この記事のまとめ
- 自己PRとガクチカは同じテーマを使って良い
- 同じテーマにする際は注意点を押さえることが必須
- 例文を使って自分の経験を当てはめてみよう
自己PRやガクチカを考えようとすると、同じ内容しか思い浮かばず困っている人も多いのではないでしょうか。
自己PRとガクチカのテーマは同じでも問題はありません。しかし、これらは就活で定番の質問であり、事前にしっかりと準備しておく学生がほとんどです。
内容をすべて同じにしてしまうと、面接官から「さっきもその話聞いたけど……」と、定番の質問にもかかわらず準備ができていないと思われるリスクがあります。
この記事ではキャリアアドバイザーの塚本さん、瀧本さん、村谷さん、野村さん、皆川さんとともに、自己PRとガクチカを同じテーマにする際のポイントについて解説します。自分なりの魅力的な文章を作り、高評価を勝ち取りましょう。
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選考では自己PRとガクチカが両方聞かれることが多い
自己PRとガクチカは内容が同じになりやすく、加えて書類選考や面接で両方聞かれることが多いため、同じテーマになってしまう場合にどのように差別化するべきかわからない人も多いものです。
そこで記事前半では、自己PRとガクチカで同じテーマを使った際の採用担当者から見た印象や、自己PRとガクチカの違いを詳しく解説します。まずは前提知識を把握して、アピールすべき内容の違いを理解しましょう。
記事後半では、実際に同じテーマを使う際のポイントや注意点を解説します。プロの意見を参考にすることで、魅力的な内容の自己PRとガクチカを作れるようになりますよ。
最後に例文も紹介するため、当てはめながら自分なりの自己PRとガクチカを作り、選考突破を目指しましょう。
「ガクチカ」をアピールするなら、自己PR作成ツールを活用しよう
自己PRは就活において必ずといっていいほど必要になります。自己PRが曖昧なまま就活がうまくいかなかったという就活生は多くいます。
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(リーダーシップが強みの場合)
内容が思い浮かばない場合は自己PRとガクチカのテーマが同じでもOK!
企業が面接で自己PRとガクチカの両方を聞くことは、それぞれで目的が異なるためアルバイトやサークル活動など大まかなテーマ自体は両方とも同じで問題ありません。
しかし、同じ出来事を同じ視点から説明すると面接官に同じ話を2回してしまうことになるため、大切なのは企業が質問を通して何を聞きたいのかを踏まえて使い分けることです。
自己PRとガクチカの役割を知っていればそれぞれでアピールする部分が変わり、同じテーマで話しても異なる視点から説明できて、面接官にも伝わりやすくなります。
自己PRとガクチカを大まかに分けて説明するなら、自己PRは学生の「強み」を知るためのものです。よって、その力が仕事でどう活かせそうかが評価でも重視されます。
一方、ガクチカではその人の「やる気の源泉」を知りたいという狙いがあります。考え方や価値観が自社とマッチするかを見ているのです。
印象は下がらない? 自己PRとガクチカが同じテーマだった際の印象をプロが解説
実際に面接で同じテーマを使うと、面接官から「準備を怠っており、本気で挑んでいないのでは?」と思われてしまわないか心配な人もいると思います。
ここでは面接官の経験がある村谷さんが、自己PRとガクチカのテーマが同じだった際の印象について詳しく解説します。これから自己PRとガクチカの文章を考える人はぜひ参考にしてみてくださいね。
アドバイザーコメント
テーマが同じでも気にしないが異なる学びを示せているかは重視する
採用担当者からすると、その人となりが見える内容であれば自己PRとガクチカのテーマが同じであってもさほど気にならないです。
ただし、ほぼ同じことを話している場合は、「ほかにネタがないのかな?」と思ったり、「自己分析が不足しているのでは?」といった印象を持ったりすることもあります。
また、自己PRとガクチカで大枠のテーマが同じ場合、応募者は自身の一貫性や強みの明確さを示せるかもしれませんが、企業に多様性や柔軟性の欠如を感じさせるリスクもあるので、注意が必要です。
一貫性や強みの強調を成功させるには、同じテーマに対して異なる角度から切り込んだり、異なる経験からの成長や学びを示したりすることが大切です。
たとえばリーダーシップをテーマにする場合、自己PRではチームを率いた経験を、ガクチカではリーダーシップスキルを磨いた過程を述べるなど、内容に変化をつけましょう。
同じ内容の繰り返しや具体的なイメージの湧かない表現は避けよう
避けるべきは、単に同じエピソードを繰り返すことです。こういった応募者には準備不足や自己理解の浅さを感じてしまいます。
またテーマは同じでも、具体性に欠ける抽象的な表現ばかりを使用すると、実際の行動力や成果が見えにくくなり、評価が下がる可能性もあります。
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(リーダーシップが強みの場合)
まずは基礎知識! 自己PRとガクチカの違いを把握しよう

自己PRとガクチカで同じテーマを用いる際は、回答がそれぞれの質問の意図とずれないようにする必要があります。
自己PRとガクチカの違いや企業の知りたいポイントを把握できれば、それぞれに適したテーマが思い浮かびやすくなったり、同じテーマを使っても悪い印象を残さずに自分の強みや経験をアピールしやすくなったりするといったメリットがあります。
自己PRとガクチカを同じ内容にして面接に臨みたい人は、まずそれぞれの特徴を知って回答を作る準備をしましょう。
自己PRとガクチカの違いを理解していない学生は、同じエピソードを両方に使ってしまうことが多いです。また、学生時代の活動について具体的な過程を説明せず、結果だけを強調する傾向があります。
さらに、自分の強みや長所を効果的にアピールできず、経験をどのように仕事に活かすのかを明確に示せないことも特徴です。
自己PRは「自分の強み」
自己PRは、自分がいかに企業にマッチした人材であるかアピールする場です。強みをアピールして、「自分を採用しなくては損をする」と企業に思わせる役割の質問といえます。
自己PRでは強みそのものだけを伝えるのではなく、その強みが活きたエピソードとともに答えましょう。エピソードに加えて、実際に入社した際に強みがどのように役に立つか伝えることで、面接官からも「自社の特徴を理解していて志望度が高い」といったプラスの印象を残せます。
「あなたの強みはなんですか?」という質問はほとんどの面接で聞かれます。自己PRに自信がない人は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
「自己PRがない」悩みの対処法
自己PRがない人必見! 就活必勝の題材の見つけ方を例文付きで解説
自己PRの書き方
自己PRは4つのステップで簡単に書ける! テンプレートと例文付き
エントリーシート(ES)の自己PRのコツ
例文15選|エントリーシートの自己PRで人事を惹き込むコツを解説
- 自己PRとガクチカでアピールする部分を変えても、テーマが同じだと面接官から「中身がない」と思われることはありませんか?
アピールポイントが違えばテーマが同じでも高評価の可能性あり
自己PRとガクチカでテーマが同じでも、アピールする部分を変えることができれば面接官に「中身がない」と思われることはありません。
むしろ、一貫した強みを示すことができるため、好印象を得られる可能性もあります。重要なのは、それぞれの項目で異なる視点や具体的な学びを提示することです。
たとえば、自己PRではその特性が自分の強みとなる理由や背景を説明し、ガクチカではその強みを活かして得た成果や克服した課題を具体的に述べるといった方法があります。
このアプローチにより、一貫性を保ちながらも多面的な自己アピールが可能となり、面接官に深みのある人物像を印象付けることができます。
テンプレを活用すれば受かる自己PR文が作れます
自己PRのネタを決めても、それを裏付けるエピソードに悩む学生は多いです。しかし、特別なエピソードがなくても受かる自己PRを作ることはできます。
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(リーダーシップが強みの場合)
ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」
ガクチカとは
「学生時代に最も力を入れたこと」の略。学生時代に頑張ったことや努力したことであり、おもに勉学やサークル活動、アルバイトなどが当てはまる
自己PRが本人の強みについての質問であることに対し、ガクチカは学生時代に努力した出来事に関する質問です。そのため、話すエピソードのもととなるものは勉学やアルバイト、サークル活動など実際に力を入れたことから選びましょう。
自己PRでは自分の強みをどのような形で企業に貢献させるかという未来の話を伝え、ガクチカでは物事に取り組む姿勢を過去のエピソードとして伝えることを意識すると、自己PRとガクチカで内容を差別化しやすくなります。
また面接でガクチカを聞かれた際は、質問対策のために少しだけ手を付けたものを話すのではなく、本当に打ち込んだ出来事をエピソードとして話すことで深掘りされても答えやすく、回答に説得力が増します。
ガクチカのテーマが思い浮かばず困っている人は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。ガクチカの考え方やおすすめのテーマなどを詳しく解説しています。
ガクチカがない悩みへの対処法
例文16選|ガクチカがない悩みから必ず抜け出せる3つの方法!
ガクチカの書き方
人事を惹きつけるガクチカの書き方5ステップ|例文12選付き
たとえば、同じサークルやゼミに所属し、そこで同じ経験をしたとしても、人によって感じ方、考え方、なぜその行動を取ったのかなどの理由は違うはずです。
そこにその人の背景、行動特性や物事の進め方の特徴、いわゆる「その人らしさ」が出ます。面接官は、ガクチカからそういった「その人らしさ」も知ろうとしています。
ガクチカのテーマが思い浮かばず困っている人は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。ガクチカの考え方やおすすめのテーマなどを詳しく解説しています。
ガクチカが本当にない
ガクチカが本当にない人がすべきことは? おすすめのテーマも解説
ガクチカの書き方
人事を惹きつけるガクチカの書き方5ステップ|例文12選付き
以下のQ&Aでは、自己PRとガクチカを差別化してアピールするポイントをキャリアコンサルタントがアドバイスしています。あわせて読んでみてください。
差別化を意識しよう! 自己PRとガクチカで同じテーマにする際のポイント
自己PRとガクチカで同じテーマにする際のポイント
- 話し方の構成を変える
- 視点を変えて話す
- アピールする部分は変える
先述のとおり自己PRとガクチカは同じテーマを使っても問題ありませんが、いざ面接で2つを話す際は、同じような内容にならないように工夫することが必要です。
テーマのみでなく内容まで同じ回答になってしまうと、「自社で活かせる強みや経験がないからエピソードを使い回しているのかな?」と思われ、志望度が低いと評価されてしまう可能性があります。
同じテーマで話していても、それぞれで話の構成や視点を変えるといったポイントを踏まえるだけで聞きやすくなり、面接官の記憶に残りやすいアピールにもなります。
自己PRとガクチカで同じテーマを使う際のポイントを踏まえて、差別化できる回答を作っていきましょう。
自己PRが思いつかない人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
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作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
①話し方の構成を変える
同じテーマを使うと話す内容も似たものに感じられがちであるため、エピソードの構成を変えて、より差別化された回答を作ってみましょう。
話の構成にはさまざまな種類がありますが、自己PRは「PREP法」、ガクチカは「STAR法」による構成がおすすめです。

PREP法とは、「要点(Point)・理由(Reason)・具体例(Example)・要点(Point)」という構成で、最初と最後に結論となる要点を出す伝え方です。
PREP法では最初に結論を話すため、これから何について話すのかがわかりやすい構成です。次に理由や具体例が来るため聞き手も納得しやすく、情報を整理しやすいことがメリットといえます。
PREP法を用いた自己PRの例文
私の強みは目標達成まで努力を継続する粘り強さです。
大学では課題とアルバイトを並行しながら毎日自宅で勉強を続け、1年生で簿記2級、2年生で宅地建物取引士資格試験に合格しました。
最初は簿記2級は勉強不足が原因で不合格になりましたが、諦めずに次の試験まで勉強を続けて、次の試験で晴れて合格できました。
この最後まで粘り強く努力するという強みを活かして、たとえ遠い目標であっても諦めず、成果に向かって一歩一歩進んでいきたいと思います。

対するガクチカは、STAR法による構成がおすすめです。
STAR法とは、「状況(Situation)・目標(Task)・行動(Action)・結果(Result)」によるフレームワークで、具体的なエピソードを伝えることに適した文章構成です。
実際にSTAR法を活用した同じテーマのガクチカの例文を見てみましょう。
STAR法を用いたガクチカの例文
私は大学で資格取得に一番力を入れて取り組んでいました。
大学入学時に「1年で1種類資格を取得する」という目標を立てましたが、当初は課題とアルバイトを並行するため、まとまった勉強時間が確保できないことに悩んでいました。
そこで私は1日単位で自分が何をするべきかリスト化して、毎日タスクに取り組むことで、少しでも勉強時間を確保しました。
その結果、1年生では簿記2級、2年生では宅地建物取引士資格試験に合格できたため、3年生になった現在はファイナンシャルプランナー2級の取得を目指しています。
このように質問内容に適した構成で伝えると、より面接官の記憶にも残りやすくなるため、ぜひPREP法やSTAR法を用いてみてくださいね。
自己PRとガクチカを同じテーマにすると、どうしても内容が似てしまいます。差別化のために、自己PRは強みから、ガクチカは事実から話すなど、伝え方の構成に変化をつけることがとても重要です。
PREP法とSTAR法の使い方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。書類選考や動画選考、面接など状況別や文章の長さ別の解説もあるため、これから選考を控えている人は必見です。
自己PRで悩んだらまずは作成ツールを使ってみよう!
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短時間で、分かりやすく自分をアピールできる自己PRを完成させましょう。
②視点を変えて話す
視点を変えずに話すと面接官は2回同じ話を聞くような感覚になってしまうため、それぞれで異なる切り口から文章を作ってみましょう。視点を変えて話すと一つのテーマを使っていても一貫性を残したままアピールできるため、質問の深掘りにも対応しやすくなります。
資格取得を例とすると、自己PRでは粘り強く努力する経験が活きたことをメインに伝え、ガクチカでは資格取得という目標に取り組んだ視点から伝えると内容を差別化できます。
自己PRは「自分の強み」、ガクチカでは「取り組んだこととその過程」を伝えるよう意識しながら、自分なりの文章を作ってみてくださいね。
- 自己PRとガクチカで、テーマのみでなくエピソードも同じものを用いると、面接官から手抜きと思われやすいですか?
ダメではないが質問への答えが面接官に響くかチェックしよう
面接官がそれぞれの質問に期待するポイントは異なります。自己PRはその経験を通じて自分の強みや入社後の貢献がどうなるかをアピールすることが主眼となっています。
一方、ガクチカでは学生時代に力を入れた経験をもとに、物事にどう取り組んだかやその過程を伝えることが重要です。
同じエピソードを使う場合、視点を変え、それぞれの質問に対する答えが面接官に響くように書き分けることが大切です。
手抜きと感じられないためには、企業が求める要素を理解し、それに応じた内容を示すよう心掛けましょう。
自己PRとガクチカを同じテーマで話す際、「一貫性がないとマイナスイメージにならないか心配」という人もいるでしょう。こちらの記事では、自己PRとガクチカの一貫性についてキャリアコンサルタントが解説しています。
③アピールする部分は変える
同じテーマから文章を作ると、どうしても両方の文章で同じような言い回しをしてしまうこともあります。
たとえば資格取得をテーマにした場合は、自己PRとガクチカのどちらでも「粘り強く資格取得に向けて頑張った」ということをアピールすると、面接官にとっては自己PRとガクチカが同じ話に聞こえてしまいます。
頑張ったことは共通ですが、それぞれで「粘り強さ」と「高難易度の資格の取得」をメインにして文章を考えると、アピールポイントが異なるように聞こえやすくなります。
どうしても違いをつけられない人は、学生時代の取り組みをもう一度洗い出すと効果的です。以下の記事でおすすめのテーマや探し方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
アドバイザーからワンポイントアドバイス
野村 芳克
プロフィールを見る自己PRとガクチカに差を付けるには異なる強みで語るのが一つの方法
自己PRとガクチカが同じテーマでも、切り口を変えれば印象的に仕上げられます。
私が、面接官として印象に残っている学生は、同じアルバイト経験を題材にしていても、自己PRでは、「課題を見つけ改善策を提案した行動力」を、ガクチカでは、「その提案を実現するために仲間を巻き込んだ実践力」を中心に語っていたことが記憶にあります。
エピソード自体は同じでも、前者は“考えて動く人”、後者は“実行し成果を出す人”として別の印象を与え、評価につながっていました。
視点や構成に変化を持たせるだけでそれぞれの強みが際立つ
また、上記で紹介している3つの差別化ポイントのうち特に重要なのは、②「視点を変えて話す」ことです。自己PRでは、“どう成長したか”という内面的変化、ガクチカでは、“その経験を通じて周囲にどんな影響を与えたか”を語ると、内容が自然に分かれます。
さらに、①「構成を変える」ことも有効で、自己PRは、「結論→根拠→成果」、ガクチカは、「背景→課題→行動→学び」と順序を変えるだけで印象が明確に違って聞こえるでしょう。
つまり、同じテーマでも、「考える力」と「行動の力」とに分けて語ることが、差別化の最大のポイントと考えられます。
自己PRとガクチカを同じテーマで考える際の注意点
いざ自己PRとガクチカで同じテーマを使う際は、注意したい2つのポイントがあります。
文章を作る前にこの注意点を把握していないと、面接で「さっきも同じ話していなかった?」「言ってることが矛盾している?」と思われやすくなります。自己PRとガクチカという定番の質問であるからこそ、精度を上げてほかの学生と差をつけましょう。
まったく同じ内容にしない
同じテーマやエピソードを使うこと自体は問題ありませんが、答える文章がほとんど同じ内容であると、たとえ自己PRとガクチカ両方に適したアピールポイントを内容に組み込んでいても、差別化できているかわかりにくくなります。
特に履歴書やESなど書面のもので同じような文章を使っていると、コピー&ペーストで作っていると思われやすいです。
同じ内容にしないために、先述のように話し方の構成や視点を変えるといったポイントを踏まえて文章を作りましょう。
同じ文章になるのを避けるには、具体的なエピソードを変えると良いでしょう。
たとえば学園祭に関する内容なら、自己PRは具体的な成果のこと、ガクチカは準備過程での出来事など、同じ場面の切り取りではなく、ストーリーに変化をつけると印象が変わります。
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ぜひ効率的に自己PRを仕上げ、選考の準備を整えましょう。
アピールポイントは相反させない
アピールポイントの相反とは、自己PRとガクチカで反対に位置するような特徴を話していることを指します。
たとえば自己PRで強みを「慎重で物事を深く考えること」と示した後に、ガクチカで「大胆な行動で大きな目標を達成した」と伝えると、人柄や考え方などの特徴がはっきりせず、印象がぼやけてしまいます。
この場合、たとえばガクチカで「物事を深く考えて、チームで何度も模索しながら計画的に大きな行動を取り、目標達成した」と伝えることで相反しない内容になり、同時にアピールしても違和感がありません。
自己PRとガクチカを同じテーマで作る際は、このように一貫性を意識することがポイントです。
ガクチカと自己PRが同じになってしまうと悩んでいる人は、以下の記事も併せて読んで見てくださいね。
アドバイザーからワンポイントアドバイス
皆川 敬
プロフィールを見る同じテーマを活用する際は押し出す内容に違いを持たせる工夫が必要
自己PRとガクチカを同じテーマで作ること自体は悪くありません。むしろ、一貫した軸を持っている印象を与えられるという点では有効でしょう。
しかし、注意したいのは、「同じ出来事」を使っても、「同じ語り方」をしてはいけないということです。自己PRは「自分がどんな人か」を伝える場であり、ガクチカは「どんな行動をしたか」を問われる場です。
つまり、前者は強みの本質(人柄・価値観)を、後者は行動プロセス(課題設定・工夫・結果)を表現する必要があります。
両者が似通ってしまうと、「表面的にまとめただけ」と受け取られ、面接官の印象に残りにくくなるのです。
ガクチカでは経験そのものを、自己PRでは経験からの学びを語ろう
また、強調したいポイントがズレると、「自己理解が浅い」「テーマを使い回している」と感じられることもあるでしょう。テーマを共通化する場合は、視点をずらすことを意識してください。
たとえばガクチカでは「課題を乗り越えた経験」、自己PRでは「そこから得た学びや姿勢」を語るなど、同じ経験を異なる角度で表現する工夫が大切です。そうすることで、一貫性と多様性の両方を兼ね備えた、説得力のある自己アピールになります。
自己PRとガクチカで同じ内容を使った場合の例文8選!
自己PRとガクチカで同じ内容を使った場合の例文8選
自己PRとガクチカの違いや文章を作る際のポイントを理解した後は、実際に面接で答えるための文章を作っていきましょう。しかし文章構成や内容など、見本がないとどのように作るべきかわからないという人もいると思います。
ここからは自己PRとガクチカを同じテーマにした際の例文を解説します。例文ごとにキャリアアドバイザーが解説するため、自分でも例文に当てはめて文章を作ってみてくださいね。
①アルバイト題材にした自己PR・ガクチカ例文
アルバイトを題材にした自己PRの例文
私は情報収集や情報の分析などが得意です。
現在勤めている飲食店のアルバイトでは、ホールを担当しつつ店舗のSNSアカウントの運用もおこなっています。
SNS運用はただ投稿を続けるのみでは反応がなく、どうしたら集客につながるのか試行錯誤して投稿し続けたところ、一つの投稿がヒットして多くのコメントをいただきました。
そこからどのようなアカウントが反応しているか、店舗の顧客層とどのように異なるのかなど情報を分析して投稿を作成したところ、徐々に反応が増えていきました。このことから情報収集や情報の分析は基礎基本であり、非常に重要なことと気付きました。
この経験と強みを活かして、入社後は顧客のニーズをより正確に把握して適切なマーケティングをおこなっていきたいです。
アルバイトを題材にしたガクチカの例文
私は大学の入学とともに始めた飲食店のアルバイトに打ち込んでいます。
最初は学費や生活費のために「近所だから」という理由で始めたアルバイトであり、特に何も考えずに働き続けていました。
そんなときに店長からSNSの運用を頼まれ、今まで経験したことのない仕事ということもあり非常にやりがいを感じました。
たとえば同じジャンルの飲食店の投稿を見て勉強したり、顧客のニーズに合わせた内容を心掛けたりなどの投稿を数カ月続けたところ、店頭に来る人数が増えて、売り上げが目に見えて伸びました。
さらに売り上げを伸ばすために店長に頼み、グルメアカウントとコラボした投稿をおこなうことでより多くの方の目に留まり、マーケティングの楽しさにも気付けました。
お客様から「アカウントを見て来ました」と声をかけられることから、何よりやりがいを感じています。
自己PRの例文では情報収集と分析に重点を置き、具体的なスキルをアピールしています。一方、ガクチカの例文では成長の過程ややりがいにフォーカスし、成果を通じた自己成長を強調しています。
同じテーマを使う際は、自己PRでは「スキルの習得と応用」に焦点を当て、ガクチカでは「経験を通じた成長とチャレンジ精神」を強調すると、効果的に差別化ができるでしょう。
アルバイトのガクチカを書きたい人は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。アルバイトの経験でアピールしやすい学びやガクチカに使えるアルバイトの条件について詳しく解説しています。
②サークル活動を題材にした自己PR・ガクチカ例文
サークルを題材にした自己PRの例文
私は傾聴力が高いことが自分の強みだと思っています。
リーダーを務めるサークル活動の中で、メンバーの話をよく聞いて真意を引き出さなければいけない場面に立たされたことがありました。
その際にはいかに相手が話しやすい環境を作るか、どのような質問であれば話を引き出せるのか、メンバー一人ひとりに適した方法を考えました。
その後サークル活動の課題であった出席率の向上やモチベーションの維持などはクリアできたため、自分の傾聴力が役に立った瞬間だったと感じております。
サークルを題材にしたガクチカの例文
学生時代に最も打ち込んだことは、ボランティアサークルの活動です。私はサークルのリーダーを務めていました。
私がリーダーになった当時はメンバーの出席率が低く、どのようにすれば皆が楽しく活動できるようになるかとても悩みました。
副リーダーや先輩と相談しながら、メンバーがどのようなボランティア活動をしたいのか一人ひとりと面談して、少しでも意見を取り入れた活動ができる環境を目指しました。
その結果、少しずつですがメンバーの意見を取り入れた幅広い活動ができるようになり、徐々に出席率も上がって、現在では活発的なサークルとなっております。
この経験から、チームワークを向上させなければ目的は達成できないことを学びました。
おおむね好印象です。自己PRは先ほど紹介したPREP法、ガクチカはSTAR法と、構成の違いが明確に表れています。
起承転結がしっかりしているため、この人の特徴がわかりやすく伝わる感じがしますね。
サークルでガクチカを書きたい場合は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。サークルのガクチカで通過率を上げる4つの要素について詳しく解説しています。
③部活を題材にした自己PR・ガクチカ例文
部活を題材にした自己PRの例文
私の強みは、粘り強く努力を続ける力です。大学の硬式野球部では、下級生の頃からなかなか試合に出られず、何度も挫折を味わいました。
それでも「チームの一員として何ができるか」を考えました。野球は小学生の時から続けていて、その時に裏方のメンバーからたくさんの力をもらった経験があったからです。今でいる自分の役割を考え、練習後にピッチャーの球を受け続けるなど、チームを支えることを続けました。また同時に、自身の課題であった守備力の強化にも毎日取り組み、徐々に評価されるようになりました。
最終学年では副キャプテンに任命され、チーム全体の練習メニューを改善するなど、仲間と一体となって結果を出す喜びを感じました。この経験を通して、困難な状況でも諦めず、仲間と協力して目標を達成する力を身に付けました。
部活を題材にしたガクチカの例文
私は大学の硬式野球部でのチーム改革に最も力を入れました。当時、チームは連敗が続き、チームメンバーの練習への意欲もどんどん下がっていました。
副キャプテンとして「チームの雰囲気を変えて勝利を掴むこと」を目標に掲げ、まずは選手全員へのヒアリングを実施し、意見を反映した新しい練習メニューを提案しました。たとえば、従来は個人練習が中心だった時間をチーム練習に変え、ポジションごとの連携強化を重視しました。
その結果、チームの士気が上がり、秋のリーグ戦では前年最下位から2位まで順位を上げることができました。この経験から、課題を分析し、周囲を巻き込みながら改善を進めることの重要性を学びました。
上記の2つの例文は明確に差別化されています。
自己PRでは、努力を重ねて成果を上げた「成長力」が伝わり、誠実で粘り強い印象です。一方ガクチカでは、課題を見極め、仲間を巻き込んで成果を出した「チームを動かす力」が伝わります。
聴き手は努力と協働の両面を感じ、「どの環境でも成果を出せる学生」と評価するでしょう。
部活で自己PRやガクチカを作る際は、こちらの記事も確認してみてください。効果的なアピール方法や、作成するにあたっての考え方を説明しています。
部活の自己PRの作り方
部活の自己PRの作り方! 部活の種類・役職・強み別例文付き
部活のガクチカの作り方
例文12選|部活のガクチカでデキる印象を残す6ステップを解説
④学業を題材にした自己PR・ガクチカ例文
学業を題材にした自己PRの例文
私の強みはチャレンジ精神です。
大学生活では苦手だった語学スキルを伸ばそうと、勇気を出して留学に挑戦しました。
最初は会話が成り立たたず落ち込むこともありましたが、ボディランゲージを活用して徐々に現地の学生とコミュニケーションを深めていき、何人も友達を作りました。
そして日本に帰ってきて勉強を続けて、ついに目標だったTOEIC800点も達成できたため、自分のチャレンジ精神は強みとして誇って良いと思えるようになりました。
入社後には自分のチャレンジ精神や行動力を活かして、新たなプロジェクトにも積極的に参加して自分の知らない世界を見て学びたいと思っています。
学業を題材にしたガクチカの例文
私が学生時代に打ち込んでいたことは、1年生から続けていた英語の勉強です。
英語は中学生の頃から苦手意識があり、無意識のうちに避けていましたが、〇〇大学に入学してからは周りに英語が喋れる人が多くなり、「あのくらい話せたら楽しいんだろうな」と憧れを持つようになりました。
そこで同期や先輩に頼んで教えてもらいながら、2年次には留学も経験して本場のイントネーションを学び、モチベーションを上げました。
現在は日常会話程度の英会話ができるようになったため、今後もさらに勉強を続けていきたいと思っています。
上記の例文は差別化ができていると思います。
自己PRでは、留学中の具体的なことが書かれているため「チャレンジ精神」を伝えるエピソードとしての「留学」であり、一方、ガクチカは英語学習を頑張るために、複数ある手段の一つが留学であったという印象です。
学業で自己PRやガクチカを書きたい人は、こちらの記事もおすすめです。アピールしやすい学業のテーマやシーン別の例文を詳しく解説しています。
学業の自己PRの作り方
例文12選|学業の自己PRに欠かせない下準備と組み立ての手順
学業のガクチカの作り方
例文14選|学業はガクチカになる! 評価される伝え方のコツを解説
自己PRやガクチカを作成する際、学業以外にアピールできるテーマがないと悩む人もいるでしょう。その場合の作成方法について、以下のQ&Aで詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。
⑤ゼミや研究を題材にした自己PR・ガクチカ例文
ゼミや研究を題材にした自己PRの例文
私の強みは目標を立てて実行する計画力で、この強みはゼミの経験で気付けました。
ゼミのプロジェクトを成功させるためにはメンバー同士の協力が一番重要だと思い、皆がやるべきことを進めやすいように目的を明確にして担当を割り振りました。
その際はメンバーの性格や強みなどを考慮して、皆が無理なく進められるようなタスク作成を心掛けたため、メンバーからも「プロジェクトが進めやすくなった」と好評でした。
結果的に期限までの完成と発表会での高評価も得られたため、計画は本当に大切なことだと実感できた経験でした。
業務では計画性が必要とされる場面が多いと思うので、小さなプロジェクトでも油断せず計画を立てて、どんどん物事に挑戦していきたいです。
ゼミや研究を題材にしたガクチカの例文
私がこれまでもっとも力を入れたのは、ゼミ活動で地方創生のプロジェクトに携わった経験です。
私自身、田舎から〇〇大学に入学したため、地方を活発にしたいという思いが以前からありました。
これまでも個人では調べていましたが、ゼミという本格的な活動では地方創生に関する企業の取り組みや地方が抱える問題点などをより深く理解できるように、さまざまな関係者に話を聞きにいくことができました。
課題解決のためにはただインターネットで調べるのみでなく、現地で直接話を聞いて情報を集めることの重要さを学んだ良い経験です。
自己PRでは計画力や協力の大切さを強調し、ガクチカは地方創生への情熱と具体的な活動を描写していて、差別化ができています。
このようにゼミや研究を両方で使う際は、自己PRではスキルを、ガクチカではプロジェクトの意義を強調し、具体例を使い分けると効果的です。
ゼミの学びを仕事で活かしたい人は、ガクチカでテーマとして使うことで、より志望動機が明確に聞こえて評価が上がりやすくなります。ゼミや研究を題材にガクチカを書きたい人は、こちらの記事でコツを解説しているのでぜひ参考にしてください。
⑥留学を題材にした自己PR・ガクチカ例文
留学を題材にした自己PRの例文
私の強みは、異なる価値観を受け入れ柔軟に対応できる適応力です。
大学3年時にカナダへ1年間の交換留学をしました。最初は授業や日常会話で思うようにコミュニケーションが取れず、孤立感を覚えることもありました。
しかし、留学することはずっと昔からの夢であったを思い出し、現地学生と積極的に交流するために、学内イベントの運営ボランティアに参加し、英語だけでなく文化的な背景も理解しようと努めました。
次第に周囲との関係が深まり、最終的にはプレゼンテーションでチームリーダーを任されるまで信頼を得ることができました。
この経験を通じて、どんな環境でも自ら行動して順応し、チームとして成果を出す力を培いました。入社後も新しい環境に積極的に飛び込み、柔軟に成果を出せる人材を目指します。
留学を題材にしたガクチカの例文
私は大学3年時のカナダ留学で、語学力と異文化理解の向上に最も力を入れました。
当初は授業スピードの速さや文化の違いに戸惑い、グループワークで意見を伝えられないことが課題でした。そこで、授業内容を毎回ノートにまとめて要約する習慣をつけ、発表前には自分の意見を英語で整理してから臨むようにしました。
また、休み時間や課外活動では積極的に話しかけ、現地の学生と交流を深める努力を続けました。その結果、半年後には英語で自信を持ってディスカッションできるようになり、最終プレゼンではチーム代表として発表を任されました。
この経験を通じて、壁に直面しても諦めず、行動を重ねて課題を克服する力を身につけました。
上記の2つの例文はどちらも留学経験を軸にしていますが、自己PRは「変化適応力」、ガクチカは「課題克服力」と焦点が分かれており差別化ができていると思います。
面接では、自らの経験を目的別に把握・整理できる論理的思考があり、壁にぶつかってもそれを乗り越える実践力もある、と好印象を与えるでしょう。
留学経験のアピール方法に困っている人は、こちらの記事もチェックしてみてください。ほかの学生との差別化を図りながら、魅力的な内容に仕上げるポイントを解説しています。
自己PRで留学経験を活かすコツ
自己PRで留学経験を無駄なく活かすコツ! 長期・短期別の7例文も
留学経験のガクチカ攻略法
留学経験のガクチカを攻略! 知らないと損をする書き方と例文20選
⑦ボランティア活動を題材にした自己PR・ガクチカ例文
ボランティア活動を題材にした自己PRの例文
私の強みは、周囲を巻き込みながら課題を解決する行動力です。
大学2年生のとき、地域清掃のボランティア団体に参加したのですが、参加者の継続率が低いことが課題だと聞いて、危機感を覚えました。
私は「楽しさを感じられる企画を取り入れれば継続できるのでは」と考え、SNSで清掃後の集合写真を投稿したり、地域の方に協力を依頼して差し入れを用意してもらったりと、活動にプラスの要素を取り入れました。
その結果、次回以降の参加率が大幅に上がり、大学内でも活動を広めることができました。
この経験から、課題に気づいたときに自ら行動し、周囲を巻き込んで解決へ導く力が自分の強みだと実感しました。
ボランティア活動を題材にしたガクチカの例文
私は大学で所属していた地域清掃ボランティアの活動に最も力を入れました。
当時、活動の参加人数が減少し、地域からの信頼を維持することが課題となっていました。そこで私は、参加者にとって活動の目的が伝わりにくいことが原因だと考え、活動の意義を分かりやすく共有する工夫をおこないました。
たとえば、清掃前に「このエリアのゴミの多い理由」を説明したり、清掃後にビフォーアフターの写真をまとめてSNSで発信したりしました。その結果、活動に達成感を持つ人が増え、次回の参加者数は前回の1.5倍に増加しました。
この経験を通して、人が動くためには目的の共有とコミュニケーションが不可欠であることを学びました。
2つの例文は明確に差別化できているでしょう。
自己PRでは、自ら考えて行動し周囲を動かす「主体性」が伝わり、ガクチカでは、目的を共有し人を巻き込む「リーダーシップと調整力」が感じられます。
面接でも、工夫の過程や行動の理由が具体的で、「この人なら同じように成果を出せそうだ」と感じさせる内容です。
ボランティアを題材に自己PRを作成する方法は、こちらの記事で解説しています。手順通りに進めて、魅力的なアピール内容に仕上げましょう。
⑧インターンシップを題材にした自己PR・ガクチカ例文
インターンシップを題材にした自己PRの例文
私の強みは、目標達成のために自ら課題を見つけ、改善行動を起こせる主体性です。
大学3年時に参加したマーケティング会社の長期インターンシップでは、SNSを活用した店舗集客プロジェクトを担当しました。
当初は自分の担当投稿の反応が思うように伸びず悔しい思いをしましたが、原因を分析するために過去のデータを比較し、他社アカウントの傾向も研究しました。
そのうえで投稿時間や訴求の切り口を変えたところ、クリック率が1.8倍に向上。最終的にはトップの成果を出すことができました。
この経験から、与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら課題を発見して改善に取り組む姿勢こそが成長につながると実感しました。
インターンシップを題材にしたガクチカの例文
私は大学3年時に参加したマーケティング会社の長期インターンシップでの取り組みに最も力を入れました。
当時、私が所属していたチームではSNS投稿のエンゲージメント率が伸び悩み、上司から改善案の提出を求められました。
そこで私は、他社事例のリサーチと過去投稿のデータ分析をおこない、「投稿文の最初の3秒で興味を引く表現」が不足していることに気づきました。
チームで話し合いの場を設け、キャッチコピーの作成を担当。試験的に3パターンを出してABテストをおこなった結果、最も反応の良い投稿でクリック率が1.8倍に上昇しました。
この経験を通して、課題をデータで分析し、仮説検証を重ねることで成果を出す難しさと面白さを学びました。
上記の例文は、どちらもインターン経験をもとにしていますが、自己PRは「主体性」、ガクチカは「分析力と検証力」に焦点を当てており差別化できています。
面接では、数字を用いて成果を具体的に説明できる点が評価され、実行力と論理性のある印象を与えられるでしょう。
自己PRとガクチカに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。さらに詳細を知りたい人は、ぜひチェックしてみてください。
ガクチカと自己PRの違い
ガクチカと自己PRの違いは? 例文付きで相違点をわかりやすく解説
自己PRとガクチカは同じ内容で大丈夫
自己PRとガクチカは同じテーマでOK! 内容の差別化について解説
自己PRの作成方法
例文12選|就活必勝の自己PRの作り方をキャリアのプロが解説
自己PRとガクチカが同じネタ
自己PRとガクチカが同じネタでも良いですか?
自己PRとガクチカが一緒
ガクチカと自己PRは同じ内容でも大丈夫ですか?
自己PRとガクチカが両方聞かれる理由
ガクチカと自己PRが両方聞かれるのってどうしてですか?
自己PRとガクチカで同じテーマでOK!ただし質問の意図に沿った回答が重要
自己PRとガクチカは同じテーマで話しても問題ありません。しかし企業が知りたいことは自己PRとガクチカで異なるため、両者の違いを踏まえていかに魅力的に伝えるかがポイントです。
自己PRは強み、ガクチカは物事の向き合い方や得られたことを意識しつつ、文章を作ってみてくださいね。
それに加えて文章の構成や視点を変えるといった差別化を意識すれば、同じテーマを使いながらも効果的に自分をアピールできるようになります。
これから自己PRとガクチカの回答を考えようとしている人はこれらのポイントを押さえて、高評価での選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
自己PRとガクチカのテーマが同じときは切り口を変えて伝えよう
自己PRとガクチカをまったく同じ内容で書いてしまうと、それを聞く採用側も、「この学生はこのことしかやっていないのかな」と思ってしまいます。それを防ぐには、テーマが一つであっても、切り口を変えて伝えていくことを意識してみましょう。
その際には、「自己PRで伝えたほうが良いこと」「ガクチカで伝えたほうが良いこと」を整理したうえで、それぞれを組み立てることが大切です。
自己PR・ガクチカそれぞれで伝えるべきことを把握して内容を練ろう
この記事でも紹介したように、自己PRは強み、つまり「何ができる人なのか」を伝えていくことを意識してください。そして、その強みを仕事でどのように活かせるのかを考えることで、アピールの内容も固まるでしょう。
ただし、強みを仕事でどう活かすかを考えるには「企業・職種研究」が欠かせません。また、文章の構成はPREP法を意識してみましょう。
一方で、ガクチカは「物事の進め方」を意識するのがポイントです。困難にぶつかった時、どうやってそれを克服したのか。そのときのエピソードとともに、具体的な行動とそれをやり抜いたモチベーションの源泉は何かを書いていきましょう。
そこに人柄、性格、考え方や価値観、判断基準といういわゆる「自分らしさ」が表れるので、企業も応募者の人となりを見て、応募者が自社の文化とマッチするかを確かめようとします。
ガクチカではSTAR法を意識して文章を書き、自身の魅力をしっかりと企業に伝えましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

















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キャリアコンサルタント/2級ファイナンシャルプランニング技能士
Tomomi Tsukamoto〇航空会社CAとして育成担当を経験。その後複数大学でキャリアセンター相談員を務め、就活サイトの講師も担当。採用代行や新入社員研修講師、転職支援など幅広い就活領域で活躍
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Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は60000件超。30年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表
Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約20年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
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Takashi Minagawa〇450名規模の介護事業を経営し、人材育成とコーチングに携わる。社外でも月に平均10〜20本の1on1を実施。クライアントに寄り添う支援がモットー
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