この記事のまとめ
- 商社について概要・種類・募集職種を解説
- 商社の一般職は事務的な業務だけではない
- 一般職に向いている人を能力面と性格面から把握しよう
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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高い給与水準を誇り、就職先として毎年多くの学生から人気を誇る商社。商社と聞いて、世界中を飛び回る総合職を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、商社は一般職も高い人気を誇っています。
総合職と比較して、一般職はワークライフバランスを整えやすく、ほかの業界の事務職と比較しても高い給料であることから毎年人気な職種なのです。
一見総合職よりも就職しやすいだろうと考える人もいますが、実際のところ一般職は募集枠自体が少ないため、就職するのは難易度が高いといえます。
この記事ではキャリアアドバイザーの野村さん、柴田さん、板谷さんとともに商社の一般職に関する概要や魅力、向いている人の特徴を解説するので、商社の一般職を就職先の候補に入れようか迷っている人は、自分と照らし合わせながら参考にしてみてくださいね。
商社の一般職に関する基本情報を把握して求められる能力を見極めよう
商社の一般職は、総合職の業務である海外との取引を円滑に進めるための事務的な作業を中心におこなう仕事です。
ほかの業界の一般職が担当するような事務作業だけでなく、他部署や他社とのコミュニケーションもおこなうため「企業の顔」として、企業全体をサポートする縁の下の力持ちのようなポジションになります。
記事ではまず、商社の一般職の概要を詳しく解説します。一般職の概要を理解したうえで、商社の一般職だからこそ感じられる魅力や大変な一面を理解しましょう。
そしてその後には一般職に向いている人の特徴を解説しているため、自分が商社の一般職に向いているのか確かめながら読み進めてくださいね。
最後に、一般職の選考で勝ち抜くための方法を4ステップで説明しています。この記事を読んで、倍率の高い商社の一般職の選考を突破できるように行動していきましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
そもそも商社とは? 一般職の概要と併せて把握しよう!
そもそも商社とは? 一般職の概要と併せて把握しよう!
- 概要:商品・サービスを世界中から仕入れて流通させるビジネス
- 種類:総合商社と専門商社の2つ
- 募集職種:おもに総合職・一般職・事業企画職の3種類
「商社」と一口で言っても、事業内容は多岐にわたり「カップラーメンからロケットまで」といわれている通り、さまざまな分野があります。
私たちの生活に直接的なかかわりはない商社ですが、生活を豊かに保つための大事な役割をはたしています。
まずは、就職活動で役立てるためにも、商社について詳しく把握しましょう。ここでは、商社の概要や種類、募集している職種を解説しています。
概要:商品・サービスを世界中から仕入れて流通させるビジネス
商社とは、商品を買いたい企業と販売したい企業との仲介役として、安定した販売と原材料の調達を支援する業種のことです。つまり「売り手と買い手をつなぐ架け橋のような存在」といえます。
事業内容はさまざまで、身近にある食料品や金融、エネルギー資源である石油や天然ガスなどの大規模な取引まで担当します。
そして、商社のおもなビジネスモデルは「トレーディング」と「事業投資」の2つです。これらを組み合わせて収益を得ています。
商社のおもな事業
- トレーディング:材料や商品の売り手と買い手をつないで、その仲介料を収益にするビジネス
- 事業投資:企業に対してお金や人材などさまざまなものを投資・サポートすることで事業を伸ばすビジネス
これらのビジネスモデルを見て、「ただ商品を横に流して利益を得るだけなら商社ではなくて良いのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、商社には商流を円滑にするための3つの機能が備わっています。この商社だけの機能により、仲介業として利益を最大化できているのです。
商社の機能
- 物流機能:輸送手段の手配や手続きをおこない最適な輸送方法を選択
- 金融機能:資金の立て替えなどの保険機能
- 情報機能:買い手企業の情報提供
商社は世界中の企業や市場をつなぎ、国際取引の推進、リスク管理、新規事業の開発支援などをおこなっています。
一般の人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、日本の産業や経済に大きく貢献する業界です。
種類:総合商社と専門商社の2つ
商社の 種類 | 事業内容 | 代表的な企業 |
総合 商社 | 幅広い商材を取り扱っている | 三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅 |
専門 商社 | 特定の分野に特化している | メディパルHD・アルフレッサHD・阪和興業・スズケン・三菱食品 |
商社は、扱う商材や分野の幅によって「総合商社」と「専門商社」の2種類に分かれています。
総合商社は名前の通り、さまざまな種類の事業を総合的に取り扱い、上記で解説したトレーディングと事業投資の両方を中心にビジネスをおこなっています。
一方で専門商社は、総合商社とは違い特定の商品を専門的に仲介しています。特定の商品とは、食品やアパレル、繊維などさまざまで、「専門」という名ですが2~3種類の商品を扱っている企業も存在します。
- 総合商社と専門商社で、一般職の仕事にも違いはあるのでしょうか?
業務内容が違うので求められる能力にも差がある
総合商社の一般職は、多岐にわたる事業のサポートに加え、貿易書類の作成や各国の取引先とのコミュニケーションなど、広範な業務に対応します。柔軟性と協調性が重要です。
一方、専門商社の一般職は、特定の分野に特化した業務が中心になるので、専門知識の深さが求められます。たとえば繊維専門商社の一般職であれば、繊維製品の取引に関する書類作成や在庫管理、顧客対応がおもな業務です。
どちらも事務処理能力やコミュニケーション能力が重要ですが、総合商社では広範な対応力、専門商社では深い専門知識が特に求められます。自分の興味やキャリアの方向性に合わせて選ぶことが大切です。
以下の記事は総合商社の仕事に関して詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてくださいね。
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募集職種:おもに総合職・一般職・事業企画職の3種類
商社で募集している職種は、おもに「総合職」「一般職」「事業企画職」の3種類あります。
総合職は仕事内容が多岐にわたりますが、「事務系総合職」と「技術系総合職」の2つに分けられます。多くの場合、さまざまな部署をローテーションで異動するため転勤が多いことが特徴です。
実際に5大商社の一つである、伊藤忠商事は総合職と一般職を募集していて、2024年の採用人数を例に挙げると、総合職は134名、一般職は21名と圧倒的に総合職を多く採用している状況で需要がある職種といえます。
一般職とは上記でも解説した通り、書類作成や発注・出荷業務など事務的な作業を担います。一般職は事務職ともいわれることもあります。
そして事業企画は、企業の経営方針や戦略をもとに、新事業の立案や既存事業の拡大および改善をおこなう業務です。
商社では、これらの3つの職種を中心に応募していますが、応募職種の人数などは企業によって異なるので、志望先の募集要項を必ず確認するようにしましょう。
以下の記事はそれぞれの職種に関して詳しく解説した記事です。もっと詳しく知りたい人はぜひ参考にしてください。
営業職
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事務職
事務職の仕事内容が丸わかり! 必要なスキルや就職のコツも
企画職
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?
まずはあなたが受けない方がいい職業がわかります
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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商社の一般職はなくなる? 5大商社の採用状況から確認しよう!
総合職と比較して圧倒的に募集枠の少ない一般職は、就職する難易度は極めて高いでしょう。一般職の募集枠が少ないなかで、SNSなどで「商社の一般職がなくなるのではないか」という声が上がっています。
実際に、5大商社の最新の採用状況を以下の表でまとめてみました。
上記の結果を見る限り、5大商社では伊藤忠商事を除き、ほとんどの企業が一般職の採用をおこなっていないことがわかります。
伊藤忠商事は過去の採用実績としても、2022年に10名、2023年に23名と一定数の新卒を一般職として募集しているので一般職の採用が続くと考えられますが、いつ募集枠がなくなってもおかしくはありません。
全体的に一般職の採用が減っているため、今後はさらに就職倍率も高くなり、採用の難易度は極めて難しくなるでしょう。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る商社では一般職と総合職の区別がなくなっていく可能性が高い
5大商社に限った話ではないですが、商社全般でより柔軟な人材活用を目指し総合職と一般職の区別をなくす動きが出ています。背景には、事務作業の自動化や効率化を進めて人件費を削減する動きや、同一労働同一賃金の働き方改革の影響などがあります。
一般職が担っていた事務に関しては、関連企業によるアウトソーシングが拡大しています。
たとえば三井物産の人事・総務分野や、営業部門の事務系業務は、三井物産の特例子会社である三井物産ビジネスパートナーズが担っています。その企業では、車椅子の人や視覚障がいを持つ人など、さまざまな障がいを持った人が中心になって業務に当たっています。
一般職採用でも総合職として働くかもしれないことを想定しておこう
商社の一般職の募集は今後も減っていく見込みなので、もしかしたら正社員雇用の一般職が完全になくなる可能性はゼロではありません。その場合は、総合職のみの採用ということになり、従来の総合職・一般職という区分のないキャリアパスになっていくでしょう。
現在すでにそういった動きは進んでいて、もともと一般職で入社した社員は一般職から総合職に転換という形になり、さらなる専門知識の習得を求められたり、業務範囲が拡大したりしているようです。
商社の一般職の仕事内容は?
商社といえば、総合職のイメージが大きく、一般職の仕事内容についていまいち理解していない人もいるのではないでしょうか。
一般職は事務の仕事がメインと思われがちですが、他社や他部署とのコミュニケーションを取る機会も多く、「商社の顔」として企業全体のイメージに関わる仕事です。
商社の一般職の魅力を知るためにも、まずは仕事内容をしっかり理解しましょう。
総合職のサポートとしての書類作成や管理
商社の一般職は、書類作成や管理、電話対応など企業全体を支える事務作業を全般的におこないます。
書類作業に関しては、企業間で取引する商品やサービスの値段、取引条件などを書類上に残し、企業同士が円滑に取引できるように準備をおこないます。書類の大まかな種類は以下の通りです。
商社で取り扱う書類の種類
- 見積書
- 手配書
- 契約書
- 商業送り状
- 明細書
上記の書類をしっかりと理解したうえで、取引が円滑に進むように、迅速にミスなく書類を作成しなければなりません。そのためには、取り扱っている商品やサービスの知識も必要になります。
他社や他部署への電話対応
事務作業といってもパソコンでの作業だけでなく、国内外のメーカーとの電話でのやり取りもおこなう必要があります。しかし、取引先の企業は日本だけではなく海外企業も多いため、英語での電話対応を求められる可能性があります。
また、トラブルやクレームがあった場合も一般職が対応しなければなりません。もしトラブルが起きた場合は、すぐにほかの部署と情報共有をおこない連携しながら対応する必要があります。
他部署との連携も頻繁におこなわれるため、事務作業が基本とはいえ、コミュニケーション能力も必要となります。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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商社の一般職だからこそ感じられる4つの魅力
商社の一般職だからこそ感じられる4つの魅力
- 商社のなかでも転勤が少なく長く勤務しやすい
- 休みが取りやすく福利厚生が整っている
- 他業界の一般職より給料が高い
- 会社の顔としてやりがいを持って働ける
商社の一般職は、毎年人気な職種ですが、学生が感じている魅力はどのようなところにあるのでしょうか。
ほかの事務職と業務内容としては同じなので、商社の一般職とはいえどんなところに魅力があるのか想像しにくいですよね。ここでは、商社の一般職の4つの魅力を紹介します。
しかしすべての人が同じように魅力に感じるものではないため、自分にとって魅力的なのか確認し、一般職として働く目的を明確にしてくださいね。
①商社のなかでも転勤が少なく長く勤務しやすい
商社の総合職はさまざまな経験を積むために部署異動を余儀なくされますが、一般職の場合はほとんど部署異動はありません。
そのため、一箇所の部署で長く務めることができます。しかし転勤がない分、総合職よりも給料が下がってしまうのも実情です。
一方で、一般職は転勤がないため何度も住む場所を変えなくて済むため、将来のキャリアビジョンを立てやすいのがメリットです。家族ができた場合でも、転勤がなければ家族への影響も少ないため一軒家やマンションなどの購入にも前向きに検討できます。
転勤がない仕事についてはこちらのQ&Aでも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
②休みが取りやすく福利厚生が整っている
商社は福利厚生が充実している企業も多く、総合商社であればさらに充実した待遇を受けられる可能性があります。そのため年齢を重ねて何かライフイベントがあったとしても、福利厚生が手厚いと子育て世代の人には喜ばれます。
たとえば「子供が急に熱を出した」という場合でも休みが取りやすいと、子育てしながらでも働きやすい環境といえます。さらに一般企業の事務職よりも給料は高い傾向にあるため、育休中でも安定した給料がもらえることが期待できます。
また育休や産休から復帰した後でも、子育て支援が充実しているため、戻りやすい環境が整えられていて、キャリアを重視する人でも安心して休みが取りやすいでしょう。
このように、福利厚生が整っているとワークライフバランスが実現しやすいため、一般職の魅力の一つといえます。
③他業界の一般職より給料が高い
総合職と比べると給料は低めですが、平均年収.jpによると、商社の一般職の20歳から65歳までの平均年収は1,000万を超えているといわれていて、他業界の事務職と比較すると高い給与水準を誇ります。
特に総合商社であれば、信頼性も高く、取り扱える案件も大きいことから、仕事の難易度が高いことで、給料が高く設定されていることもあります。
業界自体も安定しているため、倒産のリスクが少なく、安定した給料をもらいながら長く働ける点は大きなメリットですが、長く勤めるほど給料が上がるシステムであることも多いので、新入社員のうちは一般企業と同程度の給料なのがほとんどなので注意が必要です。
商社の一般職がほか業界の事務職に比べて給料が高いのは、求められるスキルや業務領域の広さが大きな要因です。
商社の一般職は国際取引を支援するための高度な英語力や専門知識が求められることがあったり、取り扱う商品の種類や規模が比較的広かったりと、ほかの事務職に比べて業務が難しい傾向にあります。
高収入が期待できる職業を志望したい人は以下の記事を参考にしてみてください。高収入を目指せる業界を紹介しています。
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④会社の顔としてやりがいを持って働ける
他社の企業ともコミュニケーションを取ることが多い一般職は、「会社の顔」ともいわれる企業の中核を担う存在です。
自身の働きぶりによって、企業全体が評価されるため、企業のイメージアップにもつながります。
さらに、一般職はクライアントにとって一番初めにかかわる人になるため、国内外含めて会社の代表として窓口になれるところも最大のやりがいにつながります。
商社の一般職は給料が高く、福利厚生も充実していて、そして働きやすい環境が整備されているなど、とても好条件だといわれています。
さらに、ただ事務をしているだけではなく、主体的に業務を進めることも求められるため、やりがいを感じる人も多いです。人気が集まるのもうなずけます。
仕事でやりがいを求める人は以下の記事を参考にしてください。やりがいのある仕事の見つけ方のヒントになるでしょう。
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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
知らないと後悔する? 商社の一般職の大変なところ
知らないと後悔する? 商社の一般職の大変なところ
- 就活は倍率が高く優秀な生徒がライバルとなりやすい
- 繁忙期は業務量が多く残業になりやすい
- 重要な書類作成など責任がともなう作業が多い
これまで、商社の一般職の魅力を解説してきましたが「実際は大変なところも多いのではないか?」と疑問に思う人もいるでしょう。
大変なところを知らずに入社してしまうと、入社後にギャップを感じてしまい、せっかく苦労して入った企業でも早期退職につながる可能性があります。
そうならないためにも、商社の一般職だからこそ生まれるデメリットにも目を向けて、本当に一般職に就きたいのか判断する材料にしてくださいね。
就活は倍率が高く優秀な生徒がライバルとなりやすい
記事の最初でも説明したとおり、商社の一般職は募集枠が少なくなっていることから、募集人数に対して志望する人が多く倍率が高くなっているため、必然と優秀な生徒が集まりやすいといえます。
イメージとしては、約2,000名の学生が、10人から20人前後の募集枠を争うこととなるため、かなり難易度が高くなることが予想されるでしょう。
大手商社の場合、多くの志望者を効率的に絞り込む手段として一般職でも学歴フィルターがある可能性は否めません。ただし、実際の能力や適性を重視する動きや、多様性を重視する観点も持っています。
必ずしも学歴だけが基準となっているとは考えないほうが良いです。
繁忙期は業務量が多く残業になりやすい
どの仕事でも繁忙期は忙しくなり残業は増えるものですが、商社の一般職はさまざまな企業とのやり取りをおこなうため、発注書の作成などの書類業務の対応に追われることもあります。
さらに、言語が異なる人と仕事を進めることにもなるため、どうしてもトラブルが発生しやすくなります。
トラブルがあった場合は緊急に対応する必要があるため、残業を余儀なくしなければなりません。そのような膨大な量の仕事を抱えた状態でもへこたれず、忙しさに耐えられる肉体的・精神的な強さも必要になります。
商社の一般職が忙しくなるのは、年度末や四半期末などの決算期、新商品やプロジェクトの発足するタイミング、または取引先の繁忙期です。
これらの時期には業務量が増幅し、結果として残業も増える傾向にあります。
重要な書類作成など責任がともなう作業が多い
仕事内容の説明でもあったように、商社の一般職は書類業務が多く、業務の正確さや細やかさが求められます。
総合商社であれば、スケールの大きい取引を任されることもあり、小さな書類業務のミスで取引が成立しないことも考えられます。
自分のミスで企業全体の重大なトラブルにつながる可能性のある一般職では、責任の重さに耐えられない人もいるでしょう。
ほかの業界の一般職より給料は高いですが、その分責任も重くのしかかってくるため、責任の重さに耐えられる強い精神力も必要になってきます。
商社は、自社で製品を生産して販売しているわけではありません。生産者と購入企業をつないでこそのビジネスなので、その間をうまく取り持てなければすぐにほかの会社と取って代わられてしまいます。
また、小さなミスが原因となって取引が不成立に終われば、会社にとって巨額の損失を与えてしまうことも考えられます。そのため一般職でも気を抜かず、ミスを許さない姿勢が求められます。
キャリア支援のプロに聞いた! 商社の一般職は見た目や学力が重要視されやすいのは本当?
ここまで、商社の一般職の魅力や大変なところを解説してきました。一般職へのイメージが具体化されてより魅力を感じている人もいるかもしれません。
しかし、なかには商社の顔採用の噂を聞いて、「実際企業は見た目や学力で採用しているかな」と不安な人も多いのではないでしょうか。
そこで就職支援のプロであるキャリアアドバイザーの野村さんから、実際に商社の一般職の選考で見た目や学力が重要視されているのかを解説してもらいます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る商社の一般職はビジネスマナーと業務への適性が重要
「商社の一般職は見た目や学力が重要視されているのではないか」という声をよく聞きますが、実際にはそれだけで採用が決まるわけではありません。企業はもっと多角的な視点で候補者を評価しています。
まず、見た目についてですが、これは外見の美しさではなく、清潔感や礼儀正しさなど、ビジネスマナーを身に付けた振る舞いができているかどうかの話です。商社の一般職は企業の「顔」としての役割を担うため、好感を持たれる態度や言動が求められます。
学力についても、一定の基準を満たしていることは重要ですが、それが絶対的な基準というわけではありません。
商社の一般職は、文書作成やデータ管理などの事務作業がおもな業務であり、細かい作業を正確におこなうスキルが必要です。また、外国語能力が必要な場合も多いため、語学力も評価されます。
商社の一般職は対応力とコミュニケーション能力が必須
さらに、商社の一般職の業務は多岐にわたります。急なトラブル発生もあるため、柔軟性と臨機応変に対応できる能力が欠かせません。また、他部署や取引先との連携も多いため、円滑なコミュニケーションが取れるかどうかも重要な評価基準です。
つまり、商社の一般職が業務で求められる最たるスキルは、対応力とコミュニケーション能力です。
商社の一般職で活躍できるかは能力面・性格面の2面で判断できる!
ここまで読む中で、一般職の魅力を感じられた人や大変なところを知って不安に思う人もいるかもしれません。「実際はどんな人が商社の一般職で活躍できるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。一般職で活躍できる人の特徴はさまざまあります。
商社の一般職で活躍できる人は「能力面」と「性格面」で分けられます。能力面はおもに4つあり、仕事を成し遂げる上で必要な能力を指します。一方で性格面も4つあり、もともと自分に備わっているパーソナリティな要素の部分が強いです。
商社の一般職で活躍したいと考えるのであれば、活躍する人の特徴を理解して自分を客観的にとらえ、積極的に取り入れていく必要があります。
自分に当てはまっているものはいくつあるか、足りていない部分は何か、就活の方向性を決めるためにも一つずつ確認してくださいね。
一般職に向いている人の能力面の特徴4選
一般職に向いている人の能力面の特徴4選
- 積極的に意見交換できるコミュニケーション能力
- 急なトラブルにも対応できる臨機応変な能力
- ビジネスで通用する英語力
- 基本的なPCスキル
まずは、一般職に向いている人の能力面の特徴から把握していきましょう。
能力面は後天的に身に付けられるものなので、仕事をしながらでもカバーできますが、学生のうちから意識して身に付けることで、選考でのアピールポイントにもなり就職後すぐに活躍できる可能性も高まります。
すぐに身に付けられる能力ばかりではないため、少しずつ勉強しながら意識して過ごすことで、今後の人生でも大きく役立つでしょう。
①積極的に意見交換できるコミュニケーション能力
多くの一般職は国籍の異なる人達と意見を交わす機会も数多いため、コミュニケーション能力は必須になります。
ただ一口にコミュニケーション能力といってもさまざまな能力が必要で、たとえば仕事のなかで取引先の企業との交渉や調整などを頻繁におこなうため、企業間の意見や主張をまとめられる調整力や、相手の心を正しく読み取る力も必要になってきます。
さらに、幅広い世代の人と話す機会も多い一般職では、適切な言葉遣いやマナーをわきまえた振る舞いがおこなえるかが、信頼関係を築ける重要な要素になります。
- コミュニケーションを取ることは平気なのですが、自分の意見を人に伝えることは苦手です。これだと商社の一般職は難しいでしょうか?
商社の一般職は意見を言う機会が多いので克服を目指そう
商社では外国人とのビジネス上のかかわりが多いのが一般的です。そのため、日本社会の中だけでやり取りをするのとは段違いに、自分の意見を求められる機会があります。
よって、自分の意見を言うことが苦手であればそれを克服する努力をしてから応募しましょう。
克服のためには、自分の考えを紙に書いてまとめるのが効果的です。単に「自分はこう思う」と伝えるだけではなく、「なぜそう思ったか」の理由や根拠をまとめます。
さらに、それをサポートするエピソードなどを加えられれば、相手にも伝わりやすく、かつ納得してもらえます。
苦手だから無理、と考えずにまずはチャレンジしてみましょう。
コミュニケーション能力は強みとしてアピールしやすいからこそ、ほかの人と差別化できる内容を考える必要があります。以下の記事では、差別化できるようなコミュニケーション能力のアピール方法を解説しているため参考にしてください。
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コミュニケーション能力は企業が学生に最も求める能力といえます。本記事では有効なコミュニケーション能力の自己PR方法について解説しています。
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②急なトラブルにも対応できる臨機応変な能力
商社の一般職は多くの企業と連携を取りながら仕事を進めるため、トラブルに発展することもあり、時にはマニュアルにないトラブルに見舞われることもあります。たとえば、輸出業務で書類にミスが生じると、配送が遅延したり、貨物が保留になったりするケースもあるのです。
トラブルが起きた際には、取引している企業に迷惑がかからないように、瞬時にその場で状況を理解・判断し適切な手段を取ることが大切です。
臨機応変に動くためには、あらかじめ起こりそうなリスクを予測しておき、万が一ミスがあった場合の対処法まで考えておく必要があります。そうすることで、いざというときに冷静な判断ができるでしょう。
仕事をするうえでトラブルがあれば誰しも最初は焦ります。しかし焦った後でも瞬時に状況判断できるように、前もって物事を計画的に進め見通しを立てておいて、冷静に判断・対処するようにしましょう。
臨機応変に動けるようになるには、周囲から情報収集し優先順位をつけながら行動することが重要です。
行動した結果を振り返り次に活かすことや、各ケースの違いを整理して次に同じような状況が起きた際に冷静に動けるよう経験を積み重ねていくことを意識したら良いと思います。
臨機応変に対応できることをアピールするのは意外と難しいですよね。以下の記事は臨機応変に対応する力を効果的にアピールする方法について解説しているため、参考にしてください。
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臨機応変に対応する力は、仕事において大変評価される強みです。そのため、自己PRでその良さをしっかり伝えましょう。記事では、キャリアコンサルタントが臨機応変の自己PRの作り方、伝え方を解説します。
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③ビジネスで通用する英語力
すべての一般職に当てはまるわけではありませんが、総合商社のような規模が大きい企業では、海外にも数多くの事業を展開しているため、英語力は必須になります。
海外メーカーとの電話でのやり取りでは、基本的に英語を使ったやり取りになります。また、出荷業務で取り扱う商品やサービスも英語で記載されていることもあるため、最低限の英語力は必要なのです。
英語力がすべてではありませんが、倍率の高い一般職で英語力をアピールできると、ほかの学生とも差をつけられるかもしれません。TOEICなど数字で証明できるスキルがあるとなお良いでしょう。
仕事をしながら英語力を身に付けることは可能ですが、商社の一般職では基礎的なコミュニケーション能力が求められます。
TOEIC600点は、日常会話や基本的な業務理解に必要なレベルです。仕事をしながらの勉強はハードなので、事前に英語力を強化しておくことが望ましいです。
商社で求められる英語力がどのくらいなのか知りたい人は以下の記事を参考にしてください。商社で求められる英語力の基準について解説してあります。
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商社への就職は英語がカギ! 求められるレベルとアピール方法を解説
商社への入社に必要な英語力や、入社後に求められる語学力をキャリアコンサルタントと解説します。商社の種類や部署によっても実態異なるので、就職前にしっかり把握しておきましょう。
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④基本的なPCスキル
一般職の仕事はおもに事務作業なので、必ずWordやExcelなどの基本的なPCスキルは必要となるでしょう。特に、業務量の多い一般職では、入職前からスキルを身に付けられると業務効率化になり、現場で重宝されます。
さらにメールや契約書などのPCでの事務作業も多いことから、正確にタイピングできるよう練習しておくと現場ですぐに役立ちます。
ショートカットキーなどを覚えておくとさらに素早く作業をこなせるようになるためおすすめです。
商社の一般職でほかに身に付けておきたいスキルとして、物事を調整する能力が挙げられます。さまざまなプロジェクトを並行して進行していく環境では、適切に優先付けをおこない、着実に納期を厳守しながらタスクをこなしていかなくてはなりません。
普段から大学での研究の進捗管理やスケジュール管理などをおこない、入社前から身に付けるための努力をするべきです。
一般職に向いている人の性格面の特徴4選
一般職に向いている人の性格面の特徴4選
- 激務でも心が折れない精神力が強い人
- 新しい知識を身に付けようとする向上心が高い人
- バイタリティ溢れるポジティブな人
- 周囲を巻き込みながら仕事ができる人
ここまで読んで、一般職に向いている能力面についてよく理解できたかと思います。能力面だけ読むと「自分にはこんな能力はないかも」と自信がなくなってしまう人もいるかもしれませんが、行動や考え方のもととなる性格も重要になってきます。
性格に関しては、スキルとは違い先天的なものになるためすぐに習得できるものではありません。しかし、普段から意識することで変えられる要素もあります。
これから述べる要素に当てはまらないからといって、必ずしも一般職には向いていないわけではありません。自分には備わっていないからこそ、足りない部分を補っていけるよう工夫する必要があります。
一つずつ確認して取り入れられるものは今日から意識して取り入れてださいね。
①激務でも心が折れない精神力が強い人
記事の最初のほうでも述べたとおり、商社の一般職は総合職のサポートとしての書類業務だけではなく、企業全体の雑務まで業務内容は多岐にわたります。
仕事は常にスケジュール通りに進むわけではないので、ときには総合職のサポート業務として、受注業務などの納期がギリギリのものをタイムリーでこなさなければならないこともあります。
そのため、激務となりやすく残業もこなさなければなりません。このように激務に耐えられる体力と精神力が備わっていなければ早期退職につながる可能性もあります。
- 商社の一般職が激務だと聞いて心が折れかけています……。そんなに仕事は激務になりやすく大変なのでしょうか?
働き方改革が進んでいるので個人で効率化を図れれば問題ない
実際に志望している商社の一般職の社員にOB・OG訪問などで話を聞き、実情を知ることが近道かもしれません。同じ商社の中でも配属の部署や担当業務、時期によって業務量は変わります。
働き方改革が進む昨今、長時間労働を減らす取り組みや労働環境の改善に企業も前向きに取り組んできているので、年間を通して激務というイメージはありません。
個人の能力や適正によって、同じ業務でも負担感の感じ方は異なるうえ、仕上げる速度も変化します。
効率的な仕事の進め方を意識し、負担を軽減させる工夫などをしながら取り組むことができれば、それほど心配する必要もないのではと思います。
②新しい知識を身に付けようとする向上心が高い人
商社は幅広い商品やサービスを取り扱っていて、一般職でも幅広い知識が必要になるため、入社してからは常に新しい知識を取得し続けなければなりません。
さらに一般職でキャリアアップを目指したり専門的な職種に転職したりする場合は、より高度な知識を求められるため、常に学び続ける姿勢は大切です。
向上心を持って仕事に取り組めると、自然と前向きな気持ちになれて仕事も良い方向へと進みやすいです。日頃から新しい知識を習得しながら、自分の可能性を広げるためにも常に自身をアップデートさせていきましょう。
向上心のアピールはほかの学生と被ってしまう可能性があります。以下の記事では、企業が魅力に感じるポイントを踏まえた、自己PR方法を解説しているのでぜひ、参考にしてください。
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③バイタリティ溢れるポジティブな人
どんな仕事でも言えることですが、ポジティブな人が周りにいるだけで、影響されてチーム全体の雰囲気が良くなることがありますよね。
激務になりやすいといわれている商社の一般職でも以下のことができる人は、魅力的な人材です。
バイタリティ溢れるポジティブな人の特徴
- 困難な状況でも諦めずに積極的に行動できる
- 常に明るい雰囲気で笑顔が絶えない
- 失敗してもすぐに切り替えられる
上記のような明るくポジティブな人は、誰からも好かれる存在になれて、チーム全体に良い影響を与えることができます。
さらに、ミスが起こりやすい事務作業でも失敗を引きずらずに、同じような失敗を繰り返さないために対策を講じることができるので、失敗から学べるという点でも活躍が期待できます。
自分の強みであるポジティブさを伝える学生は面接でも多くいます。強みがほかの人で埋もれてしまわないように差別化できるPR方法については、以下の記事で解説しています。
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④周囲を巻き込みながら仕事ができる人
周囲を巻き込みながら仕事ができる人は、メンバーの主体的な行動を引き出しながら、チーム全体を巻き込んで仕事を進められることを指します。
商社の一般職は、自分一人で仕事を完結させるのは困難で、周囲のスタッフと連携しながら密に連絡する必要があります。
チーム全体の業務のスムーズさや企業の利益に直接かかわる仕事であるため、メンバーと協力しながら進められる力が試されるでしょう。
- 周囲を巻き込みながら仕事ができる力は、実際にどんな業務で求められる能力なのでしょうか?
社内外との連携やイベント業務で必要になる
商社の一般職ではさまざまな業務を担当していますが、アシスタント的要素が高い分、社内外の人との交渉・連携が求められます。
プロジェクトの窓口的な役割であれば、その推進のために円滑なコミュニケーションをおこなう必要もあるため、トラブル対応などもこなさなければなりません。
また、会議やイベントの準備・運営なども任されることが多いでしょう。これらの業務においては、周囲を巻き込みながら仕事ができる力が必須なのです。
倍率の高い商社の一般職の選考で勝ち抜く4ステップ
倍率の高い商社の一般職の選考で勝ち抜く4ステップ
- なぜ「一般職」を希望するのか就活の軸をはっきりさせる
- インターンシップやOB・OG訪問を活用する
- 合格基準が高い筆記試験の勉強に早めに取り掛かる
- 資格や強みを押し出した自己PRや志望動機を作成する
商社の一般職に向いている人の特徴が把握でき、選考を受けることを決心したら、選考で勝ち抜くための方法について把握しておきましょう。
しかし「どんな対策をおこなったら良いかわからない!」という人もいるでしょう。
ここでは、商社の一般職の選考を突破する方法を4ステップで紹介します。レベルの高い選考を勝ち取るためにも、一つずつステップを確認して自信を持って選考へ挑みましょう。
ステップ①なぜ「一般職」を希望するのか就活の軸をはっきりさせる
「なぜ商社の一般職を選んだのですか」という質問は、面接で必ずといって良いほど聞かれる質問です。ほかの企業にも一般職の仕事があるので、なぜ自社の一般職を選んだのか面接官を納得させる回答をしなければならないのです。
なぜ商社の一般職を選んだのか理由がはっきりしていなければ、面接官に「商社ではなくどこでも良いのではないか」と思われてしまうような説得力のない内容になってしまいますます。
一般職で企業を選んだ理由をはっきりと答えるには、企業研究や業界研究を徹底的におこない、情報収集することが大切です。業務範囲や企業理念、社風などを理解するためにも、ほかの業界の一般職を調べて、特徴を明確にしておきましょう。
そうすることで、同じ一般職でも、企業の雰囲気や取り扱う商品やサービスなどによる業務内容の違いがわかり、適切に比較することができますよ。
「就活の軸がまったく思い浮かばない」という人は、以下の記事がおすすめです。自分の価値観に合う就活の軸の見つけ方について解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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ステップ②インターンシップやOB・OG訪問を活用する
ホームページなどで情報収集するほかにも、実際に志望する企業のインターンで実務を体験したり、OB・OG訪問で社員からのリアルな声を聞いたりすることで、ネット上では知り得ない情報を入手できる可能性があります。
インターンやOB・OG訪問を活用することでのメリットは以下の通りです。
インターンやOB・OG訪問を活用することでのメリット
- 業界や企業のリアルな実態を知れる
- 働くなかでの悩み事などを社員に直接聞ける
- 当時の就活の様子や質問内容を参考にできる
- キャリアプランを参考にできる
- 面接で話のネタとして活用できる
たとえ、一般職への入職を希望していても、企業について理解を深めるという点で、総合職のイベントにも参加するのをおすすめします。
また、商社はインターンへ参加することで早期選考へ優遇されることもあるため、一般職の選考を受けると決めたら、併せてインターンの日程も確認しておきましょう。
インターンやOB・OG訪問を充実させるには、内容の深い質問をすることが大切です。事前に質問を考えてもなかなか案が思い浮かばない人は、以下の記事でそれぞれのイベントでのおすすめの質問内容を紹介しているため、参考にしてくださいね。
インターンでのおすすめの質問
インターンでおすすめの質問70選|深い情報を引き出す5つのコツ
OB・OG訪問でのおすすめの質問
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
ステップ③合格基準が高い筆記試験の勉強に早めに取り掛かる
商社の一般職は学生に非常に人気の職種であるため、筆記試験の合格基準は跳ね上がる傾向にあります。
選考が始まったら面接の練習に集中できるように、選考が決まった時点から筆記試験対策に取り掛かるようにしましょう。筆記試験は短期間で詰め込んで勉強するものではなく、毎日コツコツと勉強時間を確保しておこなうものです。
まずは、志望する企業が決まり次第、企業でどのような筆記試験が採用されているのかリサーチするところから始めましょう。
どのような試験がおこなわれるかを把握し、冷静に対策をしてください。何か特別な対策をおこなうのではなく、基本的なことに忠実に取り組んでいけば良いと思います。
本番ではミスには注意しつつも、本来の力が発揮できるよう緊張しすぎず臨んでください。
適性検査などの筆記試験はどう対策したら良いかわかりませんよね。以下の記事は筆記試験からWebでの適正検査まで詳しく解説しているためぜひ参考にしてください。
適性検査
適性試験完全ガイド|試験内容から合格必至の勉強方法まで解説
Web適性検査
Web適性検査の練習でおすすめのサイト7選|本やアプリも紹介
ステップ④資格や強みを押し出した自己PRや志望動機を作成する
資格や強みは、面接で周囲と差をつけるアピールポイントとなります。資格に関しては、英語や簿記などの事務関連の資格があると良いです。もし資格がなければ一般職で活かせる自分の強みをアピールすることが大切です。
強みは、企業の求める人材や仕事内容などとマッチしていると、面接官は就職後の活躍が想像できます。
たとえば、記事内での「商社の一般職の性格面と能力面で向いている人の特徴」のところで紹介した必要な能力が自分と当てはまるようであれば、エピソードを交えながらアピールすることで効果的です。
また、商社の大変なところに視点を向け、自分であればどのように対処できるのかアピールすることで、より企業の求める人物像に近づいたアピールができます。
自分だけの強みを見つけるためには、徹底した自己分析が大切です。強みをアピールする場合は、実際にどのような場面で役に立つのかまで述べられると、面接官はイメージできるでしょう。
- 人より優れた資格や能力がない場合、何をアピールしたら良いのでしょうか……。
他者との比較ではなく自分自身の強みに注目しよう
特別な資格や能力がない場合でも、自己分析を通じて自分の強みを見つけることが大切です。たとえば、コミュニケーション能力、問題解決力、チームでの協力姿勢など、一般職に活かせるスキルをアピールできます。
また、インターンやアルバイト経験から得た具体的なエピソードを交え、どのようにそのスキルを発揮したかを具体的に伝えると、説得力が増します。
自身の経験を通じて得た教訓や成長を示すことで、面接官に強い印象を与えることができ、選考を有利に進められるでしょう。自己分析をしっかりおこない、自信を持ってアピールしてください。
選考を突破するには、面接官が納得するような志望動機を作成する必要があります。以下の記事は志望動機の例文を紹介しているためぜひ、参考にしてください。
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総合商社・専門商社別の志望動機例文10選|必須の対策4選も解説
毎年、就活生に人気の商社ですが、選考を突破するために徹底した業界・企業研修を実施したうえで志望動機を作成する必要があります。記事では、キャリアアドバイザーの解説を交えながら、商社の志望動機を作成するうえで押さえておくべきポイントや注意点を解説します。総合商社・専門商社の志望動機も交えて解説しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
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商社の一般職への適性を見極めて難関となる就活を勝ち抜こう!
商社の一般職は「企業の顔」として、他企業や国籍の異なる人とコミュニケーションを交わす機会も多く、とてもやりがいのある仕事です。
そのため毎年一般職を志望してくる学生は多く、選考は極めて難易度が高いものになります。まずは、自分が商社の一般職に向いているのか把握したうえで選考を受けるのか決めましょう。
記事のなかで、商社の一般職が向いている人の特徴や大変なところまで解説しているため、自分が実際に入社したイメージをもって理解を深めてください。
それでも商社の一般職に挑戦したい気持ちがあれば、一般職の選考に勝ち抜くための4ステップを確認しながら選考対策をおこなってください。ほかの人よりも数倍入念な対策や準備をおこない、自信を持って選考にチャレンジしましょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る商社の一般職は念入りな選考対策が欠かせない人気職種
今も昔も商社の一般職は非常に人気が高いです。大手商社の一般職は特に倍率が高いため、司法試験よりも難しいといわれていたこともあります。だからこそ、安易な気持ちで目指してしまうとなかなか内定は勝ち取れません。
なぜ商社の一般職になりたいのか、商社の一般職を通じてどのようなキャリアを形成したいのかなど、自分の考えをより詳細に述べられるよう念入りに準備をしましょう。これまでの経験や自身の強みを洗い出し、それらが商社の一般職としてどう役に立つのかを業務に紐付けて伝えられると効果的です。
また、一口に商社と言っても、総合商社や専門商社などさまざまな分類があります。応募する企業が展開しているビジネス戦略なども十分に調べたうえで、それらのどの部分に、どういった理由で興味を持つのかを明確にしましょう。
商社の一般職ならではの評価ポイントを把握して準備を整えよう
さらに、商社の一般職はヒューマンスキルの高さも求められるので、面接対策もしっかりとおこなわなくてはなりません。特に周囲を巻き込む力など、高く評価されやすい能力を面接でアピールできるようなエピソードを準備しておくことが大切です。
そのうえで基本的なコミュニケーション能力が高いことを、面接での受け答えでも伝えていきましょう。笑顔や話し方、質問に対する的確な回答などで自身のポテンシャルをアピールしてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
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