この記事のまとめ
- アナウンサーになるにはカメラテストなどの独自の選考対策が必須
- アナウンサーは表舞台と舞台裏でそれぞれ異なる能力が必要
- アナウンサー選考の実態や難易度をプロが解説
アナウンサーになるには「具体的にどのような準備をすれば良いのだろうか」「自身にアナウンサーの適性はあるのか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
アナウンサーになるには、たくさんの学生が応募するなか、複数の選考ステップを通過する必要があるため、早い段階から必要な能力を理解し、計画的に準備を進めることが内定獲得へのカギとなります。
またアナウンサーの選考は書類選考や面接に加えて、カメラテストなど独自の選考が複数あるため、アナウンサーの選考ならではの対策をおこなうことが重要です。
そのため、まずはアナウンサーの仕事内容や求められる能力を正確に理解し、自身の適性を見極めたうえで、計画的に準備を進めていきましょう。
この記事では、キャリアコンサルタントの解説を交えながら、アナウンサーになるための具体的なステップや選考対策について詳しく解説します。アナウンサーを目指して就職活動に臨もうと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
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アナウンサーになるには厳しい競争を突破する能力と個性が重要
アナウンサーになるためには、仕事をするうえで必要かつ高い競争率の選考を突破するための能力と、ほかの候補者と差別化できる個性を兼ね備えている必要があります。アナウンサーの選考では、基本的な話す力や表現力に加えて、カメラの前での振る舞いや臨機応変な対応力も求められるため、早い段階から計画的な準備が欠かせません。
そこでこの記事では、アナウンサーになるために必要な能力と選考への対策方法を解説します。まずはアナウンサーの基本的な仕事内容と求められる資質を理解してから、実際の選考を想定した準備を始めましょう。
また、アナウンサーの選考で重視される要素や、内定を獲得した人の特徴も解説します。企業側の評価項目を押さえて、効果的な選考対策を心がけましょう。
そして記事の後半では、選考の段階別で具体的な準備方法を紹介します。書類選考から面接、カメラテストまで、それぞれの選考でどのような対策が必要なのか考える際の参考にしてみてください。
こちらのQ&Aでも、アナウンサーになる方法についてキャリアコンサルタントが解説しています。併せてチェックして理解を深めましょう。
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選考前に理解必須! アナウンサーの基本情報
選考前に理解必須! アナウンサーの基本情報
アナウンサーの選考に臨む前に、仕事内容やキャリアパスを事前に理解しておくことが重要です。なぜなら、アナウンサーは表舞台で活躍するイメージが強い一方で、実際の業務には多くの裏方業務も含まれていて、この実態を理解しないまま選考に臨むと、入社後にミスマッチが生じる可能性があるためです。
ここではアナウンサーの基本情報として、おもな仕事内容や就職先・キャリアパス・将来性について解説します。アナウンサーを志望するうえで必要な情報を理解して、自身がアナウンサーとして活躍できるイメージを具体的に描けるようにしましょう。
おもな仕事内容
アナウンサーのおもな仕事内容
アナウンサーのおもな仕事内容は、視聴者に情報を正確に伝えることです。テレビやラジオでは華やかな姿に見られがちですが、その裏では入念な準備や取材などの多岐にわたる業務があるため、それぞれの業務内容を正確に理解しておくことが重要です。
ここでは、アナウンサーのおもな仕事内容を4つ解説します。それぞれの業務内容を理解して、自身がアナウンサーとして携わりたい仕事なのかを判断する材料にしましょう。
原稿の読み上げ
ニュースや情報番組での原稿読みは、アナウンサーの基本となる業務です。正確な情報を視聴者に伝えるため、発音や間の取り方、アクセントなどに細心の注意を払いながら原稿を読み上げます。実際の放送前には、何度も読み合わせの練習をおこない、スムーズな読み上げができるよう準備を重ねるのです。
放送中は、原稿を読むだけではなく、情報の重要度に応じて強調する部分を変えたり、視聴者が理解しやすいようにスピードを調整したりするなど、さまざまな工夫が必要です。そして、地震速報や緊急を要するニュースが入ってきたとしても、冷静に対応することが求められます。
また、ニュース原稿を読む際は、背景知識を理解していることも重要です。特に事件や政治、経済関連のニュースでは、視聴者からの信頼を得るためにも、内容を正確に理解したうえで伝える必要があります。
アナウンサーがニュース原稿を読む際に最も重視されるのは、明瞭な話し方と抑揚のある自然な読み方です。これらは物事を伝える力の基礎なので、今からでも音読練習や発声練習を積んで経験を重ねましょう。
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番組やイベントの司会進行
アナウンサーは情報番組やバラエティー番組の司会進行、またテレビ局が主催するイベントの司会などを担当します。番組では台本に沿った進行はもちろん、ゲストへのインタビューや突発的な状況への対応も求められます。イベントでは、会場の雰囲気を盛り上げながら、スムーズな進行を心がける必要があるのです。
アナウンサーが司会進行をおこなう際は、番組やイベントの目的・意図を十分に理解したうえで、視聴者や参加者に楽しんでもらえるよう工夫することが重要です。そのため、事前の打ち合わせや下調べを入念におこない、共演者やスタッフとのコミュニケーションを取りながら、想定される状況に備えて準備をしておく必要があります。
実況・ナレーション
スポーツ中継での実況やドキュメンタリー番組でのナレーションは、声だけであらゆる情報を伝えなければいけない仕事です。
スポーツ実況では、試合の展開を臨場感たっぷりに伝えながら、正確な情報を伝えることが必要です。ナレーションでは、番組の内容や意図を理解したうえで、適切なトーンや話し方で視聴者に内容を伝えていきます。
たとえば、スポーツ実況では競技に関する基礎知識に加えて、選手の名前や戦術、競技の歴史や過去の記録なども把握したうえで、場面に応じた的確な解説を加える必要があります。解説者との掛け合いも重要で、息の合ったやり取りで試合や選手の魅力を伝えることが求められることを把握しておきましょう。
また、ドキュメンタリーのナレーションでは、番組の内容や意図を十分に理解し、視聴者の感情に訴えかけるような語り方が求められます。時には抑揚を抑えめにしたり、逆にドラマチックに盛り上げたりと、場面に応じた声の使い分けも必要です。
現場の取材
アナウンサーは、ニュース取材や情報番組の企画取材など、現場での取材活動もおこないます。取材では、的確な質問で必要な情報を引き出し、後の放送で視聴者にわかりやすく伝えられるよう、情報を整理することが求められます。
また、突発的なニュースでは、現場からの生中継も担当することもあるため、臨機応変に対応する能力も求められるのです。
なお、取材前には徹底的に下調べをおこない、限られた時間内で必要な情報を確実に引き出せるよう質問項目を用意します。また、相手の立場や心情に配慮しながら、信頼関係を築いていくコミュニケーションも重要です。
そして、生中継では現場の状況を正確かつ迅速に伝える必要があります。予期せぬ事態が起きても冷静に対応し、視聴者にわかりやすく状況を説明することが求められます。なお、現場での取材はおもにリポーターがおこなうテレビ局もあるため、働くテレビ局によってはアナウンサーの業務範囲が異なることを覚えておきましょう。
まず、自分や取材スタッフの安全を確保することが最優先です。現場では様々な情報が飛び交いますが、未確認の情報を伝えることは避けましょう。信頼できる情報源からの情報を基に報道するよう心がけましょう。
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おもな就職先
アナウンサーのおもな就職先
- テレビ局
- ラジオ局
- アナウンサー事務所・プロダクション
アナウンサーの就職先として、テレビ局以外にもさまざまな選択肢があります。就職先によって業務内容や求められる能力が異なるため、自身の志向や適性に合った就職先を理解しておくことが、キャリアを充実させるうえで重要です。
ここでは、アナウンサーのおもな就職先を3つ解説します。それぞれの特徴や業務内容の違いを理解して、自身のキャリアプランに合った就職先を見極めていきましょう。
テレビ局
アナウンサーの就職先となるテレビ局は、以下のように分類できます。
特徴 | 企業の例 | |
---|---|---|
キー局 | 東京に本社を置く全国ネットの放送局 | 日本テレビ放送網、テレビ朝日、TBSテレビ、フジテレビジョン、テレビ東京 |
準キー局 | キー局に次ぐ規模を持つ放送局のこと。大阪の在阪広域局と、名古屋の在名広域局がある | 大阪の在阪広域局毎日放送、朝日放送テレビ、関西テレビ放送、讀賣テレビ放送 ・名古屋の在名広域局CBCテレビ、東海テレビ放送、名古屋テレビ放送、中京テレビ放送 |
ローカル局 | 一定の地域を対象として放送する放送局 | 仙台放送、長野放送、福島中央テレビ、広島テレビ放送、静岡朝日テレビ、テレビ北海道 |
独立U局 | キー局などのネットワーク系列に属さないテレビ局 | とちぎテレビ、群馬テレビ、テレビ埼玉、千葉テレビ放送、東京メトロポリタンテレビジョン、テレビ神奈川 |
日本放送協会放送局 | 日本の公共放送。都道府県それぞれに放送局がある | NHK |
BS・CS | 放送衛星を利用した放送局 | WOWOW、BSアニマックス、スターチャンネル、J-SPORTS、ディズニーチャンネル、BS Japanet Next |
インターネットテレビ局 | Web上で番組の配信をおこなう放送局 | Abema |
テレビ局に就職する場合、それぞれのテレビ局によってアナウンサーの業務範囲や求められる能力が異なります。たとえば、独立U局の番組では地域の話題やニュースを中心に取り上げることが多いため、特定の地域に関する知識が必要です。
またローカル局では、キー局では経験できないような番組制作や記者に近い業務まで、幅広く担当できるケースがあるのです。各テレビ局によって業務内容や求められる能力が異なることを理解したうえで、自身に合ったテレビ局を選び、その局の特徴に応じた就活の準備を始めましょう。
- テレビ局の規模によってアナウンサーとしての仕事内容や待遇などは変わるのでしょうか?
給料面と仕事内容が大きく異なる
アナウンサーの仕事をしている知人の話を総合すると、給与面と仕事内容は就職先によって大きな違いがあると感じます。たとえば、キー局のアナウンサーの待遇とローカル局、BS・CSでは大きく異なります。
給与差はもちろん、アナウンサー以外の仕事量の差、場合によっては雇用形態に差がある場合もあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
テレビ局のアナウンサーを目指している人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。テレビ局ごとの特徴や強みについて解説しています。
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ラジオ局
ラジオ局のアナウンサーは、ニュースや情報番組・音楽番組などの進行を担当します。テレビと異なり映像がなく、声だけで情報やメッセージを的確に伝える必要があるため、高度な話術が求められます。
ラジオ局のおもな就職先は、以下のとおりです。
アナウンサーの就職先となるラジオ局の例
- NHKラジオ
- TBSラジオ
- ニッポン放送
- 文化放送
ラジオ局のアナウンサーは、パーソナリティとしてリスナーと親密なコミュニケーションを図る能力が重視されるのが特徴です。天気予報やニュースの読み上げだけではなく、リスナーからのメッセージを読んだり、音楽の紹介をしたりすることもあります。
また、表舞台では番組パーソナリティーとして活躍する一方で、放送以外の時間は番組の原稿作成や資料の下調べ、出演者との打ち合わせなど、裏方の仕事も多くあります。場合によっては一人で機材を運んで取材をおこない、音源を編集することもあるのです。
なお、TBSラジオのようにテレビ局とアナウンサーを共有している放送局もあります。近年では、インターネットラジオやポッドキャストなど、新しい音声メディアでアナウンサーがパーソナリティとして活躍することも期待されています。
ラジオ局とテレビ局のアナウンサーは、人に何かを伝えていくということは同じですが、提供の仕方が違うということが先ず仕事内容では大きな違いとなります。
また、テレビ局は現場取材の対応がある、ラジオ局は番組の原稿作成があるなど働き方も異なります。
アナウンサー事務所・プロダクション
アナウンサー事務所やプロダクションに所属するフリーアナウンサーは、特定の放送局に縛られず、さまざまな番組やイベントで活動します。テレビ・ラジオ番組の司会やレポーター、企業のイベントMC、ナレーションなど、仕事の幅が広いのが特徴です。
代表的なアナウンサー事務所は、以下のとおりです。
代表的なアナウンサー事務所
- セント・フォース
- テンカラット
- アナウンサーネット
フリーアナウンサーは、自身の個性や得意分野を活かした仕事を選択できる自由がある一方で、常に新しい仕事を獲得していく営業力も必要となります。また、収入が不安定になる可能性もあるため、アナウンサーに求められる幅広いスキルと人脈を持っていることが重要です。
近年では、局アナウンサーとして経験を積んだ後にフリーに転向するケースも増えています。YouTubeやSNSなどのメディアの多様化により、活躍の場が広がっているのも特徴です。
アナウンサーのキャリアパス
一般的にアナウンサーのキャリアは、局アナウンサーとしての入社から始まります。入社後はおもにニュース読みからスタートし、徐々に情報番組のリポーターや天気予報などを担当することが多いです。
その後、一定の経験を積むと、情報番組のメインキャスターやバラエティー番組の司会など、より重要な役割を任されるようになります。
キャリアの分岐点としては、局アナウンサーとして専門性を高めていくか、フリーアナウンサーとして独立するかの選択があります。局アナウンサーの場合、ニュースキャスターやスポーツ実況など、特定分野のスペシャリストとしてキャリアを築くことができます。
一方で、フリーに転向した場合は、芸能活動やMCなど、より幅広い活動が可能です。また、長期的なキャリアプランとして、後進の指導や番組制作など、マネジメント側に回る選択肢もあります。
なお、局アナウンサーにならず、最初からフリーアナウンサーとして活動することも可能ですが、スキルや経験・肩書きがない状態でアナウンサーの仕事を獲得するのはかなり難しいことを覚えておきましょう。
アナウンサーを目指すうえで、自身のキャリアの理想像が決まっていない人はこちらの記事をチェックしておきましょう。自分らしいキャリアビジョンを描く方法を解説しています。
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アナウンサーの将来性
アナウンサーは、メディアの多様化により活躍の場が広がっています。従来のテレビ・ラジオ番組に加えて、インターネット動画配信やポッドキャスト、企業の広報番組など、新たな活動の機会が生まれているためです。
一方で、AI(人工知能) 技術の発展により、ニュース読みなど定型的な業務の一部は自動化される可能性も指摘されるようになりました。一部の地方ラジオ局では、すでにAIアナウンサーが天気予報やニュース読みを担当していて、特に深夜や早朝、緊急時の放送など、定型的な業務の自動化が進められています。
しかし、これはアナウンサーの仕事が失われることを意味するのではなく、むしろ職業としての質を高めるチャンスとなっています。AIに定型業務を任せることで、アナウンサーはより付加価値の高い仕事に注力できるようになるためです。
たとえば、現場からの臨場感のある中継や、ゲストとの柔軟な対話、番組の企画立案など、人間ならではの感性や判断力が必要な業務により多くの時間を割けるようになります。さらに、生放送での臨機応変な対応力や視聴者との双方向のやり取りなど、AIには代替が難しい能力の重要性が増す可能性があります。
私がアナウンサーと仕事でかかわりだした約20年前から比較すると、アナウンサーの数自体は増えていると感じます。これはメディアの幅が広がったことが理由の一つで、今後もAIで担うことのできない場で活躍できる職業だと思います。
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実際の流れに沿って解説! アナウンサー選考内容
アナウンサーの選考は、一般的な就職活動とは異なる独自のステップがあります。特にカメラテストや実技試験など、アナウンサー特有の選考が複数回実施されるため、それぞれの選考内容と対策方法を事前に理解しておくことが重要です。
ここでは、アナウンサーの選考内容を7つのステップで解説します。なお、局によって選考の順序や内容が異なる場合もあるため、志望する放送局の情報もしっかり確認しましょう。
①書類選考
アナウンサーの書類選考は、通常の履歴書やエントリーシートに加えて、2〜3枚のスナップ写真と自己PR動画の提出が求められます。スナップ写真は証明写真とは異なり、その人らしさが伝わる日常的な表情や全身写真が必要です。
また質問項目にも特徴があり、「担当したい番組とその理由」「なぜその局のアナウンサーを志望するのか」など、アナウンサー特有の設問が含まれます。近年は多くの放送局でWebエントリーが主流で、30秒程度の自己PR動画や、指定されたテーマに沿った内容の動画を複数アップロードする必要があります。
書類選考では、志望動機の具体性や表現力はもちろん、写真や動画から伝わる表情の豊かさや話し方なども重要な判断材料となるため、事前に練習してから撮影に臨むようにしましょう。
スナップ写真は清潔感やビジネスカジュアル、背景はシンプルを意識するのがおすすめです。動画は話す内容も大切ですが、滑舌、声の聞き取りやすさ、落ち着いた雰囲気、自然な振る舞いを意識してみましょう。
アナウンサー選考のエントリーシートをまだ作っていない人は、こちらの記事を参考に作成しましょう。企業がエントリーシートで知りたい3つのポイントや、基本の9項目の書き方を解説しています。
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②現場社員面接
現場社員面接は、現役のアナウンサーや番組制作スタッフが面接官を担当します。この段階では、エントリーシートの内容をより深く掘り下げる質問が中心となりますが、単に回答内容だけではなく、受け答えのテンポや声の聞き取りやすさ、表情の豊かさなど、アナウンサーとしての適性も同時に判断されます。
特に重視されるのが、コミュニケーション能力とその場での対応力です。予期せぬ質問にも柔軟に対応できるか、相手の意図を正確に理解して的確に答えられるかなどが評価のポイントとなります。また、放送業界への理解度や、志望局の番組についての知識なども問われます。
面接時は、カメラの前に立つことを意識して、表情や姿勢、声の大きさなども意識することが必要です。現場社員面接は、第一線で活躍する社員との面接で、アナウンサーとしての資質を見極められる重要な選考段階であるため、自身の強みをしっかりアピールできるように準備したうえで臨みましょう。
③カメラテスト

カメラテストは、実際の番組で使用しているスタジオやカメラを使用して、アナウンサーとしてのオンエア適性を判断します。具体的には、ニュース原稿の読み上げ、実況、自己PRなどをカメラの前でおこないます。
カメラテストでは、原稿の読解力や発声の明瞭さ、目線や表情の作り方などがおもな評価ポイントです。特に、撮影されているという意識を持ちながらも、視聴者に親しみやすく伝えられるかどうかが試されます。
また、急なアドリブや予期せぬ状況での対応力を見るため、その場で原稿を渡されて即座に読むテストが実施されることもあります。そのため、スマートフォンなどで自身を撮影しながら原稿を読む練習をし、表情や話し方、目線などを客観的にチェックして改善して、カメラテストを対策しましょう。
- アナウンサーのカメラテストを受けるのが不安です…。
ニュース原稿の読み上げ、実況、自己PRなどが実施される
カメラテストって何を査定されるのか解りにくいので不安ですよね。内容は上記にも書いてあるように、ニュース原稿の読み上げ、実況、自己PRなどをカメラの前でおこないます。
その際に、視聴者目線から見た表情・テレビ映り・話し方・話の中身やセンスなどの人となりをチェックされています。自分目線の提供の仕方ではなく、相手目線の提供の仕方を意識して挑みましょう。
④筆記試験
筆記試験では、アナウンサーとして必要な基礎知識や教養が問われます。おもな出題内容は、以下のとおりです。
アナウンサー筆記試験の出題内容の例
- 一般常識
- 漢字の読み書き
- 放送用語
- 敬語の使い方
- アクセント
上記に加えて、地方局の場合は、その地域特有の問題も出題されます。たとえば、地域の特産品や観光名所、地元の主要企業、方言、歴史や文化に関する問題など、地域に密着した放送局ならではの問題が出されるのが特徴です。
そのため、日頃からニュースや新聞に目を通して時事問題への理解を深めたり、NHKの放送用語や漢字検定の問題集なども活用したりして、幅広い知識を身に付けましょう。
アナウンサーの筆記試験は、こちらの記事を参考に対策しましょう。筆記試験のおもな種類や、就活のプロが絶対に外せないと思う筆記試験の対策項目を解説しています。
関連記事
筆記試験とは? Webテストとの違いや対策方法を例題付きで解説
「筆記試験の対策がしたいけどそもそも何からやれば良いのかわからない」という就活生に向けて、記事ではキャリアコンサルタントとともに筆記試験のおもな内容と効率的な対策方法を解説します。例題も紹介するので実際の問題のイメージをつかんで対策に活かしてくださいね。
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⑤グループディスカッション
グループディスカッションでは、複数の受験者でチームを組み、与えられたテーマについて議論をおこなうものです。テーマは時事問題や放送業界に関する内容が出される可能性があります。
グループディスカッションでは、論理的な意見の発言力に加えて、他者の意見を正確に理解し、建設的な議論を展開する能力が見られています。また、グループ全体の議論をまとめていくリーダーシップも評価ポイントの一つです。
単に自分の主張を通すのではなく、メンバーの意見を尊重しながら議論を発展させる姿勢が、アナウンサーの選考において重要視される可能性が高いです。これは番組を作り上げる際は、チームで協力していくことが必須だからです。
また、アナウンサーの選考特有の評価ポイントとして、声の通りの良さや表情の豊かさ、姿勢の正しさなども見られるため、意識して臨みましょう。
アナウンサー選考のグループディスカッションでは、伝達力や協調性が評価されるようです。議題はSNSでの情報発信、災害時のメディアの役割、自社コンテンツの将来性など多岐にわたり、論理的な意見と積極性がポイントです。
アナウンサーの選考でおこなわれるグループディスカッションを対策する際は、以下の記事を参考にしましょう。グループディスカッションの進め方や、見られているポイント、テーマ50選を解説しています。
進め方
グループディスカッションの進め方|選考を通過する7つの極意
見られているポイント
グループワークは何が見られている? 進め方や対策など徹底解説
初めて受ける際の対策
グループディスカッションが初めての人必見! すぐに実践できるコツ
テーマ一覧
グループディスカッションのテーマ50選|1人でできる練習法も紹介
⑥局長面接
局長面接は、アナウンス部門や報道部門などの責任者が面接官を務める面接です。この段階では、それまでの選考で評価された能力や素質に加えて、その局のアナウンサーとして相応しい人物かどうかが重点的に判断されます。
おもな質問内容として、志望動機の確認や将来のキャリアビジョン、放送業界の課題に対する考えなど、より具体的で掘り下げた内容が予想されます。
また、臨機応変な対応力とともに、豊富な知識や教養を試すために、その場で題材を与えられて数分間話すフリートークが課される場合もあるのです。
局長面接まで進むことができれば、アナウンサーとしての基本的な素質は認められているといえます。ここでは特に、その局の方針や社風への理解を示しつつ、自分らしさを活かした回答をすることが重要です。
⑦役員面接
役員面接は選考の最終段階として、社長や取締役などの経営陣が面接官を務めます。ここまで進むことができれば、アナウンサーとしての基本的な資質は認められ、社風に合っているか、企業の将来を担う人材として相応しいかどうかが重点的に見られます。
役員面接では、放送業界全体の展望や、メディアの役割についての考え方など、より広い視点で質問されることが多いです。特に地上波放送の将来性やSNSとの関係性、若者のテレビ離れなど、放送業界が直面する課題についての見解を問われる可能性もあります。
最後の役員面接で不合格となったとしても、ここまで勝ち進めたことは自身のアナウンサーとしての素質が認められた証といえます。別の放送局の選考に挑戦する際は、この経験を活かして準備を進めましょう。
プロに聞く! アナウンサー選考の実態
アナウンサーの選考内容について解説してきましたが、「実際の選考ではどのような点が重視されているのか」「どのような人材が内定を獲得できているのか」が気になる人も多いでしょう。
また、各選考段階での評価ポイントまで把握して、より効果的な対策を立てたいと考える人もいるかもしれません。
そこでここでは、多くの就活生を支援し、放送局の採用現場に詳しいキャリアコンサルタントに、アナウンサー選考の実態について聞きました。プロの視点から見た選考のポイントを参考にして、内定獲得に向けた準備の質を高めていきましょう。
アナウンサー選考の難易度
一般的にテレビ局などのアナウンサーの選考倍率は高いといわれているため、実際の競争率や、合格基準がどの程度なのか気になる人も多いのではないでしょうか。
ここではキャリアコンサルタントの古田さんに、アナウンサー選考の難易度について詳しく聞きました。選考対策を始める前に、選考倍率の目安などを把握しておきましょう。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る一般的な企業と比べると難易度と倍率はかなり高い
アナウンサーの選考倍率については、具体的なデータは公開されていませんが、一般的には非常に競争が激しいと言われています。
キー局の選考では、数千人の応募者の中から数十人が最終選考まで進むとされていて、さらにそのなかから数名しか採用されないので、準キー局でも1000倍はあると思っておいた方が良いでしょう。
地方のローカル局ならキー局ほど高くはありませんが、それでもその地域のほかの業種と比べると、難易度が高くなることもあります。
求められるスキルのレベルも高いため採用の難易度が高くなる
コミュニケーション能力一つとっても、視聴者に情報を伝えるためのスキルとして、一般的な企業に比べると高いレベルを求められますし、担当業務によっては表現力といったものも求められます。
また、ニュース番組のなかで時には専門家をゲストとして呼び、視聴者が知りたい情報を引き出すための会話をするといった場面もあります。そのため、マナーや一般常識だけではなく、アナウンサーの素養があるかどうかなど、多くの引き出しが求められます。
このように、一般的な企業に就職することと比べると、かなり難易度は高いでしょう。
アナウンサーの内定を獲得した人の特徴
競争率が高いアナウンサーの選考を突破し、実際に内定を獲得できた人にはどのような特徴があるのか知りたいと考える人も多いのではないでしょうか。
ここではキャリアコンサルタントの若林さんに、アナウンサーの内定を獲得した人の特徴について詳しく聞きました。内定獲得者の特徴を理解し、自身に足りない部分を把握し、より効果的な準備を進められるようにしましょう。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見るコミュニケーション能力とその場の対応力が求められる
仕事柄、いろいろなアナウンサーにお会いする機会がありますが、内定を獲得した人に共通するのは、コミュニケーション能力と咄嗟の対応力だと感じます。
ただ私の場合、アナウンサーになってからお会いするので、仕事をするうちに身に付いた能力であるともいえます。だとすれば、選考時点ではどこを見られているのでしょうか。
一概にはいえませんが、周りでアナウンサーをしている、もしくはアナウンサーをしていた人の特徴を挙げてみます。
・アナウンススクール、大学などでアナウンサーになるための勉強をしていた
・女性でも男性でも、清潔感のある清楚な見た目をしている
・好感の持てる立ち振る舞い、話し方
特別な経験をしている人もアナウンサーとして活躍できる傾向がある
そのほかにも、いわゆるミスコン出身者や高学歴、語学力に長けているなど、ほかの人にはない能力のある人が選ばれています。
特にキー局の女性ではこの傾向が顕著で、逆にCSやネットなどはこうした要素に加えてキャラクターなどを重視したり、局によって求められる要素が変わるようです。
アナウンサーに求められる能力・資質
アナウンサーには、カメラの前での表現力だけではなく、番組制作における裏方の仕事でも求められる能力があります。表舞台と舞台裏、それぞれの場面で求められる能力は異なるため、両方の資質を理解して、バランスよく伸ばしていくことが重要です。
ここでは、アナウンサーに求められる能力と資質を、表舞台と舞台裏の2つの観点から解説します。それぞれの場面で必要とされる能力を理解して、自身の適性を見極めるとともに、不足している部分を補うための準備に活かしましょう。
表舞台でアナウンサーに求められる能力・資質
表舞台でアナウンサーに求められる能力・資質
アナウンサーは、テレビやラジオを通じて視聴者に情報を伝える仕事であるため、表舞台では、正確な情報伝達に必要な基本的な能力や、視聴者に好感を持たれるような個性も求められます。これらの能力は入社後も継続的な努力で向上させていく必要があるため、早い段階から意識して磨いていくことが重要です。
ここでは、表舞台でアナウンサーに求められる能力・資質について解説します。これらの要素は選考時に重視されるポイントとなるため、選考に向けた準備を進める前に目を通しておきましょう。
聞き取りやすい声質・話す力
聞き取りやすい声質や適切な話し方は、アナウンサーにとって必須の能力です。声質は生まれ持ったものである一方で、声色や話し方は自身の努力で改善できるため、日頃からの訓練が重要となります。具体的に重視されるのは、声の大きさや速さの調整力、正しいアクセント、適切な間の取り方です。
また、長時間の放送でも安定した声量を保てる声量コントロール力も必要です。特にニュースや情報番組では、原稿を読むスピードや抑揚を視聴者に合わせて調整する必要があります。緊急ニュースなど切迫した状況では、視聴者に不安を与えないよう、落ち着いた声で伝えることも求められます。
さらに、声の表情も重要です。明るいニュースや楽しい話題のときは声のトーンを上げ、深刻なニュースのときは適度に抑えるなど、内容に応じた声の使い分けができることも必要です。
そのため、ニュースや記事を声に出して読む練習をしたり、普段の生活で声量や抑揚を意識的に変えながら会話したりして、声のコントロール力を高めていきましょう。
- 声質に自信がないのですが、アナウンサーになれる可能性はありますか?
声質だけでなくほかのスキルも含めて評価される
声質に自信がない場合でも、アナウンサーになる可能性は十分あります。確かに声質も重要な要素の一つですが、同様にほかのスキルも必要とされます。
たとえば、発声トレーニングをして声質を向上することは可能です。腹筋を使って声を出す練習や、口のまわりの筋肉を使って滑舌よく話す練習をしたり、ボイストレーナーの指導を受けたりするのも一つの方法として考えられます。
また、語彙力や表現力、感情の伝え方も大切です。声質に自信がなくても、ほかのスキルでカバーできることが多くあります。諦めずに自分の強みを見つけて最大限に活かす方法を探してみましょう。
柔軟な対応・判断力
生放送の番組のアナウンサーを担当する場合、原稿の読み間違いや機材トラブル、突発的なニュースの割り込みなど、さまざまなハプニングが起こり得ます。このような状況でも冷静に判断し、スムーズな放送を継続するための、柔軟な対応力や判断力が必要です。
また、ゲストへのインタビューや中継では、相手の反応や場の雰囲気を見ながら、質問の内容や進行を柔軟に変更する必要があります。予定調和な進行だけではなく、その場の状況に合わせて臨機応変に対応することで、より魅力的な番組作りがしやすくなるのです。
さらに、スタジオでの収録中に時間が予定より早く進んでしまった場合は話を膨らませ、逆に遅れている場合は要点を絞って進めるなど、時間管理の面でも柔軟な対応が求められます。
そのため、普段からニュース番組などを視聴する際は、予期せぬ事態が起きたときのアナウンサーの対応に注目し、どのように状況を切り抜けているのかを参考にしましょう。
好感度・清潔感
アナウンサーは局の顔として視聴者の目に触れる機会が多いため、高い好感度と清潔感が求められます。これは単に容姿の問題だけではなく、表情や立ち振る舞い、言葉遣い、服装など、総合的な印象によって判断されます。
また、服装や髪型、メイクなども重要な要素です。派手すぎず、かつ地味すぎない適度な装いを心がけ、視聴者の気が散らないよう配慮する必要があります。特にニュースや情報番組では、視聴者の信頼を得られるような清潔感が求められることを把握しておきましょう。
さらに、スタジオ外での取材や中継、イベント出演など、さまざまな場面でも好感度を維持できる立ち振る舞いが必要です。視聴者やスタッフとの関わりを通じて、局全体のイメージアップにつながるような振る舞いを心がけましょう。
日本語を正しく発音する能力
アナウンサーとして視聴者に正しく情報を届けるためには、漢字の読み方や送り仮名、アクセント、イントネーションなど、細かな規則を理解し、正しく発音することが必要です。また、地名や人名など固有名詞の読み方も、事前に十分な確認が求められます。
放送用語には一般的な日本語とは異なる独特のルールもあるのです。NHKの放送用語委員会では、さまざまな用語の読み方を定めています。たとえば、「共存」の読み方として、推奨される読み方は「キョーゾン」、許容される読み方は「キョーソン」としています。
このように、同じ漢字でも文脈によって読み方が変わる場合もあり、これらのルールを正確に理解し、適切な場面によって使い分ける能力も必要です。
特に生放送では、緊張していても明瞭な発音を維持できる安定感が求められるため、早口言葉のような練習を日常的におこない、どのような場面でもはっきりと発音できる技術を磨く必要があります。
アナウンサーとして話題になるような個性
アナウンサーには、視聴者を惹きつけるような独自の個性が求められます。ただし、これは奇抜な言動や派手な演出を意味するのではなく、自然な形で視聴者の記憶に残る特徴を持つことが重要です。
たとえば、スポーツ実況での臨場感あふれる実況力や、バラエティー番組での軽妙な話術など、得意分野での際立った能力が個性となります。
また、趣味や特技を活かした企画への出演や、特定のジャンルに関する深い知識を活かしたコメントなど、アナウンサーとしての基本的な能力に加えて、プラスアルファの魅力を持つことも大切です。この個性は、視聴者との共感を生み出し、番組の価値を高めることにもつながります。
ただし、個性を出すことに意識が向きすぎると、情報を適切に届けるアナウンサーとして不適切な印象を与えてしまう可能性があるため、自然体で自分らしさを表現しながら、視聴者に親しまれる存在を目指すことが理想といえます。
当たり前に行っていることが多いため、自分の個性は自分では解りにくいものです。そのため、友達や親・先生などの第三者に「どういう個性を私は持っているか。際立っているなと感じること教えてほしい」と確認してみましょう。
舞台裏でアナウンサーに求められる能力・資質
舞台裏でアナウンサーに求められる能力・資質
- ニュースや情報を正確に届ける強い責任感
- 幅広い教養と時事問題への理解
- プレッシャーにも負けないストレス耐性
アナウンサーの仕事は、カメラの前での姿だけではなく、放送前の入念な準備や情報収集、スタッフとの打ち合わせなど、多くの裏方業務があります。舞台裏での仕事は視聴者の目には触れませんが、放送の質を左右する重要な要素となるため、これらの能力を備えていることが選考を突破するために重要です。
ここでは、舞台裏でアナウンサーに求められる能力・資質について解説します。表舞台とは異なる側面から求められる能力を理解して、アナウンサーという職業の全体像を把握しましょう。
ニュースや情報を正確に届ける強い責任感
アナウンサーは視聴者に情報を届ける重要な役割を担うため、強い責任感が求められます。たとえば、ニュース番組では、一つの言い間違いや誤った情報の伝達が、視聴者の判断や行動に大きな影響を与える可能性があります。そのため、放送前の入念な準備や情報の確認、正確な伝達に対する高い意識が必要です。
また災害報道などでは、視聴者の生命や安全にかかわる情報を扱うこともあります。このような場面では、混乱を招かないよう冷静に、かつ迅速に必要な情報を伝える責任があります。さらに、社会的な影響力を持つ放送局の顔として、公平・中立な立場を保ちながら情報を伝える姿勢も重要です。
日々の放送では、視聴者からの信頼を裏切ることのないよう、常に緊張感を持って業務に臨む必要があるため、情報の正確性を何よりも重視する責任を持ち続けることが大切です。
幅広い教養と時事問題への理解
アナウンサーは政治や経済、国際情勢、スポーツなど、あらゆる分野の基礎知識を持ち、最新の時事問題にも精通していることが求められます。これは単なる知識の蓄積だけではなく、その背景や影響についても理解し、視聴者にわかりやすく伝えられる能力につながるのです。
特にニュース番組では、原稿を読むだけではなく、その内容を十分に理解したうえで伝える必要があります。また、生放送での急な質問や予期せぬ展開にも対応するために、日頃から新聞やニュースに目を通し、さまざまな分野の知識を更新し続ける姿勢が大切です。
さらに、地方局のアナウンサーは、地域の歴史や文化、産業について情報を取り扱うケースが多いので、地域ならではの情報を的確に伝えられる教養が求められます。
基本的には毎日、国内外の主要なニュースソースを幅広くフォローし、主要な出来事には目を通しましょう。背景を知らないと理解できないニュースもあるため、専門誌やドキュメンタリーを視聴しておくと良いでしょう。
プレッシャーにも負けないストレス耐性
アナウンサーは常に視聴者から注目され、生放送をはじめとした失敗ができない環境で働くため、高いストレス耐性が求められます。生放送中に予期せぬ事態や技術的トラブルが発生しても、冷静に対応し続ける精神力が必要です。そして、ときには視聴者からの評価や批判にも耐えられる強さが求められます。
また、アナウンサーは、早朝・深夜の番組出演など、不規則な勤務形態にも対応することがあります。さらに、災害報道などの緊急時には、長時間の継続的な放送を担当することもあり、精神的・体力的な負担に耐える必要があるのです。
このような状況下でも安定したパフォーマンスを発揮し続けるために、日頃からストレス管理を意識し、心身の健康を維持することが重要です。
アナウンサーに求められる能力を身に付ける4つの方法
アナウンサーに求められる能力を身に付ける4つの方法
アナウンサーに求められる正しい発声や話し方、時事問題への理解などの幅広い能力を解説しましたが、これらの能力は総合的に高めていく必要があります。しかし、どれも簡単に身に付けられるものではないため、自身に合った効率的な学習方法を選択することが重要です。
ここでは、アナウンサーに求められる能力を身に付ける4つの方法を解説します。それぞれの特徴や費用、学習期間を理解して、自身の目標や状況に合った方法を検討しましょう。
①テレビ局のアナウンサースクールで学ぶ
テレビ局が運営するアナウンサースクールは、実際の放送現場で活躍する現役アナウンサーから直接指導を受けられます。おもな指導内容は、発声・発音の基礎、原稿の読み方、カメラ前での立ち振る舞いなど、実践的なものが中心です。特に局のスタジオ設備を使用した実習は、実際の放送環境を体験できる貴重な機会となります。
また、放送局ならではの専門的な知識も学べます。たとえば、放送用語の使い方や、ニュース原稿の読み方、番組進行の基本など、現場で必要とされる実務的な内容を習得可能です。さらに、テレビで実際に活躍している現役アナウンサーから仕事の実態や心構えについても直接話を聞くことができるのもメリットの一つです。
ただし、アナウンサースクールは開講期間が短く、募集人数もかなり限られていて、かつ費用も比較的高額になる傾向があります。参加を検討する際は、開講スケジュールと自身の予定を照らし合わせて、計画的に準備を進める必要があることを覚えておきましょう。
②アナウンサーを目指せる専門学校に通う
アナウンサー養成の専門学校では、1〜2年間の体系的なカリキュラムで必要なスキルを学べます。発声・発音などの基礎から、フリートークなどの応用スキルまで段階的に学習を進められるため、アナウンサーとしての土台をしっかりと築きやすくなっているのが特徴です。
また、専門学校には充実した実習設備があり、スタジオでの実践的な練習を重ねられます。さらに、プロの講師陣による自身の課題に合わせた細かな個別指導を受けることが可能です。定期的な実技試験や模擬面接、アナウンス発表なども実施されるため、選考本番を想定した実践的な練習ができます。
ただし、長期間の通学と相応の費用が必要となるため、経済的・時間的な準備が必要です。また、学校によってカリキュラムの内容や就職実績に差があるため、複数の学校を比較検討することが重要といえます。
専門学校に通うのが向いている人は、アナウンサーとしての基礎をしっかりと習得したい人です。
期間は1〜2年と長期間ではありますが、その分、学べることも多岐に渡りますし講師から改善点についてもきちんと指導を得ることができます。
③アナウンサー職のインターンシップに参加する
放送局が実施するインターンシップは、実際の現場を体験できる貴重な機会です。ニュース番組や情報番組の制作現場に入り、アナウンサーの仕事を間近で見たり、原稿作成や取材同行などの実務に近い体験ができたりする場合もあるため、アナウンサーの仕事の実態を理解しやすくなっています。
また、インターンでは、現役アナウンサーやディレクターと交流するチャンスがあります。放送現場ならではの雰囲気やチームでの仕事の進め方、求められる能力など、外からは見えない部分を知ることが可能です。さらに、インターンでの経験は、選考時のエピソードとしても活用できます。
ただし、インターンの募集人数は限られているため、競争率が高くなっています。また、実施期間は当日〜1週間と短いケースが多く、専門的なスキルを習得するには時間が足りません。そのため、インターンはあくまで職業理解の機会として位置付け、別途スキルアップの準備をすることが重要です。
アナウンサーのインターンに参加する予定の人は、以下の記事をチェックしておきましょう。インターンの志望動機の作り方や、参加前の準備方法について解説しています。
インターンの志望動機
例文19選|インターンシップの志望動機づくりはこれで完璧!
インターンのエントリーシート
インターンシップのエントリーシートの書き方|通過率を上げる秘策
インターンの準備
インターンは準備が成功の分かれ道! 万全の用意で企業の心をつかもう
インターンの自己紹介
インターンシップの自己紹介で必ず取り入れたい4ポイント|例文付き
④資格をとる
アナウンサーに必要なスキルを身に付けるために、資格を取得することも選択肢の一つです。資格の学習過程で得られる知識は、実際の業務や選考対策にも活かすことができるため、早い段階から計画的に取得を目指すことが重要です。また、資格を取得することで自身の能力を客観的に証明できるのもメリットといえます。
ここでは、アナウンサーの選考に役立つ資格について解説します。それぞれの資格の特徴や、学習を通じて得られるメリットを理解して、自身の学習計画に組み込んでいきましょう。
日本漢字能力検定
日本漢字能力検定は、正しい日本語の読み書きの能力を証明する資格です。アナウンサーを目指す場合、2級以上の取得が推奨されます。2級以上の試験では、常用漢字はもちろん、人名や地名に使用される表外漢字まで幅広い知識が問われ、アナウンサーとして必要な漢字の運用能力が身に付くためです。
試験内容は、漢字の読み書きだけではなく、四字熟語や対義語・類義語、漢字の成り立ちなども含まれます。そして、これらの知識は、ニュース原稿や情報番組の台本を読む際に直接活かせます。
特に人名や地名の正確な読み方は、放送現場で重要視される能力の一つです。さらに、漢検の学習を通じて養われる語彙力は、取材時の表現力向上や、視聴者によりわかりやすい言葉で伝える能力の向上にもつながります。
アナウンス力検定
アナウンス力検定は、一般社団法人話しことば研究機構が実施する、話す力を証明する資格です。年2回のみ東京と大阪で実施されています。
試験は筆記テストと実技テストで構成され、特に実技では「共通語での発声・発音」「ストレートな原稿読み」「朗読」「即答スピーチ力」など、アナウンサーに必要な基礎的な能力が総合的に評価されます。
実技テストの一部は事前課題として90秒以内のフリートークが課され、メモや原稿を見ずに話す力が問われ、複数の審査員による厳正な評価がおこなわれます。筆記テストの合格基準は、2級は80点以上、3級は70点以上です。
アナウンス力検定の学習過程では、正しい発声・発音の基礎から即興での話し方まで、アナウンサーに必要な実践的なスキルを体系的に身に付けることができます。アナウンサーに必要な実践的なスキルを身に付けながら、選考で活かせる資格を取りたい人におすすめです。
現実を把握しておこう! 独学でアナウンサーになるのは難しい
アナウンサーの選考では、カメラテストや面接など、他者からの評価が重要な役割を果たします。特にカメラ前での振る舞いや声の出し方、表情の作り方などは、自分では気付きにくい課題が多く含まれているため、独学での対策には限界があるのです。
また、原稿の読み方や間の取り方、アクセントの付け方なども、専門家からの適切な指導を受けなければ、誤った癖がついてしまう可能性があります。さらに、実践的な環境での練習機会も必要不可欠ですが、これも独学では難しい要素の一つです。
そのため、アナウンサーを目指す場合は、スクールや専門学校など、専門家の指導を受けられる環境で準備を進めることがおすすめです。
就きたい職業があるなら、そこを目指すために努力をするのは当然のことです。アナウンサーのような人気の職業は、受験する学生も多いため、独学だけでは正直厳しいと思います。あえて独学で受験するなら、納得できる理由が必要です。
実績が大切! アナウンサーの選考を有利に進めるコツ
アナウンサーの選考では、すでにメディアでの経験や実績を持っていることが、大きなアピールポイントとなります。これは、カメラの前での立ち振る舞いや、視聴者を意識した話し方などの基本的なスキルが、実践を通じて身に付いていることを証明できるためです。
また、外見の印象や人前での表現力についても、客観的な評価を得ているということにつながります。
ここでは、アナウンサーの選考を有利に進めるコツについて解説します。アナウンサーの選考に直接活かせるような実績を獲得する機会は限られているため、普段の学生生活から積極的にチャレンジする姿勢を持ちましょう。
テレビ局の学生キャスターになる
一部のテレビ局では、学生キャスターオーディションを開催しています。各テレビ局のアナウンサースクールの参加者を対象としていて、合格することで局内のエレベーター内で流されるコンテンツや、実際の番組やイベントに出演するチャンスが得られるのが特徴です。
実際に学生キャスターに合格して、そのままテレビ局のアナウンサーになっている人もいるため、アナウンサーの選考を有利に進めることにつながります。また、オーディションで最終的に合格できなくても、参加するだけでも局内の関係者に自身をアピールする機会となるのです。
このように学生キャスターになることで、アナウンサーの就活で有利になるため、各局が開催する学生キャスターオーディションの情報はこまめにチェックし、積極的に参加しましょう。
大学のミスコンで優勝する
大学のミスコンは、アナウンサー志望者にとって重要なアピールポイントとなる実績の一つです。ミスコンでは、外見の印象だけではなく、スピーチ力やプレゼンテーション能力、人前での立ち振る舞いなど、アナウンサーに必要な要素が総合的に評価されます。
また、優勝することで、メディアに取り上げられたり、イベントMCの依頼を受けたりする機会を得られるチャンスがあるのもメリットの一つです。
特に有名大学のミスコンでは、複数回の選考を経て、最終的にステージでのパフォーマンスが求められます。この過程で培われる経験は、アナウンサーの選考でも活かせます。さらに、SNSでの発信や地域イベントへの参加など、優勝後の活動を通じて、人前で話す経験を積むことが可能です。
- アナウンサーになるにはミスコンに出ることが必須なのでしょうか…?
ミスコンに出ることが必須ではない
容姿・表現力・立ち居振る舞いを第三者から評価される大会で優勝したとなると、大きなアピールポイントになります。
アピールポイントはほかの方法でも可能ではあるので、ミスコンに出場することがアナウンサーになるための必須事項と勘違いしないように注意しましょう。
備えよう! アナウンサーになるための選考対策
備えよう! アナウンサーになるための選考対策
- アナウンサーの書類選考の対策
- アナウンサーの面接対策
- カメラテストの対策
アナウンサーの選考は、書類選考から始まり、面接、カメラテストなど、複数のステップで構成されています。それぞれの選考では異なる能力が評価されるため、各段階に応じた適切な準備が必要です。
また、局によって選考方法や重視するポイントが異なるため、志望する放送局の特徴を理解したうえで対策を立てることが重要です。
ここでは、アナウンサーの選考対策を書類選考、面接、カメラテストの3つの段階に分けて解説します。それぞれの選考で求められる能力や評価のポイントを理解して、効果的な準備を進めていきましょう。
アナウンサーの書類選考の対策
アナウンサーの書類選考は、一般的な企業の選考とは異なる特徴があります。特に重要なのが提出写真の選定と志望動機の作成で、これらは放送局ごとに求める人材像が異なるため、志望する局の特徴を理解したうえで準備を進める必要があります。また、自身の個性や魅力を効果的に伝えることも重要です。
ここでは、アナウンサーの書類選考の対策について解説します。これらの要素は、書類選考の合否を大きく左右する重要な部分となるため、十分な時間をかけて準備を進めましょう。
提出用写真にこだわる
アナウンサーの書類選考では、一般的な証明写真に加えて、バストアップ写真や全身写真など、複数種類の写真の提出が求められます。これらの写真は、アナウンサーとしての適性を判断する重要な材料となるため、プロのカメラマンがいる写真スタジオでの撮影がおすすめです。
プロのカメラマンには、アナウンサーに求められる「誠実で好感度の高い印象」を引き出すノウハウがあります。また、適切な表情・姿勢の指導により、自然な表情で清潔感のある写真を撮影することができます。
一方で、証明写真機で撮影した場合、このような細かな調整は難しいため注意が必要です。なお、写真スタジオは就活シーズンになると予約が混み合うため、早めに撮影をおこないましょう。
オススメはプロのカメラマンに依頼することです。一般的には1〜3万円程度が目安です。スタジオやロケーション撮影によって費用が異なりますが、希望や目的を伝えれば、好印象を与える高品質な写真が撮ってもらうことができます。
なぜその局を志望するのかを明確にする
アナウンサーの志望動機は、各放送局の特徴を十分に理解したうえで作成する必要があります。たとえば、キー局と地方局では求められる役割が異なります。キー局では全国規模の情報発信力が求められる一方で、地方局では地域に密着した取材力や企画力が重視されるのです。
また、キー局のなかでも、報道重視の局やバラエティに力を入れる局など、それぞれに異なる特色があります。志望動機を作成する際は、志望局の代表的な番組やアナウンサーの活躍の場を研究し、その局ならではの魅力や価値観を理解することが重要です。
そのうえで、自身の経験や価値観と結びつけながら、なぜその局でアナウンサーとして働きたいのかを具体的に説明できるようにしましょう。
アナウンサーの志望動機をこれから考える際は、以下の記事を参考にしましょう。志望動機に盛り込む要素や志望動機の例文35選、志望動機を添削して独自性を出す方法を解説しています。
志望動機の構成
志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説
志望動機の例文
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ
志望動機の添削方法
志望動機の添削方法6選|独自性を出して質を引き上げるポイント
動画選考のクオリティを高める
多くの放送局では、アナウンサーの書類選考時に自己PR動画の提出を求めています。この動画選考では、話す力や表現力だけではなく、カメラ映りや画面構成なども評価の対象となります。自己PRの内容はもちろん、背景や照明、カメラの位置など、視聴者に見られることを意識した細部への配慮も重要です。
動画を撮影するときは、明るく雑音の少ない場所を選び、スマートフォンは横向きで固定して撮影します。そして、背景は白壁など、シンプルで落ち着いたものを選びましょう。
また、話す際の目線や表情、声の大きさなども意識し、複数回撮影して最も自然な表情と話し方ができている動画を選びます。
なお、制限時間は短いケースが多いため、自身の魅力を効果的に伝えられるよう、事前に十分な練習を重ねることが大切です。また、動画データの画質や容量にも注意を払い、指定された形式で提出できるよう準備しましょう。
アナウンサーの面接対策
アナウンサーの面接では、一般的な企業の面接とは異なり、話し方や声の質、時事問題への理解度、そして臨機応変な対応力などの独自の評価ポイントがあります。これらは面接官から厳しくチェックされるため、それぞれの項目について十分な準備をおこなうことが重要です。
ここでは、アナウンサーの面接対策について解説します。これらの要素は数回の練習で身に付くものではないため、早い段階から意識的に訓練を重ねていきましょう。
アナウンサーの面接対策をおこなう際は、以下の記事を参考にしましょう。面接で自身の魅力を最大限に魅せる方法や、面接を受ける前に知っておくべきマナーについて解説しています。
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面接の準備完全版|あなたを最大限に魅せる17の土台作り
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絶対に落とせない面接のマナー! 「即不合格」にならないための作法
正しい言葉遣いで話せるようにする
アナウンサーは話すことのプロであるため、面接での敬語の使い方や話し言葉の選択が重要な評価ポイントとなります。放送の現場では、適切な言葉遣いやイントネーションで視聴者に情報を伝える必要があるため、面接時点での言葉遣いも厳しくチェックされるのです。
対策としては、まず日本語の正しい敬語の使い方を理解し、日常的に意識して使うことから始めましょう。たとえば、面接官から選考日程や選考内容の説明が合った場合は、「わかりました」「了解しました」ではなく、「かしこまりました」「承知しました」と答えるのが適切です。
また、面接では緊張していることで普段以上に言葉が乱れやすいため、普段の生活から正しい言葉遣いを徹底することが重要です。
発声練習をして声の質を高める
アナウンサーの面接では、声の通りの良さや明瞭さが重要な評価要素となります。特に面接室の広さや面接官との距離感を考慮すると、適度な声量と明瞭な発音が必要です。また、長時間の面接であっても安定した声質を保てることも重要なポイントとなります。
対策としては、まず腹式呼吸の練習から始めましょう。腹式呼吸は声量と声質の安定につながる基礎となります。また、早口言葉や滑舌練習を日課とし、正確な発音ができるよう訓練を重ねましょう。
さらに実際の面接前には、発声練習をおこない、自身の声のコンディションを整えてから本番に臨みましょう。
ニュースを毎日チェックして自分の意見を持つ
アナウンサーの面接では、時事問題に対する理解度と、自分なりの視点で語れるかどうかが重視されます。単にニュースの内容を把握しているだけではなく、その背景や影響について自身の考えを述べることが求められます。特にフリートークでは、時事問題について突然意見を求められることも多いため、事前の準備が必須です。
具体的な対策としては、毎日複数のメディアでニュースをチェックし、重要なトピックについてメモを取る習慣をつけましょう。政治や経済・国際・エンタメ・スポーツなど、幅広い分野のニュースに触れ、それぞれについて「なぜそれが重要なのか」「視聴者にどう影響するか」という視点で考察を深めます。
また、友人との会話やSNSでの発信を通じて、ニュースについて自分の意見を表現する練習を重ねることも効果的です。
アナウンサーの面接で最近のニュースについて話す練習をする場合、以下の記事を参考にしましょう。面接で取り上げるニュースの選び方や、回答を差別化する方法を解説しています。
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面接で最近のニュースを話すときには、自分の意見を持つことが大切です。最近のニュースについての回答方法や自分なりの意見を持つためのコツなどをキャリアコンサルタントが解説します。例文を交えて紹介するので、面接を突破する手掛かりにしてください。
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トークの反射神経を高めて対応力を上げる
アナウンサーには、予期せぬ状況での臨機応変な対応力が求められます。面接でも、突然のテーマでのフリートークや、想定外の質問への対応力が試されます。特に生放送を想定したシミュレーションとして、原稿を読んでいる最中に緊急ニュースが入った場合の切り替えなど、アドリブ力を見る質問がされる可能性もあるのです。
対策としては、日常的にさまざまな状況を想定した話し方の練習を重ねることが重要です。たとえば、ニュース原稿を読みながら緊急地震速報が入った場合を想定し、スムーズに切り替えて必要な情報を伝える練習や、一つの話題から関連する話題への展開を即座に考える訓練などが効果的です。
また、友人と即興スピーチの練習をしたり、身の回りの出来事を実況してみたりすることで、咄嗟の対応力を養うことができます。
フリートーク力については、何の内容を話すのかも重要な要素です。話す内容は最近話題に上がっていることを題材にするようにしましょう。アドリブ力は、あらゆる場面を想定しロープレを繰り返しましょう。
カメラテストの対策

アナウンサー選考でおこなわれるカメラテストは、実際の放送環境に近い状況で、原稿読みやフリートークの能力が評価されます。カメラの前に立つことに慣れていないと、緊張から本来の力が発揮しづらくなるため、事前の練習を重ねることが重要です。
ここでは、カメラテストの対策方法について解説します。カメラテストは基本的な読み方や話し方だけではなく、表情や姿勢なども含めた総合的な評価となるため、それぞれの要素を意識しながら準備を進めていきましょう。
原稿読みを何回も練習して慣れる
カメラテストでは、その場で渡される原稿を正確に読み上げる能力が試されます。内容を正しく理解し、適切な間の取り方やアクセント、イントネーションで読み上げる必要があります。特に初見の原稿でも、自然な話し方で読めることが求められるため、日頃からの練習が欠かせません。
具体的な練習方法として、新聞やニュースサイトの記事を声に出して読むことがおすすめです。その際、句読点だけではなく、内容に応じた適切な間の取り方や、強調すべき部分の表現方法にも注意を払いましょう。また、スマートフォンで録画しながら練習することで、自身の読み方の癖や改善点を客観的に確認できます。
原稿読む練習は毎日続けて、徐々に読むスピードや正確性を上げていくことが重要です。特にニュース原稿は、読み間違いが許されない場面も多いため、丁寧な練習を心がけましょう。
人前やカメラに向かって話す練習をする
カメラの前で話すことは、普段の会話とは異なる緊張感があります。カメラテストでは、その緊張感に負けず、自然な表情と態度で話せることが求められます。特に重要なのは、カメラを通して視聴者に語りかけるような親しみやすい話し方と、好感の持てる表情を維持することです。
日々の練習方法として、スマートフォンのカメラを使って自己PRやニュース読みを撮影し、表情や姿勢、視線の使い方をチェックするのがおすすめです。
また、友人や家族の前で話す機会を積極的に作り、人前で話すことへの抵抗感を減らしていきましょう。サークル活動やアルバイトなど、人前で話す機会がある場合は、それらも良い練習の場となります。
カメラ目線を維持しながら話すことにも慣れる必要があるため、毎日の練習を通じて自然な話し方を身に付けていくことが大切です。
こんな選択肢も! アナウンサーの能力を活かせる仕事
こんな選択肢も! アナウンサーの能力を活かせる仕事
- 司会業
- 広報職
- 営業職
アナウンサーに求められる「人前でわかりやすく情報を伝える力」や「臨機応変な対応力」は、ほかの職種でも重宝される能力です。アナウンサーを目指して培った経験やスキルは、さまざまな分野で活かせるため、キャリアプランの選択肢を広げやすくなっています。
ここでは、アナウンサーの能力を活かせる3つの職種について解説します。これらの職種は、アナウンサーを目指して身に付けた能力はほかの仕事でも十分に発揮できる仕事であるため、アナウンサー以外のキャリアを検討する際の参考にしましょう。
どうしてもアナウンサーに絞りたいなら、就活と並行してアナウンサーの事務所などに所属する方法を模索してもいいかもしれません。キー局などは倍率数千倍といわれていて、現実的に他業種の併願も検討するのがおすすめです。
司会業
司会業は、アナウンサーを目指すうえで培った話す力や場を仕切る能力を直接活かせる職種です。司会業のおもな活躍の場は、以下のとおりです。
司会業のおもな活躍の場
- 企業のイベント
- セミナー
- 結婚式
司会業に求められる能力として特に重要なのは、その場の雰囲気を読み取り、参加者に合わせた進行ができる対応力です。
フリーの司会者として活動する場合は、自身で仕事を獲得する営業力も必要となりますが、事務所に所属することで、安定した仕事を得られる可能性もあります。また、テレビやラジオでの経験を活かして、YouTubeやポッドキャストなどの新しいメディアでMCとして活躍する道も広がっています。
司会業は単発の仕事から始めて、経験を積みながら徐々に活動の幅を広げていくことが一般的です。実績を重ねることで、より大きな案件を任されるようになります。
広報職
広報職は、企業や団体の情報を効果的に発信する仕事です。アナウンサーを目指す過程で身に付けたわかりやすく伝える力やメディアに関する知識を直接活かせます。具体的な業務は以下のとおりです。
広報職の仕事内容
- プレスリリースの作成
- 記者会見の運営
- 社内報の制作
- SNSの運用
特に重要なのは、企業の魅力や情報を適切な言葉で表現し、ターゲット層に効果的に届ける能力です。また、緊急時の情報発信や記者対応など、アナウンサーとして培った臨機応変な対応力が活きる場面も多くあります。
近年は動画コンテンツの需要が高まっていて、企業の映像制作やWeb配信にも広報の仕事が広がっているため、アナウンサーを目指すうえで培ったカメラ前での経験は、大きな強みとなります。
営業職
営業職は、アナウンサーとして磨いたコミュニケーション能力を存分に活かせる職種です。特に人前で話す力や相手の反応を見ながら臨機応変に対応する力、物事をわかりやすく説明する力は、営業活動において大きな武器となります。
具体的には、商品やサービスのプレゼンテーション、顧客との商談、提案資料の作成などの場面で、アナウンサーを目指すうえで経験したことを直接活かすことが可能です。
特に広告営業や法人営業など、プレゼンテーション能力が重視される分野では、アナウンサー志望時の経験が高く評価されやすいといえます。
アナウンサーと同時に営業職も受けようとしている人は、以下の記事を参考にしましょう。さまざまな営業職の仕事内容や魅力について解説しています。
IT営業
IT営業の仕事内容や魅力をプロと解説! 業界経験者による生の声も
企画営業
企画営業とはどんな仕事? 就活のプロが解説する働き方のリアル
不動産営業
不動産営業に向いてる人の6つの特徴|具体的な業務と未経験からなる方法
リテール営業
リテール営業とは? 仕事内容や5つの必須スキルを専門家と解説
アナウンサーになるには選考ごとに必要な対策をしよう
アナウンサーになるためには、面接やカメラテストなど選考の段階ごとにそれぞれ適切な対策をおこなうことが重要です。記事ではアナウンサーの仕事内容から選考フロー、求められる能力を身に付ける方法まで解説しました。
これらの情報をもとに、自身の強みを活かせる準備を進めることが、アナウンサーになるための第一歩となります。
特にアナウンサーを目指す場合、アナウンサースクールなどで話す力や表現力の向上を図ることと並行して、時事問題への理解や教養を深めることが必要です。また、カメラテストや筆記試験など、アナウンサー選考独自の対策も早めに始めて、入念な準備をしたうえで選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
加藤 賀子
プロフィールを見るアナウンサーは泥臭い努力が求められる職業
この記事では、アナウンサーを目指している方に対して、以下のことを解説しました。
①アナウンサー業務の基本情報
②選考内容
③選考の実態
④表舞台と裏部舞台の視点からのアナウンサーに求められる能力・資質
⑤求められる能力を身に付ける方法
⑥選考を有利に進めるコツや選考対策
アナウンサー業務の理解度や選考に関する知識が深まったのではないでしょうか。また、きらびやかな世界のように見えますが、泥臭い努力や作業も必要な世界だということも認識できたのではないかと考えます。
厳しい選考になることを理解して入念な準備で本番を迎えよう
アナウンサーは、自分目線も必要ですが、第三者目線からの個性や人となり、話し方などのパフォーマンスが求められる業界です。大変に感じることも多いと考えますが、多種多様な経験をつめるので人間として大きく成長出来ることが多いと感じます。
選考回数が一般的な選考と比べて多かったり、業界ならではの選考があったりと戸惑うこともあるかと思いますが、夢に向かって前向きに進んでいきましょう。素敵な門出になるように応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
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