この記事のまとめ
- 新卒カードを使うメリットと無駄にするデメリットを把握しよう
- 就活で新卒カードを有効に活用する4つのコツを解説
- 新卒カードを失った場合でも十分にやり直せる
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
この記事を読んでいる人におすすめ
就職活動をしているとよく聞く「新卒カード」という言葉。なんとなく理解はしているものの、「新卒カードってそんなに大事なの?」「新卒カードを無駄にした場合どうすれば良い?」と疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。
新卒カードとは、就職活動で新卒が有利な立場である状態を表現した言葉です。新卒カードを使って就職することで、新卒しか応募していない企業や中途採用ではなかなか採用されにくい企業に挑戦することができます。
この記事ではキャリアアドバイザーの吉田さん、柴田さん、塚本さんのアドバイスを交えつつ、新卒カードの有効な使い方や失った後の就職の対策を解説しています。新卒カードについて正しく理解し、納得のいく就職活動をおこなうための参考にしてくださいね。
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新卒カードを最大限活かすには自己分析を深めることが大切!
新卒カードとは、就職活動で新卒が有利な立場にある状態の言葉と解説しましたが、一度しかない新卒カードをどのような場面で使用するべきなのか、迷っている人もいるかもしれませんね。
新卒カードを最大限活かすには、仕事選びの軸、つまり仕事を選ぶうえでの譲れない条件をもとに就職活動を進めることが大切です。就職の軸を決めるには自己分析を深め、自分の強みや弱み、自分が将来どうなりたいか深掘りして考える必要があります。
この記事では、最初に新卒カードの意義について詳しく説明します。新卒カードを使用するメリットや無駄にするデメリットを正しく理解しましょう。
後半では、新卒カードをうまく活かして就活する方法を4ステップに分けて解説します。後悔しない就活のポイントを押さえられますよ。
最後に、新卒カードを失った場合の就活のコツも説明しているため、「新卒カードを捨ててしまった」という人でも落胆せずに、自分なりの軸を持ちながら就職活動を進めていきましょう。
そもそも新卒カードとは
新卒カードとは「新卒が有利な状態」を表した言葉のことです。新卒カードが使える期間は大学を卒業するまでで、卒業後は既卒扱いとなります。
日本では、大学生を中心に決められたスケジュールに合わせて企業が選考をおこない、卒業と同時に正社員として働く「新卒一括採用方式」を採用している企業がほとんどです。
そのため、中途採用で積極的に募集していない企業も珍しくないため、中途採用での就職は難易度が上がります。
新卒採用ではスキルや経験を求められることはあまり多くはなく、おもにポテンシャルや人柄が選考での評価対象になります。つまり日本で新卒一括採用方式が続く限り、新卒カードを活用する方が有利に入社できるのです。
卒業後に就職しなかった人のことを、そのチャンスを無駄にしたとして「新卒カードを捨てた」と表現することがあります。
また大手企業や有名企業に就職せず、名前のあまり知られていないような企業に就職することを、機会損失ととらえて「新卒カードを無駄にする」と表現する人も一部います。
しかし、実際は新卒カードを使うことだけがキャリアで重要となるわけではないため、この記事では新卒カードの適切なとらえ方を詳しく見ていきます。
人気企業や優良企業であればあるほど、就職難易度は高くなります。
人気企業はライバルも多いため、既卒や第二新卒をわざわざ採用しなくても新卒採用で人員を充足させることが可能です。その点は覚悟をしておく必要があるといえるでしょう。
新卒カードで人生が決まるって本当? キャリア支援のプロが解説
ここまで、新卒カードの概要を解説してきました。しかし「新卒カードは大手企業に使わないと意味がないのか」と、疑問に思っている人もいるかもしれません。大手企業や有名企業に入社することが正解だと思っている人もいるでしょう。
そこで就活支援のプロであるキャリアアドバイザーの柴田さんより、新卒カードで人生は決まるのかを解説してもらいます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る新卒カードはキャリア形成に影響を持つが絶対ではない
新卒カードである程度のキャリア形成が定まってしまうのは事実です。新卒では就職活動がこれまでの職歴・経験に基づくものではなく、学歴やその人の持つポテンシャル、または人柄などをベースに合否が決まります。
新卒でうまくいかなくても中途採用で覆せば良い、という考えもなくはないですが、新卒就職で入社した業種、就いた職種によってその後の転職活動も大きく左右されます。
そのため、せっかくの新卒カードを持っているときには、十分な自己分析をおこない、かつ自分にマッチした企業を選びながら、ベストの選択を目指してほしいものです。
新卒で入れなかった志望企業への転職は可能
とはいえ、新卒で思うような企業に決まらなかったからといって諦める必要もありません。
本命だった業界や企業の研究を継続的におこない、新卒で入社した会社で志望企業に転職するために必要なスキルを「職務」のなかで身に付けてアピールできるようにしておけば、やがてその会社に入社するチャンスも巡ってくるかもしれません。
よって、新卒カードは大切にしながらも、うまくいかなかったからといって将来を悲観する必要はないといえます。来るべき次のチャンスをものにするための自己成長を、入社した会社で十分に積み上げる姿勢を持ってそのときに備えましょう。
新卒カードを活用して就職する4つのメリット
新卒カードを活用して就職する4つのメリット
- 大手・有名企業に挑戦しやすいから
- 情報収集しやすく選考の対策がしやすいから
- 業務経験やスキルを問われないから
- 入社後に研修などの丁寧なサポートを受けられるから
新卒カードを活用することで、スキルや経験を問われないため中途採用よりも有利に就活できますが、そのほかにどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下では、新卒カードを利用して就職する4つのメリットを解説します。メリットを把握することで、会社選びの幅を広げるチャンスにもなるため、より有効的に活用できるかもしれません。
新卒カードを無駄にせず、最大限活用するためにも一つずつ確認してくださいね。
①大手・有名企業に挑戦しやすいから
大手や有名企業は、新卒を大量に募集している傾向があるため、きちんと就活の対策をおこなうことで入社するチャンスは十分にあります。
中途採用で募集している企業もありますが、入社するとなるとスキルや経験を問われやすくなるため就職の難易度は高くなります。
自分が希望する企業が、新卒採用しかおこなっていない場合や中途採用での募集条件の難易度が高い場合は、新卒カードを最大限に利用することがおすすめです。
- 高学歴なので新卒カードを大手に使うべきと言われますが、就活に気乗りしません……。もったいないでしょうか?
説明会などに参加してから検討するのがおすすめ
大手・有名企業は、高学歴というだけで合格するほど簡単ではありませんが、採用人数は圧倒的に新卒採用時が多いのが現実です。各業界のリーディングカンパニーの説明会などで話を聞いてみることは、業界のことはもちろん、社会の流れを知る意味でもおすすめです。
そのような場では、自分だけの考えではたどり着けないような、視野の広がる話が聞けるでしょう。
また、下がっている就活へのモチベーションを上げるような刺激的な機会になるかもしれません。新卒カードを使うも使わないも行動してから判断する、でも良いのではないでしょうか。
②情報収集しやすく選考の対策がしやすいから
大学のキャリアセンターなどで就活に関する情報が入手しやすくなっています。たとえば、インターンシップを紹介してくれたり、公演会なども開催されたりするため対策がおこないやすいです。
また、就活が始まる時期はおおよそみんな同じ時期で、スケジュールも似たように進むため、周囲との情報交換ができます。周囲と情報を共有しながら進められると心強いですよね。
中途採用と比較すると、新卒採用の方が簡単に周囲からの情報が得られやすい環境であることも、新卒カードのあるうちに就職するメリットです。
③業務経験やスキルを問われないから
企業が新卒を採用する場合、スキルや実務経験よりもポテンシャルや人柄を重要視する傾向にあるため、面接でのアピール次第で内定を獲得できる可能性があります。
就活生にまだ実務経験や専門性がないことは企業も承知しているため、そうしたスキルよりも、入社後に素直に吸収して成長していけそうか、会社になじんで活躍できそうかといった人柄の面を重視する企業が多いためです。
面接で頻繁に聞かれるガクチカ(学生時代に力を入れたこと)や志望動機などは、学生のポテンシャルや人柄を判断する材料の一つとして質問されます。
そのため、面接で企業からの質問に対し、企業の社風や求める人材とマッチした受け答えができるようにしておくことが大切です。
新卒の場合は当然のことながら職務経験がないので、その人の持つポテンシャルや人柄を重視するしかありません。
しかし社会人採用であれば当然これまでにしていた仕事から何らかの成長をしているはずです。
働いた経験があるので何もスキルがついていない、ということはまずありえないため、社会人になってから得られたものが何であるかはとても重視されます。
④入社後に研修などの丁寧なサポートを受けられるから
新卒で入社した場合は、入社後に研修期間が設けられ、基本的なビジネスマナーから業務に関する必要な知識などを丁寧に指導してくれることが多いです。
一方で中途採用であると、基本的なビジネスマナーなどの素養はすでに身に付いているものだと判断されるため、手厚い研修などのサポートは受けられない可能性があります。
入社後に丁寧な研修などのサポートが受けられることも、新卒で入社する場合の特権だと考えられます。
- あまり就職したい企業が見つからない場合でも、新卒カードを無駄にしないためにもとりあえず就職した方が良いでしょうか?
まずは就職したい企業が見つからない理由を深掘りしよう
新卒一括採用の特徴は、入社後、新入社員研修で一通りの「社会人としての基本」を学んでから同期と一斉にスタートが切れることです。
一方既卒の場合は、多少の自社のやり方などを学ぶことはあれど、基本的には即座に現場に配属されます。既卒は即戦力人材として期待されているからです。
一度、新卒でなくなった場合は、多くが経験者採用になってしまうため、何の実績がなくても「ポテンシャル採用」してもらえる新卒での採用を自ら手放すのは、少しもったいないとも言えるかもしれません。
就職したい企業がなかなか見つからないのは、自己分析や企業研究が十分でない可能性もあります。もう一度、「見つからない理由」を深堀りして判断しても良いでしょう。
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。
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新卒カードを無駄にする4つのデメリット
新卒カードを無駄にする4つのデメリット
- 新卒で就職しなかった理由を聞かれてしまう
- 既卒の採用枠が少なく求人が減ってしまう
- 実務経験やスキルのない中途採用は募集枠が少ない
- 就活の情報が得にくいため対策を立てるのが難しい
これまで、新卒カードを活用して就職するメリットについて解説しましたが「新卒カードってそんなに大事なの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
ここでは、新卒カードを無駄にした場合の4つのデメリットを解説していきます。デメリットを知らずに就職をやめると、いざ年齢を重ねてキャリアプランが変わった際に「きちんと就職しておけば良かった」と後悔するかもしれません。
「就職せずに、まずはアルバイトで生活できればそれで良い」「留学して海外でいろいろな経験をしてから就職したい!」などと考えている人は、まずデメリットを知ったうえで判断してくださいね。
①新卒で就職しなかった理由を聞かれてしまう
新卒で就職しなかった場合、その後の面接で必ずと言って良いほど「なぜ新卒で就職しなかったのか」と聞かれます。
もし「留学に行っていたため時期が遅れてしまった」「内定は決まっていたが会社が倒産してしまった」などの納得できる理由があれば問題ありません。
しかし、卒業までに内定が決まらなかったなどの理由であれば、面接官に「仕事への意欲があまりないのでは」などマイナスな評価を受ける可能性があります。
しかし、面談の際に就活から失敗の経験を活かし、前向きな姿勢で取り組む姿を見せることが大切です。
正直なところ、どんなに正当な理由を伝えても既卒というだけで評価してもらえない会社はあります。
しかしそのような狭い考えの企業に入社したところで、自分の思うように働けるとは到底思えません。既卒というだけでダメと言うような会社はこちらからお断りする、というぐらいの心構えで良いと思います。
②既卒の採用枠が少なく求人が減ってしまう
多くの企業が新卒一括採用で人員を募集しているため、既卒の募集は少ない傾向にあります。そのため、新卒よりも既卒の方が、自分の希望に合う職種に出会う可能性が低くなってしまいます。
また、既卒の方がよりスキルや経験を求められる傾向であるため、選択肢が限られてしまうのも求人数が減ってしまう原因の一つです。
既卒の場合でも、一部の企業で新卒採用枠に応募できるケースがありますが、中途採用枠で応募している方が多いです。
既卒での募集枠が減ってしまうからこそ、より視野を広げながら求人を探していくことが大切です。
自社で人材を一から育成することができる企業は、今でも人員計画をほとんど新卒でまかなうことのほうが多い印象です。
もちろん、プロジェクトベースで不足する人材を即戦力の既卒で補うことはかなり増えていますが、新卒と比べればその割合は圧倒的に少ないです。
既卒に限った話ではありませんが、就活がどうしてもうまくいかないこともあるでしょう。以下の記事では、就活がうまくいかない場合の対策を詳しく解説しているためぜひ、参考にしてください。
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就活がうまくいかないときでも、少し考え方や対策を変えれば事態は好転します。この記事では、就活がうまくいかないときの心構えや逆転法などをキャリアコンサルタントがプロ視点で解説します。就活に悩んでいる人は参考にしましょう。
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③実務経験やスキルのない中途採用は募集枠が少ない
上記でも解説したとおり、既卒で企業へ応募する場合、実務経験やスキルがなければ募集枠は少なくなり選択肢の幅が狭まります。
社会人経験がないまま企業へ応募すると、スキルや実績がある応募者がライバルになるため、必然と就活の難易度は上がってしまいます。
そのため、新卒時なら入社できたかもしれない企業も、既卒になると入社のハードルが上がり、結果的に選択肢が少なくなるという事態が考えられるのです。この点も、新卒カードを無駄にすることのリスクといえます。
④就活の情報が得にくいため対策を立てるのが難しい
新卒時のように、大学でのキャリアセンターの情報収集や企業説明会の開催も少なくなるため、情報が得られにくい点もデメリットの一つです。
就活に関する情報が少なければ、効果的な対策が立てづらくなってしまいます。さらに、就職活動をしているほかの人から情報を得られるような機会も少ないため、新卒時に比べて就活の準備なども進めにくいです。
そのため、学内外での就活イベントやOB・OG訪問、インターンへ参加ができる学生のうちから就職活動をするほうが圧倒的に有利といえます。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る新卒カードを使わないメリット・使うデメリットはほぼない
個人的に、新卒カードを使わないことはありえないほどにもったいないことだと思っています。上記で新卒カードを使うメリット・使わないデメリットを挙げていますが、逆の使うデメリット・使わないメリットを挙げていないのはなぜでしょうか。それは、使うデメリット・使わないメリットがほとんどないからです。
また、大学や大学院に入ったことも何のためかというと、学士号や修士号をもらうためより、学歴のためより、新卒カードをもらうために入ったと言っても過言ではありません。
新卒カードを使わないことがどれくらいもったいないかというと、東京大学に受験で合格したのに入学せずに就職する、宝くじの一等に当選したが換金しない、くらいもったいないのではないでしょうか。
新卒カードと関係なしに成果を挙げる人もいる
逆に、新卒カードを使わなくても社会人でうまくやっている人の例を挙げると、学生のうちから圧倒的に成果を出している人です。
私の周りにもプロのミュージシャンや芸人、デザイナーなどになった人がいますが、全員が学生のうちからコンテストで優勝していたり、すでにある程度稼げていたりしている人たちです。それくらいの実力があれば新卒カードを使わなくても社会人になって困ることは少ないといえます。
プロに聞いた「新卒カードなんてくだらない」と思っている人に知ってほしいこと
ここまで新卒カードを活用するメリット・無駄にするデメリットを解説してきましたが、「そもそも新卒カードなんて馬鹿馬鹿しい」「自分は使わずに卒業したい」などと考えている人もいるかもしれません。
実際に就職支援の現場で多くの学生や転職者を見てきたキャリアコンサルタントは、新卒カードを使わないことについてどう考えているのでしょうか。
ここではキャリアコンサルタントの塚本さんに、「新卒カードはくだらない」と考えている人へのメッセージを聞いてみました。専門家の意見も、ぜひキャリア選択の参考にしてみましょう。
アドバイザーコメント
塚本 智美
プロフィールを見る新卒カードを捨てると社会人の基礎もさらなる強みも自身で磨く必要がある
新卒で正社員としてスタートを切ることの一番の魅力は、社会人としての基礎やビジネススキルを身に付けられる各種研修や教育の機会が段階的に提供されることです。
日本はまだまだ新卒一括採用が主流である以上、企業が人材を育てていくのが一般的なので、その機会を逃してしまうと、後は自助努力で補うしかありません。
さらに既卒採用となると若干状況が異なり、採用候補者は、ビジネスに関する基本的なことは問題なくできることが前提になります。そのうえで、その時々に必要なスキルや経験がある人を企業は求めています。
新卒カードを使わないと、基礎もプラスアルファも自身で補ってから既卒採用に臨まないといけないということを認識しましょう。少なくとも、ライバルはそういう人たちになります。
新卒カードを使うと同期との人脈が手に入るメリットもある
また、新卒時代の同期とは、仮に転職したとしても、何かとつながっていて、その後の社会人人生の折々に刺激し合う仲間になることも多いです。こういう人的ネットワークの基礎となる関係性が築いていけるのも、新卒入社の利点といえるでしょう。
さまざまな価値観がある今の時代ですので、必ずしも新卒カードが重要であるとも言い切れませんが、上記のようなことを重視したい人には、新卒で就職することは意味があるかと思います。
あなたが受けない方がいい職業を確認して下さい
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自己分析が鍵! 新卒カードを有効に活用する4ステップ
これまで、新卒カードを使用して就職するメリットや無駄にするデメリットに関して説明してきましたが、「どうすれば新卒カードを有効的に使えるの?」と疑問に思う人もいますよね。
新卒カードは、「大手企業に就職することで有効的に使える」という考えだけでは、就職後にミスマッチが生じ、早期退職につながってしまう可能性があります。
一番大事なことは、新卒カードを使って「自分のキャリアプランに合った企業に就職できること」です。就職した後に「自分のしたいことができなかった」とならないように、本来の新卒カードを有効に使う方法を把握しておきましょう。
ステップ①企業選びの軸を固める
企業選びの軸は、仕事を選ぶうえでの条件のことであり、自分に合う企業を探すために軸を固めることは重要です。
軸が曖昧なまま就活を進めてしまうと、迷いが生じてしまい、いざ就職した場合に企業とのミスマッチが生じてしまいます。特に新卒カードを有効的に使うために、大手に就職することばかりを考えて「自分のしたい仕事じゃなかった」と後悔する可能性もあります。
企業選びの軸は、自分の強みや弱み、興味関心、将来どうなりたいのかを中心に考えると良いです。就活の軸に沿って企業選びができると、志望動機が一貫性のあるものになり自分の理想とするキャリアが築けるかもしれません。
これから、企業選びの軸の固め方に関して詳しく解説していくため、ぜひ参考にしてくださいね。
- 新卒カードを無駄にしないために、企業選びの軸で特に重視すべき点はありますか?
自分の目で直接企業や社員を確かめることが大切
ネットや書類だけで自分と企業のマッチ度合いを測るのはとても難しいです。文章で書かれた企業のアピールポイントに感じるものがあったとしても、入社してから「こんなはずではなかった」と後悔する人は後を絶ちません。
そうならないためには、就職活動で直接企業に出向いて担当者と話してみることが重要です。説明会の形ではなく、面接の段階になってようやく見えてくることもたくさんあります。
そのため、業種や職種を絞り込み過ぎずに、さまざまな業界や企業に応募し、自身がダイレクトに感じる「マッチング度」を信じることも、職歴のない新卒時の就活では大切です。
いきなり就職の軸を決めようと思ってもなかなか難しいですよね。以下の記事では、自分に合った企業選びの基準の見つけ方を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
関連記事
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
就活の軸の決め方に悩む就活生向けに、「就活の軸の見つけ方」や「答える際の注意点」をキャリアコンサルタント監修により解説する記事です。就活の軸一覧90選と面接での回答例45選も紹介するので、あなたに合った就活の軸がきっと見つかります。
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自己分析でどんなキャリアを築きたいか考える
自己分析とは、自分を客観的に分析することです。選考や面接で自分を正しくアピールするには重要な作業です。
自己分析をおろそかにしてしまうと、自分の得意なことや苦手なことが曖昧になり、面接で効果的なアピールができなくなります。
たとえば、新卒カードを有効的に使うために「有名な企業で働きたい」というだけで企業を選んでしまうと、入職した際に自分のやりたいこととミスマッチが生じる可能性があります。
周りから認められたい気持ちがある人や大手企業への就職がゴールだと思っている人は、特に注意が必要です。
新卒カードを使うために必死になり、自分とは合っていない仕事や企業を選んでしまわないようどんなキャリアを築きたいのか、そのためにどんな企業が合うのかをしっかり分析しましょう。
せっかく大手企業に入ったとしても、社風が合わず辞めてしまったり、周りのレベルの高さについていけずに辞めてしまったら、せっかくの新卒カードが無駄になってしまいます。
ミスマッチを防ぐためには、丁寧に自己分析をおこない、背伸びをしすぎずにあなたに合った企業を見つけていくことが大切です。
自分なりのキャリアの考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。
キャリアとは何か
キャリアとは? 就職のプロが自分だけの人生を見つける秘訣を解説
キャリア形成のポイント
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
既卒での就活に不安がある人も多いでしょう。以下の記事では既卒の就活の進め方に関して詳しく解説しているため、確認してください。
既卒での就活の進め方
既卒の就活を確実に成功させる5箇条! ストレスなく進める秘訣
既卒で就活を成功させるコツ
既卒=人生終了じゃない! 既卒就活を成功させる人生逆転法とは
既卒2年目が就活を進める方法
既卒2年目でも逆転勝利! あなたにぴったりな企業に会う方法を伝授
大手企業と中小・ベンチャー企業の違いを把握する
「新卒カードは大手企業に使うべき」と漠然と考えている人も多いのではないでしょうか。また「ベンチャーに入るのはもったいない」などと周りから言われた人もいるかもしれません。
しかし実際は、会社の規模や知名度に左右されるのではなく、自分にとってどんな環境がベストかを考えて選ぶことが重要です。
たとえば若いうちから裁量権を持って、難しい業務や高いポジションにも挑戦していきたいと考える人は、若いうちは下積みが求められる傾向にある大手企業よりも、スピーディな成長が求められるベンチャー企業の方が合う可能性が高いです。
自分がどんな環境で働きたいかを明確にしておかないと、たとえ大手企業や有名企業に入社できたとしても、後悔しかねません。大手企業と中小・ベンチャー企業で働く違いを理解して、自分に合う職場環境を明確にしておきましょう。
メリット | デメリット | |
大手企業 | ・研修が手厚く充実していることが多い ・福利厚生やボーナスに期待できる ・知名度が高い場合は社会的信用を得やすい | ・年功序列で横並びの評価をされる傾向にある ・異動や転勤の可能性がある ・分業されているため業務範囲が限られやすい |
中小企業・ ベンチャー企業 | ・経営陣との距離が近く意見を通しやすい ・若いうちから責任ある業務やポジションを任されることがある ・年齢や勤続年数に関係なく評価されやすい | ・給料や待遇面が大企業に比べると劣ることが多い ・有名企業のように肩書きを武器にして仕事に活かすことは難しい ・研修や教育制度が整っていないこともある |
大企業や中小企業、ベンチャー企業などの違いがわからない人も多いかと思います。以下の記事では、それぞれの企業の違いについて解説しています。
大企業について
大企業の定義を中小や大手との違いを含めて解説! 働くメリットも
ベンチャー企業について
「ベンチャー企業=危ない」は本当? 見極めるためのコツを伝授
ベンチャー企業とは? 他形態にはない6つの魅力を知らないと損!
企業研究で自分に合う企業を見極める
企業研究とは、名前の通り企業に関して詳しく理解するためにさまざまな方法で情報を集めて、企業の特徴を把握することです。
企業研究でどのような社風や理念を持っているのか把握していなければ、入社後に「会社の雰囲気が自分とは合わない」というミスマッチが生じる可能性があります。
逆に企業研究をおこない、自分に合った企業を見つけ就職し働き続けられると「新卒カードを有効的に使えた」ということになります。
会社の雰囲気などは実際に入社してからでなければわからない面もありますが、OB・OG訪問などで直接社員から、情報収集することもできます。
また、企業研究をおこなわなければ、よく知らない企業や業種には興味を持たないため、応募する行動にも移せません。結果、自分で応募する企業の幅を狭めてしまいます。自分には合わないだろうと思い込んでいた企業も、実際よく調べることで、自分とマッチしている可能性もあるため、企業研究はしっかりおこないましょう。
大企業であろうとベンチャー企業であろうと、自分に合うかどうかは自身で見極めなくてはなりません。自己分析の結果と企業研究の重なる部分の大きさから企業を見ていきましょう。
重なりが大きい企業は自分とマッチする可能性も高く、新卒カードを効果的に使う一助となります。
OB・OG訪問を有意義な時間にするためには、事前準備が必要です。以下の記事では、OB・OG訪問に関して詳しく解説しているため、これから参加する予定の人はぜひ、参考にしてくださいね。
OB・OG訪問の準備の流れ
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問の質問内容
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
就活では、企業研究ノートを作成した方がより効率よく進められるため、以下の記事を参考に自分だけの企業研究ノートを作成してください。
企業分析方法
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も | PORTキャリア
企業研究ノートのまとめ方
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説! | PORTキャリア
ステップ②面接・筆記試験対策を早めに進める
面接や筆記試験対策は、選考が本格的に始まった際に、余裕を持って取り組めるように早めに進めておきましょう。
特に筆記試験は企業によって異なりますが、SPIや玉手箱などの適性検査は独特な問題が多く、対策が必須になります。また面接も多くの人は緊張するものであるため、繰り返しの練習が重要です。
対策を怠ったことで、ほかの学生との少しの差で志望企業に落ちてしまうこともあります。そうなると、1回きりのファーストキャリアを無駄にすることになります。
しかし、試験は数日間で格段に点数が伸びるものではなく、面接も一度で上達するものではないため、毎日少しずつ勉強や対策をすることがおすすめです。
「新卒カードを無駄にしたくない!」という人こそ、面接や筆記試験対策は必ず入念におこなってください。面接・筆記試験対策はともに志望する企業が決まったら対策を始めていくのが良いです。まずは、志望する企業がどのような筆記試験を採用しているのか把握しましょう。
面接の準備は以下の記事を参考にしてください。
関連記事
面接の準備完全版|あなたを最大限に魅せる17の土台作り
面接は、身だしなみやマナー、頻出質問の回答など、網羅的に抜かりなく準備をすることが面接突破につながります。前日・会場到着前後・面接直前に切り分けて準備するべきことや心構えについて、3名のキャリアコンサルタントの意見を交えて解説します。
記事を読む
筆記試験はWeb上で実施されることも多いです。以下の記事では、Webテストに向けて効率よく準備する方法を解説しているため、参考にしてください。
Webテストに関する準備方法
WEBテスト対策完全版|効率重視で準備する方法を徹底解説
適性検査の準備方法
適性試験完全ガイド|試験内容から合格必至の勉強方法まで解説
性格適性検査のコツ
性格適性検査マニュアル|問題例付きで選考を有利に進める対策を解説
ステップ③就活イベントで情報収集する
就活イベントとは、企業が実施する就職説明会のことです。就活イベントでは、さまざまな業界や業種が集まり、企業の説明会を同時に受けることができます。
「就活は情報戦」といわれている中で、より新卒カードを活かして自分の理想とするキャリアを築くためには、能動的により多くの情報を獲得しに行かなければなりません。
同時にさまざまな企業の説明会を聞くことができるため、効率的に情報収集が可能です。また、新卒カードを有効的に使うためだけに企業を絞って情報収集をしていた場合、これまでまったく検討していなかった業界や業種を知ることができるため就職先の視野を広げることができます。
より効率的にイベントへ参加するためには、あらかじめ企業に関して情報収集をおこない、質問内容まで考えておくとより効率的に就活イベントへ参加できるでしょう。
企業説明会では以下の記事を参考に質問内容を考えてみましょう。自分では思いつかない質問内容もあると思うので、参考になりますよ。
関連記事
企業説明会で絶対に聞くべき質問30選! 聞かない方が良い質問も
多くの企業説明会で、学生から企業側に質問ができる機会があります。しかし、「何を質問すれば良いかわからない……」という人も多いでしょう。この記事では、企業説明会で聞くべきおすすめ質問120選について、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ解説します。
記事を読む
ステップ④就活サービスを積極的に使って効率的に就活を進める
就活を効率的に進めるには、就職エージェントやスカウトサービスを活用すると良いです。就職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが希望する条件に合った求人を紹介してくれます。
さらにエージェントは、自分では知り得ない非公開の求人などを紹介してくれるのです。また、応募書類の添削や面接対策、アドバイスもおこなってもらえるため、内定率を上げられます。
内定を獲得した企業を2、3社と増やすことで、選択肢の幅が広がり、自分に合った企業を選ぶことができるので、自分の理想とするファーストキャリアを築けます。
さらに現在は、スキルがあると企業からスカウトが来るサービスも活用できます。就職エージェントを十分に活用し、新卒カードで自分の理想とする企業へ就職しましょう。
スカウトサービスの例
- 就職エージェントを使えば、本当に大手や優良企業に内定できますか?
可能だが自分のイメージする企業ではない可能性もある
就職エージェントを利用するうえでの注意点があります。それは、「就職エージェントから紹介される企業は必ずしも人気企業ではない」ということです。
就職エージェントを利用する会社は、自社で採用数を確保することが困難だからこそ、就職エージェントにお金を払って人材を集めようとしています。
いわゆる人気企業や業界のリーディングカンパニーのような企業は、一部の専門職を除いて基本的に応募数が多いので、就職エージェントを利用しなくても優秀な人材を確保することができます。
つまり就職エージェントが紹介する会社というのは、ある意味人気の企業ではないといえるのです。結論、就職エージェントを使って大手や優良企業からの内定を獲得することは可能ですが、あなたがイメージする大手や優良企業ではない場合があるのです。
前提として、大手や優良企業という枠組みは、一律のものがあるわけでなく個人的な価値観などによって決まる主観的なものだからです。
そのため、あなたにとっての大手や優良企業が、就職エージェントにとっての大手や優良企業とイコールではない可能性があることを認識しておきましょう。
キャリアコンサルタントに聞いた! 新卒カードは大手企業で使うべき?
ここまで、新卒カードを利用するメリットや無駄にするデメリットを解説してきました。しかし、「実際新卒カードはどこで使うべきなの?」と思った人も多いのではないでしょうか。
そこで就活支援のプロであるキャリアアドバイザーの柴田さんより、新卒カードは大手企業で使うべきなのかを解説してもらいます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る新卒カードを活用して理想のキャリアを築ける環境をつかもう
大手企業に就職したい人は、もちろん新卒カードを使うべきです。中小企業に就職してから大手企業に転職する人も現実には存在しますが、その場合はよほどの実績を上げるか、あるいは難関資格や希少な技術を持っている場合に限られてしまいます。
新卒であれば、それらの付加価値がなくてもポテンシャルや人柄で採用される確率が既卒より高いため、大手志望者はぜひ新卒のうちに内定を獲得しましょう。
若いうちに多様な経験を積みたい人は中小やベンチャーも検討しよう
一方で、中小企業やベンチャー企業に新卒であえて入社するメリットももちろんあります。それらの企業では、比較的若年のうちから専門的知識を要する重要な仕事を任されたり、管理職への昇進の可能性があったりします。これらは大手では難しいことです。
できるだけ若いうちにさまざまなことを経験してより多様なスキルの習得を希望する人、あるいはそのスキルを用いて独立起業をしたい人には、あえて新卒で中小企業やベンチャーに入社することで、大手へ入社するよりも自分の希望に沿ったキャリア形成が期待できます。
いずれにしても、就職活動の進め方で自身の可能性をいくらでも広げられるのが新卒採用です。そのカードを有効に使えるよう、自己理解・仕事理解をしっかり進めて臨みましょう。
新卒採用率が高い業種一覧! 新卒カードを最大限に活かそう
ここまでで、新卒採用している企業が多いと解説してきましたが、実際にどのような企業が新卒を募集しているのでしょうか。
ここでは、東洋経済が2023年におこなった新卒でないと入りにくいが、勤続年数が長い128社 の調査をもとに、それぞれ新卒採用率が高い業種ごとに表でまとめています。紹介する企業は従業員の勤続年数も長いため就活では人気の企業です。
就活でどのような企業に応募したら良いか迷っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
①金融
企業名 | 新卒採用占有率 | 平均勤続年数 |
明治安田 | 99.0% | 17.8年 |
大垣共立銀行 | 98.9% | 15.5年 |
伊予銀行 | 96.8% | 15.7年 |
七十七銀行 | 96.0% | 15.8年 |
かんぽ生命 | 95.8% | 15.9年 |
徳島大正銀行 | 94.6% | 16.3年 |
静岡銀行 | 92.3% | 16.2年 |
八十二銀行 | 91.4% | 15.9年 |
金融業界は、福利厚生や業界が安定している面から学生から人気の企業です。さらに、業界動向リサーチの業界別 業界規模ランキングによると、卸売、電気機器、商社に続き4位で市場規模が大きいため、業界全体が安定しています。
金融へ既卒で就活する場合、より即戦力を求められます。そのため、金融業界に必要なお金に関するスキルや知識をある程度持ち合わせておく必要があります。
さらに、給料も高く人気の業種のため、ポテンシャルで評価されやすい新卒のうちから新卒カードを使って就職することをおすすめします。
金融業界に新卒カードを使わずに入社するのはなかなか難しいです。そもそも中途採用の求人数が少ないのと、募集をしていたとしても専門性やスキルの高い人が採用されるケースがほとんどだからです。
中途入社は、それまでに相当な実績や結果を残した人材でないと難しいでしょう。
以下の記事は、金融業界の特徴や選考対策について詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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金融業界は、さまざまな特徴があります。選考を受けるなら、多角的に理解することが大切です。この記事では金融業界の動向や業種、職種、金融業界独自の選考対策などについて、キャリアコンサルタントと解説します。
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②サービス・インフラ
企業名 | 新卒採用占有率 | 平均勤続年数 |
日本航空 | 100% | 15.5年 |
近鉄グループホールディングス | 98.4% | 16.6年 |
東海旅客鉄道 | 98.2% | 16.0年 |
京浜急行電鉄 | 97.5% | 16.8年 |
中電工 | 96.7% | 18.2年 |
四国電力 | 98.6% | 20.2年 |
岩谷産業 | 96.1% | 15.7年 |
電源開発 | 96.0% | 19.7年 |
コスモエネルギーホールディングス | 92.2% | 16.9年 |
九州電力 | 91.9% | 21.8年 |
サービス・インフラ業界は、顧客の要望を満たして満足感や充足感を提供することで収入を得る仕組みです。
サービスもインフラも私たちの生活の中で身近な存在であり必要不可欠であるため、需要があり比較的経営は安定しています。これから先も需要があり続ける業界であることもあり、長く働き続けたい人が多く、勤続年数が長いのです。
インフラ業界の中でも、特に電気やガス・石油業界が売り上げトップを誇っています。特に大手企業は、新卒採用占有率が高い傾向にあるため、サービス・インフラへの就職を希望している人は新卒カードを活用することをおすすめします。
サービス・インフラ業界は、特定のスキルや専門知識が必要なことが多いです。よって新卒採用で自社の文化や業務に適応させ、長期的に育成することを目的に、新卒採用が活発になっています。
また地域社会や公共の利益のため地域の若者を積極的に雇用することで、地域社会への貢献を果たす意味合いもあります。
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③技術・研究系
企業名 | 新卒採用占有率 | 平均勤続年数 |
浅沼組 | 95.7% | 21.6年 |
五洋建設 | 93.1% | 16.9年 |
東洋建設 | 92.0% | 17.9年 |
熊谷組 | 91.8% | 19.2年 |
東急建設 | 87.5% | 19.7年 |
三機工業 | 87.4% | 18.6年 |
九電工 | 86.7% | 16.3年 |
東亜建設工業 | 86.3% | 19.7年 |
ダイキン工業 | 86.1% | 15.6年 |
北川鉄工所 | 85.9% | 15.4%年 |
技術・研究系は、新製品や新技術を生み出すことが大まかな仕事内容で、理系学部出身の学生が就職することが多いです。
採用では一般的に「研究職」と「技術職」に分けて応募されています。研究職は0から新しい技術や素材を作り出す仕事です。一方で技術職はおもに、材料をもとに製品を作り出し、世に出すまでかかわっていく仕事となります。
技術職では、特に専門的な分野に特化しているため、中途での転職となると難易度が高くなります。さらにスキルが求められる既卒となると、専門性の高さから転職先として選択できる企業が限られてしまいます。
そのため、技術力があまり求められない新卒カードを使っての就職が有利なのです。
誰でも最初は未経験です。どこかの会社が未経験者を採用し、育成しなければ技術者は育ちません。さらに、現在は少子化や理系離れによりどの会社も技術者の確保に苦心しています。
専門知識があれば、新卒カードであろうと既卒であろうと、採用してくれる会社はえり好みさえしなければいくらでもあるでしょう。
業界研究の方法は以下の記事で解説しているため、参考にしてください。
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④商社
商社は高い給与水準を誇り、学生からも人気のある業界です。業界動向リサーチの業界別 業界規模ランキングによると、卸売、電気機器に続き3番目に業界規模が大きい業界です。
特に毎年多くの学生が志望している「5大商社」といわれる5つの総合商社は、難易度が高く存在感が大きい企業です。
商社が新卒を多く募集している要因としては、個性を活かした挑戦力や新卒の即戦力化などを期待しているからです。商社が求める人物像として、新しい環境に飛び込み、何事にもチャレンジ精神で挑むパワフルな人を求める企業が多いです。
商社の中でも、総合職・一般職・事業企画職の3種類の職種があり、それぞれ仕事内容が大きく異なります。
まずは、3種類の職種を理解したうえで、人気の企業だからこそ入念な対策をおこない選考に挑む必要があります。
商社の場合、どの部署に配属されるか、またどのタイミングで海外駐在になるかが決まっていないケースが多いです。そのため、若くて体力があり、公私ともに柔軟に動きやすい新卒が重宝される傾向にあります。
とはいえ、実際どのような選考対策をおこなえば良いのかわからない人も多いかもしれません。以下の記事では、商社に関して詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
5大商社に内定するためにやるべきこと
5大商社を徹底比較! 事業や社風の違いから内定への道筋まで解説
商社業界の志望動機の作り方
総合商社・専門商社別の志望動機例文10選|必須の対策4選も解説
⑤その他
企業名 | 新卒採用占有率 | 平均勤続年数 |
ヤクルト本社(飲料) | 98.4% | 18.6% |
SMC(生産・製造技術) | 98.1% | 20.6% |
NIPPON EXPRESSホールディングス(運送) | 97.5% | 16.4% |
プロテリアル(生産・製造技術) | 96.0% | 19.2% |
リンナイ(生産・製造技術) | 92.7% | 17.7% |
エディオン(家電量販店) | 92.1% | 16.8% |
パリミキホールディングス(メガネ) | 91.6% | 19.3% |
その他の業界の新卒採用率が高い企業は、上記のとおりです。一度は聞いたことのある企業もあるのではないでしょうか。
募集内容として、一般職や総合職などさまざまな職種があります。募集職種の中には、応募するにあたっての必須条件もあるため、必ず確認しておきましょう。
単に新卒採用率が高い会社だからと応募するのではなく、自分にはどの業界・職種が向いているのか把握するためにも、自己分析をしっかりとおこない、就職後にミスマッチが起きないように対策することが大切です。
規模の大きなプロジェクトに関わりたい、海外拠点があり海外展開にかかわる仕事がしたい、より多くの費用をかけた最新の研究に携わりたい、などの場合はやはり大手企業のほうが希望する条件がそろっている可能性が高いでしょう。
新卒カードを失った場合でもキャリアは築き直せる! 既卒就活のコツ
新卒カードを失った場合でもキャリアは築き直せる! 既卒就活のコツ
- 職種や業種など選択の幅を広げる
- スキルや資格を取得し強みを増やす
- 就活に時間をかけて行動量を増やす
- 「既卒になった理由」に答えられるよう準備しておく
これまで、新卒カードを無駄にしないための方法を解説してきました。しかし「新卒カードを失った既卒者はどうやって就活したら良いの?」と疑問の声が上がっているかもしれません。
ここでは既卒者の人向けに、新卒カードを失った場合の就活のコツに関して解説していきます。
マイナビのキャリアリサーチLabが実施した2022年度 既卒者の就職活動に関する調査によると、既卒者の内定保有率は44.8%で、前年の42.4%から2年連続で数値を上げていると報告されています。
新卒カードを失った場合でも、今までの経験を活かし、より自分にマッチした企業に就職できるように今まで以上に積極的に行動していきましょう。
近年は人手不足、若者不足の会社がとても多くなってきました。どこの企業も人材を確保するのに苦心しています。そのため、超大手企業以外なら、第二新卒としての就活で複数の内定を勝ち取る人も少なくありません。
新卒カードを捨ててしまったと後悔しているのであれば、一日も早く行動を取って内定獲得を目指しましょう。
①職種や業種など選択の幅を広げる
既卒の場合は新卒就活よりも募集する企業が少なくなるため、これまで目を向けていなかった職種や業種などに関しても情報取集をおこない、選択肢の幅を広げていきましょう。
たとえば、大手企業だけに絞って探すのではなく、中小企業やベンチャー企業にも目を向けてさまざまな業種や職種へエントリーすることが大切です。
大手企業に集中してしまうと競争率が高いため、その分内定獲得の確率が下がるからです。
さらに「自宅から30分以内」「残業がない」などの条件が多すぎることも、選択肢を狭めてしまう原因の一つになります。
自分の中で「これだけは譲れない条件」を優先順位を決めて探すことで、より選択肢の幅が広がるでしょう。
既卒の場合は、就職エージェントやスカウトサイトなどを活用することをおすすめします。どの企業が既卒を受け入れていて、どの企業が受け入れていないかなどは、一人で一社ずつ調べていたらきりがありません。
さまざまな就活サービスを利用し、効率的に就活を進めるようにしましょう。
大手企業だけに就職先を絞ってしまうのは良くありませんが、既卒でも採用している大手企業はあります。以下の記事では、既卒を採用している大手企業一覧をまとめているため、企業選びの参考にしてください。
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②スキルや資格を取得し強みを増やす
新たなスキルの取得で、エントリーできる業界や業種が増えるため選択肢の幅が広がる可能性があります。
既卒は新卒と比較し、スキルを問われることが多いため、就活の難易度が上がります。まず、気になる企業の応募条件を確認し、スキルが必要なのであれば取得することをおすすめします。
スキルを取得することで自分の市場価値が高まり、入社後も給与のアップや昇進を期待しやすくなります。さらにスキルの取得で、新しい仕事にも挑戦しやすくなります。
もし、今の自分にスキルが特にないと感じる人は、就活に必要なスキルを習得し新卒時よりも自分をバージョンアップして市場価値を高めていきましょう。
自分が目指す業界や職種が決まっている場合は、関連する資格を取得するとアピール材料になります。方向性が決まっていないのであれば、幅広い資格を目指すのも良いでしょう。
いずれにせよ、自身のこれまでの経験や学びとの相性が良い資格かどうかが重要です。
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③就活に時間をかけて行動量を増やす
既卒は新卒と比較し、大学での説明会やイベント、企業案内が少なくなるため必然とチャンスが狭まってしまいます。
「就活は情報戦」といわれているように、とにかく自分から積極的に行動し、できるだけたくさんの情報収集をおこないましょう。就職エージェントや企業ホームページや口コミなどからも情報取集が可能です。
また、時間があるときによくある質問の内容などを考えておくと、より万全な準備で面接へ挑めるでしょう。
- 新卒のときは就活にかなり時間をかけてきたのですが、既卒の場合はおもにどこに時間をかけて活動したら良いのでしょうか?
既卒を受け入れている企業との接点を探すことに注力しよう
やはり既卒は新卒と比べて不利になってしまいます。企業にとってあえて既卒を採用するメリットがほとんどないので、新卒と比べられてしまうとどうしても選ばれづらい傾向にあります。
しかし、それを言っていても仕方がありません。企業は何千何万とあり、なかには既卒を歓迎する会社も相当数あります。そういった会社に出会うには、リサーチをして選考を受けるというアクションをどんどんこなしていくしかありません。
よって既卒の場合は、とにかくアクション数を重ねることに時間をかけることが大切です。
「既卒になった理由」に答えられるよう準備しておく
面接で「なぜ大学卒業後に就職しなかったのか」という質問は、必ずと言って良いほど聞かれる内容であるため、面接前に準備しておきましょう。
やむを得ない事情であれば問題はありませんが、就活はおこなったが、内定がもらえなかったという人も多いはずです。
その場合は、言い訳などのネガティブな回答をするのではなく、今までの経験を活かして前向きに取り組む姿勢をアピールすることが大切です。たとえば以下のように伝えてみましょう。
例文パーツ
自分の中で仕事選びの軸を決めていなかったことで、就活がうまく行きませんました。しかし、あらためて自己分析や企業研究を考え直したところ、自分の本当にやりたいことが見つかり、御社の社風や業務内容とマッチしたため、志望させていただきました。
上記の例文のように、面接官へ前向きな姿勢をアピールできるような回答を意識してください。
既卒になった理由を聞かれた時、絶対に避けるべきなのは嘘をつくことです。「この理由を言えば採用されないのでは」「印象が悪くなるのでは」と取り繕おうとする心理は理解できます。
しかし、少し盛るぐらいならまだしも、学歴や経歴を詐称するレベルの嘘をついてしまうと、入社後に解雇される恐れがあります。
既卒になった理由が多少ネガティブな内容であったとしても、嘘をつかずに「過去にはそういうこともあったが、今は前向きにキャリアについて考えている」といったことをアピールすればカバーできます。
新卒カードの良し悪しを理解し自分にとって最適な企業へ就職しよう
新卒カードは、大手や有名な企業などに挑戦できるため、有利な立場を活かして就職することをおすすめします。
しかし、「大手企業に就職したい」という理由だけでは、就職した後にミスマッチが生じる可能性があるため、必ず自己分析や企業分析を徹底しておこない、自分のキャリアプランに合った企業をしっかりと選んでいきましょう。
また新卒カードを無駄にしてしまった人でも、既卒の就活のコツを徹底しておこなえば、自分に合う企業に出会うことができます。
既卒での就活に不安もあると思いますが、今まで以上に行動量を増やし、諦めないことが大切です。自分にとって最適な企業へ就職できるように、まずはしっかり仕事選びの軸を決めてくださいね。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る新卒カードを活用して自分のキャリアにベストな環境をつかもう
新卒カードを使うつもりの人は、この記事を読んで、新卒カードを使うメリットや使わないデメリットを理解できたのではないでしょうか。新卒カードはうまく使えばあなたの人生の幸福度をより高くさせる素晴らしいものとなるので、ぜひここから気を引き締めて就活に励んでいきましょう。
反対に新卒カードを使わないつもりの人は、悪いことは言わないので、もう一度新卒カードを活用するメリットをしっかり読み返し、その選択で本当に後悔しないか考え直してください。
特に、新卒カードを無駄にして後悔する人の共通点として、視野が狭かったり、就活に向き合いきれていない人が多い傾向にあります。ぜひ親や周りの社会人、キャリアセンターやキャリアコンサルタントに相談して客観的な意見を取り入れながら、本当に新卒カードを使わないことがベストなのか考えてみましょう。
既卒の人は行動量を増やしながら将来を見すえた就活をしよう
また、既卒で就活をする人は、記事でも伝えている通り、とにかくアクション数を増やすことが大切です。既卒である事実は変えようがないので、ここから先の結果をより良くしていくためにどうすべきかを考えましょう。
既卒で内定獲得を目指すならば、より多くのアクションをしていきながら改善をくり返すことが必要不可欠です。就活をしていくなかでつらいことがあれば、ぜひいつでも相談しにきてください。
あなたにとって就活が素晴らしい経験となることを心から期待しています。頑張ってください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級ファイナンシャルプランニング技能士
Tomomi Tsukamoto〇航空会社CAとして育成担当を経験。その後複数大学でキャリアセンター相談員を務め、就活サイトの講師も担当。採用代行や新入社員研修講師、転職支援など幅広い就活領域で活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
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