この記事のまとめ
- 就職浪人とは卒業後も就職活動を続ける人を指す
- 就職浪人はやめとけといわれるがメリットも存在する
- 採用担当者が就職浪人に持つ印象を理解して自分に合った選択をしよう
就職活動がうまくいかないと、無理に就職先を決めるのではなく、「就職浪人」という選択肢がよぎる人もいるのではないでしょうか。
しかし、就職浪人はその後の就職活動がより厳しくなるともいわれるため、簡単には選べない人もいるでしょう。
この記事では、就職浪人をすべきか判断する基準をキャリアコンサルタントの加藤さん、若林さん、谷猪さんと一緒に解説します。就職浪人の選択肢を選ぶとしても、後悔しないようメリットやきついといわれる理由を理解しておきましょう。
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就職浪人とは大学卒業後も就職活動を続ける選択をした人
就職浪人とは、大学時代に就職先を決めず、納得いく企業を見つけるまで就職活動を続けている人を指します。在学中に就職活動をするよりも仕事探しに時間をかけられ、後悔のない選択ができると考え就職浪人を選ぶ人もいます。
しかし、就職浪人は採用担当者になぜその選択をしたのか疑問に思われる可能性もあり、就職活動でデメリットに働くこともあるのです。
そこでこの記事では、前半で就職浪人をする人に多い4つの理由や就職浪人の就活がきついといわれる理由を解説します。デメリット部分を把握したうえで、自分の選択肢に含めるか決めましょう。
記事の後半では、採用担当者が就職浪人に持つ疑問や就職浪人をする前に就職を成功させる3つのステップを解説します。記事を最後まで読むと、就職浪人を選んでも就活を成功させる方法がわかり、後悔のない選択ができるようになりますよ。
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定義を確認しよう! 就職浪人の基本情報
定義を確認しよう! 就職浪人の基本情報
- 就職浪人をする人の割合
- 似ている言葉との違い
- 企業からの扱い
就職浪人をするか判断するためには、就職浪人がどのような状態を指すのか、就活時の扱いはどうなるのかをまず理解しておきましょう。何も知らないまま就職浪人を選んでしまうと、希望する就職先が見つからずに後悔してしまう可能性もあります。
ここでは、就職浪人の基本情報を解説します。就職浪人になってから思っていたものではなかったとならないよう、必要な知識を身に付けましょう。
就職浪人をする人の割合
文部科学省の発表する令和4年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査によると、令和5年3月卒業予定の大学生で、2月時点に内定を獲得していた割合は約90%です。つまり、10人に1人は内定を獲得しておらず、就職浪人を含むその他のキャリアを選んでいることになります。
短期大学や専門学校の人も含めれば、その他のキャリアを選んだ人はさらに増えます。そのため、就職浪人は比較的身近な存在であり、それほどめずらしい選択肢ではないとわかるのです。
もし就職浪人をするか悩んでいる理由が「周りの人が選んでいないから」という場合は、過度に気にする必要はありません。自分が満足する就職先が見つからない場合は、就職浪人を選択するのも方法の一つです。
就職浪人を選ぶ人には、「就職先を決めないとな」という気持ちが頭の片隅にはありながら、「自分が何をしたいかがわからなくて就職しなかった」や「どうしてもやりたい仕事があり、その仕事しか考えられなくて」という理由の人が多いように感じます。
似ている言葉との違い
就職浪人をするか悩んだものの、就職留年や第二新卒など似た言葉があり、違いがわからず悩む人もいるのではないでしょうか。それぞれの違いを理解せずに選択してしまうと、やはり就職浪人をしなければ良かったと後悔する可能性もあります。
就職留年や第二新卒とは企業での扱いも異なるため、その点を理解したうえで方向性を決めることが大切です。
ここでは、就職浪人と似ている言葉との違いを解説します。納得のいく選択ができるよう、必要な知識を身に付けておきましょう。
就職浪人は「既卒」の枠でまとめられることが多いですが、そもそも既卒が何を示すのかわからない人は以下の記事を確認してみてください。
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就職浪人と就職留年の違い
就職留年と就職浪人はよく間違われる言葉ですが、就職浪人は大学卒業後も就職活動を続けるのに対して、就職留年は就職先が見つからないことを理由に、計画的に留年することを言います。
内定をもらったとしても、必ずしも納得いく就職先が見つかるとは限りません。または、就職活動をしたものの、結果的に内定がもらえなかったということもありますよね。
就職留年はもう1年学生を続けることから、就職浪人とは異なり学費がさらに必要です。一方で、新卒扱いで就職活動ができるため、1年前では選考突破できなかった企業に入社できる可能性もあります。
ただし、就職留年を選ぶ場合は採用担当者に留年した理由を聞かれる可能性があるため、事前に回答を用意しておき、焦らずに答えられるようにする必要があります。
就職浪人と就職留年の受け取り方は、正直に言うと会社や面接官によって異なります。なかには突っ込んだ事情を聞かれる場合もありますが、多くの企業ではそこまでネガティブなイメージはないため安心してください。
留年してしまうと就職できないのではと不安を感じる人は、下記の記事で留年に持たれる印象を理解しておくと、不安を感じずに就職活動ができます。
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留年すると就職できない? 企業側の捉え方と内定を得るための方法
「留年すると就職ができなくなるのではないか」と気になる人もいるでしょう。留年をしても就職は可能ですが、留年中の過ごし方が大切になります。この記事では留年をしてでも志望企業から内定を得るための方法を解説します。
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就職浪人と第二新卒の違い
第二新卒とは、一度企業に入社したものの、1〜3年程度で退職した人を指します。就職浪人と違う点は、一度企業に入社しているため職歴が増える点です。
学生のなかには、就職活動をしていて納得いく入社先が見つからなくても、無職は良くないと考えて希望しない企業に入社する人もいます。しかし、結局自分と合わない企業だと感じ、すぐに退職してしまう人もいるのです。
第二新卒は就職浪人とは異なり、一定の社会人経験が積めます。一方で、再度就職活動をする場合は働きながらする必要があるため、限られた時間のなかで自分に合った仕事を見つけなければならないという難しい点もあるでしょう。
企業からの扱い
就職浪人が新卒として扱われるか、既卒として扱われるかは企業によって異なります。ただし、一度学校を卒業していることから、既卒として扱う企業が多いといえます。
厚生労働省が令和6年2月に発表した青少年雇用機会確保指針によると、「卒業後3年間は新卒扱いとする」という指針を企業に求めています。しかし、この指針には強制力がないため、必ずしも企業が方針に従うとは限りません。
そのため、企業が就職浪人を新卒として扱うかは企業に任されています。就職浪人を新卒と考えない企業の場合は、残念ながら選考を受けることはできなくなってしまいます。
希望する就職先が新卒しか採用していない場合は、就職浪人を選ぶことは避けましょう。
就職浪人を歓迎しているかは、求人を募集している企業が人手不足かどうかで異なります。
人材を育てたいと思う企業であれば、企業の経済状況次第ですが、20代前半は大歓迎かと思います。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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内定が出なかっただけではない! 就職浪人になる4つの理由
就職浪人になる4つの理由
- 卒業までに内定を得られなかった
- 内定は得たものの納得いく就職先がなかった
- 景気や新卒採用状況から就活を先延ばしにした
- 大学院の入試に落ちてしまった
就活をしたのに就職浪人を選ぶのは、ただ就職が成功しなかったからと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、就職浪人を選ぶ人のうち、すべての人が就活に失敗したとは言えないのです。
この章では、就職浪人をするおもな4つの理由を解説します。自分が就職浪人をするか悩んでいる内容はよくあるものなのかか、ここで確認しておきましょう。
卒業までに内定を得られなかった
就職浪人を選んだ人は、卒業までに内定を得られず、就職先を見つけられなかったという状態の人が多いといえます。内定が出なかったため、企業に入社できず就職浪人にならざるを得なかったのです。
内定が出なかったのは、希望者が多い企業にばかり応募していたり、自身の能力には見合わない企業を選んでいたりなど、さまざまな理由があります。さらに、事情により就職活動ができなかった人もいるでしょう。
人によって理由はそれぞれですが、内定が出なかったことで卒業後に就職活動をすることになる人は少なくありません。内定が出なくとも卒業後に働く意思があり就職活動を続ける場合は、就職浪人になるのです。
内定は得たものの納得いく就職先がなかった
就職活動をする中で、本命企業以外にも多くの企業に応募する人も多いのではないでしょうか。本命企業の内定が出なかったとしても、就職先が見つからず不安になる可能性を減らすために、滑り止めとして企業を受ける人は多くいますよね。
そのため、就職活動で内定を得たとしても、納得して入社したい企業があるとは限りません。なかには、いくつか内定を持っていてもどこにも就職したいと思えず、さらに就職活動を続けるために就職浪人を選ぶ人もいるのです。
このような理由で就職浪人を選ぶのは、自分が納得する就職先を見つけたいという前向きな理由です。だからこそ、就職浪人になった場合には満足いくまで就職活動ができます。
- 内定をもらった企業に入社するべきか、就職浪人を選ぶか悩んでいます。判断基準を教えてください。
目指す企業や自分の状況によって判断基準は異なる
最終的に決めるのは自分ですが、私がこれまでに出会った学生の中には「どうしても希望する業界に行きたいから」と、就職浪人を決めた人もいました。
この場合は、内定が出ている業界から、希望する業界への転職は難しいこと、両親の理解が得られた点が大きかったように思います。
また、近年では一つの会社にずっと勤める人は減ってきています。そのため、希望する就職先ではなくても一旦は内定の出た企業に就職し、希望業界へ転職するのも一つの方法です。
ただし、転職の場合にスキルが重視される業界を希望するなら、就職浪人をして納得がいくまでチャレンジをしても良いかもしれません。
景気や新卒採用状況から就活を先延ばしにした
就職活動をしていたものの、希望する業界企業の景気が良くない場合や、新卒をあまり採用していないという話を聞いて、就活を先延ばしにする人もいます。今就職活動をしたとしても納得いく企業に就職できるとは限らないため、自分が選考を突破できそうなタイミングを狙って就職活動をするのです。
このタイプの人は就職先にこだわりがあり、納得いく企業に入社したいからこそ内定が出たからといって入社するのではなく就職浪人を選ぶのです。
しかし、就職浪人になったとしても、必ずしもすぐに希望する企業や業界の景気が良くなったり採用状況が変わったりするとは限りません。希望する企業の状況が良くならない場合は新しい企業を探すか、現在の状況で応募してみるか決める必要があります。
大学院の入試に落ちてしまった
大学から大学院に進学を考えていたものの、大学院の入試に落ちてしまい就職活動をしなければならない人もいます。大学院の入試はおもに秋か春に実施していて、特に春にしか実施していない大学院に落ちてしまうと、卒業までに時間がありません。
大学院への進学を目指していたものの落ちてしまうと、その後に就職活動をしようとしても準備が足りず、納得いく就職先が見つからない人もいるのです。また、企業によっては早めの時期に選考が終了してしまっている場合もあります。
そうなると、希望する企業に入社できないため、就職浪人の道を選ぶ人もいます。就職浪人をしてからゆっくりと就職先を探し、企業へ入社するのです。
もし翌年の大学院入試へのチャレンジを考えている場合は、就職浪人中の空白期間が発生することを避ける方法としても、教授に相談して研修生として研究室に所属させてもらう道もありますよ。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
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就活に影響が出る? 就職浪人がきついといわれる理由
就職浪人がきついといわれる理由
就職浪人をするか悩んだときに、「就活で不利になる」といわれているのを聞いて不安に思う人もいるのではないでしょうか。先述のとおり就職浪人を目指す人は1割ほどなので、周囲にいないと実際の声がわからず不安に思ってしまう人もいますよね。
この章では、就職浪人がきついといわれる理由を6つ解説します。就職浪人のデメリットを理解して、卒業後に後悔する心配を減らしましょう。
採用担当者からマイナスの印象を持たれやすい
就職浪人をすると、在学中に内定を得られなかったと思われ、採用担当者によってはマイナスの印象を持たれる可能性があります。在学中に内定を得られた学生に比べて、能力的に劣っているのではと思われてしまうのです。
ただし、就職浪人になる人がすべて同じ理由で内定を得られなかったわけではありません。自分の希望する未来のために、あえて就職浪人を選ぶ人もいるのです。
そのため、採用担当者にマイナスの印象を持たれないように、理由を聞かれても答えられるよう準備をしておきましょう。採用担当者の印象が悪くなる回答でなければ、就職浪人であっても選考突破は可能です。
たとえば「内定が一つも取れなかった」という理由なら、高確率で「なぜ内定が取れなかったのですか?」と聞かれる可能性があります。
その際に、しっかりと自己分析をしたうえで、適切な回答が出せないと「1年間何をしていたのだろう」と思われ、マイナスイメージがついてしまう場合もありえます。
大学のサポートを受けられない可能性がある
就職浪人の場合はすでに大学を卒業しているため、在学中の学生をサポートすることが目的のキャリアセンターの利用や履歴書の添削など、大学の就職サポートは受けられない可能性があります。
そのため、在学中に大学のサポートを受けていた学生は、就職活動のやり方が変わり、初めは戸惑う場合もあるでしょう。
しかし、ハローワークや就職エージェントなど既卒向けの就職支援サービスは数多くあります。大学のサポートを受けられない場合でも、既卒向けの就職支援サービスを利用すれば、満足いく就職先を見つけることは可能です。
既卒の就活をうまく進めるためにはコツがあります。以下の記事で重要な5項目を解説しているので、参考にしてみてください。
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既卒の就活を確実に成功させる5箇条! ストレスなく進める秘訣
既卒の就活は大変な面もありますが、スムーズに進めるコツがあります。この記事では、既卒の就活を乗り越える5箇条や就活の進め方、就活での注意点をキャリアコンサルタントが解説します。コツを押さえて既卒の就活を諦めずに成功させましょう。
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インターンシップに参加できない可能性がある
現役学生向けの就職支援サービスは、すでに大学を卒業していて就職浪人をしている人は利用できなくなることがあります。そのため、新卒向けの就活支援サービスにしか情報を載せていない企業のインターンに参加するのが、現役学生に比べると難しくなるのです。
もし新卒でしか自分が参加したい企業のインターンの募集が見つからない場合は、自分で直接問い合わせる必要があります。それでも断られてしまう可能性があるため、一からインターン先を探さなければいけないケースもあるのです。
このように新卒時代よりもインターン先を見つけるのは難しくなるため、応募にインターンの参加が必要な企業を目指すのは難しくなるといえるでしょう。
ただし、就職浪人が必ずしもインターンに参加できないわけではありません。下記の記事では既卒がインターンを探すときのコツを解説しているため、併せて目を通しておきましょう。
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既卒インターンは企業選びが肝! メリットや注意点などを徹底解説
既卒向けインターン参加前に準備しておくべき3ステップ
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卒業から時間が経つほど焦りが生まれる
就職浪人の選択肢を選んだとしても、すぐに就職先が見つかるとは限りません。就職先が見つからない時期が長引くと、働いていないことに不安を感じて、卒業から時間が経つほどに焦りが生まれてしまいます。
特に在学中に内定を得られず就職浪人を選んだ人だと、就職活動を続けているのに結果が出ない自分を責めてしまう場合もあるのではないでしょうか。
一人暮らしの場合は生活費の不安も出てくるため、早く仕事を見つけなければいけないという気持ちも大きくなります。金銭的な不安がある場合は、アルバイトを並行しておこなうと、不安を少なくできます。
私がサポートしている人は、就職浪人になってから3〜4カ月程度で仕事が見つかった人が多いです。しかし、長く安定して働ける企業を条件として考えなければ、1~2カ月で仕事は見つかると思いますよ。
大手企業の選考対象から外れる可能性がある
新卒の学生に人気がある大手企業は、既卒の応募を受け付けていない可能性があります。大手企業に入りたいと思って就職先を吟味している場合は、新卒のうちに見つけるほうが可能性が高くなる場合もあるのです。
そのため、希望する企業や業界がある人が就職浪人をするときは、事前に既卒の募集があるかチェックするようにしておきましょう。事前にチェックしておけば、就職浪人になってから企業に入社できないことに気付くという事態にならずに済み、後悔する可能性を減らせます。
また、就職浪人をすることになった場合は、大手企業に限らず多くの選択肢から企業を選びましょう。就職先が大手企業でなければいけないという理由があるなら、新卒のうちに就職先を探すことがおすすめです。
新卒の方が大手企業に入りやすいという理由で「新卒カード」とよく言われますが、新卒で就活をすることのメリットにあまり納得できていない人もいるでしょう。そんな人は以下の記事も併せて確認してみてくださいね。
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新卒カードの有効な使い方とは? 失った後の就活方法もプロと解説
この記事では、新卒カードを使うメリットやデメリットをキャリアコンサルタントとともに解説しています。新卒カードを最大限活かせる就職先についても紹介しているので、就職カードをうまく活かしたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
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就職浪人期間の行動が評価対象になる
採用担当者が就職浪人を面接する場合には、仕事が見つかるまでの時間をどのように過ごしていたかも判断される対象になります。就職浪人の期間を何もせず過ごしていれば、マイナスの印象を持たれてしまう可能性もあるのです。
就職浪人が面接に参加するときは、就職浪人の期間で得た学びや経験を答えられるようにしておきましょう。そのため、ただのんびりして過ごすのではなく、勉強やアルバイトなどをしながら過ごすのがおすすめです。
就職浪人の期間を有意義なものだと認めてもらえれば、評価が悪くなる心配は少なくなり、採用担当者に良い印象を持ってもらえる可能性が高まります。
就きたい仕事が決まっている人であれば、就職浪人の期間をその仕事に就くために必要なスキルや資格を勉強する期間として活用することがおすすめです。
自分が何をしたいのかわからない人は、アルバイトやボランティア活動など社会とのつながりを通して自分の視野を広げようと自己革新していると良い印象を持ちます。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
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悪い面ばかりではない! 就職浪人になるメリット
悪い面ばかりではない! 就職浪人になるメリット
就職浪人をするのは「きつい」「やめとけ」という声もあり、マイナスな影響ばかりなのではと不安になる人もいるのではないでしょうか。しかし、就職浪人はデメリットばかりではなく、就職活動に時間をかけられ、留年に比べると金銭的負担が少ないなどのメリットがあります。
ここからは、就職浪人をするメリットを6つ紹介します。就職浪人がデメリットばかりではないことを理解して、選択肢に加えるか考えましょう。
就職活動に時間をかけられる
在学中の就職活動だと友人が得た内定の話を聞いて、自分も早く内定をもらわなければと焦る人もいるのではないでしょうか。一方で就職浪人は在学中の限られた時間だけでなく、卒業後の時間も就活に充てられるため、ゆっくりと仕事を探せます。
焦らずに仕事を探せる分、企業研究や業界研究の時間ができ、自分が目指す会社をしっかり理解したうえで就職活動ができるのです。
さらに、在学中とは異なり授業がない分時間が増え、履歴書や自己PRの作成にも時間がかけられます。企業に合わせた内容を作り込みやすく、採用担当者に響く内容を作れるようになるのです。
業界研究や企業研究をするときは、正しいやり方を理解しておくことで内容が深まります。下記の記事では企業研究や業界研究のやり方を解説しているため、併せてチェックしておきましょう。
企業研究
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
業界研究
業界研究のやり方|業界全体をとらえたうえで気になる業界を研究しよう
採用担当者に刺さる志望動機や自己PRを作成するには、文章構成を意識しましょう。こちらの記事では志望動機と自己PRを作成する方法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
志望動機
志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説
自己PR
例文20選|自己PRが簡単に書けるテンプレートで就活準備を効率化
就職留年に比べると金銭的負担が少ない
在学中に就職活動をしたものの、納得いく就職先が見つからず、新卒カードをなくさないためにあえて就職留年する人もいます。しかし就職留年は一年在学期間が伸びるため、その分の学費がかかるのです。
一方で就職浪人は留年せず卒業するため、就職留年した人に比べて学費がかからず金銭的負担が少なくなります。一年分の学費は大きい金額のため、節約できれば大きな金額になるでしょう。
就職先を吟味したい場合でなるべく費用をかけたくないなら、就職留年よりも就職浪人を選ぶことがおすすめです。
就活に対しての知識・経験が増える
就職浪人は学生よりも就職活動が長くなるため、就職活動の知識や面接の経験が増えます。履歴書の作成や面接は数をこなすほど経験が増えていき、慣れてくることで面接でも落ち着いた対応ができるようになるでしょう。
履歴書に書かれた志望動機や自己PRが良い内容でも、字が汚かったり伝わりにくい文章だったりすると書類選考が突破しにくくなります。面接でも、緊張でうまく話すことができなければ、良い評価は得にくくなるのです。
そのため、就活への知識や経験が豊富な就職浪人は、就職活動を有利に進められる可能性があります。
就活の面接では、同じような質問を何度もされます。なかには就活の軸や内定が出ていない理由など、答えにくい質問も多いと思います。
多くの企業で面接を受けるため、就職浪人には学生が戸惑いがちな質問も納得のいく返答ができるようになる強みがあります。
自分の選択肢を広げられる
就職浪人は就職活動に充てられる時間が多いため、自分の強みややりたいことを見直すことができ、学生時代よりも多くの選択肢を持てる可能性があります。選択肢が増える分、学生時代には考えなかった仕事に就くこともできるのです。
また、就職浪人をしている時間で資格勉強やワーキングホリデーなどをおこなえば、在学中には目指せなかった職業に就ける可能性もあります。その結果、就活生の頃よりも良い職場に出会える場合もあるのです。
就職浪人を目指す場合はその時間をどのように活かすか考えておくと、時間を有意義に使い、自分の選択肢を増やせます。
志望企業に再挑戦できる
人によっては、「どうしてもこの企業で働きたい」「やりたい仕事がある」など熱い思いを持っている場合もあるでしょう。しかし、どんなに熱心に企業を志望していても、新卒で必ず入社できるとは限りません。
学生時代に志望した企業の選考に落ちた場合は、就職浪人をして再挑戦する方法があります。再挑戦することで、選考突破できれば希望の企業に入社もかないます。
新卒時代に落ちてしまった企業を諦められない場合は、新卒以外の採用枠があるか確認しましょう。そのうえで学生時代の経験を活かし、再度選考に挑戦してみるのもおすすめです。
一度落ちた企業への再応募については、新卒の選考時に不採用になった理由次第ですが、単に採用人数の都合も検討したうえで落とした場合であれば「どうして2回目の応募をしてきたのか?」と思い、良くも悪くも印象としては残ると思います。
社会人の友人からアドバイスを得られる
自分が就職浪人をしたとしても、周囲の友人の多くは社会人になっているでしょう。そのため、内定を得た学生が就職活動のときどのような努力をしたのか聞いてみると、自分では気付かなかったアドバイスを得られる可能性があります。
とはいえ、友人が就職したのに自分が就職浪人をしているのは、気まずい気持ちになってしまうときもありますよね。しかし、心を許した友人であれば相談してくる人を無下に扱うことはないはずです。
初めは相談しにくいかもしれませんが、すでに社会人になっている友人に相談することで、就職浪人したメリットをより得られるでしょう。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
就活のプロが解説! 就職浪人に対しての企業が持つ印象は?
就職浪人のメリットやデメリットを理解しても、採用担当者が就職浪人にどのような印象を持つのかわからず、不安になる人もいるのではないでしょうか。採用担当者が良いイメージを持たないなら、就職浪人をするのは避けたいと思ってしまいますよね。
そこでこの章では、キャリアコンサルタントの若林さんに就職浪人に対して採用担当者が持つ印象を解説してもらいます。採用担当者の気持ちを理解したうえで、就職浪人になるか考えましょう。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る就職浪人への印象は本人の姿勢でポジティブなものにできる
特に倍率が高い業種では、就活浪人に対してネガティブなイメージは少なく、「どうしてもうちの会社に来たいのだな」と思ってもらえることもあります。
実際、人気業界で採用を担当している友人に話を聞くと、「毎年、就職浪人はいるけれど、特に気にしたことはない」という回答でした。
逆に注意したいのは、一般的に倍率が低いといわれている業界を受けるケースです。内定が取れずに浪人した人なら、「受かりそうな会社」に応募する人もいます。そうした場合は、「なぜ今まで内定がないのか」に対する答えをしっかり用意しておきましょう。
嘘をつかず誠実に対応しよう
また、どちらの場合にも注意したいのは、取り繕った嘘をつかないことです。採用担当者は多くの面接を経験しているため、「就職浪人ではなく留学していた」といった嘘は見抜かれる可能性が高いです。
正直に就活に挑み、自分が希望する会社に入社できるように頑張ってください。
面接での回答を用意しよう! 採用担当者が就職浪人に持つ疑問
採用担当者が就職浪人に持つ疑問
- なぜ就職しなかったのか
- 就職浪人の期間はどう過ごしたのか
- 就職浪人をしたことで何を得たのか
就職浪人を選択するなら、事前に採用担当者に聞かれる可能性がある質問を理解しておくと、選考に参加するときスムーズに回答が考えられます。
ここでは、採用担当者が就職浪人に持つ疑問を3つ解説します。どの質問も就職浪人の時間が無駄ではなかったと伝えるために大切なため、しっかり押さえておきましょう。
なぜ就職しなかったのか
採用担当者はそもそも、新卒のタイミングでなぜ就職しなかったのか疑問に思うことが多いです。ほかの学生が就職活動をしている間、この学生は何をしていたのかと考えてしまいます。
就職しなかった理由は、人によって「家族の介護」や「働きたい仕事が見つからなかった」などと理由があります。基本的には就職しなかった理由をそのまま伝えて問題ありませんが、自分がその意思を決めた理由も併せて伝えましょう。
内定が出なかった場合でも、アルバイトや学業が忙しく自己分析や企業分析が甘かったと正直に伝えれば、就職活動を不真面目におこなっていたわけではないと伝えられます。
就職しなかった理由は人それぞれなため、選考の可否を決める際に理由は重視はしません。
それよりも、就職浪人をすることに決めた理由を重視します。就職浪人をする理由が自身にとって前向きな理由であるほど納得感が出ると思います。
就職浪人の期間はどう過ごしたのか
就職活動を開始してから企業の面接を受けるまで、何をしていたのかも採用担当者が気になる部分です。就職浪人の期間をただぼーっと過ごしていたのでは、学生時代の就職活動も真面目にやっていなかったのではという印象を持たれてしまう可能性があります。
そのため、就職浪人期間は自己分析を深めたり企業の情報を調べたりと、今後の自分が有意義になる行動を意識しましょう。仕事に役立つ資格を取得するのもおすすめです。
就職浪人の期間を無駄にせず有意義に使用していたことを伝えることができれば、採用担当者にもただ働きたくないから就職浪人をしていたわけではないと理解してもらえます。
就職浪人をしたことで何を得たのか
就職浪人の期間は、新卒で企業に入社した学生とは違った経験ができます。たとえば、就職浪人の時間を利用してアルバイトやボランティアなどをすることで、新しい経験を得られた人もいるのではないでしょうか。
採用担当者は就職浪人したことで、このような学生が得られた経験にも着目しています。就職浪人したことで結果的に得られたものがあれば、その期間も無駄ではなかったと考えてもらいやすくなるのです。
就職浪人で得た結果は、前の段落で説明した「就職浪人の期間に何をしたか」にもかかわってきます。就職浪人の期間を無駄にせず、何か得たものを語れるように準備しておきましょう。
- 就職浪人で得たものが思いつきません。具体的にはどのような例がありますか?
まずは就活浪人期間に何をしていたかを振り返ろう
就職浪人の期間でおこなった行動について、一つずつ丁寧に振り返ると見えてくるものがあります。
就職浪人期間中にアルバイトをしていたなら、社会人としての経験と見なされます。そのためアルバイト期間中に得た経験、たとえば仕事をおこなううえでのコミュニケーション力やそこで得た経験は何よりもかけがえのないものです。
ほかにも、ボランティアや旅行などの経験をする選択肢もあるので、何かテーマを決めて振り返ってみてくださいね。
現役で内定を目指したい人は! 就職浪人になる前に就職を成功させる3つのステップ
就職浪人になる前に就職を成功させる3つのステップ
- 積極的にインターンに参加する
- 自己分析・企業分析を深めて自分の適性に合う企業を見つける
- 選考対策をおこない面接に備える
就職浪人になることはデメリットばかりではないと理解できても、なるべく新卒のタイミングで内定を得ておきたい人は多いですよね。まずは現役での内定を目指し、就職浪人を選ぶのは最後の選択肢にしたい人がほとんどでしょう。
ここからは、就職浪人になる前に就職を成功させる方法を3つのステップに分けて解説します。一つずつステップを進めて、希望する企業への入社を目指しましょう。
①積極的にインターンに参加する
学生のうちになるべく多くのインターンに参加しておけば、実際に働いたときに近い経験を積むことができるので、自分に向いている仕事を明確にしたり、企業への理解を深めたりできます。就職浪人になってからでは参加できないインターンもあるため、学生のうちに気になるインターンに参加しておきましょう。
インターンに参加する場合、長期インターンと短期インターンが選択肢に上がります。就職活動までに期間があるなら長期インターン、あまり時間がないなら短期インターンなど、状況に合わせて選びましょう。
しかし、自分に合ったインターンの選び方がわからなければ、行動に移せない人もいるのではないでしょうか。下記の記事ではインターンの選び方を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
インターンの探し方
インターンの効果的な探し方8選を学年別で解説! ありがちな失敗も
短期インターンの選び方
短期インターンのメリットとは? 後悔しない選び方も解説
②自己分析・企業分析を深めて自分の適性に合う企業を見つける
就職浪人にならないように在学中に就職先を見つけるには、自己分析や企業分析をおこない自身に合った企業を見つけましょう。自分のことをわかっていると思っていても、自己分析をきちんとしなければやりたいことや強みが明確にならない可能性があるのです。
また、同じ業界にある企業でも、会社によって目指す方向性や事業内容は異なります。企業分析を通してその部分を明確にしておかないと、企業への理解が深いほかの学生に選考で負けてしまう可能性もあるのです。
自己分析や企業分析は正しい手順でおこなわなければ効果を得られない可能性もあるため、下記の記事で正しい方法を確認したうえで実施しましょう。
自己分析
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
企業分析
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も
個人的には、学生時代にしなかった自己分析法に目を向けるのが良いと思います。
具体的には、私たちのようなキャリアコンサルタントに相談したり、他己分析をやってみたりなどの方法は意外と試している人が少ない印象を受けるため、他者目線の分析を取り入れてみてはいかがでしょうか。
③選考対策をおこない面接に備える
自己分析や企業分析で自分に合った働きたいと思える企業が見つかったら、実際に企業に合わせた選考対策を実施しましょう。選考対策とは、履歴書やエントリーシート(ES)の内容を精査したり、面接練習をしたりすることです。
特に面接は慣れない場面に緊張してしまい、自分の魅力を伝えきれない人が多いです。事前に面接練習を重ねておくことで、落ち着いて対応できる可能性が高まります。
各選考対策の方法は下記の記事で解説しているため、併せて目を通しておくと安心して選考に参加できます。
履歴書の書き方
失敗しない履歴書の書き方をプロが解説! 提出時の注意点も
ESの書き方
エントリーシートの書き方完全版! 提出前の最終チェック項目も紹介
面接練習
効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介
新卒カードを失くしたくないなら! 就職浪人以外の選択肢
就職浪人にはメリットがあるとわかっても、新卒扱いではなくなることで希望する企業に入社できなくなることが不安な人もいるのではないでしょうか。その場合は、就職浪人以外の選択肢も理解しておくことで、納得いく方向へ進める可能性が高まります。
ここでは、新卒カードをなくしたくない人におすすめな就職浪人以外の選択肢を3つ解説します。それぞれのメリットとデメリットを理解して、納得いく選択をしましょう。
就職留年をする
就職浪人で新卒カードをなくすことに抵抗があれば、一年間在学期間を伸ばす就職留年も選択肢としておすすめです。就職浪人と同じように就職活動の知識や経験を持ったまま、翌年も同じように新卒として就職活動ができます。
しかし、就職留年はメリットばかりではなく、学費がさらにかかる、留年した理由を考えなければいけないというデメリットもあります。採用担当者が納得できる理由がなければ、就職留年したことがかえってマイナスな印象につながる可能性もあるのです。
また、就職留年をするには意図的に単位を落としたり休学したりする必要があるため、翌年も講義に出席する必要が出てきます。
就職留年を選ぶ場合は、就活準備で気になる会社のことを調べたり、職務経験を積み重ねること、スキルの習得に気を配りながら、将来のキャリアについて考えながら過ごすと良いでしょう。
就活留年と就職浪人どちらが良いか悩んだ人は、下記のQ&Aコンテンツも目を通しましょう。
海外に留学する
就職活動がうまくいかなさそうなら、大学4年生のタイミングで休学して海外に留学するのも方法の一つです。海外へ留学すれば語学力を磨けるため、外資系や商社などの英語力を求める企業にとって魅力的な人材になれる可能性が高まります。
休学せずに海外へ留学することも可能ですが、大学4年生の期間が忙しくなり、結果的に満足いく就職活動ができない可能性があります。大学4年次には就職活動以外にも卒業論文やゼミなどがあるため、忙しくするのはなるべく避けたいという人は休学を選択肢に入れましょう。
就職浪人せずに海外留学をするデメリットは、費用がかかる点です。留学する期間や国によっては数百万円かかるため、就職の時期をずらすだけの目的だと割高に感じる人もいるのです。
また、海外留学をするなら、英語を使った仕事を就職活動の選択肢にいれることもできます。こちらの記事では 英語を使う仕事を解説しているため、興味があるものを探してみましょう。
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大学院に進学する
就職活動に失敗しそうであれば、目的を持って大学院へ進む方法もあります。大学院に進学すれば就職留年よりも長い期間就職活動へ充てられるうえ、学びたい分野に特化した勉強が可能です。
特に理系であれば大学院で専門技術を学べる学科も多いため、大学院に進学することで就職活動が有利に進む可能性があります。専門的な知識を求める企業にも応募でき、自分の選択肢を増やせる場合もあるのです。
しかし、大学院は学費がかかる以外にも、目的を持って研究しなければ在学の期間を無駄にしてしまう可能性もあります。大学院に進む場合は、事前に何を学びたいのか明確にしておきましょう。
文系学生の場合は、大学院に進んでも就職活動が有利に進むのかわからず、行動に移せない人もいますよね。下記の記事では文系が大学院進学することの就職活動に与える影響を解説しているため、参考にしてください。
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就職浪人を選んでも焦らない! 就活を成功させる方法
さまざまなメリットやデメリットを理解したうえで、就職浪人を選んだものの、就職活動がうまくいくかわからず不安を感じる人もいるのではないでしょうか。就職浪人を選んだ場合は、浪人期間中の準備や面接時の行動が就活成功の秘訣になります。
この章では、就職浪人になっても就活を成功させるためにできる方法を準備編と実践編に分けて解説します。就職浪人を選んでも焦る必要はないため、できることをしていきましょう。
準備編
準備編
- 就職浪人期間にスキルや資格を身に付ける
- 新卒時より応募先を広げる
- パート・アルバイトで実務経験を積む
- 転職エージェント・ハローワークに相談する
就職浪人を選んだ場合は、実際に面接に参加する前に、就職浪人の期間を有意義に過ごしましょう。新卒のときと同じように行動していては、せっかく就職浪人した期間を無駄にしてしまい、望む就職先からの内定を得られない可能性があります。
就職浪人の期間を有意義にするためには、自分が就きたい職業を明確にし、必要な経験や知識をつけていくことがおすすめです。
ここでは、就職浪人を選んだときに就活を成功させる方法の準備編を4つ解説します。現役時代よりも自分を魅力的にするためには、何をすれば良いのか理解しましょう。
①就職浪人期間にスキルや資格を身に付ける
就職浪人になったら、在学中よりも好きな勉強に時間をかけることができます。仕事に役立つ資格やスキルがあれば、このタイミングで身に付けておくと就職活動で役立つのです。
たとえば、プログラマーを目指す人であればプログラミング言語の勉強をしたり、IT関係の資格を取得したりする方法があります。ほかにも、事務を仕事にしたいなら、パソコン関係の資格を取得するのもおすすめです。
業界研究や企業研究を重ねて、自分が目指す職業に必要なスキルや資格を明確にし、就職浪人の期間を利用して身に付けておきましょう。
就職に向けてどのような資格を取得すれば良いか悩んだときは、取りやすい資格や就活に有利な資格を選択肢に入れましょう。下記の記事ではそれぞれの資格を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
取りやすい資格
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説
就活に有利な資格
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
- 就職浪人を選んだ結果、アルバイトが忙しくスキル取得の時間が取れません……。
自分の時間に合わせて勉強できる方法がないか調べよう
スキル取得のために通学して勉強する方法もありますが、今はリモートで受講できたり、通信教育で勉強できたりと、自分の隙間時間に合わせて勉強できる方法がたくさんあります。
就職浪人ではありませんが、私も今年からスキルアップのために中国語を習っています。一般的な労働条件で働いているわけではないため、マンツーマンでリモートと対面の両方に対応していただける先生を探しました。
そのおかげで自分の仕事を優先しつつ、学習がおこなえています。このように、時間がないなりに工夫すると、隙間時間を上手に活用してスキル取得ができると思います。
就職浪人を選んで資格勉強の時間を作ることに不安がある人は、下記のQ&Aコンテンツでキャリアコンサルタントの意見を確認しましょう。
②新卒時より応募先を広げる
新卒時代に内定がもらえなかった人は、なぜ内定が出なかったのかを考えましょう。
人によっては、自分の能力やスキルに向いていない職業を選んでいて、内定がもらえなかった可能性もあります。また、大手企業にだけ絞っていて、就職先が見つからない人もいるのではないでしょうか。
そのため、就職浪人で内定をもらうためには、新卒時代よりも応募先を広げるのもおすすめです。新卒時代には選ばなかった企業でも、企業研究を重ねていけば自分に合っていると気付ける可能性があります。
最初から多くの企業を選択肢から外すのではなく、多くの企業から自分に合った就職先を見つけましょう。
③パート・アルバイトで実務経験を積む
就職浪人の期間中に実務に使える経験や知識を身に付けておくと、面接時に役立ちます。たとえば、事務職を目指す場合に企業でパートやアルバイト経験を積んでおけば、実務経験を持っていると思われる可能性が高まります。
正社員での入社は難しくても、パートやアルバイトであれば希望職種に近付ける可能性は大いにあるのです。就職浪人の期間で実務経験を積んでおけば、即戦力と考えられ採用される場合もあります。
自分の目指す職業に合った経験を積める場所を見極め、パートやアルバイトから始めてみましょう。
- 目指す職業に合ったパートやアルバイト先が見つかりません。その場合は就職浪人の期間にどのような経験を積んでおくと就活に役立ちますか?
直接的な業務ではなく間接的に役立つ経験は何か考えよう
自分が目指している職業を実務的な視点で見た際に、合うパートやアルバイト先が見つからないこともあるでしょう。専門的な職業であるほど、パートやアルバイトで携わることが難しい場合が多いです。
そのようなときは、仕事に従事するために身に付けておくべきスキルは何かという視点で考えましょう。
たとえば、コミュニケーション力が必要であれば接客業、体力が必要であれば配送業など、自分の就きたい仕事に活かせるスキルが身に付くパートやアルバイト先を選びましょう。
ほかにも、地域のボランティア活動に参加した経験も就活に役立つでしょう。
④転職エージェント・ハローワークに相談する
転職エージェントやハローワークを利用するのも、就職活動のサポートが受けられ内定を得られる確率が高まる方法です。転職エージェントやハローワークには企業が求人を公開しているため、自分では見つけられない就職先に出会える可能性があります。
さらに、転職エージェントやハローワークでは履歴書の添削や面接練習など就職活動に役立つサポートも受けられます。改善するべき部分が明確になるため、就職活動が進めやすくなるのです。
就職浪人は大学のサポートを受けられなくなる分、転職エージェントやハローワークを利用することで就職先を見つけやすくなります。
人によって就活の相談をする先のおすすめは変わるため、自分に合った相談先を見つけることも大切です。こちらの記事では就活の相談先を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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就活の相談先14選! 良い決断ができる相談相手の選び方も解説
就活の相談をするときは、相手を見極めることが大切です。この記事では、状況別におすすめの相談先や、相談方法などについてキャリアコンサルタントと解説します。また、相談する前に解決できるよう、よくある相談と回答も紹介しているので参考にしてください。
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実践編
実践編
- 公務員試験に挑戦する
- 就職浪人時代のエピソードを選考に活かす
就職浪人の就職活動では、事前準備以外にも選考時に話すエピソードを工夫することで就活成功できる可能性があります。ただ新卒のときと同じように選考に参加するよりも、就職浪人の期間を有意義に過ごすことができるのです。
ここからは、就職浪人が就職活動を成功させる方法の実践編を2つ解説します。履歴書の作成や面接練習以外にもできる対策を理解しておき、行動に移しましょう。
①公務員試験に挑戦する
民間企業で就職したい企業が見つからない場合は、公務員試験に挑戦する方法もあります。
公務員試験は年に一回のため、在学中に目指していた人だと、勉強する時間が取れず落ちてしまった場合もあるのではないでしょうか。就職浪人であれば、公務員試験の勉強に集中できるため、試験に合格できる確率が高まります。
公務員試験を受けてみて、やはり自分には合わないと思うなら民間企業を選ぶ方法もあります。時間を自分のために使える就職浪人だからこそ、在学中ではかなわなかった選択肢を選ぶのもおすすめです。
就職浪人してから公務員を目指す場合は、合格に向けた心得を理解しておきましょう。下記の記事では就職浪人から公務員になる方法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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就職せずに浪人することは、勉強時間が確保できて受験対策も抜かりなくおこなえるため、効率的に公務員試験合格を目指せる方法です。この記事ではキャリアアドバイザーとともに、浪人しても試験に合格しやすい人の特徴や、目指す際の心得について解説します。
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②就職浪人時代のエピソードを選考に活かす
就職浪人時代に培った資格勉強やアルバイトなどの経験は、面接のエピソードで積極的に伝えましょう。学生時代だけでなく就職浪人時代の話を伝えることで、就職浪人の期間も就職するために準備をしていたことが伝わり、採用担当者から良い評価を得られる可能性が高まります。
特に、資格取得やアルバイトのエピソードは目指す職業に合ったものだと即戦力と見られ、選考突破できる確率が高まるのです。企業にも自分が目的へ向けて努力できる人材と伝えられ、魅力的に見てもらえます。
- 就職浪人時代のエピソードを聞かれなかったときは、志望動機や自己PRに絡めて伝える形でも問題ないでしょうか?
自己PRや志望動機に絡めて伝えれば問題ない
就職浪人時代のエピソードを直接的に伝えることが難しい場合は、その経験から得た成長や学び、それが将来の仕事にどう活かせるかを具体的に語ると自己成長や意欲をアピールすることができます。
さらに、自分の将来の展望を伝えることが重要なので、数年後までイメージして語れるように準備をしておきましょう。
キャリアコンサルタントが解説! 就職浪人として就活するときのコツとは?
いざ就職浪人になってから、就職先が見つかるのか不安になる人もいるのではないでしょうか。新卒時代とは気を付ける部分が違うなら、知りたいと思う人も多いはずです。
そこでこの章では、キャリアコンサルタントの加藤さんに就職浪人が就活するときのコツを解説してもらいます。現役時代と違うポイントを理解して、就職活動を有利に進めましょう。
アドバイザーコメント
加藤 賀子
プロフィールを見る就活浪人の期間で成長した内容を面接時に伝えることが大切
就職浪人の就活のポイントは、いかに浪人期間を自分自身の成長のために活用できたかどうかと、その内容をしっかりと面接時に伝えられるかという点になります。
浪人期間の活用の仕方は人それぞれですが、浪人期間がある分、現役学生の就活と比べて、アルバイトやボランティア活動などで社会とかかわる時間が増えます。さらに、自身がどのようなキャリアを積み、人生を歩んでいきたいのかといった自分と向き合う時間もできます。
人によっては、浪人期間を新たなスキルを身に付けるための勉強時間に当てられるため、「浪人=マイナス」とは限らないのです。
就活浪人の期間が長引くほど不利になる
しかし、浪人になることに対して落ち込む人もいるでしょう。落ち込んでなんとなく過ごしてしまった期間が長くなるほど、就活は不利になっていきます。
嘆いても過去には戻れないため、目の前の現実を受け止めて、浪人期間をどのように活用し、自分を成長させていこうかと気持ちの切り替えが早いほど、得るものは大きいです。場合によっては、現役学生よりも重宝されるでしょう。
就職浪人になるか悩んでいる人におすすめのQ&Aも併せてチェック!
就職浪人の選択肢を考えたものの、就職先が見つかるのか不安になる人もいますよね。就職浪人になっても何をすれば良いのか、どのくらいの人がその選択肢を選んでいるのかなど悩む人も多いです。
そこでこの章では、PORTキャリアに寄せられたQ&Aから、就職浪人を選ぶか悩んでいる人におすすめの質問を4つ紹介します。キャリアコンサルタントのアドバイスを参考にして、自分に合った選択をしましょう。
就職浪人とはより良い選択をする手段の一つ! 企業の印象も理解して決めよう
就職浪人とは、就職活動で内定が見つからなかった以外にも、希望する企業の採用状況を鑑みて自分で選ぶ場合もあります。就職浪人を選ぶ場合は、仕事を探している期間を有効的に活用し、企業から就職浪人期間に何をしていたか聞かれても問題ないよう準備しておきましょう。
就職浪人はゼミや卒業論文に追われる学生に比べて、就職活動に集中しやすい点がメリットです。企業研究や自己分析を深めていき、希望する企業への入社を目指して行動を起こしましょう。
アドバイザーコメント
谷猪 幸司
プロフィールを見る就職浪人という選択肢自体が悪いわけではない
就職活動は、自分のキャリアを歩むうえで重要な決断の一つです。就職浪人になったとしても、自分の行動次第で良くも悪くもなる可能性があります。そのため、ぜひ自分で選んだ決断に責任を持ちましょう。
社会人は、自分が選んだ決断に責任を負うことができるため、決断に対して厳しい状況でもあきらめないこと、強い気持ちを持つことが大切です。
自分の力ではどうにもならないことは確かにありますが、それを他人の責任にしないようにしましょう。「やる気はあるけど、チャンスが来ない」といった言い訳をしていては、前に進むことができません。
独りよがりにならず他者に求められるものを考えて行動しよう
また、自分なりに頑張ったという主張が相手にも頑張ったと認められるとは限らないため、独りよがりにならないことが重要です。
たとえば、就職活動においては常に世の中に求められるものは何かを考えて行動しましょう。歩みを止めずに、ぜひ輝かしい未来を手にすることができるよう応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Koji Tanii〇大手メーカーで設計、品質管理に従事。キャリアチェンジののち、高校・大学の就職講師として活動。障がい者の就職や恋と仕事の両立を実現させるコンサルティングなど幅広い支援をおこなう
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