この記事のまとめ
- 面接の録音が違法となるかの分かれ道はデータを公開したかどうか
- 面接を録音する方法やする際の注意点を解説
- 録音データを就活に役立てるための3つの活用方法を紹介
就職活動のなかで、面接を録音してやり取りを振り返り、次の面接に活かしたいと考えている学生は多くいます。面接では緊張することも多いため、特に志望度が高い企業の面接であれば、自分が面接で何を話したか、どのような話をされたのかなどを確認したいと感じる人も多いでしょう。
しかし、「面接を録音することは違法ではないだろうか」という不安から実際に行動に移せていない人もいるかもしれません。結論、面接を録音すること自体は違法ではありませんが、ルールやマナーを守らなければ違法となったり、採用担当者からのマイナス評価につながってしまうこともあります。
この記事では、キャリアアドバイザーの若林さん、板谷さん、高尾さんのアドバイスを交えつつ、面接を録音する際の注意点や有効活用する方法などを解説します。面接を控えている学生はぜひ参考にしてくださいね。
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面接の録音は法的に問題ないが注意点を押さえておこう
前述の通り、面接を録音すること自体は法的に問題ありませんが、録音データの取り扱い方によっては違法となってしまう場合もあります。
また、法律的には問題なくても無許可で録音していることが企業に知られた場合、良くない印象を持たれてしまう可能性もあるため、注意点を押さえておかなければ選考の評価にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。
そこでこの記事では、違法にならないため、企業からマイナスの印象を持たれないための注意点に加えて、面接の状況に合わせた録音方法について解説します。
後半では、面接を録音するメリットや面接力を向上させるための録音データの活用方法、面接以外での録音が役立つシーンなどについて解説します。この記事を参考に、マナーを守ったうえで録音を活用して、面接を突破できる力を身に付けましょう。
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面接の録音が違法にならない場合となる場合を解説
面接を録音する際の最も注意すべき点は、違法になるような録音データの取り扱いをしないことです。違法性のある取り扱いをしてしまうと、企業に訴えられてしまい就活どころではない大きな責任を負うことになりかねません。
面接を録音すること自体は違法ではありませんが、録音データの取り扱い方によって違法にならない場合と違法になってしまう場合に分かれます。ここでは、それぞれのパターンについて解説するので、しっかりと頭に入れておきましょう。
面接の録音自体が直ちに罰則の対象となることはまれであり、実際に学生が面接録音で罰則を受けた事例は非常に少ないです。
しかし、日本の法律では、他人の会話を録音する際には原則として相手の同意が必要です。無断で録音をおこなった場合、プライバシーの侵害と見なされる可能性があります。
さらに、その録音内容を不適切な形で拡散した場合には、民事訴訟で損害賠償を請求される恐れや、場合によっては名誉毀損などの刑事罰が適用される可能性もあります。
違法にならない場合
現在、録音すること自体を罰する法律はないため、面接を録音することは違法ではありません。また、録音することを企業が強制的に止めることもできず、仮に無断で録音していても法的に罰則を受けることはないのです。
これは面接に限らず、採用担当者との連絡や企業説明会、インターン時なども会話を録音すること自体は法的には問題ありません。
しかし注意すべきは、録音するという行為自体は違法ではないという点です。録音したデータの利用方法によっては違法となり、企業から訴えられてしまう可能性もあります。また違法でないとしても、面接を録音する行為を企業からどのように思われるかは別の問題であるため、ルールやマナーは押さえておく必要があります。
違法になる場合
面接の録音が違法となるのは、録音したデータをSNSなど第三者の目に触れる場に公開した場合です。録音データに企業や面接官の個人が特定できてしまうような内容が含まれている場合は特に注意が必要となります。
企業の信用や評価に影響が出るような内容、面接官や一緒に面接を受けた学生個人の評価やプライバシーにかかわる内容を公開してしまうと、名誉棄損やプライバシーの侵害にあたる可能性があるのです。
仮に、面接の録音データの取り扱い方が名誉棄損やプライバシーの侵害に該当すると判断された場合、企業側から賠償責任を問われてしまうかもしれません。
またこうした法的措置以外にも、他人や企業のプライバシーにかかわる情報を適切に扱わなかったとなれば、社会人としての信用を失うことになるため、面接を録音した企業の選考通過や内定が取り消されてしまうリスクも考えられます。
- アドバイスをもらう目的などで、家族や友人などに面接の録音データを聞かせることは違法になりますか?
違法になるかの判断は難しいがリスクを考えてみよう
これに関しては判断が分かれるところですが、個人的には家族や友人であっても、録音データは第三者には聞かせないようにしたほうが良いと思います。
なぜなら、聞いた内容を家族や友人が別の人に話してしまい、まわりまわって自分にとって不利になることもありえるからです。
アドバイスがほしい気持ちはわかりますが、自分で内容を聞き返して、相手に伝える程度にとどめておきましょう。
就活の専門家に聞く! 学生が面接の録音を申し出た場合の企業側の心境
面接を録音する際は企業に許可を取るべきだとわかっていても、企業からどう思われるだろうか、選考に影響しないのか、などと疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで、キャリアのプロの高尾さんに学生が面接の録音を申し出た際に企業側がどのようなことを感じるのかを解説してもらいます。
企業目線の貴重な解説なので、企業の思いを理解して録音を申し出る際に役立ててくださいね。
アドバイザーコメント
高尾 有沙
プロフィールを見る目的が前向きなものであれば録音が良い評価につながることもある
学生が面接の録音を申し出た場合の企業側の反応は、企業文化や担当者の考え方によって異なりますが、以下のような傾向が考えられます。
まず、録音の申し出に対して、緊張による記憶の補助や振り返りを通じて次回に活かしたいといった前向きな理由が明確に伝われば、真剣に取り組んでいる姿勢として評価される可能性があります。
一方で、録音の理由が曖昧だったり、目的が不明瞭な場合には、不信感を抱かれることもあります。特に、機密情報や選考内容が不適切に利用される可能性について懸念されることがあります。
録音を許可するかどうかは企業側の判断に委ねられるため、事前に許可を得ることが必要です。その際、録音の意図を丁寧に説明し、内容が私的利用に限られることやデータを厳重に管理する旨を伝えると、企業側も安心しやすくなります。
具体的な理由として「振り返りに活用したい」といった内容を明確にし、誠実な態度で伝えるようにしましょう。
録音を申し出る前に企業の文化や雰囲気を調べておこう
ただし、企業によっては録音に対する理解が乏しかったり、慎重な対応が求められる内部ルールが存在する場合もあります。そのため、録音を申し出る前に、その企業の文化や雰囲気をリサーチしておくことが重要です。
総じて、面接の録音を申し出ることは必ずしもマイナスにはなりませんが、申し出方や説明の仕方によって、企業側の印象が大きく変わる可能性があります。
適切な準備と配慮をもって申し出ることで、企業との信頼関係を損なわない形で録音の活用を進めることができますよ。
企業文化や雰囲気を調べるためには企業分析が欠かせません。効率的に企業の特徴をつかむ方法を知りたい人は、以下の記事も併せて確認してみてください。
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企業分析には自分に合った企業が見つかるなどのメリットが多くあります。また集めた企業情報をうまく活用することで、就活を効率的に進めることができますよ。この記事では、企業分析の正しいやり方から効率化のコツまでキャリアコンサルタントとともに徹底解説します。
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面接を録音するなら知っておくべきマナーと注意点
面接を録音するなら知っておくべきマナーと注意点
- 録音する際は企業に許可をとる
- 私的な利用にとどめておく
- 事前に録音できるかを試しておく
面接の録音は違法ではないため、なかには何も考えず録音に踏み切ってしまう人もいます。しかしそれは企業に対する振る舞い方として望ましくありません。
企業から不信感を抱かれないためにはマナーや注意点を押さえ、録音するための準備もしておく必要があるのです。
ここでは、面接を録音するにあたって押さえておくべき3つのマナーや注意点について解説するので、しっかりと頭に入れおきましょう。
録音する際は企業に許可をとる
面接の録音自体は問題ではありませんが、無断で録音していたことが企業に知られてしまうと不信感を抱かれたりと、良くない印象を持たれてしまう可能性があります。
面接官や企業によってどのような印象を持つかは異なりますが、マイナスの印象を持たれるリスクを回避するならば、事前に許可を取ることがおすすめです。
許可を取る際は、「後ほど面接の振り返りをおこないたいので録音させていただいてよろしいでしょうか」など理由を明確に伝えると、録音への理解を得やすくなります。
もしも企業から録音は止めてほしいと言われた場合でも、反論せずに従えば評価が下がってしまう可能性は低いため、臨機応変に対応するようにしましょう。
面接日前に許可を取っていたとしても、許可したことが担当面接官に伝わっていないことも考えられます。
そのため、面接冒頭に許可を取るのがベターです。タイミングとしては、お互いに名乗り合った後に聞いてみると良いですよ。
私的な利用にとどめておく
前述の通り、面接の録音データを第三者に公開してしまうと違法になってしまい懲役刑や罰金刑に科せられてしまうこともあるため、振り返りなどの私的な利用にとどめおかなければいけません。
面接を録音されることと公に公開されることでは、企業にとっての影響が大きく異なります。特にSNSが普及している今、一度情報が拡散されてしまうと短期間に多くの人が情報を目にすることになり、企業に及ぼす影響も小さくはありません。
面接の録音データは振り返りをおこなうためだけに利用し、外部に漏らさないという意識と漏れてしまわないための慎重な取り扱いを心掛けるようにしましょう。
事前に録音できるかを試しておく
たくさんの選考のなかで、まったく同じ面接を受けることは二度とないため、録音漏れがあったとしても同じことをやり直すことはできません。面接時は緊張感もあるため、確実に録音するには事前の確認が重要となります。
面接が実施される前に、実際に録音ツールを使用してテスト的に録音の練習をおこなっておきましょう。
そのためにはまず、面接がどのような形式でおこなわれるのかを把握しておく必要があります。面接の形式によって、録音できるツールが異なってくるからです。
録音ツールの選定ができたら、何度か実際に録音をおこなって方法や手順をしっかりと把握し、面接本番に確実に録音できる態勢を整えておくようにしましょう。
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状況に合わせて使い分けよう! 面接を録音する方法を解説
状況に合わせて使い分けよう! 面接を録音する方法を解説
- 対面面接:ボイスレコーダーやスマホの録音機能を使用する
- Web面接:パソコンに内蔵されている機能も使用できる
面接を録音するにあたって、適切な録音方法を知らずに面接に臨んでしまうと、面接の進行を妨げたり、録音を開始する時点でごたついて余計な緊張をしてしまったりするかもしれません。
面接はおもに、対面・Webの2パターンで実施され、それぞれに適した録音方法があるため、把握してスムーズに面接に取り掛かれるようにしましょう。
ここでは、上記2パターンごとの録音方法を解説するので、確実に録音するための参考にしてください。
対面面接:ボイスレコーダーやスマホの録音機能を使用する
対面面接での録音方法は、ボイスレコーダーの使用かスマホの録音機能を使用するかの2つの方法があります。
ボイスレコーダーは録音に特化している機器のため、雑音を取り込まない機能が搭載されているなど、録音データの音質が良いことがメリットの一つです。
しかし、ボイスレコーダーは日常的に使用するものではないため新規に購入しなければならないことが多く、費用面の負担がデメリットとして挙げられます。
一方、スマホの録音機能を利用する場合は、スマホにもともと搭載されている機能や無料アプリのインストールで対応できるためコストをかけずにおこなうことが可能です。
ただ、着信や通知があると録音が中断されてしまったり、音質が悪く後で確認する際に聞き取りにくい可能性があるなどのデメリットが生じる点を留意しておかなければなりません。
目につく場所に録音機器があると録音されているという緊張感からか面接の間も気になってしまって面接への集中力が削がれてしまう可能性があります。
録音の許可を得た後、手に持っておくか、鞄やポケットの中など目につかない場所に移動させるなどの配慮を心掛けましょう。
録音の方法以外の対面面接のマナーも一度おさらいしておきましょう。以下の記事で詳しく解説しているので、面接前にチェックしてみてくださいね。
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対面面接ではマナーが印象を大きく左右します。この記事では身だしなみ・受付・入退室の流れだけでなく、Web面接との違い、企業や職種のカラーを汲んだ対応までをキャリアコンサルタントやマナー講師とともに解説します。万全を期して本番に臨み、内定を獲得しましょう!
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Web面接:パソコンに内蔵されている機能も使用できる
Web面接を録音する場合、パソコン(PC)のスピーカー機能を利用して面接を受けるのか、イヤフォンを利用して受けるのかで録音方法が異なります。
PCのスピーカー機能を利用する場合は、PCに内蔵されている録音機能を使用するか、対面面接と同様にボイスレコーダーやスマホの録音機能を使用することができます。
また、Web面接で使用されるオンライン会議のアプリについている録音機能を活用することもできますが、ホスト側である採用担当者しか操作できないケースがあるため、面接で使用されるアプリを事前に認識し、自分でも録音操作ができるのか調べておくことが必要です。
さらに、アプリの録音・録画機能を使用するとホストや参加者に通知されることが多いため、無許可で録音しようとするとすぐに相手にバレてしまうため、許可を取っておいたほうが安心といえます。
Web面接を初めておこなう場合は学生は録音の前に準備や確認しておくべきことがいくつかあります。以下の記事でWeb面接の基本情報について解説しているので併せて参考にしてください。
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独自マナーと準備方法
web面接は何分前に入室? 独自マナーと準備方法を徹底解説
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どんなときに役立つ? 面接を録音する3つのメリットを解説
どんなときに役立つ? 面接を録音する3つのメリットを解説
- 質問内容などが次の選考対策の参考になる
- 自分の回答を振り返って面接スキルの向上に活かせる
- ハラスメントや不適切な質問がされた場合の証拠になる
面接の録音に成功しただけでそのデータをきちんと自分の就活に活かせなければ、録音した意味がありません。大切なのは面接を録音することによってどのようなメリットがあるかを認識し、どう活かすかです。
ここでは、面接を録音するメリットを3つ解説するので、改めて面接を録音する目的を理解し、効果的に活用するための参考にしてくださいね。
①質問内容などが次の選考対策の参考になる
面接で質問される内容や深掘りされる点を把握できると、企業が重要視している採用基準を見極められることもあります。
面接時は受け答えに精一杯で、質問の意図やなぜ深掘りされているのかを理解できない場合がほとんどです。しかし、面接終了後の冷静な状況で面接の内容を振り返ることによって、企業がどのような点を気にしていて、それを探るための聞かれがちな質問内容を理解できるようになるのです。
このように、次回の面接を優位に進めるための対策をとることができる点は、面接を録音することのメリットの一つとして挙げられます。
面接で特に重要な質問を見極めるには、まず質問の意図や背景を考えることが大切です。企業が深掘りする質問や、価値観や事業に関連する質問は評価基準と直結している可能性が高いです。
また、面接官の反応や態度からも重要度を推測できます。たとえば、具体的なスキルや経験に関する質問が繰り返される場合、即戦力として活かせるスキルを持っているという点を重視していると考えられます。
面接で聞かれた内容の振り返りは重要ですが、聞かれることを事前に把握しておくと1回目の面接からスムーズに受け答えができることにもつながります。以下の記事で面接で聞かれがちな内容と回答例を解説しているので参考にしてみてください。
面接で聞かれやすいこと
面接で聞かれること厳選15個! 回答を準備して選考を突破しよう
質問の頻出質問
面接の質問150選! 回答例から答え方まで質問対策を完全網羅
②自分の回答を振り返って面接スキルの向上に活かせる
面接の録音は、面接を受けた企業の次の選考に活かせるだけではなく、ほかの企業の面接にも役立つのが大きなメリットとして挙げられます。
その理由は、面接で自分がどのような回答をしたのかを客観的に振り返ることで、自分の話し方の癖や質問に対する回答内容の良し悪しなど、面接の改善点を発見することができるからです。
自分の回答内容や話すときの癖などは、第三者からフィードバックを受けたり、録音データで客観的に聞かない限り認識することは難しいですよね。面接のフィードバックをしてくれる企業も少なく、仮にしてくれたとしても応募者を傷つけてしまうような厳しい意見を言うことは企業の印象にもかかわるため遠慮されがちです。
その点、面接を録音して自分で振り返ることで、忖度なく自分の回答に対する問題点や改善点を浮き彫りにできるのです。さらに、集団面接の場合はほかの応募者の回答も参考にできるため、より面接スキルの向上につなげられるでしょう。
③ハラスメントや不適切な質問をされた場合の証拠になる
面接の録音は、ハラスメントや不適切な質問をされた際の証拠として活用することもできます。
面接のなかで採用担当者からハラスメントに該当する発言や不適切な質問がされることはまれですが、可能性はゼロではありません。
内定を条件に私的な食事などに誘われる、必要以上にプライベートに関することを聞かれる、内定の承諾を強要されるなど、不適切な振る舞いやハラスメントといえる発言をされることがあるかもしれません。
このような際に、面接を録音しておくと証拠として大いに役立ちます。また、事前に録音することを申告していれば、面接官は自身の発言や振る舞いに注意を払うようになり、不適切な質問や言動の防止にもなるのです。
- 事前に許可を取った面接のなかでハラスメントに該当する部分が見つかった場合、その後はどう対応すれば良いですか?
応募を継続する場合と辞退する場合で対応方法を変えよう
応募を継続する場合には、即座に企業のコンプライアンスの窓口や面接官以外の人事部へ相談し、企業側の説明を受けるようにしましょう。
企業内でもハラスメントの研修などがおこなわれていますが、時代の変化などを正しく認識できておらず、悪気なくハラスメントに該当する発言をしてしまう人が存在することもあります。
また、今後入社する気持ちがなくなった場合には、特にハラスメントのことを言及せずに応募を辞退するのが良いケースもあります。
泣き寝入りをすることが良いことだとは思いませんが、時間やエネルギーをかけて戦ったとしても消耗することが多いというのが現実です。そういった企業が淘汰されるのを黙って待ち、距離をおくことも対処法の一つですよ。
実際に面接でセクハラを受けた学生もいるので、自分が当事者になった際の対処法も事前に押さえておきましょう。以下のQ&Aコンテンツでキャリアコンサルタントが解説しています。
ハラスメントのほかにも、圧迫面接のように強い圧力をかけられるものもあります。圧迫面接を切り抜ける方法を以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてください。
関連記事
圧迫面接とは? どんな圧力も切り抜ける予防・対処法18選を解説
圧迫面接は予防法と対処法を理解していれば怖くありません。圧迫面接のタイプ別の予防法と対処法、注意点などをキャリアコンサルタントと社労士が解説します。対策を立て、圧迫面接を切り抜けましょう。
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面接官からの評価が点数でわかる! 本番に備えて面接力を測定しよう!
自分が面接官の目にどう映っているか、きちんと把握できていますか?
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39点以下だと実力を発揮できていない可能性が高いです。診断結果から改善策を提案するので、本番に向けて対策しましょう。
- もうすぐ初めての面接がある人
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キャリアコンサルタントが解説! 面接の録音データの企業側の活用方法とは
あまり知られていませんが、企業側が面接を録音することもあります。面接を振り返り次回の面接に活用したいと考えるのは応募者だけではないのです。
企業側の録音の目的や、データの活用方法を知っておくことで、面接を受ける際に気を付けるべき点や、次の面接に向けておこなうべき対策などを理解できます。
ここでは、就活の専門家であるキャリアコンサルタントの若林さんに、企業側が面接データをどう活用しているのかを解説してもらうので、面接を突破するための参考にしてくださいね。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る面接官以外の視点も入れ適切な人材を取りこぼさないようにするため
企業側が面接を録音する理由としてまず挙げられるのは、面接官だけの判断ではなく、多くの人が合否を判断する材料とするためです。
面接官と学生の相性もあるので、面接官が良い印象or悪い印象を抱いていたとしても、第三者目線で見てみると逆の印象を与えることもあります。このように、他者の視点を入れることで、企業がほしい人材を取りこぼさないようにする側面もあるのです。
さらに、面接官だけでは判断が難しい、合否上にいる学生の判断をするために録音されている場合もあります。私が知っている事例では、録音を社長自らが聞いて合否を判断している会社もあります。
面接の精度向上や面接官の人事評価の資料にするための場合もある
そのほかには、会社が次年度以降の参考にするために録音をとっているケースもあります。
これは、どのような質問がより学生の人柄がわかるか、どのように面接を進めると良いかなどの資料的な役割として録音しているパターンですね。
また、まれにはなりますが、面接官の評価やスキルを確認し、人事評価の一助とするために録音している場合もあるようです。
面接力アップにつなげよう! 録音データを活用した面接の3つの振り返り方
録音データを活用した面接の3つの振り返り方
- 面接官の立場で自分の回答を聞いて説明がわかりやすいか確認する
- 自分の回答に対する面接官の反応を聞いて回答内容を改善する
- 答えに詰まった質問で一時停止して再度答えを考える
面接の録音は、すること自体が目的ではなく、録音データから面接をどう振り返って次に活かすかが重要です。せっかく面接を録音しても、効果的な振り返りがおこなわれなければ、面接力の向上につなげることができません。
とはいえ、面接の録音データを聞いて振り返りをおこなう際、具体的にどのように振り返れば良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
ここでは、面接力を向上させるための効果的な録音データの活用法を3つ解説するので、最大限に面接の録音を活かし、ほかの学生と差をつけるためにしっかりと頭に入れておきましょう。
①面接官の立場で自分の回答を聞いて説明がわかりやすいか確認する
皆さんのなかには、自分の話し方や話す内容が相手にしっかり伝わっているかについて、あまり気にしたことがない人もいるかもしれません。しかし、自分のことを知らない相手に自分の強みや考え方、熱意などを理解してもらうことは簡単ではないのです。
面接の録音データを面接官の立場になって客観的に聞いてみると、自分にしかわからない話の流れになっている、本来伝えたいことと逸れてしまっている、など違和感に気が付くことができます。
面接の録音データを聞く際には、自分の話す内容の構成がわかりにくくないか、「えーっと」「んー」などの口癖を多用していないかなどに注意して聞いてみましょう。
説明をわかりやすくするポイントは、客観的に判断できる内容を盛り込むことと、まず最も伝えたい結論を述べてから理由や具体例を述べることです。この2点に留意して自分の回答を振り返ることで、説得性や伝わりやすさを向上させることができるようになります。
上記以外にも、面接官の質問と自分自身の解答がきちんと受け答えとして成り立っているかどうかも確認しましょう。理解しやすいように、ある程度一文を区切ることもわかりやすく伝えるコツです。
声のトーンを少し高くして明るくしたり、ゆっくり話をして落ち着いたようにするなど、話の内容だけでなく声の印象や速度を意識するだけでも大きく印象を変えることができますよ。
面接でうまく話せないと、コミュニケーションがスムーズに取れないと判断されてしまうことがあります。次の記事で面接でうまく話すコツを解説しているので、併せて参考にしてください。
関連記事
「面接で上手く話せない」を克服する6つのコツ|緊張緩和の方法も
面接で上手く話せない人はコツさえ押さえれば克服できます。面接で上手く話せるようになるコツや緊張の緩和方法などやキャリアコンサルタントが解説します。面接の頻出質問と回答例も紹介しますので、参考にしてください。
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②自分の回答に対する面接官の反応を聞いて回答内容を改善する
面接では緊張していたり時間に制限があったりすることから、面接官の反応を冷静に分析することは難しいでしょう。そんな場合でも、面接の録音データから自分の回答に対する面接官のリアクションや次にされた質問を振り返ることで、面接官にうまく伝わっていなかったり、あまり響かなかったりした回答を把握することができます。
どんなに自分の回答に自信があっても、企業の方針とずれている、説得力がないなどの理由から面接官には響かないケースも実際にあります。うまく答えられていない回答が見つかったら、なぜ響かなかったのか、どう説明すればきちんと伝わるのかなど、うまくいかなかった理由まで分析することで、回答内容を修正してみましょう。
面接官に刺さる内容の回答をするには面接のコツを押さえる必要があります。以下の記事で通過率を上げる面接のコツを解説しているので、併せて参考にしてください。
関連記事
面接のコツ|通過率を飛躍的に上げる初心者必見の対策を解説
面接のコツをつかむには、評価されるポイントを理解することが不可欠です。さらに、種類別の面接のコツをつかめば差別化できます。この記事では、面接を突破するための質問への回答方法や立ち振る舞いなどをキャリアコンサルタントと解説します。
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③答えに詰まった質問で一時停止して再度答えを考える
面接では予期せぬ質問や答えに詰まってしまうような質問をされることもあります。回答に詰まってしまうということは、企業理解が十分にできていなかったり、自分自身の考えが定まっていなかったりすることが原因として考えられます。
そのため、この場合は回答内容を振り返るのではなく、録音データのなかで回答に詰まっているところで一度停止して、改めて回答を考えるようにしましょう。
そのうえで、必要であれば再度企業分析をおこなったり、自己分析をして改めて自分の考えを言語化できるようにしたりといった対策をおこなってみてください。
そうすることで、次に同じような質問がされたときにも、スムーズに答えられるようになり、面接官に響く回答で高評価を得られる可能性が高まります。
面接の不安を解消! 本番前に面接力を測って弱点を発見しよう
不安を抱えたまま面接本番に臨むと、面接官に好印象を残せず、内定が遠のいてしまう可能性があります。
そんなときこそ「面接力診断」を受けましょう。
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- 近く面接本番を控えている人
- 自分の面接の改善点を知りたい人
- 過去の面接で力を発揮しきれなかった人
面接以外でもマナーを守れば録音は可能! 録音が役立つ3つの就活シーン
面接以外でもマナーを守れば録音は可能! 録音が役立つ3つの就活シーン
- 企業説明会
- インターン
- OB・OG訪問
面接での録音が違法ではないように、そのほかのさまざまな就活シーンでも音声や会話を録音することができます。就活のあらゆる部分で有効的に録音を活用できれば、スムーズに就活を進めることができるのです。
しかし、面接と同様にルールやマナーを守らなければ違法となったり、企業からの評価が下がってしまったりと、マイナスに作用してしまうこともある点は認識しておきましょう。
ここでは、面接以外でも録音が役立つおもな3つの就活シーンを解説するので、これから就活をおこなう際には、ぜひ参考にしてください。
企業説明会
企業説明会は、企業のホームページ(HP)や募集要項からだけでは知ることのできない情報や企業の思いを聞くことができる貴重な機会です。
企業への理解度が深まると、志望動機に説得力が出せたり、企業が求める人材にマッチしたアピールができたりするなど、企業説明会は応募書類や面接回答のブラッシュアップにも役立てることができます。
貴重な情報の聞き漏れを防ぎ、何度も聞き返すことで企業理解が深まるため、企業説明会でも就活成功のために録音が大いに役立ちます。
- 企業説明会は複数の学生が参加するため録音しても気付かれないと思うのですが、許可をとったほうが良いのでしょうか?
録音後のリスクを回避するために許可はとったほうが良い
企業説明会でも、録音する際は許可をとりましょう。多くの学生が参加しているため、録音していてもバレないとは思いますが、万が一気付かれてしまったときの印象はあまりよくありません。
また、録音NGの会社もあるため、勝手に録音してしまったことが発覚すると、その場で選考から除外されてしまうことも考えられます。
許可が出なかった際にもこっそりと録音する学生もいますが、絶対にしないようにしてくださいね。
企業説明会は録音以外にも、参加前に準備しておきたいポイントがあります。以下の記事で企業説明会・合同説明会に参加する際の心得を解説しているので、併せて参考にしてください。
企業説明会
企業説明会で絶対に聞くべき質問30選! 聞かない方が良い質問も
Web説明会
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
合同説明会
合同説明会の持ち物15選|必要なものからお役立ちアイテムまで紹介
インターン
インターンで採用担当者から評価されるためには、積極的に行動して自分をアピールする必要があるため、何かアドバイスや説明を受けるたびにメモを取ることだけに集中しているわけにはいきません。
そんなときでもボイスレコーダーやスマホの録音機能を活用することができます。特に業務に関する指示やアドバイスは細かな点が多いため、録音しておくことで記録漏れも防げるうえ、後で自分で復習するときにも聞き直すことができるのです。
また、インターンでのアドバイスや説明を録音して記録することで、メモを取る時間を削減できるうえに、作業に集中できるというメリットもあります。
限られたインターンの時間を有効的に活用するためにも、ぜひ録音を活用してみましょう。
インターンに参加するのであれば、参加するメリットやインターンの時間を有意義なものにするためのポイントを押さえておく必要があります。以下の記事でインターンについて解説しているので、併せて参考にしてください。
参加する8つのメリット
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
情報を引き出すコツ
インターンでおすすめの質問70選|深い情報を引き出す5つのコツ
OB・OG訪問
OB・OG訪問は、職場の雰囲気ややりがいや悩みなど現場で働く社員のリアルな声を聞ける貴重な機会となります。面接では聞くことができないさまざまな情報を得ることができるので、聞き逃してしまわないために録音は有効な手段です。
OB・OG訪問の質疑応答の時間は限られているので、質問を聞き直したりメモを取ったりするために時間を使ってしまってはもったいないといえます。
OB・OG訪問時の録音データを何度も聞き返し、企業分析や自分と企業とのマッチ度を測るために有効的に活用しましょう。
- OB・OG訪問で録音を申し出た場合、あまりぶっちゃけた回答をしてくれなくなりそうな気がします。
録音する目的と録音データの用途を明確に伝えることが重要
OB・OG訪問の目的は、相手との信頼関係を築きながら、有益な情報を得ることです。そのため、訪問先に不信感を与えないよう、録音以外の手段も提示しつつ、丁寧に申し出ることが大切です。
質問の通りで、録音を申し出ることで社員が発言内容を慎重に選ぶようになり、率直な意見や具体的な情報が得られにくくなる可能性もあります。
また、社内情報の流出を懸念する場合、回答が一般的な内容にとどまることもあります。このようなリスクを回避するためには、録音の意図を明確に伝えることが重要です。
録音を申し出る際には、「訪問内容を振り返り、就活準備に役立てたい」といった具体的な目的を説明し、録音データが私的利用に限定されることを強調しましょう。
また、「発言内容をSNSなどで共有しない」と約束することで安心感を与えることができます。
さらに、率直な意見を引き出すには質問の工夫も欠かせません。事前に質問内容を共有して話しやすいテーマを選んでもらったり、「率直なアドバイスをいただけるとうれしいです」とお願いすることで、相手が安心して話せる雰囲気を作り出せます。
それでも録音に対する懸念が強い場合は、録音の代わりにメモを取る方法を提案するのも良いでしょう。このような配慮を示すことで、相手がより率直に話しやすい環境を整えることができます。
OB・OG訪問をより有効に進めるための情報を以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてください。
就活を有利に進める手順
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おすすめ質問100選
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
面接の録音はマナーを守りつつ就活に有効活用して内定につなげよう!
面接を録音することで、次の面接の対策や面接力の向上につながります。そのためにはまず、違法となったり企業から悪い印象を持たれたりしないためのルールやマナーを押さえておく必要があります。
また、より就活に役立てるためには、録音データの有効的な活用方法を理解することが重要です。
面接を控えている学生は、この記事を参考にして面接を適切に録音し、就活を成功に導くためのポイントを理解・実践して、就活の山場ともいえる面接を突破してくださいね。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る録音データは振り返りのポイントを押さえて聞こう
面接を録音して自分の声を聞いてみると、最初は慣れないので不思議な感じがするかもしれません。
録音の中でも、面接官の質問の意図に合った回答ができているか、伝えたいことが伝わっているか、話す速度は一定か、安心して聞くことのできる声のトーンや話し方ができているかなどを冷静に振り返りましょう。
厳しく振り返ることも重要だが頑張っている自分を褒めてあげよう
面接が終わった後は「きちんと話ができた」と思っても、面接を録音して振り返りをしていると、どうしてもできなかった部分や次への改善点ばかりに意識がいってしまう可能性もあります。
しかし、そもそも自分の弱い点に気付いて改善して、面接の質を向上させるために取り組んでいるということ自体がとても素晴らしいことです。
どうしてもダメ出しや厳しい自分の声が自動的に湧き出てしまうタイプの人もいるかもしれませんが、自分にかける言葉は自分で選択することができます。
自分の努力を誰よりも知っているのは自分自身です。「頑張っているね」「最初の頃よりもだいぶ進化したね」など温かい言葉を折に触れて自分自身にかけながら面接対策を進めてみてくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
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