この記事のまとめ
- 「ホワイト企業」に明確な定義はなく、自分に合った企業を見つけることが大切
- 職種や業界によっても「ホワイトさ」に傾向がある
- 5つの方法で真のホワイト企業を見極めることが可能
具体的な仕事内容や働き方はまだイメージできていなくても、なんとなく「ホワイト企業に就職したい」と考える学生も多いのではないでしょうか。「そもそもホワイト企業って何だろう」「どのようなホワイト企業があるのだろうか」といった疑問の声をよく耳にします。
満足度の高い社会人生活を送る1つの方法として、「自分に合ったホワイト企業を選ぶ」ことが有効です。そのためには、まずは企業を広く知り、そこから自分の価値観にマッチした企業を見つけることが大切です。
この記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、鈴木さん、隈本さんと、社会保険労務士の永島さんと一緒にホワイト企業の探し方や対策方法を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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自分に合ったホワイト企業を見つけることが大切
ホワイト企業と聞いて、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべますか。「残業時間が少ない」「給料が高い」など、人によってさまざまかと思います。一口にホワイト企業といってもいろいろな会社があるため、自分に合ったホワイト企業を見つけることが大切です。
記事では、まずホワイト企業の定義を解説します。そのうえで、自分に合ったホワイト企業を探せるように、ホワイト企業の特徴や見つけ方を説明します。さらに、実際にどのようなホワイト企業があるのか、特徴や業界別に例を紹介するので、「これだ」と思う企業を見つけてみましょう。
また、ホワイト企業は倍率が高く入社が難しいという一面があります。そこでホワイト企業ならではの選考対策も解説するので、併せて参考にしてくださいね。
自分に合った良い仕事の見つけ方はこちらの記事でも詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
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そもそもホワイト企業とは?
そもそもホワイト企業が何なのかわからないという人は多いと思います。ホワイト企業とは、一般的に仕事量が適切である、待遇が良いといったように、労働環境が良いとされている企業を呼びますが、「残業時間〇時間以内」「年収〇万円以上」といった明確な定義はありません。
そのため、ホワイト企業を見つけるのであれば、まずは自分が優先する条件を定めたうえで、その条件に当てはまる企業を調べるという方法が効果的です。
ここからは、働きやすい企業の条件を説明し、そのうえで自分に合った企業の選び方を解説するので、ぜひ参考にしてください。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る「ホワイト企業」は自分自身が決めるもの
従業員が働きやすい「ホワイト企業」という言葉が広がってきたのはごく最近のことです。「ブラック企業」という言葉の方がより早く浸透し、その対極として出てきた概念ではないかと思われます。
そのため明確な定義はありませんが、公的団体や民間団体でもこの言葉を使って独自の基準を設けて表彰をおこなったり、他の企業との差別化として使われるようになりました。
他人にとって「良い会社」が自分にとってもそうとは限らないため注意
人によって「ブラック」の意味が異なるように、「ホワイト」の意味もさまざまです。
いくら福利厚生と給与が良く、従業員に優しい企業であっても、業績が悪くて潰れてしまったら元も子もなく、端から見て良い会社でも、人によっては働きにくい会社もあります。
たとえば法律の面から見ると、1993年まで週48時間労働は特に違法ではなく、法改正による週休2日制は比較的最近のことです。法律が変われば働く人の日常が同じでも、一夜にしてホワイトがブラックに変わります。言葉や定義が問題ではないことがわかりますよね。
あなたにとっての「良い会社」は国や他人ではなくあなたが決めるものです。
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まずは気になる条件を見つけよう! ホワイト企業の特徴
ホワイト企業の特徴
- 福利厚生制度が整っている
- 残業がない・残業時間が短い
- 離職率が低い・平均勤続年数が長い
- 安定した給与制度がある
- 有給休暇を取得しやすい
- 仕事内容の肉体的・精神的負担が少ない
- コンプライアンス意識が高い
- 労働組合がある
- 教育・評価制度が充実している
- 社員に均等に活躍の機会が与えられている
- 業績が安定している
ではまず、一般的にホワイト企業と称されるような、労働環境が良い企業の特徴を解説していきます。
「このようなことも働きやすさにつながるのだな」と新たな発見もあるかと思います。視野を広く持てば企業の選択肢も広がるので、ここで解説する11個すべてに一度目を通してみてくださいね。
①福利厚生制度が整っている
「福利厚生」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、その内容が何なのかわかりにくいですよね。簡単に言えば、社員が快適に会社生活を送るために提供されるサービスです。社会保険など国が定めているものに加えて、企業独自に提供するものがあります。
具体的には以下の内容です。
福利厚生制度の具体例
- 各種手当(通勤手当、住宅手当、扶養手当、資格手当、資格取得支援、役職手当など、一定の条件を満たした場合に支払われる補助)
- 慶弔・災害見舞金
- 社員食堂
- 社宅・独身寮
- 託児施設
- 運動施設
- 保養所
- 財形貯蓄制度
- 宿泊施設やレジャー施設などの割引制度
福利厚生制度が整っていると、私生活の必要経費を抑えることができたり、低価格でさまざまな活動ができたりする、といったメリットがあります。
ただし、社宅や施設などは企業が指定するものを利用しなければならないことが多いので注意してください。
福利厚生制度は、企業ホームページ(HP)の募集要項などに掲載されているのでチェックしてみましょう。
上記以外にも、たとえば女性の従業員比率を上げたい企業であれば、産前産後の休暇や、企業内保育所、ベビーシッター費用補助など子育て支援のための福利厚生制度を導入しているところがあります。
ホワイト企業が良いから福利厚生だけをみて企業を決めると、思わぬ落とし穴があるかもしれません。次の記事では、福利厚生についてわかりやすく解説しているので、あわせて読んでみてくださいね。
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②残業がない・残業時間が短い
残業時間の目安
- 平均残業時間:約22時間
残業時間が短いということも、働きやすい環境であることにつながります。精神的な余裕ができたり、私生活での活動の幅が広がったり、自己研鑽の時間を確保することができます。
転職サービスdodaが調査した91職種別の残業時間ランキングでは、2023年の残業時間の平均は約22時間とされているので、それを目安に企業の残業時間を調べてみましょう。配属先によって異なるケースも多いことから、部署単位で調べておくと安心です。就活情報サイトやOB・OG訪問、また口コミサイトなどでチェックしてみてくださいね。
残業時間がない、少ない企業について調べる場合には、求職・転職サイトを見て、「ノー残業デー」があるかもチェックすると良いですね。
ただし、残業時間が少ないということは、その分残業代を得られないということです。残業をしてでも稼ぎたい人には必ずしも好条件と言えない点は押さえておきましょう。
残業時間の短さを優先したほうが良い人
私生活に時間を使いたい人
残業時間の短さを優先させなくても良い人
高い賃金を稼ぐためには長時間仕事をすることを厭わない人
そもそも残業自体が本来は違法であり、時間外・休日労働に関する協定の届出などの手続きをちゃんとおこなっている企業が特別に許されているものです。
ただ、極端に言ってしまえば残業100時間の月があったとしても、それに見合った待遇、残業代の支払いや労働者への健康面でのアフターフォローがきちんとされており、労働者自身も納得しているのであれば、ホワイト企業と言えるとも考えられますね。
③離職率が低い・平均勤続年数が長い
離職率・平均勤続年数の目安
- 平均離職率:13.9%
- 平均勤続年数:12.6年
離職率が低い、あるいは平均勤続年数が長ければ、社員が過ごしやすくストレスの少ない環境にあったり、年齢とともに確実に昇給する制度にあったりすることが考えられます。
国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると、2023年の平均勤続年数は12.5年となっています。また厚生労働省の令和5年雇用動向調査結果によると、2023年の平均離職率は15.4%となっています。離職率が低い企業や平均勤続年数が長い企業を探す場合は、これらの値を参考にしてくださいね。
離職率や平均勤続年数は、企業HPに掲載されていることがあるのでチェックしてみましょう。なければ就活情報サイトなどを確認してみてください。
ただしベンチャー企業など、そもそも創業年数が短い企業は、平均勤続年数も短くなることに注意してくださいね。
離職率の低さなどを優先したほうが良い人
安定的な環境で長く働きたい人
離職率の低さなどを優先させなくても良い人
転職などキャリア転換を見すえている人
一概に離職率や平均勤続年数だけでその企業がホワイトだと断定はできませんが、その数値が良いほどその企業で働く従業員にとって居心地の良い環境であるという可能性は高いです。
また、若い社員の離職率が高く中高年の社員の離職率が低い企業は、終身雇用制度を導入していたり昔からの風習が強い傾向にあり、そういった風土と合うかどうかもチェックする必要がありますね。
次の記事では、勤続年数についてより詳しく解説しています。勤続年数が気になる人はぜひ読んでみてくださいね。
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④安定した給与制度がある
平均年収の目安
- 平均年収:458万円
労働に対して対価がしっかりと払われるか、継続的に安定した給与が支払われるかといった給与制度も働きやすさにつながります。
国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると、2023年の給与所得者の1人当たりの平均年収は460万円とされており、この金額を目安に、企業の年収を確認してみましょう。
ただ、ハードな業務であることと引き換えに給与が高い企業もありますが、その場合は精神的・肉体的な負担が大きいことが考えられます。気になる人は、給与とともに、残業時間や仕事内容なども併せてチェックしておくことをおすすめします。
また、給与はさまざまな見方で検討する必要があります。ここからは、給与をチェックする4つの観点を解説するので、それぞれ見てみましょう。
基本給が高い
基本給の目安
- 大学卒の基本給平均:23万7300円
- 大学院卒の基本給平均:27万6000円
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査の概況によると、2023年の新卒の基本給の平均値は大学卒で23万7300円、大学院卒で27万6000円とされています。この平均値を目安に、企業の基本給をチェックしてみましょう。企業HPの募集要項に掲載されていることが多いです。
基本給をもとに賞与の額が決まったり、退職金などの各種手当の計算がおこなわれます。
企業HPに掲載されている「初任給」や「年収」などは、賞与などを含んだ額であることが多いので、変動する可能性があることに注意が必要です。給与は原則として基本給を確認しましょう。
平均年収が高い
説明会や企業HPなどでは、初任給のみ説明されることがありますが、その場合注意が必要です。なぜなら、初任給だけが高く、その後給与が上がりにくいケースがあるためです。将来の年収も含めてチェックするなら、企業の平均年収を見ることをおすすめします。
先ほど解説したとおり、2022年の企業の平均年収は458万円なので、これを目安に就活の口コミサイトなどで調べてみてくださいね。
実態に応じた残業代が支払われる
残業代が残業時間に対応して支払われるかについても注意が必要です。通常は、残業代は残業時間をもとにして、基本給を時給換算した金額が支払われることとなります。しかし、一部の企業では固定残業制度といい、残業時間によらず一律の残業代を支払うところがあります。
固定残業制度(みなし残業制度)
給与に、あらかじめ残業代が加算されている制度
残業をしなければ、その分多くの給料をもらえるというメリットがありますが、反対に、あらかじめ設定されている残業時間以上の残業を求められる場合があることに注意してください。
また、固定残業制度ではなくても、サービス残業が当たり前になっている企業もあります。
固定残業代制はホワイトではないと聞いたことある人もいると思います。以下の記事では固定残業代制について詳しく解説しているので参考にしてみてください。
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固定残業代制の企業はホワイトではない? やめとけといわれる理由
ブラック企業の特徴とも噂される固定残業代制は、実はホワイト企業でも導入されています。この記事ではキャリアコンサルタントとともに固定残業代の実態や、正当性の確かめ方を解説します。固定残業代制の理解を深め、企業が自分に合うかを見極めましょう。
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サービス残業
労働者がおこなう時間外労働に対し本来支払うべき賃金が支払われないもの
労働に対し正当な対価が支払われなければモチベーションが下がるという人は、実態に応じた残業代が支払われるかも確認することをおすすめします。
固定残業制度を取っているかどうかは、企業HPに掲載されていることがあります。サービス残業の有無は、企業は公にしていないので、OB・OG訪問や就活の口コミサイトなどで確認してみましょう。
賞与がある
給与とは別に、6月や12月などに、給与数か月分として賞与が支払われる企業もあります。高い成績を残したり、企業の業績が良ければ支払われるものです。
賞与とは
6月や12月などに給料とは別に支給される報酬金で、ボーナスとも呼ばれる
ただ、賞与は毎年変動があるので、賞与が高くても基本給が低い企業は、年収が下がる年もあり、注意が必要です。しかし、年俸制と言い、1年間で支払われる額が決まっている場合は、賞与に変動はありません。
賞与の額は公開されていないことが多いので、年収などから予測する必要があります。もしくは就活の口コミサイトなどで確認してみましょう。
アドバイザーコメント
永島 篤史
プロフィールを見る給与を確認する場合は口コミサイトなどのチェックも不可欠
会社の給与を確認するうえで、基本給だけでなく、その他固定残業代や諸手当についても注意する必要があります。一見基本給が高い会社でも実はその中に固定残業代も含まれていたり、交通費の支給がなかったりなどして実際の手取り額は思っていた以上に低かったといったケースがあるためです。
逆に、基本給が低くてもその他諸手当や賞与額が高かったりする会社もあります。
労働者にとって魅力を感じる部分は大々的に企業HPに載っていることが多いですが、マイナスの部分についてはあえて公表されていることはまずないので、就活口コミサイトなども参考にしてみましょう。
固定残業制の企業は特に注意して調べよう
会社には従業員の労働時間の把握義務があり、固定残業代が何時間分相当の残業代かを明記する必要があります。また、固定残業代を上回る残業をしていた場合には1円単位で別途残業代を支給しなければなりません。そういったことをしっかり遵守しているかも口コミサイトなどで確認してみましょう。
給与を見る場合は、その会社で働く労働者が実態として毎月どれくらいの残業をしているのかもチェックしましょう。
⑤有給休暇を取得しやすい
有給休暇取得率の目安
- 有給休暇取得率の平均:62.1%
有給休暇とは
会社から賃金が支払われる休暇日
有給休暇とは、土日祝などの元からある休暇に加え、企業に申請して取得する休暇のことであり、出勤しなくてもその日の分の賃金が支払われます。
有給休暇が取得しやすければ、私生活の急な予定にも対応できたり、頻繁にリフレッシュすることができたりといったメリットがあります。
厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によると、2023年の労働者全体の有給休暇取得率の平均は62.1%とされています。参考にして、企業HPや就活の口コミサイトなどで企業の有給休暇取得率をチェックしてみてくださいね。
アドバイザーコメント
永島 篤史
プロフィールを見る有給取得率は企業の規模や業界によって大きな差があることに注意
令和5年の就労条件総合調査では1000人以上の企業では65.6%であるのに対し、100人未満の企業では57.1%なっており大企業ほど取得率は高い傾向があります。
業界別では複合サービス事業が73.8%、電気・ガス・熱供給・水道業が73.7%、製造業が65.8%と高く、逆に宿泊業、飲食業が49.1%、教育・学習支援業が54.4%と低い傾向があるので、いずれも目安にしてくださいね。
休暇取得率に合わせて年間休日数もチェックすることが大切
また、年間休日数が少なく有給消化率が高い企業、年間休日数が多く有給取得率が低い企業というのもあるので、取得率だけでなく年間休日数も合わせて確認した方が良いです。
令和元年4月の労働基準法の改正により、年10日以上の有給が付与されている労働者に対して企業は必ず5日は取得させなければならないとされているので、企業研究の際は参考にしてください。
有給休暇の取得しやすさを優先したほうが良い人
介護や育児など私生活の予定に変動が生まれやすい人、旅行など1日がかりの趣味がある人、リフレッシュする時間を大切にしつつ働きたい人
有給休暇の取得しやすさを優先させなくても良い人
土日祝日などの企業が指定する休日のみ休めばリフレッシュできる人
働き方改革の施行によって、有給休暇は定められた取得ルール違反があれば企業に罰則が課されます。しかし、ルール内であれば罰則はないため、取得日数について厳密な数字はわからないのが実情です。単純な日数だけで判断するのは避けましょう。
⑥仕事内容の肉体的・精神的負担が少ない
重い荷物を運ぶ、危険な場所に赴くといった肉体的な負担や、一人ひとりの責任が重い、難易度が高すぎるまたは低すぎるといった精神的な負担がないかも確認してみましょう。
「仕事は仕事だ」と割り切って、どのようなことにも耐えられる人であれば問題ありませんが、「1日の大半の時間を過ごす会社ならば負担を感じない仕事に従事したい」などと感じる人は、しっかりと仕事内容をチェックしてくださいね。
どんな仕事内容を負担に感じるかは人によって異なります。説明会やOB・OG訪問などで仕事内容や大変なことなどを聞いて、自分はどう感じるか考えてみましょう。
仕事内容の負担の軽さを優先したほうが良い人
タフさが求められる環境が苦痛な人
仕事内容の負担の軽さを優先させなくても良い人
割り切ってどんな仕事にも耐えられる人
⑦コンプライアンス意識が高い
セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。立場を利用するなどして他の社員が不快に感じる言動や態度を取ることを言いますが、そのようなコンプライアンスに違反する行動をしっかりと規制しているかどうかも、働きやすさにつながります。
社員向けのコンプライアンス研修を定期的に実施していたり、社内に相談窓口を設置していたり、内部監査をおこなっていたりすれば、コンプライアンスを遵守する意識があるといえます。
内部監査
企業の監査役が、社内規定が正しく運用されているかなどを確認する
特に、人事転換が少ない企業などでは、長期間同じ社員と過ごすことになります。そのような環境で快適に過ごすために、コンプライアンス意識が徹底されていることが大切です。
企業HPなどには詳細な情報が掲載されていないことが多いので、OB・OG訪問や座談会などで質問してみましょう。
上場企業又は上場準備中の企業であればコンプライアンス意識が高い企業であることが多いです。
上場企業は上場するまでに、企業グループの経営活動に関係する法規制や、監督官庁などにより行政指導の状況などが確認されます。
さらに、内部監査などの監査項目に経営活動に関する法規制などの項目が反映されているかも確認されています。
座談会に参加したことがない人は、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてくださいね。
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座談会とは? 質問例56選と本選考への活かし方を企業目線で解説
座談会とは、学生が社員に対して質問をすることができる場です。良い情報を得るために、質問力を磨きましょう。座談会の特徴や目的、質問の準備の仕方などをキャリアコンサルタントと解説します。この記事を読めば座談会をより有意義なものにできますよ。
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⑧労働組合がある
労働組合とは
労働者の連帯組織であり、契約交渉の維持や賃上げ、労働環境の向上などを企業に主張する団体
企業側に労働者の意見を聞く体制があることも、働きやすい環境につながります。企業から一方的に提示された条件で働くのは、労働者側に不利ですよね。
労働組合では、従業員の不満や意見などを集め、会社側に交渉し、労働環境を改善する取り組みをおこないます。社員1人の意見では改善されないことが多いですが、労働組合が伝えれば改善されることもあります。
ただし、労働組合の力の強さは企業によってさまざまであり、労働組合の意見が反映されにくい体質のところもあります。労働組合の有無を企業HPなどで調べたうえで、労働組合の意見の影響度をOB・OG訪問などで聞いてみると良いですね。
労働組合の有無は、日本労働組合総連合会の連合加盟労働組合リストで調べることができますよ。
労働組合は企業内に設置されている場合もあれば、個人で加入できる組合もあります。
労働組合は労働者についての一般的な法令を順守することも指導されるので、「そこで決められている労働時間以上に働きたい」という人は、かえって不満を感じるかもしれませんね。
⑨教育・評価制度が充実している
業務の教育がしっかりおこなわれるか、成果に対する評価がしっかりとなされるのかについても、労働環境の良さを構成する1つの要素です。
新入社員や異動してきた人など業務に慣れない人は、十分な教育を受けずに仕事を任されてしまうと大変ですよね。しっかりと教育を受けられれば、安心して業務に携わることができます。
また、仕事に対する評価が正当につけられれば、モチベーションが上がりいきいきと働くことができます。
教育・評価制度を知るためには、OB・OG訪問などで、新入社員時代にどれくらい仕事を教えてもらえたのか、どのように評価をされているのか聞いてみると良いですね。
教育・評価制度の充実さを優先したほうが良い人
やり方がわからないとストレスを感じる人、成果への対価が支払われないとモチベーションが下がる人
教育・評価制度の充実さを優先させなくても良い人
新しいことに慣れるのが早い人、評価がかえってプレッシャーになる人
中には評価されることが苦手な人もいると思います。
企業HPなどでは、人材育成や人事評価の方針が記載されています。評価されたくない人は、業務の実績を評価する「成果主義」を奨励している企業を避けると良いです。
なお、「目標管理制度」を取り入れている企業は、成果主義としている傾向が強いですよ。
⑩社員に均等に活躍の機会が与えられている
女性社員の目安
- 女性管理職の割合平均:10.1%
企業によっては、女性社員が少なかったり、女性のキャリアアップが難しい環境にあるところがあります。
たとえ成果を出したとしても、性別の違いにより正当な評価をされなかったり、やりたい仕事に挑戦できなかったりすると、不満につながります。女性社員の割合や女性管理職の割合が一定以上ある企業であれば、そのような差別は比較的少ないといえます。また、女性管理職が一定以上いる企業では、女性が働きやすい環境が整っていることが多いです。
帝国データバンクの女性登用に対する企業の意識調査によると、2024年の女性管理職の割合は10.1%となっています。この値を目安に、女性管理職の割合を、企業HPなどで確認してみましょう。
機会が均等であることを優先したほうが良い人
評価や機会の公平性を重視する人
機会が均等であることを優先させなくても良い人
やりがいや評価されることを求めていない人
ダイバーシティと言われるように、バックボーンの異なる人々に門戸を開き、多様な人材が活躍している企業は、均等な機会がある可能性が高いです。女性だけでなく障がい者、外国籍の人を採用しているかなども見てみましょう。
⑪業績が安定している
ホワイト企業は、従業員の働きやすい環境を整えている企業と解説しましたが、それは企業の経営に余裕があるからこそできることです。
業績が安定していれば、良い労働環境が維持でき、加えて、さらに働きやすい環境が作られるかもしれません。反対に業績が悪くなれば、コストカットのために賃下げや福利厚生制度の廃止といった労働環境の改悪がおこなわれるリスクがあります。
そのため、企業の業績が安定しているのかも確認してみましょう。具体的には、企業の財務諸表などで以下についてチェックしてみてくださいね。各数字は、業界ごとに平均数値が異なるので、志望する業界の平均値と比較してみてください。
業績が安定している企業の特徴
- 売上高が高い
- 営業利益が高い
- 内部留保が大きい
- 業界のシェア率が大きい
営業利益とは
売上高から、売上原価などコストを差し引いたもの
内部留保とは
企業にとっての「貯金」であり、不況など万が一の状況でも経営を安定させるために蓄積されたもの
業績の安定を優先したほうが良い人
一つの企業で長期的に働きたい人
業績の安定を優先させなくても良い人
転職などを見すえており、雇用の安定を重視していない人
業績の安定性を確認するうえで重要なものは、内部留保と営業利益です。これらがしっかりと確保されていると、何か問題があり経営が傾きかけたとしても、挽回できるケースが多いです。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る金銭的報酬に加えて精神的報酬をチェックすることが大切
給与や賞与などの金銭的報酬も大事ですが、それだけでなく、精神的報酬も重要です。「感謝されたり認知してもらえる環境がある」「居心地の良い企業文化がある」「困ったときにすぐに相談できる制度がある」「仕事にやりがいがある」などが精神的報酬にあたります。
金銭的報酬と、精神的な非金銭的報酬を合わせたものを「トータル・リワード」と言います。金銭的報酬と併せて、精神的報酬も充実している企業が、真に働きやすい会社になるのではないでしょうか。
長期的に見てメリットを受けられるか考えてみよう
ホワイト企業を選ぶうえで特に重要なのは、「長期的にメリットを受けられるかどうか」とも言えます。
業績や今現在の福利厚生、残業の有無、負担の少なさなどは確かにメリットですが、少し短期的なメリットになりますね。教育、評価制度が充実していたり活躍できる機会があることなどは、長期的に見るとあなたの働きやすさを促進すると思いますよ。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
条件に優先順位を立てて自分に合ったホワイト企業を探そう
ここまでホワイト企業の特徴を解説しましたが、「この条件は求めないな」「これは特に重視したいな」などとさまざまな感想を持ったのではないでしょうか。もしくは、「どれも優先したい!」などと決めきれなかった人もいると思います。
すべての条件を併せ持つ企業は少なく、ある程度取捨選択することが大切です。ここからは企業の条件に優先順位をつける方法を解説します。自分に合ったホワイト企業を探すために、しっかりとチェックしていきましょう。
真のホワイト企業とは、あなたの価値観に合った企業です。しっかり優先順位をつけて、自分に合ったホワイト企業を探してみてくださいね。
過去の経験から考える
自分に合う企業を見つけるために大切なのは、自分の価値観を知ることです。価値観を知るには、過去の経験を振り返ることが大変有効です。
たとえば、大学やサークル、アルバイトなどを選ぶとき、さまざまな要素を考慮したと思います。もしくは、活動を途中で辞めた際も、いろいろな理由があり辞めたと思います。そのような、活動を始めた際や活動中に、モチベーションを感じたり、苦痛に感じた経験を思い出してみましょう。
具体的には以下のように考えてみてくださいね。
過去の経験から考える例
- ゼミでは正当に評価されないことが悔しくて苦痛だった
→企業の条件として「社員に均等に活躍の機会が与えられる」ということを重視する - アルバイトはとにかく給料が高いことを重視して選んだが、肉体労働がつらくてすぐ辞めた
→企業の条件として「仕事内容の肉体的・精神的負担が少ない」ことを重視する - テニスが好きでテニスサークルに参加し、途中で大変なことがたくさんあったものの、テニスをできることが楽しかったため苦痛には感じなかった
→企業の条件として「仕事内容そのものが自分に合っているか」を重視する
仕事に関連する経験を振り返ってみることをおすすめします。アルバイトやインターンなどの直接仕事にかかわる経験はもちろん、学校のグループワークでディスカッションをしたときに感じたことなども振り返ると良いですよ。
理想の将来像から考える
学生生活と社会人生活は環境が大きく異なります。たとえばサークル活動やアルバイトなどと比較し、拘束時間も責任の重さもまったく異なるものとなります。
そこで、これまでの経験だけではなく、理想の社会人像から考えることもおすすめです。どのように働きたいのか、どのような生活を送りたいのか、私生活も含めて考えてみましょう。
たとえば「スポーツチームに所属したいから5時には退社できるところが良いな」「旅行に頻繁に行きたいから高収入かつ有給休暇の取りやすさは必要だな」などと考えてみると良いですね。
また、理想の将来像が思いつかなければ、価値観が似ているサークルのOB・OGであったり、いきいきと働いている家族などに、企業選びで重視していたことを聞いてみるとことをおすすめします。
- ホワイト企業を見つけるうえで、優先する条件は、上で解説した11個のうち何個くらいに絞った方が良いでしょうか?
始めは1個に絞って企業を見てみよう
あれもこれも、と考えてしまうと選択肢が非常に狭くなってしまいます。特に就活初期ではどれか1個あれば充分と考えておきましょう。
数多くの企業を見るようになり研究が進めば、見方や判断基準も変わってきます。まずは自分が最も重要視する要素1つに絞ることをおすすめします。
ほとんどの企業は、1つか2つホワイトな部分があれば、それと連動した3個目や4個目もあるものなのですが、始めはそれに気づかないことがあるので、むしろその時点で可能性を狭くしすぎないことに注意しましょう。
重視する人の多い基準別! ホワイトな企業の例40選
重視する基準を定めたら、実際に企業選びをしましょう。ここからは、特に重視する人の多い基準別に、企業の例を紹介していきます。
とにかくホワイトさを重視したいという人は、ここで解説する企業の中から受ける企業をピックアップしてみてくださいね。
残業時間が少ない
ホワイト企業に就職したいと考える人の中には、労働時間の短さを重視している人は多いのではないでしょうか。
Yahoo! JAPANの従業員の平均残業時間が少ない企業6352社ランキングによると、残業時間が少ない企業トップ10は以下の通りとなっています。
残業時間が少ない企業(2024年4月時点)
- 敷島建設(建設)
- 花王ビューティブランズカウンセリング(美容)
- ともにあーる(保険)
- ザ・ギンザ(美容)
- ミズノスポーツサービス(スポーツ)
- メイラ(金属メーカー)
- 創治(医療)
- 大館圏域ふくし会(介護)
- 緑泉会(医療)
- 土佐電子工業(電子メーカー)
いずれも平均残業時間5時間以下の企業であり、Yahoo!しごとカタログ登録者の、年収や雇用形態なども踏まえた、満足度の高さに応じた順番になっています。
傾向としては、メーカーや美容業界が多いです。ただ、残業時間はあくまで残業の短さを表しており、休日出勤などは発生している可能性があることには注意してください。
残業時間が少ない業界として、サービス業界の、シフトが決まっている企業は残業が少ない傾向にあります。業界別の残業時間の状況については、厚労省の毎月勤労統計調査で調べられるのでチェックしてみてくださいね。
勤続年数が長い
勤続年数の長さは、長く働くほど賃金が上がっていく体制であったり、居心地の良さであったり、雇用が安定していることなどを表すものであり、重視する人は一定いると思います。
2023年8月時点の、上場企業の有価証券報告書のデータによると、勤続年数が長い企業のランキングは以下の通りです。
傾向としては、給与が高く有給休暇も取りやすい、残業時間も短いといったように、多くのホワイトさを兼ね備えた企業がランクインしています。
平均勤続年数が長い企業(2023年8月時点)
- ファルコホールディングス(サービス)ー32.7年
- 進学会ホールディングス(サービス)ー32.6年
- ジーエス・ユアサ コーポレーション(電気機器メーカー)ー29.3年
- トモニホールディングス株式会社(銀行)ー29.2年
- 株式会社三十三フィナンシャルグループ(銀行)ー29.05年
- 昭和ホールディングス株式会社(ゴム製品)ー29年
- パレモ・ホールディングス株式会社(小売り)ー28.3年
- 銀座山形屋(衣料小売り)ー28.3年
- 第四北越フィナンシャルグループ(金融)ー28.1年
- 技研ホールディングス株式会社(建設)ー28年
勤続年数の長い企業には、老舗のブランドや従業員を大事にしているケースと、年功序列から抜けられないケースが混在しています。志望する企業の業績や傾向と合わせて数年間の動きを見て、どちらのケースに該当するのかチェックしてみましょう。
平均年収が高い
ホワイト企業に就職したい人の中には、年収を重視する人も多いと思います。そこで、平均年収が高い企業についても解説します。
2022年時点の有価証券報告書によると、平均年収が高い企業は以下の通りとなっています。こちらもすべて上場企業です。
平均年収が高い企業(2023年3月時点)
平均年収が高い企業は、残業時間が長かったり、仕事内容がハードなこともあります。企業の平均残業時間も併せてチェックしておきましょう。
ホワイト企業に就職したいという人は、平均年収が高く、かつ残業時間は少ない企業に入社したいという人が多いかもしれません。商社業界や製薬業界、食品メーカーはその傾向があるため、ぜひチェックしてみてください。
平均年収が高い業界や企業は、福利厚生が他の企業よりしっかり設定しているケースも多いです。特に休暇制度については、しっかりとあるところが多いように思います。
業績が安定している
キャリアチェンジを繰り返したいというよりは、雇用の安定を求めるという人も多いと思います。そこで、業績が安定している企業についても解説します。
ここでは、本業の利益を表す営業利益が大きい企業を、2022年~2023年の決算情報より解説します。
高額商品を扱うメーカーや、社会インフラとなっている通信やエネルギー業界は、業績が安定している傾向にあります。
営業利益が大きい企業
- トヨタ自動車(自動車メーカー)ー5,352,934百万円
- 日本電信電話(通信)ー1,922,910百万円
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(銀行)ー1,837,053百万円
- 三井住友フィナンシャルグループ(銀行)ー1,560,211百万円
- ホンダ(自動車メーカー)ー1,381,977百万円
- ソニー(電子メーカー)ー1,208,831百万円
- INPEX(鉱業)ー1,114,189百万円
- みずほフィナンシャルグループ(銀行)ー1,036,888百万円
- KDDI(通信)ー961,584百万円
- ソフトバンク(通信)ー876,068百万円
単年度の利益高だけでなく、数年間の利益率も追ってみてください。特に近年はコロナ禍で社会環境が変わっているので業界によっては短期的な差が大きいです。本当の「安定」は逆風下でも堅実な企業かもしれません。
エネルギー業界に興味がある人は以下の記事を参考にしてみてください。仕事内容や将来性・対策方法など詳しく解説しています。
エネルギー業界に向いている人は? 仕事内容や将来性を徹底解説
業界別に「ホワイト度」を解説
皆さんの中には、「とにかくホワイト企業に就職したいというよりは、興味のある業界があり、その中で働きやすい企業に入りたい」という人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここからは業界別の特徴を「ホワイト度」という切り口から解説します。自分が志望する業界や企業が良い労働環境にあるのか理解して、企業選びに役立ててくださいね。
そもそもどんな業界があるかわからない人や、業界理解を深めたい人は、こちらの記事を参考にしましょう。業界一覧について詳しく解説しています。
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メーカー業界
メーカー業界
モノを生産する業界で、製造業とも呼ばれる。食品メーカー、化粧品メーカー、自動車メーカーなど
人々に身近な商品を製造しているメーカーは、学生の多くが関心を寄せる業界です。メーカー業界はホワイト企業の特徴を持っているところが多いです。たとえば、福利厚生が充実していたり、給与体系が安定していたり、有休休暇取得率が他の業界よりも高い傾向にあったり、勤続年数が長かったりといった特徴です。
ただ、メーカーには閑散期と繁忙期があり、繁忙期には残業時間がかなり長くなるなどの特徴があることには注意が必要です。
メーカーの中でも、親会社にあたる大手企業や事業が独立しているグループ会社は、ホワイト度が高いです。一方、大手メーカーの業務委託を受けている中小メーカーなどは、納期短縮やコスト削減などの対応に追われやすい傾向にあります。
商社業界
商社業界
幅広い産業分野で、売りたい相手と買いたい相手を結び付け、取引の仲介をする
商社業界は、国内外問わずさまざまな企業の間に立ち、取引の仲介をおこなっています。交渉力、語学力、市場を判断する力など多くの力が問われ、規模の大きい仕事内容となり、やりがいを感じる人が多いです。
特に総合商社は、年収の高さや平均勤続年数の長さ、福利厚生の充実さなど、ホワイト企業の特徴を兼ね備えています。入社後3年以内離職率は5%以内の企業も多く、働きやすい環境にあるといえます。
商社業界は年収が高いというところが特徴的であると思います。商社は事業規模が大きい仕事をおこなうことが多く、それに応じて年収も高いです。
小売業界
小売業界
メーカー業界の企業が製造した商品を仕入れ、保管や管理をし、消費者に届ける
小売業界も、一般的になじみが深く、多くの学生が関心を抱く業界です。百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、アパレルショップ……といったように多くの形態があります。職種としては、販売員や店長、商品を仕入れるバイヤーといったものがあります。
小売業界は大変そうだというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、勤続年数が長い、有給休暇取得率が高い、残業時間も短いというホワイトさを持つ傾向にありますよ。
小売業界は年収や福利厚生は若干見劣りしますが、入社時点でのスキル要求が高くなく働きやすい業界です。残業も年々少なくなりつつあります。ただ、管理職の業務は複雑化しているところが多いです。
金融業界
金融業界
賃借やリスク補填など、さまざまな形でお金に携わり、社会経済を支える業界
金融業界には、銀行、証券、保険といったさまざまな形態があり、いずれも社会経済を支える要として機能しています。仕事内容としては、金融商品を売る営業や、運用するファンドマネージャー、高度な数理知識を使用するアクチュアリーなどがあります。
金融業界は、銀行や証券、保険業界はハードな傾向にあります。対してカード会社や政府系の銀行、投資信託は年収が高く残業時間が少ない、有給休暇を取得しやすいといったホワイトな特徴を持っていることが多いです。
国内大手の銀行や証券会社、保険会社は、営業職の場合はノルマが大きな負担になることが多いので注意してください。特に、外資系保険会社は成果主義が基本なので、精神的負担を感じやすいかもしれません。
サービス業界
サービス業界
顧客の要求に応えてサービスを提供する業界。モノではなく無形のサービスを提供する
サービス業界は、情報通信業、運輸業、不動産業、宿泊業、教育、美容、飲食……など多岐にわたり、いずれも無形のサービスを提供する仕事です。接客、施術、調理といった仕事があります。
サービス業界では、機械化を進めている警備業界などは、勤続年数が比較的長く、年収は平均値以上といった傾向にあります。ただ、介護、教育、飲食業界では、残業時間が長く賃金が低いといった、ハードな面があることに注意してください。
サービス業界のうち、機械化や自動化をうまく進めている企業はホワイト度が上がっていますが、労働集約型のままの企業は、残業時間が長かったり低賃金であったりする現状はなかなか変わりません。企業間格差が大きい業界です。
インフラ業界
インフラ業界
社会の基盤となる、生活に密着したサービスや仕組み作りをする業界
インフラ業界は、鉄道やガス、電気、水道など、生活に根差したサービスや仕組みを提供している業界です。
人々の生活に欠かせないサービスを提供することから、常にニーズがあります。年収が高く、また残業時間も少ないため、ホワイト企業の特徴を兼ね備えているといえます。
大企業は倍率が高いことが多いですが、そのグループ会社は知名度が低い分倍率が下がり、かつホワイトな傾向にあるので、チェックしてみてくださいね。
インフラ業界は、就業時間通りの働き方ができるというホワイトさがあります。就業時間通りに働き自分の時間を大切にしたい人には良い職場のように思います。
ソフトウェア・通信業界
ソフトウェア業界
インターネットの検索機能や、撮影した画像の加工機能など、スマートフォンやパソコン内部に内蔵する機能を開発・管理する業界
通信業界
固定通信(固定電話や光ファイバー通信など)や、移動体通信(スマホなど)の通信網の維持や管理、運営をおこなう
ソフトウェア・通信業界は、PCやスマホなどのプログラムを開発したり維持したりする、情報社会になくてはならない存在です。
ソフトウェア・通信業界のホワイトさは、企業によって大きく異なります。大規模な企業であれば年収が高く、残業時間も比較的短い傾向にあります。しかし、企業規模が小さかったり、下請けの企業であると低賃金で長い残業時間を強いられるなど、かなりの重労働になることもあるので注意してください。
ソフトウェア業界は、プロジェクト単位で動く仕事が多く、相談や意見交換はしやすい業界です。トラブルや顧客対応に追われるなど負担がかかる局面もありますが、継続的に需要もあり、大卒採用をしている企業は比較的待遇や業績も安定しています。
広告・出版・マスコミ業界
広告・出版・マスコミ業界
インターネット、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのメディアを通じて、不特定多数の人に情報を提供する
広告・出版・マスコミ業界は、広告費を主な収入源としてビジネスをおこなう業界で、営業や、編集、記者やライター、デザイナーといった仕事があります。
広告・出版・マスコミ業界は、残業時間が長い傾向にあり、固定残業制度を取り入れている企業も多いです。その分、年収は高いという特徴を持ちます。
近年は残業時間の見直しや有給休暇取得率上昇のための動きが各企業で進んでいますが、それでも他業界と比較するとハードな傾向にあることには注意してください。
TVや雑誌、Webメディアなどの媒体で、主たるサービスを提供している大手企業はホワイト度が高いでしょう。
それぞれの企業で独自の制作部隊などはありますが、基本的にグループや下請けの会社に制作委託などもおこなうため、直接的な業務負担は少ない傾向にあります。
広告業界に興味がある人は以下を参考にしましょう。広告業界の志望動機の書き方や例文を解説しています。
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官公庁・公社・団体業界
官公庁業界とは
国や地方公共団体の役所を言い、中央省庁や裁判所、国会などを含む
公社・団体業界とは
地方公共団体や学校、病院、警察、消防など、公的な意味合いが強い業務をおこなう法人や団体
官公庁は以下の1府12省庁を言い、国のさまざまな基盤づくりをしています。また公社・団体業界は国や地域の公共性の高い業務をおこなっており、緊急対応などが求められることが多くあります。
官公庁
- 内閣府(宮内庁、公正取引委員会、国家公安委員会、金融庁、消費者庁)
- 総務省(公害等調整委員会、消防庁)
- 法務省(公安調査庁)
- 外務省
- 財務省(国税庁)
- 文部科学省(文化庁)
- 厚生労働省(中央労働委員会)
- 農林水産省(林野庁、水産庁)
- 経済産業省(資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁)
- 国土交通省(海上保安庁、運輸安全委員会、観光庁、気象庁)
- 環境省
- 防衛省
- 国家公安委員会(警察庁)
官公庁・公社・団体業界は、省庁によっては一人当たりの業務量が多かったり、責任が重かったり、年収は低い傾向にあったりと、大変なケースもあります。しかし裁判所は、有給休暇も取りやすく残業時間が短いといったホワイト企業の特徴を持っています。
官公庁によってはシフト制に近い働き方ができる仕事であり、プライベートに合わせて柔軟に働くことが可能です。
ホワイトな傾向にある職種をチェックしよう
業界や企業によらず興味のある仕事内容がある、という人もいると思います。つまり、職種を見て応募したいと考えている人です。ここからは、ホワイトな特徴を持つ職種を解説します。
いわゆるブラック企業と呼ばれている企業も、職種によってはホワイトである、ということもあるので、ぜひチェックしてみてください。
そもそも世の中にどんな職種があるかわからない人は、以下の記事も参考にしましょう。幅広い職種を解説しています。
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受付
受付
来客を社員に取り次いだり、電話応対をしたり、会議室の予約や施設案内をおこなう
企業、病院、ショッピングモール、ホテルなどの受付業務があります。残業時間が少なく、企業の受付であれば給与が高いところもあるといったホワイトな特徴を持ちます。
受付業務については、会社の就業時間内で一日の業務が終わることが多いので、自分の時間を大切にしたい人にとっては大変良い職場になります。また、接客スキルについても高めることができる業務です。
ただ、たとえばショッピングモールでは、長時間立ったまま業務をしたりと、仕事内容としては大変な部分もあることには注意してください。
事務
事務
書類の作成や整理、データ入力や電話応対・来客応対などの業務をおこなう
事務職は、基本的にデスクワークとなり、またルーティンワークが多く社外の人とやりとりすることも少ないため、肉体的・精神的なストレスを感じにくくホワイトな傾向にあります。
事務職は業務内容がある程度決まっているため、トラブル対応などによる突発的な残業はもちろん、休日出勤も少ない傾向にあります。基本的に会社の売上に直接かかわることも少なく、プレッシャーを受けにくいというメリットもあります。
ただ、事務職は、営業職といった企業内のほかの職種と比較して、給与水準は低いことが多いです。また、地道な作業から仕事内容にやりがいを感じず苦痛になるという人もいるので、その点は考慮しておく必要があります。
品質管理
品質管理
商品やサービスを提供するにあたり、一定の品質を備えているかどうかを検査し保証する
品質管理は、主にメーカー業界にて、商品の品質に問題がないかを検査する仕事となり、工場の稼働に合わせて仕事をします。そのため、勤務時間は工場の時間に合わせたものとなり、ほとんど残業時間がないことが多いです。
品質管理は、仕事の内容が決まっていることと、残業がないことが大きなメリットになっています。結果的に私生活との両立がしやすく多様な人材を受け入れやすいため、評価も公平になりやすいなど、ホワイトな傾向にあります。
ただ、品質面でのトラブル発生時には、緊急対応として残業を求められることもあるので注意しましょう。
社内システムエンジニア
社内システムエンジニア
自社のシステム構築や管理、社内通信インフラの整備、社員からのシステムについての問い合わせ対応などをおこなう
顧客が利用するサービスに携わるシステムエンジニア(SE)は多忙で大変な傾向にありますが、社内SEはホワイトな特徴を持っています。社内の人が使うシステムを開発するので、納期を調整しやすく、残業時間は短いといったホワイトさがあります。
社内SEについては、顧客が社内という点が特徴的です。入社してから自分の会社内での仕事になるので、仕事をする相手がコミュニケーションをしやすいというホワイトさがあります。
ただ、中小企業やベンチャー企業で、ITシステムの基盤が整っていない場合、重労働になることがあります。システム基盤を作るまで残業時間が多くなるといったケースです。社内SEを受ける際は、ITへの設備投資が一定おこなわれている大規模な企業を見ることをおすすめします。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る専門的な職種や「縁の下の力持ち」の職種もおすすめ
特定の専門職であればホワイトな特徴にあることが多く、特に法律系の専門職の場合はその傾向にあります。
また、求人は少ないかもしれませんが、公的機関や教育研修事業の運営スタッフ、大学職員、安全衛生にかかわる国家資格の実施機関の各職種などもホワイトな傾向にあります。
職種で区切るのは難しいのですが、公務員や教師自体は社会の要請としてハードな仕事になりがちなので、そこではなく、縁の下の力持ちである、その少し外側に位置する職種を見て検討してみると良いかもしれません。
機械化が進んでいる職種もホワイトな傾向にある
トラブルや故障がない限り、機械化や自動化が進んだ職場のメンテナンスの職種もホワイトな働き方ができる傾向にあります。
サービス業界のセコムでは、警備業の中でも機械警備に特化したことで、夜勤などがまったくゼロになるわけではないものの、労働集約型の業界の中では他社との差がつく結果となっています。
職種で見る場合は、このような特性と合わせて検討してみてください。
公務員と民間企業の併願を考えている人は、以下の記事を参考にしてくださいね。両立のコツとメリット・デメリットをまとめています。
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公務員と民間企業の併願は可能です。まずは併願するメリットデメリットを理解しましょう。この記事では公務員と民間企業を併願するためのコツをキャリアコンサルタントが解説します。
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行きたい企業や職種がホワイトか調べよう! 実態を知る方法
企業のホワイトさを調べる方法
- OB・OG訪問をする
- 企業の口コミサイトを見る
- 選考の雰囲気を見る
- 定時後にオフィスを見に行く
- 国の認定制度から労働環境や社員の健康が保全されているか見る
皆さんの中には、すでに行きたい企業や職種がある程度決まっているという人もいるかもしれません。もしくは、今後就活を進めるうえで、気になる企業が出てくるでしょう。
その際に、企業のホワイトさを調べる方法を解説します。説明会や企業HPのみでは、ネガティブな実態はつかみにくいので、ここで解説する方法でホワイトさを確かめてみてくださいね。
一方的に企業から発信されている説明会や企業HPに記載されている情報は、企業にとって良い部分のみを抽出して発信されています。そのため、実態をつかむためには、工夫して自分で調べることが大切ですよ。
①OB・OG訪問をする
有効なのは、OB・OG訪問をして実態を聞くことです。ただ、企業が用意したOB・OG訪問制度を利用すると、人事の指示などにより、OB・OGは企業の良い面のみをアピールするかもしれません。
実態を知るならば、同じサークルで志望する企業に入社した先輩など、自分に近い人から話を聞くことをおすすめします。
- 知り合いに、志望企業に入社した人がいないのですが、ホワイト企業の実態を知ることができるOB・OGの探し方はありますか?
大学のキャリアセンターや知り合いの知り合いを頼ろう
所属している学校のキャリアセンターや就職課に行けば、過去の卒業生の就職先などを調べることができます。
自分が気になっている就職先があれば、センターの職員に相談するか、名簿をもとに直接OB・OG訪問をすると良いです。
相談時点ですでに退職している可能性もあるので、比較的入社して浅い人を選びましょう。また、親戚やサークル、バイトの知り合いに、知りたい企業に就職している人がいないか確認するという方法もありますね。
OB・OG訪問の臨み方はこちらの記事で詳しく解説しているので、この記事を読んで準備しましょう。
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②企業の口コミサイトを見る
転職サイトなど、企業の口コミが掲載されているサイトを見ることも効果的です。該当企業から転職をしようとしている人が書き込んでいるケースがほとんどであり、つまり企業のネガティブな面を見つけやすいです。
「年収」「残業時間」「有給休暇の取りやすさ」「退職理由」などをチェックし、ネガティブな面があるか、ある場合は受け入れられる程度なのかを考えてみてくださいね。
ただ、退職を検討、もしくは退職した人の意見なので、ネガティブな意見に偏りやすい傾向があります。加えて、職種によって実態が異なるケースがあることには注意してください。
③選考の雰囲気を見る
ホワイト企業は、選考の雰囲気にも特徴があります。たとえば、給与や残業時間や離職率など、面接官がざっくばらんに話してくれたり、「福利厚生などどんなことでも質問してください」と促されることもあります。
また、選考の回数が多いことも特徴に挙げられます。離職率が多いブラック企業では、人員不足のため、選考回数が少なかったり、ほぼ質問されず企業のアピールをされるということがあるため、そのような特徴がないかを見てみましょう。
- ホワイト企業かどうかを知るために、選考では具体的にどんなところを見ればいいですか?
面接官が複数の場合は空気感を見てみることも効果的
ホワイト企業であるかどうかを知るために選考で実態を見る場合には、選考を進めている企業側の人間関係を見ることもひとつポイントになります。
ホワイト企業では社内の人間関係が良いですが、悪い場合は面接官のコミュニケーションがギクシャクしていたります。
このように企業側の人間の空気感を気にしてみてくださいね。
④定時後にオフィスを見に行く
残業時間を重視する人は、定時後にオフィスを見に行くのも効果的です。オフィスに電気がついていれば、残業している社員がいることがわかります。
ただ、近年は新型コロナウイルス感染症の影響で在宅ワークが浸透しています。出社がメインになっている企業や、社員全員が完全リモートをしていない企業の場合、オフィスを見に行ってみましょう。
⑤国の認定制度から労働環境や社員の健康が保全されているか見る
働きやすい環境にある企業は、官公庁がその認定をしていることがあります。たとえば以下の認定やマークが付されている企業は、一定働きやすい環境にあるといえます。
国の認定制度の例
- 安全衛生優良企業認定
ホワイトマークとも呼ばれ、厚生労働省が、労働者の安全や健康に積極的に取り組み、高い水準を維持している企業に送る制度
認定法人一覧はこちら - 健康経営優良法人認定
経済産業省が、優良な健康経営(従業員の健康を重視する経営)を実践している大企業や中小企業などの法人を顕彰する制度
認定法人一覧はこちら - ユースエール認定
若者の採用・育成に積極的で、残業時間などの雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度
認定法人一覧はこちら - えるぼし・プラチナえるぼし
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を厚生労働省が認定する制度
認定法人一覧はこちら - くるみん・プラチナくるみん
一定の基準を満たした企業を厚生労働大臣が「子育てサポート企業」として認定する制度
認定法人はこちら
安全衛生優良企業認定、健康経営優良法人認定、ユースエール認定は、企業の残業時間や有給休暇取得率などさまざまな特徴からホワイト企業を選定したものですが、くるみんやえるぼしは女性活躍推進ができているかの観点で付与されているものです。
認定を受けるためには、各種要件を満たすのはもちろん申請にも手間がかかります。いずれかの認定を受けているだけでも、かなり信頼度は高いでしょう。
社員全体に配慮しているという意味では、ホワイトマークと健康経営優良法人認定を優先して見てくださいね。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る企業は自分の目でしっかりと調べることが大切
目に見えやすい点で言えば、待遇や環境、福利厚生などを整えるうえで、どうしても資金的な余裕と好業績はホワイト企業の前提条件となります。
その点で言えばホワイト企業には上場企業や大企業が多いという傾向は確かにあります。しかし、業績が良い大企業でもしばしば不祥事や違法行為が摘発されたりもしているので、やはりそれだけでは現場の状況はわかりません。
ベンチャー企業なども幅広く見てホワイトさを調べよう
ベンチャーや外資系スタートアップ企業などにもホワイト企業は増えつつあるようです。規模を追わず、従業員の意見や価値観を重視する、働き方の自由度が高い、などが特徴です。
しかしそのような企業のメンバーを見ると、スキルが高くそれぞれの専門分野でトップレベルの人材が集まっていて入社のハードルがそもそも高く、長期的にそういう会社が残っていけるかどうかもわかりません。
どんな企業もプラスもあればマイナスもあるものです。具体的な施策や環境、待遇や制度をチェックして自分に合うかを見極めていきましょう。
次の記事では、ベンチャー企業について解説しています。危ない印象を持たれがちなベンチャー企業ですが、良い点もたくさんあります。気になる人は、ぜひ目を通してみてくださいね。
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「ベンチャー企業=危ない」という先入観を持っている人も多いのではないでしょうか。この記事では、ベンチャー企業が危ないと言われる理由について、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ解説します。
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ホワイト企業の就活をするうえで意識したいこと
ホワイト企業に就職したいと考える学生は多く、ホワイト企業の選考倍率は高い傾向にあります。ホワイト企業に就職したいなら、しっかりと選考対策することが大切です。
ここからは、ホワイト企業の就活で陥りがちな失敗や気を付けるべきことを解説します。ホワイト企業ならではの落とし穴に気を付けて就活を進めていきましょう。
①企業選びは幅広くおこなう
繰り返しになりますが、ホワイト企業は人気であり、選考倍率が高くなります。大手企業であればなおさら通過するのは難しいです。
しかし、ホワイト企業にもかかわらず、人に知られていない場合もあります。特に大企業の子会社や企業を顧客とするBtoB企業などです。
ホワイト企業の調べ方として、インターネットで条件で検索することができます。たとえば「残業時間が少ない企業」「有給休暇取得率が高い企業」といった項目で絞って検索できる就活サイトがあります。有名企業以外にも多くの企業が掲載されているので、チェックしてみましょう。
もしくは、より多くの企業を調べたければ、就活の口コミサイトですべての企業の口コミを読む、という方法もあります。「残業時間」など重視したい項目を読んでみましょう。すべての企業に目を通すことで時間はかかりますが、1つの効果的な手段です。
元法政大学教授の坂本光司先生は「日本でいちばん大切にしたい会社」というシリーズを出版されていて、これは中小企業のホワイト企業を長年研究した実録です。穴場のホワイト企業を見つけるなら、ぜひ参考にしてください。
BtoB企業について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてくださいね。BtoB企業に向いている人も解説しています。
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②志望動機をしっかり練る
ホワイト企業の選考を受ける際に、「残業時間が短いから」「年収が高いから」といったことを志望動機として伝えると、当然ですが「表面的なことしか見ていない」「仕事への意欲が弱いのでは」として採用担当者からの印象はマイナスになることがあります。
本音としては「残業時間が短いから」であったとしても、志望動機としては前向きな内容を述べることをおすすめします。ただ、志望動機が見つからないという人も多いと思います。その場合は、座談会やOB・OG訪問などで、社員に「学生時代になぜ御社を志望したのか」「企業の強みは何か」などを聞いてみるとヒントを得られるかもしれません。
たとえば、社員が学生時代に企業を志望した理由として「社員の人柄の良さに惹かれたから」といった内容を聞いたのであれば、自分も何人かの社員と話すなどして、人柄に触れてみましょう。そして、人柄が本当に良いと思ったのであれば、その社員の志望動機を参考に内容を考えてみましょう。
志望動機の作り方はこちらの記事でまとめています。例文とともに解説しているので参考にしてみてください。
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③周囲に配慮しつつ協調性をアピールする
ホワイト企業は、労働環境が良い企業であり、社員同士の関係も良好であることが多いです。つまり、ホワイト企業の社風として協調性がある傾向にあります。そのため、面接を受ける場合は社風に合わないと判断されないよう、周囲に配慮することが大切です。
特にグループ面接やグループワークでは、激しく自己主張するのではなく、たとえば発言できていない人がいれば話を振ったり、周囲に発言権を譲ったりと、協調性があることをアピールしましょう。
グループ面接やグループワークの選考対策はこちらで解説しているので併せて参考にしてくださいね。
グループ面接
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自分に合ったホワイト企業の内定を獲得し豊かな社会人生活を目指そう
ホワイト企業と一口に言ってもさまざまな企業があり、自分に合った特徴を持つ企業を見つけることが大切です。まずは企業の譲れない条件を見つけ、そこから企業選びをしていくようにしましょう。
ホワイト企業への就職は難関なことが多いので、しっかりと企業選びをおこない対策をしましょう。社会人生活を豊かにする1つの方法として、自分に合ったホワイト企業に入社することは有効なので、リサーチをおこたらず、自分の価値観に合うホワイト企業への入社を目指しましょう。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見るさまざまな条件を考慮して自分に合ったホワイト企業を見つけよう
企業がホワイトかどうかは、人によって判断が分かれます。就職活動では、労働条件などのわかりやすい指標だけでなく、将来的な自分のキャリア形成まで考慮したうえで、自分にとってのホワイト企業を見つけていきましょう。
ホワイト企業かどうかは実際に足を運んで調べることが大切
しかし、自分が求めるホワイト企業の要素を満たす企業かどうかは、やはり入社してみなければわかりません。社内の雰囲気や部署ごとの実情などは、調べてもわからないことが多いです。
ホワイト企業への就職を希望する学生は多く、有名企業であるほど激戦になります。あまりに条件にこだわりすぎて就職活動が遅れれば、それだけホワイト企業に就職できる確率も下がるので、調査にばかり時間をかけるのは避けましょう。
自分が優先する条件をもとに応募先企業をある程度絞ったら、実際に会社説明会や採用面接を通して、自分に合っている企業なのかを確認していきましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細社労士/社会保険労務士法人エンジン代表
Atsushi Nagashima〇新卒で大手飲料販売会社へ入社。転職し人材紹介業の傍ら社労士の資格を取得。社労士法人の勤務を経て、2017年に永島社労士事務所(現・社会保険労務士法人エンジン)を開業
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