この記事のまとめ
- 面接の回答時間は30秒〜2分程度が理想的なケースが多い
- 面接で回答時間を遵守すれば話の要点を簡潔に相手に伝えられる
- 回答の質にもこだわって自分の魅力を最大限アピールしよう
これまで面接に望んだことのない学生のなかには、初の面接が決まった際に「面接の回答時間はどれくらいが良いのかな」と疑問を抱く人が見受けられます。
また、なかには自分をアピールするために何分も話してしまったり、簡潔に答えすぎてしまったりして、せっかくのチャンスを逃してしまう学生もいるのではないでしょうか。
しかし、面接の回答時間を意識しないと、面接官に悪い印象を残してしまう可能性があるため注意が必要です。
この記事では、日々多くの就活生や求職者に対して面接対策や就職相談などをおこなっているキャリアコンサルタントの吉田さん、谷猪さん、山路さんの3人とともに、適切な回答時間や、時間内に回答を収めるコツについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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面接での理想の回答時間は質問内容や面接の種類によって異なる
結論、面接での理想の回答時間は、質問内容や面接の種類によって異なります。そもそも面接の時間が異なったり、質問によって求められる回答の濃さが異なるため、それらに合わせて回答時間を柔軟に変更する必要があるのです。
しかし、「どのような質問でどのくらいの回答時間を設ければ良いのか」や「面接の種類によってどのくらい回答時間が異なるのか」など、回答時間に関して疑問を持つ人もいると思います。
そこで記事の前半では、面接の理想の回答時間や文字数の目安に関して解説します。実際の面接でどのくらい話すのかをイメージすることで、面接に向けた過不足のない準備が可能です。
記事後半では回答を時間内に収めるコツや回答時間以外に意識するポイントを解説します。最後まで読めば、各面接に応じた適切な回答を準備でき、初めてでも自信をもって面接に挑めます。
面接で回答時間を守ることによって、論点が整理され採用担当者にわかりやすく伝えることができます。
逆に時間が短すぎたり長すぎると伝えたい点が伝わらずに面接で落ちる可能性が高くなります。
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質問内容・面接の種類別に解説! 面接の理想の回答時間
質問内容・面接の種類別に解説! 面接の理想の回答時間
- 個人面接の場合
- 集団面接の場合
- 30〜60分の個人面接の場合
まずは、面接の種類別の理想的な回答時間をチェックしておきましょう。個人面接と集団面接の適切な回答時間を把握することで、回答内容を具体的にイメージすることができるようになります。
なお、個人面接の面接時間は約20分〜60分、集団面接では3〜4人に対して約30〜40分が一般的です。そのため、回答時間の目安は面接形態で異なることが前提です。
どちらにも対応できるよう、以下でそれぞれのパターンをチェックしておきましょう。
個人面接の場合
個人面接の場合
- 自己紹介や趣味・特技など:30秒〜1分程度
- 深掘りへの回答:1分以内
- 自己PRや志望動機:1分以内
個人面接は集団面接よりも質問数が多く、あなたにかかわるさまざまな質問が投げかけられます。会話ベースで面接が進み、面接官が気になったポイントがあればその回答に関する深堀りがおこなわれるのです。
会話ベースで話が進む分、会話のテンポが評価に大きく影響します。会話のテンポやリズムは回答時間によって形作られるため、個人面接で適切な回答時間を意識することは重要です。
ここからは、個人面接の場合の理想の回答時間について解説します。質問内容別に解説するので、実際の面接をイメージしながらチェックしてみてください。
自己紹介や趣味・特技など:30秒〜1分程度
個人面接の最初の質問となる自己紹介や趣味・特技の話は、30秒〜1分程度で回答しましょう。自己紹介や趣味の話は会話の糸口となる重要な質問で、簡潔かつわかりやすい回答が求められます。
自己紹介は要点を簡潔に述べることを徹底し、面接官との会話のキャッチボールを意識しましょう。淀みなく回答時間の目安通りに自己紹介できれば、面接官への印象が良くなるだけでなく、その後質問に回答する際の自信にもつながります。
なお、自己紹介の回答内容は、名前・学校以外は基本的に自由です。
自己紹介の構成例
- 名前
- 学校・学部・学科名
- 研究内容・特技・特筆すべき経験など
- 意気込み
深堀りしてほしいトピックや面接官が興味を持ちそうな内容を選び、30秒〜1分程度で構成しましょう。
自己PRや志望動機:1〜2分程度
エントリーシート(ES)でも提出している自己PRや志望動機については、1〜2分程度に収めましょう。自己PRや志望動機は、個人面接の核心となる面接官が知りたい部分であるため、時間をかけて具体的に述べる必要があります。
実際に話す際は、結論を明示したうえで具体的な説明に入ることで、自身のアピールポイントや志望動機が明確に伝わりやすくなります。
また、自己PRや志望動機を述べる際は内容を1つに絞ることが大切です。1〜2分程度あると、できる限りたくさんのことをアピールしたいと思うかもしれませんが、ポイントが定まらないと面接官に要点が伝わりづらくなってしまうからです。
回答した内容について深堀りされることを見越して、要点を押さえて時間内に簡潔に答えるのが好印象を残す鍵となります。
面接官の印象に残る自己PRを作成したい人は、以下も併せてチェックしてみてください。例文とともに、魅力的な自己PRの方法を解説しています。
自己PRや志望動機が長すぎると情報量が多すぎると何を言っているのかよくわからず、「情報を整理することや伝えることが苦手なのではないか」という印象を受けます。
ただ長ければ良いという訳ではなく、きちんと伝えることが重要です。
以下のQ&Aでは、自己PRを2分間で話したい学生に対して、キャリアコンサルタントがポイントを解説しているため、自己PRの回答時間に悩んでいる人は、要チェックです。
深掘りへの回答:1分以内
回答に対して深掘り質問をされた場合は、どのような質問でも1分以内に答えましょう。1分以内で過不足なく回答することで、会話がテンポよく進むためです。
自身の回答に対する深掘り質問では、以下のような質問が投げかけられます。
深堀り質問の例
- なぜ〇〇だと思ったのか?
- なぜそのように行動したのか?
- 周りからどのように評価されたのか?
- その活動を通じて、何を学んだのか?
- その経験を今後どう活かすのか?
深堀りは志望者の価値観を見極めたり、入社の本気度をチェックしたりするために投げかけられます。1分を目安に回答することで、簡潔に述べつつも、理由や具体例を取り入れながら答えることで相手が必要とする情報を的確に伝えられるのです。
1分以内にまとめるためにも、自己PRや志望動機同様、結論ファーストで話の流れを崩さない受け答えを意識してください。
集団面接の場合
集団面接の場合、理想の回答時間は個人面接よりも短くなります。なぜなら集団面接では決まった時間で就活生全員が回答する必要がある分、一人ひとりにかけられる時間が短いためです。
集団面接は面接官が一つずつ質問を投げかけ、就活生が順番に回答していく形で進みます。そのため全員が回答できるよう、話しすぎないように注意する必要があるのです。
また、質問内容は志望動機や自己PR、長所・短所などどの就活生も答えられる抽象的な質問が多いです。質問が抽象的な分、具体で明確に言い切り、伝えたいことを簡潔に伝えられるかが鍵になります。
ここからは集団面接の理想の回答時間について、深堀りがあるケースをもとに解説します。集団面接ならではの特徴を理解して、回答の簡潔さとわかりやすさでほかの学生と差別化できる状態にしておきましょう。
自己PRや志望動機:1分以内
集団面接で自己PRや志望動機を述べる際の理想の回答時間は、1分以内です。一人当たりの回答時間が限られている分、個人面接よりも簡潔に回答をまとめる必要があります。
集団面接では、回答に対する深堀りが個人面接よりも少なくなります。そのため、一度の回答で伝えたいことを伝え切れるようにしつつ、要点を絞って簡潔に述べる必要があるのが集団面接の難しいところです。
長く話しすぎると、回答内容にかかわらず「ほかの人の回答時間のことを考える協調性がない」と判断されて落とされてしまう場合もあります。一方、回答が短すぎると「熱意が足りない」と思われるリスクもあります。
回答時間そのもので悪い印象を持たれないためにも、過不足なく情報を簡潔にまとめられる準備を整えておきましょう。
- ほかの学生が長めにアピールした際は、自分だけ意欲が低いと思われないよう、自分も長い時間話すべきですか?
回答は適切な長さを保ちつつ質の高いアピールを心掛けよう
ほかの学生が長く話した時こそ、チャンスだと思って、端的に話すことを意識しましょう。長く話す学生がいた場合は、まずそれだけでその学生の評価は下がっています。
また、集団面接は時間が限られているため、面接官はよりタイムマネジメントに意識を向けなければなりません。
そのような状況では、短く話すだけで、長く話す学生よりも良く見え、相対的に高評価につながりやすくなります。
具体的なエピソードや内容は、集団面接を通過した後の個人面接で話せば良いのです。
自分もアピールしないとと焦って長く話してしまうと、両者共倒れになってしまいます。適切な時間内で、質の高いアピールを心がけましょう。
深掘りへの回答:30秒程度
集団面接で回答に対して深堀りされた場合は、30秒程度で簡潔に答えましょう。なぜなら、一人あたりの回答時間が短い集団面接での深堀りでは、個人面接以上に要点を押さえた簡潔な説明が求められているためです。
集団面接は時間がタイトであるため、どうしても気になった場合のみ面接官が深堀りするケースが一般的です。その分聞きたい箇所もピンポイントであるため、実際に深掘りをされたら、そのポイントのみを的確に回答する必要があります。
たとえば、「なぜこの企業でなければならないのか」と聞かれたら、「〇〇だからです。他社では△△できないと感じたため、御社を志望しています。」のように、結論と理由のみを簡潔に答えましょう。
30秒程度で簡潔かつ的を得た回答ができれば、面接官に良い印象を残すことができます。
30〜60分の個人面接の場合
30〜60分の比較的長めの個人面接の場合は、短い面接よりも話の内容が重視されます。なぜなら通常より長い時間の面接のなかで、就活生のことを深く知ろうという意図があるためです。
長めの面接では、通常よりも多く深掘り質問を投げかけられます。回答に対してさらに短めの個人面接より多くの深掘り質問をされるため、より自己分析・企業分析を徹底して、自分の考えを詳細に言語化しておきましょう。
自分の考えを詳細に言語化するには、自分自身に「なぜ?」を繰り返して思考を深めるのがおすすめです。
また、30〜60分の面接では、「〇〇について〇分で述べてください」とリクエストされる場合があります。3分程度の回答を求められることも多いのです。
ガクチカや自己PRなどの重要視される項目には複数のエピソードを用意しておき、それぞれスムーズに述べられる状態にしておきましょう。
30~60分といった比較的長い時間の個人面接が組まれるのは、ある程度人数が絞られた二次選考以降や、採用・応募人数が少なく、応募者をじっくり見極めることに重きを置いた中小企業や専門職の面接や役員面接などでおこなわれることが多いです。
長い面接で内定を勝ち取る方法は、以下の記事で解説しています。プロの解説や具体的な対策法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
自己分析やガクチカなど、面接準備をスムーズに進めるコツは以下で解説しています。参考にして、より面接で好印象を残せる状態にしておきましょう。
自己分析とは
自己分析とは? わかりやすいやり方と選考での6つの活用法を解説
ガクチカ
例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説
面接で適切な回答時間を意識することが重要な3つの理由
面接で適切な回答時間を意識することが重要な3つの理由
- 要点を整理して伝える力が備わっているか見られているため
- 相手が求める情報を過不足なく盛り込めるかが見られているため
- ルールを守ったうえで実力を発揮できるか確認されているため
前述のとおり、面接の種類によって適切な回答時間が異なります。ただ、回答時間の目安だけ聞いても、なぜそれが適切なのか理解できない学生も多くいるでしょう。
ここからは、回答時間を意識することが重要な3つの理由を採用経験のあるキャリアコンサルタントの見解も交えながら解説します。回答時間を通して面接官が何を評価しているのかを理解して、入念な準備をしたうえで面接に挑みましょう。
採用側の視点にも目を向けながら、まずは回答時間を意識する重要性を理解して適切な対策を講じる準備を整えましょう。
①要点を整理して伝える力が備わっているか見られているため
面接での回答時間を通して、面接官は就活生が「大事なポイントを整理して分かりやすく伝えられるか」をチェックしています。
実際の仕事では相手が求めている内容に合わせて情報を選別して、的確に伝える能力が重要視されています。入社後にその能力を鍛える手間がかからないよう、入社時点でその能力が身に付いているかを判断しているのです。
そのため、適切な回答時間を意識してスムーズに伝えられれば、業務も円滑に進められると判断される可能性が高まります。一方で、簡潔に言い切れなければ、面接でも主張がうまく伝わらず、自分の魅力を相手にうまくアピールできません。
自分の魅力を最大限アピールするためにも、面接準備をする際は特に以下の2点をチェックしてみてください。
チェックすべきポイント
- 結論ファーストで論理的に説明できているか
- 誰にでも伝わる分かりやすい言葉を使っているか
面接官にわかりやすく伝えるスキルがあると評価してもらうためにも、回答は理想の時間内に収めましょう。
要点が整理できている学生に対しては、準備ができていて優秀な印象を受けます。逆に、回答内容の要点が定まっていない学生に対しては、準備不足を感じざるを得ないので、おのずと受ける印象もマイナスになってしまうのです。
②相手が求める情報を過不足なく盛り込めるかが見られているため
面接では、面接官が求める情報を時間内に過不足なく盛り込めているかどうかもチェックされています。なぜなら仕事のほとんどはチームで協力しておこなう分、相手の意図を汲み取って情報を的確に伝える能力は欠かせないためです。
たとえば、短所を聞かれた際の過不足の例とベストな回答は以下のとおりです。
例文 | デメリット | |
---|---|---|
超過の例 | 私の短所は優柔不断なところです。選択肢が多いと時間がかかります。学生時代は、〇〇ゼミに所属しており、グループ発表のテーマ選びの際に多くの選択肢がありました。(エピソードが続く)現在は3つの判断基準を事前に設け、その3つを最も高いレベル選択肢を選ぶことにしています。 | 必要な情報も含んでいるが、余分な情報が多すぎて要点がどこかわからない |
不足の例 | 私の短所は優柔不断なところです。決断に時間がかかります。 | 必要な情報がかけており、伝えたいことに説得力がない |
ベストな回答 | 私の短所は優柔不断なところです。学生時代のゼミでは発表のテーマ選びで判断が遅れグループに迷惑をかけました。現在は3つの判断基準を事前に設け、その3つを最も高いレベル選択肢を選ぶことにしています。 | 必要な情報を含んでおり、簡潔に説明できている |
このように、回答が長すぎると自己中心的だと思われるリスクがあり、短いと熱意が伝わらないリスクが高まるのです。
一方、適切な回答時間内に相手の求めることを過不足なく伝えられれば、業務においても他者視点で考えられる優秀な学生と判断される可能性が高まります。
③ルールを守ったうえで実力を発揮できるか確認されているため
入社後は、商談や報告会など限られた時間で最大限の力を発揮することが求められます。そのため、面接におけるルールである決められた回答時間の範囲内で、どれだけの実力を発揮できるかもチェックされているのです。
仕事は人との協力が欠かせない分、面接官はスキルだけが突出している人ではなく、ルールを守りながら周りと協力して力を発揮できる人材を求めています。だからこそ、面接では決められた時間のなかで、要点を分かりやすく伝える必要があるのです。
たとえば、ある就活生が自己PRで論理的かつ具体的に説明していた一方、目安時間の2倍以上にわたって話し続けたとします。この場合、どれだけ話した内容が魅力的でもルールを守らなかったことで落選になる可能性もあります。
ルールを守り、協調性を発揮しながら成果をあげられるとアピールするためにも、面接の回答時間を意識することは重要なのです。
- 回答内容がパーフェクトな場合、ルールを守れていなくても高評価を獲得できることはあるのでしょうか?
長すぎる回答でも評価を得られる可能性はあるが難易度は高い
ここまでに紹介して来た、1つの質問に対する回答時間の30秒〜2分という目安は、人が一度に集中して話を聞ける時間の限界とも言われています。
決して面接官も一問一問に対して、時間を測ってチェックしているわけではありませんが、やはり2分以上話されてしまうと、よほど話が整理されていない限り「長い」と感じてしまうのです。
回答内容がパーフェクトであれば、その分の加点はもちろんありますが、最後まで注意して聞いてもらうだけの話し方の工夫が必要となり、それ以上に話が長いことで減点されるリスクの方が大きくなります。
つまりルールを破って高評価を得るには、かなりハードルが高く、リスクを伴うものと言えるでしょう。
面接で回答時間が長すぎる・短すぎる場合に面接官が抱く印象
ここまで、面接で回答時間を守る重要性を解説してきました。ただ、なかには回答時間を守らないリスクを十分に理解できていない学生もいるのではないでしょうか。
面接経験のない学生にとって、回答時間を守らないことがどのような事態につながるか想像するのは難しいものです。
そのような人に向けて、ここからは回答時間を守らなかった場合に面接官がどのように感じるのかを解説します。採用経験のあるキャリアコンサルタントのリアルな声を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
回答時間が長すぎる場合
回答時間が長すぎる場合、面接官は要点を把握しづらくなります。話の冗長さに意識が向き、それ以降の話を追うのが難しくなるためです。
話が長すぎると、面接官は「結局この学生は何を伝えたいんだろう」と感じてしまいます。そう感じた場合、面接官は深掘りせず、その学生にマイナス評価を付けて次の質問に進む可能性があります。そうなれば、あなたの魅力はその面接官に伝わらなくなってしまうのです。
自分の魅力を最大限面接官に伝えるには、要点を明確にして回答時間の目安に沿って伝える工夫が欠かせません。
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回答時間が短すぎる場合
回答時間が短すぎる場合、面接官は聞きたいことが十分聞けずに不満を抱きます。なぜなら回答時間が短すぎると提供される情報が不十分で、何度も面接官が深掘り質問する手間が発生するためです。
また、あまりにも回答が短すぎる場合、「この学生は自社への志望度が低いのではないか」と判断されるケースもあります。
回答が短すぎてや「志望度が低い」と判断された場合、面接官は途中で深掘り質問を切り上げて、十分な情報を得ようとしなくなる可能性があるのです。
意図せず「志望度が低い」と判断されないためにも、面接の回答時は相手の求めている情報量を会話のなかで判断し、回答時間の目安に沿って回答しましょう。
- 面接での回答時間が長い・短い場合、採用担当者はどのような印象を持つのでしょうか。
「何を言いたのかわからない」と思われる可能性あり
面接での回答時間が長すぎると、相手は聞くことに疲れを感じてしまい、あまり良い印象にはなりません。
なぜなら、採用担当者の立場からしたら、回答時間が長すぎると応募者側が何を言いたいのかを理解することができず、自分の考えなどをまとめる力が乏しいと判断されてしまい、「結局、この人は何が言いたいのだろう」思ってしまうからです。
逆に、回答時間が短すぎても採用担当者の印象には残らず、やる気がないと思われてしまい「会社にとって戦力にならない」と判断されてしまいかねません。
文字数の目安も解説! 面接の回答時間を意識した高く評価される例文
文字数の目安も解説! 面接の回答時間を意識した高く評価される例文
回答時間を守ることの重要性が理解できたら、実際に面接での回答を実際に準備しましょう。ここからは、面接の適切な回答時間に則った実際の例文を解説します。
それぞれの回答時間を遵守した例文をパターン別に5つ、文字数とともに紹介します。
目安時間に則った回答のボリュームとその文字数を押さえつつ、どのような内容をどのくらいの配分で伝えるべきかをチェックして自身の面接対策に活かしてみてください。
それぞれの例文に対するキャリアコンサルタントの見解も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
個人面接での自己紹介の例文:30秒程度
自己紹介の例文
〇〇大学経済学部経済学科の田中太郎と申します。
大学では、機械学習を用いたデータ分析の研究をおこなっており、特にユーザー行動データから購買予測モデルを構築する研究に取り組んできました。
研究を通じて培った論理的思考力と問題解決能力を活かし、御社のデータ分析部門で活躍したいと考えています。
将来的には、複数のユーザーデータをリアルタイムで分析し、有機的に結びつけて最適なマーケティングプランに落とし込めるシステムを実現したいです。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
(231文字)
上記の例文は自身の特徴や強み、キャリアプランを簡潔に伝えられるよう以下のように構成されています。
自己紹介例文の構成
- 冒頭:基本情報(所属と名前)
- 中盤:大学での専攻内容・力を入れたこと(研究内容)
- 終盤:自身の強みとキャリアプラン
- 締め:丁寧な挨拶
前半で研究内容を簡潔に伝えることで、面接官の関心を引きつけられます。中盤・終盤で自身の強みとそれを活かしたキャリアプランを明確に明示して、熱意の高さをアピールしているのもポイントです。
全体として、「自分はどんな人か」「何を学んできたか」「どう貢献したいか」という面接官の知りたい情報を過不足なく提供する構造になっています。
個人面接での志望動機の例文:1分〜2分
志望動機の例文
私が御社を志望する理由は2つあります。
1つ目は、IT技術は解決不可能に見える社会課題でも解決する可能性を秘めていることに気づいたためです。
実際、大学3年次に私が実行に移した「シェアサイクルの最適配置ソリューション」では、学内の移動効率化により、異動にかかる時間ロスが15%削減されました。この経験から、ITは私たちの生活を大きく変化させられると実感しました。
2つ目は、御社が掲げる「テクノロジーで人々の生活を豊かにする」というビジョンに強く共感したためです。
特に御社が提供する健康管理アプリは、高齢者のニーズを徹底的に分析した使いやすいUIデザインが特徴的です。御社のこのアプリも高齢者集落の生活を一変させており、ITを活用して生活を激変させた一例と言えます。
御社に入社すれば、このように社会に大きなインパクトを与えられると感じました。
また、会社説明会で聞いた若手エンジニアの成長ストーリーに感銘を受け、挑戦を恐れず成長できる環境で働きたいと感じたのも、御社を志望する理由です。
御社に入社したら、大学での知見を生かして実際のユーザーに寄り添ったサービス開発に携わりたいと考えています。
具体的には大学で学んだAI(人工知能)の知識とプログラミングスキルを活かし、より多くの人々の健康をサポートするサービス開発に貢献する所存です。
(563文字)
上記の例文は志望動機が相手に伝わりやすいよう、以下のように構成されています。
志望動機例文の構成
- 冒頭:「2つの理由がある」という結論の明示
- 理由1:自身の経験に基づく志望理由
- 理由2:企業理念や特徴に基づく志望理由
- 締め:入社後のビジョン
全体の長さが適切であることもさることながら、一文一文が長すぎず・短かすぎず、テンポの良さが評価できます。
また、内容も「自身の経験→企業理念→貢献イメージ」と論理的に展開されていて、説得力があるように感じられます。
志望動機作りに取り掛かる際は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。以下をチェックしながら作成すれば、よりスムーズに魅力的な志望動機を作成できます。
志望動機
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ
志望動機の作り方
志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説
志望動機の構成
志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説
個人面接での自己PRの例文:1分〜2分
個人面接の自己PR例文
私の強みは課題の本質を見極め、効率的に解決する力です。この強みは大学のマーケティングに関するゼミでの活動を通じて培われました。
大学3年次には、ゼミで地元商店街の活性化プロジェクトでリーダーを務めた経験があります。当初は「若者向けの店舗を増やすべき」という意見がグループの過半数を占めていましたが、そのとき、私はどうしても賛同できずにいました。
その後、私は本当の課題を見極めるため、利用者100人にアンケート調査を実施します。調査結果を分析した結果、実際のおもな顧客は50〜70代であり、彼らが求めていたのは休憩スペースや荷物預かりサービスでした。
この発見をもとに「高齢者が快適に買い物できる環境づくり」を提案し、空きスペースを活用した休憩所の設置と荷物預かりサービスを導入しました。
結果として、利用者満足度は約25%向上し、商店街全体の売上は、前年比で約10%増加しました。
このように、その場の雰囲気に流されずに状況を冷静に判断し、課題の本質を見極めて最適な一手を選択できる点が私の強みです。
御社でもこの長所を活かし、クライアントの本当のニーズ・問題点を見極めたうえで、最適なソリューションを提案できるマーケターとして貢献していく所存です。
(520文字)
上記の例文は自身の強みが相手に魅力的に伝わるよう、以下のような構成になっています。
志望動機例文の構成
- 冒頭:簡潔な強みの明示
- 根拠:結論を補強する具体的なエピソード
- 成果:数値で示された具体的な成果
- 締め:入社後の見通し
例文では、冒頭で「課題の本質を見極め、効率的に解決する力」という明確な強みを簡潔に示し、主張を具体的なエピソードで補っています。
具体例を1つに絞って冗長さをなくし、論理的な順で示すことで説得力を持たせているのがポイントです。
「利用者満足度27%向上」「売上15%増加」という具体的な数字を用いることで、自身の強みがしっかりと発揮されたことも併せて示しています。
自己PRに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。自分の魅力を最大限アピールしたいなら、以下も参考にしつつ自己PRを考えましょう。
自己prの構成
自己PRの構成作成ガイド|PREP・STAR法を使う作成法を伝授
自己pr簡単に
例文20選|自己PRが簡単に書けるテンプレートで就活準備を効率化
就活の自己PR
例文12選|就活必勝の自己PRの作り方をキャリアのプロが解説
39点以下は要注意!
あなたの面接力を診断してください
「面接に自信がない」「今のままで選考通過できるか不安」そんな就活生は自分の面接力を知ることからはじめましょう!
たった30秒で面接力を把握できる「面接力診断」がおすすめです!。簡単な質問に答えるだけで、“あなたの強み”と“改善点”が明確になり、対策もしやすくなります!
・面接でなぜ落ちたかわからない人
・自信を持って、面接に臨みたい人
集団面接での志望動機の例文:1分以内
集団面接での志望動機の例文
私は技術で社会課題を解決する可能性に魅力を感じ、IT業界のトップランナーである御社を志望しています。
私は大学3年次にキャンパス内の移動効率化という課題に取り組み、GPSデータを活用したシェアサイクル最適配置アプリで移動時間のロス削減を実現しました。この経験を通じ、ITが秘めている可能性を実感しました。
御社が展開する健康管理アプリも、ITを通じて社会に大きなインパクトを与えた実例の一つだと思います。高齢者向けUIの先進性とデータ分析の緻密さは、実際に高齢者の生活を激変させています。
また、御社が若手の活躍を促して技術革新を続ける独自の企業文化に惹かれたのも理由の一つです。
入社後はAI(人工知能)とデータ分析の知識を活かし、人々の健康をサポートするサービスを追求する所存です。
(339文字)
集団面接ではより簡潔な回答が求められます。個人面接の例文と比較した集団面接の例文の特徴は、以下のとおりです。
集団面接の例文の特徴
- 具体例や詳細なプロセスを説明を省き、説明を簡略化している
- 「理由は2つあります」のような文言をなくして、情報の密度を高めている
回答時間が短い分、具体例や論点以外の部分は最小限にし、伝えたいことを簡潔に伝えられる構造になっています。
集団面接での自己PRの例文:1分以内
集団面接での自己PRの例文
私の強みは課題の本質を見極め、効率的に解決する力です。それらが発揮された大学のマーケティングゼミでの商店街活性化プロジェクトを例に挙げます。
商店街活性化の課題を掘り下げる際、チームの多くが「若者向け店舗の増設」を主張していました。
課題設定に疑問を持った私は仮説検証のために独自に利用者100人へのアンケート調査を実施します。結果、実際の顧客の70%が50〜70代で、最も要望が高かったのは休憩スペースと荷物預かりサービスだと判明しました。
この発見をもとに、私は投資対効果の高い施策として「高齢者が快適に買い物できる環境整備」を提案しました。その後、発案者として、プロジェクトをリードしていきました。
結果として利用者満足度は約25%向上、商店街全体の売上は約15%アップを実現できました。
御社のマーケティング部門でもこの課題発見力と課題から逆算して最適な方法を探る能力を活かし、クライアントの迅速な課題解決に貢献していく所存です。
(414文字)
集団面接では、長すぎる自己PRはマイナス評価の対象となります。個人面接の例文と比較した集団面接の例文の特徴は、以下のとおりです。
集団面接の例文の特徴
- 話の流れ、説明はそのままに説明をまとめられる複数の文章を一文に凝縮
- 「独自に」「リード」など、自身の主体性がわかる部分で他者との差別化を意識
集団面接では、一人ひとりにかけられる時間が限られるため、概要と結論をコンパクトに伝えることが求められます。
上記の場合、具体と抽象のバランスが良く、数字も効果的に使用できているため、集団面接でもわかりやすい内容になっているといえます。
集団面接については、以下の記事でも詳しく解説しています。初めての集団面接前にチェックして、自信を持って臨める状態にしておきましょう。
集団面接の流れ
集団面接の流れを完全攻略|入室前から退室まで手順を丁寧に解説!
集団面接の質問
集団面接で対策必須の質問11選! 短い回答で勝ち抜く5つの秘訣も
回答時間を守れなくても採用される3つのケース
回答時間を守れなくても採用される3つのケース
- 相手が詳細な説明を求めているケース
- 事前に共有している研究内容などを詳しく説明するケース
- 説明が論理的かつ具体的で聞き手が長いと感じないケース
ここまで解説したように、面接では相手に過不足なく情報を伝えることが重要です。質問内容ごとに適切な回答時間を守ることで、相手にストレスをかけずに自分の伝えたいことを伝えられます。
ただ、回答時間を守れていなくても面接官から高く評価されるケースがあるのも事実です。ここからは、そのようなイレギュラーなケースを3つ紹介します。
あくまで回答時間を守るのが原則ですが、参考までにイレギュラーなケースもチェックしておきましょう。事前に知っておけば、面接時に臨機応変に対応できる可能性が高まります。
①相手が詳細な説明を求めているケース
面接官が補足情報や深掘りを交えながらの詳細な説明を求めている場合、回答時間の目安を超えても内容によっては高く評価されます。なぜなら、求められた情報を詳細な部分まで交えて提供することで、面接官のニーズに応えられるためです。
具体的に以下のようなときには、回答時間よりも具体的で詳細な説明を意識しましょう。
回答時間の目安を超えてでも詳細に説明すべきケース
- 面接官が「〇〇についてもう少し詳しく聞かせてください」と要求された場合
- 「具体例を挙げてもらえますか?」と例示を交えた詳細な説明を求められた場合
- 業界特有の知識や専門性について掘り下げて質問をされた場合
詳細な説明が求められているかどうかは、面接官の言葉や態度から判断する必要があります。
「詳しく」「具体的に」といった言葉だけでなく、興味を示しているような面接官の表情やメモや頷きなどの仕草にも注目して、自分がより詳細な説明をすべきなのか判断しましょう。
- 採用担当者がどんな仕草や反応をすると回答時間が守れていなくても採用される可能性が高いでしょうか。
深い相槌や熱心にメモを取る態度などは好感触の可能性あり
採用担当者が「この人を採用したい」と感じたときに取る行動としては、回答に対して深く頷く仕草を見せたり、真剣に目を見て聞くなど積極的な姿勢を見せたりします。
ほかには、回答に対しての深い質問をおこなってきたり、メモを熱心に取ったりなどの行為は、「この人を採用したい」と思えば思うほど回数が増えてきます。
基本的に採用担当者は限られた時間で面接をおこなっているため、採用したいと思う人には時間をかける傾向が強く出てきます。
このように真剣に聞く姿勢を採用担当者が見せたときは好印象だと思って頂ければと思います。
②事前に共有している研究内容などを詳しく説明するケース
事前に共有している履歴書やES、研究概要書などについて説明する際も、回答時間の目安以上の詳細な説明が求められている場合があります。
なぜなら、面接官は事前に情報をチェックしている分、より詳細な説明や専門的な内容についての解説を求めていると予想されるためです。
特に研究内容や具体的な経験に関する質問が投げかけられた場合、書類だけではわからない詳細な説明を求めている可能性が高いです。
研究や論文に対する詳細な説明を求められた場合は、回答時間の目安以上の時間を使って説明しても問題ないケースが多いですが、説明が冗長にならないように伝え方は工夫しましょう。
具体的には、「私の卒業研究では、〇〇という課題に対して△△という手法で接近し、××という成果を得ました。この経験は貴社の◇◇において活かせると考えています」といった、具体的かつ簡潔に説明を心掛けてください。
相手の聞きたい部分を見極めつつ、数字や例を用いて具体的に説明することで、できる限りわかりやすく、簡潔に相手に要点を伝えられます。
面接官からの評価が点数でわかる! 本番に備えて面接力を測定しよう!
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- もうすぐ初めての面接がある人
- 自信のあった面接に落ちてしまった人
- 面接への不安を和らげたい人
③説明が論理的かつ具体的で聞き手が長いと感じないケース
話の内容が整理されていて、具体的な事例や数字を交えながら説明できていれば、多少長くても高評価を得られる場合があります。なぜなら、質の高い情報を効率的に伝えられていれば、相手は「回答が長い」と感じづらいためです。
論理的で具体的な説明は、聞き手にとって心地良さと納得感を持たれることがあります。内容がうまく伝わるだけでなく、論理的な話し方をする学生という印象も残せるため、総合的な評価が高くなる傾向があるのです。
ただし、論理的な説明であっても相手が長いと感じるほどの時間オーバーは厳禁です。長すぎる説明は、論点を整理できない、聞き手への配慮が足りないといった印象を相手に持たれる可能性があります。
論理的かつ具体的に説明できる自信があっても、回答は2〜3分以内に収めましょう。
「序論・本論・結論」のように段落と各段落の役割が整理されていると、多少長くても気にならないかなと感じます。
段落を意識することで、聞き手側も何となくの終わりが予測できるため、多少の時間の超過は許容範囲に思います。
面接の回答を時間内に収めるために意識すべき3つのコツ
面接の回答を時間内に収めるために意識すべき3つのコツ
- 結論ファーストで要点を簡潔にまとめる
- 面接官の質問の意図に沿った回答を最優先する
- 具体的なエピソードは小出しにして話す
ここまでの解説を参考にすれば、回答時間に則った回答の原稿をスムーズに作成可能です。
しかし、実際の面接で原稿通りに完璧に回答できる人は稀です。緊張していたり練習が不十分だったりすると、原稿を用意していても回答時間に合わない回答をしてしまう可能性があります。
ここからは、覚えておくことで本番でより回答時間に収めやすくなる3つのコツを解説します。本番だけでなく、練習の段階から意識しておけば、回答時間を守って情報を過不足なく伝えられる可能性が高まります。
①結論ファーストで要点を簡潔にまとめる
回答時間を時間内に収めるためには、まず質問への答えを簡潔かつ明確に述べ、その後に補足説明や具体例を加える話し方が有効です。なぜなら就活では、相手が求めている情報をわかりやすく伝える能力があるかどうかがチェックされているためです。
結論ファーストで相手に情報を伝える際は、できるだけ簡潔に結論を述べましょう。最初の結論が冗長だと相手に要点が伝わらないため、一言で簡潔に言い切ることが重要です。
結論を明示したうえで具体的な理由やエピソードを説明できれば、企業が求める「要点を中心に情報を伝える能力」が身に付いていることを示せます。
ビジネスシーンでは、誤解を生まない簡潔なコミュニケーション能力が重視されます。回答の目安時間内に収め、簡潔かつ具体的な説明で自身のコミュニケーション能力の高さをアピールしましょう。
②面接官の質問の意図に沿った回答を最優先する
回答時間の目安を順守するのも重要ですが、それ以上に面接官の意図に沿った回答を提示することも重要です。
なぜなら、ビジネスシーンでは相手の求める情報を過不足なく伝える能力が求められるためです。入社後にスムーズなコミュニケーションが取れることを示すためにも、就活の面接では面接官が欲しい情報を見極め、適切な情報を提供する必要があります。
相手が求める情報を提供するために、以下3つのことを考えてみましょう。
面接官の意図に沿った回答をおこなうために考えるべきこと
- その質問を通じて相手が何を知りたいのか考える
- 相手を満足させるのにどの情報をどの程度伝えるべきかを考える
- 提供すべき情報をどの順序で示せば伝わりやすいかを見極める
たとえば「学生時代に頑張ったことは何か」と質問されたら、単なる活動内容だけではなく「どんな困難に直面し、どのように乗り越えたのか」「その経験から何を学んだのか」といった状況説明や成長プロセスを伝えることで、物事に対してどのように頑張ったのかまでアピールできます。
質問に対して上記3つのポイントを瞬時に判断し、相手に過不足なく、わかりやすく情報提供できるように練習しておきましょう。
③具体的なエピソードは小出しにして話す
面接で経験やエピソードを語る際は、すべてを一度に語るのではなく、少しずつ相手に伝えることを意識してください。なぜなら、情報を小出しにして話すことで情報の取捨選択能力と臨機応変な対応力の高さを示せるからです。
具体的には、まずは重要なポイントだけを簡潔に伝え、面接官の反応を見ながら必要に応じて詳細を伝えていきましょう。
情報の取捨選択能力と臨機応変な対応力は、ビジネスシーンでも求められる能力です。自身に関する膨大な情報から重要なポイントをピックアップし、相手にとって必要な情報を提供できれば、基本的なビジネススキルが身に付いていると評価されます。
またエピソードを小出しにして話すことで、限られた時間を有効活用できます。
面接官の反応を見ながら説明のボリュームを柔軟に調整できれば、相手視点で状況判断できる学生という評価も得られるのです。
- 深掘りされる可能性を恐れて、最初からエピソードを細かく話しすぎてしまいます。エピソードを小出しにする際、どこまで情報を出すべきか見極めるコツはありますか?
自分の実績とそれを達成するための工夫は確実に伝えよう
エピソードを小出しにする際のポイントとして、序論・本論・結論を意識して情報を出していくと良いでしょう。
エピソードを話さないと、相手にうまく伝わらず、伝えすぎると文書が散らかり、うまく伝わらないという場合があります。
どこまで話すかはエピソード次第で変えるのが良いと思いますが、大切なのは、自分の実績とそれを達成するためおこなった工夫を確実に伝えることです。
面接で臨機応変な対応力をアピールにも活用したい人は、以下の記事も併せてチェックしてみてください。4ステップで具体的なアピール方法を解説しています。
面接対策において、回答の時間以外にも重要なポイントを確認しておきたい人は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
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就職活動の面接は、基本的な流れは理解していても、細かいポイントに不安を感じている人も多いものです。その不安から面接本番での緊張や失敗につながってしまうことも少なくありません。ただしたった6つのポイントを押さえるだけで面接での評価は大きく変わります。この記事では、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ、解説するのでぜひ参考にしてくださいね。
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面接の回答を時間内に収めるための効果的な事前対策6選
面接の回答を時間内に収めるための効果的な事前対策6選
前述で解説した3つのコツを意識して面接に臨めば、回答を時間内に収めて面接官から高く評価される可能性が高まります。ただ、あくまでコツであり、無意識にできるレベルまで高めるには練習が必要です。
しかし、具体的にどんな練習・準備をすれば良いかわからない人もいるのではないでしょうか。
ここからは、面接で回答を時間内に収めるコツを身に付けるための具体的な事前準備の方法を6つ解説します。
先ほど紹介した3つのコツを頭に入れたうえで以下の6つの対策を徹底すれば、本番で時間内に回答して高評価を得られる可能性をさらに高められます。
①質問への回答を紙に書き出して適切な回答の長さを把握する
面接で出題されることが想定される質問に対する回答を紙に書き出すことで、伝えたいことを整理し、適切な長さで伝える感覚を身に付けられます。
回答内容を可視化してチェックすることで、自分の回答を客観的に分析しやすくなります。書き出した文章を見直せば、冗長な部分や不足している情報が見つかりやすくなり、より洗練された回答の準備が可能になるのです。
文字起こしする際のチェックポイントは、以下のとおりです。
自身の回答でチェックすべきポイント
- 十分な間を置いて読んでも適切な回答時間の範囲内に収まるか
- 予想される質問に対して過不足なく情報を盛り込めているか
- 要点は明確になっているか
- 自分を知らない人が聞いても伝わるほど、具体的に説明できているか
回答を作成する際はまずは文字に起こしてみて、第三者視点で情報の過不足や論理性を判断しましょう。このステップを踏むだけで、回答が一層相手に伝わりやすいものに変わります。
②想定質問に対する伝えたいことを箇条書きでまとめておく
回答内容を文字として可視化したら、その回答の要点を箇条書きでコンパクトにまとめておきましょう。絶対に伝えたいポイントをピックアップしておくことで、本番で余計な情報を省いて簡潔に回答しやすくなります。
箇条書きでまとめておくことでアピールすべき情報の優先順位が明確になり、限られた時間内で伝えたいことを優先して伝えられます。「不要な情報ばかり伝えて、肝心のアピールポイントを伝えられなかった……」と後悔する可能性を低く抑えられるのです。
また、要点を箇条書きにして面接直前に見直しておくことで、面接本番の緊張状態でも要点を思い出しやすくなります。
ただし、要点を抑えておくだけでは回答の時間感覚を身に付けられない点には留意しておきましょう。
箇条書きで要点をピックアップする際は、併せて回答を時間内に収めるために、練習で時間感覚も養っておくことが重要です。
メモにまとめておいたことを面接時に確認しても良いのか、気になる人もいるでしょう。以下ではメモを活用できる選考の場面や適切なマナーについて詳しく解説しているため、不安な人は確認しておきましょう。
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面接の不安を解消! 本番前に面接力を測って弱点を発見しよう
不安を抱えたまま面接本番に臨むと、面接官に好印象を残せず、内定が遠のいてしまう可能性があります。
そんなときこそ「面接力診断」を受けましょう。
簡単な質問に答えるだけで自分の弱点がわかり、改善方法も提案してもらえます。ぜひ活用して面接を突破してください。
- 近く面接本番を控えている人
- 自分の面接の改善点を知りたい人
- 過去の面接で力を発揮しきれなかった人
③PREP法やSDS法などの構文をもとに話せる準備をする
本番で回答時間の目安に沿って情報を伝えたい人は、PREP法やSDS法などの構造化された話し方のフレームワークを使用して回答を準備しておきましょう。伝わりやすいフレームワークを活用するだけで、一気に自身の考えを整理して相手に伝えやすくなります。
PREP法
結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)の順で説明する伝え方。話の要点が相手に伝わりやすく、聞き手がストレスなく話を理解しやすくなる。
SDS法
要点(Summary)→詳細(Details)→要点(Summary)の順で説明する伝え方。PREP法同様のメリットがあり、PREP法よりも簡潔に伝えたい場合に向いている。
これらの構文を用いて要点を明確に伝えられれば、面接官に「論理的思考ができる人材」という印象を持たれる可能性が高まります。
また、話す順序を事前に明確にできるため、緊張して頭が真っ白になっても相手に伝えるべきことを思い出しやすくなるのもフレームワークを活用する大きなメリットです。
兎にも角にも結論ファーストです。結論から伝えることができているだけで、面接官は話の要点を理解することができ、その後の話も伝わりやすく、深堀りの質問がしやすくなります。
まずは結論ファーストで話せるようになることを意識してみてください。
④受け答えの時間を繰り返し測って時間感覚を養う
本番では回答時間を測りながら話すことはできません。受け答えの内容に集中するためにも、自分が今どのくらいの時間話しているのかを大まかに把握できる状態にしておく必要があります。
そのために、想定質問に対する回答を声に出して練習し、その時間を繰り返し測って回答時間の感覚を身に付けておきましょう。事前に時間感覚を養っておくことで、本番でも無意識に適切な長さで回答できる可能性が高まります。
そして、繰り返し練習する際は、時間感覚を養うだけでなく以下のポイントも併せてチェックしましょう。
練習で意識すべきポイント
- 回答を録音して聞き直し、話すスピードや間の取り方を確認する
- 家族や知り合いに協力してもらい、実際の面接形式で練習する
- 慣れたら想定外の質問でも同様に時間内に収められるかをチェックしておく
上記を意識して練習しておけば、どのような質問にも聞き手にとって心地良いリズムで回答できます。
⑤実践練習を通じて予想外の質問でも時間内に答えられる状態にする
想定する質問に対して時間内に答えられる状態になってきたら、次は予想外の質問に対して簡潔に答える練習に移りましょう。
面接本番では、予想していなかった質問が投げかけられる機会が多くあります。特に、選考中盤以降の課長や事業部長などの役職者との面接では、想定外の切り口からの質問や本質的な質問を出題されることも多いのです。
これらの質問にも焦らず、回答時間内に論理的な回答を提示できるかどうかが選考突破の鍵です。だからこそ、面接前に予想外の質問にも答えられる対策を講じておくことが重要なのです。
想定外の質問にも冷静に対応するには、模擬面接を何度もおこなって予想外の質問への対応力を高めておく必要があります。本番に近い状況での練習を繰り返し、予想外の質問を投げかけられても即座に思考して回答できる状態に仕上げておきましょう。
採用側の立場からしたら、応募者が答えた回答に対して、5W1Hの質問を返すことが多いです。この質問が出るということは回答内容が具体的ではないからです。
事前の準備としては自分が話す内容において、「5W1Hといった具体性があるのか」を確認しておきましょう。
⑥自己分析・企業分析を入念におこなっておく
自己分析・企業分析を徹底しておけば、面接官の質問の意図を素早く理解して、的確かつ本質的な回答を返しやすくなります。なぜなら事前に自分自身と企業に対して深く理解しておけば、その知識をもとに回答内容を考えられるためです。
たとえば企業分析を徹底していれば、面接官の思考を想像しやすくなり、質問の意図を即座に把握しやすくなります。そのうえで自己分析を徹底しておけば、質問に合った、かつ自分を効果的にアピールする回答を思いつきやすくなるのです。
深い自己分析・企業分析によって回答内容を考える時間が短縮され、面接官の意図に沿った企業に評価されやすい回答を返せるようになります。
なお、練習ですぐに回答が思いつかない場合、自己分析と企業分析のどちらかが足りていない可能性があります。スムーズに回答できない時は無闇に面接練習を続けるのではなく、一旦自己分析と企業分析が十分かチェックしてみましょう。
実際に企業分析に取り掛かる際は、以下の記事も参考にしてみてください。3ステップで企業分析をおこなう具体的な方法を解説しています。
面接で質問に回答する際の5つの注意点
面接で質問に回答する際の5つの注意点
ここまでの内容を実践して経験を積み、本番に臨めば適切な回答時間で面接官に高評価を残せる可能性が高まっていると言えます。
ただ、面接本番で回答時間に縛られすぎると、かえって自分の魅力や伝えたいことを効果的に伝えられない可能性があるのも事実です。
そこでここからは、実際に回答する際に注意すべき5つのポイントを解説します。回答時間を意識しすぎるあまり相手に響かない回答にならないよう、事前にチェックしてから面接に臨みましょう。
①回答時間に縛られすぎない
面接での回答時間はあくまで目安であり、厳密なルールではないため過度に意識する必要はありません。重要なのは伝えるべき内容を相手に届けることです。時間制限に縛られすぎて本来伝えたいことが伝わらない事態は避けましょう。
回答時間を重視しすぎると、目安時間に収まりそうにない場合に焦りが生じてしまいます。結果、話の内容が希薄になったり、大事なポイントを飛ばしたりして、かえって悪い印象を持たれる可能性があるのです。
そのため、回答時間はあくまで目安として捉え、面接官の表情や反応を見ながら柔軟に変更しましょう。
最も重要なのは回答の質です。本番では回答時間に縛られすぎず、伝えたいことを伝えきることに集中しましょう。
②時間内に収めようと早口で話すのは避ける
本番で回答時間の目安をオーバーしているように感じても、時間内に詰め込もうと早口になるのは避けるべきです。急に早口になると相手が聞き取りにくく感じるだけでなく、情報が正確に伝わりづらくなります。
また、終盤で急に早口になった場合、面接官はあなたが焦っていることに気づきます。そうなると、冷静さが欠けている、準備が足りていないといった印象を持たれてしまうのです。
本番で長く話しすぎていると感じた場合は、要所を押さえながらできるだけ簡潔な説明で回答を締めましょう。自然な流れを意識しつつ、必要最低限の説明で回答し切れば、むしろあなたの落ち着きをアピールできます。
③理想の回答時間より短くても同じ内容は繰り返さない
面接では、話す内容が思い浮かばずに目安時間よりも回答が短くなってしまうこともあります。その場合でも、すでに話した内容を繰り返して時間を埋めるのは避けましょう。
同じ内容を繰り返すと、説明が一気に冗長な印象になります。冗長な回答は相手が要点を理解しづらくなるだけでなく、内容の薄さを隠そうとしている印象を持たれる可能性が高いです。
回答の目安時間に満たないと感じた場合、無理に補う必要はありません。簡潔に要点を伝えられることはむしろ高評価につながることもあります。「以上です」とはっきり締めくくることで、自信に満ちた雰囲気を面接官にアピールできます。
ただし、明らかに面接官が求めている内容を提示できていないと感じた場合は、情報を付け加える必要があります。
その場合は一度回答を締めたうえで、「補足させていただくと…」と前置きして追加情報を提供したり、「この点についてもう少し詳しくお話したほうがよろしいでしょうか」と面接官に判断を委ねたりするのがおすすめです。
面接のなかで、「補足させていただくと…」などの対応を取れる学生に対しては、「落ち着いていて周りを見ながら話を進められる」という印象を抱きます。
こういった対応ができるという点は、業界問わず、非常に好印象です。
④面接官の反応や質問によって回答時間は調整して良い
前述のとおり、面接での回答時間の目安は絶対的な指標ではありません。あくまで目安であるため、相手の反応や質問内容によっては回答時間を調整すべきケースもあります。
たとえば面接官が頷きながら笑顔で話を聞いていたり、「その後、どうなったのですか」といった深掘り質問を投げかけてきたりした場合は、より回答時間を伸ばして詳細に説明するのがベターです。
逆に面接官が時計を見ていたり、注意力散漫な様子だったりする場合には、より簡潔に、テンポよく回答すべきです。
反応を無視して目安時間に縛られていると、面接官の興味を引けないだけでなく、独りよがりなコミュニケーションしかできない学生と判断されます。
そのため、面接官の反応を見ながら回答時間を調整して、コミュニケーション能力の高さを示しましょう。面接官の表情やジェスチャー、うなずきの頻度などの非言語的サインを観察することで、相手がどの程度の回答を求めているのか大まかに予測できます。
⑤回答の時間指定がある場合は厳守する
面接では相手の様子を観察して柔軟に回答時間を変えることが重要です。しかし、明確な時間制限が設けられている場合は、その制限を厳守しましょう。時間制限を無視して話すと時間管理能力やルールを守る姿勢がないと判断され、大幅なマイナス評価となります。
特に集団面接や構造化面接では、すべての応募者に同じ条件で回答してもらうために時間制限を設けていることが多く、時間超過は明らかな減点対象となります。
構造化面接
あらかじめ設定された評価基準・質問項目をもとにおこなわれる面接。一定の評価基準が用意されているため、面接官によって評価が大きく変動しないのが利点。
厳格な制限時間がある場合は、事前準備で確実に時間内に回答できる準備を徹底しておきましょう。
「30秒前です」などの案内がある場合は、それに合わせて適切に話をまとめる練習も重要です。何度も繰り返し練習しておくことで、本番で臨機応変に対応できる柔軟性が身に付きます。
回答時間だけではない! 面接で重要視される3つの要素
回答時間だけではない! 面接で重要視される3つの要素
- ほかでもないその企業に入社したいという熱意
- 企業と志望者のマッチ度
- 企業にもたらせる価値
面接で自分を魅力的にアピールする際、適切な回答時間を守ることは重要な要素であることを説明してきました。ただ、回答時間を意識しすぎるあまり、肝心の内容が薄くなってしまうと、時間内に収めようと努力する意味がありません。
ここからは、面接で重要視される回答時間以外の3つの項目を一つずつ解説します。面接で評価されるポイントを多面的に押さえ、自分の魅力を最大限アピールしましょう。
①ほかでもないその企業に入社したいという熱意
面接で最も重視される項目の一つが、志望者の熱意です。熱意があれば企業のために努力を重ね、継続的に企業の成長に貢献してくれると判断されるためです。
就活では、ほかでもないその企業に入社したいという強い意志を示せなければ内定は勝ち取れません。ESから一次面接、最終面接まで一貫して熱意をアピールし続けることで、本当にその企業に入社したいという気持ちを伝えられます。
ただし、熱意は回答時間の長さではなく質でも判断されます。とにかく自分の思いを伝えるだけでは、どれだけ熱意があっても相手には伝わりません。
そこで熱意を効果的に伝えるためにも、以下のポイントを押さえて効果的にアピールしましょう。
熱意を効果的に伝えるポイント
ポイント | 詳細 |
---|---|
企業研究を徹底する | 企業理念や事業内容はもちろん、企業の方針や欠けている要素を深く分析して、自分が提供できる価値やメリットを明確にする。 |
深い自己分析で自分の特徴や提供できる価値を明示する | 徹底した企業研究に深い自己分析を掛け合わせ、提供できる価値や自分を採用するメリットを具体的に示す。 |
その企業にしか当てはまらない志望動機を練り上げる | その企業にしかない魅力や、その企業以外では実現し得ないキャリアプランなどを述べて、ほかでもないその企業を志望する理由を述べる。 |
面接では上記3点を押さえつつ、回答時間の目安に収まるよう簡潔に伝えることを心掛けましょう。
熱意を求める理由は、入社後の定着率や活躍度合いに直結するからです。
熱意のある学生は、困難に直面しても粘り強く努力したり、主体的に学び成長することができるため、面接でチェックされます。
また、新卒採用はスキルよりもポテンシャルを重視されるため、熱意の有無がポイントとなります。
②企業と志望者のマッチ度
志望者と企業のマッチ度の高さも、企業が面接でチェックする最重要項目の一つです。企業の考え方や方針と、志望者の価値観がマッチしていれば、早期退職のリスクが低く、長期的に活躍できると判断できるためです。
マッチ度とは、具体的には以下のような項目を指します。面接では、以下の3点がマッチしていることを示すのが重要です。
企業がチェックしているマッチ度の具体例
- 企業理念と志望者の価値観に共通項があるか
- 業務内容と志望者の強みの相性が良いか
- 志望者が企業文化や社内の雰囲気にに適応できるか
面接官は上記のようなポイントを見つつ、志望者が入社後に活躍しているイメージが湧くかどうかをチェックしています。
面接では回答時間に注意を払いつつも、企業研究と自己分析をもとにマッチ度の高さを示して自分が企業に貢献できることをアピールしましょう。
③企業にもたらせる価値
面接官が最終的に志望者の合否を判断する際は、「応募者が組織にどれだけの価値をもたらすか」に注目します。そのため内定を勝ち取るには、自分が企業に何らかの価値をもたらせることを選考を通じて伝える必要があるのです。
企業が合否を判断する際、具体的には以下のような観点で志望者をチェックしています。
判断基準の例
- 企業の成長分野に貢献できるか
- 企業に足りていない部分を補えるか
- 企業に順応してチームを活性化できるか
企業は利益拡大と企業の成長のために採用活動をおこなっています。だからこそ、上記のように企業に貢献できることを示す必要があるのです。
ただし、どれだけ自分がもたらせる価値を示しても、そこに根拠がなければ面接官には信じてもらえません。企業にもたらせる価値を示す際は数字や実績などで裏付けを持たせ、企業のどのような事業に、どのような価値を提供できるのかを具体的に示しましょう。
- 自分が企業にもたらせる価値が見当たりません。その場合、どのように自分の価値をアピールすれば良いのでしょうか?
自己分析・企業研究をやり直して提供できる価値を見極めよう
この手の問題に突き当たる方は学生に限らず、少なくありません。そして、往々にしてこういった問題にあたる方々は自己分析か企業研究、あるいはその両方が不足していることが多いです。
企業にもたらせる価値や自身の価値が分からないときは、焦らずに改めて自己分析や企業研究からやり直し、それぞれの解像度を上げることからやり直してみましょう。
回答時間以外にも意識を向けよう! 面接で評価を高めるための5つの工夫
回答時間以外にも意識を向けよう! 面接で評価を高めるための5つの工夫
面接における回答時間の重要性や、企業が面接で重要視している要素について解説してきました。
ただ、ここまでの内容をふまえて、「重要なポイントは理解できたけど、面接本番で高く評価されるには具体的にどのようにすればいいのかわからない」と疑問を持っている学生もいるのではないでしょうか。
最後に、面接で評価を高めるための具体的な工夫を、5つに分けて解説します。ここまで解説した評価のポイントや作成した原稿と併せて活用し、初の面接でも確実に高評価を勝ち取れる準備を整えておきましょう。
①一方的なアピールではなく面接官との対話を心掛ける
面接では相手に自分の魅力を一方的にアピールするのではなく、面接官との対話を心掛けましょう。
なぜなら、面接では志望動機や志望者の特徴だけでなく「スムーズにコミュニケーションを取れるか」「入社後の業務遂行に支障をきたさないか」などもチェックされているためです。
面接官との対話を重視する姿勢を心がける、実際の業務で必要とされるコミュニケーション能力の高さを示せます。また、質問の意図を正確に理解して柔軟に受け答えを調整することで、ビジネスの場で重要視される臨機応変に対応する力もアピールできます。
面接では自分のことを伝えるだけでなく、相手を観察し、求められている情報を過不足なく提供することも意識しましょう。
②企業とのマッチ度の高さと提供できる価値を中心に伝える
前述のとおり、面接では企業とのマッチ度の高さや自分の提供できる価値を具体的に示すことが、内定獲得の鍵となります。面接に臨む際は、企業とのマッチ度の高さや自分の提供できる価値を具体的に伝え、企業担当者が入社後の活躍を想像できるようにアピールしましょう。
具体的には、以下のようにマッチ度の高さを提供できる価値を示してください。
自己PRの例文
私は長期視点での計画力、実行力を武器に御社のAI(人工知能)イノベーション事業に貢献します。
実際、大学時代には自身の強みを活かして、地域の子供達のデジタル教育を支援しました。
私は地域の約半数の子どもがデジタル教育から取り残されているという課題に直面し、研究の一環としてプログラミング教室を実施します。自身の計画力と実行力を武器に3週間ごとのプログラムを組み、約半年間教室を運営しました。
プログラミング教室には70名の小学生が参加。最終的に、参加前は「コンピュータが苦手」と言っていた小学生の約85%がプログラミングに興味を持ち、アンケートでは約60%の参加者がIT関係の仕事に就きたいと回答してくれました。
このように私は課題と利用できるリソースをもとに最適なアプローチを導き出し、実際にそれを形にできます。
現在、御社は新規事業立ち上げに注力しており、若手が提案する新規事業が利益の柱の一つとなっています。入社後は御社の理念である「ITは社会を変える」に則り、初年度から新規事業を立案して、御社の積極的な利益拡大に貢献する所存です。
上記例文のように、マッチ度の高さと提供できる価値を具体的かつ簡潔に伝えて、自分が企業にとって有益な存在であることをアピールしましょう。
上記のように、自分の実績を具体的な体験をもとにして説明できていて、そこから応募している会社の取り組みに対して、「自分はこのような長所を活かして貢献できます。」と説得力を持たせることができているので良い印象を受けます。
③聞き取りやすいスピードでハキハキと話す
面接で相手が聞き取りやすいように話すことは、基本中の基本です。ハキハキとした声の明瞭さと適切なスピードを意識することで、内容の伝わりやすさを格段に向上させられます。
どれだけ話す内容が魅力的でも、聞き取りづらければあなたの良さは相手に正確に伝わりません。
そのため、面接の受け答えでは相手が聞き取りやすいはっきりとした話し方を心掛けましょう。緊張すると人は早口になる傾向があるため、練習の段階から少し遅めに話すことを意識するのがおすすめです。
また、重要なポイントを伝える前や、話題を切り替える際には間を取るのも効果的です。抑揚をつけて、重要な点が相手に伝わるように心掛けましょう。
聞き取りやすい話し方を意識することでコミュニケーション能力の高さを直接示すだけでなく、自信や誠実さ、社会人としての基本的なマナーが身に付いていることも同時にアピールできます。
コミュニケーション能力をアピールしたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。12の例文とともに、コミュニケーション能力のアピール方法を詳しく解説しています。
④回答の際は振る舞いや話し方も意識する
言葉の内容だけでなく、姿勢や視線、表情、ジェスチャーなどの非言語コミュニケーションも面接評価の重要な要素です。なぜなら、非言語コミュニケーションは、言葉では表現しきれない自信や熱意、誠実さ、協調性などの人柄を伝える重要な手段となるためです。
なお、心理学上の法則であるメラビアンの法則によると、人間は言語情報以上に視覚や聴覚で物事を判断していると言われています。
メラビアンの法則
人と人とのコミュニケーションにおいて、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で情報伝達の役割を担うという法則。たとえば表情と話す内容にずれが生じている場合、表情から得る情報を優先して判断する。
つまり、声のトーンや話し方、面接時の仕草などは無意識に評価に影響すると言えるのです。
そのため、面接では自分の性格や話の内容に合った自然な振る舞いを心掛けましょう。模擬面接を録画して客観的な視点で自分の仕草をチェックしておけば、自信を持って面接に臨めます。
こういった振る舞いや話し方は、何度も練習をこなした賜物であることがほとんどです。
そのため、こういった振る舞いや話し方ができる学生に対しては、そうでない学生と比べて就職に対する熱意、自社に対する熱意、誠実さなどを感じます。
面接の話し方については、以下の記事でも詳しく解説しています。これまで多くの学生の面接対策をサポートしてきたキャリアコンサルタントのアドバイスを、ぜひ参考にしてみてください。
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面接での話し方をマスターするには押さえておくべきいくつかのコツがあります。記事では、採用経験のあるキャリアコンサルタントとともに、話し方や伝わる話の構成について説明します。うまく話すための練習方法など、面接対策に今すぐ活かせる内容も解説します。
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⑤面接のマナーや服装のルールを順守する
面接における基本的なマナーや適切な服装は、凡事を徹底する能力と相手への敬意を示す重要な要素です。どれだけ話が魅力的で企業とマッチしていても、マナーやルールを守れない学生が内定を獲得するのは不可能です。
マナーや服装のルールを守ることは、社会性の有無や組織への適応能力の高さを示す指標となります。だからこそ、就活のマナーを守れない学生は適応能力が低く、職場に適応できないと判断されるのです。
マナーや服装、身だしなみのルールは面接での第一印象を左右する重要なポイントです。回答の内容や自身の特徴で適正に評価してもらうためにも、本質でないマナーやルールで自身の評価を悪くすることは絶対に避けましょう。
面接に臨む前に、以下の記事も必ずチェックしておいてください。服装やマナーでマイナス評価を受けないための具体的な方法を、詳しく解説しています。
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面接の適切な回答時間に沿って要点を絞り自分の魅力を最大限伝えよう
この記事では、質問ごとの適切な回答時間や面接で回答時間を守るべき理由について解説しました。時間の目安に沿って回答することで、伝えたいことを相手が求めている形で伝えられることが理解できたと思います。
併せて回答を時間内にまとめる具体的なコツや事前準備、回答時間以外に意識すべきポイントについても解説しました。
記事を見ながら面接対策すれば、初めての面接にも自信を持って臨み、適切な受け答えで面接官に好印象を残せる可能性が高まります。
回答時間だけでなく回答の質にもこだわり、内定をつかみ取りましょう。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る面接で適切な時間で回答することは能力のアピールにもつながる
面接において適切な回答時間を意識することは、あなたの伝える力を評価する重要なポイントです。時間内に的確に答えることで、面接官に「この学生は要点をまとめて伝えられる」と好印象を持ってもらえます。
また、その後の深堀り質問もしやすく、質の高い面接ができるようになるため、ミスマッチが減り両者とも良い面接となるでしょう。
面接の回答時間を意識するうえでも、特に結論ファーストを意識しましょう。PREP法を活用すれば、簡潔でわかりやすい回答ができます。
まずは一度、想定質問とそれに対する自分の回答を書き出してみてください。アウトプットすることにより、より客観的に自分の回答をチェックすることができます。
回答時間の感覚や自然な会話スキルは何度も練習することで身に付けられる
次に、回答時間の感覚を身に付ける練習をしましょう。
時間を測りながら模擬面接をおこない、30秒・1分・2分などの感覚がつかむことができます。模擬面接を通じて、本番でも時間を意識しながら落ち着いて話せるようにしておくことが重要です。
最後に、自然な会話を意識しましょう。自分が何を話すかも大事ですが、面接官が何を聞きたいのか質問の意図を的確に把握し回答することもとても大切です。
面接官の反応を見ながら柔軟に対応しましょう。適切な回答時間を守りつつ、あなたの魅力を最大限伝えられるよう準備を進めましょう!
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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就活塾「我究館」副館長/キャリアコンサルタント
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館で副館長として従事
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント
Kazuhiro Yamaji〇会社員として長年勤務した後キャリアコンサルタントとして開業。企業の採用・高校生向けセミナー講師・転職支援・リスキリング補助など多岐にわたる分野でキャリア支援にたずさわる
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Koji Tanii〇大手メーカーで設計、品質管理に従事。キャリアチェンジののち、高校・大学の就職講師として活動。障がい者の就職や恋と仕事の両立を実現させるコンサルティングなど幅広い支援をおこなう
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