最終面接の合格率は? 学生が意外と知らないリアルな数字を解説

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  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

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  • キャリアコンサルタント

    Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味

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  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上

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「最終面接の合格率は何%くらいなんだろう?」と気になっている学生は多いかもしれません。しかし、最終面接の合格率は企業によって大きなばらつきがあり、一概には言えないのが実情です。

最終面接の合格率を知るためには、まずどのような基準で合格率を知りたいのかを明確にする必要があります。たとえば、応募者の母数となる人数や、最終面接が何次面接なのかによっても合格率は変わってきます。

基準さえ明確になれば、ある程度の合格率の傾向は見えてきます。この記事では最終面接の合格率を知りたい人のために、キャリアアドバイザーの野村さん、高尾さん、加藤さんの視点から最終面接の合格率の傾向を複数の基準別に解説します。

また、最終面接特有の特徴やほかの面接との違いについても触れるので、最終面接対策の計画を立てる際の参考にしてください。

最終面接の合格率は基準を明確にしてから参考にしよう

繰り返しにはなりますが、最終面接の合格率は企業や時期、選考回数などによって大きく異なるため、一概には言えないのが現状です。そもそも友達や先輩から「最終面接は落ちない」と耳にして、対策が不要だと思っている人もいるかもしれません。

まず記事では、キャリアコンサルタントの視点から「最終面接は落ちない」という噂の真偽を解説します。対策を怠ると、思わぬところで足をすくわれる可能性があるので、しっかりと読んでおきましょう。

そのうえで、記事の中盤では人事の視点から、面接回数や採用予定人数、時期、企業規模など、さまざまな切り口で最終面接の合格率の傾向を解説します。自分の状況に近い基準の合格率を参考にすることで、より的確な対策が立てられますよ。

そして記事の後半では、最終面接の合格率を上げるための具体的な方法を紹介します。社長についてのリサーチ方法や効果的な逆質問の例など、実践的なアドバイスを紹介しているので、ぜひ最後までじっくりと読んで、最終面接の合格率アップを目指してくださいね。

最終面接の対策はこちらの記事でも解説しています。最終面接の経験が浅い人や対策を徹底したい人は併せて参考にしてください。

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気になる疑問を解消! 「最終面接は落ちない」は本当なの?

最終面接は、応募者の中から厳選されたごく少数の候補者のみが進むことができる、選考の最終段階です。確かに、最終面接まで進んだ候補者は、企業からある程度高い評価を得ているといえます。

しかし最終面接では、これまでの選考では評価しきれなかった部分、たとえば経営者との価値観の一致や長期的なキャリアビジョンの有無などが重点的に見られます。そのため、最終面接では予想外の質問をされることも少なくありません。

学生の間で、「最終面接まで進めば内定はほぼ確実」というイメージを持っている学生もいるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。

アドバイザーコメント

最終面接でも油断すればマッチ度を疑われて不合格の可能性もある

最終面接は厳選された候補者が進む段階ではありますが、高評価を受けていても不合格の可能性はあります。新たな視点で評価され、予期せぬ質問をされる場合もあるでしょう。

具体的には、自身の業績やスキルについての徹底的な質問を受けることがあります。これは過去の経歴やスキルだけでなく、将来の成長や貢献度に焦点を当てるためです。

また、過去の失敗経験からの学びも問われることがありますが、これは応募者の反応や学びの姿勢を推測しています。それまでの面接でこの質問がされなかったとしても、念のため回答は用意しておきましょう。

厳選された候補者の中で印象を残すために徹底した対策が重要

「最終面接は落ちないから大丈夫」と油断すると、その分の不合格のリスクが高まってしまいます。準備不足や油断が露呈し、第一印象が損なわれたり、また意欲が欠ける態度が伝わり、志望企業との適合度が疑問視される可能性もあるかもしれません。

このようなリスク回避には事前の準備が重要です。改めて自己分析や企業研究を徹底し、可能な限りの質問に対する準備をおこないましょう。

また、自信を持ちつつも謙虚さを忘れず、適切な姿勢で臨むことも重要です。最終面接では、自己PRや志望動機だけでなく企業とのマッチング度や将来展望についても考え、準備を怠らないことが成功へのカギとなります。

上記の解説にもあるように、「最終面接はほぼ合格」と考えるのは危険です。以下の記事では新卒の場合の最終面接の対策方法をまとめているので参考にしてみてください。

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キャリアコンサルタントの解説付き|基準別で最終面接の合格率の傾向を紹介

最終面接の合格率を決める5つの基準

最終面接の合格率は、実際のところ、採用の人数や形式によって大きく異なります。たとえば、六次選考を社長面接としている大手企業の最終面接と、二次面接を最後として位置付けている中小企業の最終面接では、合格率が変わる可能性があるのです。

そのためそれぞれの基準に基づいた合格率の傾向を理解することで、自分の状況を客観的に分析し、対策を立てることが可能です。ここでは、元採用担当の視点から、基準別で最終面接の合格率の傾向を解説していきます。

その年の受験者の数によっても数字が変わるため、あくまで目安の合格率にはなりますが、対策を練るための参考にはなるはずです。就活のプロのアドバイスと併せて、最後まで読んでいきましょう。

基準①面接回数

一般的に就活では、面接を重ねるごとに候補者の絞り込みが進んでいきます。つまり、最終面接まで進んだ候補者は、企業から見て優秀な人材であると評価されているのです

ただし、面接回数が多すぎると、候補者の負担が大きくなることや内定の確定までに時間がかかることがあります。

こうした懸念から企業によっては面接回数を抑えた「スピード選考」をおこなうケースもあります。そのため、このスピード選考と一般的な選考でも合格率は変わってくるのです。

面接回数と最終面接の合格率の関係性について、キャリアコンサルタントに聞いてみました。

アドバイザーコメント

自社との相性を判断する回数が少ないほど最終面接の合格率は上がる

最終面接の合格率ですが、一概には言えませんが、面接回数の少ない方が合格率は高いでしょう。なぜなら、やはり面接回数が多ければ多いほど、慎重に吟味して採用者を選定しているからです。

たとえば、面接はその都度面接官が変わることが多く、面接回数が6回の会社であれば6回自社に合うか検討しているということになります。対して面接回数が2回の企業だと、検討機会は2回ということです。

欠員や新規事業など企業の都合によっても合格率は変化する

面接回数が少ない場合は、すぐにでも人を採用したい、確保したい場合が多いです。

たとえば中途採用の場合をイメージしてもらえるとわかりやすいですが、新規事業の立ち上げや事業拡大のための増員、欠員補充での募集の場合は、早く採用者を決めて業務を進めていきたいので、面接回数は、2〜3回が一般的です。

このように、面接回数が少ない会社は早く採用者を確保したい、また新卒採用であれば若手の力を求めている場合が多いので、最終面接の合格率は高くなることが多いでしょう。

最終面接が思っていたよりあっさり終わってしまって、落ちたのか不安という人もいるかもしれません。以下のQ&Aコンテンツでは、そのような状況の合格率について解説しています。

基準②採用予定人数

採用予定人数は、最終面接の選考基準に影響を与える重要な要素です。特に、中小企業などで採用人数が少ない企業の場合、一人ひとりの候補者の資質をより慎重に見極める必要があります。そのため、最終面接での選考基準は、採用予定人数によって異なる可能性があるのです

採用予定人数が多い企業と少ない企業とでは、最終面接の合格率にどのような違いがあるのでしょうか。

アドバイザーコメント

採用予定人数が多いほど最終面接の合格率は高まる可能性がある

最終面接の合格率は、採用予定人数の違いによって一定の傾向があります。

たとえば採用予定人数が50人の大手企業の場合、最終面接の合格率は比較的高くなるといえるでしょう。大手企業では複数の部署や職種で同時に採用をおこなうことが多く、一定数の合格者を出す必要があります。そのため最終面接までに十分に候補者を絞り込み、適性の高い人材が選ばれている場合が多いのです。

一方、採用予定人数が5人の中小企業の場合、最終面接の合格率は相対的に低くなる傾向があります。

中小企業などでは限られた採用枠の中で人材を慎重に見極める必要があるため、最終面接でも、企業文化や価値観、候補者の資質や適性をより深く掘り下げて評価することが必要なのです。

企業がどんな人材を求めているかでも合格率は変化する

これはあくまで一般的な傾向であり、実際の合格率は企業の採用方針や選考プロセスによって異なります。

大手企業でも特定の職種や部署で高度な専門性が求められる場合、最終面接の合格率が低くなり、中小企業でも、急成長している企業や人手不足の業界では最終面接の合格率が高くなるケースもあります。

このようにどのレベルの人材を求めているのかでも変化するので、企業研究の際には求める人物像のレベルもしっかり確認して、対策を進めるようにしましょう。

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基準③時期

最終面接の合格率は、面接時期によっても異なる可能性があります。たとえば4月の段階でおこなわれる最終面接と、一般的に内定式が終わった後の11月の段階でおこなわれる最終面接を想像してみてください。

採用活動の早期は企業側の採用枠もまだ豊富に残っているため、より多くの候補者に最終面接のチャンスが与えられるでしょう。また、早期の段階では、企業側も採用基準をある程度柔軟に設定していることが多いため、より多様な背景やスキルを持つ候補者が選考を通過しやすい傾向にあります。

一方で、採用活動の後期になると、すでに多くの採用枠が埋まっているため、そもそも最終面接まで進むことすら難しくなる場合があります。加えて、後期になるほど企業側の採用基準も厳しくなる傾向にあるため、わずかな差で選考が左右されることも少なくありません。

こうした面接の時期による最終面接の合格率の違いについて、元人事の見解を見てみましょう。

アドバイザーコメント

競争が激化していない時期は最終面接の合格率が上がる傾向にある

一般的に、4月の段階でおこなわれる最終面接の合格率は比較的高く、内定率も同じように高くなります。これは、新卒採用の最初の波であり、企業が優秀な学生を採用しようとする時期だからです。

この時期には、まだほかの企業から内定を受けていない学生も多いため、競争が比較的少ない傾向があります。したがって、4月の最終面接の合格率は一般的に高いといえるでしょう。

企業や業界などでも最終面接の合格率の傾向は異なることを理解しておこう

一方で、11月の段階でおこなわれる最終面接は、内定式が終わった後の時期であり、企業側もより慎重に選考を進める傾向があります。

またこの時期は、ほかの企業から内定を受けた学生も多く、競争も激しくなっています。企業の採用計画もほぼ完了しているため、最終面接での合格率は低くなるといえるでしょう。

したがって、同じ学生が4月と11月の段階で最終面接を受けた場合、4月の方が合格率が高い傾向があります。ただし、これは一般的な傾向であり、企業や業界によって異なる場合があることは理解しておきましょう。

基準④会社規模

大手企業は採用人数が多いため、最終面接では一定数の内定者を確保しようとする傾向にあるかもしれません。

一方、中小企業は採用人数が限られているため、最終面接では厳しい選考がおこなわれる可能性があります。このように会社規模によっても、最終面接の合格率が変わる可能性があります

こうした会社規模ごとの特性を踏まえ、最終面接の合格率はどのように変わるのでしょうか。

アドバイザーコメント

会社の規模によってだけでは最終面接の合格率の判断は難しい

会社規模の違いによる最終面接の合格率において、規模が大きい・小さいのどちらが合格率が高いかは、各企業の状況によって変わってくるため判断が難しい部分です。

というのも、会社規模が大きいからといって採用人数が多いとは必ずしも限りません。会社の規模が小さくても採用人数が多い企業もたくさんあります。

企業の人事は、現従業員と業務量の兼ね合いや今後の事業展開なども踏まえて、新卒者の採用計画を練っていくのです。新卒採用を積極的におこなうということは、未来の会社を担う人材の確保でもあります。

会社規模にかかわらず、急成長している業界や売上が増大して勢いのある会社、今後の事業展開を積極的に考えている会社などは、若い人材を確保し、基盤をドンドン固めていきたいと考えるため、採用人数も多く合格率もその分高くなるでしょう。

会社規模の違いによって面接時に重視されている部分は異なる傾向がある

また、大企業の最終面接と中小企業の最終面接では、面接で見る部分も少し違ってきます。

大企業の場合は、求めている職務への適性や遂行力など業務内容に対する能力を重視する傾向がありますが、中小企業の場合は、職務への適性以外に社風に合うかどうかや代表者との相性などの業務以外の部分も重視して見ている場合が多いです。

もちろんそれ以前に、どちらの企業でも応募者の人となり、つまりは人間性をまず見られていることは忘れないでくださいね。

基準⑤推薦

ゼミの教授や学校からの推薦がある候補者は、前提として企業の文化に合った人物であると評価されている可能性が高いです。ただし、推薦者だからといって、全員が必ず合格するわけではありません

面接では、推薦の有無にかかわらず学生の資質が公平に評価されるのが基本です。企業文化と学生の人柄が大きくかけ離れている場合や、仕事への熱意が感じられない場合などは、推薦がある学生でも落ちるリスクも考えられます。

推薦の場合の最終面接の合格率について、キャリアコンサルタントの意見を聞いてみましょう。

アドバイザーコメント

一般的に推薦者の最終面接の合格率は70〜90%程度

教授や大学からの推薦がある場合、最終面接の合格率は一般的に高くなる傾向があります。企業が求める人物像や企業文化に合った学生が推薦されることが多く、さらに書類選考や筆記試験などの事前のスクリーニングを通過するなど基本的な要件を満たしていることが多いためです。

一般的に、推薦者の最終面接の合格率は70〜90%程度と言われていますが、合格率は企業や職種、求める人材像によって異なります。そして当然、推薦があるからといって合格が確約されているわけではありません。

最終面接では、推薦者であってもほかの候補者と同様、適性や熱意、コミュニケーション能力などが評価されます。企業文化とのマッチングや求める人材像との適合性が低いと判断された場合は、不合格になることもあるのです。

推薦者であることに甘んじることなくしっかり対策して最終面接に臨もう

専門性の高い職種や、創業メンバーの少ない企業などでは、推薦者であっても厳しい選考がおこなわれることがあります。企業側は、長期的な視点で活躍できる人材を慎重に見極める必要があるからです。

また、大手企業や人気企業の場合、推薦者の数自体が多くなるため、推薦者同士の競争も激しくなります。その結果、推薦者の合格率が相対的に低くなることが考えられるでしょう。

一方、中小企業や人手不足の業界では、推薦者の合格率が高くなる傾向があります。優秀な人材を確保するために、推薦者を積極的に採用するケースが多いからです。

いずれにせよ、最終面接に臨む際は推薦に甘んじることなく、自分の強みや熱意を十分にアピールすることが重要になります。企業の求める人物像を理解し、自分がどのように貢献できるかを具体的に伝えられるよう、入念に準備しましょう。

合格フラグと呼ばれる、面接官の言動に表れる「合格の可能性が高い」と判断できるサインが気になる学生もいますよね。最終面接での合格フラグについてはこちらの記事で解説しています。

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対策の基本! まずは最終面接とほかの面接の違いを押さえよう

最終面接とほかの面接の違い

  • 面接の目的の違い:モチベーションの高さや熱意を確認したい
  • 面接官の違い:重役や社長本人が面接をおこなう
  • 面接の場所の違い:会場は社長室や本社がメイン

最終面接では、これまでの選考とは異なる観点から、候補者の資質や適性が厳しく問われます。そのため、一次面接や二次面接とは異なる質問内容や評価基準が設けられていることが多いといえます。最終面接を制するためにも、まずはその特徴をしっかりと理解しておきましょう。

最終面接は、内定獲得のラストチャンスです。最終面接の特徴を理解していないと、予期せぬ質問に動揺してしまったり、自分の伝えたいことがうまく伝えられなかったりする可能性があるので、ほかの面接との違いに着目しながら最終面接について理解を深めましょう。

以下の記事では最終面接だけではなく面接対策の基本をプロが詳しく解説しています。質問やマナーなど詳しくまとめているので参考にしてみてください。

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最終面接を突破するためには、採用決定権を持つ人が最終決定を下すために何を知りたいのか想像することが大切です。最終面接の狙いやよく聞かれる定番の質問をこちらの記事で押さえておきましょう。

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面接の目的の違い:モチベーションの高さや熱意を確認したい

一次面接や二次面接では、おもに候補者の基本的な適性や能力を見極めることが目的とされています。

しかし最終面接では、より深く候補者の人物性を探ることに重きが置かれます。特に重視されるのが、モチベーションの高さやその企業へ入社したい熱意です。そのため最終面接では、「なぜこの仕事をしたいのか」「なぜ当社で働きたいのか」など、志望動機に関する質問が多くなる傾向にあります。

そして、その質問に対して単に「御社の事業に興味があるから」というような表面的な回答では、熱意は十分に伝わりません。「御社の○○という価値観に感銘を受けました。私も○○という思いを持って仕事に取り組みたいと考えています」というように、企業理念に共感している点や、自身の人生観と企業の方向性が合致している点を伝えられると説得力が増しますよ。

また、入社後のビジョンについても、活躍の姿を面接官に想像してもらうために具体的に話せることが求められます。「入社後は○○の部署で力を発揮し、将来的には○○のような存在になりたい」など、自身のキャリアビジョンのイメージを明確に示すことで、仕事への熱意が伝わるでしょう。

加藤 賀子

プロフィール

熱意を伝えるためには、積極的な態度が重要です。メラビアンの法則ではないですが、第一印象の良し悪しが選考結果に影響を与えるといっても過言ではないでしょう。

先手の挨拶や元気さ、目を見て話せるかなど、普段は当たり前だと感じていることでも、緊張しているとできていないことも多いのです。そうした印象についても意識しつつ、自分の熱意をきちんと伝えていきましょう。

メラビアンの法則とは

矛盾したメッセージが発せられた際、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で、相手に影響を与えるという心理学の法則

面接官の違い:重役や社長本人が面接をおこなう

一次面接や二次面接の面接官は、おもに人事部の社員が務めることが一般的です。しかし最終面接では、重役クラスの経営陣や、社長本人が面接官を務めるケースが多くなります。どんなに立派な経歴を持つ学生でも、実際のところ会って話をしてみないことには、その人の熱意やスキルを身に付けた背景が伝わらないこともあるからです

そのため、経営層は直接会って話をすることで、「自社の戦力になってくれるかどうか」を判断したいと考えているのです。

したがって最終面接での受け答えには、より一層の説得力とインパクトが求められます。経営層の興味を引くような、熱のこもった話ができるよう準備しておくことが大切です。

また、社長の中にはカリスマ性があり、圧倒的な存在感を放つ人も少なくありません。社長の前だとつい緊張してしまい、普段通りの受け答えができなくなってしまう可能性もあります。

そうならないためにも、社長の人柄や話し方について、事前に情報収集しておくと良いかもしれません。具体的な情報収集の方法はこの後解説するので、読み進めて確認してみてくださいね。

野村 芳克

プロフィール

社長が最終面接に出るのは、中小企業やベンチャー企業が一般的です。彼らは直接面接して、自社の将来を担う人材を見極めたいと考えています。

そのため、面接中は受け答えに採用を決意させるだけの説得力が求められるでしょう。

面接の場所の違い:会場は社長室や本社がメイン

一次面接や一次面接は、会社の会議室や外部の施設でおこなわれるケースが多い傾向にあります。また地方在住の学生に向けて、一次面接や二次面接をオンラインでおこない、最終面接をオフラインで進める企業もあります。

一方で最終面接は、社長室や役員室など、会社の重要な場所でおこなわれるケースが多いでしょう。いつもとは違う空間だと、場の雰囲気に圧倒されてしまい萎縮してしまう人もいるかもしれません。

しかし、忙しい経営層がわざわざ時間を割いて、社長室で直接面接をすることは会社としても本気で学生を評価したいという意思の表れでもあります。ポジティブな意味合いで状況を捉え、自信を持って面接に臨みましょう。場の空気にのまれることなく、自分の言いたいことを伝える姿勢を崩さないよう心掛けてください

高尾 有沙

プロフィール

最終面接でいつもと違う場所に緊張してしまうのは自然なことです。

緊張を和らげるには事前準備が必須です。準備を徹底的にして自信を持って臨める材料をそろえたり、自分なりにリラックスする方法を見つけたりすれば、本番でも焦りすぎることはないでしょう。

また、自分の思いを伝えられる喜びを示して会場の雰囲気を味方につけることや、面接官の質問に真摯に向き合って対話を楽しむ姿勢も、緊張をほぐすための重要な要素です。

これらを意識することで、最終面接を有意義な対話の場にしていくことができますよ。

社長面接に限らず、普段から面接の準備不足を感じている人もいるかもしれません。その場合は、こちらの記事で一般的な面接に必要な準備を紹介しているので、参考にしてくださいね。

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発言に気を付けよう! 過去の面接と一貫性があるかもチェック

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  • 自己PRやガクチカの内容
  • 会社選びの軸
  • 入社後にやりたいこと

最終面接では、候補者の能力や適性だけでなく、人物像についても総合的に評価されます。

その際に重要になるのが、これまでの面接での発言内容との整合性です。最終面接での受け答えが過去の面接での発言と矛盾していたり、一貫性に欠けていたりすると、候補者の信頼性に疑問が生じてしまう可能性があります。

特に、自己PRやガクチカ、志望動機といった面接での定番の質問については、過去の面接での話の内容と食い違いがないよう、細心の注意を払う必要があります。最終面接に臨む前に、これまでの面接で話した内容を改めて振り返り、整理しておきましょう。

自己PRやガクチカの内容

自己PRやガクチカは、面接での定番の質問です。もちろん最終面接でも、これまでの面接と同様の質問が投げかけられることはあります。しかし最終面接では、より掘り下げた質問がなされる可能性が高いことを覚えておきましょう。

たとえば、自己PRで「リーダーシップがある」と話した場合、「具体的にどのようにしてチームをまとめたのか」「リーダーとして苦労したことはあったか」など、より具体的なエピソードを聞かれる可能性があります。

そのため最終面接に臨む前に、自己PRやガクチカで話す内容について、具体的なエピソードまで準備しておくことが大切です

また、過去の面接から時間が経っていると、話が少し変わってしまうこともあるかもしれません。しかし核となる部分については、ブレのない話ができるようにしっかりと整理しておく必要があります。「前の面接では○○と言っていたが、今日は△△と言っている」のようなブレがあると、信頼性への疑念にもつながりかねません。

過去の面接での発言内容をしっかりと振り返り、整合性のある話ができるようにしておきましょう。

加藤 賀子

プロフィール

うまく伝えようとすればするほど、話を多方面に展開しすぎて自分でも何を言っているのかわからなくなってしまい、結果的に話がブレてしまうということがあります。

きっと自己PRやガクチカは、自分でも認識している考え方の大本があって書いてますよね。変に飾ろうとせず、その思いをシンプルに伝えていきましょう。

自己PRで情報を盛り込みすぎると、内容がわかりにくくなってしまうこともあります。自己PRがまとまらない人向けに、こちらの記事ではエピソードの見つけ方を紹介しています。

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魅力的な構成でガクチカを作るには4つの準備が必要です。最終面接の前に、こちらも確認しておきましょう。

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会社選びの軸

その企業を志望する理由や企業の魅力についての質問も最終面接では頻出ですが、自己PRなどと同様に、より踏み込んだ質問がなされることを想定しておく必要があります。

たとえば、「他社ではなく、なぜ当社なのか」「業界の中で当社を選んだ理由は何か」など、会社選びの軸についての具体的な理由を聞く質問が投げかけられるかもしれません。

こうした質問の意図は、候補者が本当にその企業で働きたいと考えているのか、入社意欲の本気度を確認することにあります。

したがって、会社選びの軸についても、「御社の△△という価値観は、他社にはない魅力だと感じています。私は〇〇という点を重視して会社選びをしているため、御社は非常に魅力的に映りました」としっかりと言語化できるよう準備する必要があります。

ただし、会社選びの軸は選考を受ける中で変わる人もいますよね。軸が変わった場合には、過去の面接から芯となる部分が大きく矛盾する形でズレていないかは要チェックです。

一次面接では「国内での成長産業に興味がある」と言っていたのに、最終面接では「海外でチャレンジできる環境を求める」などと言っていては説得力に欠けます。会社選びの軸は一貫している必要があるので、過去の面接での発言内容も振り返っておきましょう

選考を進める中で企業選びの軸が変わったのですが、変わっても志望先が同じ場合は素直に伝えても良いでしょうか?

高尾 有沙

プロフィール

素直に伝えて問題ないが伝え方には注意が必要

就活の過程で会社選びの軸が変化するのは自然なことであり、視野を広げて多面的に企業を評価できるようになった証拠ともいえます。軸が変わったことを素直に伝えて、就活を通じて成長した姿勢を示しましょう。

ただし、伝え方には注意が必要です。単に「軸が変わりました」と言うだけでは、志望動機が不明確であると捉えられる恐れがあります。大切なのは軸が変化した理由と、新しい軸に照らし合わせてもなお、その企業を志望する理由を論理的に説明することです。

軸の変化を自己成長の過程として肯定的に捉え、その新しい軸に照らし合わせてもなお、その企業を選ぶ理由を熱意を持って伝えることが重要です。

また、軸が変わってもなぜその企業が最終的な志望先として残ったのかを明確に説明できるよう、事前の準備が不可欠です。企業の理念や方針、事業内容などを深く理解し、自分の価値観とのマッチングを丁寧に言語化しておきましょう。

企業選びの軸をうまく伝えるには多角的な視点を持つことが大切です。最終面接で企業選びの軸を聞かれることを踏まえて、こちらの記事も読んでおきましょう。

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入社後にやりたいこと

最終面接では、「入社後にどのようなことに取り組みたいか」についても質問されることが多いです。質問のバリエーションは、おもに次のような内容が想定されます。

入社後にやりたいことにまつわる質問の例

  • 入社後の配属先としてどの部署を希望しますか? その理由は何ですか?
  • 事業の中で最も興味のある分野は何ですか? そこに魅力を感じる理由は何ですか?
  • 入社後の数年間でどのようなスキルを身に付けたいと考えていますか?
  • 商品・サービスの改善点としてどのような提案をしたいですか?
  • 将来的にどのようなキャリアを築きたいと考えていますか?
  • 企業理念を実現するために自分には何ができると考えますか?

たとえば、「御社の○○部署で、○○の業務に携わりたいと考えています。私の△△という経験を活かしながら、一つ一つ成果を出していきたいと思います」というように、配属先や業務内容について、具体的にイメージできていることを伝えましょう。

とはいえ入社前と入社後でやりたい仕事が変わる可能性もあります。5〜10年規模の長期的な視点での入社後のビジョンについては、実際に入社した後に多少方向性が変わっても問題ありません。

ただし、職種について聞かれた際にはあくまで一貫した内容を答えられるようにしましょう。一次面接では「営業職で活躍したい」と言っていたのに、最終面接で「事務職志望」と言ってしまうと、入社後のミスマッチにつながりかねません。配属先の希望を聞かれた際には、その後もその部署で実際に働くイメージを持って話すことを意識しましょう。

野村 芳克

プロフィール

最終面接で「入社後にやりたいこと」を聞かれた場合、職種の希望以外にも回答に一貫性を持たせることを意識しましょう。

入社前と後でビジョンが変化することもあるかもしれませんが、職種の希望に関しては一貫性を保ち、実際に働くイメージを持つことが大切です。

最終面接でどんなに入社後への熱意を見せてもビジネスマナーが身に付いていないと説得力がないですよね。身だしなみをはじめとする面接全般のマナーやルールはこちらの記事で紹介しているので、併せて参考にしてください。

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最後に確認! 最終面接の合格率を上げる方法

最終面接の合格率を上げる方法

  • 社長の情報を調べておく
  • 最終面接用の逆質問を考える
  • 長期的なキャリアプランを明確にしておく

ここまで説明してきたように、最終面接は内定獲得のための大きな関門であり、採用プロセスの中でも特に重要な位置付けをされています。

最終面接では、これまでの選考では評価しきれなかった候補者の資質や適性を、より深く探ることが目的とされています。したがって、最終面接での受け答えが内定獲得を大きく左右すると言っても過言ではありません。つまり、最終面接の受け答えをしっかり対策すれば、合格率を上げることも可能なのです。

ここでは、最終面接の合格率を上げるための具体的な方法を3つ紹介します。

①社長の情報を調べておく

最終面接では、社長が面接官となるパターンも多いです。

社長は会社の顔であり、経営方針や企業文化を決定する重要な存在です。そのため、事前に社長についての情報を入念に調べておくことが欠かせません。社長の考え方や価値観を理解することで、面接での受け答えに説得力が生まれ、会社との親和性をアピールすることができます

とはいえ、社長の情報がすべて企業のホームページ(HP)に掲載されているとは限りません。ここからは具体的に社長の情報を調べるための方法を解説します。

SNSを調べる

まずは社長のSNSアカウントがあるかを探してみましょう。X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSでは、社長の日頃の発信内容からその人となりを知ることができます。たとえば、社長が社会問題についてどのような考えを持っているのか、会社経営に対してどのような信念を抱いているのかなど、面接で話題にできそうなトピックを見つけておきましょう

また、社長のSNSでの発言から、会社の最新の取り組みについての情報が得られることもあります。新規事業の立ち上げや、新たな社会貢献活動の開始など、志望企業の動向を知る手がかりにもなります。最近ではnoteやWantedlyを活用している経営者も多いので、こちらもチェックしておきましょう。

加えて、社長のSNSを見ることで、社長の交友関係についても知ることができます。業界の著名人とつながりがある、異業種の経営者と積極的に交流しているなど、社長の人脈の広さも面接で話題にできますよ。

最終面接で社長や重役と対面する前に、チェックしておくべきSNSやネット上にある情報はありますか?

加藤 賀子

プロフィール

最終面接前は個人のSNSや企業のYouTube動画などで情報収集しよう

どんな人柄なのかを面接前に事前に把握しておけるというメリットがあるので、まずはFacebookやX、ブログ、TikTokなどのSNSをやっているかどうかを確認してみましょう。

加えて、個人の投稿ではなくHP以外の会社の情報発信としてYouTubeなどを活用している企業もあるので、チェックしておくと良いですね。

あとは雑誌やネット上の媒体でインタビュー記事などがあるかどうかも事前に調べ、情報収集しておきましょう。

書籍やWebの記事を読んでおく

社長へのインタビュー記事や社長が書いた書籍があれば、必ず目を通すようにしましょう。そこには、社長の経営哲学や会社への思いが直接的に語られていることが多いです。

社長本人の単純なプロフィールだけでなく、社長の書籍や記事からは以下のようなこともわかります。

社長の書籍や記事からわかること

  • 会社の設立経緯やこれまでの歩み
  • 社長の起業家精神やリーダーシップスタイル
  • 会社の将来ビジョンや戦略
  • 業界に対する社長の見解や展望
  • 社会貢献や社員育成に対する社長の考え方
  • 社長の失敗談や挫折経験とそこから得た教訓
  • 社長の人脈や師事した人物

また、社長インタビューの記事からは、会社の強みや差別化ポイントについての情報も得られます。「御社の○○という独自の技術は、業界の中でも特に優れていると感じました。その技術力を活かして、△△な課題を抱えるユーザーを助ける製品開発をしていきたいと考えています」といった発言ができれば、会社への理解度の高さを示すことができますよ。

採用サイトの社長プロフィールを見る

企業の採用サイトには、社長のプロフィールが掲載されていることが少なくありません。社長の経歴はもちろん、趣味や座右の銘、尊敬する人物など、社長の人間性に迫る情報が盛り込まれていることもあるでしょう

たとえば、社長の趣味がマラソンだった場合、「私も学生時代からマラソンを続けています。社長のように、仕事でも粘り強く取り組む姿勢を大切にしていきたいと思います」と話題を振ることで、社長との共通点をアピールできます。

また、座右の銘からは、社長の考え方や仕事への姿勢を推察することができます。「社長の座右の銘にある〇〇という言葉が印象的でした。チャレンジ精神を忘れない姿勢は、私自身も大切にしたいと考えています」と伝えられれば、社長の価値観への共感を示すことができるはずです。

加えて、社長が影響を受けた人物についての記述がある場合は、その人物についても調べておくと良いでしょう。「社長が尊敬する〇〇氏の著書を読み、仕事観が変わりました。〇〇氏の姿勢を参考にしながら、御社で活躍したいと考えています」といった話ができれば、社長との価値観の共有をより強くアピールすることにつながります。

高尾 有沙

プロフィール

最終面接の前に、採用サイトから得ておくべき情報としては、以下のようなものがあります。

・会社の理念やビジョン
・求める人材像
・社員インタビュー
・研修制度や福利厚生
・企業の課題や強み

最終面接では、企業との適合性が重要な判断材料になるため、採用サイトから得られる情報を十分に理解し、自分の経験や強みと結びつけて伝えられるよう、入念な準備を心掛けましょう。

仕事観については面接でもよく問われる質問です。自分の仕事観がわからない・見つけ方がわからない人はこちらの記事も参考にしてみてください。

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②最終面接用の逆質問を考える

最終面接では、「何か質問はありますか?」と聞かれる場面が必ずといって良いほど設けられます。企業側としては、この逆質問への回答を通して候補者の仕事への意欲や適性を測ろうとしているので、この逆質問にしっかりと答えられるよう、事前の準備が欠かせません

具体的には以下のような質問を用意しておきましょう。

逆質問の例

  • 御社の企業文化の特徴は何だと考えていますか?
  • 5年後、10年後の御社のビジョンについて教えてください。
  • 経営者として、社員に最も大切にしてほしいことは何ですか?

ただし、単に質問を用意するだけでは不十分です。企業研究を十分におこなったうえで、自分なりの問題意識を持って質問をすることが重要だと覚えておきましょう。また、相手の答えを受けて、自身の考えを伝えることができれば、対話力の高さをアピールすることにつながりますよ。

加藤 賀子

プロフィール

最終面接の逆質問は、社長や役員の考えや思いに関する質問が良いでしょう。

会社の業績や社風などの会社の色は、経営層の色が反映されるといわれます。

「社員に求めるものは何ですか?」「○○様にとって、会社(もしくは仕事)とはどういうものですか?」など、どのような思いで会社を運営しているのかを聞くことで、志望している会社が何を大切にしているかがわかるでしょう。

最終面接では求められるレベルが高いからこそ、ほかの面接と同様の準備はNGです。こちらの記事でどんな質問をすれば良いのか見ておきましょう。

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③長期的なキャリアプランを明確にしておく

最終面接では「あなたは5年後、10年後にどのようなキャリアを描いていますか?」という質問をされることがあります。

これは、学生が単に目先の採用だけを考えているのではなく、長期的な視点でキャリアを描けているかどうかを確認するための質問です。また会社としても、長く活躍してもらえる人材を採用したいと考えているため、この質問の重要性は高いといえるでしょう

したがって、自身の強みや適性、将来のキャリアについて、入念に分析しておく必要があります。次の例のように、具体的なビジョンを示すことができれば、高い評価を得られるはずです。

例文

御社に入社後は、まずは〇〇の業務に携わりたいと考えています。御社の〇〇という強みを活かしながら、一つひとつ着実に成果を上げていきたいです。

将来的には、その経験を活かしてマネジメントの仕事にもチャレンジし、事業の成長に貢献していきたいと考えています。

面接でキャリアプランを問われたら、次の記事を参考に3ステップで的確に伝えることを意識しましょう。

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アドバイザーコメント

直前対策は3つのポイントを押さえて自然体で臨もう

これまでの本文の内容に加えて、最終面接の直前は以下3点に気を付けましょう。

①志望動機と自己PRを再確認する

最終面接ではこれまでの面接で伝えてきた志望動機や自己PRについて、より深掘りした質問がなされる可能性があります。暗記などではなく自分の言葉で明確に伝えられるよう、内容を整理し、具体的なエピソードを交えて話す練習をしておきましょう。

②最終面接で想定される質問への回答を準備する

最終面接では「あなたにとって仕事とは何か」「入社後のキャリアプランはどのようなものか」など、これまでの面接であまり聞かれなかった質問が出てきます。想定される質問について、自身の経験や価値観、企業の理念や方針とも合致するような、自分なりの回答を準備しておきましょう。

③リラックスして臨む心構えを持つ

最終面接は非常に重要な場であるため、緊張してしまうのは自然なことですが、過度な緊張は本来の実力を発揮することを妨げてしまいます。自分をアピールする機会だと前向きに捉え、堂々と臨む心構えを持ちましょう。

大切なのは、自分らしさを失わないことです。準備を重ねつつも、素直な思いを伝えられるよう、自然体で臨むことを心掛けてください。

細やかな対策で最終面接の合格率をアップさせて憧れの会社に就職しよう

最終面接は内定獲得のための最大の関門ですが、入念な準備をおこなえば合格率を大きく高められます。

まずは社長について徹底的に調査し、SNSや書籍などから社長の人となりや経営哲学を読み取りましょう。次に、逆質問への備えとして、企業の事業領域や将来ビジョンについて質問を用意し、自分の考えを伝えられるようにしておくことも重要です。

最終面接では、これらの準備をもとに、「御社でしか実現できない」という熱意と「御社に自分の存在が貢献できる」という自信を持って臨むことが何より大切です。細やかな対策をおこない、最後まで諦めずに頑張ることで、憧れの会社からの内定を勝ち取りましょう。

アドバイザーコメント

万全な準備を整えたうえで自信を持って最終面接を成功させよう

最終面接を控える皆さんに、以下のメッセージを贈りたいと思います。

まず、合格率を気にするのは自然なことですが、とにかく自信を持って臨んでください。そして準備は万全にしましょう。自己分析を通じて見出した自身の強みや達成した経験、そして将来のビジョンに対する確信を持つことが大切です。

志望企業とのマッチ度や将来の展望を明確にするには、企業研究を徹底し、その企業の文化や価値観と自分の志向がどれほど一致しているかを理解しましょう。そして、具体的な事例や業界動向に触れ、なぜその企業で働きたいのかを熱意を持って伝えてみてください。

これまでの選考のようにはいかない場合でも自分らしさを忘れないでほしい

最終面接では新たな視点で評価され、予期せぬ質問もあるかもしれませんが、その場では自信を持って対応しましょう。

自信を持つコツは、自己分析を通じて見出した自身の強みや達成した経験、そして将来のビジョンに対する確信などを明確にすることです。自分がどんな価値を持ち、どんな目標を持っているかを明確に捉えましょう。

予期せぬ質問に対応するためには、冷静さと自信が必要です。その場で即座に適切な回答を出すことも大切ですが、もし答えが思いつかない場合も落ち着いて考え、自分なりの素直な言葉で伝えましょう。成功を信じ、自信を持って最終面接でも頑張ってください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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