「趣味は読書」は武器になる! 伝えるコツや深掘りの対策を解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー

    Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 趣味は読書であることは就職活動で強みになる
  • 「趣味は読書」を選考で効果的に伝える差別化のコツ
  • 面接で説得力を持たせるために深掘り質問に備えよう

就活で「趣味は読書」と伝える際に、採用担当者からどのように評価されるか不安に感じる人も多いでしょう。実は読書が趣味であることは、就活で武器になる可能性を秘めています。ただし、「本を読むのが好き」というだけでは、その魅力を十分に伝えきれません。

読書の趣味を効果的にアピールするには、具体的な本の内容やそこから得た学びを説明できることが重要です。また、読書を通じて培った能力や視点を、志望する職種や業界にどう活かせるかを明確に示すことで、面接官の印象に残りやすくなります。

この記事では、キャリアアドバイザーの永田さん、富岡さん、古田さんのアドバイスを交えつつ、読書の趣味を就活で効果的に伝えるコツや、面接での深掘り質問への対策について詳しく解説します。選考で読書の趣味を活かせるよう、具体的な例文や注意点も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

読書が趣味な人は伝え方を工夫して就活の武器にしよう! 

読書が趣味な人は、就活で「趣味は読書です」と言っても良いのか、どのように伝えれば印象的なのか、疑問に思うのではないでしょうか。しかし、読書の趣味を適切に伝えることができれば、大きな強みになる可能性があります。

この記事では趣味「読書」が評価されやすい業界・職種や、読書の趣味からアピールできる強みなどを解説します。読書の趣味に対する企業の評価傾向を理解し、自信を持って伝えられるようにコツを身に付けましょう。

記事の後半では、読書の趣味を就活で効果的にアピールするためのポイントも解説します。事前に目を通して準備を進め、自身の特性を活かして内定獲得を目指しましょう。

そもそも自己紹介で趣味を伝えるかについて迷っている人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。自己紹介で趣味を伝えたほうが良いケースや、好印象を残すコツを解説しています。

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「趣味は読書」は強みになる! 読書の趣味から感じられる5つの印象

実は趣味が読書である人には、企業が求めるさまざまな強みがあります。しかし、その強みを適切にアピールできていない学生が多いのが現状です。

ここでは読書の趣味から感じられる5つの印象について解説していきます。これらの印象を理解することで、自己PRや面接で具体的に自身の強みをアピールできるようになります。それぞれの印象をどのように就活で活かせるか、考えながら読み進めてくださいね。

①幅広い知識を持っている

読書が好きでさまざまなジャンルの本を読む人は、「幅広い知識を持っている」という印象を与えやすくなります。小説やノンフィクション・専門書など多様なジャンルの本に触れることで、社会や文化・歴史・科学などの分野における豊富な知識を蓄えている可能性が高いと採用担当者は考えるかもしれません。

この幅広い知識は、ビジネスシーンでの適応力や問題解決能力の高さを示唆するので、知識の豊富さが新しい視点やアイデアの創出につながると評価される可能性もあります

なお、選考では読んだ本から得た具体的な知識をどのように業務で活用できるかを説明できると、読書で培った幅広い知識をアピールでき、より印象に残りやすくなります。

読書量や頻度が少ない場合、読書で知識を培ったことはアピールしないほうが良いですか?

吉田 文子

プロフィール

自分の成長への影響度が高ければ優れたアピール材料になる

たった1冊しか読んでいなくても、その本から得たものがその人にとって大きな意味を持っているとしたら、それはとても価値のある読書ということになります。

「たった数冊しか読んでいないから」「読むペースが遅いから」と不安になる気持ちはよくわかります。しかし「何をしたか」より「何を得たか」のほうが重要であることもあります。

読書量が少なくても、本を通して成長したことがあれば自信を持ってアピールしてみましょう。

②冷静沈着な性格がうかがえる

読書をすることは一つのことに長時間取り組む趣味です。特にページ数が多い本を読んだり、内容が難しい本を読む場合、集中力と忍耐力が必要なので、冷静沈着な人でないと継続することは難しいといえます。

そのため、読書の習慣がある人はストレスの多い職場環境や締め切りに追われる場面でも、冷静に対応できる力を兼ね備えているという印象を与えやすくなります

また、本の登場人物や状況を客観的に観察することができれば、実際の仕事の場面でも冷静に状況を分析し、適切な判断を下せるかもしれません。

実際の選考では読書で培った冷静さや集中力が、どのように仕事に活かせるかまでを具体的に説明できるようにしましょう。

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③他者の気持ちを理解する力がある

読書をしてさまざまな登場人物の心情を読み解くことで、ストーリーで起きた出来事を自分ごとのように考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

このように読書をして登場人物に寄り添えるような人は、現実の人間関係においても相手の立場に立って考えられるため、「他者の気持ちを理解する力がある」という印象を持ってもらいやすくなるのです。

このような他者を理解する力は、チームワーク力やコミュニケーション能力の高さにつながります。採用担当者は、この能力が顧客ニーズの把握や同僚との円滑な関係構築につながると評価する可能性があるのです。特に周囲との連携が重要視される企業において、評価されやすいといえます

他者の気持ちを理解できるというコミュニケーション能力をアピールしたい人には、こちらの記事がおすすめです。コミュニケーション能力の自己PRで差別化する方法や、効果的に伝える方法を解説しています。

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④精神的なタフさを備えている

読書は長い時間を費やしておこなう趣味なので、必然的に集中力が必要とされます。そのため、趣味が読書であることから「精神的なタフさを備えている」という印象を持ってもらいやすくなるのです。

特に長編小説や難解な専門書を読んで深く理解するには根気強さや忍耐力が必要なので、困難な課題に直面しても諦めずに取り組む姿勢につながりやすくなります

また読書は一人でできる趣味なので、感情やストレスを自身でコントロールできる性格であると評価してもらえる可能性もあります。

読書で培った忍耐力を自己PRでアピールしたい人は、こちらの記事もチェックしておきましょう。忍耐力の自己PRを作る6ステップや、経験・職種別で忍耐力の自己PR例文を紹介しています。

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読書量は多いと思いますが、精神的なタフさをアピールするほど自信がありません……。

富岡 順子

プロフィール

無意識にできていることは自分の才能と認識しよう

「精神的なタフさ」という言葉を聞くと、辛い状況でも諦めずに粘り強く頑張れるという状況が思い浮かぶかもしれません。

読書好きな人はおそらく好きだから自然と本を読んでいるだけで、辛い状況に耐えているつもりではないので、精神的なタフさをアピールできるのか疑問に思っているのではないでしょうか。

しかし、文部科学省が推進している学校での朝読書を通して、「読書が習慣づいたことによって子ども達の集中力が高まった」「気持ちの切り替えができるようになった」という声も聞かれています。

自分では当たり前すぎて培った力に気づかないかも知れませんが、読書量が多いのであれば自信を持って精神的なタフさをアピールしてみてください。

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私はリーダーシップを発揮できる人材です。学生時代にサークル長として運営に携わった際に、リーダーシップを養うことができました。サークル長を務めていたフットボールサークルでは、練習場所や時間が取れないことや、連携を取り切れていないことが問題でした。そこで、大学生側に掛け合い週に2回の練習場所を確保し、時間を決め活動するようにメンバーに声掛けを行いました。さらに週末明けに今週の活動の詳細をメンバーに配信することで連携強化に努めた結果、サークル加入率を前年度の3倍まで伸ばすことができました。問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応していき、周りを良い意味で巻き込んでいくリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

⑤論理的思考力に長けている

読書をすると本の内容を理解すると同時に、自身の考えを整理するために論理的思考力が養われます。特に論説文や科学書、哲学書などを読んでいる人は、読書を通じて文章の論理展開を追うことで、自身の考えを筋道立てて説明する力が身に付きやすいのです。

論理的思考力は、ビジネスにおける問題分析や戦略立案、プレゼンテーションなど、さまざまな場面で活かされます

たとえば、専門知識を駆使して仕事を進めるようなエンジニア職や、クライアントの問題を解決するために物事を深く考える必要があるコンサルタント職において、評価されやすいといえます。

永田 修也

プロフィール

私自身の例ですが、新聞や小説、自己啓発書などの読書をすることで「起承転結」を覚え、それを先方へのメールを送る際や提案書を作成する際などに筋道を立てて論理的に伝えることに役立ちました。

実際にアウトプットする際に自然と身についていたことに気づき、これは読書でしか得られない論理的思考力だと考えています。

以下のQ&Aでも、読書の趣味を就活で活かす方法についてキャリアコンサルタントが解説しています。併せてチェックして理解を深めましょう。

就活のプロに聞く! 読書が趣味の学生のマイナスイメージと払拭方法

読書の趣味が採用担当者に好印象を与えられることがわかっても、「マイナスにとらえられるのでは?」と不安に思う人もいるでしょう。

読書が趣味と答えた際に想定されるマイナスイメージやその払拭方法を理解しておけば、そのようなイメージをポジティブな印象に変えて、自身をアピールする機会として活用できます。

ここではキャリアコンサルタントの古田さんに、読書が趣味の学生のマイナスイメージと払拭方法について詳しく聞きました。

アドバイザーコメント

趣味が読書という事実自体はマイナスイメージになりにくい

私が面接官として趣味について学生に質問するときの目的は、あくまでもストレス解消が上手にできているかといったストレスマネジメント能力や、相談できる友人がいるかといった社交性、人間関係の構築スキルの有無などを知りたいからです。

言い換えれば、私は個人の趣味そのものと個人の特性に関して因果関係があるとはあまり考えていません。読書が趣味な人すべてが同じ特性ではないからです。

それらを踏まえたうえで、企業が求める人材であることのアピールを通して少しでも良い印象を与えたいなら、「キャンプに行って静かなところで読書をするのが趣味です」「書店が主催している読書好きが集まるサークルに参加しています」のように、行動力があるといったエピソードを加えると良いのではないでしょうか。

素の自分をそのまま伝えるほうがミスマッチを減らせる

どう回答したとしても、何がマイナスになるかは企業や面接官によるので、「これが正解」とは言えないのが一番難しいところです。

何を答えても「マイナスになるのでは?」と不安になる気持ちはわかりますが、自分を良く見せようとしすぎて嘘をつくと後から苦しくなるのは自分です。自分らしく快適に働き続けるためにも、等身大の自分を偽ることは避けましょう。

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ジャンル別! 読書の趣味からアピールできる強み

ジャンル別!読書の趣味からアピールできる強み

読書の趣味を就活でアピールする際、本のジャンルによって異なる強みを主張できます。小説から得られる想像力や、ビジネス書から学べる目標設定力など、自身に合った強みを本のジャンルとリンクさせてアピールしたいところです。

ここでは読書のジャンル別にアピールできる強みについて解説していきます。自分が普段読んでいるジャンルの強みを理解することで、面接やエントリーシートでより効果的に自己アピールができるようになります。

読書から得られる強みを効果的にアピールするには、こちらの記事もチェックしておきましょう。強み別で採用担当者を惹きつける自己PRの例文や、強みの言い換え表現を紹介しています。

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強み別の自己PR例文17選|63の言い換えも活用して選考突破

この記事では、就活生向けに自己PRの例文を強み別で紹介する記事です。キャリアコンサルタントの解説を交えつつ構成の作成方法や書き方・話し方も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

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強み別の自己PR例文17選|63の言い換えも活用して選考突破

小説:豊かな想像力や語彙力

小説を読むことで、豊かな想像力と幅広い語彙力を育むことができます。多様な物語や登場人物に触れることで、さまざまな状況や感情を想像する力が養われるのが、小説の魅力です

この想像力は、ビジネスシーンでの創造的な問題解決や新しいアイデアの創出に役立ちます。また、小説を通じて学んだ多彩な文章表現は、プレゼンテーションやレポート作成時の説得力ある文章を作ることにつながります。

これらの強みを面接でアピールすることで、創造性豊かで柔軟な思考ができる人材であるという印象を与えやすくなるのです。

たとえば、「読書で培った想像力で顧客の気持ちを深く理解し、最適な提案をすることにつなげたい」といった形で、小説から得た能力を具体的な業務に活かす方法をアピールできます。

趣味で読んでいる小説が特定のジャンルに偏っていても良いですか?

永田 修也

プロフィール

ジャンルの幅は広いほうが面接官との話題作りにつながる

特定のジャンルに偏っていても問題ありませんが、できれば1つだけよりも2〜3つほどジャンルを挙げたほうが面接官との話題作りに役立ちます。

ただ、読書を通して想像力や語彙力を磨いたことを伝えられれば、特定のジャンルに偏っていたとしてもマイナスにはなりません。

しかし、ある小説を通して「想像力がある」「語彙力がある」と伝えても面接官はあまりピンとこない可能性が高いです。

そのため、「私なら御社の業務の〇〇な場面で〇〇を駆使して問題解決が可能である」と伝えることができると、具体的にどのような活躍をしてくれるのかをイメージしてもらいやすくなります。

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ビジネス書・自己啓発本:目標設定力や向上心

ビジネス書や自己啓発本を読んでいる人は、目標設定力や向上心の高さをアピールできます。これらの本から学んだ成功事例や効果的な戦略は、自身のキャリアプランや業務目標の設定に活かすことが可能です。

また数ある本のなかでも、ビジネス書を好んで読む人はビジネス面での向上心が特に高いことを示せるので、入社後も継続して自分から行動してスキルアップできるような印象を与えやすいです

なお、面接では「ビジネス書から学んだ時間管理術を業務に活かし、チームの目標売上額達成につなげたい」のように、ビジネス書から得た知識を具体的な業務改善に活かす方法まで伝えることで、読書の趣味を効果的にアピールできます。

富岡 順子

プロフィール

ビジネス書や自己啓発本を読むことが趣味であると伝える際は、読み始めたきっかけや、読んだことで大学でのゼミや部活動、アルバイトなどの日常生活にどのように活かし成長できたかが伝わるストーリーがあると良いです。

特に、読書を問題解決に役立てていることが伝わると向上心のアピールになります。

歴史書:長期的な視野や洞察力

歴史書を読むことが多い人は、長期的な視野や洞察力を身に付けていることをアピールできます。過去の出来事や時代の流れを学ぶことで、現在の状況を俯瞰的に見る力や、将来の展望を描く能力が培われやすくなります

長期的な視野を持っていると、企業の中長期的な戦略立案や市場動向の分析に役立ちます。また、歴史的事象から学ぶ洞察力は、現代のビジネス課題に対する新たな解決策を見出すヒントになるかもしれません。

これらの強みを面接でアピールすることで、洞察力に優れた人材という印象を与えられます。

具体的には、「歴史書から学んだ過去の経済変動の知識を活かし、現在の市場動向を分析し、将来のビジネスチャンスを見出したい」のように、歴史書から得た視点を志望先企業のビジネス戦略に結びつける方法まで説明することで、より効果的に伝えることができます。

古田 文子

プロフィール

日本の戦国時代や三国志には「軍師」がいて、さまざまな戦略を展開しています。そこから学ぶ知恵や発想の転換を得たことはアピールになります。

ただし、面接官が歴史に詳しくない人には話が通じにくいため、可能であれば別のジャンルも併せて触れるのがおすすめです。

海外文学:異文化への興味や柔軟性

海外文学を読んでいる人は、異文化への興味や柔軟性を持っていることをアピールできます。さまざまな国の物語や価値観に触れることで、多様な文化や考え方を理解し、受け入れる姿勢が養われていることをアピールしやすくなります。

異文化への理解と柔軟性は、グローバル化が進む現代のビジネス環境で重要です。海外の取引先や同僚とのコミュニケーション、多様な顧客ニーズへの対応など、さまざまな場面で活かせる能力となります

これらの強みを面接でアピールする際は、「海外文学から学んだ異文化の価値観を活かし、多様な背景を持つ顧客のニーズを深く理解し、的確なサービス提供につなげたい」といった形で、海外文学から得たことを具体的な業務に活かす方法まで説明しましょう。

これにより、入社した後の自分がどのように事業に貢献するかまで考えていることをアピールできます。

永田 修也

プロフィール

海外文学に関する知識を突然アピールされても、面接官にとって馴染みがなければ話が広がらない可能性があります。まずは海外文学に触れるに至った経緯から説明するほうが、本の内容への興味につながります。

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哲学書:深い思考力や探究心

趣味で哲学書を読む人は、深い思考力や探究心を持っていることをアピールできます。哲学の複雑な概念や抽象的な問いに取り組むことで、物事の本質を見抜く力や、既成概念にとらわれない思考が養われるのです

この深い思考力は、ビジネスにおける根本的な課題の発見や、革新的な解決策の創出に役立ちます。また、探究心は新しい分野への挑戦や継続的な学習意欲につながり、変化の激しい現代のビジネス環境で重要な資質となります。

これらの強みを面接でアピールする際は、「哲学書から学んだ当たり前を疑うような批判的思考力を活かし、顧客の潜在的ニーズを発見し、新規事業の提案につなげたい」といった形で、哲学的思考を具体的なビジネス活動に結びつけると効果的です。

哲学書を読んでいることを選考でアピールする際、本のタイトルや内容まで詳しく説明すべきでしょうか?

吉田 文子

プロフィール

面接官の立場に立って説明を工夫する視点が必要

歴史に名を残している哲学者や、哲学に関する書籍の著者に詳しい面接官ばかりではないので、著者やタイトル、誰が書いた何についての書籍なのかといった概要は説明したほうが親切です。

面接官が掘り下げて知りたいと思えば追加で質問が来るはずなので、深掘りされても答えられるように答えられるように準備しておきましょう。

科学関連書籍:分析力や論理的思考力

科学関連の書籍を日頃から読んでいる人は、優れた分析力や論理的思考力を持っていることをアピールできます。科学的な方法論や実証的なアプローチに触れることで、データに基づいた判断や体系的な問題解決ができることを強みとして伝えやすくなります

分析力や論理的思考力は、ビジネスにおける意思決定や戦略立案に不可欠です。市場調査データの解釈や効果的なプロジェクト管理など、さまざまな場面で活用できる能力といえます。

これらの強みを面接でアピールする際は、「科学書から学んだ統計的手法を活用し、顧客データを分析して潜在的なニーズを発見し、新商品開発に活かしたい」といった形で、科学的思考を具体的なビジネス課題の解決に結びつけることで、より効果的に伝えやすくなります。

富岡 順子

プロフィール

仕事をする際に論理的思考を用いたり、データを活用したりすることは、今後ますます重要となってきます。

科学関連書籍を読むのが趣味であることを伝えるなら、科学的な内容に関して自分の言葉でわかりやすく相手に説明できるようにしておくと信頼感が増します。

趣味「読書」が評価されやすい業界・職種はある? 就活のプロが解説

本のジャンル別に読書の趣味からアピールできる強みを解説しましたが、いざ就職先を考える際にどのような業界・職種で読書の趣味が評価されやすいのか、あまり想像がつかない人もいるのではないでしょうか。

業界や職種ごとの特性まで理解することで、自身の趣味をより効果的にアピールできる就職先を見つけやすくなります。ここではキャリアコンサルタントの永田さんに、読書の趣味が評価されやすい業界・職種について詳しく聞きました。

アドバイザーコメント

読書をすることで得られる能力を整理しよう

読書することで身に付くものとして、読解力・知識量・語彙力・文章力といった学習面と、論理的思考力・集中力・想像力」といったスキル面に分けられます。

そのため、読書することが直接的に評価されるというよりも、その行為によって身に付く能力が重要視されると考えられるのです。

読書で得たことと仕事内容をリンクさせるのがコツ

読書が趣味であることを伝えることで優位に働く業界としては、メーカー、商社、マスコミ、IT、官公庁、金融、などあらゆる業界であり、読書で培った能力があればいずれの業界・企業でも多岐にわたって活躍しやすくなります。

たとえばマスコミを志望する場合であれば、読書が趣味であることを伝える際には最新の小説やベストセラーの本を話題に出すことで、情報収集力をアピールできます。マスコミ業界では大勢の人々に向かって最新の情報を伝える必要があるので、流行のものを敏感に察知する能力があることを証明できるように伝えるのがコツです。

また、好きな本のタイトルや作家名を伝えるのも話題作りに有効です。よく読む本のジャンルや読書の頻度も付け加えると、面接官も学生の能力をイメージしやすくなるかと思います。

差別化しよう! 履歴書で「趣味は読書」を効果的に伝えるポイント

差別化しよう! 履歴書で「趣味は読書」を効果的に伝えるポイント

  • 「趣味は読書」という結論から書く
  • ジャンルや作品名を具体的に書く
  • 読書量や頻度などの数値で印象付ける

読書の趣味が評価されやすい業界・職種について理解できたところで、次は実際の就活でどのように活かすかが重要になってきます。特に、エントリーの入り口となる履歴書では、読書の趣味をどのように記載すれば良いのか悩む人も多いのではないでしょうか。

ここでは、履歴書で「趣味は読書」を効果的に伝えるポイントについて解説していきます。これらのポイントを押さえ、単なる「読書好き」ではなく、読書を通じて培った能力や姿勢を業務に活かせる人材であることをアピールしましょう。

「趣味は読書」という結論から書く

履歴書で読書の趣味をアピールしたい場合、自己PR欄などで「趣味は読書です」という結論から書き始めることが効果的です。この明確な表現をすることで読書が単なる趣味ではなく、選考であなたの強みや特徴を表す重要な要素であることを即座に伝えられます

次に「多様な価値観を学び、視野を広げるために読書に励んでいます」といった形で展開し、読書が単なる娯楽ではなく、自己啓発や能力開発の手段であることを示しましょう。

さらに、「特に小説を通じてさまざまな視点や価値観を学び、サークル活動での人間関係の円滑化に活かしています」のように、読書から得た知識の実践例を挙げることで、趣味が仕事にも活かせることをアピールできます。

まずは「趣味は読書です」と結論から書き始めることで、差別化すると同時に面接官の注目を集め、印象に残る履歴書に仕上げましょう。

読書の趣味を自己PRに活かしたい人は、こちらの記事もチェックしておきましょう。自己PRの書き方4ステップや自己PRの書き出しで差別化する方法を解説しています。

書き方4ステップ
自己PRは4つのステップで簡単に書ける! テンプレートと例文付き

書き出しの工夫
自己PRは書き出しで命運が決まる! 人事を惹き込むコツを大解剖

ジャンルや作品名を具体的に書く

履歴書の趣味欄や自己PRで読書をアピールする際、特定のジャンルや具体的な作品名を挙げることで、あなたの専門性や興味の深さを伝えやすくなります。たとえば、「〇〇業界に関する本を中心に読んでおり、特に△△著者の『××』から多くの影響を得ました」と書くことで、志望業界への関心と専門的な知識の獲得をアピールできます。

また、志望する職種や業界に関連する本を挙げることで、その分野への熱意を示すことも可能です

たとえば、営業職を志望する場合、「□□の著名な実務家が執筆した『◇◇』を通じて顧客志向の重要性を学びました」のように、書籍から学んだことまで言及して専門知識への探究心と実践的な学びをアピールするのがおすすめです。

ただし、ここで取り上げる作品は面接で質問される可能性が高いので、内容をしっかり理解し、自分の言葉で説明できるものを選びましょう。

読んだ本をあまり教えたくないのですが、趣味の読書を選考で活かすには本のタイトルや内容をある程度伝えたほうが良いですか? 

富岡 順子

プロフィール

読んだ本を必ずしも明確に伝える必要はない

読んだ本を教えたくないのであれば、教えなくても問題ありません。そもそも厚生労働省は、企業が学生に質問する内容として「あなたはどんな本を愛読していますか」と聞くことを不適切としています。

しかし、あなたが「趣味は読書」ということを通して能力や人間性を自己PRしたいのであれば工夫が必要です。

本のタイトルや内容を伝えずに趣味の質問に有効に回答したい場合は、本を読むことでどんな力が身についてきたのかを聞き手が納得できるように話をしてみてください。

読書量や頻度などの数値で印象付ける

履歴書で読書の趣味をアピールする際、具体的な数値を用いることで、その熱心さや継続性を効果的に伝えやすくなります。

たとえば、「月に5冊以上の本を必ず読んでいます」や「年間50冊以上の読書を10年間継続しています」といった具体的な数字を取り上げることで、読書への取り組みが真剣であることをアピールできます。

また、「1日30分以上の読書時間を確保しています」のように、日常的な習慣として定着していることを示すのもおすすめです。忙しくなりやすい就活中でも読書を続けていることを伝えれば、入社後に業務が忙しい日々でも自己研鑽を継続できることをアピールできます。

「趣味は読書」といえる基準は? 読書量や頻度の目安

「趣味は読書」といえる基準の一つの目安として、月に4冊以上の本を読んでいることが挙げられます。これは週に1冊以上のペースです。ただしこの数字はあくまで目安であり、読む本の難易度や長さ、個人の読書速度によっても変わってきます

たとえば、難解な専門書や長編小説の場合、1冊に費やす時間が長くなるため、月に2〜3冊でも「読書が趣味」と十分言えるかもしれません。逆に、短編小説やビジネス書なら、月に7〜8冊読んでいる人も多いでしょう。

なお、読書量よりも重要なことは、継続的に読書する習慣を持っているかです。「毎日30分以上読書の時間を確保している」「週末にまとまった時間を読書に充てている」など、定期的に読書を楽しんでいる状態であれば、「読書が趣味」と伝えて問題ありません。

また、読んだ本の内容を理解し、自分の考えや行動に反映させているかどうかも重要です。量だけでなく質も重視し、読書を通じて得た知識や視点を日常生活やビジネスシーンで活用できていれば、就活で十分に活かせる「趣味」といえます。

読書の趣味を選考でアピールする際は、ほかの学生よりもたくさん本を読んでいるほうが有利ですか? 

永田 修也

プロフィール

読書で重要なポイントは量だけではない

もちろん数をたくさん読んでいれば、それに応じて知識量も比例して増えていきます。しかし、ただ量をこなすことが目的になってしまって「何のために読むのか」を見失ってしまうと、読書によって得られるメリットも薄れてしまいます。

多くの本を読むことで身につけた知識やスキルをアピールすることも大事ですが、読書をするために気をつけていることや習慣などについて話をすることでパーソナルな部分を理解してもらえる利点もあります。

「たくさん読んでいてすごいだろう」とアピールするようなほかの学生と差別化も図れるため、読書量に自信がないなら質を意識してみてください。

面接官を惹きつける! 「趣味は読書」を魅力的に伝える構成3ステップ

面接官を惹きつける! 「趣味は読書」を魅力的に伝える構成3ステップ

  • 読書が好きな理由を明確に説明する
  • 読書から得た具体的な学びを表現する
  • 読書が自己成長にどのようにつながったかを述べる

面接で趣味が読書であることを話す際は、単に「本を読むのが好きです」というだけでは、その魅力を十分に伝えきれません。面接で伝える際には履歴書の場合と異なり、読書を通じて得た具体的な価値や成長を示すことが重要です。

ここでは「読書の趣味」を面接で魅力的に伝えるための3つのステップについて解説していきます。これらのステップを押さえることで、読書を通じて培った能力や姿勢を効果的にアピールし、ほかの候補者との差別化を図れます。

読書の趣味を面接で伝える準備をする前に、こちらの記事もチェックしておきましょう。ES通過後から面接直前まで段階ごとに必須の準備方法や、ほかの学生と差をつける方法まで解説しています。

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①読書が好きな理由を明確に説明する

読書が好きな理由を明確に説明することは、自身の価値観や思考プロセスを面接官に伝えることにつながります。たとえば、以下のように具体的な例を挙げることが重要です。

読書が好きな理由の例

  • 新しい知識や視点を得られることが楽しいから
  • 想像力を働かせて物語の世界に没頭できるから
  • 自分の考えを深められるから
  • さまざまな経験や人生を疑似体験できるから

さらに、読書が好きな理由がどのように形成されたのか、幼少期の経験や特定の本との出会いなどのエピソードを交えて説明するとより印象を残しやすくなります

また、その理由が仕事にどう活かせるかまで言及することで、読書が単なる趣味以上の価値を持つことをアピールするのも有効です。

②読書から得た具体的な学びを表現する

次に、読書から得た具体的な学びを表現することで、あなたの知識の深さや思考力をアピールできます。特定の本から学んだビジネス理論や歴史的洞察、人生の教訓などを挙げ、それがどのように自分の考え方に影響を与えたかを説明しましょう

たとえば、「〇〇という本から、リーダーシップの本質はメンバーからの信頼関係を得ることだと学びました」「××という小説を通じて、多様性の重要性を理解しました」のように具体例を挙げるのがおすすめです。また、複数の本から得た知識を関連付けて独自の見解を述べられれば、さらに印象を残しやすくなります。

ただし、本の内容を単に要約するのではなく、そこから何を考え、どのような気付きを得たかを自分の言葉で表現することが重要です。これにより、単に本を読んでいるだけでなく、本から学んだことを生活に活かしていることをアピールできます。

小説を読むのが趣味なのですが、得た感性や想像力をビジネスに役立つ強みとしてうまく表現するコツはありますか?

古田 文子

プロフィール

発想力・行動力・企画力をキーワードに考えてみよう

読んでいる小説のジャンルにもよりますが、たとえば近未来を舞台にしたSF小説を読んでいるなら、作者が考える近未来の描写から自分が持っている最大限の想像力を活かして「近未来にくるかもしれない消費者ニーズ」などを自分なりに考えることができるかもしれません。

このようにビジネスとリンクさせて伝えることで、「どんな商品やサービスを開発すれば良いのか」「どうすればそれを採算が合うように提供できるか」といった実現に向けて動くことができる発想力・行動力・企画力のある人材だと判断してもらえるかもしれません。

③読書が自己成長にどのようにつながったかを述べる

読書から得た学びを伝えた後は、その経験や知識が自己成長にどのようにつながったかを述べることで、読書が自身の生活や就活などに役立ったことをアピールできます。

たとえば、「ビジネス書を読むことで論理的思考力が向上し、インターンシップでの課題解決に活かせました」「さまざまなジャンルの本を読んで培った多角的な視点が、友人との良好な人間関係を築くことに役立っています」といった具体例を挙げると効果的です。

また読書を通じて培った能力が、志望する職種や業界でどのように活かせるかまで言及できれば、さらに説得力が増します。「歴史書から学んだ長期的視点は、マーケティング戦略の立案に役立つと考えています」のように、読書と自己成長、そして将来のキャリアを結びつけて説明することで、読書に対する真剣な姿勢と志望度の高さをアピールできます。

読書の趣味を持つ学生に対して、企業が期待することは何でしょうか?

富岡 順子

プロフィール

読書が趣味というだけでさまざまな能力が認められやすい

向上心、集中力、文章力、語彙力、教養などさまざまな能力や知識を持つ学生を企業は期待しています。

昨今は動画コンテンツが充実しているので、本ではなく動画から学ぶ人も多くいます。動画は視聴者にわかりやすく解説してくれていて、待っていれば流れてくるのでインプットが楽な部分があるといえるかもしれません。

一方で、本は活字を読まなければ情報が入ってこなかったり、難しい言葉や文章を理解する能力も必要とされたりする点から、読書ができる学生は一定の能力が知識を有していると判断されやすいのです。

端的に言えば、コツコツと仕事を頑張ってくれそうだという印象を与えることができるでしょう。

読書が好きな理由別! 履歴書・面接で読書の趣味を伝える例文7選

選考で読書が好きな理由を適切に説明できれば、あなたの人柄や能力を印象付けるアピールポイントになります。しかし、具体的にどういう内容を伝えたら良いのかイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。

ここでは読書が好きな理由別に、履歴書や面接で使える具体的な例文を7つ紹介します。これらの例文を参考に自分の言葉でアレンジし、面接官に印象深く自分の魅力を伝えられる文章を考えてみてください。

趣味・特技欄で読書の趣味を効果的にアピールしたい人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。趣味・特技欄で企業が注目することや、印象に残る書き方まで解説しています。

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例文60選|ESの趣味・特技欄で自分らしさをアピールするコツ

例文①自分の生き方や考え方に良い影響を与えるから

履歴書の趣味欄の例文

読書(多様な価値観に触れられて、自己成長につながるため)

面接の例文

趣味は読書です。さまざまなジャンルの本を通じて、自分の生き方や考え方に良い影響を与えるところが好きです。たとえば、「〇〇」という本を読んで、日々の小さな積み重ねが人生を豊かにすることを学びました。

この本から、継続することの大切さと、自分のペースを大切にする姿勢を身に付けました。読書を通じて新しい視点や考え方に触れ、自分自身を成長させられることが魅力だと感じています。

古田 文子

プロフィール

履歴書や面接で「自分の生き方や考え方に良い影響を与えた」という理由で読書の趣味をアピールしたい場合、読む本に影響されて自分の生き方や価値観が二転三転しないように注意しましょう。

第三者には「ただの受け売り」「影響されやすい」「一貫性がない」と思われる恐れがあります。

例文②日々新しい知識を得られるから

履歴書の趣味欄の例文

読書(幅広い知識を獲得し新しい視点で物事をとらえられるため)

面接の例文

読書が好きな理由は、日々新しい知識や視点を得られるためです。先日読んだ「〇〇」では、人類の歴史を通して社会の変遷を学び、物事を長期的な視点で見る大切さを感じました。

このように、読書を通じて常に新しい発見があり、世界の見方が広がっていくのが魅力だと感じています。知的好奇心を持ち続け、さまざまな分野に興味を持つ自分であり続けたいと思います。

永田 修也

プロフィール

上記の例文に関して、新しい視点で物事をとらえるというのはとても説得力のある主張といえます。

面接官からすれば、仕事の中でも改善するために自ら進んで問題解決に励んでくれそうなイメージを持たれ、非常に好印象に映る可能性があります。

例文③語彙力が向上して仕事や勉学に活かせるから

履歴書の趣味欄の例文

読書(語彙力が向上し効果的なコミュニケーションに活かせるため)

面接の例文

読書の趣味を通じて向上した語彙力を、実際の業務でのコミュニケーションに活かしていきたいと考えています。さまざまなジャンルの本を読むことで、多様な表現や言い回しを学び、それらを組み合わせて自分の考えをより正確に伝えられるようになりました。

たとえば、ビジネス書からは専門用語や効果的な説得のテクニック、文学作品からは情緒的な表現や比喩を学びました。これらの幅広い語彙や表現方法を活用することで、プレゼンテーションでより説得力のある発表ができるようになったと感じています。

富岡 順子

プロフィール

面接で大切なことは相手とのコミュニケーションです。読書を通して語彙力を磨いたことをアピールしたいと思うあまり、相手が困ってしまうような難解な言葉を使ってしまうことは避けましょう。

読書で培った語彙力を活かすには、難解な言葉を平易な言葉へと言い換えるバリエーションを広げることを意識するのがポイントです。

「楽しかった」「嬉しかった」などの感情表現や、「思います」「したいです」などの文末の表現が単調にならないよう、読書を通して得た語彙力を駆使しながらどのように工夫できるか考えてみてください。

例文④モットーや指針となる言葉に出会えるから

履歴書の趣味欄の例文

読書(人生の指針となる言葉に出会えて、日々の行動に活かせるため)

面接の例文

読書の趣味を通じて出会ったモットーや指針となる言葉を、実際の業務姿勢や目標設定に活かしていきたいと考えています。たとえば、〇〇という本から学んだ「成功とは最後まで情熱を失わないこと」という言葉は、困難な業務に直面した際の指針として活用できます。

プロジェクトが行き詰まったときや、チーム内で意見の対立が生じたときにこの言葉を思い出し、前向きな姿勢で問題解決に取り組みたいです。

また、キャリア形成においても読書から得たさまざまな人生哲学を参考に、自身の長期的な目標設定や日々の行動指針を明確にし、着実に成長していけると考えています。

名言などを本から引用する場合、一般的にあまり知られていないマイナーな本や言葉を選ぶのはやめておいたほうが良いでしょうか?

永田 修也

プロフィール

わかりやすく伝える説明能力があれば伝えてOK

自分の人生に影響を与えた言葉を伝える際に、一般的にあまり知られていない内容だからといってマイナス印象になるということは考えにくいです。

問題になるとしたら、なぜその言葉に影響を受けたのかという説明が曖昧になってしまい、結局何を伝えたいのかわからなくなってしまうという状況になることです。

面接官からすると、知らないフレーズなだけに情報を理解することが難しくなってしまいます。マイナーな本や言葉を引用したい場合はより一層、相手が理解しやすいように伝える練習を日頃からしておきましょう。

例文⑤想像力が養われるから

履歴書の趣味欄の例文

読書(物語の世界を通じて想像力を養えるため)

面接の例文

趣味は読書です。特に小説を読むのが好きで、登場人物の心情や描かれた世界観を想像することが楽しいです。たとえば、「〇〇」という本を読んだときは、現実とは異なる世界観に引き込まれ、自分の想像力が大きく広がるのを感じました。

趣味の読書を通じて想像力を養うことで、日常生活でも物事を多角的に見たり、新しいアイデアを生み出したりする力が自然と身についていると感じます。常に柔軟な発想を持ち、創造的な思考をしやすくなったのは読書のおかげだと思っています。

小説を通して得られる想像力が現実離れしていて、仕事に活かせないととらえられないか不安です……

富岡 順子

プロフィール

想像力は他者とのコミュニケーションにも必須

大切なのは小説の世界観を語ることではなく、読んで身についた想像力や視点を仕事にどう活かせそうか言語化することです。大学共通テストでも小説が出題されるのは、高校生が小説を読むことに意味があるとされているからです。

小説ではさまざまな価値観や、社会のあり方が描かれていることが多いです。現実離れしている作品でも現代の社会や仕事にリンクさせられる部分があるのです。

仕事をすると学生時代よりもより多様な人々と関わる機会が増えます。自分の当たり前と他人の当たり前が違うという想像力を持っている人ほど、コミュニケーションがうまくやっていけるでしょう。

例文⑥論理的思考力が身に付くから

履歴書の趣味欄の例文

読書(文章の構造を理解することで、論理的思考力が身に付くため)

面接の例文

読書の趣味を通じて身に付けた論理的思考力を、実際の業務における問題分析と解決に活かしていきたいと考えています。たとえば、〇〇という本から学んだ論理展開の手法は、プロジェクト計画の立案に活用できます。

複雑な課題を体系的に整理し、原因と結果の関係を明確にしながら、効果的な解決策を導き出したいです。また、データ分析やレポート作成の際にも、読書で培った論理的な構成力を活かし、説得力のある提案や報告ができると考えています。

この論理的思考力をもとに、チーム内でのディスカッションをリードし、合理的な意思決定に貢献できる人材を目指します。

古田 文子

プロフィール

読書で培われたスキルをフル活用してできる範囲のことをわかりやすく説明できていると思います。実際には、読んだ本の内容を追加で質問される可能性があるため、要約した回答を準備しておくと良いでしょう。

例文⑦没頭してストレス解消になるから

履歴書の趣味欄の例文

読書(本の世界に没頭することがストレス解消になるため)

面接の例文

読書の趣味を通じて得られるストレス解消効果を、実際の業務におけるメンタルヘルス管理に活かしていきたいと考えています。読書に没頭することで、日々の仕事の緊張や悩みから一時的に離れ、心身をリフレッシュする習慣が身に付きました。

たとえば、締め切りに追われる状況やプレゼンテーションの前など、ストレスが高まる場面において、短時間でも読書の時間を作ることで気分転換ができ、その後の業務に集中力と落ち着きを持って臨めるようになりました。

読書に没頭する経験を重ねることで、冷静さを保つ能力が自然と身についたと感じています。

永田 修也

プロフィール

履歴書や面接で「本の世界に没頭することがストレス解消になる」という理由で読書の趣味をアピールしたい場合、意識すべき点や気をつけるべき点を教えていただきたいです。

本の世界に没頭することをストレス解消に役立てているというのは、とても良い読書の活用法といえます。仕事で少なからずストレスを受ける場面が想定される中で、自分だけのストレス対処法を持っていることは強みとなるからです。

読書によるストレス解消スキルを仕事にも活かしパフォーマンスを発揮する準備は整っていることを、採用担当者に理解してもらえるよう強調して伝えましょう。

準備しておこう! 「趣味は読書」への深掘り質問と回答例

面接で「趣味は読書です」と答えた後、面接官からさらに詳しい質問を受けることがあります。これらの質問に対してうまく返答できないと、読書の趣味をうまくアピールできなくなるかもしれません。

ここでは「趣味は読書」と答えた後に想定される深掘り質問と、それに対する回答例を紹介します。想定できる質問に対して適切な準備をしておくことで、読書を通じて得た知識や経験を効果的にアピールしましょう。

面接で趣味の読書を効果的に伝えられるか不安な人は、こちらの記事もチェックしておきましょう。面接官が趣味を聞く意図や、悪い印象を残さないためのポイントまで解説しています。

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読書が好きな理由は何ですか? 

回答例

新しい知識や視点を得られるからです。本を通じてほかの人の考え方や経験に触れることで自分の視野が広がり、物事を多角的にとらえる力が身に付きました。

また、想像力を働かせて物語の世界に没頭できる点も読書の魅力です。これは業務でも問題の解決方法や新しいアイデアを考える際に役立つと考えています。

富岡 順子

プロフィール

読書が好きな理由を問われるのは、面接官が学生の人物像をより深く知ろうとしているからです。物事を好きな理由を深掘りすると、その人がどういった人柄なのか、どんなことに興味関心があるのかを知ることができます。

回答をするうえで意識すべき点は、上記例文のように読書をすることで自分にどのような気付きや成長があったかをはっきりと伝えることです。

どのような本を読むことが多いですか? 

回答例

ビジネス書と小説を中心に読んでいます。ビジネス書からは実践的なスキルや最新のトレンドを学び、小説からは多様な価値観や人間の心理に触れることを楽しんでいます。

特に、リーダーシップや組織論に関するビジネス書と、歴史小説を好んで読んでおり、この組み合わせで、理論と感性のバランスを取りながら自己成長につなげています。

好きな本の種類が多い場合、そのすべてを面接で取り上げてしまっても良いのでしょうか?

永田 修也

プロフィール

多くの種類を挙げすぎることはおすすめしない

個人的には、一番好きなジャンルに絞って伝えるほうが良いのではないかと思います。「能ある鷹は爪を隠す」ではないですが、自分の読書経験に自信があるのであれば、面接官から質問された時に素早く的確に答えられるだけでも「この人は本当に好きで知識があるのだな」と思わせることができます。

そのため、一番自信があるジャンルをチョイスして自分のフィールドで戦うことをおすすめします。

その本が好きな理由はありますか? 

回答例

はい、この本の〇〇という考え方が、私の視点を大きく変えてくれたからです。著者の経験に基づいた具体的なアドバイスが、御社を志望する前におこなった自己分析で活用できました。

また、読みやすい文体でありながら深い洞察が得られる点も、この本の大きな魅力だと感じています。

古田 文子

プロフィール

面接官は「趣味は読書」「好きな本は◯◯」という回答に対して、それらがテンプレートではないことを確認するために追加で質問することがあります。

そのため、その本が好きな理由について回答する際は本当に読んだ人でないとわからないことを答えるのが良いでしょう。

心に残っているシーンや言葉はありますか? 

回答例

〇〇という本の「△△」という言葉が特に印象に残っています。

この言葉は、困難に直面した時の心の支えになっていて、実際に学園祭のプロジェクトを実行するうえで行き詰まった際、この言葉を思い出して粘り強く取り組み、最終的に成功に導くことができました。

今後もこの言葉を指針として、困難を乗り越えていきたいと考えています。

面接で好きな本に関する内容を聞かれて、しっかり思い出せるか不安です……

富岡 順子

プロフィール

いつでも思い出せる工夫を実践するのがポイント

面接の準備をするとき、手元に本があればパラパラとでも良いのでめくって思い出せる準備をしておけると良いです。

また、気に入っている言葉は書き出して整理しておくと、面接で質問されたときにも答えやすいです。ネットで調べてどんな内容だったか概要を振り返っておくのも良いでしょう。

就活に余裕があるのであれば、読書記録ノートを作るのもおすすめです。私も読書が好きなのですが、読み終えてしまうと内容を忘れてしまうことが多くあります。

今は文庫サイズの読書記録ノートを購入し、タイトル、作者、内容を書き留めています。こうしてまとめておくと振り返りやすく、内容も短時間で確認しやすくなります。

読書でどのような学びを得ましたか? 

回答例

読書をすることで多様な視点で物事をとらえる力と、継続的に学ぶ姿勢を得ました。さまざまなジャンルの本を読み、一つの問題に対して複数のアプローチがあることを学び、柔軟な思考力が身に付きました。

また、読書を通じて新しい知識を得る喜びを知り、生涯学習の重要性を実感しました。

永田 修也

プロフィール

上記の例文は、「多様な視点でとらえる力」と「継続的に学ぶ姿勢」の2つがあると冒頭で的確に返答ができている点が良いと思います。

ただ、後者の理由について明確な説明がないので、挙げた結論に対してしっかりと説明がなされるとより良くなります。

面接で読書以外の質問にも備えたい人には、こちらの記事がおすすめです。幅広い内容の面接の質問や、質問に回答する4つのポイントを解説しています。

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要注意! 趣味の読書をアピールする際の3つのNG

要注意! 趣味の読書をアピールする際の3つのNG

  • 本の説明だけになってしまう
  • 最近読んだ本を答えられない
  • 読書量を誇張する

履歴書や面接で読書の趣味を伝えるうえで適切なアピールができれば、読書を通じて得た知識や能力を効果的に示すことができますが、一方で避けるべきポイントもあります。

ここでは読書の趣味をアピールする際の3つのNGについて解説します。これらの点に注意し、より説得力を持って面接官に伝えられるようにしましょう。

本の説明だけになってしまう

読書の趣味をアピールする際、本の内容説明だけに終始してしまうのは避けましょう。単に物語のあらすじや著者の主張を述べるだけでは、あなた自身の思考力や学習能力をアピールすることができません。

重要なのは、その本から何を学び、どのように自己成長につなげたか、さらにはその学びをどのように実践や今後のキャリアに活かそうとしているかを説明することです

たとえば、「〇〇という本からスケジュール管理の重要性を学び、それを学園祭のイベントを企画・準備する際に活用しました」のように、具体的なエピソードを交えて説明するのがおすすめです。

このアプローチにより、読書が単なる趣味ではなく、あなたの成長や能力向上に直結していることを示すことができ、面接官に強い印象を与えられます。

本の説明を端的に伝えたいのですが、どうしても話が長くなってしまいます……。

古田 文子

プロフィール

読書で得たことを要約するスキルを磨こう

読んだ本の内容を端的に伝えたいのに長くなってしまう時点で、要約や簡潔にまとめるスキルが育っていないことが明らかになってしまいます。

要約できることを示せることで、読書を通して仕事に役立つスキルを身に付けてきたことをアピールできるので、要約力が腕の見せどころともいえます。要約力を磨くコツとして一番早いのは、プロの技を真似することです。

本のカバーのうえに付いている帯に書かれているプロが書いたキャッチコピーや、本の表紙を1枚めくったカバーの折り返しに書かれている本の概要を見ると、その本を読むことで何がわかるのかが簡潔に書かれていたりします。

電子書籍でもカバーは見れるようになっていますので、一度チェックしてみてください。どのように要約し面接の場で伝えたら良いか悩んでいる人には参考になるでしょう。

最近読んだ本を答えられない

「趣味は読書です」と言いながら最近読んだ本を答えられないと、採用担当者に不信感を与えてしまいます。本当に読書が趣味なのか疑問を抱かせ、誠実さに欠けると感じさせてしまうかもしれません。

日々の忙しさで最近読書の時間が取れていないとしても、少なくとも直近で読んだ本とその感想程度は答えられるようにしましょう。面接前には、最近読んだ本や印象に残っている本を数冊ピックアップし、それぞれの内容や学んだことを簡潔に説明できるよう準備しておくことがおすすめです

また、現在読んでいる本や今後読みたい本についても言及できると、読書への継続的な興味と意欲を示すことができます。

最近読んだ本がない人は、こちらの記事がおすすめです。アピールできる愛読書がない人に向けて、おすすめのジャンルと本14選を紹介しています。

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読書量を誇張する

読書量を誇張すると、その量に見合う知識や洞察を示しにくくなり選考で採用担当者からの信頼を失い合否に悪影響を与えるかもしれません。

たとえば、「月に20冊読みます」と過大に主張すると、面接官が予想以上に詳細な質問をしてくる可能性があります。その質問に答えられないと、嘘をついていると判断される恐れがあります。

なお読書の趣味をアピールするうえで読書量はもちろんのこと、質も非常に重要です。実際に読んだ本から得た深い洞察や、それを実践にどう活かしたかを具体的に説明できることが大切なのです

読書量が少なめでも正直に自分の読書習慣を伝え、そこから得た具体的な学びや成長を明確に説明することで、より信頼性の高い自己アピールがしやすくなります。

なお、履歴書で嘘を書くと、合否や将来のキャリアに影響する可能性があります。以下の記事では履歴書の嘘が経歴詐称になりうる内容や、嘘が明るみになる理由も解説しているので、併せてチェックしておきましょう。

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読書の趣味への思いや学びを堂々とアピールして高評価につなげよう

選考で「趣味は読書です」と伝えることは、決して問題ありません。むしろ、適切に伝えることができれば、大きな強みとなる可能性があります。そして、それをどのように仕事に活かせるかを説明することが、高評価につながるポイントといえます。

記事では読書が趣味な人の印象や、ジャンル別にアピールできる強みを解説したので、自分の読書スタイルの魅力を知るうえで参考にしてみてくださいね。

読書の魅力を理解して履歴書作成や面接に臨む際は、解説した効果的な伝え方のポイントや例文7選、深掘り質問への回答例を参考に準備を進めましょう。

アドバイザーコメント

読書習慣は大人になるほど重要視される強みの一つ

読書って楽しいですよね。私は学生の頃はほとんど本を読まずに過ごしてきたのですが、キャリア支援の仕事をするようになってからは欠かせないものになりました。

専門的な知識を学ぶこともあれば、色々な人の生き方を知りたくて読むこともあります。知らないことを知って、自分の世界が広がっていくことにワクワクします。

今から本を読む習慣が付いている人は仕事でも必ず役に立ちますし、読書経験があなたを助けてくれるでしょう。

読書習慣を積極的にアピールして就活を有利に進めよう

面接官の中にも読書が趣味という人は多く存在します。そういった面接官は、学生がどんな本を読むのか知りたいと思っていることが多いです。

しかし、前述したように面接で愛読書に関して質問することはNGとされています。本来自由であるべき事項や思想・信条に関わる部分をもとに選考することは就職差別につながる恐れがあるとされているからです。

そのため、読書に関して企業側から質問することはできません。しかし、学生側から読書が趣味であることを伝え、読書を通して身についた力を自己PRとすることはかまいません。

むしろそうしたアピールは就活で必ず活きてきます。読書の趣味を就活に活かそうとしているなら、この機会に自分にとっての「読書」を見つめ直してみてください。新たな魅力を発見できるかもしれません。

読書習慣は就活で終わりでなく、人生を豊かにしてくれるものだと改めて理解しておくことで就活を有利に進められます。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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