この記事のまとめ
- 自動車業界に特化した志望動機を作るための5ステップを解説
- 職種ごとの志望動機例文を参考にオリジナルの回答を作ろう
- 自動車業界の志望動機で避けたい3つのパターンを紹介
- 志望動機作成ツール
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自動車業界は非常に規模が大きく、海外へ進出するメーカーも多いことから、毎年学生に人気のある業界です。そんな競争率の高い選考で内定をつかむためには、志望動機を自動車業界に特化した内容にすることが必要になります。
しかし、多くの学生は自動車に対するイメージや今知っている知識をもとに志望動機を作ってしまうため、なかなか思い通りの結果にならないことがあります。自動車業界を深く知ったうえで志望動機を作り、周囲と差をつけましょう。
この記事では自動車業界のビジネスモデルやトレンドについて説明した後、キャリアコンサルタントの永田さん、遠藤さん、板谷さんと自動車業界に特化した志望動機を作る方法を解説していきます。ポイントを押さえた志望動機で、選考を通過しましょう。
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自動車業界の志望動機は目指す理由をとことん深掘るのが重要
自動車は日頃からなじみの深い人も多く、日本を代表する業界であることもあいまって志望する人が多くいます。そのため、志望動機では「なぜ自動車業界を目指すのか」という部分を徹底的に掘り下げ、自分なりの内容にしないと周囲と差を付けることができません。
この記事では自動車業界の基礎知識を説明した後、代表的な4つの仕事内容を取り上げます。あなたが自動車業界の中でどのような仕事をしたいのかを考えながら読み進めてください。
そして、自動車業界に特化した志望動機を作る5ステップを、就活のプロであるキャリアコンサルタントと一緒に解説します。併せて仕事内容ごとの例文8選や回答の整え方も伝授するので、自動車業界を目指す理由をとことん掘り下げた志望動機を作っていきましょう。
自動車業界の志望動機を作る前に、志望動機の基本的な作り方を押さえておきたい人はこちらを確認してくださいね。
例文12選|受かる志望動機をエントリーシートに書く4つのステップ
志望動機がどうしても書けないと悩んでいる人は、こちらの記事も参考に作り方を身に付けましょう。
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き
自動車業界とは? ビジネスモデルやトレンドを解説
自動車業界とは?
- 市場:国内だけでなく海外の割合も高い
- ビジネスモデル:金属を加工して車を作り販売する
- トレンド:脱炭素やIT化に向けて協業・業務提携が増えている
- ニーズ:さまざまな移動手段を組み合わせた交通サービスが求められている
自動車業界は社会の影響を受けやすく、国内だけではなく海外の動向にも左右されます。そのため、自動車業界の志望動機を作る際には、業界の基礎知識から世界的なトレンドまで押さえておくことが大切です。
ここでは自動車業界の市場やビジネスモデルのほか、最新のトレンドやニーズについても解説します。的外れな志望動機にならないように、解説する知識をしっかりと網羅していきましょう。
自動車業界の志望動機を作るうえで、記事内にあるビジネスモデルやトレンドを把握し、キャリアプランを踏まえた志望動機を作成しましょう。
また、海外の動向にも左右されることから、円安・円高で自動車業界にどのような影響が生じるのかなども、把握しておくのが大切になりますよ。
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市場:国内だけでなく海外の割合も高い
日本車が海外でも人気という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。そのイメージ通り、自動車業界の市場は日本だけではなく、海外にも広がっています。志望動機を作る前提知識として、海外からの需要もあるということを押さえておきましょう。
では実際には、どのくらい海外へ販路が広がっているのでしょうか。日本自動車工業会の統計・資料によると、2022年に国内で四輪車が販売された台数は約420万台です。一方、海外への輸出台数は約381万台となり、国内の販売台数に迫る数字となっています。
輸出先としては、従来から取引があったアメリカや中国、ヨーロッパ圏などをはじめ、最近ではサウジアラビアなどの中東や南アフリカなどのアフリカにもおよんでいます。今後は中東やアフリカへの進出が増えていく可能性があるということも、覚えておきましょう。
自動運転技術の進歩により、まだまだ国内市場での成長も見込まれています。また発展途上国などの海外の国では「安くて壊れない日本車」は人気が高く中古車市場での需要もあり、新興国の生活水準向上による販路開拓も注目されているのです。
自動車業界を志望した人の中には、海外で働きたいと考えている人もいるのではないでしょうか。こちらの記事では海外に行ける仕事を紹介しているので参考にしてみてくださいね。
海外に行ける仕事29選! 就職の可能性を高める秘訣も公開
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ビジネスモデル:金属を加工して車を作り販売する
自動車業界と一口に言っても、金属から車を製造し販売するまでの過程でいろいろな企業が携わっているため、その構造を事前に把握しておきましょう。ビジネスモデルを把握しないと、やりたい仕事が具体的にイメージできず、説得力の欠けた志望動機になってしまいます。
図からもわかるように、はじめに車の部品のもととなる金属を扱う素材メーカーがあります。素材メーカーから金属を購入した部品・加工メーカーが車の形に整え、その部品を組み立てメーカーが車へと完成させていくのです。
完成した車は自動車メーカーの営業を通じて販売店へ渡り、ディーラーが顧客のニーズに応じて販売するという流れです。大企業の中には、これらの一連の業務をすべて自社やその系列会社でまかなう企業もあり、総合メーカーと呼ばれることもあります。
入社すると、総合メーカーでは自社製品の企画から販売までかかわることができ、素材や部品・加工などのメーカーではさまざまな企業の車を作ることに携われます。志望動機を作るためにそれぞれのメーカーの特徴を把握しておいてくださいね。
トレンド:脱炭素やIT化に向けて協業・業務提携が増えている
自動車業界は日常生活で多くの人が使う車を製造しているという背景から、前述の通り社会的な背景を受けやすいという特徴があります。そのため現在は、世界的な地球温暖化に合わせて広がる脱炭素の動き、そしてIT化への対応が求められているのです。
脱炭素に向けては、温室効果ガスであるCO2を出さない取り組みとして、従来のガソリン車から電気自動車やハイブリッド車の開発に取り組んでいます。また、IT化を進めることで、自動運転や渋滞情報をリアルタイムで共有することなどが期待できるのです。
電気自動車
車内に搭載したバッテリーに電気を貯めて走行する車。従来のガソリン車やディーゼル車のように化石燃料を使わないのでCO2を削減できる
ハイブリッド車
電気走行とガソリン走行を組み合わせ、なるべく少ない排気ガスで長距離の走行をおこなう車
ただし、これらの動きはメーカーが単独で実行するには技術的なハードルが高く、仮に実行したとしても社会的な影響も小さいままです。
そこで、たとえばトヨタ自動車と通信サービスを手掛けるソフトバンクは共同出資会社MONETを設立して新しい交通サービスの開発に着手したり、日産自動車とIT企業のDeNAが協業して自動運転技術の活用を検討したりしています。
自動車はさまざまな業界が協業し、最新技術や研究成果が集約された乗り物です。たとえば自動運転や安全技術はIT業界の電子制御が不可欠で、自動車メーカーがタクシー業界、物流業界などと連携することで、生活をより豊かで便利にしてくれています。
CASE:通信機能の拡充や自動運転などの新しい車の形
脱炭素やIT化に向けた自動車業界の動向は、CASE(ケース)という言葉で言い表されることがあります。脱炭素などに関する英単語の頭文字を取った言葉で、2016年にパリで開かれたモーターショーでメルセデス・ベンツの会長が言及して以来、業界内で広く使われています。
以下がそれぞれのアルファベットが示す、自動車業界のトレンドです。
CASEが意味する自動車業界のトレンド
- C(Connected)……インターネットへの接続機能を備えていること
- A(Autonomous)……自動運転のこと
- S(Shared & Services)……カーシェアリングや類似サービスのこと
- E(Electric)……電気自動車のこと
自動車業界の各企業が、それぞれについて自社の製品をブラッシュアップしたり、新しいサービスを検討したりしています。
自動車業界の志望動機を作るときには、選考を受けようとしている企業がトレンドに対してどのように取り組んでいるのかについても把握することが重要です。
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(IT業界の場合)
ニーズ:さまざまな移動手段を組み合わせた交通サービスが求められている
自動車業界は、ただ移動に使える自動車を作るだけではなく、さまざまな社会的ニーズに合わせるための努力も求められています。
特に最近ではMaaS(マース)と呼ばれる、さまざまな移動手段を組み合わせた交通サービスを提供することが重要になっているのです。
MaaS
「Mobility as a Service」の略称。車やバス、電車などのこれまでの移動手段に加えて、自動運転やカーシェアリングなどを組み合わせることで、利用者がより便利に移動することができるようになること
たとえば、バスや電車、タクシーなどいろいろな交通手段で移動をしなくてはいけない場合、時刻表の確認や電話予約など煩雑なことが多くありました。しかし、MaaSが推進されることで、これらを一つのアプリでできるようになるのです。
それ以外にもタクシーを月額制で利用できたり、AI(人工知能)を用いて事故を防ぐなどの技術も、MaaSに該当します。
これらのニーズを満たすことができるように、自動車業界は研究開発が求められ、新しいサービスの創出にも期待がかかっているのです。
志望動機を作る前に! 自動車業界の代表的な4つの職種を把握しよう
自動車業界の代表的な4つの職種を把握しよう
- 商品企画
- 生産
- 営業・販売
- 研究・開発
自動車業界の志望動機を作るためには、どのような仕事があるのかをしっかりと理解しておく必要があります。仕事内容を理解することで、自分のやりたいことやできることが明確になり、志望動機に納得感を持たせることができるからです。
これから自動車業界の代表的な4つの職種を取り上げます。それぞれの仕事内容や互いの仕事でのかかわりなどを把握して、自分が目指したい職種への理解を深めていきましょう。
商品企画
商品企画の仕事は顧客が求める車をリサーチし、ニーズに合った車を企画するのが業務内容です。具体的には車のコンセプトを決めたり、マーケティングの調査をすることになります。
たとえば、環境に優しい車というコンセプトで電気自動車を売り出すなどの例が挙げられます。車の性能やデザイン、消費者にどのように使ってもらいたいかを決めていくのです。
商品企画の仕事は顧客のニーズやトレンドに対し高いアンテナを張っておくことや、海外の市場の動向などをチェックすることが必要です。幅広い視野や流行への感度、新しいアイデアを考える柔軟性などが求められています。
商品企画の仕事は、顧客ニーズやトレンドに対し高いアンテナを張っておくことが必要です。好奇心を持ってさまざまな分野に興味を持つことで、時代の流れを踏まえて、新しい商品を打ち出すことができます。
企画の仕事を目指すときは、より詳しく業務内容を把握しておきましょう。こちらの記事で企画職の仕事内容を詳しく解説しています。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?
生産
生産は、自動車を作る生産ラインを管理し、計画通りに車を量産することがおもな仕事内容となっています。自動車を作る根幹ともいえる仕事のため、大きなやりがいを持つことができるでしょう。
また業務内容は生産工程の管理だけではなく、部品や資材の調達、製造にかかわる作業員の管理、開発や販売部門との連携など多岐にわたるため、計画性や調整力が非常に重要です。
ほかにも実際に車の部品を作ったり、部品を車として組み立てたりする仕事も生産という仕事に分類されます。製造現場では立ち仕事が多く、体力が必要となる場合もあるので、その点も把握しておきましょう。
生産の仕事は、物事を計画的に考えることができる人に向いています。現場の製造工程を把握し円滑に業務を進めるために、材料の調達をしたり、調整をしたりするため、全体を広く見る力が必要なのです。
文系の学生がメーカーへ就職できるか不安に感じている人は、こちらのQ&Aにあるキャリアコンサルタントのコメントを参考にしてみてくださいね。
営業・販売
営業や販売は、車を顧客に販売することがおもな仕事です。自動車メーカーの営業はディーラーに車の特徴を伝えたり、顧客に合わせた営業トークを考えることがおもな業務内容になります。
ディーラー
特定の自動車メーカーの車を販売する店のこと
またディーラーは実際に接客しながら車の良さを伝えたり、顧客のニーズのヒアリングとそれに基づいた提案をおこなったりします。提案の内容によって売り上げが大きく変わるため、高いコミュニケーション能力や提案力が求められるのです。
ディーラーを目指している人は、こちらの記事も参考にしながら周囲と差を付ける志望動機を作りましょう。
職種別例文5選|ディーラーの志望動機を3ステップで差別化する方法
営業の志望動機では、求められる力をアピールできると好印象につながります。こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
素材や部品・加工のメーカーに勤めると、営業先が企業となります。いわゆるBtoB営業の魅力はこちらの記事で解説しているので、志望動機を作るための基礎知識として役立てましょう。
BtoB営業ってどんな仕事? 魅力から大変な部分までまるごと解説
研究・開発
研究・開発職は、車の性能やデザインに直結する研究をおこなう仕事です。
最近では世界的なトレンドで、車の通信機能の向上や環境に配慮したエンジンの開発が求められています。研究によって開発した技術で車の性能やデザインが大きく変わるため、成果が目に見えてわかりやすく、やりがいを感じやすい仕事です。
研究・開発職は専門的な知識があれば良いだけではなく、既存の技術を活かした新しい製品を開発したり、どのような研究をすれば顧客のニーズにマッチするのかを検討することが重要です。
そのため、幅広い知識に加えて発想の柔軟さやトレンドへの感度なども求められています。
- 文系で研究・開発の仕事を目指すのは難しいでしょうか?
不可能ではない! ただ理系の学生が多いのも現実
企業によっては文理不問の「事務系職」や、「総合職・技術職」として採用の入り口は一つにして、選考過程や入社後に適性を見て配属を決めるとしていて、文系の学生が研究・開発の仕事に就ける可能性はゼロではありません。
とはいえ多くの企業では理学部や工学部など理系の学部や大学院で専門的な知識を身に付け、研究をしてきた学生を「技術職」として研究・開発や生産部門に配属しています。
事務系職と言われる営業や管理部門も、研究・開発チームとかかわることはあるので、あなたがなぜ研究・開発の仕事を目指したいのか、言語化して伝えてみてください。
研究職は採用人数が少ないケースも多いため、志望動機には必ず3つの要素を盛り込みましょう。こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!
以下の記事では工学部の就職について解説しています。活躍できる職種や業界もまとめているので参考にしてみてください。
工学部の就職先10選|学科別の活躍しやすい職種や就活のポイントも
自動車業界ならではの志望動機を作るための5ステップ!
自動車業界に特化した志望動機を作るためには、自己分析を深めることや業界に関して広く情報収集することが欠かせません。
自分の過去の経験を整理できていなかったり、自動車業界や選考を受ける企業への理解が深まっていないと、志望動機が思い浮かばなかったり、説得力に欠けてしまうことがあるのです。
ここからは自動車業界に特化した志望動機を作る5ステップを解説します。順番にステップを実践することで志望動機が完成するので、飛ばさずに一つずつおこなってくださいね。
①自己分析をもとになぜ自動車業界なのかを明確にする
自動車業界の志望動機で最も大切なのは、「なぜ自動車業界を目指しているのか」ということをわかりやすく採用担当者に伝えることです。伝えるためには自己分析を通して自分自身の経験や思いを整理していきましょう。
自己分析を進めるにあたって方法は好きなもので構いませんが、必ず自動車にまつわる体験やエピソードを思い出すようにしてください。アルバムを見て車で出掛けたことを振り返ったり、家族や友人と車にまつわる思い出を話したりしてみましょう。
自動車にまつわるエピソードを盛り込んだ志望動機にすることで、自動車業界を目指す根拠がわかりやすく、採用担当者もあなたが自動車業界を目指す動機に納得しやすいのです。
- 車にまつわるエピソードがないときは、どんな点に気を付けて自己分析すれば良いですか?
車を使って何をするのが好きなのかを分析してみよう
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を一躍人気のテーマパークに押し上げたカリスママーケターの森岡毅さんが、「名詞でなく動詞で考える」という話をしていました。
今回の例でいえば、自動車が好きという部分の「自動車」が名詞にあたり、ここを動詞で考えてみましょう。
キーワードとして「車を運転する」「レースを観戦する」「ラジコンを操作する」などが挙げられます。
名詞だとなんだか無機質で冷たい感じがして、自分の中のエピソードが出にくいような気がしますが、動詞で考えることによって「なぜその行為が好きなのか?」と、あなたの人間性の本質に迫るような分析が可能になります。
自己分析を納得いくまで深めたい人は、こちらの記事を参考に自己分析を進めてみましょう。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
自己分析を進めるにあたってフォーマットが欲しい人は、こちらの記事にあるフォーマットを使ってみてくださいね。
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選
②業界研究でビジネスモデルのどの部分を担いたいか決める
前述のとおり、自動車業界は製造から販売までにいろいろな工程があり、多くの企業がかかわっています。そのため、自動車業界のビジネスモデルの中で、どの部分を担う企業で働きたいのかを決めていきましょう。
たとえば、素材メーカーであれば、いろいろな自動車の素材となる金属を扱うことができるため、特定の自動車メーカーで働くよりは広い範囲で車とかかわることができます。
また、部品・加工メーカーはものづくりの現場により深くかかわれると予想でき、同じ自動車業界でもやりがいは異なるのです。
メーカーの種類 | 役割の違いによるやりがいの例 |
---|---|
素材 | 多くの車のもととなる素材を扱うため、広い範囲に影響を及ぼすことができる |
部品・加工 | 車を作るうえでの根幹を担うことができる |
組み立て | 車を製品の形にすることにより、車を作っているという手応えを感じられる |
営業・ディーラー | 車を顧客のニーズに合わせて届けることができる |
業界研究をするときには、自動車業界以外についてもざっくりと調べることで、業界の独自性を浮き彫りにできます。こちらの記事を参考に業界研究を進めてみましょう。
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう
③企業研究でなりたい職種を絞る
自動車業界のビジネスモデルにおいてどの工程を担いたいかを決めたら、その工程に携わることができる企業を探してください。そしてその企業で自分がなりたい職種を絞り、志望動機を作っていきましょう。
企業研究では、業界地図や就職四季報、合同説明会などを利用して自分が携わりたい仕事をしている企業を見つけ、就職サイトやその企業の採用ホームページ(HP)などをもとになりたい職種を決めていきます。
職種ごとの働くイメージが湧かない場合は、社員インタビューを読むのもおすすめです。インタビューされている人の部署やポジションを確認しながら、どの部署でどんな仕事をしたいのか考えてみましょう。
- 総合職に募集をしているときでも、なりたい職種を絞っておいた方が良いのですか?
職種を絞り具体的な将来像を描くことが志望動機作成には大切
総合職の求人に応募するときでも、なりたい職種を絞っておきましょう。
志望する職種にはじめから就けるとは限りませんが、目指したい職種や働き方を考慮して志望動機を考えることは大切なことです。
結婚や出産を含むライフプランも踏まえたうえで、具体的な将来像を描けると、自分の人生やキャリアパスを計画できます。
キャリアパスを考える際には、自分のスキルや興味に合う職種を見極め、必要なスキルや経験についての理解も深めてみてくださいね。
また、特定の職種への理解と興味は、面接時に仕事への理解を示す際にも役立ちますよ。
企業研究をするときは必ず16項目についての情報をまとめておきましょう。こちらの記事を参考にしてくださいね。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
④OB・OG訪問で仕事のイメージが間違っていないかを確認する
企業の採用HPなどをもとになりたい職種を決めたら、次はOB・OG訪問で仕事内容を詳しく確認していきましょう。
採用HPに載っている情報は一部だったり、細かい内容まで載っていないケースがあり、そのまま志望動機としてしまうとずれた内容になってしまう可能性もあるからです。
OB・OG訪問では以下のような質問をして、実態に則した働き方や社風などを聞くようにしましょう。
OB・OG訪問でおすすめの質問例5選
- 一日のスケジュールを教えてください
- 仕事でやりがいを感じる部分と、苦労を感じる部分を教えてください
- ○○さんからみて、このチームの社風はどのようなものだと感じていますか。
- ○○職を希望しているのですが、業務内容を教えていただけませんか。
- ○○職ではどんな特徴の人が活躍していますか。また、向いていると思いますか。
仕事のイメージにずれが生じないように、自分のイメージしているものが希望職種やコースの業務に含まれているかをOB・OGに質問してみてください。また、部門間異動や社内横断的なかかわりの有無なども聞いてみるのがおすすめです。
OB・OG訪問を進める手順を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問でする質問をもっと多く知りたい人は、こちらの記事にある100の質問も参考にしてみましょう。
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
⑤集めた情報をもとに入社後に貢献できる仕事を挙げる
自己分析から始まり、業界・企業研究やOB・OG訪問までおこなって情報収集ができたら、あなたがその企業に入社するとしてどのような点で貢献できるのかを書き出してみましょう。
仕事で貢献する姿を伝えられると、採用担当者はあなたの採用を前向きに検討することができるのです。
貢献できる仕事とは、あなたの強みが活かせると感じる業務内容です。たとえば、「部活動で培った協調性が、多くの人とコンセプトを話し合う商品開発職で活かせそう」であったり、「飲食店のアルバイトで養った顧客のニーズを探る力が、営業職で活かせそう」といったことです。
業界・企業研究やOB・OG訪問で把握した仕事の情報をもとに、自分がどのような仕事であれば活躍できそうかというイメージをしてみましょう。
集めた情報をもとに入社後に貢献できる仕事を挙げる例
- 業界・企業研究でA社の商品開発職は環境に良い車に特化した商品開発をおこなっているとわかった
→小さいころから環境問題に関心を寄せて大学で勉強してきた知識が活かせそう - OB・OG訪問でB社の製造ラインでは複数の社員で進捗状況を管理するためにチームワークが求められることを知った
→部活動で培った協調性を活かして働くことができそう - 企業研究とOB・OG訪問でC社の営業は一人当たりの受け持つディーラーの数が多くなる傾向にあるとわかった
→100人規模のサークルで身に付けた大人数をまとめるリーダーシップを発揮しながら働けそう
入社後に貢献できることをアピールする際、必ずしも大きな成果を例にする必要はありません。日常での何気ないこともアピールにつながります。
たとえば、Instagramで丁寧なコメント返信をおこなっているコミュニケーションスキルが、ディーラーとして顧客との良好なコミュニケーションにつながると考えることもできますよ。
回答を整えよう! 自動車業界の志望動機におすすめの構成
自動車業界の志望動機におすすめの構成
- 結論:志望動機を簡潔に表現する
- 理由:志望動機の根拠の概要を説明する
- 具体例:根拠となるエピソードを詳しく紹介する
- 結論:入社後に貢献できることを伝える
志望動機の中身を考え尽くしたら、採用担当者に伝わりやすい内容にブラッシュアップすることが大切です。自動車業界は大手企業の場合、何千人という学生から応募を受けるため、読みづらい志望動機を書いてしまうと採用担当者は呼び飛ばしてしまうこともあります。
ここではPREP法という構成を用いた志望動機の整え方を解説します。志望動機を端的かつ論理立てて伝えることができるので、PREP法を使って読みやすさにこだわりましょう。
PREP法
結論(Point)理由(Reason)具体例(Example)結論(Point)の頭文字をとったもので、話を展開するフレームワーク
志望動機を構成するときは、魅力的なアピールになる6つの要素を知っておくとより良い内容になります。こちらの記事で確認してみてくださいね。
志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説
結論:志望動機を簡潔に表現する
志望動機の1文目では、なぜ自動車業界やその企業を目指しているのかという結論を簡潔に伝えましょう。冒頭で結論を伝えることで採用担当者はこれからどのような話をされるのかを把握することができ、理解度が高まります。
結論:志望動機を簡潔に表現する(ディーラーの例文)
私はディーラーとして、世界トップクラスの安全技術を備える御社の車を、より多くの人に販売したいと考えています。
長さとしては50字ほどで、一文でまとめるようにしましょう。あまり長い文章になったり、文章が多くなってしまうと理解するのに時間がかかり、結果として採用担当者が読みづらいと感じてしまうのです。
志望動機の冒頭で採用担当者がスムーズに理解できるように、簡潔な文章を心掛けましょう。
もしも一文目で志望動機を簡潔に伝えない場合、厳しく言えば「相手への配慮が欠けている」と思われる可能性があります。
個人的にはこれだけ面接対策の情報があふれているにもかかわらず、簡潔明瞭に伝えられないことは単純に準備不足だと感じてしまいます。
志望動機は書き出しにこだわることができると、採用担当者を引き込むことができます。こちらの記事を参考にしてみましょう。
例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法
理由:志望動機の根拠の概要を説明する
結論の次に、結論の根拠となる部分を伝えていく必要があります。根拠を伝えることで志望動機に説得力が増し、わかりやすい文章になるのです。ただ、具体的な根拠は、次の具体例の部分で伝えれば良いので、根拠の概要となる部分を取り上げるだけで構いません。
理由:志望動機の根拠の概要を説明する(ディーラーの例文)
なぜなら交通事故さえ減らすことができれば、多くの人が車を使った豊かな生活を送れると思うからです。
理由の部分についても、前の文章の結論と同様に簡潔に伝えれば良く、長さは1、2文程度で100字前後を目指しましょう。あまり長くなると具体例に割くスペースや文字数がなくなってしまうため、気を付けてくださいね。
具体例:根拠となるエピソードを詳しく紹介する
理由の次には、志望動機に説得力を持たせるために具体例を伝えることが重要です。具体例では自動車に関するエピソードに触れながら、自動車業界を目指すきっかけや業界にこだわる理由を明確に伝えましょう。
具体例:根拠となるエピソードを詳しく紹介する(ディーラーの例文)
小学3年生の頃、父の運転する車に乗っていて事故に遭ったことがあります。急に飛び出してきた車に父の車が衝突し、首に軽傷を負いました。
一時期、車に乗ることが恐くなり、祖父母の家への帰省や旅行などに行けなくなってしまいました。
しかし、大学1年生の頃、追突防止の機能が付いている車の実験映像を見て、強く安心したことを覚えています。その後、友人らとその機能が付いた車で旅行し、安心しながら旅行を楽しむことができました。
具体例は4つに分かれる構成のうち最もボリュームを持たせて、詳しく説明するようにしてください。また、エピソードが複数ある人も、志望動機では1つに絞り、情報量が増えすぎないようにするのが伝わりやすくなるコツです。
また、より具体性を増すためには数字が有効です。年月日や個数など、できる限り数字を盛り込んでみましょう。
- エピソードとして避けた方が良い内容はありますか?
危険性を連想するようなエピソードは避けよう
自動車は、乗っている人や荷物が安全かつ快適に目的地に移動することを叶える乗り物ですが、一方で運転を誤れば危険な事故が生じます。
自動車メーカー自体がレース参加をPRする側面もありますが、基本的にはスピードに執着したり、ドリフトなどの無謀な運転技術や違法な改造を賞賛したりするようなエピソードは望ましくありません。
結論:入社後に貢献できることを伝える
具体例を伝えることができたら、最後に入社後に貢献できることを伝えて志望動機を締めましょう。採用するメリットを企業に伝えることで、採用担当者に採用する根拠を見つけてもらい、内定につなげることができます。
結論:入社後に貢献できることを伝える(ディーラーの例文)
この実体験なども踏まえ、説得力のある接客を心掛けながら、より多くの人に安全で快適な車の販売をしたいです。
最後の結論の部分は、1~2文ほどで100字くらいに収めると最後まで伝わりやすい志望動機にすることができます。また、もし入社後に貢献できることが浮かびづらいときは、入社してどのような人材を目指すかに言及するのもおすすめです。
志望動機の締めくくりに悩んでしまう人も少なくありません。こちらの記事ではテンプレも取り上げているので参考にしてみてくださいね。
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
入社後の貢献を考えるときには、入社後に貢献したいことに注目して考えると浮かびやすいかもしれません。こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
職種別! 自動車業界の志望動機例文8選
自動車業界の志望動機では、自分が目指す職種に沿ったアピールができると、内容が具体的になり説得力が増します。反対に目指す職種が定まっていないと志望動機がどんな職種にでも当てはまるものになってしまい、入社意欲が低いと勘違いされてしまうこともあるのです。
ここでは、仕事内容ごとに志望動機の例文を紹介していきます。自分が目指す仕事内容の例文を参考にしたり、ほかの例文から表現方法を取り入れたりして、自分の志望動機をブラッシュアップしていきましょう。
こちらの記事にも自動車業界の志望動機の例文が載っているので、参考にしてみましょう。
16例文付き! メーカーの志望動機が誰でも作れる5ステップを解説
志望動機に悩んでいる人はこちらの記事も参考にしてみてください。製造業の志望動機に必要な準備やアクションについても詳しく解説していますよ。
例文5選! 製造業の志望動機を魅力的に書く3ステップ
例文①商品開発の志望動機
商品開発は車のコンセプトを決めたり、商品として流通させるにあたってどこを強みとするかを決めたりする仕事です。アイデアや思いを商品に乗せることができ、やりがいを感じられるでしょう。
業務内容から逆算すると、高い情報収集能力や柔軟な発想力、チームで協議しながらコンセプトを決めるためのコミュニケーション能力が必要とされます。そのため、企業への貢献を伝えるときは活かせそうな能力に言及するのもおすすめです。
また商品開発の志望動機では、自分の理想とする車を作りたいという内容になってしまうのも散見されます。あくまで顧客のニーズに合わせた商品を企画することが大事なため、独りよがりな印象にならないように気を付けてくださいね。
商品開発の志望動機の例文
私は御社の商品開発として、顧客が本当に求める車の開発に携わりたいと考えています。なぜなら、大学時代に車のデザインコンテストに参加した際、顧客の声の大切さに気が付いたからです。
大学2年生のときに、大学が主催のデザインコンテストに参加しました。そこで空気抵抗を最小限に抑えた車のデザインを提案し最終選考まで残りましたが、グランプリは獲得することができませんでした。
理由としては、学外の人からの声で「デザインが奇抜すぎて買うのはためらってしまいそう」という意見があったからです。私としてはデザインも洗練され、空気抵抗が少ないという一石二鳥のデザインに思えていましたが、顧客の意見を大切にしないと世の中に価値のあるものが提供できないと感じました。
御社は徹底的な市場調査や顧客の声の分析をおこなっていると、説明会などで話がありました。私が大学の経験で学んだ顧客第一の視点を欠かさず、御社で車のデザインに携わっていきたいです。
発想力を前面に押し出したいときは、こちらの記事を参考にしましょう。自己PRに関する内容ですが、発想力があるといえる人の特徴を掲載しています。
例文10選|発想力の自己PRで勝負するならエピソードが最重要
協調性をアピールする学生は多いため、周りと差別化して伝えることが大切です。こちらの記事を参考にしてみてください。
例文17選|協調性の自己PRで確実に差別化する8つのコツ
コミュニケーション能力も協調性と同様に頻出のテーマです。こちらの記事を参考に、コミュニケーション能力で特にどんな能力をアピールしたいのかを明確にしておきましょう。
例文12選|コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
例文②マーケティングの志望動機
マーケティングは、完成した車のコンセプトや性能などの情報が、顧客に魅力的に届くような施策をすることがおもな業務内容です。具体的には、企業HPでの広報やSNSの運用などをすることがあります。
マーケティングの仕事も商品企画と同様に高い情報収集能力や発想力が求められますが、さらにトレンドを読む力が求められます。商品を届けたい層にどのような購買活動のパターンがあり、どのように訴求すると魅力的に見えるかを市場動向から予想するのです。
マーケティングの仕事に触れた志望動機を作るときには、ほかの業界で代替が効く内容にならないように注意が必要です。マーケティングは別業界にもある仕事のため、「SNSでバズらせたい」などの理由では自動車業界を目指す理由が伝わりづらくなってしまいます。
マーケティングの志望動機の例文
私は、物や情報があふれて消費者の選択肢が広がる今こそ、車が持つ多面的な価値を提案する仕事に携わりたいと考えています。
大学で広告やマーケティングを研究し始めた頃、研究題材の一つとして取り上げた車は、単なる移動手段ということに留まらず、安全性や地球環境への配慮、自己表現など多面的な価値があるものだと気付きました。
私はその後も、ゼミ活動で車に関するマーケティングの研究をしましたが、10代の回答者は「車を持つことを想像したこともない」と回答した人が半数以上を占めるという結果が出ました。
そこで、利用者の大半を10代が占めるSNSを使って、車の性能だけではなくライフスタイルにも訴求した広告を展開することで、長期的なスパンで販売につながるのではないかと考えるようになりました。
入社後も、このような大学の研究で培った知見を活かしながら、車を通したライフスタイルの発信に意欲的な御社で、マーケティング職として働きたいです。
自動車業界のマーケティングの志望動機では、業界を取り巻く知識と熱意を伝えながら、学生時代に取り組んできたエピソードを盛り込み、どのように活かしていけるかを伝えていけると良いと思います。
マーケティング職に求められている能力を知っておくと、志望動機で言及する入社後の貢献の方法が浮かびやすいかもしれません。こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
マーケティング職に就くには? 仕事内容から対策まで徹底解説
例文③生産管理の志望動機
生産管理は、車を作るための生産ラインや工場を管理する仕事になります。製造を担当する職員に指示を出したり、予定通りに作業が進んでいるのかを確認したりするほか、作業の効率化に向けた取り組みもおこないます。
この仕事は、生産が遅れてしまうと販売に大きく響き、大きな損失につながってしまうため、計画性や広い視野が必要とされます。また、製造現場への声掛けや業務改善の聞き取りなどをすることもあるため、コミュニケーション能力も必要です。
生産管理の志望動機では、多くの人とかかわることも念頭においた内容になるようにしましょう。
生産管理の志望動機の例文
私は御社で生産管理として働きたいと考えています。なぜなら、御社のインターンシップに参加した際、品質にこだわる職人と仕事をしたいと考えたからです。
大学3年生の夏、御社の製造現場の仕事を体験するインターンシップに参加しました。その際、職人の方々が細かい作業に細心の注意を払いながらも、効率についても思考を巡らせている姿に大変感銘を受けました。
その後、他社と共同で製造現場の働き方を改善するプロジェクトに取り組みましたが、懸命に働く職人をより広い視野で支援できる生産管理の仕事に興味が湧きました。生産管理であれば私の強みである計画性や広い視野を活かしながら、製造現場にかかわれると考えています。
入社後は、御社の製造プロセスにおいて計画を守りながらも品質を確保し、製造現場と技術スタッフ、営業とも連携して円滑な製造環境を築き上げたいと考えています。
計画性をアピールするときは3つのポイントに気を付けないとマイナスな印象になってしまうこともあります。こちらの記事を参考にしてくださいね。
例文10選|企業に刺さる「計画性」の自己PRは3ステップで完成!
例文④製造の志望動機
製造は車の部品を作ったり、組み立てたり、塗装したりする工程を担う仕事です。車を作っているという実感が得やすい作業のため、やりがいを感じられる人も多い業務内容といえます。
製造は作業書をもとに車を作っていくため、正確な仕事が求められます。もしも車に不具合が見つかったときは、リコールと呼ばれる危険性のある製品の自主回収をすることになる可能性もあるので、責任感も必要な仕事です。
また、作業書に基づいて仕事をするとはいえ、現場でしかわからない改善方法などもあるため、自発的に作業効率の向上などを提案する力も求められています。指示通りに動けるという部分だけをアピールしないように気を付けてくださいね。
製造の志望動機の例文
私は、人の役に立つものが作れる製造の仕事に魅力を感じています。特に、安全性の高い御社の車の製造に携わりたいです。
大学1、2年生の頃、新型コロナウイルス感染症の影響でさまざまな活動がリモートでした。授業や友人との会話もオンラインで、正直なところあまり熱中できず、毎日が淡泊に過ぎていってしまったと思っています。
大学3年生から機械を作るサークルに入りラジコンを作った際、リモートではなくリアルなものづくりをすることの楽しさを強く感じたのを今でも覚えています。
また、その際に少しの調整で速度や安全性が変わる車というものの面白さにも魅了されました。
この経験から私は高い技術力を持つ御社で安全性の高い車づくりに携わり、人々が安心して使える車を作っていきたいです。
「こんなことにモチベーションを感じる」という内容に終始した志望動機は、そのやりがいを感じられなくなった仕事に就いた際に、意欲が低下するかもしれないという懸念を相手に抱かせてしまうため、内容を慎重に調整しましょう。
例文⑤自動車メーカーの営業の志望動機
自動車メーカーの営業は、自社の車を取り扱うディーラーに製品のコンセプトや特徴などを説明し、販売してもらうことがおもな仕事です。説明内容によってディーラーが顧客に伝える内容が変わるので、販売成果にも大きな影響があります。
加えて営業は、ディーラーへの商品説明だけではなく、目標設定やモチベーションの維持のための声掛けなども必要なため、さまざまな人とコミュニケーションを取る力が求められています。
また、営業するためには製品のことを深く知っていなくてはできないため、入社後も車について勉強することが求められます。志望動機では車への強い興味を伝えることもおすすめです。
営業の志望動機の例文
私は、環境性能とデザインが優れた御社の車を、世界中に届けられるような営業職になりたいと考えています。
車が必要な地域で育ったため、小さい頃から車は生活必需品でした。そのため、単なる移動手段を超え、車は家族の団らんの場や一人でゆっくり考え事をする場所としての機能もあると感じています。
そんないろいろな意味を持つ車をより多くの人に届けたいと思っています。ただ、私一人だけの体験や思いだけでは多くの人に車を届けられないので、ディーラー職の方々と協力しながら、多くの顧客に販売したいと考えています。
私自身の体験をもとに、車の価値を多方面から分析することも続けながら、ディーラーと一体となって顧客に訴求することで、性能の高い御社の車を一人でも多くの人に届けたいです。
営業の仕事は、最終的には自社の車を多くのユーザーに乗ってもらうことにつながります。ディーラー、企業や官公庁の車両担当者、または海外の販売代理店を通じて、魅力ある自社の車を広める仕事と捉えてみると、やりがいを感じられませんか。
例文⑥ディーラーの志望動機
ディーラーは特定のメーカーの車を顧客に販売する仕事で、車の購入を考えている顧客の相談に乗り、ニーズに合わせた最適な提案をすることが求められます。
顧客のニーズを汲み取るためには、特に傾聴力や幅広い視野で物事を考える力が求められます。自分と違った理由で車が欲しいと話していても、顧客の話を深く理解し、同じ立場になって考えることで、最適な提案をすることができるのです。
ディーラーは車の知識があると、顧客への営業に有利に働きます。ただし、車が好きで詳しいだけでは顧客への提案にはつながらないため、志望動機ではどのように顧客に提案をして満足してほしいのかを述べるようにしましょう。
傾聴力をアピールするときは4つの特徴を押さえるのが大切です。こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
14例文|傾聴力の自己PR作成に欠かせない必勝3ステップ
ディーラーの志望動機の例文
私はディーラーとして、世界トップクラスの安全技術を備える御社の車を、より多くの人に販売したいと考えています。なぜなら交通事故さえ減らすことができれば、多くの人が車を使った豊かな生活を送れると思うからです。
小学3年生の頃、父の運転する車に乗っていて事故に遭ったことがあります。急に飛び出してきた車に父の車が衝突し、首に軽傷を負いました。一時期、車に乗ることが恐くなり、祖父母の家への帰省や旅行などに行けなくなってしまいました。
しかし、大学1年生の頃、追突防止の機能が付いている車の実験映像を見て、強く安心したことを覚えています。その後、友人らとその機能が付いた車で旅行し、安心しながら旅行を楽しむことができました。
この実体験なども踏まえ、説得力のある接客を心掛けながら、より多くの人に安全で快適な車の販売をしたいです。
少し毛色は異なりますが、販売職のやりがいや大変なところはディーラーに通じる部分も多くあります。こちらの記事を参考に、ディーラーと比較して志望動機を作るときに役立ててみましょう。
販売職の仕事内容や魅力を徹底解剖! 就職するために必要な対策とは
例文⑦研究職の志望動機
研究職は、車の性能に関する研究や新しい技術を開発することがおもな仕事です。たとえばエンジンに関して研究した技術が採用されれば車の走行距離が大きく伸びると予想され、非常にインパクトの大きな功績を残すこともできるのです。
研究職になるには高い知識に加え、世界的なトレンドや顧客のニーズにも敏感になる必要があります。なぜならニーズに合わない開発をしても無駄なものになってしまう可能性があり、研究をした意味がなくなってしまうからです。
研究職の志望動機では、トレンドやニーズを踏まえてどのような技術を開発したいかについて言及するのがおすすめです。
研究・開発の志望動機の例文
私は研究・開発職として、自動車の進化を牽引する御社で、社会に貢献できるような技術開発に携わりたいです。
大学でも自動車エンジニアリングについて研究しており、御社の技術と掛け合わせることで新しい価値が創造できると考えています。
研究テーマはAIを使ったエンジン制御システムで、エンジンの性能や燃費の改善に直結する内容のため、今後の車の開発にも活きると感じています。
ただ、この研究を実証実験したり、製品化するには大きなコストや労力も懸念され、それを実現して世の中に新しいものを提供するためには、業界をリードする御社の環境が最適だと感じました。
入社後は高い専門性を存分に活かしながら、御社やひいては社会の利益になる研究を深めていきたいと思います。
- 新技術の開発はすぐにはできないと思います。数年~十年単位で研究をおこないたいと伝えても良いですか?
期間は気にしないでOK! チームで研究に臨めることも伝えよう
研究開発職の仕事は基本的に、長期間にわたって取り組むべきプロジェクトが多いので、数年〜10年単位で携わっていくという意思を伝えることは問題ないと思います。
また伝える際に、自身の知識や技能をアピールすることも大切なものの、アピールしすぎるとかえって疎まれる可能性もあります。
そこで、まずはそれ以前から業界で取り組んでいる人たちを敬う気持ちで、「自分が開発職の一員としても問題なくなじめる」という点を企業側に理解してもらうことが必要です。
チームには人間関係もあるため、専門職に適した知識や技能があるということより質の高いコミュニケーションができる点をアピールすると良いかもしれません。
例文⑧開発職の志望動機
開発職はエンジンや車体のほかにも、トレンドになっているIT化の波などに対応することも求められています。車の走行性能だけではなく、渋滞や事故の情報の共有といった交通サービスに寄与することができれば、自動車業界に大きな好影響をもたらすことも可能なのです。
そのため、自動車業界の志望動機ではITのスキルや知識があることにふれて、自動車業界を目指していると伝えることもおすすめします。その場合は自動車との接点を伝えて業界にこだわる理由も明示したうえで、志望動機を伝えるようにしましょう。
開発職の志望動機の例文
私は開発職として、今持っているITスキルや知識を活かして、車の開発に貢献したいと考えています。なぜならデジタル技術の導入が、新しい車に不可欠だと思うからです。
現在、AIやビッグデータを用いた経済活動について研究しています。その中で車が持っているさまざまなデータは世の中の交通のあり方を大きく変えることができるのではないかと感じ、IT化を進めることが社会にとって大切だと思うようになりました。
特に自動運転技術や車両間通信の進化により、新しいモビリティサービスや安全対策が進められており、これらの分野において、私の分析力や機械学習に関する知識を使って課題解決に貢献できると自負しています。
入社後は、自動車とITの融合により、渋滞緩和や交通安全の向上など、社会全体にポジティブな影響を与えるプロジェクトに取り組んでまいりたいと考えています。
最終確認も忘れずに! 自動車業界で避けたい3つの志望動機
自動車業界で避けたい3つの志望動機
- 「車が好き」に終始した内容
- 自動車以外のメーカーでも使える内容
- 給与や福利厚生を中心とした内容
自動車業界の志望動機の中には、採用担当者から誤解を受けたり、マイナスな印象を持たれたりしてしまう内容があります。それらを把握しないまま志望動機にしてしまい、無用なマイナスを受けないように準備しておくことが大切です。
ここでは自動車業界で避けたい3つの志望動機を解説します。作った志望動機が似た内容になっていないかを必ず確認するようにしましょう。
①「車が好き」に終始した内容
自動車業界を目指すにあたって、車が好きなのは良いことです。しかし、志望動機で「車が好き」ということだけをアピールしてしまうと、仕事への活かし方や入社後の姿を連想することが難しく、選考に通過しづらくなってしまいます。
そのため、車が好きであることはわざわざ言及しなくても良いと覚えておきましょう。言葉にしなくても、志望動機の具体例の部分で伝えられたり、面接の端々でアピールすることができます。
また車が好きならある程度知識がある場合も多いので、その知識を業界・企業研究や面接で活かせば良いと認識しておいてくださいね。
車好きであることをアピールしすぎてしまうと、「単なる趣味」であるとマイナスな印象を残してしまう危険性があります。
業務内容への理解や、面接を通してコミュニケーション能力があると伝えたうえで、「車好きである」と伝える程度に留めておきましょう。
②自動車以外のメーカーでも使える内容
自動車業界の志望動機を作った後は、必ず自動車業界に特化した内容になっているかを確認することが大切です。
なぜなら、自動車業界の特に大手などは倍率が高くなる傾向にあり、自動車業界に特化した内容になっていない場合は、採用担当者が志望動機をあまり読まないリスクさえあるからです。
自動車以外のメーカーで使える内容とは、「ものづくりが好き」「商品を多くの人に届けたい」「マーケティングにかかわってみたい」といったものです。どのメーカーや企業でも叶えられる内容になっていないかを、必ず読み返して点検してくださいね。
ほかの業界や企業ではなく、自動車業界、中でも御社ということを伝えるためには、企業研究が欠かせません。自動車を通じて顧客や世の中にどんな影響をもたらしたいかを考えてみましょう。
自動車業界は日本が世界に誇る製造業の一つとして、世界とのかかわりが時に大きなニュースともなります。自動車が持つ先進性や自由さに加え、社会性や公共性といった面にも目を向けるとヒントが見つかります。
③給与や福利厚生を中心とした内容
自動車業界にはトヨタ自動車や本田技研工業など、世界的に名の知れたメーカーもあるため、給与額が高く福利厚生が手厚い企業もあります。非常に魅力的な部分ではあるものの、そこに焦点を当てた志望動機になっていないかは点検してみてください。
たとえばほかの企業より給与がもらえるという内容は、企業にこだわっている理由にはなりますが、企業側があなたを採用するメリットがない志望動機になってしまいます。
また、給与や福利厚生だけに焦点があたった志望動機は、入社することがゴールに感じられ、企業側が採用した後に活躍する姿を見出すのが難しい場合が多いのです。
給与や福利厚生の面も考えながら就活をするのは大切ですが、それが前面に出た志望動機にならないように注意してください。
就活にあたって福利厚生が気になる人は、こちらの記事を参考にホワイト企業の調べ方やリスクについても把握しておきましょう。
福利厚生人気ランキング20|ホワイトな企業を調べる方法やリスクも解説
自動車業界にこだわりたい理由がわかる志望動機で内定をつかもう!
自動車業界の志望動機は、ただなんとなく作ってしまうと多くの学生に埋もれてしまい、選考通過はなかなか難しくなってしまいます。しかし、目指す理由がしっかりと深掘りできていれば、目をひく志望動機になるだけではなく、あなたが自信を持って面接で話すこともできるでしょう。
そのためには、自動車業界の基礎知識を付けておくだけではなく、自己分析や業界・企業分析も通して、具体的にどのような仕事をしていきたいかということを思い描いておくことが重要です。
また、車が好きという気持ちが空回りしてしまうことも防ぐために、志望動機で避けておきたいパターンも把握して志望動機の見直しも欠かさないでくださいね。自動車業界に特化した志望動機で周囲に差をつけ、内定をつかみましょう。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る自動車業界の志望動機を作るには業界・企業・自分の分析が必須
自動車業界の志望動機を作るうえで、今後のキャリアパスを長期的に捉え、どのように貢献していくことができるかを考えることが重要です。自動車業界の業界・企業分析と併せて考えておくことで、自信を持って面接に臨むことができます。
また、車が好きという特性を活かして、どのような職種に活かすことができるかを考えることも有益だと思いますよ。
情報収集をしながら自分なりのキャリアパスを考えてみよう
カーボンニュートラルへの取り組みなど、自動車業界の現状についてなどは単語を追うことはできても、業界の全体像を把握することは難しいかもしれません。
たとえば、日本計画研究所はさまざまな業界向けセミナーを運営しているため、自動車業界の課題や最新動向について把握するために活用してみましょう。
また、セミナーの内容や登壇者のキャリアをもとに、自身のキャリアパスを考えることもできます。
就職活動は、単なる情報収集に留まらず、さまざまなアプローチを試行錯誤する過程です。好奇心を持ち続け、就職活動に積極的に取り組んでくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
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