この記事のまとめ
- 面接カードは質問の意図を意識して作成することが大切
- 面接カードの書き方のコツとポイントをマスターして魅力をアップしよう
- 質問項目別で面接カードの記入例を参考に実際に作成してみよう
- 面接力診断ツール
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この記事を読んでいる人におすすめ
公務員試験を受験している人の中で、面接カードを書こうとしたら「書き方がわからない」と悩んでしまい、なかなか進まないという人もいるのではないでしょうか。履歴書や民間企業のエントリーシート(ES)と仕様が異なるため、書き方に迷ってしまいますよね。
面接で質問の参考にされる面接カードは、面接の質を左右します。面接では、自分をアピールできる質問を引き出さないと魅力を最大限に伝えられません。十分に自分の強みを伝えるためにも、面接カードの作成の時点で魅力的な内容にする必要があるのです。
記事ではキャリアアドバイザーの吉野さん、瀧本さん、加藤さんとともに、面接カードの書き方や作成時の注意点、質問項目別の例文を解説します。この記事を参考にして、自分の魅力を引き出せる面接カードの書き方を身に付けましょう。
面接カードは面接官の意図を意識して作成することが重要
面接カードを作成するときは、実際の面接をしているときと同様に、質問の意図を意識しながら作成をすることが重要になります。質問の意図や背景を汲み取って面接カードを作成することで、面接官が求めている方向性での回答をすることにつながるためです。
記事ではまず、面接カードでおもに問われる項目ごとに、それぞれの質問の意図を解説します。意図や背景を理解して、正しい方向性で回答ができるように準備しましょう。
次に、面接カードを書くときに押さえておくべきルールを解説します。基本的なルールを理解して面接カードの基盤を作りましょう。
記事後半では、面接で効果的にアピールするための面接カード作成のコツと、より魅力を引き出す方法を解説します。ほかの学生から一歩リードした面接カードを作成して、面接に挑む準備を整えましょう。
最後に面接カードの質問項目別で記入例を紹介します。自信を持って面接に挑むためにも、最後まで読んで面接カード作成のコツをつかんでくださいね。
一般的に、ESは書類選考のために提出し、面接機会を得るのが第一目的で作成します。対して面接カードは、面接が決まっている状態で作成し、限られた面接時間をより密度の濃い対話を行うために使います。
そもそも面接カードで何が知りたい? 質問項目ごとに聞く目的を解説
そもそも面接カードとは、公務員試験の二次試験である面接で使用される、受験者の参考情報を記載する資料です。面接では基本的に面接カードの内容から質問されるため、しっかりと作成しておく必要があります。
中には「聞かれていることにただ答えれば良いのか」と考える人もいるかもしれません。しかし、思い付いたことを闇雲に記入すると、内容に一貫性がなく自分の魅力や強みをアピールできていない面接カードになってしまいます。
内容に一貫性を持たせて自分の魅力を最大限にアピールするには、質問の意図を理解することが大切です。ここでは、面接カードで聞かれる質問の5つの意図を解説します。回答の方向性を定めるために、しっかりと確認しておきましょう。
最終学歴/職歴/専攻分野=経歴を確認するため
最終学歴・職歴・専攻分野に関する3つの質問は、受験者の基本情報になります。これらの質問から、面接担当者は受験者の経歴を確認して、今までどんな進路を歩み、どのようなことを学んだのかを知ろうとしています。
また、面接カードは本人確認の役割も果たしているため、学校名や学部名、職歴などは省略せずに正式名称で記載するようにしましょう。特に指示や記入例がない場合は、学歴は「中学校卒業」から記入することが一般的とされています。
こちらの記事で最終学歴の書き方を詳しく解説しているので参考にしてくださいね。
最終学歴の書き方12パターン! 早見表で卒業年度が丸わかり
志望動機/受験動機=熱意・志望度を測るため
面接カードでは、ESと同様に志望動機や受験動機を記入する欄があります。この質問からは、一般的に応募先や公務員に対する熱意・志望度を測ろうとしています。
熱意や志望度を確実に伝えるためには、自己分析で自己理解を深めて言語化することが重要です。自己分析にはさまざまな方法がありますが、マインドマップであれば効率的に取り組めます。「なぜ公務員を目指すのか」「公務員になって何がしたいのか」を自分の言葉で語れるようにしましょう。
自己分析を深めるための振り返り項目例
- 公務員を目指すようになったきっかけ
- なぜ公務員を目指すのか
- 公務員になって何がしたいのか
- どのような公務員になりたいか
- 理想の公務員像
「マインドマップの活用方法がよくわからない」という人はこちらの記事を参考に作成してみましょう。
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説
マインドマップのほかにも自己分析を深める方法はいくつかあります。こちらの記事で詳しく解説しているので、記事を参考にさまざまな視点から自分を振り返ってみましょう。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
学業や職務/社会活動や学生生活=今までに努力した経験を知るため
受験者が今までに努力してきた経験を知るために、学業や職務・社会活動や学生生活面に関する質問項目もあります。学業や職務では、学生の場合は勉強面、社会人の場合は職務面の経験をアピールし、社会活動や学生生活ではボランティア活動・サークル活動・アルバイトなどの経験で努力したことを伝えるようにしましょう。
今までに努力した経験を伝える際は、その経験から学んだことや力になったことも併せて述べると、実務で困難な状況に陥った際にも乗り越えてスキルを身に付けてくれるという印象を残せるため効果的です。
- 公務員の面接で評価されやすい経験やエピソードってあるんでしょうか?
「協調性」「ストレス耐性」「責任感」などの特徴が評価される傾向にある
「協調性」「ストレス耐性」「責任感」は、公務員として市民と協力し、ときには厳しい状況にも耐え、責任を持って何年にもわたる業務を遂行する能力を示すものです。
民間企業とは異なり公務員は公共の利益を追求するため、「ブレずに正確で統一的な仕事をすること」と「モチベーションの維持」が求められます。
したがって、自己PRではこれらの特徴を具体的なエピソードとともに伝え、どのように業務に活かせるかを示すことが重要です。たとえば、団体活動での協調性を示すエピソードや、困難な状況を乗り越えた経験などが有効ですよ。
学生時代に力を入れたことを「ガクチカ」と言います。「そもそもガクチカって何なのかよくわからない」という人は、まずはこちらの記事をチェックしてみましょう。
例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説
こちらの記事では、学業面をアピールする際の伝え方を解説しています。ぜひ参考にして効果的なアピール方法を押さえてくださいね。
例文14選|学業はガクチカになる! 成績との関係や伝え方を解説
ガクチカでアルバイト経験をアピールしたくても「具体的な方法がわからない……」という人は、こちらの記事を参考にしてみてください。面接官の印象に残るコツも解説していますよ。
例文15選|アルバイトのガクチカの作り方と印象に残すコツ
ボランティア経験をガクチカでアピールしたいと考えている人は、こちらの記事の例文を参考に作成してみてくださいね。
ボランティアで学んだ事を効果的にアピールする方法|例文付き
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社会問題に関する関心事項=自分の意見を持っているのか確認するため
面接カードの項目には、あなたの関心事項を問う質問もあります。ここでは、受験者が関心を持った社会問題や日頃興味を持って取り組んでいることから、物事に対して自分の意見を持っているのかを確認しようとしています。
公務員は国民や住民の生活をより良くするためにサポートする職業です。そのため、社会に目を向ける姿勢が必要とされています。
求められている役割をまっとうできるということを示すためにも、日頃からニュースや時事問題をチェックして話題を用意しておきましょう。ニュースに関心を持った理由と、その事柄に対して自分の意見も併せて述べるようにしてください。
こちらの記事では時事問題に対する答え方を解説しているので、関心事項の回答を用意する際に参考にしてみてください。
面接で時事問題に答えるための5ステップ! 業界別の例文12選付き
趣味や特技/自己PR=人柄を知るため
受験者の人柄を知るための質問として、趣味や特技、自己PRの質問もあります。面接官はこの項目から、受験者がどんな人なのか、公務員に向いているのかなどを確認しようとしています。
趣味や特技では、自分の人間性をアピールするために会話が弾む内容を選びましょう。また、「綿密に計画を立てて旅行をすることが好き=計画性がある」のように、企業があなたを採用するメリットを間接的に伝えられると、さらに良くなりますよ。
そして自己PRは、無意識のうちに主観的な文章を作成してしまう人も少なくないので注意が必要です。客観的な視点を取り入れるためには、強みを裏付けるエピソードも伝えるようにしましょう。
加えて、公務員に向いている人の特徴に自分の強みを照らし合わせて、強みに関連するエピソードを選ぶと、「公務員に向いている」という印象を与えることにもつながりますよ。
- 公務員としての将来のビジョンがわかりません……。
まずは原点に立ち返ってみよう
将来のビジョンがわからないときは、一旦ひと呼吸おいて「なぜ、公務員になりたいと思ったのか(志望動機・受験動機)」を整理してみましょう。
そこには、公務員を目指そうと思ったきっかけ、つまり志があります。そのきっかけを深めていくことによって、将来のビジョンが見えてくるでしょう。
将来のビジョンは、実際に働くことで変化することもあります。大切なのは、今の時点でどうなりたいかをきっかけから把握することです。
「キャリアビジョンが大事とよく聞くけど結局何なのかよくわからない」という人もいるでしょう。まずはこちらの記事を参考に、キャリアビジョンの定義と必要性を押さえてくださいね。
キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!
自己PRの締めの文章は、応募者の印象を大きく左右する可能性があります。こちらの記事で自己PRで好印象を残す締め方を解説しているので、チェックしておきましょう。
自己PRの締め方が決まる3大要素を解説! 強みが届くコツも伝授
「趣味や特技はあるけど答え方がよくわからない……」という人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
趣味
例文21選|面接で趣味はどう答える? 個性が伝わる回答方法を伝授
特技
回答例60選! 面接で「特技は何ですか?」と聞かれたときの答え方
面接カードを書くときの3つのルールを理解しよう
面接カードを書くときのルール
- 結論から書いて伝わりやすい文章にする
- 100~150字に収める
- 読みやすい丁寧な文字で大きめに記入する
面接カードの書き方には、基本的なルールがあります。そのため、面接カードを書く際には最低限3つのルールを押さえて作成するようにしましょう。
ルールを知らずに曖昧なまま作成しようとすると、面接担当者の中には「うちへの志望度はあまり高くないのかな?」と思う人もいるかもしれません。公務員への志望度をしっかりと伝えるためにも、それぞれしっかりと確認していきましょう。
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①結論から書いて伝わりやすい文章にする
面接カードでは、どの質問に対しても結論から述べるようにしましょう。結論を最初に明確にしておくことで、これからどんな事柄に対して話が展開していくのかを読み手がイメージしやすい文章になります。
また、結論を述べたあとに具体的なエピソードや経験を添えることで、根拠の裏付けとなり納得感が増すため、説得力のある文章にも仕上がります。
わかりやすい文章を作成するには、PREP法を活用することが効果的です。こちらの記事でPREP法について、そして活用方法を詳しく解説しているので参考にしてくださいね。
自己PRの構成作成ガイド|PREP・STAR法を使う作成法を伝授
②150~200字に収める
文字数は面接カードの記入欄に合わせて、見栄えが悪くならないように基本的には150~200字程度に押さえましょう。文字数が少ない分抽象的な内容になってしまうかもしれませんが、面接カードで伝えきれない内容は面接時に口頭で伝えることもできます。
面接でアピールしたい内容を厳選して、面接カードでは内容を要約して記入してくださいね。
- どうしてもアピールしたい内容を200字にまとめられません……。
不要な表現がないか改めて確認してみよう
書ききれないほどの内容が思いつくのは良いことですね。
まずは、下書きを字数制限を気にせず書いてみましょう。そしてその後、不要な箇所やより簡潔な表現にできないか、推敲をしていきます。
不要な表現で多いのは、下記のような内容です。
・採用パンフレットにも書いてある言葉の抜き書き(「〇〇市は自然豊かで歴史があり、住みやすい街づくりを目指して……」)
・状況の説明(「私の所属していたサークルでは代表ミーティングといって各学年の代表が集まる会議があり……」)
・強調言葉の多様(本当に、強く、心から、大きく、とても)
こういった言葉を省いてより短い言い方に変えていくことで、字数制限があるなかでも記述の「密度」が濃くなります。
こちらの記事では自己PRを200字でまとめるコツを解説しています。「自己PRがうまくまとまらない……」という人はぜひ参考にしてみてくださいね。
自己PRを200字でまとめる要点整理術|ジャンル別15例文
③読みやすい丁寧な文字で大きめに記入する
面接カードは、原本ではなくコピーして面接担当者の手に渡る場合が多いです。コピーしたあとの文書が見づらくならないようにも、丁寧に大きな文字で記入しましょう。
丁寧に書いた文字と適当に書いた文字は、意外と見分けがつくものです。文字の丁寧さにも人柄が表れるので、文字からの印象を良くするためにも丁寧に書くことを心掛けましょう。
もしかしたら「自分は字が下手だから心配……」と考えている人もいるかもしれません。しかし「字が汚い」と「字が下手」はまったくの別物なので、心配しすぎずに丁寧に書くことを意識しましょう。
こちらの記事では提出書類で読みやすいとされる文字の大きさを解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。
履歴書のベストな文字の大きさは? パソコンと手書き別に解説
周りから一歩リード! 面接を見すえた面接カードを作成するためのコツ
面接カードは、その後の面接をするための参考書類です。そのため、面接を意識して面接カードを作成することが本番で効果的にアピールすることにつながります。
ここでは、面接で成功するための面接カード作成のコツを4つ紹介します。面接の前からほかの学生と差をつけて、本番で魅力を発揮できるようにしましょう。
求められる人物像や応募先の強みを正しく把握する
面接で自分のアピールを受け入れてもらうためには、公務員試験の場合は公務員として求められる人物像、公務員試験合格後に職場の面接を受ける場合は応募先の特徴や強みを正しく把握してからアピール材料を集めましょう。
これらを正しく把握せずに好きなようにアピールすると、応募先が求めている人物像と異なり、マッチ度や公務員として働く将来像がうまく伝わらない可能性があります。公務員に求められるスキルや強みを把握して、正しい方向性でアピールできるようにしましょう。
公務員に求められる人物像の例
- 柔軟性がある人
- コミュニケーション力がある人
- 責任感がある人
- 視野が広い人
- 人の役に立ちたいと思える人
志望動機や自己PRを明確にするためには、各官庁が開催する業務説明会やインターンシップへ参加したり、各自治体の総合計画を参照したりして情報収集をしましょう。文章にする際は結論を先に、簡潔かつ読みやすい文章でアピールを心掛けましょう。
応募先の強みを正しく把握するには、企業研究をすることが効果的です。こちらの記事では、企業研究ノートで情報を整理して理解を深める方法を解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
公務員試験の面接を受ける際に、「どんな服装で行けば良いのだろう?」と気になっている人もいるでしょう。こちらの記事で公務員試験での適切な服装について解説しているので、事前にチェックしておいてくださいね。
公務員試験にふさわしい服装は? 選び方やNG例も併せて解説
志望先の実情を知るために、「OB・OG訪問」をする人もいます。OB・OG訪問で就活を有利に進める方法と当日聞いておくと良い質問を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
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アピールしたいエピソードや強みは2つまでに絞る
面接カードでは複数の質問をされるため、できるだけたくさんアピールしたいと思う人もいるでしょう。しかし、あまりにも多くの事柄を含めてしまうと、結局一番何をアピールしたいのかが伝わらず、せっかくの魅力が半減してしまいます。
自分の強みや特徴を効果的にアピールするには、2つまでに絞って伝えるようにしましょう。そうすることで文章にもまとまりが出てわかりやすい文章になり、印象にも残りやすくなります。
- 面接カードでアピールしたい強みや自己PRのエピソードが多すぎて絞れません。どのように厳選すれば良いですか?
エピソードを3つのランクに分けて厳選する方法がおすすめ
まず、アピールしたい強みや自己PRを紙などにすべて書いて可視化しましょう。
そのうえで、応募先の仕事内容なども考慮して、記載したい内容をA・B・Cの3つのランクに主観で良いので分けて下さい。そのときに、メモ書きでかまわないのでAにした理由を横に書いておきましょう。
ランク分けをしてAが2つ以上ある場合は、Aに分けたものだけを横に書いたメモ書きを見ながら、3つのランクに分けてみましょう。この方法を繰り返すことで、面接カードに書くべきエピソードを絞れるはずですよ。
ほかの回答と一貫性のあるエピソードを選ぶ
面接カードにはいくつかの質問がありますが、記入する際はそれぞれに関連するようなエピソードを選ぶようにしましょう。
たとえば、学業の経験で得たスキルが「課題分析力」の場合、自己PRで「コミュニケーション力」をアピールするより「情報収集力がある」ことをアピールした方が一貫性が保たれます。一貫したエピソードを選ぶのが難しいという人は、自分史を作成して年代や項目ごとに振り返ってみましょう。
また、もし1つのエピソードしか思い付かないという場合でも、エピソードに対して「得意だったこと」「苦手だったこと」「学んだこと」「感じたこと」など多数の項目から振り返るため、ほかの回答と違った回答を用意することができます。ガクチカではスキルを得たことを伝え、自己PRで得たスキルを活かした経験を伝えることで、根拠がある回答になりますよ。
自分史の作り方がわからないという人はこちらの記事を参考に作成してみてください。テンプレート・記入例付きで自分史の作り方を詳しく解説していますよ。
自分史を最大限就活に活かす方法とは? 記入例付きで作り方から解説
アピールする内容は概要の記載までに留める
面接カードでは、魅力をたくさん伝えるために内容を具体的に詰め込みたくなるかもしれません。しかし、面接カードにエピソードを詳細まで記載してしまうと、面接官は「これ以上深掘りをすることがないから面接では聞かなくても良いか」と判断してしまうこともあります。
そのため、各質問の回答を作成する際は実際の面接の場面をイメージして、「面接では何を話したいのか」、「その話をするためにはどのような質問を受ける必要があるのか」と逆算して考えていきましょう。
もし概要の記載のイメージが湧かない場合は、エピソードの「結果・成果」の部分を短くする、または省略してみてください。そうすることで、「エピソードからどのような結果や成果が得られたのか?」という質問を引き出すことができるでしょう。
面接官の質問を引き出すためには、概要に結論を含めることが大切です。
概要は「起承転結」ではなく、面接と同じ「PREP法(結論+理由・具体例)」で整理しましょう。すると、「それを入職後業務に当てはめると……」と面接官も深掘りがしやすくなります。
面接カードをより魅力的なものにするコツをキャリアコンサルタントが解説!
面接カードの基本的なルールと作成時のコツを解説しましたが、より魅力的にするには客観的な視点が必要になります。
ここでは、キャリアコンサルタントの瀧本さんから面接カードをよりいっそう魅力的な内容にするためのコツを、就活支援のプロの視点で解説してもらいます。プラスアルファのポイントを含めた面接カードで、自信を持って面接に挑めるようにしましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る面接カードは3つのポイントを押さえれば魅力アップ!
面接カードを魅力的にするためには、「正確に記入すること」「ストーリー性のある内容にすること」「丁寧な文字と適切な量で記載をすること」が重要です。
面接カードは面接官にとっての第一印象を形成する重要な資料であり、受験生の人生や性格を伝えるためのものです。特に自己PRでは、自分の強みを明確に打ち出し、その強みがどのように職務に活かせるかをアピールすることが重要です。
たとえば、以下のような具体例を挙げることが効果的です。
「チームでのリーダーシップ経験を通じて、協調性と問題解決能力を身に付けました。これらの能力は、公務員としての職務で、チームワークを促進し、効率的な業務運営に貢献できると考えています」
国家公務員と地方公務員はアピールする方法が異なる
志望動機では、国家公務員と地方公務員で異なるアプローチが必要です。国家公務員の場合は「選んだ仕事に対する理由」を、地方公務員の場合は「職場の魅力」を分析し、それに基づいて志望動機を述べることが望ましいです。
下記の例文のように、自分の能力や経験がどのように職務に役立つかを示しましょう。
「地方公務員として、地域社会の発展に直接貢献できることに魅力を感じています。特に、私が培ったコミュニケーション能力は、住民との橋渡し役として活かせます」
これらのポイントを踏まえ、面接カードには自分の強みや志望動機を明確に表し、それを効果的に伝えることでほかの受験生との差別化を図ることができれば、面接官に良い印象を与えることができますよ。
書き方の参考に! 面接カードの記入例を質問項目別で紹介
面接カードの質問項目別の記入例
面接カードは、質問項目によって記入方法が異なります。正しく記入するために、それぞれの特徴を押さえた例文を見てみましょう。
ここでは、質問の意図別に分けて6つの記入例を紹介します。例文を参考に、照らし合わせながら作成してみてくださいね。
経歴を確認するための質問
まずは履歴書などと同様に、あなた自身の経歴についての情報を記入しましょう。この際に学校名や職場名を記入する欄がある場合は、省略せずに正式名称で記入するように注意してください。
記入欄がない場合は、該当するチェックボックスに印を付けてくださいね。
経歴に関する質問を記入・回答する際は、学校名だけでなく、学部と学科までしっかり書きましょう。
ときどき、専攻を書かない就活生もいると聞きますが、書くのが正しい書き方です。その専攻が影響を与えるか否かかかわらず、必ず専攻まで書くようにしましょう。
最終学歴の記入例
最終学歴の記入例
□大学院(博士・修士・専門職)
☑大学
□短大・高専・専門学校
□その他
□修了・卒業
☑在学(2024年3月現在)
□中退
大学在学中の場合は、卒業見込みの年と月も忘れずに記入しましょう。
職歴の記入例
職歴の記入例
☑ある ▢ない
主な職種【 プログラマ 】
民間企業への勤務経験がある人、または勤務している人は職歴も記入するようにしましょう。学生のアルバイト経験は職歴に含まれないため、民間企業へ就職したことがない人は「ない」にチェックを入れてください。
- 長期インターンで民間企業で働いた経験がある場合は職歴に記入して良いですか?
インターン経験は職歴にはならない
インターンは厳密に言えば法に基づいた雇用契約ではありませんので、職歴には当たりません。留学・ボランティア活動、もしくは学生時代のアルバイトに準じて考えましょう。
せっかくの自分を成長させてくれた経験ですので、職歴欄でなくとも、どこかの欄でアピールしていきたいですね。
インターンで得たものは何かを分析して、「学生時代力を入れたこと」「失敗経験」「私の強みとは」など、適切な欄を見つけてぜひアピールしていきましょう。
専攻分野の記入例
専攻分野の記入例
社会学部人間社会学科で人間の価値観や思考傾向・現代社会の課題について学んでいます。
専攻分野は、大学で学んだ専攻分野について簡潔にまとめて記入しましょう。所属している学部・学科、ゼミ、卒論のテーマを書くのが一般的です。
採用担当者が一目でわかるように、専門用語を使いすぎないように注意してくださいね。
受験者の熱意・志望度を測るための質問
志望動機・受験動機では、「なぜ公務員を目指すのか」「公務員になって何をしたいのか・どんな仕事がしたいのか」をアピールしましょう
志望先の自治体の特徴や特色、求められる人物像を理解したうえで、公務員として貢献したいということを伝えられるようにしましょう。
志望動機・受験動機の記入例
志望動機・受験動機の記入例
大学での学びを活かして、〇〇市民が安全安心に暮らせる街づくりをしたいと考え志望しました。
私は〇〇市出身なのですが、医療費減額や入学金控除など、自治体から多くのサポートを受けてきました。入職後は、このような取り組みをする一員として大学で学んだことを活かしながら住民の価値観や思考傾向などを的確に捉え、ニーズを満たせる策を実行したいと考えています。
志望動機を記入する際は、「人の役に立ちたい」や「真面目である」、「コツコツ継続できる」という一般的な志望動機ではなく、なぜその官公庁で働きたいのか、その官公庁が提供するサービスや政策にどのように貢献できるかを具体的に述べることが重要です。
これまで努力してきた経験を知るための質問
学業や職務、社会活動や学生生活における経験の質問では、これまで努力してきた経験を述べましょう。入職後に困難な状況になっても乗り越えられることをアピールするために、その経験から学んだことや得たスキルも忘れずに文末に添えてくださいね。
学業や職務における経験の記入例
学業や職務における経験の記入例
大学では所属学科で人間の価値観や思考傾向・現代社会の課題について学んでいました。
具体的な取り組みとして、合計1,000人にアンケートを取り、あらゆる場面で人が何を考えているか、どんな価値観のもとで行動しているのかを分析しました。
この経験から、その場面で人が何を考えるのかを把握できるようになったことに加え、ある場面で人が何を考えているのかという調査方法も身に付けることができました。
公務員の仕事の特徴の一つとして「国民がもっと生活しやすく、暮らしが豊かになるように、さまざまな活動をおこなう」ということがあげられます。
そのため、ガクチカでは他人のために努力した経験やエピソードがあれば意識して書くようにすると良いでしょう。
社会活動や学生生活における経験の記入例
社会活動や学生生活における経験の記入例
大学3年生の学園祭で実行委員を務めました。具体的な業務は、学祭の準備から終了後までのスケジュール管理です。
まずは大まかなスケジュールを立てて、本当にうまくいくのかをシミュレーションしながら具体的なスケジュールに落とし込みました。当日は、スケジュールを元に進めながらもイレギュラーが発生した際には臨機応変にスケジュールを変更しながら進めたところ、無事学祭を成功に収めることができました。
- アルバイトもサークルもボランティアもしたことがなく、記入できる内容がありません。空欄でも良いですか?
アピールすることがないという印象を与えないために空欄は避けよう
アルバイトやサークル、ボランティア経験がなくても心配はいりませんので、空欄は避けましょう。この場合は学業への取り組みや成果をESに記載すると良いでしょう。
たとえば、自分のゼミや研究室での役割や成果を書き、取り組んできた姿勢が公務員の業務にどう活かせるかを具体的に示してみると良いですよ。
また、自己管理能力・責任感・達成意欲など、学業を通じて培った資質は公務員としても重要です。経験の記入では、これらの強みや特性を効果的にアピールすることが求められます。
自分の意見を持っているのかを確認するための質問
ここまでの質問でも、あなたの考えや価値観は多少伝わっているかもしれませんが、ここからはより自分の考えをアピールできる質問になります。
自分の考えを十分に伝えるためにも、この質問に対しては昨今の話題に対しての自分の考察や意見を述べるようにしましょう。自分が詳しい分野をピックアップすると、話題を広げやすくなりますよ。
社会問題に関する関心事項の記入例
社会問題に関する関心事項の記入例
近年、税金の高騰が話題となっていますが、私の意見としては納税額が上がることには反対ではありません。ただ、その税金が何に使われ、実際にどう使われたかは開示するべきだと思います。
今、多くの人が不満に思っている原因は、自分が納めた税金がどのような用途で使われているかがわからないからだと思います。そこを明確にすれば、より積極的に納税できる人が増加すると考えています。
時事問題や社会問題の情報を収集する王道の方法は、新聞を読むことです。
将来への投資として電子版などの購読契約も良いですし、図書館に読みに行く習慣をつけても良いでしょう。毎日読むのが大変なら、「月刊新聞ダイジェスト」などの雑誌もありますよ。
受験者の人柄を知るための質問
人柄を伝える質問では、面接官に「この人と働きたいな」と思わせることが鍵となります。
人柄の良さだけでなく、自分を採用することで応募先が得られるメリットも述べられると、より魅力的な内容になりますよ。
趣味・特技の記入例
趣味・特技の記入例
趣味は海外旅行で、まとまった休みが取れるときは友人と計画を立てて旅行をしたり、一人旅をしたりすることもあります。
特技は幼少期から勉強している英語で、海外旅行をした際に現地の人やほかの旅行者とコミュニケーションを取って旅行を楽しんでいます。
趣味は、日常的におこなっていることやストレス解消につながる活動を選ぶのが良いです。特技は、成果を上げたことや長年続けていることを選ぶことが推奨されます。
書き方のポイントは嘘を避け、一つのことに絞って深く掘り下げると良いでしょう。
自己PRの記入例
自己PRの記入例
私の強みは、相手の立場になって人の気持ちを考えられる協調性です。
大学で人間社会学を学んだことに加え、幼少期から人間観察が好きでした。そのため、相手の行動や表情、言葉などから、その人のニーズを推測することができます。実際に「気が利くね」と言われたことが多々あります。
この強みを活かして、市民のニーズを具体的に汲み取り、〇〇市に住み続けたいと思ってもらえるように努めてまいります。
自己PRでは、人柄を知るための質問や、回答した長所と一貫性を持たせた内容を答えるようにしましょう。
「相手の立場になって考えられる力」をアピールしたい人は、こちらの記事をチェックしてみましょう。魅力をさらにアップする秘訣を解説しているので、最大限にアピールできるようになるはずです。
例文5選! 相手の立場に立って考える力を魅力的に伝える3ステップ
質問の意図を理解した面接カードを作成して公務員試験突破を目指そう!
面接カードは記入・提出して終わりではなく、その後の面接に大きく影響するものです。面接カードの内容を魅力的なものにすることで、面接で自身の魅力を最大限にアピールできるような質問を引き出すことにつながります。
この記事では、面接カードの記入例だけでなく基本的なルール、そしてより魅力をアップさせるためのコツも解説しました。自信を持って面接に挑んで選考を突破するためにも、記事の内容をしっかりと身に付けてから面接カードを作成してみてくださいね。
アドバイザーコメント
加藤 賀子
プロフィールを見る目先のゴールに囚われないようにしよう
「まずは試験や面接に合格して、目指している仕事に就くこと」が1番の目的となってしまい、本来目指そうとした思いやきっかけをおざなりにして、面接カードも受かる内容や言葉を入れて作成しようとしてしまうかもしれません。
そうなると、面接の質問は、志望動機やガクチカなどから、公務員を目指す想いやきっかけを深く知ろうとする内容になるので、書いてあることと話していることのつじつまが合わなくなる可能性があります。
等身大の自分を正しく把握することが大切
1番大切なのは、公務員を目指そうと思ったきっかけや志、そして、その仕事を通じてどのように貢献したい(将来のビジョン)と思っているのかを、しっかりと文字にして書くことです。
そうすることで、面接カードと面接での回答が一致し、面接官もあなたの想いをより深く理解するでしょう。
自分だけで想いを明確にすることが難しい場合は、大学内のキャリアセンターなどを活用して客観的な視点も含めて自分の思いを明確にし、自分の気持ちをしっかりと把握していきましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/公認心理師
Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
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