この記事のまとめ
- 専門商社の仕事内容はトレーディングと事業投資
- 専門分野に特化しているから事業を円滑に進められる
- 選考対策は長い時間をかけて着実に準備をしておこう
専門商社は海外で活躍できるチャンスがあり、多くの就活生にとって憧れの業界です。「専門商社と総合商社の違いって何?」「そもそも専門商社ってどんな職業?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
また「専門商社に向いている人の特徴が知りたい」と思う人もいるかもしれません。
この記事では、キャリアコンサルタントの桑田さん、野村さん、平井さんのアドバイスを交えながら、専門商社の仕事内容や働き方、専門商社と総合商社の違い、専門商社の魅力や向いている人の特徴など詳しく解説していきます。
専門商社に興味があったり、総合商社とどちらを選んだら良いか悩んでいる人は、ぜひ参考にして就職活動に役立ててください。
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専門商社は企業と企業の仲介役! 目指すなら自分の興味や強みと照らし合わせよう
商社業界は海外で活躍できるチャンスがあり、就活生のなかでも人気な業界です。しかし、商社業界を目指す人のなかには、専門商社と総合商社の違いについて理解が深まっていない人も多いと言われています。
記事では、まず専門商社の基本情報を説明し、総合商社との違いを詳しく解説しています。専門商社に興味がある人や、専門商社と総合商社のどちらを目指したら良いのか迷っている人は、業界選びや企業選びの参考にしてください。
記事の後半では、専門商社で働くメリット・デメリットや、専門商社への就職が向いている人の特徴など、専門商社の就職にまつわる内容を紹介しています。専門商社を目指す人のために選考前にやるべきことも併せて紹介しているので、記事を参考にして選考突破に役立ててくださいね。
商社業界に興味がある人は次の記事も併せてチェックしてみてください。多くの就活生が志望する5大商社、7大商社それぞれの特徴や強みを紹介し、気になる企業ごとの年収や売上ランキングも併せて解説しています。
5大商社
5大商社を徹底比較! 事業や社風の違いから内定への道筋まで解説
7大商社
7大商社への就職を成功させる3つの対策|各社の特徴や魅力も解説
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専門商社とはどんな業界? まずは基本情報をおさえよう
専門商社とはどんな業界? まずは基本情報をおさえよう
- 仕事内容
- 平均年収
専門商社は就活生のなかでも人気で、毎年多くの就活生が志望する業界です。しかし、「グローバルな活躍ができる」や「年収が高い」のようなざっくりとしたイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
下記では、専門商社の詳しい仕事内容や、平均年収などの基本的な情報を説明しています。専門商社に興味がある人は業界理解を深めて、業界選びの参考にしてください。
仕事内容
仕事内容
- トレーディング
- 事業投資
商社とは企業同士の仲介役となり、買い手企業の「◯◯な商品が欲しい」の要望に合う売り手企業との橋渡しをする役目です。専門商社は特定の分野に特化して事業をおこない、日本国内だけでなく海外の企業とも取り引きをする企業も多く存在します。
仕事内容は総合商社と大きな違いはなく、主に2つのビジネスモデルで収益を得ています。下記では、専門商社の仕事内容を詳しく解説しているので、専門商社への理解を深めましょう。
トレーディング

専門商社の基本的なビジネスモデルはトレーディングです。トレーディングとは仲介業者として企業同士を結びつけ、自社の資産やネットワークを活かして商品を円滑に流通させる事業のことです。
トレーディングでは以下の収益が発生し、専門商社のトレーディングビジネスが成り立っています。
トレーディングにより発生する収益
- コミッション:仲介手数料
- マージン:「需要者への売値」と「供給者からの買値」の差額による収益
たとえば、顧客のアパレルメーカーが洋服を製造するための生地が必要な場合、生地を生産している業者との仲介役として商品を流通させる役割を担います。また、生地をメーカーへ運搬する際の、船舶やトラックの手配などのような諸手続きも顧客の代わりにおこないます。
一つの分野を専門的に扱うからこそ、供給元としっかりつながりを築けるため、より有利な条件で仕入れることができたり、輸送コストを抑えたりできます。
優位性と安定性が付加価値となるのです。
事業投資

事業投資とは新たな市場や技術への投資を通じて利益を生むビジネスのことです。専門商社は、業績や将来性などを考慮して選定した企業の株式を買収し、投資先企業の企業価値を高めるために専門商社の経営ノウハウや商品、人材を提供します。
専門商社は事業投資ビジネスの狙いとして、以下の2つのことを念頭に投資をおこないます。
事業投資から得られる利益
- 直接的な利益
- 間接的な利益
直接的な利益とは、投資における取込利益や配当金、キャピタルゲインのような株式取引の際に生じる利益のことです。取込利益とは「投資先企業の一部を、会計上では自社の利益としてカウントして良い」というルールのもと、専門商社が得られる保有株式の割合に応じた投資先企業の利益のことを表します。
一方、間接的な利益とは投資事業によって複数の企業を子会社化し、協業することで単独での事業以上に得られる利益(シナジー効果)のことです。事業投資ビジネスでは複数の企業へ投資をおこない、専門商社を核にしてグループ企業を形成し、専門商社と投資先企業や、投資先企業同士でのシナジー効果に期待できます。
キャピタルゲイン
土地や株式をはじめとした資産の値上がりによって得られる利得のこと。土地や株式が購入時よりも値上がりした場合、値上がり部分をキャピタルゲインと呼ぶ
シナジー効果によって、専門商社は複数の企業が連携し、資源やノウハウを共有することで、単独では難しいスピードや新しい発想で事業成長を加速させます。
これにより、新たな市場開拓や技術革新が急速に進み、市場での競争優位が得やすくなるのです。
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平均年収
業界地図によると、専門商社の平均年収は726万円です。母数は異なりますが国税庁の令和4年分民間給与実態調査によると日本の給与所得者の平均年収は458万円となっています。
総合商社と比較すると、事業規模の違いから平均年収は低くなりますが、他業界と比較すると専門商社は平均年収は高く、企業によっては平均年収1,000万円を超える企業も存在します。
商社業界の傾向として、業績が良い企業はボーナス支給が多く、その結果として平均年収も高くなっていると考えられます。ボーナスの額は企業によっては数百万円にのぼることもあります。
ボーナスの有無で仕事選びをしている人は以下の記事も参考にしてみてください。ボーナスのない会社の魅力やメリットを解説しています。
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ボーナスを支給しない会社と聞くと、年収や業績を心配する人もいるかもしれませんが、実はボーナスがないことで社員が得をすることもあるのです。記事ではボーナスのない会社の本音や、ボーナスを軸にした会社の見極め方をキャリアコンサルタントとともに解説します。
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そもそも何が違う? 専門商社と総合商社の違い
商社 | メインビジネス | 扱う商材 | 会社規模 |
---|---|---|---|
専門商社 | トレーディング | 特定分野の商材 | 総合商社より小規模 |
総合商社 | 事業投資 | 幅広い分野の商材 | 大規模 |
専門商社と総合商社には、取り扱う商品の幅や事業規模に違いがあります。
専門商社は特定の商材に特化して事業をおこなう商社を表し、「特定の商品や商材が売上比率の50%以上を占めている商社」と定義されています。特定の商品事業に特化しているため専門的な知見を蓄積し、独自のノウハウや顧客との強固なつながりで円滑なビジネスが可能です。
総合商社は、「ラーメンからロケットまで」と言われるように日常生活にかかわる身近な商品から、最先端の技術まで幅広い分野の商材を扱っています。事業規模が大きく、海外でも事業を展開して活躍する企業が多い傾向にあります。
専門商社と総合商社はともにトレーディングと事業投資をビジネスとし、特に総合商社は事業投資ビジネスの割合が増えている状況です。
- 専門商社と総合商社はそれぞれどのような人に向いていますか?
専門商社は職人気質な人、総合商社は幅広い視点を持つ人に向いている
専門商社は一定の品目についてのプロフェッショナルになる必要があるので、その商品を扱うことに誇りを持って取り組めるこだわり型の人に向いています。
一方総合商社が向いている人とは、新規ビジネスにも気を配りつつ、グローバルに商機を捉えることのできるアイデアマンといったところでしょうか。
どちらにも共通していえることは、供給元と需要先の双方にとって何がベストかを考え、情熱を持って行動できる人が求められています。
総合商社の詳しい内容についてはこちらの記事がおすすめです。総合商社の仕事内容ややりがいなどを紹介しています。総合商社、専門商社の違いを把握したうえで企業選びの参考にしてくださいね。
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それぞれの特徴を理解しよう! 専門商社のおもな3分類と代表的な企業を解説
それぞれの特徴を理解しよう! 専門商社のおもな3分類と代表的な企業を解説
- 総合商社系専門商社
- メーカー系専門商社
- 独立系専門商社
ひとくちに専門商社と言っても、会社の成り立ちやその企業ごとの得意・不得意とするものは会社によってさまざまです。専門商社は大きく3つの属性に分けられて、それぞれ異なった特徴があります。
下記では、専門商社の3つの属性の特徴や、それぞれの代表的な企業を併せて紹介しています。入社後に目指したい働き方を明確にし、志望する専門商社の属性がどれに当てはまるのかを確認しましょう。
①総合商社系専門商社
総合商社系専門商社は総合商社が取り扱う商品のなかで、特定の商品に特化して事業をおこなう専門商社です。主に総合商社が事業投資によって子会社化した企業で、総合商社では扱いにくい小規模なプロジェクトや市場の商品を担当しています。
事業形態は総合商社に近く、専門商社のなかでは企業規模が大きくグローバル展開を積極的におこなっています。総合商社系専門商社は、親会社が培った顧客との信頼関係や、販路、仕入元などを活用して事業がおこなえるため、小規模ながらも広く商品を流通できるのが強みです。
総合商社系専門商社の主な代表的な企業は、以下のとおりです。
②メーカー系専門商社
メーカー系専門商社は、同じグループ内のメーカー企業の商品を扱う専門商社です。トレーディング業務において商品の仕入れ先が安定しているため、販売する商品の在庫管理に困らず事業がおこなえる点がメリットです。
また、メーカー系専門商社は商材の専門知識やノウハウを用いて、「商品力」を強みとして事業をおこないます。メーカー側の営業マンや在庫管理部門と販売戦略を共有したり、マーケット調査に同行したりするなど、メーカーとの強いつながりによって安定的なビジネスが可能です。
メーカー系専門商社の主な代表的な企業は、以下のとおりです。
③独立系専門商社
特定のメーカーや総合商社に属さず、独自で仕入れ先や販売先を見つけて事業をおこなう専門商社です。独自のノウハウや技術、複数のメーカーや顧客とのつながりを持っている企業が多くあります。
独立系専門商社は特定のメーカーや商品の縛りがないため、顧客の要望に合った商品を提案できる自由度の高さが強みです。一方で、決まった仕入れ先がないため安定した商品確保が難しく、社員一人ひとりの営業力が売り上げに影響を与えることも考えられます。
独立系専門商社の主な代表的な企業は以下のとおりです。
ざっくりした説明になりますが、キャリアの安定性を重視するなら扱う商品が安定しているメーカー系や、総合商社のバックボーンがある総合商社系の専門商社に進むのがおすすめです。
逆に成長とチャレンジを大事にしたいなら独立系が選択肢として挙げられます。
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就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
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まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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活躍の幅は多岐に渡る! 専門商社の職種
活躍の幅は多岐に渡る! 専門商社の職種
- 営業職:企業同士をつなぐパイプ役
- 技術職:商材のスペシャリスト
- 事業企画職:会社のマネジメントを担う司令塔
- 事務職:会社営業のサポート役
専門商社にはさまざまな職種があり、各々の役割があります。専門商社で働く社員は各々の角度から自社の商材にかかわり、どの部署に所属しても同じ商材を扱える点が魅力のポイントです。
下記では、専門商社の5つの職種の仕事内容について説明しています。入社後にどの部署でどのような仕事ができるのかイメージするためにも、それぞれの仕事内容を参考にしてください。
営業職:企業同士をつなぐパイプ役
専門商社の営業職は、企業同士をつなぐ仲介役として幅広い業務を担います。メインとなるのは販売先の確保であり、「新規顧客の獲得」と「既存顧客との継続的な関係構築」の業務です。事業拡大や安定した収益を確保するためには、2つをバランス良く進める必要があります。
また、トレーディングでマージンを得るためにも仕入れ先の確保も重要です。取引先から商品をできるだけ安い価格で仕入れて、売買差益を得ることで自社の利益を確保できます。
新しい商材のリサーチも重要な業務です。インターネットで業界の情報をチェックしたり、イベントに参加したりして商材の情報を日常的に集める必要があります。集めた情報を先読みして、売れ筋になる商材を見つける探究心が求められます。
営業職は仕入れ先と売り先を取り持ち、利益を最大化するために動く役割を担います。
そのためにもタイミングを逃さず動くフットワークの良さ、それを支える情報収集能力とその情報を活かす冷静な分析力を持つ人材が求められます。
探究心は専門商社で働くにあたって非常に重要なスキルになります。より深く知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
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営業職に不安を感じている人は、まずは営業職についての理解を深めましょう。次の記事では、営業職の詳しい仕事内容を説明し、向いていない人の特徴を解説しています。読んだうえでやっぱり向いていないと感じた人向けに、おすすめの5つの道も併せて紹介しています。
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技術職:商材のスペシャリスト
規模の大きい商社の場合、商品の開発や技術サポートを担当する技術職を採用する企業があります。技術職は仕入れた商品を改良したり、自社の商品を開発したりする業務を担います。
たとえば、半導体チップにプログラムを書き込み、仕入れた家電製品に新たな機能を付け加える技術を施すことも可能です。このように、独自のノウハウを用いて、専門商社に付加価値を与える存在が技術職の役割と言えます。
技術職は商材のスペシャリストとして顧客の問い合わせについて的確に答え、営業のサポート役に回る役割を担うケースもあります。
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事業企画職:会社のマネジメントを担う司令塔
事業企画職は、会社の事業展開や経営に関するマネジメント業務を担います。会社の方向性を決める重要な役割であり、ある程度のビジネスの知見が必要です。
具体的には、取引先の選別をおこなったり、新規事業の立ち上げのための競合リサーチをしたりするなどマーケティング業務に携わります。また、経営の課題解決のために計画を立てて、経営戦略を考えるコンサルティング業務を担う場合もあります。
専門商社の事業企画職は、自社の専門分野に関するトレンドと最新情報をキャッチするアンテナの高さが重要です。
- 事業企画職は新卒で入社後すぐに配属になることはありますか? また、配属されるためにはどんなスキルが必要ですか?
新卒で事業企画職に配属されるには分析力や提案力が必須
事業企画職に新卒で直接配属されることは稀ですが、可能性はあります。配属されるためには、問題解決力や分析力、提案力などのスキルに加え、業界動向に敏感であることが重要です。
また、リーダーシップやコミュニケーション能力も必要であり、グループでのプロジェクト業務ではデータに基づく分析や創造的な考え方などが求められます。これらのスキルを磨くには、日々の業務の実践だけでなく、常に学び続ける姿勢が大切です。
また、最新のビジネス動向や業界トレンドをキャッチし、それを自分の提案に活かせるようにすることも必要になります。
たとえば、マーケティングや経営戦略に関する書籍を読んだり、外部セミナーに参加して新しい知識や視点を得たりするといった学びの姿勢は、事業企画職でのさらなる成長へとつながるはずです。
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受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
事務職:会社営業のサポート役
事務職は営業事務と貿易事務に分けられ、会社営業のサポート役としてバックオフィス業務を担います。営業事務所は、営業に関する契約書の作成や電話・メール対応をおこないます。
また、貿易事務の仕事内容は輸出入の書類作成から商品の輸送手配やスケジュール管理など、輸出入に関するさまざまな手続き業務です。海外の企業との取り引きが中心となるため、外国語のスキルや輸出入に関する法律の知識が求められます。
事務職に興味がある人は次の記事もおすすめです。事務職の仕事内容や、向いている人の特徴、事務に必要なスキルを詳しく解説しています。
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事務職の仕事内容が丸わかり! 必要なスキルや就職のコツも
事務職は多くの就活生から人気を誇る職種の一つであり、志望する学生は事務職への理解に努めることが大切です。記事では、事務職の種類とそれぞれの仕事内容をはじめ、事務職に対して多くの人が抱く誤解とその実態についてキャリアコンサルタントのアドバイスを交えながら解説します。
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専門商社の事務職は営業事務と貿易事務に分類されるため、それぞれの詳しい仕事内容を理解するためにも併せて読んでみてください。
営業事務
営業事務に向いている人の特徴5選! 意外な魅力や日々の仕事も解説
貿易事務
例文6選|貿易事務の志望動機でスキルを活かして熱意を伝える方法
商社が不要になるって本当? 専門商社の今後の動向や将来性をプロが解説
ここまで、専門商社の仕事内容や属性、職種について解説してきました。専門商社は専門分野に特化していることで、原料調達から販売までのすべてを担って事業をおこなえます。
しかし、近年はインターネットの普及によりメーカーと顧客が直接取り引きをしやすくなったことで「商社不要論」が取り上げられるようになりました。商社業界への就職を志望している人は、商社業界の将来性について不安を抱く人も多いのではないでしょうか。
下記では、キャリアコンサルタントの平井さんに商社業界の今後の動向や、将来性について解説してもらいます。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る商社が不要な分野ができたとしても専門商社には変化への対応力がある
「商社不要論」が取り沙汰されていますが、この根拠として、IT技術の進化と取引が世界レベルでオープン化したことが挙げられます。これらの影響により供給者と消費者が直接的に結びつきやすくなったからです。
この供給者と消費者の結びつきが理由で、一部の商社機能は縮小するかもしれません。しかし商社は、その柔軟性とこれまで蓄積した「ヒト・モノ・カネ・情報」という経営リソース、変化への対応力などを活かして、新しい役割を担い続けると私は思います。
製品調達から販売まで一貫して事業継続ができるのは専門商社の強み
複雑な国際取引におけるコーディネートやリスク管理、新たなビジネスモデルの創出など、依然として商社ならではの強みは多く残っていて、特に新興国市場や成長産業への投資・参入の面では大きな競争力を発揮します。
過去には震災や災害でサプライチェーンがずたずたになり、生産が止まったことがありました。しかし、専門商社は製品の調達から流通、販売に至るまで、サプライチェーン全体を管理する能力を持っているのです。一貫した事業継続ができるという観点から見ても、専門商社の存在価値は高まると思います。
ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
『就活準備をもっと効率よく進めたい...!』と思っていませんか?「就活準備プロンプト集」は、生成AIを活用して自己PRや志望動機をスムーズに作成できるサポートツールです。
簡単な入力でプロが使うような回答例が出せるため、悩まずに就活準備を進められます。生成AIを活用して効率良く就活準備を進めたい人におすすめです。
- 自己PR、ガクチカ、志望動機作成プロンプト
- チャットを使用した、模擬面接プロンプト
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特化しているからこそ魅力がある! 専門商社が持つ強み
特化しているからこそ魅力がある! 専門商社が持つ強み
- 専門分野に強い
- リスクを考慮した事業展開ができる
- 顧客と強固な信頼関係を築いて営業に活かせる
専門分野に特化していることは理解できても、専門商社だけが持つ強みや業界としてどのようなことが可能なのか、イメージがつかない人もいるのではないでしょうか。専門商社は特定の分野に特化しているからこそ強みがあり、強みを活かして事業を円滑に進められる点が魅力です。
下記では、専門商社の持つ3つの強みについて紹介していきます。商社の就職を目指していて、総合商社と迷っている人は企業選択の参考にしてください。
専門分野に強い
専門商社は特定の専門分野に強く、焦点を当てて事業をおこなえる点が強みです。特定の分野に関する知識が豊富で、その分野のプロフェッショナルとして活躍できるためです。
顧客に対して、専門的知識をもとにノウハウを提供して、戦略的なコンサルティングをおこなえます。たとえば、新規製品の導入や製品のアップデートの提案、コスト削減など顧客のビジネス上の悩みに対してアドバイスや提案が可能です。
また、特定の分野に特化しているからこそ、独自のネットワークや厳格な品質管理を活かして、顧客のニーズに合った商品の提供が可能となります。分野が限られるのはマイナスポイントではなく、専門商社だからこそ顧客へ価値提供できる強みと言えます。
- 特定の分野のプロフェッショナルになるまでには、どのようなキャリアパスがありますか?
現場経験を積んだり社内外の関係構築をおこなったりする必要がある
専門商社で特定分野のプロフェッショナルになるためには、営業や現場での経験を積み上げたうえでキャリアを築くことが重要です。
また、専門分野に関する研修やセミナーに参加して知識を習得し、社内外でのネットワークや業界企業とのつながりを構築することも、堅実なキャリア形成に役立ちます。
つまり、日々の業務で得た経験を踏まえ、業界のトレンドや新技術を柔軟に取り入れながら、継続的な実績と学びを積み重ねていくことが、あなたが将来的に目指す成長につながると思います。
リスクを考慮した事業展開ができる
専門商社は特定の分野に特化しているからこそ、リスクを考慮した事業展開が可能です。これまで積み重ねてきた経験やデータをもとに、業界の動向を敏感に感じ取れるため対策を打ち出して事業をおこなえます。
たとえば、消費者に近い分野への進出もリスクを考慮した動きの一つです。近年のインターネットの普及により、企業同士が商社を経由せずに直接取り引きをおこなうケースも増えてきました。
専門商社は対策として、医薬品を扱う専門商社が調剤薬局の運営に参入するなどして、新たな分野への事業展開をおこなう動きが目立ってきています。このような動きは、専門的な知識とこれまでの経験やデータがある専門商社だからこそ可能な事業展開だと言えます。
顧客と強固な信頼関係を築いて営業に活かせる
専門商社は特定の分野に限られるため、顧客と強固な信頼関係を築いて営業に活かせる点が強みです。特定の分野の知識が豊富なことで、顧客のニーズや悩みを的確に理解して役立つ提案が可能です。
専門商社は顧客とのコミュニケーションを通じて、信頼関係を向上させて安定的な取り引きを続けられます。顧客との良い関係性は、物資の取り引き量などを決める際のビジネス上の交渉がスムーズに進み、コストパフォーマンスが向上します。
専門商社が築く顧客との強固な信頼関係は、ビジネスの成功に大切な要素です。
適性を確かめよう! 専門商社の就職に向いている人の4つの特徴
適性を確かめよう! 専門商社の就職に向いている人の4つの特徴
- 対人コミュニケーション力がある
- 分析能力が高い
- 特定の分野に興味がある
- チャレンジ精神があり好奇心が旺盛
専門商社を志望していても、自分が向いているのか不安を感じる人も多いのではないでしょうか。仕事には向き不向きがあり、やりがいを持って活きいきと働くためにも自分に合った仕事を探すことが大切です。
下記では、専門商社の就職に向いている4つの特徴について紹介しています。専門商社にはどのような人が向いていて、どのような能力が求められるかを把握し、就職先として選ぶ判断材料にしてください。
①対人コミュニケーション力がある
専門商社で働くうえで、円滑なコミュニケーション能力は必須です。取り引きには関係構築や信頼関係の維持が重要で、顧客との密なやり取りが必要となるためです。
特に、営業であれば顧客の「このような商品が欲しい」のような意見に、最適な商品を探して提案する必要があります。また、売り手と買い手の両方の意見をまとめて、企業同士が納得できるような取り引きを成立させる力も重要です。
このように、企業同士で円滑なビジネスを進めるためにも、対人コミュニケーションを持ち合わせていることは重要なポイントです。
コミュニケーション能力と言っても表し方はさまざまです。次の記事では、コミュニケーション能力の3つの軸や、企業がコミュニケーション能力の有無を判断する基準などを解説しています。
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コミュニケーション能力は幅広い業界や職種で評価されやすい力の1つです。しかし、魅力的にアピールするためにはコミュニケーション能力の言い換えが必須。この記事ではコミュニケーション能力の言い換え12種類をもとにアピールのコツをキャリアコンサルタントとともに解説します。例文を参考に人事に響く自己PRを作成しましょう。
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②分析能力が高い
分析能力が高いことも専門商社で働くうえで重要です。ただ企業同士のパイプ役となるのではなく、市場を分析して、将来性を見据えて提案する力が求められるためです。
専門商社は消費者の動向や経済の変動など、市場の動きを把握し分析したうえで、どの企業同士のパイプをつないだら良いのかを判断します。現状から市場の動向を分析できれば、売る商品と売れる企業が明確になり、買い手と売り手の双方へ最適な提案が可能となります。
専門商社の扱う特定の分野内でも、市場のトレンドは日々変化するためトレンドが変わる前に予測して迅速に対応できる力が大切です。
- 分析能力があるのか不安です……。分析能力をつけるためにはどうしたら良いですか?
論理的思考力やデータサイエンスの基礎を身に付けよう
分析力を高めるためには以下のような方法があります。
①論理的思考力をつける
分析力の基本は論理的思考力です。結論と「なぜならば」の根拠を明確にして考える癖をつけましょう。
②統計学やデータサイエンスの基礎を学ぶ
データを正しく理解し、分析するスキルは商社での業務においても重宝されます。
③市場動向の分析練習
経済ニュースや業界レポートを読み、それを基に自分で仮説を立てて分析する練習をします。たとえば、「原油価格の動きが他の産業にどう影響するか」など、自分なりに因果関係を考察します。
③特定の分野に興味がある
特定の分野に興味がある人は、専門商社の就職に向いている可能性があります。専門商社は特定の分野に特化して事業をおこなうため、扱う商材に思いやこだわりを持っていると仕事にやりがいを感じられるかもしれません。
たとえば、「大学で研究していた化学の知識を活かして、化学製品の販売に役立てたい」のように強いこだわりを持って入社できればこれまでの経験や知識を活かせます。
専門商社はどの部署に所属しても、興味のある分野の商材を扱えるため積極的に業務へ取り組めることが考えられます。
- 特定の分野への興味や知見がないと専門商社への就職は難しいですか?
興味や知見がなくても就職は狙えるが貢献意欲のアピールが重要
特定分野への興味や知見はあったほうが良いですが、なぜその分野を専門にしたいのかの説明で、相手に納得してもらえる答えを考えることができれば、専門商社への就職も不可能ではありません。
その会社に興味を持つ動機は人それぞれです。また、知見は入社してからでも経験を積み学び続けることで得ることができるので、前向きで真摯に努力できる人材であると伝えることを意識してください。
重要なことは入社後に何ができるかです。もともとあった興味や知見も大事ですが、業務を進めるなかでどんな行動をしていく覚悟があるかをアピールしましょう。
④チャレンジ精神があり好奇心が旺盛
専門商社では、チャレンジ精神や好奇心を持って仕事に取り組める人は重宝されます。専門商社は既存の業務だけでなく、常に新たなビジネスチャンスにアンテナを張り、迅速にチャレンジできる人が求められるためです。
また、ビジネスチャンスを掴むためには、最新のトレンドや社会情勢について関心を持つ必要があります。あらゆることへ好奇心を持って情報を収集する力と、情報をビジネスへ転換させる力が求められます。
常に新しいチャレンジをおこなう姿勢や、新しい情報を提供できる企業は取引先からの興味・関心を得られ、新しいビジネスチャンスにつながる可能性があります。
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知っておこう! 専門商社で働くメリット・デメリット
知っておこう! 専門商社で働くメリット・デメリット
どのような業界でも、働く際に生じるメリットやデメリットはあります。就職先を選ぶ際は、メリットやデメリットをしっかり把握して十分に検討しましょう。
下記では、専門商社で働くメリットとデメリットを紹介しています。自分の強みや弱みと照らし合わせて、専門商社を目指すべきなのなのか検討し、入社後のミスマッチを防ぎましょう。
メリット①若手のうちから裁量権を持って挑戦しやすい
専門商社は若手のうちから裁量権を持って挑戦しやすい点がメリットです。専門商社は規模が小さい分、一人ひとりに責任のある仕事を割り振られるため若手のうちから裁量権を持って働けます。
たとえば、入社1年目から海外出張へ行ったり、入社数年で新入社員のマネジメントをおこなったりするなど、若手も会社の重要な戦力として仕事を任される傾向にあります。そのため、実力を早くつけられ一人前の社員として成長できるスピードが早い点は、専門商社で働くうえでの強みです。
入社後すぐに活躍したい人や、いち早くスキルを身に付けたい人は専門商社への就職が向いているかもしれません。
専門商社では、一般企業より多くの裁量権が与えられ、若手でも新規事業や海外プロジェクトの提案や参画が可能です。
その分、責任と緊張感もありますが、自己成長としての問題解決力やリーダーシップという将来に役立つスキルを早期に身に付けられます。
メリット②グローバルに活躍するチャンスがある
専門商社へ就職すると、グローバルに活躍するチャンスが大いにあります。海外にプロジェクトを展開している企業も多く、海外出張や現地駐在を任されることもあるためです。
海外の支店や子会社へ配属になれば現地のスタッフと働いたり、海外の顧客と商談をしたりなどグローバルな人脈が広げられます。また、海外に赴任する場合は、日本での役職よりも高いポジションで仕事ができる場合があり、商社マンとしてのキャリア形成にも役立ちます。
海外で活躍したい人や、海外で経験を積んでキャリア形成に役立てたい人は専門商社での就職がおすすめです。
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メリット③専門性を高められる
専門商社は専門分野に特化しているため、専門性を高められる点がメリットです。一つの分野の原料調達から販売までを経験でき、専門的な知識やノウハウが豊富に身に付くためです。
たとえば、顧客の要望に対して、身に付けた知識を用いて最適な提案ができ、売り上げ増加につなげられます。また、興味のある分野がある人や分野についてこだわりを持っている人は、徹底的に商材にかかわれるため、その分野のプロフェッショナルになれます。
特定の分野に興味がある人や、専門性を身に付けてキャリアを築きたい人は専門商社への就職がおすすめです。
デメリット①専門分野の景気・状況に左右される
専門商社は専門分野の景気や状況に左右され、会社の売り上げに影響を及ぼします。専門分野に特化しているため、扱っている業界の景気が悪くなれば、専門商社も不景気のあおりを受けて売り上げに反映してしまうためです。
たとえば、野菜を扱う専門商社の場合、台風の影響で生産数が限られてしまい、取り引きに影響を及ぼして大きな損失につながる可能性があります。総合商社であれば、さまざまな分野を扱っているため他の商材で売り上げを補うことが可能です。
専門性の高さはメリットとなる一方、景気や状況に左右されてしまう点はデメリットとなります。
デメリット②激務な可能性がある
専門商社は激務な可能性がある点もデメリットです。専門商社は企業同士の仲介役として、どちらかの企業から常に依頼を受けている状態が起こりやすく、多忙に働く場合があるためです。
また、業界として海外の企業と取り引きが多く、相手企業の時差に合わせて商談の時間を設けなければなりません。時差によって仕事が夜遅くまでずれ込んでしまって、長時間の残業をせざる得ない状況も考えられます。
海外出張や取引先への営業などへ出向く回数も多いため、体力に自信がない人は専門商社への就職は十分に検討した方が良いでしょう。
商社はグローバルに事業を展開しています。そのため、時差のある国への対応や、それによる長時間労働、タイトな納期などが求められるのです。
さらには取引のプレッシャーや出張の頻度と移動ストレス、取引先や上司との頻繁なコミュニケーション、緊急対応とクレーム処理、成果主義のプレッシャーなど、商社勤務でのストレスはさまざまなものがあります。
デメリット③総合商社と比べると年収は低め
専門商社は総合商社と比べると年収が低めな点がデメリットです。総合商社と比較して、企業規模が小さく、売り上げなどにも差が出ることから年収といった待遇にも違いが生じていると考えられます。
年収は企業規模や業績に応じて異なるため、中小企業の専門商社であればさらに平均年収が低い場合もあるかもしれません。
年収の高さで専門商社を目指す人は、総合商社との年収差に納得できず「業務内容や働き方に対して給料が割に合わない」と不満に感じる可能性もあります。仕事に対するやりがいや、専門商社で働く目的がない人は働き続けるのは難しいかもしれません。
専門商社を目指すなら? 選考に向けてやるべきこと
専門商社を目指すなら? 選考に向けてやるべきこと
- 専門商社で活かせるスキルを磨く
- 筆記試験やWebテストの対策に早くから力を入れる
- 企業研究を深めて入社後のミスマッチを防ぐ
専門商社は就活生から人気の業界で、選考で勝ち抜くためには十分な対策が必要です。選考が近づいてから慌てて準備をするのではなく、早くから準備をして選考に備えましょう。
下記では、専門商社を目指す人に向けて選考前にやるべきことを紹介しています。後悔のない就職活動にするためにも、こちらの内容を参考にして選考突破に役立ててください。
①専門商社で活かせるスキルを磨く
専門商社を目指すなら、就職後に活かせるスキルを磨くことがおすすめです。専門商社は就活生に人気な業界のため、資格や活かせるスキルを持っていることで周囲との差別化を図れます。ただし、新卒の場合はポテンシャル採用となるため、必ずしも差別化につながらないことは注意しましょう。
たとえば、専門商社は海外企業との取り引きの機会が多く、外国語関連の資格を取っておくと選考で有利になる可能性があります。英語力の評価方法はTOEICのスコアを基準にすることが多く、採用要件にTOEICのスコアを記載している企業も存在します。
選考では資格を仕事にどのように活かしていくのかを具体的に伝え、採用担当者にあなたが入社後に活躍するイメージを持ちやすいようにアピールしましょう。専門商社で活かせる資格はTOEIC以外にもあり、主な資格は以下のとおりです。
- 入社前の英語のスキルはどのレベルまで求められますか?
企業によって求めるレベルは異なるがTOEIC700点以上が一般的
専門商社で求められる英語スキルのレベルは企業や業務によって異なりますが、一般的にはTOEIC700点以上が一つの目安とされています。
特に海外との取引が多い企業では、ビジネス英語でのコミュニケーションが必要とされ、TOEICスコアだけでなく、実践的な英語での会話やメール対応ができることが求められる場合もあるのです。
さらに、日常的に海外取引先との交渉や契約内容の確認などが求められることもあり、高いリーディングやライティングのスキルも必要となります。ただし、入社後の社員教育期間もあると思うので、企業によって入社前のレベルの要求値は異なると思っておきましょう。
商社ではどの程度の英語スキルが必要なのか気になる人も多いでしょう。この記事では、商社で求められる英語力の基準や、商社で仕事で英語を頻繁に使うシーンなどを解説しています。
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②筆記試験やWebテストの対策に早くから力を入れる
選考前には筆記試験やWebテストの対策に早くから力を入れることが重要です。商社業界では一般企業で採用が多いSPIの対策だけでなく、GABの対策までおこないましょう。
元々商社の筆記試験としてGABが採用されていた企業が多く、現在も採用されていたり年によってSPIの代わりにGABが採用されたりするケースがあります。特に、GABの非言語問題は特殊なため、早くから対策して問題に慣れておく必要があります。
また、専門商社では選考の最初の段階でWebテストの実施があり、ボーダーを越えられなければ本選考に進めないためしっかりとした対策が必要です。選考が近づくと、履歴書の作成や面接対策、筆記試験対策と忙しくなり、Webテスト対策に手が回らないという事態になりかねません。
一つひとつの試験やテスト対策には多くの時間が必要となるため、早くから準備して計画的に進めましょう。
筆記試験を突破するコツを知りたい人は次の記事も併せてチェックしてみてください。対策手順を把握して、選考突破に向けて早めに準備しましょう。
SPIの対策
SPIの例題38選! 対策手順や突破のコツを徹底解説
GABの対策
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Webテスト対策については次の記事がおすすめです。受験の流れやWebテストの特徴を紹介しているので、本選考に進むためにも入念に対策に努めましょう。
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WEBテストは効率重視で対策することが大切です。WEBテストの評価を最も重視するという企業はほとんどなく、面接やESの内容が重視される傾向にあるからです。この記事では、WEBテストの効率的な対策方法や、受験前の必須準備などについてキャリアコンサルタントと解説します。
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③企業研究を深めて入社後のミスマッチを防ぐ
選考前には商社業界や企業について理解を深めて、入社のミスマッチを防ぐことは重要です。就職した後に理想と現実のギャップに苦しんでしまっては、内定獲得までの努力が無駄になってしまいます。
企業研究を深めるためには、OB・OG訪問で実際に働いている先輩に社風や業務内容を聞くと良いでしょう。企業の魅力を理解できれば、入社後のイメージもつきやすくなり選考でも志望度を強くアピールできます。
また、志望企業が定まっていたとしても一社に絞らず、複数の企業のOB・OG訪問をおこなうのがおすすめです。比較しやすくなり、志望企業への熱意を具体的にできたり、また視野が広がりもっと合う会社が見つかるかもしれません。
企業ごとに社風や魅力は異なるため、理想の働き方がかなう企業を見つけて入社後のミスマッチを防ぎましょう。
- OB・OG訪問からわかる企業選びに重要となるポイントは何ですか?
訪問先ならではの強みや具体的な成長機会に着目しよう
専門商社のOB・OG訪問の際にポイントとなるのは以下の2つです。
①自社の事業内容と強み
専門商社は、それぞれの事業分野で異なる強みや専門性を持っているため、自分がどの業界や分野で働きたいのか、そしてその商社が強みとしている分野が自分の興味やキャリアに合っているかを確認することが重要です。
②キャリアパスと成長機会
志望先の事業内容と強みを理解したら、将来的にどのような役割や業務に携わることができるかを把握しましょう。
特に若いうちから裁量のある仕事や責任を任される機会があるか、成長のためのサポートが充実しているかを確認することで、長期的なキャリア形成を描きやすくなります。
OB・OG訪問の流れについて気になる人も多いと思います。次の記事では、OB・OG訪問前に準備すべきことや、当日の注意点について解説しています。
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OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問は社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。万全の準備をして最大限に活用しましょう。この記事ではOB・OG訪問の準備方法やマナーなどについてキャリアコンサルタントが解説します。OB・OG訪問を実施し、就活を成功させましょう。
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専門商社にまつわる疑問にプロが答えるQ&Aも併せてチェックしよう
商社業界についてほかの人がどのようなことに悩み、解決しているのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
下記ではPORTキャリアに寄せられた商社業界の悩みに関する4つのQ&Aを紹介しています。自分の悩みに関するキャリアコンサルタントのアドバイスがあれば、参考にして問題解決に役立てくださいね。
自分の特性や強みを活かせる業界を選び専門商社で活躍しよう
専門商社は専門分野に特化しているからこそ、顧客との強固な信頼関係を築けて円滑な事業をおこなえる点が強みです。専門性を高められるため、キャリアを積み重ねていくことでその分野のプロフェッショナルとして働けます。
特定の分野に興味がある人や、こだわりを持っている人は徹底的にかかわって仕事ができるため、専門商社への就職が向いているかもしれません。自分がどのような分野に興味を持っているのか、これまでの経験で得た強みなどを洗い出して、企業選びに役立ててくださいね。
専門商社への就職は競争率が高いため、選考対策には長期的な準備が必要不可欠です。後悔のない就職活動にするためにも、早くから対策に力を入れて選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
桒田 里絵
プロフィールを見る専門商社は興味に全力投球したい人や発展への貢献意欲が高い人におすすめ
専門商社の魅力は興味ある分野で思い切り活躍するステージが得られることです。以前から興味を持っていた、支えていきたい、今後の発展に尽力したいという分野があるなら、ぜひ専門商社への就職を考えてみてください。
また特定分野に縁が無い人でも、何かに思い切り力を尽くしてみたい、世界を舞台に仕事をしたい、大きな裁量を持って責任ある仕事をしたいといった夢のある人にもおすすめです。
語学や分析に関するスキルアップが選考突破のカギとなる
あなたがもし専門商社に興味を持ったのであれば、その分野の企業をしっかり調べ、企業ごとの特徴を明確にして志望する会社を決めてください。専門商社には独特の社風を持つ会社が多く、それが大きな魅力となる場合も多いものです。
選考までは、語学を習得し世界情勢を学び、コミュニケーション能力や情報分析力を磨いて備えましょう。
専門商社は入社後も学び続けることを常に求められますが、自分の力で人生を切り拓いていく手応えを感じながら生きていけるようになるはずです。あなたの前には大きな可能性のある世界が広がっています。ぜひ一歩踏み出してくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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