内定辞退の理由を伝える例文11選|4つの注意点でトラブルを防ごう

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  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める

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  • キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表

    Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

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内定を辞退しようと決断した際、「理由を聞かれたらどう伝えるべき?」「この理由だと失礼かな……」などと不安になる人は多いものです。特に第一志望だと伝えていたり、採用担当者にお世話になっていたりすると、辞退理由をどう伝えるべきか悩んでしまいますよね。

内定辞退の理由を正直に伝えた方が良いのは事実ですが、何も考慮せずにストレートに伝えてしまうと、企業とトラブルになる可能性があります。

この記事では内定を辞退する理由として避けたい4つのポイントと、伝える際の大事なマナーをキャリアドバイザーの平井さん、谷所さん、渡部さんとともに解説します。辞退したい理由別の例文11選も紹介するので、辞退理由の伝え方を正しく理解してくださいね。

目次

内定辞退の理由は伝え方に注意しないとトラブルになるリスクがある

企業は長い時間をかけて慎重に検討を重ねたうえで、内定者を決めています。内定辞退者が出るのはある程度想定はしていることですが、それでも力を注いで選び抜いた内定者に辞退されるのはショックを受けるものです。

そのため辞退する際は企業に失礼のない、かつ納得感のある理由を丁寧に伝える必要があります。記事ではまず内定辞退の理由でトラブルを避けるための4つの注意点を解説するので、どんな伝え方なら問題ないのかを把握しましょう。

加えて、連絡する際のマナーも重要になるので、適切な連絡方法と参考に使える例文11選を紹介します。万が一トラブルになる事態に備えて、内定辞退で起こりうる3つのトラブルと対処法も最後に解説するので、内定辞退の理由をしっかり伝えたうえで無事にやり取りを終えられるようにしましょう。

平井 厚子

プロフィール

内定辞退を伝えるのは気が引けますよね。だからといって連絡をしない、先延ばしにするというのは絶対にやめましょう。企業は内定者数の目標が一定を超えた時点で採用を終了し、配属の計画に入り始めているからです。

採用選考でお世話になったこと、内定をもらったことに丁重なお礼を伝えたうえで、辞退で迷惑をかけることをお詫びしましょう。

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そもそも内定辞退の理由は伝えるべき? 知っておきたい前提と企業の本音

「内定辞退の理由は必ず伝えないといけないの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。内定を辞退することは学生の権利であり、基本的には「一身上の都合で」や「熟慮の結果」などの定型的な理由でもマナーとして問題はありません。

しかし、内定辞退の具体的な理由を聞いてくる企業が多いのも実情です。企業としてはせっかく一緒に働きたいと思った内定者に辞退されるのは残念なことであり、詳しい理由や学生の気持ちは当然気になるからです。

また内定が出るということは求める能力を満たしているだけでなく、学生にとってもこの企業がマッチすると思ったからこそでしょう。そのため辞退理由を聞くことで自社の懸念点を探り、払拭しようとする担当者が多いのです

ほかにも競合企業とのギャップを知るためなど、学生を責めるためではなく、その後の採用活動に活かすために理由を確認するという側面もあります。企業によっては口コミサイトに悪い噂が載っていることもあるため、辞退理由を聞くことで学生の思い込みによる辞退を防ぐこともできます。したがって辞退理由を聞かない担当者はまれなのです。

以上のことから、内定辞退を連絡する際は理由もしっかり考えておく必要があります。

アドバイザーコメント

引き止めではなく認識のズレを探るために理由を聞く企業が多い

企業が内定辞退を引き留めようとするのは、その学生に入社して活躍してほしい、この学生なら活躍が期待できる、と考えて内定を出しているからです。

ただ、いったん辞退の意思表示があったらそれを覆すのは難しいと企業も理解しています。また企業によっては、一度表明した内定辞退を撤回させても入社後の定着は難しいのではと疑問視するところもあるので、強引な引き留めは少なくなっていると思います。

企業にとっては「内定辞退=採用の失敗」なので理由は重要

内定辞退の申し出があった時、企業は内定者の判断と自社の判断のどこに齟齬があったのか、採用プロセスでの意思確認のどこがずれていたのかなどを検証したいと考えます。

検証結果は次年度以降の採用活動(もしくはまだ当年度の採用が継続していれば当年度)に反映させ、採用の精度を上げようとします。そのために内定辞退理由を聞き出そうとするのです。

したがって、辞退理由を聞かない会社は少ないと思います。学生を責めたいのではなく、採用の失敗事例として経緯を振り返り、採用ノウハウを蓄積することが目的なのです。

誠実さが重要! 内定辞退の理由を伝える際の4つの注意点

内定辞退を伝える際に理由をきちんと用意しておく必要性がわかったと思いますが、理由の伝え方には注意が必要です。内容や伝え方によっては企業にすぐ受け入れられなかったり、怒られたりなどのトラブルになるリスクもあります。

ここでは内定を辞退する際の理由で気を付けるべき4つのポイントを解説するので、事前に把握してわだかまりなく辞退できるようにしてください。

①嘘をつかずに正直に伝える

企業に引き止められないようにしようと思うあまり、「急に病気になった」「留年が決まった」などと嘘をつく人もいますが、嘘の理由を伝えるのは避けましょう。

企業の採用担当者は採用のプロであり、学生から辞退連絡が来ることにも慣れています。そのため明らかな嘘はすぐに見抜かれてしまいます。

また嘘がばれた場合、関連会社の選考に影響したり、社会人になってから取引先などとしてかかわる際に印象が悪くなる可能性もあります。企業からの信頼を損ねることになりかねないので、嘘をつくのはやめて正直な理由を伝えてください

どうしても正直な理由を言いにくい場合の対処法や、嘘をつくリスクはこちらのQ&Aコンテンツでもキャリアアドバイザーが解説しています。ぜひ併せて確認しましょう。

②家族などのせいにせず自分の意思を伝える

「親に反対された」「教授から別の企業を紹介された」など、周囲を理由にして辞退しようとする人もいますが、辞退理由としては十分ではありません。

たとえば仮に本当に両親に反対されていたとしても、最終的に判断するのは自分です。企業からも「自分の将来なのに自分で決めなくて良いの?」や「ご両親が心配してるなら私からも説得するよ」などと言われてしまい、余計に困る可能性もあります。

正直な理由を伝えるのは勇気がいるかもしれませんが、事態をややこしくせず誠意を示すためにも、なぜ辞退の判断をしたのかという自分の考えをしっかり伝えましょう。その方が企業も納得してくれますよ。

③入社予定企業の名前は言わない

より志望度の高い企業から内定をもらえて、別企業の内定を辞退するという人も多いでしょう。その場合はほかの企業に入社するということは伝えても問題ありませんが、入社予定企業の名前を言わないように注意しましょう。

その企業と取引をしている場合は企業としても良い気はしないですよね。また特に同業の場合は社員同士で知り合いがいることも多く、もしかすると影で自分や大学について何か言われる可能性もあります。企業名を伝えるのはトラブルのもとになりやすいので、仮に聞かれても「申し訳ございません。それは伝えかねます」と低姿勢で断りましょう

一方でそれまでに人事との接点が多く、担当者としても純粋に学生がどの道を選んだのか気になるというパターンももちろんあります。担当者と関係が深く、頑なに言わないことが逆に失礼な態度になる場合は、伝えるのも選択肢の一つです。

これまで選考状況を詳しく伝えていた場合でも、入社企業名はごまかした方が良いのでしょうか?

平井 厚子

プロフィール

「企業に誠実な対応をするには」という視点で考えよう

「ごまかす」というのが気になりますね。「伝えない」ことは「ごまかす」ことではありません。誠心誠意、自分の考えを説明して理解を得ることです。ただし固有名詞などは伝える必要はない、ということです。

選考過程で他社の進捗を伝えていて、おおよそどこに入社するかの見当がつくとしても同様です。ただ、そこまで細かく進捗状況を伝えていたということは、採用担当者と信頼関係ができていた可能性を感じます。

その場合はより誠実に丁寧にするためにも、必要なら企業名を伝えたり、直接企業に出向いて辞退を伝えたりする方が良いと思います。

④企業を否定するようなネガティブな発言はしない

辞退理由は正直に伝えるべきですが、企業の欠点などのネガティブな理由は失礼に当たるので、ストレートに話すのは避けましょう。具体的には企業の悪い噂や口コミを聞いた、他社より給料が低い、面接官の態度が悪かったなどです。

こうした理由は担当者の怒りを買う可能性があるだけでなく、企業から説得されやすくもあります。たとえば「口コミサイトに悪い噂が書いてあった」というのが理由なら「本当はそんなことはない」という別の情報を提示することができ、「面接官の態度が悪かった」なら「ほかの現場社員と面談してみよう」という話になるかもしれません。

そのため企業のネガティブな要素が辞退理由の場合でも、「適性や将来を慎重に考えた結果、ほかの企業に決めた」などと、その企業がどうこうではなく自分の意志を伝えることがポイントです。先述の通り、社会人になってからかかわる場面がある可能性もゼロではないので、辞退するからといっておざなりな態度は取らないようにしましょう。

アドバイザーコメント

まずは内定辞退の意志をはっきり伝えることが大切

内定辞退について曖昧な言葉や態度で伝えると、採用担当者は内定辞退の意志をしっかり汲み取れず、「引き留めることができる」と誤解してしまいます。伝えにくくても、辞退する意志を言葉できちんと伝えてください。

その際注意する点としては、求人情報に公開されている内容を内定辞退の理由にしないことが大切です。

たとえば給与が低いからなど、公開されている労働条件や待遇面を理由に辞退すると、「事前にわかっていて応募したのに今さらなぜ理由にするのか」と、採用担当者は不快に感じ納得しないはずです。そのため選考前に把握できる情報は理由にしないようにしましょう。

採用担当者が不快を感じる発言は避けよう

内定辞退の理由を伝える義務はないですが、通常は採用担当者から理由を問われます。その際、応募企業を否定するような発言や、他社の方が優れているなどの理由は、伝えるべきではありません。

他社を選択するという理由であれば、「十分考えた結果、他社へ就職したい」で問題ありません。また病気や留年といった嘘の理由を伝えると、表情や語調などから嘘だとわかることが多いでしょう。

採用担当者が不快になる理由や嘘の理由は、伝えるべきではありません。

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内定辞退を連絡する際に気を付けたい3つのマナー

内定辞退を連絡する際に気を付けたい3つのマナー

  • 辞退を決めたらなるべく早めに伝える
  • メールや手紙よりもまず電話する
  • 担当者が忙しい時間帯は連絡をしない

内定辞退の理由でトラブルを防ぐための注意点を解説しました。避けるべきポイントを理解できたら、企業に連絡するための準備を整えていきましょう。内定辞退の連絡は企業にとって決してうれしいものではないため、伝える際のマナーにも気を付けることが大切です。

「メールだけでも良いの?」「どのタイミングで伝えるべき?」など気になることも多いですよね。ここでは内定辞退の連絡で重要な3つのマナーを解説するので、失礼のないようにやり取りを進めて、トラブルになるリスクを最小限に抑えましょう。

①辞退を決めたらなるべく早めに伝える

内定辞退の連絡は気まずい思いや申し訳ない気持ちもあり、つい先延ばしにしがちです。またほかの企業と迷っていたり、より志望度の高い企業の結果を待っていたりして遅れることもあるでしょう。

しかし企業としては、内定辞退の連絡は早いほど助かります。内定者の枠が埋まっている分、ほかの学生を不採用にしているだけでなく、入社後の配属や研修計画をすでに進めていることもあるからです。

特に内定承諾後であれば備品の購入なども進めている可能性があり、直前での辞退は企業にとって大きな損失になるといえます。辞退の意志が固まったら、なるべくすぐに企業に連絡しましょう

内定辞退はいつまで可能なのかこちらの記事で解説しています。法律上の注意もキャリアドバイザーが解説しているので、事前にチェックしてくださいね。
内定辞退はいつまで? データをもとに内定辞退率が高い時期を紹介! 

内定辞退をした企業に、後からやっぱり入社するというのは可能ですか?

谷所 健一郎

プロフィール

企業や充足状況により異なるが基本的には難しい

内定辞退した企業に入社できるかどうかは、企業により異なります。

円満に内定辞退をしていれば可能なケースもありますが、内定辞退によって新たに採用をして、すでに充足している場合は入社は難しいでしょう。

新卒採用で難しければ、別の企業へ就職をして中途採用で転職するという方法はあります。

一度内定を辞退したら入社は難しいというのを踏まえたうえで、内定を辞退すべきかしっかり検討しましょう。

こちらのQ&Aでは、「内定辞退は3月にしても良いのか」という疑問にキャリアアドバイザーが回答しています。やむを得ず辞退が遅くなってしまった人は注意点や対処法を併せて確認しましょう。

②メールや手紙よりもまず電話する

内定辞退の電話をするのは勇気がいるものです。メールで済ませたいと思う人もいるかもしれませんが、メールだとエラーなどでまれに担当者に届かなかったり、担当者が忙しくて読むのが遅くなったりすることもあり危険です。

内定辞退は単なる事務連絡とは違い、緊急性や重要度が高いものなので、電話で早く伝えて自分の口から謝罪するのがマナーだと捉えましょう

より丁寧に対応したい場合は、電話した後にメールや手紙を送るのも一つの手です。もし電話口で責められたり考え直すよう説得されたりしても、電話の後にメールも送れば辞退の意志を伝えたという証拠を作ることができます。

また内定式の後など、ぎりぎりでの辞退になってしまった場合は手紙も併せて送るとせめてもの誠意を伝えられます。メールや手紙を送る際のマナーや例も後ほど詳しく解説するので参考にしてください。

選考状況によっては、結果の連絡が来る前から辞退を考えるケースもあるかもしれません。電話で内定通知が来た際、その場で辞退する場合のマナーや注意点をこちらの記事で解説しているので、確認しておきましょう。
内定を電話で通知されたときの受け答え|保留や辞退したい場合も解説

③担当者が忙しい時間帯は連絡をしない

連絡する時間帯の目安

内定辞退は基本的に電話で伝えるのがベストですが、いつでも電話して良いわけではありません。企業が休みの日を避けて営業日に連絡するのはもちろん、時間帯にも注意しましょう

上の図のように、始業直後や終業前の忙しい時間帯、昼休憩で席を外している時間帯は避けてください。担当者につながりやすい11時~12時/14時~17時を目安に電話しましょう。始業時間や終業時間は企業によって差があるので、事前に勤務時間を確認するのも良いですね。

もし電話がつながっても採用担当者が不在だった場合は、戻る時間の目安を聞いて再度電話するのがマナーです。電話口の社員が「担当者に折り返し電話させます」と提案してくれる場合は、自分の携帯番号とすぐに出れる時間帯を伝えて連絡を待ちましょう。

谷所 健一郎

プロフィール

内定辞退の連絡で大切なマナーは、辞退を決めたら速やかに電話で辞退の意志を伝えて、謝罪と内定をもらったことへの感謝の気持ちを伝えることです。

どうせ辞退する企業だからと考えて、連絡を後回しにしないようにしましょう。

内定と内々定では辞退の重さも変わってきます。違いがわからない人や注意点を知りたい人は、こちらの記事で両者の正しい辞退方法を理解しましょう。
内定とは? 内々定との違いから承諾・辞退の連絡まで徹底解説

準備が大切! 内定辞退の理由を丁寧に伝えるフォーマット

内定辞退の連絡方法を解説しましたが、注意点を理解できても、いきなり企業に電話するのは危険です。辞退の意志を伝えつつマナーをきちんと守れるように、事前に電話で伝えるべき内容を整理しておきましょう。

採用担当者は辞退の連絡にも慣れているので、絶対に入社してほしいと思っているような場合はあの手この手で説得してくることもあります。そうなったときに流されてしまわないためにも、ここで紹介するフォーマットを活用しましょう。流れに沿ってメモに書いておくと安心です。

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①大学・学部名・学年と氏名を名乗る

担当者が出た場合に名乗る例

学生:お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。お忙しいところ恐縮ですが、ただいまお時間よろしいでしょうか? 

受付の人が出た場合に名乗る例

学生:お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。採用担当の〇〇様をお願いできますか? 

採用担当:お電話変わりました。〇〇です。

学生:お世話になっております。〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇です。お忙しいところ恐縮ですが、ただいまお時間よろしいでしょうか? 

電話がつながったら、まず大学・学部名・学年と氏名を名乗ります。大学名だけだと同じ学校の人もたくさんいたり、苗字が同じだったりする可能性もあるため、相手が混乱しないように丁寧に名乗りましょう。

名乗ったらいきなり話を始めるのではなく、「ただいまお時間よろしいですか」と相手に確認するのがビジネスマナーです。

採用担当者の電話番号を知っていれば直接電話で伝えられますが、わからなければホームページなどで企業の電話番号を調べましょう。それまでにメールでやり取りしていれば、メールの署名に電話番号が載っていることも多いです。

担当者ではなく受付などほかの人が出た場合も、同じように自分の肩書と名前を伝えて、採用担当者につないでもらいましょう

②内定のお礼と辞退の旨を伝える

内定のお礼と辞退の旨を伝える例

学生: 先日は内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。大変申し上げにくいのですが、考え抜いた結果、御社の内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

担当者と電話がつながったら、まずは内定のお礼を伝えましょう。いきなり辞退したいというと、少しぶしつけな印象があります。内定をもらったことへの感謝を伝えてワンクッション置くことで、より丁寧になりますよ

内定へのお礼を伝えたら、辞退したいという意志を低姿勢で伝えます。「大変勝手ではありますが」「考え抜いた結果」というようなクッション言葉をはさんで、申し訳ないという気持ちを言葉でも示すことが大切です。

③辞退する理由を伝える

辞退する理由を伝える例

採用担当:差し支えなければ辞退の理由を伺っても良いですか? 

学生:はい。ほかにも内定をいただいた企業があり、家族とも話し合って考え抜いた結果、当初から目指していた研究職に挑戦できるそちらの企業に就職することを決めました。

御社に入社したいと思った気持ちも決して嘘ではないのですが、このような結果となり申し訳ございません。

辞退の意志を伝えると、「理由を聞いても良いですか?」と担当者から聞かれることがほとんどです。理由を聞かれたら、ごまかさず正直な気持ちを丁寧に伝えましょう

先述の通り、企業を否定するような発言をしないこと、人のせいにせず自分の判断だと伝えることが大切です。また繰り返しになりますが、入社予定の企業の名前は出さないように注意してください。

内定辞退の理由を聞かれなかったら、わざわざ言わない方が良いでしょうか?

渡部 俊和

プロフィール

辞退理由を聞かれなかったら内定へのお礼とお詫びだけで良い

理由を聞かれないならば言う必要はありません。その場合は、これまで自分を評価してくれたことへのお礼と、期待に沿えず申し訳ないというお詫びの気持ちだけ伝えるようにしてください。

理由を聞かない担当者には2パターンあると思います。一つは、多くの辞退者が同じ理由で辞退してくる場合。ある程度理由がわかっているのであえて聞く必要がないというパターンです。

基本給が低いとか、全国転勤があるなど、条件面でマイナス要因が明確な場合は、このようなケースが多いです。

もう一つは、辞退をしてくる学生を引き留める気がない場合です。辞退の意思を伝えてきた時点でかなり固い意志があると担当者にも伝わるので、縁がないなら頑張って引き止めようとしても時間の無駄だと考える担当者もいるでしょう。

④これまでのお礼と謝罪をもう一度伝える

これまでのお礼と謝罪をもう一度伝える例

採用担当:そうでしたか。〇〇さんと働けるのを楽しみにしていたので残念ですが、頑張ってくださいね。

学生:〇〇さんを始め、御社には大変お世話になり、本当にありがとうございました。重ね重ね申し訳ございません。それではこちらで失礼いたします。

誠実な態度でしっかりとした理由を伝えたら、引き止められずに電話が終わることが多いです。だからといって担当者が穏やかな気分でいるとは限らないので、最後まで気を抜かないようにして、挨拶もマナーを意識することが大切です。

人によってはインターンや面談などを通じて担当者と何度もやり取りをしてきたかもしれません。これまでお世話になったことや時間を割いてもらったことにもう一度感謝の気持ちを伝え、一言謝罪を添えてから電話を終えましょう。電話を切るのは先に企業が切るのを待ってからでもかまいません。

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理由別! 企業に失礼なく内定辞退の意志を伝える例文8選

内定辞退の理由を伝える際のフォーマットを解説しました。実際に連絡する内容は整理できたでしょうか。

ここではよくある理由別に辞退例文を8選紹介します。キャリアアドバイザーによる解説もあるので参考にして、自分が作った文章が適切かどうかあらためて確認しましょう。

例文①他社に内定をもらったから

他社に内定をもらった場合

ほかにも内定をいただいた企業があり、悩んだ結果、今まで力を入れてきた英語を活かせる業務に挑戦したいと思い、そちらに入社することを決めました。

より志望度の高い企業の内定が出て、ほかの企業の内定を辞退することはよくあります。この場合は正直に伝えて、意志が固まっていることを示しましょう

他社に決めた理由をさらに聞かれたときは、「条件が良いから」のように比較するような発言は失礼であり良くありません。「自分のやりたいことができるから」「適性や将来を考慮して」のように伝えて、辞退する企業を下げないことが大切です。

渡部 俊和

プロフィール

実際の電話ならこの文面に加えて、お礼や感謝を伝えることになると思いますが、少し注意したいのは「英語を活かせる」というのが根拠として弱い場合があるということです。

辞退先の企業でも英語を使える可能性はゼロではないので、入社企業と断る企業でどのくらい違いがあるのかを精査したうえで、理由として使ってください。

例文②希望の業界や職種が変わったから

希望の業界や職種が変わった場合

当初は営業職を中心に就活をおこなっていましたが、就活を進める中でIT業界に強く興味が湧き、エンジニアに挑戦できる企業で就活をやり直そうと思っています。すでに面接に進めた企業が何社かあるので、そちらに集中して頑張ります。

当初はこの企業が良いと思っていても、就活を進めるうちに違う業界や職種に興味が出てきて、希望の進路が変わることもありますよね。その場合は、自分のやりたいことが変わったこと、それはこの企業ではできないことを丁寧に伝えましょう。

しっかり考えずにフラフラしているだけだと思われると、本当にその決断で良いのかと企業が追及してくることもあります。したがって「すでに選考を受けている」というように、気分だけではなく行動に移したうえでの判断だと伝えるようにしましょう

平井 厚子

プロフィール

就活途中で志望業界や職種が変わったと伝えることは問題ありません。ただ例文の場合、「面接に進んではいるが、内定は出ていないのですね」と引き留めにかかる企業もありそうです。

そのためはっきりと明確に、辞退の意思を伝えましょう。

例文③社風や業務に適性がないから

社風や業務に適性がない場合

これまで面接や面談でお話を伺う中で、全員が成長を目指している姿に憧れてきましたが、ゆっくりキャリアを築きたいという自分には合わないのではないかという思いや、ついていけないだろうという不安がぬぐえず、より自分に合った環境で頑張ろうと決めました。

最終面接までは受けたが、何となく違和感があり内定を承諾するのには抵抗があるということもあるでしょう。企業の社風が合わないと感じていたり、自分に向かない仕事だと思っているからかもしれません。

「何となく合わないと思った」だけだと説得力がなく、誠意も感じられないので伝え方に注意しましょう。その企業のどんなところが自分の性格や能力と合わないと感じたのかを明確に伝えることが大切です

谷所 健一郎

プロフィール

成長へのスピードが求められる社風と、じっくりキャリアを構築していきたいという考えとが合わないという理由は、一定の理解は得られるでしょう。

しかし「ついていけないだろうという不安をぬぐえない」と伝えると、不安を解消すれば説得できると考える採用担当者もいるので注意が必要です。

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例文④希望の条件ではなかったから

希望の条件ではなかった場合

最初からコンサルタントに挑戦して早くからキャリアを築きたいという思いが強く、事務職スタートでの採用という条件が自分にはどうしても合わないと判断し、辞退させていただきます。

職種、勤務地、配属などが希望と違ったということもよくあります。その場合はなぜその条件にこだわるのかという自分の考えをしっかりと伝えて、企業に対する不満のように聞こえないようにしましょう

また条件が希望と違うというより、給料などがより良い企業から内定をもらったために辞退するということもありますよね。その場合は繰り返しになりますが、「より条件の良い企業から内定を得た」と伝えるのではなく、「自分の将来や適性を慎重に考えた結果」というように伝えることが大切です。

渡部 俊和

プロフィール

この文面だと、「新卒ですぐコンサルは難しいよ」という企業からの反論を受ける可能性があります。実際それは事実なので、辞退理由としては少し隙があるかもしれません。

入社したい企業との間に根本的な違いがあるのであれば、それに関連した違う切り口にした方が、より説得力があると思いますよ。

例文⑤地元に残りたいから

地元に残りたい場合

せっかく内定をいただきましたが、やはり住み慣れた地元を離れたくないという気持ちがあり、現在受けている地元企業の中から就職先を決めたいと思います。

当初は幅広い勤務地の企業を受けていても、就活を進める中でやはり地元で就職したいという思いが固まることもあります。また「地元の支社への配属を希望していたが東京本社での内定が出た」というように、地元に残りたいという希望が叶わなかったということもあるかもしれません。

地元に残りたいために内定を辞退する場合は、そう考える自分なりの理由を伝えましょう。「親の希望で」など家族のせいにしたりすると、考え直すように説得されてしまう可能性もあるので注意してくださいね。

平井 厚子

プロフィール

一度は地元を離れる選択をしたにもかかわらず、それをひっくり返しての辞退なので、地域活動や町おこしなど、地元でやりたいことについても説明できるように準備しておきましょう。

もし聞かれなかったら伝える必要はないですが、聞かれたときは将来のビジョンも話せると良いですね。

例文⑥大学院に進学するから

大学院に進学する場合

今までお伝えせず申し訳ございませんが、大学院に進学したい気持ちがありずっと迷っていました。やはりこのまま研究を続けたいと思い、家族からも了承を得たので、勝手ではありますが大学院に進学する決心をしました。

大学院に合格した、もしくは就活を辞めて大学院進学に専念しようと決めたという人もいるでしょう。その場合はできるだけ早く企業にその意志を伝えましょう。

「最初から大学院に進学するつもりだったが、不合格の場合に備えて就活も並行して進めていた」という人は、滑り止めだったと受け取られないように辞退の伝え方に注意が必要です。「御社で働きたいという気持ちも強かったが、よく考え抜いたうえで判断した」というように、誠意を示して辞退しましょう。

谷所 健一郎

プロフィール

大学院へ進学したいという気持ちを黙っていたと伝えるのは、大学院が不合格だった場合の滑り止めという印象を与えてしまう可能性もあります。そのため「悩んだ結果、大学院への進学を決断した」という理由だけで問題ありません。

家族からも了承を得たというのも、自分の意志で決められない印象を与えるので必要ないでしょう。

例文⑦公務員試験に合格したから

公務員試験に合格した場合

お伝えしていたとおり公務員試験を並行して受けていて、先日内定をいただきました。自分のやりたいことや将来を慎重に考えた結果、公務員の道に進むことを決断しました。

公務員になる場合も大学院への進学と同様に、その企業の選考は滑り止めだったと受け取られないように注意しましょう。「当初からの希望だった公務員に受かったから」ではなく、「迷っていたが、熟慮したうえで公務員になることを決めた」というように企業に失礼のないように伝えるのが無難です。

また公務員試験を受けることを企業に伝えていなかった場合は注意が必要です。試験の区分によっては夏~秋頃にやっと結果が出ることもあるため、企業の内定を承諾してから辞退するという人もいるかもしれません

この場合は担当者が怒るなどトラブルになるリスクが大きいため、誠意を込めて謝罪しましょう。詳しくは後で解説しますが、内定辞退のお詫びを手紙で併せて伝えるとより丁寧になります。

渡部 俊和

プロフィール

「自分のやりたいことや将来を慎重に考えた結果」という部分を、より具体的に説明すると良いです。

やりたくない仕事の企業を受けたわけでもなく、将来を考えなかったわけでもないはずなので、この場合は「公務員だからできること」をしっかり伝えましょう。

例文⑧卒業単位が取れなかったから

卒業単位が取れなかった場合

大変申し訳ないのですが、選択科目の履修単位が足りなかったことが判明し、留年することになりました。教授にも相談しましたが今から必要な単位を取り返すことはできないとのことで、内定は辞退させていただきたいと思います。

単位が足りずに卒業できない事態になったら、すぐに企業に伝えましょう。企業としても毎年人数を調整したうえで採用をおこなっているので、卒業できないのであれば内定を取り消すということが多いです

またさぼっていたつもりはなくても、1つだけ必要な単位が取れていなかったというような思わぬミスが判明することもあります。

辞退するのが自分の意志でない場合は、まず教授や大学の学生センターなどに相談して、別の授業を受けることで足りない単位を取り返せないかなど相談するのも一つの手です。どちらにしろ辞退することになってしまったら、正直に伝えて自分の不手際を謝罪しましょう。

平井 厚子

プロフィール

卒業単位が取れなかった場合は内定取り消しとする企業が多いので、理由について深掘りされる可能性はほぼないです。

まれに入社日を延期して卒業を待ってくれる企業もありますが、あくまでも企業側の好意によるものなので、こちらから期待するのはやめましょう。

留年がどのように就職活動に影響するのか気になる人は以下の記事を参考にしてみてください。留年が与える影響と成功のコツをまとめています。
留年すると就職できない? 企業側の捉え方と内定を得るための方法

留年した場合の対応については、こちらのQ&Aコンテンツでもキャリアアドバイザーが解説しています。もらっている内定をどうすれば良いのか確認しましょう。

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より丁寧にするなら! メールや手紙で内定辞退を伝える例文3選

より丁寧にするなら! メールや手紙で内定辞退を伝える例文3選

  • メール:電話がつながらなかった場合
  • メール:電話した後にあらためて伝えたい場合
  • 手紙:トラブルになる可能性が高い場合

内定辞退を企業に連絡する際の例文を紹介しました。これまで解説したように、正直な理由を丁寧に伝えれば電話も問題なく終わることがほとんどです。

しかし場合によっては、メールや手紙でのフォローが必要になります。どのような場合が当てはまるのか、またどのように対応すれば良いのか把握しておきましょう。ここではメールや手紙で内定辞退を伝える3つのパターンとその例文を解説します。

メール:電話がつながらなかった場合

担当者がたまたま席を外していた場合はあらためてかけ直すのがマナーですが、電話そのものがなかなかつながらない場合は、できるだけ早く内定辞退の意志を伝えるためにも、メールを送るのがおすすめです。

メールに書くべき内容は電話とほとんど同じですが、文面だけだと感情が伝わりにくいため、敬語やマナーにより注意して丁寧に書きましょう

下記の例を参考に、件名や宛名、署名もしっかり入力し、見直しをしたうえで送信してください。宛名を誰にすべきかわからない場合は、「採用ご担当者様」でも問題ありません。

送信メッセージ

TO〇〇〇〇@theport.jp

CC

件名【内定辞退のご連絡】〇〇大学〇〇学部〇〇学科 港太郎

株式会社〇〇
人事部 〇〇様

お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の港 太郎です。

先日は内定をいただきまして誠にありがとうございました。
誠に勝手ではありますが、内定を辞退させていただきたく先ほどお電話いたしました。

別の業界の企業からも内定をいただいており、自分のやりたいことを慎重に考えた結果、
そちらの企業で頑張りたいと思います。

貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このような結果となり申し訳ございません。また本来であれば直接伺うべきところ、メールでのご連絡となり重ねてお詫び申し上げます。

面接をご担当いただいた〇〇様を始め、貴社には大変お世話になりましたことを心より感謝申し上げます。

末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

——————————————————
港 太郎(みなと・たろう)
〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇〇年
携帯電話:080-XXXX-XXXX
メール:minato@〇〇〇〇.ab.jp
——————————————————

谷所 健一郎

プロフィール

メールの場合はほかのメールに埋もれてしまう可能性があるので、件名に「内定辞退のご連絡 氏名」など、内定辞退の連絡だとすぐにわかるような件名でメールを送ることが大切です。

本文は内定への感謝を伝えたうえで、内定を辞退したいことと理由、お詫びの言葉、採用活動のお礼、定型の挨拶で締めましょう。

メール:電話した後にあらためて伝えたい場合

電話がつながって直接辞退を伝えられた場合は、基本的にはメールを送る必要はありません。しかし担当者に特にお世話になった場合や、第一志望だと伝えていた場合などはメールを送ることで礼儀を尽くすことができます

また電話口で担当者に責められたり一方的に電話を切られたりした場合は、内定辞退をしたという証拠を残すためにもメールを送るのがおすすめです。これまでの感謝と辞退することへの謝罪をあらためて伝えて誠意を示して、後からトラブルになるのを防ぎましょう。

送信メッセージ

TO〇〇〇〇@theport.jp

CC

件名【内定辞退のご連絡】〇〇大学〇〇学部〇〇学科 港太郎

株式会社〇〇
採用ご担当 〇〇様

お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の港 太郎です。

先ほどはお忙しい中ご対応いただきありがとうございました。
お電話でもお伝えしたとおり、誠に恐縮ですが、このたびは内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、ご期待に添えず大変心苦しく感じております。

面接をご担当いただいた〇〇様を始め、貴社には大変お世話になりましたことを心より感謝申し上げます。

末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

——————————————————
港 太郎(みなと・たろう)
〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇〇年
携帯電話:080-XXXX-XXXX
メール:minato@〇〇〇〇.ab.jp
——————————————————

手紙:トラブルになる可能性が高い場合

手紙でも内定辞退のお詫びをした方が良い例

  • 内定承諾後に辞退する場合
    企業がすでに研修を計画したり備品を購入したりなど、多額の費用をかけている可能性があるため
  • 堅い雰囲気の業界や老舗の企業の場合
    礼儀やマナーに厳しい傾向があるため
  • 知人の紹介で受けた企業の場合
    辞退することで知人にも迷惑がかかる可能性があるため

内定辞退の連絡で手紙はほとんどの場合必要ありません。しかし上記のような場合は、内定辞退がトラブルになる可能性が特に高いため、手紙も添えることで誠意を示しましょう。

ビジネスの手紙にはメールとは違った細かいルールがあります。普段書きなれていない人は以下の点に注意して、画像の例を参考に丁寧に書いてください。内容が十分でも、書き方が適当だったり紙がよれていたりするとせっかくの手紙も逆効果になってしまいます。

ビジネスの手紙の基本的なルール

  • 封筒と便箋は白の無地を選ぶ
  • 横書きではなく縦書きにする
  • 黒のボールペンや万年筆で手書きにする
  • 修正液は使わない
  • 最初にえんぴつで下書きをして誤字脱字がないようにする
手紙で内定辞退のお詫びをする例

手紙を書けたら、最後に以下のマナーを確認して早めに郵送してください。封筒の書き方に間違いがあると失礼なだけでなく、手紙が戻ってきてしまう可能性もあるので最後まで気を抜かずチェックしましょう

手紙を郵送する際の注意点

  • 便箋は三つ折りにして封筒に入れる
  • 表の宛名は企業名と担当者の名前を書く
  • 封筒の裏には自分の住所・大学・名前・日付を書く
  • 封筒を閉じた部分に「〆」や「締」を書く
  • 正しい料金の切手を貼る

企業に書類を郵送する際のマナーはこちらの記事で画像付きで解説しています。封筒の書き方や切手の料金の注意点を併せて確認しておきましょう。
新卒用履歴書の書き方完全版|よくある失敗や受け渡しのマナーも解説

万が一に備えよう! 内定辞退にまつわるトラブル例と対処法

万が一に備えよう! 内定辞退にまつわるトラブル例と対処法

  • 辞退を考え直すよう説得される
  • 直接謝罪に来るよう言われる
  • 損害賠償を請求される

いくら誠実さを心掛けても、内定を辞退するという事実は変わりません。場合によってはトラブルになってしまうケースも残念ながらまれにあります。

ここでは内定辞退でありがちな3つのトラブルを解説するので、万が一の事態に備えて対処法を確認しておきましょう。自分は関係ないと思わず事前に把握しておけば、何かあっても落ち着いて対応できて安心です。

辞退を考え直すよう説得される

内定辞退の際によくあるのが、辞退の意志を伝えても考え直すように採用担当者から説得されることです。担当者の意図としては、内定者を逃すことで採用人数の目標を達成できないのを避けたい、もしくは魅力的な学生であるためどうしても入社してほしいなどがあります。

まず説得されるのを避けるために、「いくら説得しても気持ちは変わらないだろう」と企業が納得できるような理由を伝えましょう。理由があいまいだったり人のせいにしたりしていると、もう一度考え直すように言われてしまいます。

繰り返しになりますが、企業に対するネガティブな理由を伝えるのではなく「やりたいことが別にある」「それはこの企業ではできない」というような、企業側ではどうにもできない理由を伝えることが大切です。

また「何か不安や懸念点があるなら面談や会社見学で解消しましょう」と提案されることもありますが、それを受け入れると余計に負い目を感じて辞退しにくくなってしまいます。企業に自分の意志をきっぱり伝えるのは勇気がいることですが、トラブルを大きくしないためにも低姿勢で丁重に断りましょう。

企業が納得しやすい内定辞退の理由にはどんなものがありますか?

平井 厚子

プロフィール

やりたいことを軸にした辞退理由だと企業も覆せない

私が在籍していた企業で最も印象に残っている辞退理由は、「バンド活動をしていたがインディーズでデビューが決まった」でした。これはもう仕方ないねと、担当者間でも話題になりました。

つまり「やりたいことが見つかった」「それができる企業から内定をもらった」という理由なら、辞退先の企業も納得せざるをえないということです。

辞退先の企業を否定するのではなく、より自分を活かせる場に行きたい、と伝えてみてはいかがでしょうか。

直接謝罪に来るよう言われる

近年ではかなり少なくなってきましたが、内定辞退の連絡で担当者が怒ってしまい、謝罪に来るよう言われる可能性もゼロではありません。

このような事態を避けるためには、まず早めに、そして丁寧なマナーで連絡することを心掛けましょう。連絡の際も内定をもらったことやこれまで時間を割いてくれたことに対してしっかり感謝の気持ちを伝え、そのうえで申し訳ないが辞退したいという意志を伝えます。

しっかり考え抜いたうえでの決断だということや誠実な姿勢が伝われば、怒りをぶつける担当者は滅多にいません。怒るとまではいかなくても嫌味を言われることがあるかもしれませんが、その場合も雑に対応するのではなく丁重に謝罪しましょう。

呼び出しには基本的に応じる義務はなく、「ゼミや卒業論文の制作で忙しく、直接伺うのが難しい」などと伝えて問題ありません。ただし社会人になってから取引先などとしてかかわる可能性が高い場合は、直接謝罪に行くという選択肢もあります。

その場合は辞退理由を追及されたり取り消すよう説得されたりする可能性があるので、流されないように注意が必要です。誠意を持って謝罪し、辞退の意志は変わらないことを伝えましょう。

渡部 俊和

プロフィール

辞退する内定者をわざわざ呼ぶ企業の大半は、まだ説得の余地があると思って呼んでいます。

担当者の期待を裏切ったことは事実なので、出向く場合はお詫びと感謝は述べつつも、辞退理由とその根拠を再度ブラッシュアップしてから臨んでください。

「昔は内定辞退でコーヒーをかけられた」と聞いたことがある人もいるかもしれません。そう聞くと内定辞退の謝罪に行くのは怖くなってしまいますよね。こちらのQ&Aコンテンツでキャリアアドバイザーが現状を解説しているので併せてチェックしましょう。

損害賠償を請求される

ごくまれに企業から損害賠償を請求すると脅されることがありますが、基本的に応じる必要はありません民法第627条1項で定められている「労働契約の解約権の行使」により、入社2週間前までは辞退が可能だからです。

また脅しがあったとしても実際には請求が来ないことがほとんどですが、もし企業からそのような態度を取られたら、学校のキャリアセンターに相談して、一人で抱え込まないようにしましょう。無視して良い、もしくはこうした文面でメールを送るべきなど、適切な対応を教えてもらえます。

どんな理由で内定辞退をすると、損害賠償を請求されるような事態になるのでしょうか?

谷所 健一郎

プロフィール

理由よりも内定辞退の時期による要因が大きい

入社直前の内定辞退は、入社のために準備をしたパソコンや制服などの備品について、損害賠償を請求される可能性があります。

憲法で労働の自由は認められているので、誠意をもって謝罪をすれば通常は問題ありません。しかし入社直前の辞退は、備品だけでなく配属予定部署などへも多大な迷惑をかけます。

双方にとってトラブルを避けるためにも、内定辞退はできる限り速やかに連絡を入れるべきです。

内定承諾後の辞退は、理由の伝え方によりいっそう注意が必要です。こちらの記事でトラブルを最小限に抑えるためのポイントを把握しましょう。
内定承諾後の辞退で大惨事? 断り例文付きで不安別の対処法を解説

内定辞退の理由は「マナー×誠実さ」を意識して早めに伝えよう! 

内定辞退の理由の伝え方を解説しました。内定辞退の理由は、嘘をつかず正直な思いを伝えることが大切です。加えて、連絡する際のマナーや伝え方に気を付けて丁寧さを心掛けることが、わだかまりなくやり取りする秘訣です。

もしトラブルになってしまったら、記事で紹介した対処法を参考に真摯に対応してください。連絡が遅くなるほどトラブルになるリスクが高まるので、緊張するとは思いますが、記事の例文を参考にして早めに企業に連絡してくださいね。

アドバイザーコメント

内定辞退は仕方ないことなので必要以上に悩む必要はない

労働契約を交わしていない段階での「内定辞退」は正当な権利です。企業も学生もお互いを選んでいるわけなので、企業が学生に不合格を出すのと同じように、学生から企業に辞退を申し入れるのはお互い様です。

辞退をすることに罪悪感を感じる必要はありません。まずその点を再確認しておきましょう。

トラブルを避けたいなら電話やメールで済ませずに手紙を送ろう

次に、内定辞退で嫌な経験をしたという情報を目にすることがありますが、そうしたニュースのほとんどは追い込まれた採用担当者が暴走した不祥事です。計画通り採用できない担当者自身、プレッシャーやストレスを抱えていることが少なくありません。

企業にとっては内定辞退者に嫌がらせをする理由はなく、むしろSNSなどで悪い噂を流されるリスクや、辞退者が将来の顧客になる可能性もあるので、不当な対応をされるのは稀なケースと言えます。

以上のような点を鑑みても、内定辞退の伝え方については過剰に心配する必要はないのですが、20年くらい前までは、電話やメールで辞退するのも「失礼」とされた時代がありました。

記録を残す意味ではメールも便利ですが、メール本文で辞退を伝えるよりも、辞退について手紙を送る旨をお知らせしたうえで、手紙で丁寧に理由を伝えれば良いです。しっかりした定型文をいくつか用意しておきましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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