この記事のまとめ
- 履歴書に空欄があると熱意が伝わらず採用担当者に読まれない可能性がある
- 履歴書を空欄にしないためには項目ごとの役割を理解することが重要
- どうしても履歴書が空欄になる場合も工夫すれば対処できる
履歴書は、応募企業と初めて接点を持つ書類です。他の学生と差をつけたい、やる気や熱意を伝えたいと考える一方、どうしても履歴書が空欄になってしまう場合もあるでしょう。
履歴書に書くことがない場合、どのように対処したらいいのでしょうか。履歴書に空欄を作らないためには、あるコツがあります。
この記事では、キャリアアドバイザーの木原さん、岩﨑さん、谷所さんのアドバイスを交えつつ、履歴書の空欄に対する採用担当者の印象や空欄にしないためのコツを解説します。これから履歴書を記入する人はぜひ実践してみてください。
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履歴書に空欄はNG? 履歴書の役割を理解して好印象な履歴書を作成しよう
アルバイトなどの面接で、履歴書の一部の項目を空欄で提出した経験がある人もいるかもしれませんが、就職活動での履歴書は基本的に空欄は避けた方が無難です。履歴書を空欄にしないためには、採用担当者目線になって記入することが重要になります。
記事では、履歴書を空欄で出すべきではない理由や空欄のある履歴書の印象と合否への影響を、キャリアアドバイザーからのコメントを交えて解説します。履歴書の空欄が良くない理由を知り、空欄を作らないための工夫が大切だと理解しましょう。
さらに、履歴書における各項目の役割と、空欄を避けるコツを解説。履歴書の役割の理解を深め、採用担当者に読んでもらいやすくなる履歴書を作成できるようになります。
記事の最後には、どうしても履歴書が空欄になってしまう人向けに対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
以下の記事では失敗しない履歴書の書き方をプロが解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
失敗しない履歴書の書き方をプロが解説! 提出時の注意点も
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元採用担当者に聞く! 空欄のある履歴書の印象と合否への影響
空欄のある履歴書は、実際に書類選考の合否に関係するのでしょうか。元採用担当者の谷所さんに聞いてみました。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る項目にもよるがマイナスな印象を抱かれる可能性が高い
志望動機や自己PRが空欄であれば、入社意欲が低いと判断されて合否に影響する可能性はかなり高いです。企業側が特に知りたい情報が記載されていなければ、選考そのものができないと考える採用担当者もいます。
書き忘れを疑うこともありますが、どちらにせよ入社意欲が高ければ丁寧に作成するはずなので、マイナスな印象は避けられないでしょう。
一方、本人希望欄や免許・資格欄が空欄の場合は書き方がわかっていないと判断して選考に影響しないこともあります。「現住所以外にも連絡を希望する場合のみ記入」などの記載条件があって、該当しない場合は空欄で問題ありません。
そのほかの項目について入社したいと考えて履歴書を提出するならば、空欄を作らずに記載するようにしましょう。
履歴書の空欄や「特になし」は基本的に避けよう
履歴書は、企業に対する熱意と、自分自身が企業で活躍できることをアピールする書類です。そのため、空欄や「特になし」は、真剣に履歴書を記入していないと感じさせてしまう可能性があります。
履歴書に空欄があると、雇用主は応募者の経歴や能力について正確な評価ができません。空欄が多いと真剣度が足りない印象を与えてしまったり、信頼できない人間であると判断される可能性もあります。
経歴や能力を的確に評価してもらうためにも、空欄は避けるようにしましょう。
また、特に面接の前に履歴書やエントリーシート(ES)での書類選考がある場合、空欄や「特になし」によって応募者の情報が少なくなると、採用担当者は学生を選考通過させるかの判断がつきにくくなるリスクがあります。基本的には避けたほうが良いでしょう。
ESについては履歴書との違いや役割を理解していないと落ちてしまう可能性があります。以下の記事で履歴書との違いや書くべきポイントをまとめているので参考にしてみてください。
就活に有利になる魅力的なESとは|履歴書との違いや例文も解説
- 履歴書の項目によっては書くことがない場合もあります。空欄や「特になし」にしても良い項目はありますか?
「特になし」はなるべく書かないのが基本
免許・資格欄で免許や資格を持っていなければ、「特になし」と記載しても間違いではありませんが、応募職種で活かせる資格取得に向けて勉強していることを、免許・資格欄に記載することもできます。
趣味・特技欄も、「特になし」ではなく、できる限り記載するようにしましょう。本人希望欄も、希望がない場合「特になし」と記載するのではなく、「貴社の規定に従います。」と記載しましょう。
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履歴書を空欄で出すべきではない理由
履歴書を空欄で出すべきではない理由
- 応募者の意図が読み取りにくい
- やる気のなさが伝わってしまう
- そもそも読まれない可能性がある
基本的には、応募企業に提出する履歴書は空欄で出すべきではありません。
まずは履歴書を空欄で出すべきではない理由を理解し、企業が履歴書の提出を求める意図を考えることが大切です。
応募者の意図が読み取りにくい
履歴書に空欄がある場合、「なぜうちの会社に入社したいか」という意図や熱意が伝わりにくく、書類選考に通過させるかどうかの判断基準がしにくくなります。
また、空欄の項目や多さによっては、応募者が募集条件を満たしているのか・企業が求める人柄なのかを見極めるのが難しくなる可能性もあります。
履歴書を提出する際は、自分について最大限伝える意思を持って記入することが大切です。
やる気のなさが伝わってしまう
就職活動の時期は、多くの学生から履歴書が送られてきます。その際、空欄が多いと他の学生よりもやる気がないと見なされてしまう可能性があります。
履歴書の空欄が多いということは、企業に対するアピールポイントが少ないということです。そのため採用担当者は、しっかり企業分析したのか・履歴書を記入する準備時間をしっかり確保したのか、という疑問を感じてしまうでしょう。
履歴書を書く際は、可能な限りアピールポイントを記入し、入社したいという熱意を伝えることが重要です。
文字や文面からでも一生懸命さが伝わる、伝えようとしているものはやる気を感じますね。履歴書を読んで面接をおこなうかどうか決める企業にとっては、唯一の合否決定ポイントとなるため、会いたいと思うものである必要があります。
そもそも読まれない可能性がある
前述のように、企業には学生から多くの履歴書が届きます。そのため採用担当者は、全員分の履歴書をしっかり読む時間が取れない場合があり、空欄がある時点で履歴書を読まない判断をするかもしれません。
他の学生がしっかり履歴書を記入している中、空欄が多い履歴書の場合は悪目立ちし、「読むに値しない」と思われる可能性があります。
履歴書を記入する際は、できる限り空欄を残さず、自身のやる気や真剣さを示し、「読みたい履歴書」と思ってもらう必要があります。
読みたくなる履歴書は、空欄がなく丁寧でバランスの取れた文字の大きさ、文字数で書かれているものです。空欄を埋めようと大きな字で書いたり、文字数が多く小さな字で読みにくい履歴書にしないように注意しましょう。
履歴書における各項目の役割と空欄を避けるコツ
ここからは、履歴書における各項目の役割と空欄を避けるコツを解説します。項目ごとに、採用担当者が知りたい情報は異なります。
実際に、各項目ごとの内容で選考状況に影響が出る可能性もあるため、履歴書にどのような役割があるか理解しきれていない人は、ぜひ参考にしてください。
自己PR
自己PRは、これまでの経験や、その経験を活かして企業でどのように活躍できるかをアピールする役割があります。たとえば、アルバイト経験や部活の経験から習得したスキルや実績を伝えたうえで、企業で活躍できるポイントも伝えると信憑性が増します。
また、採用担当者にとっても、学生が「会社の風土と合っているか」「求める人材像に当てはまっているか」を判断する非常に大切な項目となります。
応募者が企業のニーズにマッチするかどうかを判断するために、自己PRでは応募者のこれまでの経験や能力だけでなく、価値観やコミュニケーション能力、リーダーシップ、困難な状況をどう乗り越えるか、自分自身をどう分析・評価しているかなども見られています。
空欄を避けるコツ
自己PRの空欄を避けるコツは、事前に自己分析を通して、自身の強みや企業でどんな風に活躍したいかを考えることです。さらに、企業で叶えたい目標やキャリアを明確にしておくと、空欄が残りにくい自己PRになります。
また、応募する企業や希望職種にアピール内容を合わせると、より思いの伝わる自己PRになります。そのため、自己PRを記入する前に、応募する企業が求める人材や社風を知ることが重要です。
自己PRでは強みを書くことが多いと思いますが、求めている人物像と相違ないか、活躍できそうかを見ています。志望動機や経歴ではわからないその人らしさが出るところでもあるので、入社後に一緒に働くイメージが持てると良いですね。
自己PRの書き方やエピソードに迷っている人は、例文付きのこちらの記事を確認してください。
新卒用履歴書の自己PRを書く極意|例文28選を強み・職種別で紹介
面接での自己PRは、履歴書とはコツが異なります。面接での自己PRについて詳しく知りたい人はこちらの記事を確認してください。
面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選
自己PRの書き出しや、採用担当者に読んでもらえる書き方を詳しく知りたい人は、こちらを確認してください。
自己PRは書き出しで命運が決まる!人事を惹き込むコツを大解剖
志望動機
志望動機は、「なぜその企業でなくてはならないのか」「なぜその職種で働きたいのか」を採用担当者に伝える役割があります。
競合他社が存在する中でも、その企業でしか実現できないことを具体的に明記することで、採用担当者にとっても興味深い内容となるはずです。
入社したい意思をしっかり伝えるためには、企業の文化やビジョンに共感し、その企業で貢献したいという姿勢を履歴書に記入することが重要です。
空欄を避けるコツ
採用担当者が興味を持つ志望動機を書くためには、企業研究が欠かせません。まずは企業がどのようなビジョン・ミッション・バリューを掲げているのかや、職種についての理解が十分できるまで下調べをしましょう。すると、自然と履歴書の空欄はなくなり、採用担当者にも熱意が伝わりやすくなります。
また、自己PRでも伝えた通り、自己分析をおこなうのも重要です。自身の強みや経験が、企業でどのように活かされるのかを考えると、空欄が少なくなり、他の学生と差を付けられるでしょう。
- 滑り止めで受ける企業だと、志望動機に書くことがありません。書き方のコツを教えてください。
企業の情報を集めて自身の価値観やビジョンにマッチする要素を見つけよう
たとえ滑り止め企業だったとしても、自身の経験や目標に基づいて、具体的で説得力のある内容を書くことが重要です。
たとえば、志望する合理的な理由(安定性や将来の成長性など)、自身の価値観との一致(社会貢献度の高さや従業員の働きやすさなど)、滑り止め企業での経験が自己成長やキャリアの発展につながるなどのポイントを考慮して書くと良いでしょう。
滑り止め企業であっても情報収集や企業研究をして真剣度を示し、前向きでポジティブな姿勢を表すことでアピール力を高めることが必要です。
「志望動機は面接で直接話せば良いし、空欄でもいいのでは」と考えている人は以下の記事を参考にしてみてください。空欄で出すリスクと記述方法を解説しています。
履歴書の志望動機欄に「なし」はご法度! 空欄で出すリスクも解説
志望動機は書き出しで読んでもらえるかどうかが決まる場合があります。採用担当者を惹きつける書き出しを知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法
志望動機をどのように締めくくればいいかわからない人は、13の例文が記載されているこちらの記事を確認してください。
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
志望動機に適した文字数や、書き方のコツを知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
志望動機のベストな文字数は? 書き方のコツや文字数別の例文も紹介
志望動機に盛り込む要素と構成が決まっていれば、採用担当者を惹きつける履歴書になる可能性が高まります。詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説
長所・短所
長所は、学生の強みを応募企業で活かせるかを判断する役割を持っています。そのため、企業が求める人物像を理解したうえで、その中から自分に当てはまる長所を記入すると、企業とのマッチ度をアピールできます。
一方短所は、自分が短所だと捉えている部分をどのように認識し、どのような改善策を考えているのかをアピールする役割があります。
仕事をしていると、どうしてもミスをしてしまう場合や、自分の短所が原因で仕事がうまく進まない場合が出てくるでしょう。その際に、自分の失敗や短所を素直に受け入れ、改善していけることを伝えることが重要です。
長所や短所の書き方と選考通過するためのコツを詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
例文25選|履歴書の長所・短所の書き方と選考通過に導くポイント
自分の長所と短所がわからない人も、ある方法で自分について理解を深められます。詳しく知りたい人は以下の記事を確認してください。
「長所と短所がわからない」の脱出方法10選|例文や伝え方も紹介
自己PRと長所が同じような内容になってしまう人は、それぞれの違いを理解し上手にアピールするために、こちらの記事を確認してください。
例文12選|自己PRと長所の違いを理解してアピールに活かそう
書類選考通過後は面接で長所を伝える必要があります。面接で長所を上手にアピールしたい人は、こちらの記事を確認してください。
例文25選|面接での長所の答え方で差別化する方法を解説
採用担当者は、履歴書の自己PR欄から、自社で活かせる強みや適性と関連性がある自己PRかを見極めています。しっかり企業研究をおこなったうえで、応募企業で発揮できる能力や適性を記載することがポイントです。
空欄を避けるコツ
長所・短所の項目で履歴書の空欄を避けるには、自己分析をしっかりおこない、実体験と紐づけるのがコツです。長所の場合は、実際の経験から生まれた実績をアピールすることで、信憑性も増します。
短所の場合も同じく、自分の弱みを感じた経験を洗い出し、どのように改善の努力をしたのかを記入すると、より内容の濃い履歴書になります。自分の短所を受け入れたうえで対処法を伝えると、採用担当者に素直で誠実なイメージを持ってもらえるでしょう。
- 長所・短所で書くことが思いつきません。おすすめの考え方を教えてください。
周囲の人から見た自分がどんな人物かを知ろう
自分のことを自分でわかっていることは理想ですが、当たり前にできていることは長所だと気付かない場合もあるので、周囲の人に聞いてみるのが良いでしょう。
人はコミュニティによっても見せる顔が違ってきます。仲の良い友人、家族、ゼミの仲間や先生、アルバイト先の同僚など、いろいろな人に長所・短所を聞いてみることをおすすめします。
特にアルバイト先では、今後就職するうえでの振る舞いと近しい姿が見えているので参考になるでしょう。
ほかにも、キャリアセンターやキャリアアドバイザーといったプロへの相談、ライフラインチャートを書いてみるなど、さまざまな方法があります。
趣味・特技
趣味や特技は、学生の素の姿を見る役割を持っています。自己PRや志望動機は、応募企業に合わせて多少作り込む人も多いでしょう。しかし、趣味や特技は素直に記入するケースが多いため、学生が普段どのような生活をしているのかを把握できます。ユニークな趣味であれば人間的な魅力も伝わり、採用担当者の目を惹く可能性もあるでしょう。
また、趣味や特技によって、ストレスの発散方法を知ることができるのも役割の一つです。仕事で嫌なことがあっても、上手に発散して仕事を続けられそうかを判断する重要なポイントでもあります。
趣味は応募者の多様性と幅広い視野を示す要素です。また、仕事とプライベートのバランスをとる能力を持っているかどうかを判断するうえでの重要な指標になります。
加えて、趣味を通じて、協調性や創造力など、応募者の特性や能力を予測することにもつながります。
空欄を避けるコツ
履歴書で空欄を避けるコツは、自分が本当に楽しいと思うことや、他の人から褒めてもらった内容を記入することです。
もし、自分に特技がないと思う場合は、家族や友達に聞いてみるのも1つの手段です。自分で得意としていることは当たり前にできていることが多く、特技とさえ認識していない可能性が高いからです。そのため、周りの人の意見も聞き、自己理解を深めてから履歴書を記入すると空欄が埋まるでしょう。
- 趣味や特技がありません。その場合は空欄にしても良いのでしょうか?
少なくとも趣味は捉え方次第で見つかるはず
映画鑑賞や読書なども趣味として記載できますし、スポーツが得意ではなくても好きならば趣味として記載して問題ありません。
自分の生活を振り返り楽しみや興味のあることを、趣味として記載しましょう。ただし趣味がお酒やギャンブルと書くことは控えた方が良いですね。
特技がなければ趣味だけ記載しても問題ありませんし、特技なしと書く必要はありません。
特技を見つける方法を詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
特技がない…とっておきの見つけ方7選|一覧や回答例文15選付き
エントリーシートでの趣味や特技で、自分をアピールするコツが知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
例文60選|ESの趣味・特技欄で自分らしさをアピールするコツ
特技は、就活で自分をアピールする要素でもあります。就活で評価を得る方法を詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
面白い特技一覧30選! 就活で評価を得るアピール方法やコツを解説
学歴
学歴の役割は、学生の専攻や学んできた内容を、採用担当者が把握する役割を持っています。企業によっては、特定の資格取得や専攻を応募条件としている場合があるため、このような条件を満たしているかどうかを判断する役割もあります。
学歴や取得資格の条件を指定していない企業の場合は、学校で専攻してきた知識が、企業に役立つのかを判断する場合もあります。
空欄を避けるコツ
空欄を避けるコツは、素直にこれまでの学歴を記入することです。学歴や専攻に条件がある場合でも、虚偽の内容を書くのではなく、事実を記入する必要があります。
採用担当者が知りたいのは、学生時代におこなった取り組みに対し、どのような姿勢で向き合ってきたかです。
これまで学んできた内容を、企業が求める人材像と上手に絡めて記入できると、しっかり読まれる履歴書になるでしょう。
学歴フィルターがある企業に応募できるかどうか、選考通過できるかを知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
学歴フィルターの実態|就活のプロが区切り方や乗り越えるコツを解説
学歴欄の詳しい書き方について知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
大学生・院生必見! 履歴書の学歴欄の正しい書き方とは?
最終学歴にもさまざまな書き方があります。最終学歴の書き方について詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
最終学歴の書き方12パターン! 早見表で卒業年度が丸わかり
履歴書の学歴欄では注意する点があります。以下の記事では「在学中」と「卒業見込み」の違いと正しい書き方をまとめているので参考にしてみてください。
履歴書の学歴は「在学中」? 卒業見込みとの違いと正しい書き方
健康状態
健康状態は、学生が「問題なく業務をおこなえること」を伝える役割を持ちます。詳細な健康状態を聞くことはプライバシーにかかわるとも言われていますが、業務に支障が出る健康状態の場合は、事前に申告する必要があります。
腰痛やストレス耐性が弱い場合でも、業務に支障が出ない範囲で働ける場合、健康状態を「良好」と記入して問題ありません。
空欄を避けるコツ
問題なく働ける場合は、「健康状態は良好」と記入しましょう。
一方、業務に支障が出る範囲で健康状態が思わしくない場合は、正直かつ簡潔に健康状態を記入しましょう。記入例は以下のとおりです。
健康状態が思わしくない場合の記入例
持病がある場合
「良好(業務に支障はありませんが、月に一度通院があります)」
ケガをしている場合
「現在足を骨折していますが、治療中のため就職時には良好かと思われます」
その後、面接の段階で健康状態に関する詳細を伝えるのが一般的な流れです。
健康状態欄は、過去の病気や怪我が完治しているなら、伝える必要はありません。過去の病気や怪我でも通院などで業務に支障を与える場合は記載した方が良いですが、業務に支障を与えないならば、「良好」と記載して問題ありません。
資格・免許
資格・免許は、専門的な知識やスキルを所持していることを証明し、即戦力として活躍できる可能性があることを伝える役割があります。
特定の資格を取得していないと入社できない場合もありますが、それ以外の企業は資格を持っていると「意欲的な学生だ」と好印象につながるケースもあります。
就活で活かせる資格や免許の例
- 日商簿記検定
- MOS
- TOEIC(800点以上)
- ITパスポート試験
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 社会保険労務士(社労士)
- 秘書検定
資格や免許の取得を入社の条件にしている企業ではない限り、この項目だけを重要視する可能性は低いですが、資格や免許を持っているとアピールポイントは増えるでしょう。
秘書検定を取得している人は以下の記事を参考にしてみてください。履歴書への正しい書き方とアピール方法を解説しています。
秘書検定は何級から履歴書に書ける? 正しい書き方とアピールのコツ
空欄を避けるコツ
資格や免許を複数取得している場合は、応募企業に関連する資格や免許を記入しましょう。記入の際は、資格の名称はもちろん、取得年月も記入すると具体性が増します。
たとえば、「令和3年5月 普通自動車第一種運転免許 取得」などです。
履歴書に記入できる資格や免許がない場合は、現在勉強中の資格や取得予定の資格を記入するのも1つの手です。特に記入できる資格や免許がない場合は、「特になし」と書きましょう。
履歴書には職務に関連性のある資格を記載することが重要です。 複数の資格を保有している場合は、職務遂行に直結する資格を優先的に記載しましょう。
求められた要件から逸脱する可能性があるため、関連性の薄い資格や低いスコアは省略した方が良いです。
就職活動で役立つ資格を知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説
履歴書の資格で採用担当者に興味を持ってもらえる書き方について詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
履歴書の資格欄で好印象を残すには? 書き方から疑問点まで完全網羅
履歴書で特に空欄になりがちな「本人希望・特記事項」の書き方
ここからは、履歴書で特に空欄になりがちな「本人希望・特記事項」の書き方を解説します。空欄で提出するよりも、書類選考で好印象になりやすい記入方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
また空欄ではなく「特になし」と記載して良いのかどうかについて、こちらのQ&Aコンテンツでキャリアコンサルタントが回答しています。併せて参考にしてください。
「貴社の規定に従います」の記載が一般的
企業に対して希望や条件がない場合、「貴社の規定に従います」や「貴社のガイドラインに則ります」という記載が望ましいです。「特になし」と記入するよりも、柔軟に企業のルールや就業規則に対応する姿勢を見せられるからです。
勤務地や勤務時間など、どうしても譲れない希望がある場合のみ記入するようにしましょう。もしも要望を書く場合は、内容を簡潔に記入し、詳細は面接で説明するのが一般的です。
記入欄を埋めようとして条件を書きすぎないようにしよう
「本人希望・特記事項」を空白にならないように条件を書きすぎると、採用担当者から「条件や希望に添えなかった場合、入社しない可能性がある」と思われてしまう可能性があります。
履歴書に空欄がないのが理想とはいえ、無理に条件を書きすぎる必要はありません。むしろ、希望がなければ記入しない方が柔軟性があると思われるでしょう。一般的には、上述した通り、「貴社の規定に準じます」と書いておけば安心です。
私自身は「貴社の規定に従います」以外をあまり見たことがないのですが、会社に伝えておくべきことは書いておくと良いでしょう。
新卒入社で仕事においての制限(家庭の事情や配慮が必要なこと)がなければ、ただのわがままと捉えられるリスクを承知しておいてください。
それでも書くことがない人必見! 履歴書を空欄にしないための工夫
ここまで、履歴書を空欄にしないためのコツなどを解説しましたが、どうしても履歴書が空欄になってしまう人に向けての工夫を解説します。
工夫一つで空欄がなくなり、採用担当者にしっかり読んでもらえる履歴書になるため、ぜひ参考にしてください。
自己分析をおこないアピールできることを整理する
履歴書を空欄にしないためには、自己分析をおこない、強みやスキル、これまでの経験を明確にすることが有効的です。自己分析した結果を整理すると、将来のキャリアやなりたい自分像、志望企業で活かせることが見えてきます。
履歴書が空欄になるのは、志望企業でどのように活躍したいのか・自分自身がどんな人間なのか理解できていない場合が多いです。そのため、まずは自己分析をおこない、自分を深く理解することから始めましょう。
自己分析から内定につながる方法までを網羅的に知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説
どうしても空欄になる場合は項目数の少ない履歴書を利用する
どうしても空欄になる場合は、記入項目の数が少ない履歴書を利用する方法もあります。記入項目が少ない履歴書として、JIS規格があります。
JIS規格は、「志望の動機」「特技」「好きな学科」「アピールポイント」などが1つの欄にまとめられていて記入欄が少ないという特徴があるため、空欄を避けたい人は利用してみてください。
ただし、項目数の少ない履歴書では、志望企業に熱量が伝わりにくいデメリットもあります。そのため、まずは空欄を埋める努力をすることが重要です。そのうえで、どうしても空欄ができてしまう場合は、項目が少ない履歴書を利用しましょう。
アドバイザーコメント
木原 渚
プロフィールを見る履歴書が空欄になる原因は主に2つ! まずはどちらに該当するかを自覚しよう
履歴書に空欄ができそうになると不安を感じると思いますが、焦らずに適切なアプローチで乗り越えましょう。
履歴書の欄が埋められない原因は「何が求められているか理解できておらず、基本的な書き方がわからない」、もしくは「自己分析ができていないため、何をアピールして良いかわからない」ケースが多いです。
自分がどちらでつまずいているのか、まずは整理してみましょう。前者であれば、項目ごとのポイントを理解し、書き方のコツを学ぶことが大切です。後者であれば、しっかりと自己分析をしたうえで、企業の意図を考え、どのような答えが求められているか想像してみることが有効です。
自分一人で対処する必要はない
難しく考えすぎず、冷静に対処法を考えましょう。どうしても自分だけでは難しいという場合は、相談やアドバイスを求めることも大切です。キャリアアドバイザーや先輩、友達にぜひ相談してみてください。ほかの人の視点から新しいアイディアや改善点が見えてくるかもしれません。
履歴書は書類選考だけではなく、面接でのアピールポイントにもつながります。できるだけ空欄をつくらず、しっかりと自分をアピールしましょう。
就活用の履歴書は何を使えばいいのか・どこで購入すればいいのか知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
就活用の履歴書はどこで買う? 5つの購入場所をおすすめ順に解説
履歴書で誤字をしてしまった際の撤回方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
履歴書の誤字を見つけても焦らないで! 挽回できる方法を解説
履歴書の空欄はもったいない! 最大限自分をアピールして面接につなげよう
履歴書には各項目ごとに役割があり、やる気やアピールポイントをしっかりと企業に伝えるための書類です。そのため、空欄が多い履歴書は採用担当者から「やる気がない」と思われてしまう可能性もあります。
採用担当者の目線に立ち、どんな履歴書だったら読んでもらえるかを考えることが重要です。そのために、まずは自己分析や企業分析をおこない、応募企業に合った履歴書を書けるようにしましょう。
アドバイザーコメント
岩﨑 千夏
プロフィールを見る履歴書を見る相手がいることを意識して作成しよう
まずは、相手に読んでもらうことを前提として、人と人との関係性を大切にするという心づもりで履歴書を作成してほしいと思います。
「Z世代は~」と一括りにはしたくないですが、売り手市場や選考早期化、コロナ禍の影響もあってか、企業への配慮に欠ける就活生に出会うこともゼロではありません。大前提、採用にかかわる企業担当者は非常に忙しく、そんな中で皆さんとの出会いをとても大切にしています。
履歴書を読む人がいて、合否判断をするのも人です。AI(人工知能)が発達してきても、人と人のかかわりをおろそかにしない、そんな書類にしてほしいと思います。
手を抜けばそれは必ず相手に伝わる
具体的には、一つひとつの項目を大切にすること。何社も何社も用意する必要があり、期日に追われ、企業研究がおろそかになってしまうこともあるかもしれませんし、汎用性の高い志望動機を考えておき、使い回すということも可能でしょう。ただ、それはどれも伝わってしまいます。
また、完璧な履歴書ではなく、自分らしいものを作成することも大切であると伝えたいです。これは面接にも通ずるところですが、自分の言葉で伝えるということが仕事においても大切になるため、ここを鍛えて言語化能力を上げることが非常に大切です。
どれが正解かということはいえないので、何度か作成し直して第三者に読んでもらうのも良いでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Nagisa Kihara◯放送・行政・人財開発など多様な職種を経験する中でキャリア支援に興味を持つ。一人ひとりが楽しく働き、豊かに生きられる社会を目指し、現在はカウンセラーや研修講師として活動中
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/HR&Sパートナーズ代表
Chinatsu Iwasaki〇大学理系学部卒業、大手インフラ企業の人事として勤務。開業後、企業の採用コンサルティングや就職支援などをおこなう。現場感と対話を大切にしている
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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