この記事のまとめ
- 器用貧乏な人は就活で2つの悩みに陥りやすく対策が不可欠
- 器用貧乏を活かせる! 向いている企業の特徴や職種を紹介
- 器用貧乏な人の差別化のコツを押さえれば就活がスムーズに進みやすい
器用貧乏という言葉がありますが、その意味や特徴を正確に把握できていますか。器用というポジティブな言葉が含まれますが、短所として使われる熟語です。
しかし、器用貧乏は武器にもなる特徴です。特に仕事では、器用貧乏を活かせる場面が多くあるため、それを把握することで、自分の強みを活かしいきいきと働ける職場を見つけられますよ。
記事では、キャリアアドバイザーの遠藤さん、田邉さん、小松さんとともに、器用貧乏な人が就活を成功させる方法を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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器用貧乏は就活で2つの悩みに陥りやすい! 克服してスムーズに進めよう
何でもこなせる器用貧乏は苦労が少ないように思うかもしれませんが、就活では2つの悩みに陥りやすい傾向にあります。対策したうえで臨めば、就活をスムーズに進めることができますよ。
記事では、まず器用貧乏の意味を解説します。そもそも器用貧乏の特徴を正しく理解しているのか、自分が器用貧乏といえるのか、確認してみましょう。
そのうえで、器用貧乏な人が就活で陥りがちな悩みを解説します。器用なためさまざまなことをスムーズに進める力があるからこそ、思わぬところで失敗しがちなので、対策するためにまずは課題を把握しましょう。
さらに、器用貧乏な人に合っている仕事や、器用貧乏であることを活かして就活を優位に進める方法を解説します。自分に合う納得のキャリアを必ず見つけることができるので、ぜひ参考にしてください。
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そもそも器用貧乏とは
「器用貧乏」という言葉は、「器用」「貧乏」と関連しない2つの言葉が並ぶ、一見して理解するのが難しい熟語であり、意味を誤って認識している人も多くいます。
まずは器用貧乏の意味を正確に把握しましょう。
器用貧乏とは
器用であることから、さまざまなことに中途半端に手を出してしまい、また他人から都合良く使われてしまい、大成しないこと。
器用貧乏とは、上記の通りネガティブな意味で使われる言葉です。どんなことも器用にこなせる分、努力することができず、一つのことを極められない、抜きん出た成果を挙げられないという意味になります。
また、器用であることから、他人からさまざまな仕事を頼まれてしまい、自分のことに集中できずに成果を挙げられないという意味もあります。
器用貧乏の6つの特徴
器用貧乏の6つの特徴
- 選り好みせずどんな仕事もこなすことができる
- トラブルにも臨機応変に対応できる
- 周囲から頼られやすい
- 視野が広く気配りができる
- すぐに満足してしまい競争心を持ちにくい
- ルーティンワークに飽きやすい
自分が器用貧乏なのかわからない人も多いでしょう。そこで、ここからは器用貧乏な人が持つ6つの特徴を解説します。
就活の選考では、あなたの人柄を問う質問が多くありますが、その回答を考える際にも役立つので、ぜひ参考にしてください。
①選り好みせずどんな仕事もこなすことができる
器用貧乏な人は、文字通り器用です。大抵のことをスマートにこなせるため、何事にも苦手意識を持ちにくくなります。
どんな仕事を依頼されてもこなせることから、マイナスな評価につながりにくく、組織になじみやすい特徴があります。
ただ、求められる最低限のレベルをクリアすることはできても、そこから努力しようと思えずに、ずば抜けた成果を出しにくい特徴もあるのです。
何でもそつなくこなせる器用貧乏タイプの人は、実際には職場でとても重宝します。直属の上司は安心して仕事を任せられ、痒いところに手が届く働きでチームの潤滑油のような存在になることもあります。
しかし、その一方で「都合の良い存在」として扱われることもあり、また人事評価システムに則ると正当に評価されない恐れもあります。1つで良いので自分ならではの強みや特徴を磨き、存在感を打ち出すことが望ましいです。
②トラブルにも臨機応変に対応できる
仕事には、想定外のことが起こるケースが多々あります。たとえば、会社で使うシステムが作動しなくなったり、会社の商品に欠陥が見つかったり、顧客の苦情対応をする必要があったりなどのケースです。
急なトラブルにはパニックになってしまう人も多くいます。しかし、器用貧乏な人は、その器用さを活かし、どんなトラブルにもスムーズに対応できる人が多く、職場で重宝されやすいのです。
③周囲から頼られやすい
その器用な振る舞いから、周囲から「この人に任せれば何事も対応してくれるのではないか」と思われ、さまざまな仕事を任されたり、悩みを相談されたりと、頼られることも多くあります。
頼まれ事が多いことから、自分がやりたいことに集中できず、結果的に大成しにくい特徴があるとも言えます。
器用貧乏である人は、新しいことにチャレンジするときに周囲から声をかけてもらいやすいメリットがあります。一方で、声をかけられた中から取捨選択をしないと、大きな成果を挙げることから遠ざかってしまうため注意が必要ですね。
④視野が広く気配りができる
特定の物事に捉われることがないため、器用貧乏な人には視野が広く、さまざまなことに気を使える人も多くいます。
たとえば大人数で会話をしている際に、発言できていない人がいるとその人に話を振ることができたり、議論が行き詰った際には、ほかの人と異なる視点を持って発言し、良い方向に導くことができるのです。
気配りができる分、新入社員の補佐など、フォローする立場を任されることも多くあります。
⑤すぐに満足してしまい競争心を持ちにくい
器用貧乏な人は、早くからさまざまなことが一定の水準でできるため、すぐに満足してしまい、それ以上の成果を求めない人も多くいます。
器用でない人は、成果を挙げるため試行錯誤を繰り返します。また、周囲と比較して悔しくなり、競争心を抱きやすいです。
対して器用な人は、早期に一定レベルの成果を出すことができるため、それ以上スキルを磨こうとはしない傾向にあるのです。
競争心を持ちにくい分、一定期間を過ぎると周囲に追い抜かれてしまい、最終的には大きな成果を残せないことがあります。
⑥ルーティンワークに飽きやすい
さまざまなことをすぐにこなせるようになるため、単純作業のルーティンワークなどはすぐに飽きやすく、集中しにくい傾向にあります。
ルーティンワークの例
- データ入力
- 受付
- 清掃
- 電話対応
難易度が高い仕事でもスムーズにこなせる器用貧乏な人は、ルーティンワークを任せられるとやりがいを感じず、無気力になってしまうケースがあるので注意が必要です。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る内容を問わずすぐに基本をマスターできる特徴もある
「器用貧乏」という言葉だけでは、一般的に良い印象を持たれにくいです。
物事を器用にこなせることを自分の長所ではなく短所ととらえているのだと企業は判断します。しかし、その後に続く対応策や言い換え説明によっては、良い印象に見直せることもあります。
器用である=さまざまなことを一定の水準まで仕上げることができる、ということは、基本を早くマスターしてくれることが期待できます。
基本をマスターした先のキャリアパスは、本人の適性・希望や職務内容によって変わっていきますが、たとえば狭く深くのスペシャリストではなく、広く浅くのゼネラリストとして活躍できる可能性があります。
目の前の仕事に真摯に取り組み高いレベルの仕事を任せてもらおう
ゼネラリストのプロになっていくためには、任された仕事に真摯に取り組む姿勢を持ち、経験を重ね知識を吸収していくことで、さらに上のレベルの仕事を担えるよう努力を続けていくことが必要です。
器用な人にはいろいろなことに興味を持てるという特性もあるので、目の前の仕事に興味を持って取り組んでみてくださいね。
スペシャリストとは
特定の深い知識を持つ専門家
ゼネラリストとは
幅広い知識に精通した多角的に活躍する人材
スペシャリストやゼネラリストについて知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみましょう。それぞれの基本情報や働くメリット・デメリットについて詳しく解説しています。
関連記事
スペシャリスト・ゼネラリストとは? 特徴や活躍のコツも解説
働く人材は、スペシャリストとゼネラリストの2つに分けることができますが、自分がどちらに適性があるのかわからない人もいるかもしれません。この記事では、スペシャリストとゼネラリストの特徴や両者のメリット・デメリットをキャリアコンサルタントとともに解説します。自分の適性を見極め、働き方の方向性を理解しましょう。
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器用貧乏な人が就活で陥りがちな悩み
さまざまなことをスマートにこなせる器用貧乏な人は、就活もスムーズに進むと思われがちですが、実はあるタイミングで苦労してしまうことがあります。
ここからは、器用貧乏な人が就活で陥りがちな悩みを解説します。これを踏まえて対策しておけばつまずきにくくなるので、ぜひ目を通してみてください。
志望企業が決まりにくい
器用で何事もできるがゆえに、特段やりたいことがなく志望企業が決まりにくいケースがあります。
やりたいことがない場合は、やりたくないことを避け消去法で企業を選ぶ方法もありますが、物事に対する苦手意識も低いため、そのような絞り込み方も難しいのです。
就活では、書類を作成したり面接対策をしたりとやるべきことがたくさんありますが、そもそも志望企業が決まらなければ、対策のしようがありません。
志望企業が決まらないことによりスタートが遅れ、結果的になかなか内定を得にくい状況になってしまうリスクがあるのです。
志望業界の絞り方はこちらの記事で解説しているので、やりたい仕事を見つけてみましょう。
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説
やりたいことがわからない人は、こちらの記事でやりたいことの見つけ方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動
- 器用で、特にやりたいことも避けたいこともないので、とりあえず大手を受けようかなと思っていますがどうでしょうか?
できる・できないではなく心が躍る仕事を探してみよう
大手企業を志望すること自体は悪いことではありません。スケールの大きな事業や、大人数でのプロジェクトなど、大手でないと経験できない業務もたくさんあります。
しかし、消去法的な志望理由では熱意が伝わらず、面接などの選考場面で苦労することも考えられます。
やはり、じっくりと自分と向き合って、自分の興味や関心などを掘り下げて考えることをおすすめします。
そもそも、器用に何事もこなせるというのは能力の話です。能力があらゆる方面に優れていること自体はとても素晴らしいことです。
一方で、どんな仕事をしたいか、どんなところで働きたいかは能力ではなく、自身の興味や関心、そして意思の話です。
能力的にできる、できないは別として、自分がおもしろそう、楽しそう、ワクワクするといった感情を抱ける業界や職種がないかを考えてみてください。
ピンとくるものがないのであれば、それは単に情報不足であるだけかもしれません。業界研究やOB・OG訪問などで具体的な仕事の情報を集めて、自分が働いているイメージが湧くかどうかを検証してみてください。
OB・OG訪問のやり方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。豊富な質問例も紹介しています。
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
選考でアピールする強みを見つけられない
器用貧乏な人は、さまざまなことが一定レベルでできる反面、突出した強みがない特徴があります。
就活はアピールの場であり、あなたの強みなどを伝える必要があります。しかし器用貧乏な人は、なかなか強みが思い付かず、考えたとしても中途半端なアピールとなり、企業側から積極的に採用したいと思われにくいケースがあるのです。
この記事では、就活で使える長所50選を紹介しています。自分に当てはまる長所が見つかるので、ぜひ参考にしてください。
長所一覧表50選|自分に合うアピールポイントを受ける職種別に解説
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るやるべきことが明確にならないのも器用貧乏な学生の悩み
器用貧乏の人で「やりたいこと」や「実現したいこと」が見つからないだけでなく、「何をすべきかわからない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そもそも、自分がやるべきことは、「理想の自分ができること」と「今の自分ができること」のギャップを埋めることですよね。しかし、理想の自分が明確にならないと、ギャップを把握することができずに悩んでしまうのです。
まず社会人に求められる力を把握し自分の不足を考えてみよう
このように悩む学生は、社会人にはどのようなスキルやスタンスが求められているのかを把握することがおすすめですよ。
個人のキャリアとして実現したいことが見つからなくても、社会人として活躍できるスキルやスタンスを習得することを目的にすると、理想と現実のギャップを正しく把握できます。
経済産業省によると、社会人基礎力として「前に踏み出す力」と「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力が挙げられています。さらに、それぞれを細かく分類すると12の能力に分けることができます。
12の能力から自分に足りないスキルを特定することで、学生時代や就職後にやるべきことが明確になりますよ。
あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう
就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。
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器用貧乏な人に向いている職種6選

器用貧乏な人は志望企業が見つかりにくい傾向にあると解説しましたが、ここから解説する器用貧乏な人に向いている職種を把握することで、エントリーする企業を見つけやすくなります。
気になる職種があれば、リクナビやマイナビなどの就職サイトで、職種を絞って検索してみましょう。
職種①営業
業務範囲やかかわる人の多い営業は、器用貧乏な人に向いている職種といえます。
営業は、さまざまなことをスピード感を持って進める必要があり、臨機応変さが求められます。
また、対顧客業務であることから、特に失敗が許されない職種であり、器用にさまざまなことを一定のレベルでこなせる器用貧乏な人に向いている仕事といえます。
営業職の仕事
- アポイントの取得
- 商談し見積もり作成
- 商品を受注・手配
- 納品・請求
- 商品購入後のアフターフォロー
また、営業職は社内のさまざまな部署とも連携が必要です。かかわる人が増えるため、検討しなければならない点が多くなります。そのような中でも、器用貧乏な人は、混乱せずにスムーズに仕事を進められることが多いのです。
営業職を志望する人は、こちらの記事で志望動機の作り方、伝え方を解説しているので、併せてチェックしてください。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
自分が営業に向いている自信がないという人は、こちらの記事で営業に向いていない人の特徴を解説しているので、参考にして適性をチェックしてみましょう。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
営業職は顧客とかかわる中で、商品知識以外にもさまざまな知識やスキル、臨機応変な対応力が求められます。社内外の関係者とかかわることが多いので、相手のレベルに合わせて話を展開できる点でも、器用貧乏な人に向いている職種といえます。
職種②事務・総務
業務範囲が幅広く、臨機応変な対応を求められる事務職も器用貧乏な人に合っているといえます。事務職の仕事はほかの社員のサポートが多くなります。各社員の事情に合わせ調整しつつ、決まっている自分の仕事も進めなければならないため、マルチタスクになりがちです。
また、営業職などのように大きな成果を出すというよりも、コンスタントに一定のレベルで業務をこなすことが求められるため、器用貧乏な人が合っているといえます。
一般的な事務職の仕事内容
- 書類の作成・整理
- データの入力
- 社内環境の整備
- 来客の対応・伝達
- 小口金管理・伝票処理
- 郵送物の管理・発送
会社全体が上手く運営されるようサポートする総務も、器用貧乏な人に合っています。総務は、全体を見渡して計画的に管理する力が必要になります。部署ごとなど大きな単位で、かつ細かく物事を見る力が必要となりますが、チームワークが重要であり、ずば抜けた成果などは求められにくいため、器用貧乏な人に合っているといえます。
総務の仕事内容
- 社内イベントの開催
- 企業の備品の管理
- 株主総会のサポート
- オフィスの施設の改善、移転業務
事務職を志望する場合は、こちらの記事で志望動機の書き方を詳しく解説しています。細かい職種別に解説しているので、志望する職種を探して書いてみましょう。
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説
職種③ディレクター
多くの人をまとめ、さまざまな業務をこなし一つのプロジェクトを成し遂げる、ディレクターの仕事も器用貧乏な人に合っているといえます。
ディレクターとは、「監督」全般を意味する仕事であり、テレビ業界で番組を作るディレクター、Webコンテンツの運営や管理をするWebディレクター、出版社で出版物制作の指揮を執る出版ディレクターなどがあります。
コンテンツの品質に責任を負う立場であり、キャストやクリエイターなどと調整しつつ良い作品を作っていく仕事です。
ディレクターの仕事内容(テレビ業界の場合)
- 企画の立案
- 台本作成
- 出演者のキャスティング
- 番組の演出作成
- 編集の指示出し
さまざまな仕事にかかわり、多くの人を束ねプロジェクトを推進するディレクタ―の仕事は、仕事を選り好みせず、多くの人から信頼を得られる器用貧乏な人に合っているといえます。
企画設計から資料作成、対人関係まで幅広いタスクに対応しなければならないという点で、ディレクター業務に器用貧乏さが役立つことはあるでしょう。
ただし、ディレクター業務で最も重要なのは、複数の人々の意識や行動をまとめ上げるリーダーシップやマネジメント能力であるため、そこに苦手意識があるようだと壁にぶち当たることも多いと思います。
職種④コンサルタント
さまざまな分野の知識が必要かつ、臨機応変な対応が求められるコンサルタントも、器用貧乏な人に合っている職種といえます。
コンサルタントには、総合、戦略系などさまざまな種類がありますが、いずれも顧客企業・団体の課題を解決する仕事であり、複数の分野の知識やスキルが必要になります。
コンサルタントの種類
- 戦略系コンサル
- 総合系コンサル
- IT系コンサル
- シンクタンク系コンサル
- ハンズオン系コンサル
- 中小企業向けコンサル
コンサルタントの仕事内容
- 顧客企業の現状分析
- 課題の把握
- 課題に関連する情報の収集
- 課題解決に向けたビジョンの策定
- 実行支援
プロジェクトが終了すれば、まったく別の業界とかかわることになるケースも多く、さまざまなことに苦手意識を持たずに対応できる器用貧乏な人に合っているといえます。
コンサル業界を志望する人は、こちらの記事で志望動機の作り方を解説しているので、併せてチェックしてください。
コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説
- 特に外資系コンサルティング業界は競争意識が強いイメージです。器用貧乏で、器用だけれどもなかなか成果を残せない場合はやめておいた方が良いですか?
就職後の自分を信じて受けたい企業を受けよう
働いてみたい業界であれば、受ける前から諦めないでください。
なかなか成果が出せなかったのは、今までは興味が持てるものに出会えなかっただけかもしれず、また、ある程度できるようになったらこのくらいでいいやと自分でやめてしまったことが多いのかもしれないですね。
就職できた際には、仕事に粘り強く取り組んで、成果を残そうと頑張ってみてはいかがでしょうか。
職種⑤マーケター
一つの側面にこだわりすぎず、広い視野を求められるマーケターの仕事も、器用貧乏に合っています。
マーケターの仕事内容
- 調査やアンケートからユーザーの傾向を分析
- 新商品の企画
- 広告宣伝の戦略を策定
ユーザーに刺さる商品や広告を作り出す仕事です。ユーザーの傾向を分析する必要がありますが、多様な着眼点を持っていなければ、本質を捉えた真に刺さる企画を考えることはできません。
そのため、一つの見方にこだわりすぎることなく、さまざまな視点を持って物事に携われる器用貧乏な人に向いている仕事といえます。
マーケターは分析や企画など幅広い仕事を担当します。また、分析する対象が一つではなく、複数の商品やサービスを担当することもありますよ。このように担当する仕事が多岐に渡るため、器用貧乏な人に向いている仕事の一つと考えられます。
職種⑥接客
顧客からの要望を汲み取り、瞬時に行動することが求められる接客も、器用貧乏な人に合っています。接客業の主な仕事内容は以下の通りです。
接客の仕事内容
- 販売
- 受付
- 案内
- 問い合わせ対応
接客マニュアルはあるものの、顧客によって求められる内容は異なります。特に宿泊施設などは、顧客に合わせたサービスを提供する必要があり、要望があればすぐに応えるなど臨機応変に対応する必要があります。
頭も体も常に動かす必要があり、マルチタスクであってもスムーズに物事を片づけられる器用貧乏な人には合っている仕事といえます。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見る非定型的な業務が求められる職種で器用貧乏な人は重宝される
現在は情報通信技術の進化にともない、あらゆる職務が高度で複雑になっています。また、単純で定型的な作業はプログラムやロボットが代替できる範囲が増えてきているため、人間には、非定型的で作業手順や守備範囲が明確に定まっていないような仕事に対応するスキルが求められます。
その点では、何事にもそつなく対応できる器用貧乏の性質はさまざまな場面で活用することができるでしょう。上記で挙げられている職種はその最たる例だといえます。
守備範囲が広く臨機応変さが求められる仕事が器用貧乏な人にマッチしやすい
それ以外の職種としては、秘書なども器用貧乏な人に適した職種です。スケジュール管理から旅程手配、社内外からの問い合わせ対応など、業務の守備範囲が非常に多岐に渡ります。
マーケティングやセールスのアシスタント、事務にも同じようなことが言えます。臨機応変な対応が求められる点では、ホテルや飲食店、医療・介護施設のスタッフも向いているかもしれません。
また、営業の中でも近年注目を集めているインサイドセールスやカスタマーサクセスなどは、論理的思考力と対人関係能力、実務能力のすべてで高い水準が求められる仕事であり、器用貧乏の良い面が活かされることでしょう。
カスタマーサクセスの仕事内容について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしましょう。向いている人・向いてない人の特徴についてもそれぞれ紹介していますよ。
関連記事
カスタマーサクセスに向いてる人の特徴8選|目指すステップも解説
本記事では、カスタマーサクセスに向いている人の8つの特徴をスキル面とマインド面に分けて解説しています。当てはまる個数をチェックして適性があるかを確認してみてください。また、向いていない人の特徴についても、キャリアコンサルタントのコメント付きで説明しています。
記事を読む

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
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器用貧乏な人に合っている企業の特徴
器用貧乏な人に合っている企業の特徴
- 異動・転勤が多い企業
- 一人ひとりの裁量権が大きい企業
- 意思決定方式がトップダウンの企業
総合職採用など、職種別採用をしていない企業も多くあります。
総合職とは
総合的な能力が必要で、企業の根幹となる業務に携わる企業の正社員。異動や転勤をしつつ経験を積むキャリアが一般的
すべての部署に配属される可能性がある場合、社風や事業内容など、企業全体の特徴をつかんでエントリーする会社を選んでみましょう。
ここからは、器用貧乏な人に合っている企業の特徴を解説します。これらの特徴の有無は、就活口コミサイトなどで確認することができるので、気になる条件で検索してみましょう。
ただし、口コミサイトは退職者が匿名性で意見を投稿できるサイトであり、ネガティブな情報に偏っていたり、誤情報が入っていることもあるので注意してください。
異動・転勤が多い企業
部署を異動すると仕事を一から覚え直す必要がありますが、器用貧乏な人はすぐに仕事を覚えられる傾向にあるため、異動や転勤が多い企業に合っているといえます。
特に、転勤をともなう異動の場合、私生活も大きく変わりますが、環境に順応することが得意な器用貧乏は、比較的苦労しないケースが多くあります。
異動・転勤が多い傾向にある業界の例
- メーカー業界
- 商社業界
- 金融業界
- 不動産業界
- 建設業界
各業界の志望動機の作り方や業界の解説はこちらの記事を参考にしてください。
商社業界
総合商社・専門商社別の志望動機例文10選|必須の対策4選も解説
金融業界
金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖
ディベロッパー業界
ディベロッパー大手6社を徹底比較! 人気業界を突破する5つの正攻法
異動や転勤が多い企業であれば、それだけ積み上げられるスキルや挑戦できる仕事の幅が広がるため、成長につながります。また、私生活でもさまざまな土地の文化に触れられるため、知見を広げることができます。
一方、頻繁に異動があると、結局何もスキルが身に付かなかったり、異動のたびに0からの評価となるため昇進しにくいなどのリスクもあるので注意しましょう。
転勤が多い会社を知りたい人や、反対に転勤がない会社が気になる人は、こちらのQ&Aコンテンツでアドバイザーがその悩みに回答しているので、ぜひ参考にしてください。
一人ひとりの裁量権が大きい企業
一つの仕事を黙々とこなすのではなく、幅広い業務を任される裁量権の大きい企業も、器用貧乏な人には合っています。
一人ひとりの裁量権が大きい企業の例
- ベンチャー企業
- 外資系企業
特に、ベンチャー企業の中でもスタートアップベンチャーは、業務に必要な人員が十分に確保できていないため、一人ひとりの業務範囲が広くなります。
そこで、選り好みせず、どんな業務も一定のレベルでスマートにこなせる器用貧乏な人は、一人ひとりの裁量権が大きい企業で活躍しやすいといえます。
裁量権が大きい企業であれば、自分の意思で仕事を進められるためやりがいを感じやすいです。また、短期間でスキルを身に付けられるため、転職時にもアピールできます。ただし、責任が大きくプレッシャーを感じやすかったり、業務過多になりやすいリスクがあることには注意しましょう。
ベンチャー企業の中でも、規模の大きいメガベンチャーは就活生から人気があります。こちらの記事では、メガベンチャーの特徴や攻略法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
人気のメガベンチャー20社紹介! 特徴や選考難易度などを解説
- 裁量権が大きいベンチャー企業などは、入社後とても大変なイメージです。器用貧乏で、何でも一定はこなせるものの、努力することが苦手なのですが、活躍できますか?
何か一つ頑張って器用「貧乏」を克服しよう
学生時代に何でも器用にこなせていた人が、仕事で同じように器用に何でもできるかはわかりません。
厳しいことを言いますが、努力が苦手と決めてしまってそれ以上努力しないのであれば、どのような企業であっても活躍するのは難しいでしょう。
しかし、せっかく何でも一定の基準までできる力があるなら、何か一つだけでももう少しだけ掘り下げ、わくわく感を持って頑張ってみてはいかがでしょうか。
意思決定方式がトップダウンの企業
自分の意思が求められるというよりも、上司からの指示に忠実に従うことを求められる企業にも合っているといえます。
意思決定方式がトップダウンの企業・組織の例
- 歴史のある日系大手企業
- 官公庁
上司の指示に従って仕事を進めるトップダウン型の企業は、自分の意思を反映させることは難しいため、「自分の好きな仕事をやりたい」「やりがいが欲しい」など仕事内容にこだわる人は苦痛に感じてしまうケースも多くあります。
対して、どんな仕事を依頼されてもこなせる器用貧乏な人は、仕事内容にこだわりすぎず、指示に従って業務を成し遂げられるため、トップダウン方式の企業で活躍が期待できます。
ただ、トップダウン形式であるがゆえに器用貧乏の人に仕事が集まってしまい、やるべきことが多くなってしまうことがあります。すべての仕事をこなそうとするのではなく、自分がやるべきかを見極めることがポイントですね。
器用貧乏が就活を勝ち抜く4つの差別化のコツ
器用貧乏が就活を勝ち抜く4つの差別化のコツ
- 一つ突出したスキルをつけてアピールする
- 資格を取得し多様な能力を証明する
- 器用貧乏を長所に言い換えてアピールする
- 器用貧乏を活かせるビジョンを描いてアピールする
器用貧乏な人は、就活で伝えられる自分の強みがわからないと解説しましたが、ある対策をすることで、抜きん出た強みを見出すことができます。
ここからは、器用貧乏な人が就活を勝ち抜くための差別化のコツを4つ解説します。器用貧乏を強みとしてアピールしたり、同じ器用貧乏でもさらに好印象を残す方法なので、ぜひ参考にして対策してください。
①一つ突出したスキルをつけてアピールする
器用貧乏な人は、さまざまなことに器用に対応できる分、何事も大成しにくいと解説しました。そこで、一つ突出したスキルをつけてアピールすれば、大成しにくいと言われる弱みを克服できます。
企業のホームページ(HP)や中期経営計画を見て、今後必要とされそうなスキルを考えてみましょう。たとえば企業が海外事業に注力しているのならば、英語力が重視されるようになる可能性が高いため、留学したりTOEICでハイスコアを狙うなどが考えられます。
突出したスキルを持っていない学生は多いため、身に付けられればほかの学生との差別化が可能です。
何でもそつなくこなせるうえで、一つ突出したスキルを持っている学生は、採用する側からすると非常に魅力的な人材に映ります。
ビジネスシーンでは、1つの専門性からなるスキルの深さと、標準的な汎用スキルの幅を併せ持つ「T字型人材」が望まれます。1つのスキルが高水準であることに引っ張られて、それ以外のスキルの平均値も高い印象を与える効果(ハロー効果)も期待できます。
②資格を取得し多様な能力を証明する
器用貧乏な人は、いろいろと中途半端にできるため、かえってアピールできることがないと悩んでしまう人が多くいます。
しかし見方を変えると、他の人よりもさまざまな能力を大成させるポテンシャルがあると考えられます。すでに一定レベルに到達していることから、他の人よりもより高いレベルに到達しやすいのです。
そこで、関心のある分野の知見を広げられたり、企業から求められる能力に関連する資格をいくつか取得することをおすすめします。資格は知識やスキルの証明になるので、取得することで「器用貧乏」ではなく、あらゆる分野に精通する「オールマイティー」な人材であるとアピールできます。
就活におすすめの資格はこちらの記事で解説しています。業界別、勉強期間別など状況に併せておすすめしているのでぜひ参考にしてください。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
たくさん資格を取得している人は、よく言えば好奇心旺盛で、いろいろなことにチャレンジできる人という印象です。
一方で、悪く言えば、広く浅く手を広げすぎている人にも見えます。なぜその資格を取ったのかをきちんと説明できるようにしておくと良いですね。
③器用貧乏を長所に言い換えてアピールする
器用貧乏は短所として使われる言葉ですが、見方を変えれば長所にもなります。たとえば、以下のように考えることができます。
器用貧乏の長所への言い換え例
- 柔軟性がある
- 何事もそつなくこなせる
- 要領が良い
- 順応力がある
- 好奇心旺盛
あなたが会社で活躍できる人材なのかを知るため、就活では長所を問われることが多くあります。器用貧乏な人は、何事もできるがゆえに取り立ててアピールすることを見つけられないと考える人が多くいますが、器用貧乏を長所に言い換えることであなたの魅力が伝わります。
自分の長所がわからない人は、こちらの記事で長所・短所の見つけ方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
「長所と短所がわからない」の脱出方法10選|例文や伝え方も紹介
④器用貧乏を活かせるビジョンを描いてアピールする
器用貧乏な人の中には、器用に何でもこなせるからこそ、特段やりたいことがなく、将来像を具体的に描いていない人が多くいます。そのため、ビジョンを具体的に描いてアピールすれば差別化が可能です。
ここからは、器用貧乏な人におすすめのキャリアビジョンを解説するので、具体的に思いつかない人はぜひ参考にしてください。
入社後やりたいことの考え方、アピールの方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
長期的なキャリアを考えるキャリア形成の方法は、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
おすすめのビジョンはゼネラリスト
器用貧乏な人に向いているキャリアとして、幅広い知識を持ち、多角的な視点を持つゼネラリストがあります。
さまざまな部署や職種を経験し、総合的な知識を身に付けていくキャリアイメージです。ゼネラリストは全体を管理する役割を任せられることが多く、具体的には以下の例があります。
ゼネラリストの役割の例
- マネージャー
- プロデューサー
- 管理職
- 総務・人事などのバックオフィス系
たとえばマネージャーであれば、仕事内容は以下の通りです。
マネージャーの仕事内容
- メンバーの仕事を管理する
- メンバーの指導や育成をし、スキルを強化させる
- プロジェクトの品質やスピードなどあらゆることに責任を持つ
- 意思決定をする
マネージャーは、メンバーの人柄や仕事ぶり、プロジェクトの品質など広い視野を持って管理する必要があります。
このようなゼネラリストは、視野が広く柔軟性のある器用貧乏な人にはおすすめのキャリアです。
器用貧乏の人は、本文で紹介された仕事のほかにもシステムエンジニアがおすすめです。ITに関するスキルだけでなく、プロジェクトマネジメントもするため、幅広く仕事をこなせる人に向いている仕事ですよ。
器用貧乏を短所として伝える場合は克服する努力をしたことを伝えよう
就活では、働くうえで致命的となる点がないか、客観的に自己分析できているかなどを確認するため、短所を聞くケースも多くあります。
器用貧乏を短所として伝える場合は、まず事実を伝えたうえで、器用貧乏を克服しようとする姿勢を伝えると効果的です。たとえば以下の例があります。
器用貧乏を克服しようとする例
- 突出したスキルを身に付けるため、長期インターンに参加して営業スキルを獲得した
- さまざまな資格に挑戦し、高度な知識を身に付けるよう意識した
- 受験で、実力よりもはるかに偏差値の高い大学を目標に設定し、計画的に勉強して合格を勝ち取った
所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
器用貧乏を活かした自己PR・短所の例文
ここからは、器用貧乏の人が就活で使える例文を紹介します。
器用貧乏を長所に言い換えて自己PRをする例と、短所として伝える例を紹介するので、参考にして、書類選考や面接への対策にぜひ活かしてください。
基本的な自己PRと短所の作り方・伝え方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
自己PR
例文12選|面接必勝の自己PRはエピソードが最重要!
短所
短所一覧と例文60選|面接の印象をぐんと上げる短所の伝え方のコツ
長所に言い換えた自己PRの例①対応力がある
長所に言い換えた自己PRの例①対応力がある
私の長所は、対応力があるところです。
大学1年生の頃から、居酒屋でアルバイトをしていました。ホールスタッフとして、顧客に楽しく食事をしてもらえるように、丁寧で気持ちの良い接客を心掛けています。
また、自分の担当業務以外にも全体を見回して、休みのスタッフがいるときや、店内が混んでいるときなどは、率先してレジや洗い場に入るなど、顧客や店のために今何ができるかを考えて行動しています。
視野を広く持って仕事をすることを意識して行動するうちに、どんな状況やポジションでも柔軟に対応できる対応力を身に付けることができました。今では店長から「あなたがいる日は心強い」と評価していただいています。
御社に入社後も対応力を活かし、常に自分に何ができるかを考えて行動し、イレギュラーなことが起きても、落ち着いて対応することでチームに貢献したいと考えています。
器用貧乏を対応力が高いと表現するのは、非常に良い書き方ですね。どんな特性も、ポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかによって、強みにも弱みにもなります。
上記をさらに魅力的にするために、ホールだけではなく店全体を考えて役割を認識しようと「全体最適の視点」を心掛けたと加えると、視座の高さを訴求することもできるでしょう。
臨機応変な対応力の自己PRの作り方、伝え方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
例文8選|臨機応変に対応する力の自己PRで印象に残す4ステップ
長所に言い換えた自己PRの例②柔軟性がある
長所に言い換えた自己PRの例②柔軟性がある
私の強みは、さまざまな意見を取り入れて問題を解決する柔軟性です。
私はダンス部に所属していますが、ジャズダンスやチアダンス、社交ダンスなどそれぞれ違うジャンルのダンスが得意な部員が集まっているため、学園祭でどのような演目をするのか決めるのに苦労しました。
私は、まず意見を整理するために、一人ひとりが持っているイメージを確認して一覧にまとめました。
また、学園祭でダンスをやる目的には新入部員の募集も含まれていることから、自分たちの強みでもある複数のジャンルをアピールする演目にしたらどうかと提案しました。
そして、3つの曲を編曲して、パートごとにそのジャンルの得意な人が振り付けを考える方法をとり、最終的に、全員で協力して一つの演目を作り上げることができました。
御社に入社した際は、一つの考えに固執することなく、常に最適な方法を模索することで、チームに貢献できる人材になりたいです。
さまざまな意見を皆が納得する形でまとめ上げる力がうかがえます。器用さのニュアンスを入れたければ、それぞれのダンスの特徴を理解したうえで編曲・振付をしたとか、3つの曲すべてにかかわったといったエピソードがあれば加えると良いでしょう。
柔軟性の自己PRの作り方・伝え方はこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
長所に言い換えた自己PRの例③マルチタスク能力がある
長所に言い換えた自己PRの例③マルチタスク能力がある
私の強みは、物事の優先順位を考えて行動するマルチタスク能力です。
この強みが最も活かされた経験は、アパレルショップのアルバイトで、初売り営業をした時です。
初売りのため、通常の20倍の顧客が来店してくださり、店内は混雑して外まで顧客が並んでいる状況でした。私はやるべきことに優先順位をつけて考え、接客の合間に、レジが混雑しているときは梱包を手伝ったり、品揃えが不足しているときは補充をしたりしました。
初売り営業が終わった際に、店長から「細かいところまで目が行き届いていて助かった」と評価をしてもらい、店自体もクレームなどなく初売り期間を終えることができました。
御社に入社後も、複数の物事の優先順位を考えて遂行できる力を活かして、顧客に気持ちの良いサービスを提供することで、御社に貢献していきたいと考えています。
実際に取り組んだことが網羅的に書かれており、マルチタスク能力を活かしたことが伝わりますね。より良い自己PRにするためには、同時並行で取り組んだことをピックアップしましょう。より具体的に伝えると面接官もイメージが湧きやすくなります。
短所としての回答例①
短所としての回答例①
私の短所は器用貧乏なところです。さまざまなことに興味を持って取り組むのですが、目標を達成すると、別のことに興味を持ってしまいます。
学生時代は、中国語に興味を持って勉強をしましたが、中国語検定2級の目標を達成すると、次はマーケティングの勉強に興味を持つようになりました。その時点で継続的な中国語の勉強をやめてしまったため、結果どちらも専門性を磨けませんでした。
この経験から、さまざまなことに興味を持つことは知見を広げられますが、目移りして努力をやめてしまっては、中途半端になってしまうことを学びました。
今では自分が何を極めたいのかしっかり考え、決めたことに関しては継続して努力することを心掛けています。中国語を上達させて仕事に活かしたいと考えているため、現在は中国語の勉強を再開し、中国語検定1級を目指して勉強しています。
短所が器用貧乏なことは伝わります。ただ、上記のままだと、単に物事をやり遂げられない人という印象を与えてしまいます。短所として挙げるのだとしても、器用貧乏の良い面ももう少し訴求しておきたいです。
たとえば「好奇心が旺盛」「幅広い領域に関心を持ち、総合的に物事を考えられるようになる」などプラスの側面をもっと訴求しておくと、印象は変わると思います。
短所としての回答例②
短所としての回答例②
私の短所は器用貧乏なところです。
サッカー部の活動では、複数のポジションを兼務しています。どのポジションもある程度のスキルは持っていますが、どれか一つを突き詰めて努力しなかったため、突出した能力はありません。
試合にスタメンで出場することを目標にしていましたが、複数のポジションの助っ人としてベンチ入りしただけで、試合に出場できませんでした。
この経験から、目標を達成するためには、一つのことに集中して努力することも必要だと学びました。今では目標を掲げたら、達成するために自分が何をすべきか考えて、逆算して努力をすることを意識しています。
冒頭の「どれか一つを突きつめて努力しなかった」という表現の代わりに、中盤で、「出場できなかった原因を考え、何か一つを突き詰めて努力すれば良かったと後悔しました」と書くと前向きな印象になりますよ。
短所としての回答例③
短所としての回答例③
私の短所は器用貧乏で、何でも引き受けてしまうことです。
私は吹奏楽部に所属しています。吹奏楽部は部員で役割分担し、活動にかかわることすべてを学生のみで運営しています。
私は、頼りにしてもらうことにやりがいを感じ、後輩のサポートから会計業務や渉外業務など、さまざまな作業を引き受けてこなしてきました。部員たちに頼りにされとてもうれしく感じていましたが、肝心の自分のフルートの技術向上まで手が回らず、演奏の面では、チームに貢献できなかったと感じています。
この経験から、まずは自分がやるべきことをまっとうしなくては、チームのためにならないと学びました。今では、一人で抱え込んで何でも自分でこなそうとせず、部員への報告・相談をこまめにして、業務を分担して助け合うことも大切にしています。
経験を通じて得た学びを言語化し、入社後にどのように改善するかまで書かれている好印象な短所の例文です。より説得力を持たせるためには、部活や仕事で具体的にどのようなシーンで学びを活かすのかを伝えると良いですね。
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4つのコツで器用「貧乏」を克服し就活を上手く進めよう
何でもスムーズにこなせる分、何事も努力せず大成しない器用貧乏な人も、4つのコツを意識することで、そのマイナス面を払拭できます。
何事も器用にこなすのはなかなかできることではありません。ほかの人に比べポテンシャルが高いとも言えるので、ぜひ自信を持ってマイナス面を克服し、就活を上手く進めていってくださいね。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見る器用貧乏はポテンヒットを拾える人材! 自信を持ってアピールしよう
近年では、職務範囲が明確に定められた「ジョブ型雇用」という概念が流行しています。しかし、現実の職場では事前に定められた仕事だけしていれば良いという状況はあまり起こり得ません。
ビジネスシーンは日々刻々と変化しますし、明確に誰の仕事と呼べないような仕事が多数存在します。
ビジネスは複数名の協業でおこなうものであり、個々人の仕事を接着させてチームの総力とする仕事があります。
野球にたとえて「ポテンヒット」と呼ばれることもあります。
このポテンヒットを拾える人はとても重宝され、チームに欠かせない存在になります。何事にも柔軟にそつなく対応できる器用貧乏さは、こうした場面で大きな力を発揮することが期待されます。
食わず嫌いせずに仕事に取り組める強みをアピールして内定を掴もう
何十年のキャリアを積み上げて自身の専門性を確立した人と異なり、新入社員や若手社員に求められるのは柔軟性と適応力です。
選ばずに仕事をする、食わず嫌いせず何事にも前向きに取り組むといった姿勢が評価されます。
どんな特性も捉え方によって、長所にも短所にもなります。ぜひ、器用貧乏の良い面にフォーカスを当てて、守備範囲の広さ、対応力の高さを訴求し、自らの強みとして前向きに捉えてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細中小企業診断士/キャリアコンサルタント
Shigeki Komatsu○営業企画・マーケティング・情報システム・総務・人事・経営企画室など幅広いキャリア経験を持つ。現在はキャリア形成や能力開発に向けた企業研修や個人面談などを提供している
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