この記事のまとめ
- 履歴書の得意科目欄には得意といえる根拠がある科目を記入しよう
- 志望動機や自己PRと同じ枠の場合は得意科目は必ずしも記載しなくて良い
- 履歴書で得意科目を書く際の例文7選を紹介
履歴書の項目を埋めようとしていて、「得意科目」の項目で手が止まった人は多いのではないでしょうか。「得意科目って何を書けば良いのだろう」「そもそも書く必要があるのかな」などと思った学生もいますよね。
「志望動機、特技、得意科目など」というように、複数の記載テーマに対して一つの枠しか設定していない形式の履歴書も多く、書き方の正解がわからず学生は悩みがちです。
この記事では、キャリアアドバイザーの鈴木さん、横山さん、上原さんのアドバイスを交えつつ、履歴書の得意科目の書き方を徹底解説します。これから履歴書が必要になる学生全員が知っておくべき情報なので、ぜひ最後まで確認してください。
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履歴書の得意科目は奥が深い! 企業側の視点を踏まえることが重要
履歴書には名前や住所、経歴などの基本情報を記述する項目もあれば、志望動機や自己PRのように自分の強みや熱意を文章でアピールする項目もあります。履歴書の得意科目は後者に近く、仕事への適性や学生の人柄を見極める一つの判断材料になる項目です。
記事ではまず、そもそも履歴書の得意科目を記入する必要性についてキャリアコンサルタントの意見を交えつつ解説。そして、企業の意図や書くべき科目について説明していきます。また、得意科目に書けることが思いつかないときの対処法を解説しているので参考にしてください。
記事終盤では、履歴書で得意科目を説明するときの文章の構成、例文7選を紹介しています。得意科目の欄を単に埋めるのではなく、企業が自分への興味を高めるきっかけになるように、得意科目の選定や説明文の作成に取り掛かりましょう。
- 得意科目は、国語や数学のような高校で学習する科目と、心理学や天文学のような大学で専攻する科目のどちらを挙げた方が良いのでしょうか。
専門性を活かせる場合は大学の科目を挙げるのが効果的
たとえば、心理学や天文学のような専門知識を志望企業で活かせる場合は、大学で専攻した科目を挙げると適性の高さをアピールできます。
とはいえ、国語や数学のような高校で学習する科目を挙げるのがNGなわけではありません。自分の志望する企業の特徴に合わせて、嘘ではない得意科目を挙げましょう。
そもそも履歴書の得意科目は記入しなければならないのか
履歴書の形式はさまざまで、形式によっては得意科目は必ずしも記入する必要はありません。
ここでは、「志望動機、特技、得意科目など」のように、ほかの項目と同じ枠で得意科目を書くようになっている場合と、得意科目単独の枠が設定されている場合の2つのケースでそれぞれどのように対応するべきかを解説します。
志望動機や自己PRと同じ枠の場合
一般的な履歴書の形式では、「志望動機、特技、得意科目など」と、一つの枠の中に複数の記載項目が挙げられています。枠の大きさにもよりますが、この場合は基本的に志望動機や自己PRを優先して記載しましょう。得意科目を無理に書く必要はありません。
なぜなら、志望動機や自己PRの方が企業に対して熱意や自分の強みをダイレクトにアピールできるからです。ただ、得意科目をアピールすることが自分の強みをアピールする方法としてもっとも良い場合は、得意科目を記載しましょう。
- 履歴書で「志望動機、特技、得意科目など」と書かれている枠は、どれを書けば良いのでしょうか?
特技や得意科目は志望動機を補強するために記載しよう
履歴書の中でも、志望動機はあなた自身の特性をアピールするための重要な記載事項の一つです。
なぜその企業に興味を持ち応募するに至ったのか、入社後の抱負や貢献したいことなど、志望企業への熱意が伝わるようにわかりやすく明確に記載してください。
特技や得意科目はその裏付けとして、補助的に付け加えると良いと思います。
自己PRや志望動機は、合否を決めるうえで重視されやすい項目です。盛り込むべき要素や効果的なアピールのコツを押さえたうえで作成に取り掛かりましょう。以下の記事を参考にしてくださいね。
自己PR
新卒用履歴書の自己PRを書く極意|例文28選を強み・職種別で紹介
志望動機
例文10選|新卒用履歴書の志望動機の基本と盛り込むべき6要素
特技欄が別にあった場合、以下の記事を参考にしてみてください。特技欄の書き方を詳しく解説しています。
履歴書の特技で人事の興味を惹く書き方|ない場合の対処法も解説
得意科目単独の枠の場合
「特に得意な科目はない」という場合でも、履歴書に得意科目単独の枠が取られているのであれば必ず記入しましょう。
履歴書やエントリーシート(ES)で空欄を作るのは基本的に避けましょう。空欄で出せば「絞り出して回答を書くほどの熱意がないのかな」と思われてしまいかねません。単独の枠の場合は、必ず得意科目を記入しましょう。
文章を書けるほどの枠が取られている場合は、実績や仕事への活かし方なども記載するとアピールとして効果的です。効果的にアピールする方法は、記事後半で解説しています。
次の記事では、履歴書で空欄を作ることがなぜNGなのかを詳しく紹介しています。項目別書き方のコツも解説しているので、確認してみましょう。
履歴書の空欄はNG? 採用担当が印象や合否への影響を徹底解説
履歴書の得意科目を重視する企業の意図
履歴書において得意科目は志望動機や自己PRのように定番の項目ではないため、「書いても目を通されるのかな」「評価に影響しなさそう」と考える学生もいるのではないでしょうか。しかし、得意科目を重視する企業も一定数います。もしかすると、自分の志望企業では、得意科目が重視されるかもしれません。
そこでここでは、得意科目を重視する企業の意図を説明します。意図を踏まえることで、納得した状態で得意科目の記入に取り掛かれますよ。
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①面接の話題作りのため
履歴書に書いた得意科目は、面接時に深掘りされる可能性があります。
単にアイスブレイクの話題になることもあれば、専門的な分野を挙げた場合、概要や自分が取り組んだことについて、聞き手に配慮したわかりやすい説明ができるのかを測る目的で話題にされることもあります。
そのため、もし得意科目を記入する枠が狭くて説明文は書けないとしても、面接に備えて、どのように説明するのかは考えておきましょう。
- 履歴書の得意科目を面接で掘り下げられるとしたら、どのような理由からでしょうか。
専門スキルや知識のレベルを測るため
面接官が候補者のスキルや特性をより詳細に把握し、適切な評価をおこなうためです。得意科目について掘り下げることで、候補者が特定のスキルや知識をどの程度持っているかを知ることができます。
また、その専門性を他人に伝えるコミュニケーション能力を測る目的もあります。
②学生を多面的に評価するため
履歴書の得意科目を重視する企業は、ガクチカや自己PRと同様に、学生のポテンシャルを見極めるための判断材料の一つとして得意科目を聞いています。多くの情報を鑑みたうえで判断した方が、より正確な判断がしやすくなるからです。
つまり、履歴書の得意科目は合否にも影響する可能性があります。小さな枠だとしても、選考突破につなげるために何を伝えるべきか考えて記入しましょう。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る配属決めの判断材料として得意科目を重視する企業もある
企業が学生を特定の職種に配属したいと考えている場合には、得意科目を適性や興味の度合いを判断する指標として重視することがあります。
得意科目が直接職務に活かせる場合は即戦力として期待されることもある
たとえば簿記などが得意科目である場合には、応募者が経理職として基礎的な知識を身に付けていると判断して、即戦力となる可能性があると評価するかもしれません。
外国語系の得意科目がある場合については、海外関連の業務に配置したいと考えるかもしれません。スペイン語やアラビア語など希な科目を得意と記載すると、関連する職種がある場合には適任者として高く評価されるでしょう。法律系の科目を挙げていれば法務職にどうかと考えたくなります。
このように得意科目が職務内容と関連する場合、候補者が仕事に適しているかどうかの判断の材料となり得ます。企業は効果的な人材配置を図るため、得意科目を候補者の特性や興味の一つと考慮することがあるのです。
何を基準に選ぶべき? 履歴書に書いた方が良い得意科目とは
得意科目の重要性がわかったら、さっそく履歴書に書き込む科目を決めましょう。ただ、言うまでもありませんが、科目なら何でも良いわけではありません。
ここでは、履歴書に書く得意科目を選ぶ際の基準を解説します。
得意といえる根拠がある
得意科目とは、ほかの人より秀でていたり、取り組んできた複数の科目の中でもとりわけ高成績を収められた科目を指します。
得意科目として「好きな科目」を挙げてしまう学生もいますが、「得意」と「好き」は異なります。「好き」は気持ちであって、必ずしもほかの人より秀でていたり高成績を取れるわけではありませんよね。
得意科目でアピールするべきなのは、あなたの志向性ではなく実績を併せてアピールできる強みや能力です。漠然と決めるのではなく、得意といえる根拠を示せるかどうかを基準として選びましょう。
得意科目とは別に、好きな学科を記載する履歴書もあります。好きな学科を聞かれた場合は、自分の志向性をアピールできる学科を挙げましょう。具体的な回答の書き方については、こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが解説しています。
仕事への適性の高さのアピールにつながる
得意科目は、自己PRやガクチカと同様に、学生のポテンシャルを見極めるための判断材料の一つになる可能性があります。そのため、得意科目から仕事への適性の高さをアピールできると高評価が期待できます。
特に大学や専門学校で学んだことが仕事内容に直接活かせる場合は、アピールとして効果的です。たとえば、法律関係の仕事に就くのであれば、「民事法科目」や「刑事法科目」など法学部の専門科目を挙げれば仕事に活かせる知識のアピールになります。
得意科目がどのように仕事に活かせるか具体例や展望を伝えることで、企業としてはポテンシャルをより正確に評価でき、候補者のスキルが実際の業務にどれだけ適用させられるかを見極めることができます。
履歴書に書ける得意科目が思いつかないときの対処法
履歴書に書いた方が良い得意科目の基準を解説しましたが、「基準をクリアできそうな科目がない……」という人もいますよね。そもそもあまり学業に対して前向きに取り組んでいなかったり、どの科目も卒なくこなすためにとりわけ得意といえる科目がないという人もいるでしょう。
ここでは、得意科目が思いつかないときの対処法を解説します。得意科目が思いつかず、「適当に書いてしまおう」「空欄で提出しようかな」となる前に、ぜひここで解説する方法を実践してくださいね。
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(リーダーシップが強みの場合)
成績が良い科目に注目して取り組み方を振り返る
まずはシンプルに成績がもっとも良い科目に注目してみましょう。直近の試験でもっとも点数が高かった科目や、教授からレポートを褒められた科目はありませんか。
もしかしたらその科目は、「たまたま良かっただけ」「履歴書に書けるほど思い入れがあるわけではない」と、履歴書に書くことをためらう科目かもしれません。しかし改めて取り組み方を振り返ってみると、ほかの人にはない着眼点を持っていたり、試験で高評価を取るための工夫ができている可能性がありますよ。
成績表や試験結果を確認して、もっとも成績が良い科目への取り組み方を振り返ってみましょう。
アピールしたい強みや価値観から逆算する
履歴書の得意科目からは、あなたの人柄や価値観、強みが測られる可能性があります。そこでアピールしたい強みや価値観から逆算して得意科目を考えると、どの科目を選ぶべきかが見えやすくなりますよ。
たとえば、人の気持ちに寄り添える優しい性格をアピールしたい場合は、人の感情を研究する心理学。論理的な思考ができることが強みなら、論理的に問いを解く数学がアピールにつなげやすいでしょう。
そもそも、自分の強みや価値観がわかっていない人もいますよね。その場合は、以下の記事を参考にして自己分析に取り組んでみると、堂々とアピールできる自分の強みや価値観が見つけられますよ。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
- 勉強が苦手でどの科目も平均以下です。得意科目は「なし」と書くしかないですよね?
絞り出してでも必ず記載しよう
空欄や「なし」は、なるべく避けましょう。科目の中のすべての単元が得意である必要はありません。たとえば、国語の中の漢文だけが得意な場合でも、「国語」と記載して大丈夫です。
応募先への熱意を伝えるためにも、履歴書では最大限の自己アピールをするべきです。最終的にどうしても得意科目がなければ、好きな科目でも良いと思います。絞り出してでも、なるべく記載するようにしましょう。
履歴書の得意科目はどう書く? 4ステップで作成しよう
履歴書の得意科目はどう書く? 4ステップで作成しよう
- 結論:得意な科目を端的に述べる
- 理由:具体的な実績を挙げる
- 具体例:授業や研究への取り組み方を説明する
- 結論:仕事への活かし方をアピールする
ここからは、履歴書の得意科目の書き方を解説していきます。
得意科目単独の枠に説明文を記述できる場合や、志望動機や自己PRと同じ枠でも得意科目を書いてアピールにつなげたい場合、ここで解説する4ステップで作成しましょう。
得意科目の枠が小さくて説明文が書けない場合も、面接で掘り下げられるかもしれないので、説明の用意はしておくべきです。その場合も、こちらの4ステップが活用できますよ。
①結論:得意な科目を端的に述べる
まずは、端的に得意科目を述べましょう。ビジネスの場では、説明は結論から述べることが鉄則です。結論から述べることで、相手に何の話をするのか予測させて、理解度を向上させられます。
「私の得意科目は〇〇です」「〇〇が得意です」というように、結論から説明文をスタートさせましょう。
②理由:具体的な実績を挙げる
実績を挙げることで、単に自分で得意と自負しているだけでなく、相対的に見ても秀でていることが伝えられ、根拠のあるアピールになります。
読み手が、「それはすごいな」や「頑張ったんだろうな」などと感心するような成績や成果を挙げると効果的です。
たとえば、「学部生50人中1位の成績でした」「レポートが評価され広報誌に掲載されました」など面接官もイメージできるような具体的な実績を挙げると効果的です。
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(リーダーシップが強みの場合)
③具体例:授業や研究への取り組み方を説明する
大抵の仕事では、得意科目の知識やスキルをそのまま活かせるケースは少ないのが実情です。しかし、実績を出すまでの過程でおこなった工夫や思考は、仕事に活かせる可能性が高いです。
そのため、授業や研究への取り組み方を説明することで、読み手である企業の担当者は自社で活躍できる可能性があるかどうかを判断しやすくなります。先に挙げた実績を出すために、どのように授業や研究に取り組んだのかを説明しましょう。
④結論:仕事への活かし方をアピールする
得意科目で学んだ知識やスキルが仕事に直接的に活かせるのであれば、その旨を伝えましょう。直接的には活かせない場合も、授業や研究の過程で学んだ工夫や発揮した強みをどのように仕事に活かせるかを示すと効果的です。
記入できる文字数が少ない場合は、必ずしも書く必要はありませんが、仕事への活かし方を示すことで、意欲の高さや志望企業に貢献したい気持ちをアピールできますよ。
履歴書の得意科目欄が100字以下しか書けないほど小さかった場合、どの部分を重視したり削除したりするかは、応募する企業や職種に合わせる必要があります。
細かく科目を列挙し具体性を増す方が良い場合もあれば、得意科目がどのように仕事に活かせそうかを書いた方が効果的な場合もあるでしょう。
科目×仕事内容で紹介! 履歴書の得意科目の例文7選
科目×仕事内容で紹介! 履歴書の得意科目の例文7選
ここからは、履歴書の得意科目の例文7選を紹介します。自分が挙げたい科目に類似していたり、志望職種と合致している場合はぜひ参考にしてくださいね。
例文①英語×営業
英語×営業
私の得意科目は英語です。
英語が得意になったのは中学校の授業がきっかけです。私たちに英語を教えてくれた先生は英語を教えてくれることはもちろんですが、「英語を学習することでどんな未来が待っているか」を私たちがワクワクするように教えてくれました。
そのおかげで英語学習が楽しくなり、昨年はカナダへの留学にも行きました。特に得意なのは英会話で、元々人と話すのが好きなため、英語でも楽しく会話することができます。
貴社に入社後は営業職を志望していますが、海外企業が相手の場合でも積極的に手を挙げ、得意な英語を活かして貴社に貢献したいと考えています。
上記の例文は、英語学習で学んだ知識や経験を企業で活かしたいという、非常に前向きな姿勢が感じられる内容です。留学経験を盛り込むことで、積極的な性格のアピールにもつながっており、全体的に好評価を得やすいでしょう。
仕事で英語力を活かしたい人には、こちらの記事がおすすめです。就活で英語力を効果的にアピールするコツについても解説しています。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
営業職を志望している人は、こちらの記事も併せて確認し、仕事内容への適性の高さをアピールしましょう。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
ESに悩んでいる就活生は
大手内定者の「ES回答例100選」を活用しよう!
・内定者のESを参考にしたい
・大手志望で就活準備をしている
例文②心理学×販売
心理学×販売
私の得意科目は心理学です。
心理学に興味を持ったきっかけは高校生のときにした喧嘩です。私が何もしていない状況で急に友人に怒鳴られたことがあり、私もカッとなって大声を出してしまったことがあります。
このとき、なぜ友人が私に怒鳴ったのか、なぜ私もカッとなったのか、その心理状況を知りたいと思い、大学では心理学を専攻することにしました。
心理学の授業や研究から、「こんなときに人はあんな行動を取る」「このような状況のときはこんなことをしてほしいと思っている」などを理解することができました。
貴社に入社後は販売職を志望しています。得意な心理学を生かして、見込み顧客を顧客にして、貴社の売上拡大に貢献したいと考えています。
得意分野である心理学に興味を持った経緯とそれをどのように活かしたいか、個人的なエピソードで示されています。学んだことをどのようにキャリアへ結びつけ、会社への貢献を考えているかをもう少し具体的に示せるともっと良くなるでしょう。
販売職の仕事内容を詳しく理解すると、得意科目の活かし方がイメージしやすくなります。こちらの記事で、販売職の仕事内容を解説しているので確認してくださいね。
販売職を徹底調査! 仕事内容から就活を成功させるコツまで紹介
例文③文学×サービス
文学×サービス
私の得意科目は文学です。
私は幼少期から小説を読むのが好きで、大学では自分でも小説を書いてみたいと思い文学を専攻することにしました。
文学を学ぶ中で特に身に付けられたのは、他者視点に立つことです。小説は複数人の視点に立ち、それぞれの視点からストーリーを描くことが重要です。最初は苦労したのですが、徐々に他者視点に立ち「この人は何を考えているのか」を考えられるようになりました。
そして、貴社に入社後も常に相手の視点に立って、今求められていることを瞬時に判断し、質の高いサービスを提供したいと考えています。
文学という得意科目と関連させながら、自身の特性をわかりやすく述べられています。より良くしたいなら、他者視点のスキルがサービス職においてどのように顧客対応や問題解決につながるかを詳しく示すと良いでしょう。
例文④統計学×マーケティング
統計学×マーケティング
私の得意科目は統計学です。
幼少期から算数や数学が好きでした。そして、高校からは数字をもとに課題や問題を解決することが好きになり、大学では統計学を専攻することにしました。
大学で学んだ統計学を実践するために、大学2年生からブログを始め、ページごとのPV数やクリック数などをもとにして、検索順位を上げるための施策を実行しました。その結果、複数の記事でGoogle検索順位3位以上を獲得でき、統計学で学んだことを発揮することができました。
貴社に入社後はマーケティング職を志望しています。これまで学んだ統計学やブログの経験を活かして、貴社のサービスをより多くの人に利用してもらうための施策を考えられるように努めます。
大学では統計学を選択し、ブログの運用に知識を活かしたとのことですが、これは志望しているマーケティング職に非常に効果的なアピールです。即戦力になるのではないかという期待を企業に抱かせられるでしょう。
マーケティング職は就活生から人気な一方、採用枠が少ないために激戦となりやすい職種です。マーケティング職に就きたい場合は、仕事内容をよく理解し、ライバルとの差別化を図りましょう。
マーケティング職に就くには? 仕事内容から対策まで徹底解説
例文⑤生物学×研究
生物学×研究
私の得意科目は生物学です。
生物学に興味を持ったのは、小学校の頃に学校で飼育していたうさぎがきっかけです。元々動物が好きで生物係を務めていました。しかし、そのうさぎは私が小学5年生の頃に亡くなってしまい、泣いて帰宅したことを今でも覚えています。
この出来事と同時に、「なぜ生物は亡くなるのか」「より長生きするためにはどうすれば良いのか」などを考えるようになり、大学では生物学を専攻し、毎日研究に明け暮れていました。
貴社では研究職を志望しています。これまで学んだ生物学を生かして、貴社のサービスがより良くなるように貢献したいと考えています。
得意分野である生物学に対する興味や経験を具体的に示し、自身のキャリア目標と会社への貢献意欲を示す良いアピールとなっています。ただ、会社で自身の生物学の専門知識をどのように適用して貢献できるかは、もう少し詳しく知りたいと思いました。
研究職を志望している人は、こちらの記事で仕事内容や選考を突破するコツを押さえましょう。
研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!
例文⑥物理学×開発
物理学×開発
私の得意科目は物理学です。中学生の頃から物理が好きで、大学では物理学を専攻しました。
特に得意で好きなのが電磁気学です。私たちは当たり前のように電気や磁力を活用して生活していますが、これらはとても不思議な力を持っています。そのことに気が付いてから座学や研究に没頭するようになりました。このような知識や経験を活かして、半導体メーカーでインターンをしたこともあります。
貴社に入社後は半導体の開発職を志望しています。これまで学んだことや経験を活かして、より良い半導体を開発できるように努めてまいります。
物理学への興味と専攻に関する経歴が説明されており、興味の強さが伝わっています。なぜ当社の開発職を希望するのか、インターン経験を通じて経験したことや感じたことなどを具体的に記載するとなお良くなるでしょう。
例文⑦情報処理学×エンジニア
情報処理学×エンジニア
私の得意科目は情報処理学です。
幼少期からゲームが好きで、あるときから自分でゲームを作ってみたいと思うようになりました。大学で情報処理学を専攻し、プログラミングでC++言語を中心に学びました。
C++言語は難易度が高く、使えるようになるまでに時間がかかりましたが、「ゲームを作ってみたい」という目標を達成するために学習をしました。そして、昨年無事オリジナルゲームを開発でき、現在はインターネット上で公開しています。
貴社に入社後はエンジニア職を志望しています。これまで学習したことを活かしつつ、さらにスキルを身に付けて、多くの人に利用されるサービスを開発したいと考えています。
自分の得意科目が専門性の高い情報処理学である点、そしてそのことが活かせる職業に就きたいという点において、一貫性があり非常に高評価を得られる内容になっています。このような学生は、就職活動において差別化を図りやすいです。
エンジニアを志望している人には、こちらの記事がおすすめです。エンジニアの種類やそれぞれの仕事内容について詳しく解説しています。
ITエンジニア20選! 必要なスキルと業務内容をわかりやすく解説
履歴書の得意科目を加点要素にして選考突破につなげよう
履歴書の得意科目は、事実を単に記入する住所欄や経歴欄とは異なり、強みや適性のアピールにつなげられる重要な項目です。埋めることを目的とせず、得意科目の項目があなたの評価を決めるうえでプラスの影響を生み出せるような内容にしましょう。
記事で紹介している得意科目の選び方や例文を参考にして、加点要素となる得意科目の説明を仕上げてくださいね。
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る得意科目を通して自分の個性や適性を魅力的にアピールしよう
履歴書の記載は、事実と紐づいた具体的な内容としてください。
たとえば、得意科目を「理系科目」「社会科目」といった一般的な表現ではなく、具体的な科目名である英語、数学、物理、化学、経済などを記載することで、企業側はスキルや知識を具体的にイメージしやすくなります。
説明文の中ではまず、その科目に興味を持つきっかけや、好きな側面に触れましょう。専門性に加えて人間性もアピールするチャンスです。
そして、受賞やプロジェクト参画、特別な研究、表彰など得意科目に関連する実績や経験を加えることで、実際の行動や成果を伝えましょう。
最後は、得意科目と将来のキャリア、志望する職種との関連を記載してください。適性や意欲が明確に伝わります。
得意科目の枠を履歴書から切り離して考えないように注意
履歴書で自分の強みや興味を的確に表現することで、あなたの個性や適性が魅力的に面接官に伝わります。
ほかのセクションとの一貫性を保ちながら、自己PRや志望動機などと照らし合わせて整合性をとることや、適切な言葉遣いや文体を心掛けてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/インテグラルキャリア研究所所長
Keiichi Yokoyama〇20歳後半からカウンセリングの勉強を始め、キャリアに比重をおくコンサルティング、人材育成を企業内で推進。独立後は大学のキャリアセンターで学生の就職支援にもかかわる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細