすく、2030年までには世界中の銀行の企業価値総額の25%をフィンテック企業が占めると予想されています。
成長性
フィンテック市場は、キャッシュレス決済やインターネットバンキングを中心に拡大を続けてきましたが、今後はブロックチェーンや人工知能(AI)の普及によってさらなる市場拡大が見込まれています。
日本は銀行・保険会社による出資規制を緩和したり、異業種からの参入障壁を下げたりして、フィンテック市場の発展に注力しています。他国でもフィンテック市場を後押しする政策を実施する動きが見られるため、今後も多くのフィンテック企業が成長を続けることが期待されています。
近年、フィンテック企業の求人は増えています。増えている背景には、新型コロナウイルス感染症流行以降のデジタル化の加速やAI・ブロックチェーンなどの技術革新、従来の銀行・保険会社による変革などがあります。
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就活のプロが徹底解説! フィンテックにおける大手とベンチャーの違いとは?
新しい分野であるフィンテックには、大手企業だけではなくベンチャー企業も参入しています。フィンテックについて調べていくなかで「大手とベンチャーで業務内容に違いはあるのか」「スピード感はベンチャーに分がある気がするが、現場で働く人はどのように感じているのか」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
就活のプロとして多くの企業を見てきたキャリアコンサルタントに、フィンテックにおける大手とベンチャーの違いを聞いてみましょう。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る同じフィンテック企業でも違いがある! 理解したうえで選考に挑もう
①仕事内容
大手フィンテック企業は明確な役割分担があるため、自分の専門分野に集中しやすい環境です。たとえば、エンジニアは技術開発に専念し、マーケティング担当者はデータ分析や戦略立案に集中できます。
一方、ベンチャー企業では、限られたリソースで多くの業務をこなす必要があり、複数の役割を兼任するのが一般的です。幅広いスキルを身につけたい人にとっては魅力的ですが、特定の分野に専念したい人には向かない場合があります。
②スピード感
大手企業は安定した基盤の上で計画的に事業を展開するため、より戦略的で長期的なプロジェクトが中心になります。
一方、ベンチャー企業はアイデア出しから実現までのサイクルが非常に短く、迅速な意思決定がおこなわれるため、チャレンジしやすい環境ですが、同時に結果を求められるプレッシャーも伴います。
③待遇面
大手フィンテック企業は安定した給与や福利厚生を提供する傾向があり、研修制度などの人材育成も充実していることが多いです。
一方ベンチャー企業は、給与や福利厚生が不安定ですが、成果報酬制度やインセンティブを導入している企業もあります。
ベンチャー企業についてはこちらの記事で解説しているので、「あまりよく知らない」という人はぜひチェックしてください。
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資金調達額順に解説! 日本のフィンテック企業5選
日本のフィンテック企業
フィンテック企業を志望する学生の中には、企業ごとにどのような特徴があるのか把握できていない人もいるでしょう。
ここからは、資金調達額の大きい順に日本のフィンテック企業を5社解説します。企業の違いを理解して、自分の性格ややりたい仕事にマッチした企業を見つけていきましょう。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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・時間をかけずに自己分析をしたい人
①free株式会社(資金調達額:約235億円)
free株式会社は「「スモールビジネスを、世界の主役に。」を企業理念に、クラウド会計ソフトや人事・労務管理ソフトを提供し、中小企業や個人事業主を支援しています。煩雑な業務をデジタル化して、ビジネスに集中できる環境を提供しているのです。
たとえばクラウド会計ソフトのfree会計は、銀行やクレジットカードとの連携によってリアルタイムで取引を反映させられます。また、人事・給与管理ソフトを導入すれば、勤怠管理や給与計算などの業務を大幅に削減可能です。このように、free株式会社は企業の経理・人事部門における業務効率化をサポートしています。
なお、free株式会社は働き方や仕事の魅力などを聞けるカジュアル面談を開催しています。そのため、実際に働く社員と話してからのエントリーが可能です。
②株式会社bitFlyer(資金調達額:約172億円)
株式会社bitFlyerは「ブロックチェーンで世界を簡単に。」をコンセプトに、暗号資産取引所である「bitFlyer」を運営しているフィンテック企業です。ビットコインをはじめ、イーサリアムやリップルなど全部で36銘柄の暗号資産を取り扱っています。
また2024年に創業10年を迎えるbitFlyerは、創業以来ハッキングの被害に遭っていません。二段階認証やアカウントロック機能を搭載して万全なセキュリティ体制を整備し、不正ログイン対策をおこなっているのです。
さらに、1円から暗号資産を購入できるうえに、売買手数料や一部銀行からの振込手数料も無料です。これらのメリットがあるbitFlyerは、取扱銘柄の豊富さや安全性によって投資家から支持を集めています。
なお、株式会社bitFlyerの新卒採用で募集しているのは総合職とエンジニアです。営業やマーケティング、トレーダーなどのさまざまなポストがあるため、総合職として入社すると幅広い業務に携わる可能性があります。
③テックビューロ株式会社(資金調達額:約155億円)
テックビューロ株式会社は、ブロックチェーン構築プラットフォームのmijinやNFTを扱うマーケットプレイスのCOMSAを提供しているフィンテック企業です。mijinは法人向けのサービスで、導入すればブロックチェーンを活用して迅速かつ安全にデータや取引情報を共有・管理できるようになります。
また、COSMOは個人・法人を対象にしたサービスで、誰でも気軽にNFTを出品したり購入したりできます。
NFT(non-fungible token)とは
何かに置き換えられる可能性がない唯一無二のデータ。これまではデジタル上で一点物である証明はできなかったが、NFTによって固有の権利が認められたことでデジタルアートやデジタル資産に価値が生まれた。
なお、テックビューロ株式会社はZaifという暗号資産取引所を運営していましたが、2019年に廃業しました。したがって2024年現在、テックビューロ株式会社は暗号資産取引所を運営していません。
所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
④ウェルスナビ株式会社(資金調達額:約131億円)
ウェルスナビ株式会社は「働く世代に豊かさを」をミッションに掲げ、全自動資産運用ロボットアドバイザーのWealtNaviを提供しています。WealtNaviでは、自分のリスク許容度に応じたプランを選択すれば、AIが最適なポートフォリオを構築して運用してくれます。
手軽に始められるため、投資初心者や忙しくて資産管理に時間を割けない人に支持されています。ウェルスナビ株式会社は資産運用のハードルを下げ、多くの人が安心して投資できる環境の整備に注力しているのです。
ウェルスナビ株式会社の新卒採用では、エンジニア職とデザイナー職、ビジネス職を募集しています。ビジネス職として入社すると、Webマーケティングや広報、採用などから適性のある部署にアサインされる仕組みです。
⑤株式会社FOLIO(資金調達額:約118億円)
株式会社FOLIOは、AI運用サービスのROBOPROやロボットアドバイザーのおまかせ投資を提供するフィンテック企業です。
ROBOPROは、AIがリスクや景気循環といった金融市場を先読みして資産運用をおこないます。さまざまな相場に柔軟に対応することができ、2020年のサービス公開から2024年8月末までに約88.35%のリターンを獲得しています。
またおまかせ投資は、3つの質問に回答すると投資家に最適な運用プランを提案してくれる投資サービスです。運用プランを選択すれば、投資初心者でもプロレベルの分散投資ができるようになります。
なお、株式会社FOLIOはチャレンジ精神を大事にしているため、成功に向けて積極的に挑戦したい人には向いているといえます。
アドバイザーコメント
高尾 有沙
プロフィールを見るフィンテック業界で理想のキャリアを構築するためにしっかり企業分析をしよう
フィンテック企業を分析する際には、まず事業内容が金融とテクノロジーのどの部分に焦点を当てているかを理解しましょう。
フィンテック業界には「キャッシュレス決済」「暗号資産」「ロボットアドバイザー」などの分野があり、それぞれ成長性や市場ニーズが異なります。自分の興味と重なる分野を見極めることが大切です。
次に、企業の規模や組織構造、事業戦略を確認しましょう。大手企業は金融機関との協業や安定した資金調達を背景に大規模事業を展開していて、ベンチャー企業は迅速な意思決定や革新的な技術を活かしたサービスが特徴です。こうした違いを理解することで、自分が求める働き方を明確にできます。
また、最新技術や法規制の知識も必要です。特に暗号資産などの分野では、国内外の規制がビジネスに影響を与えるため、トレンドに敏感であることが求められます。金融リテラシーとITスキルの習得もキャリア構築に有益です。
企業の特徴を見極め自分のキャリアにつながるかを見極めよう
企業の特徴を把握しつつ、自分のキャリア志向や成長につながるかどうかを判断できるよう分析を進めていきましょう。
【2024年調査】世界のフィンテック企業の収益ランキング
フィンテック企業に興味を持っているなら、日本以上よりも市場規模が大きい海外にも目を向けましょう。
ここからは、IDC FinTech Rankingsをもとに、海外のフィンテック企業ベスト5を解説します。どのようなサービスを提供しているフィンテック企業が成長しているのかを確認しながら、読み進めてくださいね。
ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
『就活準備をもっと効率よく進めたい...!』と思っていませんか?「就活準備プロンプト集」は、生成AIを活用して自己PRや志望動機をスムーズに作成できるサポートツールです。
簡単な入力でプロが使うような回答例が出せるため、悩まずに就活準備を進められます。生成AIを活用して効率良く就活準備を進めたい人におすすめです。
- 自己PR、ガクチカ、志望動機作成プロンプト
- チャットを使用した、模擬面接プロンプト
- 自己PRで使える強み診断プロンプト
①Fiserv
Fiservは、金融機関に企業に対して決済処理サービスや金融ソフトウェアを提供するフィンテック企業です。Fiservの技術は、クレジットカードやATM管理、インターネットバンキングといったフィンテック領域に活用されています。
多くのフィンテックが提供するサービスの基盤を提供しているFiservは経営が安定していて、フィンテック企業ランキングの1位に君臨しています。また、今後もフィンテック市場の規模拡大が見込まれているため、需要が大きくなるにつれてFiservはますます成長していくでしょう。
Fiservはアメリカの企業ですが、アジアやヨーロッパなど世界中でサービスを展開しています。国ごとに求人をおこなっているため、世界のさまざまな国で働くチャンスがあります。
②FIS
FISは、金融機関や企業がおこなうお金のやり取りや支払いに関するサービスを提供しているフィンテック企業です。たとえばクレジットカード決済や銀行の取引処理など、日々の金融活動を支える技術を提供しています。
フィンテック企業ランキングで2位にランクインするほどの収益力を誇るFISは、世界の主要銀行の95%と提携しています。 そのためスーパーやコンビニで買い物をしたり、スマホアプリから残高を確認したりする際は、FISのソフトウェアを使っている可能性が高いのです。
金融機関や企業が安定して業務を進められるようにサポートするFISは、フィンテック業界でも大きく成長する可能性があるといえます。
③Broadridge Financial Solutions, Inc.
Broadridge Financial Solutionsは、株式や投資関連の取引を円滑に進めるためのシステムを提供するフィンテック企業です。投資家への報告書の作成や株式取引を自動化するシステムの開発・提供をおこなっていて、これらの技術は多くの金融機関で活用されています。
なお、Broadridge Financial Solutionsはアメリカの企業ですが、世界中に約40拠点を置いています。日本にも進出していて、25年以上にわたって日本の金融機関がグローバル市場に参入する際のサポートをしているのです。また、世界の金融機関が日本市場に参入する際もBroadridge Financial Solutionsが支援しています。
Broadridge Financial Solutionsは東京にも支社があるため、日本に暮らしたまま外資系のフィンテック企業で働ける可能性があります。
④SS&C Technologies
SS&C Technologiesは、投資や保険に関する業務をサポートする技術を提供するフィンテック企業です。投資会社が多くのお金を効率的に管理したり、保険会社が契約をスムーズに処理できたりするシステムを開発・提供しています。
またSS&C Technologiesのシステムには、複数通貨のポートフォリオの会計処理や投資家に向けたデータ報告、投資家の管理などをおこなう機能も搭載されています。
このようにSS&C Technologiesは、金融機関や企業の業務効率化に欠かせないサービスを提供しているのです。金融業界のデジタル化が進むにつれてSS&C Technologiesの技術の重要度が増し、今後はより多くの企業から重宝されるでしょう。
なお、多様性を重視し優秀な人材を採用するSS&C Technologiesの従業員の国籍は50以上です。そのため、入社後はさまざまな文化や価値観を持つ同僚や上司とかかわりながら仕事を進めていくことになります。
⑤Moody’s Analytics
Moody’s Analyticsは、企業や金融機関が抱えるリスクを評価して格付けをするフィンテック企業です。Moody’s Analyticsの強みは信用評価サービスで、企業の経営判断や投資家の投資判断をサポートします。
またMoody’s Analyticsは、信用・気候・ESG・サイバーなどさまざまな観点から企業のリスクを分析しています。これにより、企業はリスクの高い取引を避けて安全なパートナーと取引を開始したり、投資家はリスク許容度に見合った銘柄を購入できたりします。
- 外資系のフィンテック企業を志望しています。新卒で入社するのは可能でしょうか?
外資系フィンテック企業への新卒入社は可能だがハードルは高め
外資系フィンテック企業は国内企業に比べて競争が激しく、新卒であっても即戦力としてのスキルが求められます。具体的には、テクノロジーや金融に関する知識、プログラミングスキル、ビジネスレベルの英語力が必要です。
選考過程では、英語での面接が行われるのが一般的で、エンジニア職ならばポートフォリオの開示が求められることがあります。応募したい職種に従事できるだけのスキルがあるかチェックし、入念な準備が求められます。
仕事への理解を深めよう! フィンテック企業が提供する6つのサービス
フィンテック企業と聞くと、難しく感じる人もいるでしょう。フィンテックという言葉自体にはあまり馴染みがないかもしれませんが、実は私たちの生活にすでに浸透しているサービスが多くあります。
ここでは、フィンテック企業が提供するサービスを解説します。金融×情報技術にはどのようなサービスがあるのかを把握して、フィンテック企業への理解を深めてください。
事前に企業が提供するサービスや技術が理解できていないと、志望動機やキャリアビジョンが具体的に伝えられず、採用担当者に自身の思いや魅力が伝わりにくくなります。
また自分が携わりたい職種や業務内容がイメージできず、入社後にミスマッチが生じる可能性も高まります。
①キャッシュレス決済
キャッシュレス決済は、現金を使わずにスマートフォンや電子マネーで支払う決済方法です。フィンテック企業は、QRコード決済やバーコード決済、タッチ決済などを提供しています。フィンテック企業が提供するキャッシュレス決済の代表例は以下の通りです。
経済産業省の調査によると、日本におけるキャッシュレス決済の取引額・比率ともに右肩上がりに上昇しています。2017年は決済額が64.7兆で比率が21.3%だったのに対して、2023年は決済額が126.7兆で比率が39.3%と、約2倍の成長を見せました。
さらに、日本政府は2025年には比率4割、将来的には世界最高水準の80%を目指す方針を示しています。こうした政府の取り組みもあり、キャッシュレス決済市場は今後もさらに成長していくと期待されています。
②会計・財務
法人や個人事業主は、事業年度を終えると決算書や確定申告書を作成して税務署に提出しなければなりません。これまでは、請求書や領収書を集めて手作業でデータを抽出したり、計算したりする処理をしていました。
しかし、フィンテック企業が提供する会計ソフトを利用することで、法人や個人事業主は会計・財務の業務を効率的に進められるようになっています。代表的な会計ソフトには以下のようなサービスがあります。
代表的な会計ソフト
会計ソフトを導入していれば、領収書や請求書のデータを正確に入力するだけで決算や確定申告書が完成するのです。また、銀行口座やクレジットカードと連携すると取引データが自動で取り込まれるため、入力の手間も省けます。
③投資
フィンテック企業は、個人の資産運用をサポートするロボットアドバイザーというサービスも提供しています。
ロボットアドバイザーとは
資産状況やリスク許容度をAIが分析して、最適な商品を適切な配分で自動購入するサービス。
代表的なロボットアドバイザー
最初にロボットアドバイザーの設定を済ませると資産運用を自動化できるため、知識や時間がなくても投資を始めることが可能です。
また、膨大なデータを解析して投資をおこなうロボットアドバイザーは、運用のプロであるファンドマネージャーよりも高精度な運用ができると期待されています。ただし、個人で金融商品を購入するよりも手数料が高いため、運用成果が良くてもトータルリターンが少ないケースもある点に注意が必要です。
④保険
フィンテック企業が保険業界で提供するサービスは、保険(Insurance)と技術(Technology)を掛け合わせてインシュアテックといいます。従来の保険商品は保険代理店を通して契約するのが一般的でしたが、フィンテック企業が提供するオンラインのプラットフォームによってスマートフォンやパソコンで契約できるようになりました。
現在は、個人情報を入力して保険料のシミュレーションに進み、そのまま手続きをおこなえば数分で保険に加入可能です。また、スマートフォンのアプリやスマートウォッチなどで健康データを収集し、適切な保険プランを提供するサービスも登場しています。
保険については以下の記事で解説しているので、内容を確認して業界への理解を深めてください。
⑤暗号資産
暗号資産は、インターネット上で商品やサービスを購入できる通貨のような機能を持った電子データです。国によって保障されている法定通貨ではなく、銀行のように間に入る機関がいなくても個人間でやり取りをすることができます。代表的な暗号資産には、以下のようなものがあります。
代表的な暗号資産
- ビットコイン
- イーサリアム
- リップル
ビットコインは、ビックカメラの一部店舗やDMM.comなどで使用可能です。現在は使用できる店舗が限られていますが、今後は暗号資産決済に対応する店が増えると見込まれています。
また暗号資産は価格が変動しやすいリスクの大きな資産ですが、ビットコインやイーサリアムといったメジャーな通貨は長期的に見ると右肩上がりに成長しています。資産分散の一環として購入する人もいるため、決済サービスとして普及すればより市場規模は拡大していくでしょう。
⑥クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを活用して不特定多数の人から資金を調達する手段です。クラウドファンディングには、リターンが不要な寄付型、調達者の商品やサービスを利用できる購入型があります。代表的なクラウドファンディングサイトは以下の通りです。
これまでは銀行や投資家から資金を集めていましたが、クラウドファンディングを利用すれば個人から少額ずつ資金を調達可能です。そのため、革新的なプロジェクトや社会貢献活動を実現しやすくなっています。
- フィンテック企業で提供されているサービスの中で、最も注力されている分野はどれですか?
デジタル決済や個人間送金などが注目を集めている
オンラインショッピングの増加に伴い、デジタル決済の分野が注目されています。 キャッシュレス決済は、24時間いつでもどこでも利用でき、瞬時に取引が完了するなど、多くのメリットがあります。
さらに、アプリを通じた個人間の金銭取引も、この数年で急速に普及しています。
また、オンラインネットバンキングやモバイルバンキングも注目を集めており、従来、銀行に足を運ぶ必要があった振込や送金などの銀行サービスをデジタルでおこなえるようになっています。
GameFi機能搭載で日常的な決済データをデジタル資産に変換するweb3ウォレットなども、複数の大手から出資を受けていて注目度の高い分野です。
どんな仕事がある? フィンテック企業の職種
フィンテック企業のサービス内容を理解したものの、「どのような職種があるのかわからない」「入社後の姿をいまいちイメージできない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
ここからは、フィンテック企業の職種を解説します。どのような仕事があるのかを把握して、フィンテック企業への理解度を高めてくださいね。
営業
フィンテック企業の営業職は、企業や個人の課題解決に向けて金融サービスを提案し、契約を獲得する役割を担っています。特にBtoB営業が多く、企業に対してフィンテック企業が提供するサービスの導入を推進するのが主な業務です。
たとえばクラウド会計ソフトを取り扱うfreeの営業として働く場合、決算書作成が容易になることや人件費の削減といったメリットを企業に提示し、契約につなげることが求められます。金融やITに関する知識がない顧客も多いため、営業を目指すならフィンテックへの理解を深めてわかりやすく説明できるようになることが大切です。
なお、BtoB営業の魅力や大変な部分は以下の記事で解説しています。「BtoB営業について詳しく知りたい」「BtoCとの違いを把握したい」という人は、ぜひ参考にしてください。
フィンテック企業に必要な金融リテラシーとITスキルを持ち、さらにクライアントの課題に応じた解決策を提案できる人はフィンテック企業の営業に向いています。
また、業界全体の変化が激しいため、新しい知識や技術に柔軟に対応できる姿勢も重要です。
エンジニア
エンジニアは、フィンテック企業が提供するサービスの基盤となるシステムやアプリケーションの開発を担っています。また、情報技術の発達に合わせてセキュリティ攻撃も複雑化しているため、サイバー攻撃や情報漏えいに備えたセキュリティ対策もエンジニアの重要な仕事です。
また、新しい金融サービスを提供するフィンテック企業のエンジニアには、通常のエンジニアは以上にユーザーの使いやすさを重視した開発が求められます。なぜなら、機能がどれだけ優れていても、使いにくいと感じる人が多ければ利用者数が伸びずサービスが拡大しないためです。
そのためフィンテック企業のエンジニアを目指すのであれば、プログラミングスキルのようなエンジニアに必要なスキルだけではなく、相手の立場に立って物事を考える力を磨いておきましょう。
なお、一口にエンジニアといってもさまざまな職種があります。以下ではエンジニアを細かく分類して仕事内容を説明しているので、より詳しく知りたい人は確認してください。
ITエンジニア
ITエンジニア20選! 必要なスキルと業務内容をわかりやすく解説
セールスエンジニア
セールスエンジニアになるには? 仕事内容や適性がイチからわかる!
デザイナー
フィンテック企業のデザイナーは、サービスをユーザーが使いやすいように仕上げることがおもな役割です。ユーザーが見やすい位置にボタンを配置したり、なるべく専門用語をわかりやすく説明したりして、アプリやウェブサービスを直感的に操作できるように設計する必要があります。
特にこれまでにない革新的なフィンテックサービスは、使いにくければ悪い評判が広まり、利用者数の伸びが鈍くなってしまうことも考えられます。したがってフィンテック企業のデザイナーには、スマホを使い慣れていない世代からZ世代までに配慮できる相手の立場に立って物事を考える力が欠かせません。
スタートアップなど、一部のフィンテック企業では、エンジニアとデザイナーの役割が明確に分かれていないことがあります。
小規模な企業では、エンジニアがデザイン業務も兼任し、プロダクトの使いやすさやデザインを考えたり、ビジュアル面を手がけたりします。
ディレクター
フィンテック企業のディレクターは、サービスの開発や導入をスムーズに進めるための計画を立案したり、プロジェクトを進行したりします。これらの仕事をおこなうフィンテック企業のディレクターには、プロジェクトマネジメントのスキルはもちろん、営業やエンジニアと連携するためのコミュニケーション能力、急速に発展するフィンテック業界に対応する柔軟性なども必要です。
またサービスに関する理解が浅ければ、エンジニアやデザイナーに対して具体的な指示を出せません。そのため、ディレクターとして働くためには、プログラミングやデザインに関する知識も身に付けておく必要があります。
カスタマーサポート
顧客がサービスを利用しているときにトラブルが発生すれば、問題解決に向けてカスタマーサポートが対応します。フィンテック企業のカスタマーサポートは、メールやチャット、電話を通じて対応するのが一般的です。
また、カスタマーサポートとして働くには顧客の理解度に合わせて説明するスキルが欠かせません。カスタマーサポートの話している内容を顧客が理解できなければ、トラブルを解決へと導くのは難しいためです。
なお、投資や保険サービスを提供するフィンテック企業のカスタマーサポートとして働いていると、金融関連の相談への対応が必要なケースもあります。提供するサービスによってもカスタマーサポートの業務範囲が異なるため、エントリー前に確認してギャップを感じないようにしましょう。
いくつ当てはまるか確認! フィンテック企業に向いている人の特徴4選
フィンテック企業に向いている人の特徴
- 経済や法律への関心が強い
- データ分析に関する知識が豊富
- 変化を恐れずにチャレンジし続けられる
- 好奇心旺盛で最新情報に敏感である
「フィンテック業界に興味はあるけど、自分が向いているかどうかわからない」「フィンテック企業で働くために必要な性格や能力が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
フィンテック企業に向いている人の特徴を理解して自分の強みと照らし合わせることで、今後のキャリア選びに役立ちます。また向いている人の特徴とマッチしていれば、フィンテック企業の選考でアピールが可能です。
ここでは、フィンテック企業に向いている人の特徴を紹介します。フィンテック企業で求められる人材と自分の性格や特徴が合っているかチェックしながら、読み進めてくださいね。
①経済や法律への関心が強い
フィンテック企業は金融サービスを提供しているため、経済や法律への関心が強い人材を求める傾向にあります。たとえば、金融商品の仕組みや市場を理解していれば、顧客にとって魅力的な投資商品や保険商品を提案しやすくなります。
また新しい分野であるフィンテック企業は法律や規制への対応も必要なため、金融関連の法制度やルールの理解、アップデートされた情報の勉強も重要です。
なお、学生の潜在能力を重視する新卒採用では、経済や法律に関する深い知識がなくても選考を通過できるかもしれません。ただし、経済や法律への関心度の高さは大事な要素になるため、日本経済新聞を購読したり、テレビで経済ニュースをチェックしたりしている人はフィンテック企業に適している可能性があります。
経済や法律への関心度の高さをアピールするためには、日本経済新聞の購読や金融に関する資格の取得がおすすめです。
- 最近気になるニュースについて質問された場合、フィンテック関連のニュースを選択するべきでしょうか。
ニュース選びはフィンテック以外でもOK! 自分の興味を反映させよう
ニュース選びは、あなたの興味や考え方を最もよく表すものを選ぶことが大切です。
必ずしもフィンテック関連のニュースにする必要はありませんが、フィンテックに関心があることをアピールしたい場合や、気になるフィンテック関連のニュースがある場合にはピックアックしても不自然ではないですよ。
いずれにせよ、ニュース選びはあなたの興味の幅を示す良い機会です。個人的に気になる社会問題や技術トレンド、他の業界での変化に関するニュースを選ぶと良いでしょう。
フィンテック以外のテーマでいえば、たとえば環境問題やデジタル化の進展、AIなどの技術トレンドをテーマにすると「フィンテック企業でもこのようなトレンドがどのように影響しているかを学びたい」といった流れで、フィンテックへの興味にも自然につなげやすくなるでしょう。
②データ分析に関する知識が豊富
フィンテック企業は独自に集めた膨大なデータを適切に分析し、ビジネス戦略に活用しています。たとえば、顧客や上司に対して新しい提案をする際は、消費者の利用履歴や市場動向などのデータを分析して根拠を示す必要があります。
また、集めたデータから顧客の求めるサービスや機能を導き出せる人は、入社後に活躍できる可能性が高いです。このようにデータに関する知識が豊富であれば、フィンテック企業に向いていると言えます。
大学で計量経済学や統計学といったデータ分析を専門的に扱う分野を専攻している人は、積極的に伝えましょう。もし別の専門分野を学んでいた場合でも、以下のような資格を取得しておくとデータ分析が得意なことをアピールできます。
金融や法務に関する知識やエンジニアとしての知識を必要とする部署もあります。
データ分析や統計について学んでいると強みにはなりますが、データ分析に関する知識は入社してからオンラインで学ぶこともできます。専門的に学んでいないからといって、諦める必要はありません。
③変化を恐れずにチャレンジし続けられる
フィンテック業界は急速に発展しており、日々新しい技術やサービスが生まれています。そしてAIやブロックチェーン、クラウドといった新しい技術に対応するためには、継続的な学習が欠かせません。そのため、フィンテック企業では変化を恐れず常に新しいチャレンジを受け入れられる人材が求められます。
「大学で新しいサークルを設立した」「未経験の分野で長期のインターンシップに参加した」など、挑戦を続けてきた人はフィンテック企業に向いているといえます。このような経験があれば、選考で積極的にアピールしましょう。
なお、チャレンジ精神のアピール方法はこちらの記事で解説しています。4つのポイントを把握して、魅力的な自己PRを作成しましょう。
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多くの企業がチャレンジ精神のある人材を求めているため、アピールすること自体は効果的です。しかし、チャレンジ精神をアピールする就活生は多くいるため、差別化が大切です。記事では、周囲と差をつけるチャレンジ精神のアピール方法をキャリアコンサルタントと解説します。
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④好奇心旺盛で最新情報に敏感である
フィンテック企業では急速に進化する技術と消費者ニーズに対応するため、常に最新情報を追いかける必要があります。そのため、好奇心旺盛で新しいことに対する探求心が強い人は、フィンテック企業で活躍できる可能性が高いです。
また、最新のテクノロジーや市場動向に常にアンテナを張り、変化に迅速に対応できる柔軟さも欠かせません。新しいサービスを顧客にわかりやすく説明できなければ、提案が受け入れられないためです。
好奇心が強くて常に最新情報を集めているのであれば、効果的なアピールポイントになります。
「いち早く旅行キャンペーンをチェックして、家族でお得に旅をした」「スマートフォンの新しい料金プランを確認して、家族や友人の通信費を削減した」のように、日ごろから最新情報を集めて行動していることがわかるエピソードをアピールしましょう。
なお、「好奇心旺盛は自己PRとして使えるのか」と不安な人もいるのではないでしょうか。こちらの記事では好奇心旺盛を最高の武器にする手順を説明しているので、アピール方法に迷ったら参考にしてください。
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自己PRで好奇心旺盛をアピールしたい人向けに、アピール方法や例文を紹介しています。キャリアコンサルタントからのアドバイスが付いた自己PRを参考にしてみてください。周りと差別化した好奇心旺盛の自己PRで選考を突破しましょう。
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新しいデジタル決済サービスやブロックチェーンの活用方法など、業界の最新トレンドや技術動向に興味があり、最新の関連アプリなどを自分で積極的に試しているような人は、フィンテック業界に向いているでしょう。
向いているならチェック! 新卒でフィンテック企業を目指す際の対策3つ
新卒でフィンテック企業を目指す際の対策
- 金融とITに関する資格を取得する
- 専門的な用語への理解を深めて自分の言葉で説明できるようにする
- OB・OG訪問を活用してインターンシップや本選考の時期を把握する
フィンテック企業に向いている人の特徴を把握したうえで、「新卒でもフィンテック企業で働けるのか」「専門性が高そうなので中途採用が大半を占めていそう」と悩む人もいると思います。金融と情報の二面性を持つフィンテック企業に新卒入社で働くためには、知っておくべき対策があります。
ここからは、新卒でフィンテック企業を目指す際の対策を見ていきましょう。順番は問わないので、できることから取り組んでみてください。
①金融とITに関する資格を取得する
金融とITに関する知識が不可欠なフィンテック企業では、以下のような関連資格の取得で選考を有利に進められる可能性があります。
また資格を取得しておけば、フィンテック企業への志望度の高さもアピールできるかもしれません。入社後に役立つ資格を選考までに取得するほど、入社意欲が高いと判断される可能性があるためです。
なお、資格取得には時間を要するため、学業や選考対策と並行して進めるのは大変です。したがって、フィンテック企業に興味を持っているのであれば、なるべく早く資格取得に向けて動きましょう。
金融業界の就職で有利になる資格については、こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが解説しています。
- 選考が近付いてきていて、資格勉強の時間を確保できません。金融やITに関する資格を持っていない状態でも、フィンテック企業の選考に通過する可能性はありますか。
新卒は資格よりも潜在能力を重視! フィンテックで実現したいことを明確にしよう
新卒採用の際には潜在能力や柔軟性、学習意欲が評価される場面が多く、必ずしも専門的な資格が必要になるわけではありません。
学校でのゼミや個人の活動での実績、インターンでの実務経験を通じて、論理的思考能力や問題解決能力、チームで物事を進めていく力をアピールすることを意識しましょう。
今まで学んできたことがフィンテック企業の中でどのように活かせるか、フィンテックの中でもどのようなことを実現したいのかを、企業理解の際にきちんと言語化しておくことが大切です。
②専門的な用語への理解を深めて自分の言葉で説明できるようにする
フィンテック業界では、ブロックチェーンや暗号資産といった専門用語が頻繁に使われます。ただ用語を知っているだけではなく、自分の言葉で説明できるように理解度を深める必要があります。
なぜなら、顧客が専門用語への理解が乏しい場合、まずは仕組みをわかりやすく説明しなければならないためです。入社後に適切な説明ができるかを確認するために、面接やエントリーシート(ES)でも専門用語を自分なりの言葉で嚙み砕いて伝えられるかを問われるケースがあります。
選考突破に向けては、フィンテック関連の専門用語を知らない家族や友人に向けて、自分なりの言葉でわかりやすく説明する練習をしておきましょう。
- フィンテック業界の専門用語を理解するために、どのような学習方法が効果的ですか?
基礎知識の学習と実践的なアプローチが効果的
まず書籍を活用してフィンテックがどのようなビジネス領域やサービスで活用されており、今後どのように展開していくかを把握しましょう。そのうえで、書籍内で自分がわからない言葉を調べてまとめる習慣をつけると効果的です。
さらに、実際に関連するフィンテックアプリやサービスを使ってみることで、リアルな体験を通じて理解を深められます。
たとえば、モバイル決済アプリや投資アプリを使うときに出てくる用語に触れ、それを自分で調べて理解することで知識が定着します。
③OB・OG訪問を活用してインターンシップや本選考の時期を把握する
フィンテック企業では、インターンに参加した学生から新卒採用の選考を進めるケースが多くあります。また、フィンテック業界にはベンチャー企業が多く、一般的な就活スケジュールよりも選考時期が早いです。
インターンや選考に関する情報を見逃してしまうと、気が付いた時点で新卒採用が打ち切られていたということになりかねません。選考に出遅れないためにも、実際にフィンテック企業に入社するために就職活動を進めていた先輩から直接話を聞けるOB・OG訪問を活用しましょう。
OB・OG訪問ではインターンや本選考の時期だけではなく、必要な準備や入社後のやりがいなどさまざまな内容を質問できます。
なお、「OB・OG訪問の手順がわからない」「何を質問すべきか知りたい」という人に向けて、以下にOB・OG訪問関連の記事をまとめているので、確認して選考を有利に進められるようにしましょう。
OB・OG訪問
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問の質問選び
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
世界中のフィンテック企業を調べてキャリアの幅を広げよう
フィンテックの需要と増加とともに、市場規模は右肩上がりに拡大しています。そのため、フィンテック企業で働きたいという人も多いでしょう。
しかし一括りにフィンテック企業といっても、提供しているサービスは大きく異なります。ここで紹介したフィンテック企業やそれぞれのサービスを把握することで、フィンテック企業の中でもどの分野を希望するのか確認可能です。
悔いを残さず就活を終えるためにも、世界中のフィンテック企業を調べてキャリアの幅を広げてくださいね。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る成長著しいフィンテック企業への理解を深めよう
「フィンテック」はその言葉通り、金融とテクノロジーの融合分野です。金融知識、プログラミング、データ分析、マーケティング、ユーザー体験の設計など、さまざまな分野のスキルセットを活用することができる他、仕事を通して学びながら活かしていくことができます。
この15年でフィンテックの分野は急速に発展してきました。アプリを通じた個人間での送金やりとりやQRコードでの決済、ロボ・アドバイザーというAIを活用した投資助言サービスなど、皆さんの日常生活の中にも浸透しているのではないでしょうか。
フィンテック企業は挑戦が多い分大きなやりがいが得られる
日本だけでなく、国境を超えてサービス展開していくことや、反対に海外のサービスを日本で展開していくなど、グローバルで活躍する機会も多くある業界です。
フィンテック企業は、社会や経済のデジタル化を通して世界中の人々の生活を便利にしていく可能性を秘めています。ぜひフィンテック企業への就職を視野に入れてみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細