この記事のまとめ
- 「自分を一言で表すと」の答え方は3パターン
- 表現力や個性をアピールすることが回答のポイント
- 例文30選を参考にして企業に響く一言を考えよう
面接において、「自分を一言で表すと?」と質問されることがあります。いざこの質問に直面すると「どうやってまとめれば良いのか」「どうすれば魅力的な表現になるのか」と迷ってしまう人も多いです。
実際のところ、この質問ではあなたの人柄や個性、要約力が見られています。そこで、ここからはキャリアアドバイザーの小峰さん、平井さん、永田さん、馬場さん、板谷さん、谷所さんの解説を交えながら、自分を一言で表す方法からアピールのコツ、実際に使える例文までを解説していきます。
さらに面接官としての経験が豊富で、人事・経営者としてそれぞれ活躍してきた谷所さんからは、「一言に上手にまとめるコツ」や「印象に残る答え方」についてを詳しく解説してもらいました。記事を読んで、自分を一言で表す力を身に付けましょう。
なお、こちらのQ&Aで「自分の性格を一言で表すと」と質問された場合の回答方法について、キャリアコンサルタントが回答しているので併せてチェックしてくださいね。
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自分を一言で表す3つの方法
個性を魅せよう! 自分を表す一言を考える3つの方法
- 四字熟語を使う:「不撓不屈」
- 比喩表現を使う:「逆境でも根を張る雑草」
- 数字を使う:「解像度2倍の分析家」
自分を一言で表す際に、「どんな表現が良いのだろう」と迷う人も多いでしょう。ここからは早速、自分を魅力的に表す一言を作る3つの方法を解説します。それぞれの方法がどんなタイプの人に向いているかも紹介しているので、自分に合うものを確認してみてください。
自分に合った表現方法で、もっとも魅力的な一言を作っていきましょう。
面接では「性格を一言で表してください」「自己PRを一言でお願いします」といった質問もあります。予想外の質問にも対応できるように、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。
自分を一言で表すと 自己紹介
「自分を一言で表すと」を自己紹介で効果的に使う方法を教えてください。
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「性格を一言で表すと」の質問にどのように答えればいいか教えてください!
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①四字熟語を使う
四字熟語は、さまざまな要素を端的にアピールできるため、自分を表す一言としても使用できます。端的な表現を使うと印象が強くなるため、説得力や自信のある印象を与えたいと考えている人にはおすすめの表現です。
たとえば「実践躬行」という四字熟語がありますが、これは「他人の力を借りずに自分で実際に行動する」という意味で、つまり主体的かつ行動力があるという2つの強みをアピールできます。
四字熟語を使うことで、国語力の高さを伝えることも可能です。国語力は社会人になってからのコミュニケーションや資料作成、文献読解などで不可欠となるため、国語力が高いことを示せると好印象です。
実際に、四字熟語を使って自分を表現するためには、まず自分の強みや性格を整理することが必要です。そのうえで、辞書やインターネットを活用して、自分の特徴に合う四字熟語を探してみましょう。
無理に凝った表現を選ぶのではなく、意味が正しく伝わるかどうかを最優先に選ぶように注意してくださいね。
キャリアコンサルタントがおすすめの四字熟語を解説
四字熟語は「虚心坦懐」がおすすめです。何事にもこだわらず素直な心で物事に対することをいいますが、こだわりや決めつけのないフラットで柔軟な思考は、早い成長や変化を期待できて、良い印象を残せると思います。
自己PRで四字熟語を使いたい人は、こちらのQ&Aもおすすめです。自分を表す四字熟語の効率的な探し方や、高評価につなげる答え方についてキャリアコンサルタントが詳しく解説しています。
②比喩表現を使う
クリエイティブな印象を与えたい人は、比喩表現を使うことがおすすめです。たとえば「行動力です」というだけでなく、「フットワークの軽いうさぎです」と伝えると、表現力や発想力のある人だと印象付けられます。
実際に比喩表現を作るには、自分の特性や強みを、別のものやイメージに置き換えて考えることが必要です。そのために、まずは、自分の強みや性格、行動パターンなどを書き出してみましょう。
次に、自分の特徴から連想される動物や物はないか考えてみてください。たとえば、「スピード感がある」なら、うさぎやスポーツカーなどが想像できます。
そして最後に、「○○のような△△」という形で文章にまとめましょう。ただ、「私はうさぎです」といってしまうと、物にたとえるとの回答に近づいてしまうため、注意が必要です。比喩表現を使った具体的な例は後ほど紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- 「自分を一言で表すと」で使う比喩表現はどのように考えれば良いですか?
自分の特徴を一つ考え広く知られているものにたとえよう
まずは一つだけ自分の特徴を伝えるとしたらどんなところかを絞りましょう。次に、その特徴を備えているものを探します。
たとえば「相手に合わせて対応できる」人なら以下の通りです。
「私は『水』です。
水は人を温めるときはお湯になり、疲れた人を潤すときは冷たく喉を潤します。
氷になれば病人の熱を冷まします。私は水のように困っている人に合わせて対応します。」
比喩を使うときは常識的に知られているものにたとえましょう。凝りすぎは禁物です。
相手の立場に立って考える力の自己PR法は以下の記事で詳しく解説しているので、強みに持つ人は併せてチェックし魅力的にアピールしましょう。
自分を何かにたとえるような質問の対策は、こちらの記事がおすすめです。「自分を物にたとえると」「自分を色にたとえると」といった質問の考え方や答え方について詳しく解説しています。
③数字を使う
インパクトを残すうえでは数字を使うことも効果的です。単に「継続力です」と言われるよりも、「17年間柔道を続けた継続力です」と伝えられた方が説得力があり、どのような強みを持っているのかより具体的にイメージすることができますよね。
「〇年」などの長さや「〇倍」などの比較、「〇位」などのレベル感を伝える際に数字を使えます。数字を用いて一言を考えると、よりあなたの実力や人柄を把握しやすくなります。
数字を使った具体的なアピールの例は後述するので参考にしてくださいね。
キャリアコンサルタントが解説する数字の重要性
初対面の人に対して上手に信頼性をアピールできるようになるのは、短時間で好印象を与えるうえで非常に重要だと思います。
中でも数字を使うことで、内容をより具体的に印象づけられるので効果的ですね。
アドバイザーのリアル・アドバイス!数字で表すのがおすすめ! 面接官にイメージが伝わりやすくなる
小峰 一朗
プロフィールを見る自分を一言で表現する方法として、迷っている学生におすすめしたいのが「数字を使う」アプローチです。数字は、行動量やこだわりを客観的に見せるため、文章に説得力が生まれます。
採用側にとっても「この学生はどれだけやったのか」「どんな努力を積み重ねてきたのか」が一目でわかり、イメージが格段につかみやすくなるのです。
たとえば「週5日、朝7時から自主トレを続けてきた継続力」「学会発表のために30本以上の文献を読み込んだ探究心」「アルバイトで100名以上の顧客に対応した経験から身に付いた対応力」など、数字が添えられるだけで、その人の「行動の重み」がリアルに伝わります。
逆に、抽象的な言葉だけでは「結局どのくらい努力したのか」が伝わりにくいものです。数字はそれを一気に可視化してくれます。
大きな数字でなくてもOK! 小さな数字こそがあなたの人柄を伝える
また、数字は大きい必要はありません。むしろ、「毎日15分の英語学習を1年続けた」「3人の後輩の相談役を任されていた」など、あなたの日常に根づいた数字ほど、人柄や姿勢が表れます。
何をどれだけ続けてきたのか。その積み重ねこそが、あなたの強さを誤解なく伝える材料になります。数字で語る自己表現は、最も簡単かつ、深く相手に伝わる方法なのです。
自分を一言で表す際の答え方4ステップ
自分を一言で表す際の答え方4ステップ
- 自分を一言で表す言葉を伝える
- 理由を伝える
- 理由の根拠となる具体的なエピソードを伝える
- 会社にどのように貢献できるのか伝える
「自分を一言で表すと」という質問においては、ただ単に一言で回答すれば良いわけではありません。企業側は、その一言に至る背景や、なぜその人柄をアピールしようと思ったのかを知りたいと考えています。
ここからは、自分を表す一言を回答する際に伝えるべき内容を、順を追って解説していきます。ここでの解説を参考にすれば、伝えるべき内容を漏れなくまとめられるので、ぜひ参考にしてください。
①自分を一言で表す言葉を伝える
面接官が知りたいのは「自分を表す一言は何か」ということです。そのため、まずはその結論から述べましょう。結論から伝える方法はビジネスでは基本のコミュニケーションとされています。
たとえば「私は挑戦を厭わない性格から……」などと理由の部分から話し始めてしまうと、面接官側はあなたを表す一言を把握するまでに時間がかかり、コミュニケーションが取りづらいというマイナスな印象になってしまいます。
「私を一言で表すと戦略的な建設者です」というように、まずは自分を表す一言を述べましょう。
- 結論から述べられていない回答にはどのような印象を持ちますか?
自分が言いやすい順番で非論理的に話している印象
どうしても多いのは、「論理的に考えるのが苦手なのかな」「言いながら答えを考えているのかな」といった印象です。
考えた順番と説明する順番は違います。この点を理解してください。
説明は、相手が聞きたい順番で組み立てます。面接での回答も、プレゼンテーションも、業務報告も同じです。
自分の言いたい順番、言いやすい順番ではなく、相手の聞きたい順番、理解しやすい順番で伝えるようにしましょう。
面接が迫っている人は、頻出質問の回答例だけでも予習しておこう!
面接でどんな質問がされるか、そして答えられるか不安ですよね。ただ、企業によって何を質問されるか分からない人も多いはず。
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②理由を伝える
自分を表す一言を伝えられたら、面接官側はなぜその一言に至ったのか理由が気になります。そこで、その一言に至る理由を述べましょう。
たとえば、結論が「私を一言で表すと戦略的な建設者です」であれば、理由として「なぜなら目標を遂行するためにどうすれば良いのか、戦略的に考えることができるためです」などと伝えましょう。
理由を伝える際は、この記事で解説した「①自分の強みを探す」を参考に見つけた強みをもとに、なぜその一言に至ったかを伝えましょう。
③理由の根拠となる具体的なエピソードを伝える
理由となる強みやアピールポイントを伝えたところで、企業側は本当にその強みがあるのか、具体的にどのようにしてその強みを発揮できるのかがわかりません。そこで、理由の根拠となる具体的なエピソードを伝え、理由に説得力を持たせましょう。
たとえば学生時代のサークル活動やアルバイト、ゼミ、授業などの中で自分がその強みを発揮した経験を思い出してみてください。そのエピソードを伝えることで、具体的にどのように強みを発揮できるのか面接官がイメージできるようになります。
該当するエピソードが複数思いつくのであれば、その中でも特に自分が頑張った、力を入れた、成果を出したと思えるエピソードを選びましょう。そのようなエピソードであれば、面接官に深掘りされた際もスムーズに回答することができます。
強みの根拠となる学生時代力を入れたことの見つけ方は以下の記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
④会社にどのように貢献できるのか伝える
単に自分にどのような強みがあるのか伝えるだけではアピールは完成しません。会社側は、自社に貢献できる人材を求めています。そのため、自分の強みだけでなく、それを活かしてどのように会社に貢献できるのかを示すことで有効なアピールとなるのです。
会社にどのように貢献できるかを伝えるためには、企業が求める人物像や、企業が現在注力している分野を踏まえましょう。
たとえば、現在AI(人工知能)による生産プロセスの最適化に力を入れている企業であれば、「戦略的な建設者である強みを活かし、AIの知識をいちはやく吸収して業務効率化につなげていきたいです」などと述べることができます。
入社後どのように貢献したいかを考える方法は以下の記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
会社への貢献の探し方をキャリアコンサルタントが解説
会社にどのように貢献するのかを考える方法として、一番の近道は「すでに入社している人に聞く」というのがシンプルかつ的確だと思います。
インターンシップなどを活用して内部の人間とかかわりが持てた際に、しっかりと情報収集しましょう。
アドバイザーのリアル・アドバイス!「自分を一言で表すと?」への回答には根拠となるエピソードが最も大切
谷所 健一郎
プロフィールを見る「自分を一言で表すと?」は、自己理解・表現力・再現性を測る質問となります。
上記で紹介している4ステップの中で面接官が最も重視するのは、③理由の根拠となる具体的なエピソードです。一言や理由だけでは抽象的で評価が難しく、実際の行動がわかるエピソードが強みを裏付けます。
これまでの面接で印象に残った学生の事例として、「逆境耐性のある人間です」と答えた学生がいました。
学園祭で使用予定だった食材が前日に大量欠品した際、即座にメニューを変更、代替案を作成し、当日は予定以上の売上を達成したと語ってくれました。
この行動が「逆境耐性」の裏付けとなり、ビジネスでも発揮できる力だと感じ、高評価につながりました。
企業への貢献で綺麗に締めくくることで印象を強めることができる
面接官は多くの学生を評価するため、抽象的な言葉だけでは印象に残りませんが、「いつ・何を・どう動いたか」が明確に伝わると、強みの再現性が理解でき、ほかの学生との差別化になります。
さらに④会社への貢献まで結びつけると好印象です。飲食業界を希望するこの学生は、「予期せぬトラブルでも冷静に対応し、常に顧客に満足を提供し貢献したい」と具体的に述べていました。
「言葉・理由・行動・貢献」が一貫するストーリーは、面接官の印象に強く残ります。
回答例文付き! 自分を一言で表す言葉30選
自ら道を切り拓く「行動・成果タイプ」
組織の結束力を高める「チーム・対人タイプ」
どんな状況でも強さを発揮する「マインド・適応力タイプ」
自分を一言で表す方法がわかっても、具体的にどんな一言があるのかはイメージができないという人も多いでしょう。そこで、ここからは自分を一言で表す言葉30選を紹介していきます。
また、自分を一言で表すと何ですか? と聞かれても、ただ一言で伝えるだけで終わりではありません。なぜ、その一言なのかを伝える必要があります。併せて回答例文も確認して、自信をもって回答できるようにしておきましょう。
39点以下は要注意!
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・面接でなぜ落ちたかわからない人
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①知識をチャンスに変える野心家
知識をチャンスに変える野心家
自分を一言で表すと「知識をチャンスに変える野心家」です。
私は「世界中の人が食事に困らず、健康に暮らせる社会を作る」という目標を持っています。
大学2年生のとき、南アフリカの貧困地域を訪れ、十分な食事を得られず痩せ細った人々の姿を目の当たりにしました。それ以来、「食を通じて人々の健康を支えたい」という思いが強くなりました。
この思いを実現させるために、食の問題に関する文献や統計データを分析し、ボランティア活動でも改善策を提案してきました。この経験からも、幅広い情報を収集し、課題解決に活かすことが得意だと感じています。
私には、知識をチャンスに変えて、自分の夢をかなえていく自信があります。御社へ入社後も、この目標と強みを掛け合わせて、世界中に健康的な食事を届けるための施策を積極的に提案し、売上貢献と社会的価値の創出を実現したいです。
企業人事に従事する馬場さんが例文を添削
上記の例文は、原体験→行動→強みの流れが良く、データ分析や提案姿勢も伝わります。
一方で、目標が大きく企業固有の理由と成果が抽象的で“どこでも通る志望”に見えがちです。入社後の役割像も一段具体化するとさらに良くなりますよ。
②先を読む行動派
先を読む行動派
自分を一言で表すと「先を読む行動派」です。
私は大学1年生からプログラミングに取り組み、複数のWebアプリを開発してきました。現在では、作り直しを最小限に抑え、効率良く作業を進められる設計ができるようになりました。
転機となったのは、インターンに参加したことです。当時の私はコードを書くことに夢中で、エラーや作り直しが多く発生していました。しかしインターン先の社員の方々は私と違い、まず徹底して設計に時間をかけていたのです。
「起こり得る問題を先に想定しておくことで、実装が驚くほど楽になる」と教えていただき、実際にそのやり方を真似してみたところ、作業効率は大幅に改善しました。
この経験から、行動の前に先を読むことを常に意識するようになりました。そのおかげで、作業効率も上がり、成果を出せるようになったと考えています。御社に入社できた暁にも、状況を先読みしながら行動する姿勢で、目標以上の成果を出せるよう貢献したいと考えています。
多様な世代のキャリア支援が得意な板谷さんが例文を添削
上記の例文は、背景として大学1年生の頃からプログラミングに取り組んできたことや、インターンを通して、先を読むことの大切さを知り、その後も実践していることが端的に伝わるのでわかり易いです。
企業に入ってから活かせるということに言及している部分も好感が持てます。
③理想を現実に変える行動家
理想を現実に変える行動家
自分を一言で表すと「理想を現実に変える行動家」だと考えています。
私は大学3年時に1年間休学して、1人で世界一周をしました。日本語も英語も通じない国や、一般的に危険とされる地域にも足を運びましたが、「自分の目で見たい」という思いが勝り、気が付いたら行動に移していたように思います。
特に印象に残っているのは、東南アジアの貧困層地域での経験です。「旅行者=お金を持っている」という認識が強く、数十メートル歩くたびに物乞いをされる環境でした。しかし、このような現実は現地に行かなければ知ることができず、自分の視野を大きく広げた経験でもありました。
このように、私は「見たい」「知りたい」と思った理想に対して積極的に動き出すことができます。御社に入社後も、この行動力を活かして、困難があっても前向きに挑み、一つでも多くの結果につなげていきたいと考えています。
企業人事に従事する馬場さんが例文を添削
上記の例文は、世界一周という強い行動力は非常に魅力的ですが、企業でどう活かすかの接続が弱く“旅の感想”で終わる印象があります。
貧困地域の経験を自身の行動特性や成果に落とし込むことができると評価が一段上がるでしょう。
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自分が面接官の目にどう映っているか、きちんと把握できていますか?
「面接力診断」では、あなたが面接本番でどれほどの力を発揮できるかを100点満点で測ります。
39点以下だと実力を発揮できていない可能性が高いです。診断結果から改善策を提案するので、本番に向けて対策しましょう。
- もうすぐ初めての面接がある人
- 自信のあった面接に落ちてしまった人
- 面接への不安を和らげたい人
④1.5倍の成果を出せる策略家
1.5倍の成果を出せる策略家の例文
私を一言で表すと「1.5倍の成果を出せる策略家」です。
私はレストランでアルバイトをしており、バイトリーダーも勤めておりました。バイトリーダーは店舗の運営にも携わることができるのですが、私が提案した策を実行したところ、夜の時間帯の売り上げが1.5倍にまで上がりました。
具体的にやったことは、近隣の他店に入店した人へのインタビューと課題の抽出、解決策の考案・実行です。
インタビューから、「何を提供している店かわからなかったから選ばなかった」という意見が多く集まりました。
この課題をもとに、店の外からでもメニューやお店の雰囲気がわかるように看板を作ったり、呼びかけをしたりしました。
その結果、3カ月後に売り上げを1.5倍に上げることに成功しました。
御社に入社後も、顧客や関係者からのヒアリングを徹底して課題を見つけ出し、解決策を積極的に提案して貢献したいと考えています。
25年間人事育成に携わってきた平井さんが例文をチェック
内容は良いと思いますが、「策略」という言葉のチョイスが気になります。
「策略」とは「はかりごと」「計略」という相手を陥れるというニュアンスがあるので、単純に「戦略」を使うとより良いと思います。
⑤実践躬行(自分で実際に行動する)
実践躬行(自分で実際に行動する)の例文
自分を一言で表すと「実践躬行」です。
私は何事も実際に自分で行動してみないと気が済まない性格をしています。
大学1年生のとき、世界の情勢を学ぶという授業がありました。その授業では教授の経験談をもとに世界の情勢について学んだのですが、「それが今も起きているのか」と疑問が残りました。
この疑問を解決すべく、大学1年生の春休みを利用して5カ国に旅行しました。実際に見た結果、教授がおっしゃった通りのこともあれば、変わっていることもあることに気が付き、さらに学びを深めることができました。
御社に入社後も、机上の議論で終わらず、自ら行動して現状を把握し、さらなる改善をするというサイクルを回して貢献したいと考えています。
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良い点は、自分の性格を実際の経験に基づき説明しているところです。説得力がありますね。
改善点としては、何のためにそのような行動を起こしたのか、といった目的を加えるとより良くなると思います。
組織では、単に行動を起こすことが良いとは限らないので、むやみに行動するというイメージを残さないようにしましょう。
⑥勇往邁進(恐れることなく目標に向かって突き進む)
勇往邁進(恐れることなく目標に向かって突き進む)の例文
自分を一言で表すと「勇往邁進」です。
私は中学生の頃から「世界一周を達成したい」という目標があり、短期間ですが大学2年生の春休みに実行しました。
この目標と実際におこなうことを周りに伝えると、「危険そう」や「本当にやるの?」といった心配の声をたくさんもらいました。
しかし、ここで諦めてしまったら目標を達成することができません。危険やリスクはありますが、それを恐れることなく目標達成に向けて突き進みました。
結果的には、4カ月で世界一周を達成でき、中学生からの目標も叶えることができました。
社会人になった後も、目標を達成するには自分にとってハードルの高いこともやらなければいけない場面があると思います。
そのような場面でもこれまでの経験を活かして恐れずに突き進み、目標を達成して御社に貢献したいと考えています。
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良い点は、自分の特徴を社会人としてどのように活かしていきたいかについて触れているところです。入社後の活躍がイメージしやすいですね。
改善点としては、何のためにそこまで目標達成に突き進めるのかといった目的を加えるとより良くなると思います。組織では、目的を果たすことがより重要だからです。
⑦道を見出すパイオニア
道を見出すパイオニアの例文
自分を一言で表すと「道を見出すパイオニア」です。
私は周りの人がまだ手を着けていない新しいことに取り組み、それを皆に伝えることが好きで、よくいろいろなことにチャレンジしています。
特に記憶に残っているのはプログラミング学習です。私の周りではプログラミング学習をしている人がいなかったのですが、「新しいWebサービスを作りたい」と考えたことをきっかけに始めることにしました。
このことを仲間に話し、「こんな未来を作りたい」という理想像も伝えたところ、仲間も一緒にプログラミング学習を始めるようになりました。皆継続して学習を進め、一つのWebサービスをリリースすることもできました。
このように、周囲の人が挑戦したことのない道を見つけ出し、それを周りに伝染させることを得意としています。
御社に入社後も良い文化や風潮を積極的に見つけ出し、それを皆さんに伝えて、会社全体をより良いものにしたいと考えています。
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事例も組み立ても良いのですが、最後の結論が惜しいです。
「良い文化や風潮を伝えて会社全体を良くする」という抽象的な表現よりも、「効果的な仕事の進め方」「新製品の提案」などで直接仕事で成果を挙げる意欲を示しましょう。
チャレンジ精神を強みに持つ人は、自己PRでもアピールしましょう。以下の記事でチャレンジ精神の自己PR法を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
面接の不安を解消! 本番前に面接力を測って弱点を発見しよう
不安を抱えたまま面接本番に臨むと、面接官に好印象を残せず、内定が遠のいてしまう可能性があります。
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簡単な質問に答えるだけで自分の弱点がわかり、改善方法も提案してもらえます。ぜひ活用して面接を突破してください。
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⑧感情に訴えかける体育会系リーダー
感情に訴えかける体育会系リーダーの例文
自分を一言で表すと「感情に訴えかける体育会系リーダー」です。
私は大学でラグビー部に所属しており、キャプテンを務めています。キャプテンとしてメンバーに指示する必要があるのですが、メンバーが心から「やりたい」と思えるように訴えかけることを意識しています。
具体的には、明るい未来を想像してもらうことです。練習はきついものですが、きつい練習をするからこそ勝つことができ、目標を達成できると考えます。
メンバーには目標達成した場面を鮮明にイメージしてもらい、「練習したい」と思えるように話していました。
御社に入社後は営業職への配属を志望しています。顧客に自社の商品を導入した後のことをイメージしてもらい、「この商品を導入したい」と思ってもらえるような営業をして、御社に貢献したいと考えています。
「自分らしい働き方」を支援する永田さんが例文を解説
良い印象を受ける事例だと思います。「感情に訴えかける体育会系リーダー」という名の通り、メンバーの心をきちんと意識して接したことが伝わります。
「明るい未来を想像」というのをもう少しだけ具体的にイメージできるように話ができるとさらに良いですね。
⑨他者貢献を惜しまないサポーター
他者貢献を惜しまないサポーターの例文
自分を一言で表すと「他者貢献を惜しまないサポーター」です。
私は高校・大学と部活動のマネージャーを務めておりました。マネージャーとして活動する中で、特に意識していたことは、選手にとって少しでも競技に集中できる環境を作ることです。
具体的には事務作業に注力しました。部活動として活動したり、大会に出場したりするには都度事務的な作業が必要になります。必須な作業ですが、このような作業が頭に残ってしまうと練習に集中できません。
そこで、私が積極的に面倒な作業を担い、選手が競技に集中できる環境づくりに務めました。
御社に入社後はチームで業務に取り組むことがほとんどだと思います。その際、チームのメンバーが働きやすい環境づくりをして、チームに貢献したいと考えています。
25年間人事育成に携わってきた平井さんが例文をチェック
「チームメンバーが働きやすい環境づくり」は悪くはないですが、あなた自身のプレイヤーとしての活躍が見えてきません。
「経験を積んでリーダーになり、チームメンバーが働きやすい環境をつくって、目標を達成します」といった書き方だとより良いと思います。
⑩共感力の高いチームビルダー
共感力の高いチームビルダーの例文
自分を一言で表すと「共感力の高いチームビルダー」です。
私は高校の3年間、学級委員長を務めておりました。役目を終えたときにクラスメイトから特に言われたことは「皆の気持ちを汲み取ってくれたから、クラスで円満に過ごせた」という内容です。
私は皆がいきいきと過ごせるクラスにしたいと考えていたため、一人ひとりに共感を示すことを特に意識していました。具体的には、全員の声を聞いて、それを反映させた案を全員がいる場で提案することです。
中には希望通りにならない人もいますが、何かを決める過程を全員でおこなうことに意味があると思い、このような行動をしていました。
御社に入社後、数年経てばチームを持つことがあると思います。その際、強みである共感力を活かして、メンバーが仕事しやすいチーム作りをして貢献したいと考えています。
「自分らしい働き方」を支援する永田さんが例文を解説
学級委員長としての役目を務めたアピールができていて良いと思います。
今後もそのような役割をしていきたいのであれば、「チームを持つことがあると思う」よりも「チームを引っ張っていく役割をしたい」という形で伝える方が積極性があり好印象だと思います。
⑪人々を勇気づける社交家
人々を勇気づける社交家の例文
自分を一言で表すと「人々を勇気づける社交家」です。
私は大学で部活動のキャプテンを務めています。キャプテンとして練習中に特に意識していることは、一人ひとりに声をかけてチーム全体を盛り上げることです。
練習中はうまくいかなかったり、疲れたりして気持ちが落ち込んでいる人もいます。そのような人に勇気づけるような声をかけることで、チーム全体が底上げされて練習が活発になります。
御社に入社後も関係者には積極的に話しかけに行くようにし、皆がポジティブな気分になれるようにしたいと考えています。そして、顧客とも良好な関係を築き、御社に貢献したいと考えています。
自己分析支援が得意な小峰さんの例文添削
良い点は、自分の特徴を社会人としてどのように活かしていきたいかについて触れているところです。入社後の活躍がイメージしやすいですね。
改善点としては、何のためにそこまで目標達成に突き進めるのかといった目的を加えるとより良くなると思います。組織では、目標達成も大切ですが、目的を果たすことがより重要だからです。
⑫チームの大黒柱
チームの大黒柱の例文
自分を一言で表すと「チームの大黒柱」です。
私は大学の部活動で、部費の管理からスポンサー費・奨励金の出納、大会出場費の支払いまで、すべての金銭管理を任されています。このような重要な役割を任されているのは、日々積み重ねてきた信頼が評価されたからだと考えています。
一時期部内では、提出物や部費支払いなどがルーズになりがちな状況がありました。そのなかで私は、期限やルールを確実に守り、部活動にも真摯に取り組み続けてきました。その姿勢が認められ、「任せて安心できる人」として責任ある仕事を託されるようになったと感じています。
社会人になってからも、コツコツ積み重ねる姿勢を大切にしながら、社内外から「彼に任せれば間違いない」といわれる存在を目指していきたいとです。
企業人事に従事する馬場さんが例文を添削
上記の例文は、金銭管理を任される信頼の厚さが強みとして明確です。
一方で「大黒柱」はやや強く、「任せて安心できる存在」など実務型の表現にすると、あなたの特性(強み)や企業での再現性が伝わりやすくなります。
部活動で学んだことのアピール方法は以下の記事で解説しています。学生時代部活動を頑張った人は、こちらの記事を参考に自己PRを組み立て、あなたの魅力を余すことなく伝えましょう。
⑬抜け目のないマネージャー
抜け目のないマネージャーの例文
自分を一言で表すと「抜け目のないマネージャー」です。
私は高校・大学で部活動のマネージャーをしており、部の運営に関するほとんどのことを任されています。やることは多いのですが、ほとんどミスなくやり抜くことができています。
ミスや抜け漏れを最小限にするためにしていることは、タスク管理シートの作成です。状況に応じて必要なタスクを洗い出し、それをいつまでに終わらせるかといった管理を徹底しています。
そして、タスクを洗い出す際は抜け漏れがないように、一度試しに本番同様の行動を取るなどしています。
御社に入社後も仕事のミスや抜け漏れを最小限にして、チームに迷惑をかけないように努めたいと考えています。
自己分析支援が得意な小峰さんの例文添削
良い点は、抜け目がないように本番同様の行動を取って事前に検証している点です。ミスのできない仕事では有効な確認手段になるからですね。
改善点としては、どうして事前に検証するという考えに至ったのかという経緯を加えるとより良くなると思います。
⑭戮力協心(力を合わせて取り組む)
戮力協心(力を合わせて取り組む)の例文
自分を一言で表すと「戮力協心」です。
複数人で力を合わせて取り組むことが得意で、これまでいくつかの成果を挙げてきました。
特に印象に残っているのは友人との起業です。その友人と私はどちらも英語ができたため、これから留学に行く人向けの英会話サービスを立ち上げました。
すべてが初めてのことばかりだったためわからないこともたくさんありましたが、友人と協力して、月100万円の利益を残せるくらいまで成長しました。
現在はその友人が留学に行っており、事業の継続が難しくなったため会社を畳んだのですが、力を合わせて何かに取り組むことの素晴らしさを感じた経験です。
御社に入社後もチームで力を合わせて取り組むことが多いと思います。その際、これまでの経験を活かして、力を合わせて大きな成果を挙げられるように努力したいと考えています。
「自分らしい働き方」を支援する永田さんが例文を解説
「戮力協心」という言葉がなじみがないので、その説明として「全員の力を結集し一致協力して仕事に励むことです」などと冒頭に入れる方がわかりやすいです。
また、キーワードにパンチがあるので、なぜこの言葉を選んだのかということもさらっと伝えられると良いですね。
⑮兼愛無私(自他の区別なく広く人を思いやる)
兼愛無私(自他の区別なく広く人を思いやる)の例文
自分を一言で表すと「兼愛無私」です。
私は、他人にはメリットがあるが、私にはメリットがないようなことでも積極的に取り組むことができます。
このような行動を取れるようになったのは、小学校の先生の影響が大きいです。その先生からは「自分が求めてばかりではいけない。与え続けるからこそ、いずれ求めるものが手に入る」と教えてもらいました。この言葉に非常に納得し、そこから他者を思いやった行動が取れるようになりました。
そして、特に力を入れて取り組んできたことがボランティア活動です。大学入学後は海外も含めて、10回以上のボランティア活動に参加してきました。
御社に入社後も同僚が困っていたら積極的に手助けをして、チームとして成果を挙げられるように貢献したいと考えています。
25年間人事育成に携わってきた平井さんが例文をチェック
わかりやすくて良いですね。
原体験も具体的で、小学校恩師の教えをずっと守っている素直さや継続力も見えます。
この内容なら「忘己利他」「先義後利」なども使えますね。「先義後利」は、歴史のある会社の社是になっていることもあります。
⑯チームのスパイス
チームのスパイスの例文
自分を一言で表すと「チームのスパイス」です。私は、場の雰囲気を前向きにしながら、チームの力を引き出すことが得意だと感じています。
大学のグループワークやゼミ活動でも、意見が停滞しているときに別視点のアイデアを出したり、メンバー同士の会話が噛み合わないときに橋渡しをしたりと、自然と場を動かす役割を担ってきました。
なかでも心に残っているのが、大規模な学内プロジェクトで作業が行き詰まった場面です。意見がまとまらず空気が重くなっていたため、私は「同じ視点で考えている限り前には進まない」と感じ、思い切って視点を大幅にずらした新しい案を提案しました。
同時にメンバーの意見を整理して議論の土台を作った結果、話し合いが再び進み、結果的に全員が納得する形で方針を決めることができました。新しい意見を添えたり、場の流れを作ったりすることが自分の強みだと感じた貴重な経験です。
御社に入社後も、周囲の強みを引き出しつつ、チームが前に進むためのスパイスとして貢献したいです。
多様な世代のキャリア支援が得意な板谷さんが例文を添削
上記の例文は、きちんと自己理解したうえで、初めて読んだ人にも理解しやすいように大学でのグループワークやゼミでのエピソードが書かれていると感じます。
入社後についても言及されており、きちんと伝わるでしょう。
⑰人と人とをつなぐ強力接着剤
人と人とをつなぐ強力接着剤の例文
自分を一言で表すと「人と人とをつなぐ強力接着剤」です。私は立場や考え方の違う人同士をつなぎ、チームが動きやすい環境をつくることが得意です。
大学のプロジェクトでも、意見が対立した際に調整役になることが多く、自然とコミュニケーションの中心になっていました。
印象的だったのは、学内コンテストの準備でデザイン担当と分析担当の意見がぶつかった場面です。私は双方の意見を整理して共通の目的を示し、両方の良さを活かす案を提案したことで、作業が再びスムーズに進みました。
このように、人の意図を丁寧に受け取りながら関係をつなぎ直すことが私の強みだと感じています。御社でも、人と人を結び付けてチームの力を最大化する存在として貢献したいと考えています。
多様な世代のキャリア支援が得意な板谷さんが例文を添削
上記の例文は、今までの活動を振り返り、自分の得意なことや立ち位置について自己理解をしたうえで言葉にされていると感じます。
大学の際のエピソードを踏まえて強みについて言及するというのも好印象を与えることができますね。
⑱どんなときでも動じない司令塔
どんなときでも動じない司令塔の例文
自分を一言で表すと「どんなときでも動じない司令塔」です。私は状況が乱れても冷静さを保ち、その場で必要な判断を整理することが得意です。
これまで大学のチーム課題でも、急なトラブルが起きた際に自然と全体の流れを整える役割を担ってきました。
以前、ゼミ活動のなかで、発表の直前に資料が一部破損していることがありました。慌てずに役割を再調整し、残っている情報をもとに構成を組み直したことで、チーム全員が落ち着いて発表に臨むことができました。
このように、どのような状況でも、冷静な判断を下して道筋を描けることが私の強みです。御社に入社後も、安定した判断でチームを支える司令塔のような存在として貢献したいと考えています。
企業人事に従事する馬場さんが例文を添削
上記の例文は、冷静さと判断力を、資料破損という具体的な緊急事態で示しており、説得力のある強みになっています。チームの混乱を収め、役割の再調整までおこなえた点は実務にも通じる行動でGoodです。
一方で「司令塔」という表現はリーダー色が強く、人によっては過大と映る可能性があります。「流れを整える調整役」などに言い換えるとより評価が安定するでしょう。
⑲環境を選ばないマルチプレイヤー
環境を選ばないマルチプレイヤーの例文
自分を一言で表すと「環境を選ばないマルチプレイヤー」です。私は幼少期からテニスに取り組み、大学では体育会の部活動に所属しています。
大学2年生の大会では、まったく使い慣れていない道具で試合に挑み、勝利した経験があります。この出来事で、自分を表す言葉として「環境を選ばない」が、もっとも適していると感じました。
試合当日は、ウォーミングアップ中にラケットとシューズが壊れるというアクシデントがあったのです。替えの用具もなく、急いで近くのスポーツ用品店で購入したものを使って出場しましたが、当然ながら使い慣れておらず、フィットしてないという感覚が拭えませんでした。
しかし、ラケットやシューズの特性に合わせて自分の動きを調整した結果、勝利することができました。
社会に出れば、予期せぬトラブルや、慣れない環境での判断が求められる場面も多いと思います。そういった場面でも、与えられた状況で最善を尽くし、柔軟に対応しながら成果につなげていきたいと考えています。
多様な世代のキャリア支援が得意な板谷さんが例文を添削
上記の例文は、具体的なエピソードを元に、自分を表現することができています。また、社会に出た際にも自分自身の強みを活かすことが出来ると伝えるのに値する抽象度の高さと、自分自身を現すことの出来る個性のバランスが秀逸です。
⑳不撓不屈(どんな苦労や困難にもくじけない)
不撓不屈(どんな苦労や困難にもくじけない)の例文
自分を一言で表すと「不撓不屈」です。
私は大学で柔道部に所属しているのですが、怪我の連続でまともに練習を続けられる期間は非常に短かかったです。そんな状況でも絶対に夢を諦めたくないと思い、できる限りのことを懸命に取り組みました。
私は幼少期から柔道に取り組んでおり、全国大会入賞という夢がありました。高校までその夢を達成することができず、大学の4年間で達成しなければいけないという状況でした。
しかし、大学入学後は怪我に苦しみ、なかなか練習に励むことができませんでした。
そのような中でも夢を叶えるために、懸命にリハビリや練習に取り組んだところ、大学3年生の全国大会で2位に入賞することができました。
御社に入社後も目標を設定する場面があると思います。どんな困難があっても一度設定した目標は必ず達成させて、御社に貢献したいと考えています。
25年間人事育成に携わってきた平井さんが例文をチェック
取り上げた題材は良いですね。
一方、怪我が多いことは何か根本的な原因があるのでは、と思わせます。
「リハビリや練習に取り組んだ」に加えて予防的な視点、身体の使い方を変えたことや体幹を鍛えたことなどを追加して、何かが起きたときの対応力だけではなく、再発防止で解決したこともアピールしてはどうでしょうか。
㉑新進気鋭(将来が有望なその分野の新人)
新進気鋭(将来が有望なその分野の新人)の例文
自分を一言で表すと「新進気鋭」です。
私はITベンチャーでインターンをしていたことがあり、そこであるWebアプリの開発に携わりました。そのWebアプリは現在利用者100万人を超えており、多くの人に利用されるまでに成長しましたs。
私が得意としているのはフロントエンドです。ユーザーにとって使いやすい機能は何か、どのような配置や機能を実装したらより便利になるかなど、ユーザーの立場になって物事を考えることを得意としています。
実際にWebアプリ開発時も、フロント周りは企画や設計から携わりました。
御社に入社後もエンジニア職への配属を志望しています。ユーザーに喜ばれるサービスを作って、御社の売り上げ拡大に貢献したいと考えています。
「自分らしい働き方」を支援する永田さんが例文を解説
「新進気鋭」というのは一見ポジティブな捉え方ですが、不遜な態度と捉えられてしまうこともあります。第三者から見て使うのが一般的であるためです。
そのため、類似の言葉で「少壮気鋭」「意気衝天」などを使用するとより良いかもしれませんね。
㉒どんな場所でも活躍するカメレオン
どんな場所でも活躍するカメレオンの例文
自分を一言で表すと「どんな場所でも活躍するカメレオン」です。
父親の仕事の都合で転校する機会が多く、小学校は3回、中学校は1回の転校を経験しました。一つの学校にいる期間は短かったのですが、すべての学校で学級委員長を務めた経験がございます。
私は人見知りをすることがなく、会って数日後には一緒に遊びに行けるほど場になじむことが得意です。それに加え、一緒に過ごしているからには皆が過ごしやすい場を作りたいと考えていたため、各学校で学級委員長を務めました。
転校するたびに寂しい気持ちにはなりましたが、友人から「あなたがこの学校に来てくれて良かった」と言ってもらったこともあります。
御社に入社後も、さまざまなチームや顧客と一緒に仕事をすることがあると思います。どんな環境でも積極的に活動して、価値を発揮したいです。
25年間人事育成に携わってきた平井さんが例文をチェック
適応力の高さはイメージできるのですが、カメレオンには「相手によって態度を変える」「無節操」のイメージも持たれがちです。
伝えたい自分の強みを「リーダーシップ」「社交性」「関係構築力」のように言い換えて、たとえるものを検討してみてください。
リーダーシップや関係構築力を強みに持つ人は、以下を参考に自己PRを考えると人柄を魅力的に伝えられますよ。
こちらの記事では自己PRで社交性をアピールする方法を解説しています。差別化のコツもまとめているので参考にしてみてください。
関係構築力に自信がある人は、以下のQ&Aで関係構築力をアピールする方法をキャリアコンサルタントが回答しているので、併せてチェックしてくださいね。
㉓泰然自若(落ち着いてどんなことにも動じない)
泰然自若(落ち着いてどんなことにも動じない)の例文
自分を一言で表すと「泰然自若」です。
私は焦ったり、急な展開で頭が真っ白になったりすることがほとんどなく、どんな状況でも冷静に対応することができます。
特にこのような性格を発揮したのが、大学2年生のときに友人と行ったキャンプです。その日は晴れていたのですが、暗くなるにつれて雨が強くなり、夜9時頃には台風になりました。
しかし、そのような状況でも焦ることなく、まずはテントが飛ばされないようにペグを打って強化し、荷物をすべてテント内に入れるなどの対応をしました。
朝起きると、風でキャンプ用具が吹き飛んでいる家庭もありましたが、私たちのところは影響を受けることなく過ごすことができました。
社会人になると急な対応が必要な場面があるかと思います。その際でも、心を落ち着かせ、冷静に対応して、できる限りのことをして貢献したいと考えています。
自己分析支援が得意な小峰さんの例文添削
良い点は、緊急時に対応した経験に基づいている点です。仕事でも緊急対応はよくあることだからです。
改善点としては、どうして緊急時に冷静に対応することができるようになったのかといった、経緯や背景が少しあるとより良くなると思います。その価値観を築いている根拠が明確になるからです。
㉔吸収力の高いスポンジ
吸収力の高いスポンジの例文
自分を一言で表すと「吸収力の高いスポンジ」です。
私は新しい知識や経験を素早く取り込み、自分の力として活かすことを得意としています。大学では専攻とは異なる分野のゼミに挑戦しました。基礎知識ゼロの状態からでも積極的に質問し、周囲の学び方を観察しながら短期間で論文を仕上げることができました。
特に印象に残っているのは、ゼミで高度な分析ツールを扱うことになったときの出来事です。最初はまったく触れたことがなく戸惑いましたが、授業後に自主的に学習し、先輩の作業を見て吸収したことで、数週間後にはメンバーから操作方法を相談されるほど習熟できました。
このように、未知の環境でも柔軟に学び取り、成果につなげるのが私の強みだと感じています。御社に入社後も、新しい業務や知識をスポンジのように吸収し、早期から戦力と認められるように貢献していきたいです。
多様な世代のキャリア支援が得意な板谷さんが例文を添削
上記の例文は、「吸収力の高いスポンジ」という言葉を表現する具体的なエピソードとして綺麗にまとめられています。
大学でのゼミの活動と、企業に入社してからの一連のストーリーがとてもわかりやすいです。
㉕揺るがない羅針盤
揺るがない羅針盤の例文
自分を一言で表すと「揺るがない羅針盤」です。私はどんな状況でも目的を見失わず、周囲に流されずに判断できるタイプだと自負しています。
大学のプロジェクト活動では、意見が割れやすいチームをまとめる役割を担うことが多く、常に「何のためにこの作業をしているのか」を軸に行動してきました。特に印象に残っているのは、学外との共同企画で意見が真っ二つに分かれた場面です。
方針が定まらず停滞していたため、私は一度全員の意見を整理し、「最終的な目的にもっとも近い選択はどれか」を基準に話し合いを再構築しました。その結果、全員が納得する方向性が定まり、企画をスムーズに進行させることができました。
私は、迷いが生まれる場面こそ冷静に判断して、チームを進むべき方向へ導ける自信があります。御社に入社後も、目的意識を軸に行動し、周囲が安心して進める環境をつくる存在になりたいと考えています。
企業人事に従事する馬場さんが例文を添削
目的を軸に議論を整理し、停滞した企画を前進させたという経験は説得力があり「判断軸の明確さ」という強みが具体的に伝わります。
一方で「揺るがない羅針盤」は少し抽象的で、企業でどう再現されるかが読み手に委ねられているのがマイナスポイントです。
「議論を構造化できる」「目的に沿って意思決定を導く」など実務的表現に置き換えるとより評価が上がります。
㉖逆境でも根を張る雑草
逆境でも根を張る雑草の例文
自分を一言で表すと「逆境でも根を張る雑草」です。私はどんな状況でも踏ん張り、少しずつでも前に進む粘り強さがあります。たとえ順調でなくても投げ出さず、できることを積み重ねて状況を変えていくタイプだと感じています。
自分のなかで象徴的だったのは、大学で所属していたサークルの運営が難航した時期です。
参加者が大幅に減り、企画も思うように進まず、メンバーのモチベーションも下がっていました。そんな状況でも私は、少人数でも続けられる企画を考え直したり、SNSで新入生向けの発信を強化したりと、できることを地道に続けました。
すぐに成果は出ませんでしたが、継続した取り組みが実を結び、半年後には新しいメンバーが増え、活動は再び活気を取り戻したのです。困難な状況でも根を張るように耐え、地道に行動を続けた結果だと感じています。
御社に入社後も、環境が思い通りでない場面でも前向きに行動し、小さな努力を積み重ねて成果につなげる「雑草のような強さ」で貢献したいと考えています。
企業人事に従事する馬場さんが例文を添削
逆境下でサークル運営を立て直した具体的なエピソードは「粘り強さ」の裏付けとして非常に有効です。地道な改善施策や成果が明確で、行動特性も伝わります。
ビジネス的な文脈でいうと、「継続力のある実行者」など実務寄りの表現にするとより印象が洗練されるでしょう。
㉗転んでも起き上がるだるま
転んでも起き上がるだるまの例文
自分を一言で表すと「転んでも起き上がるだるま」です。失敗しても落ち込みすぎず、すぐに気持ちを切り替えて次の行動に移れることが強みです。
大学の部活動でも課題がうまく進まないことがありましたが、そのたびに原因を振り返り、小さくてもできる改善策を探しながら取り組んできました。特に記憶に残っているのが、大会前の練習でミスが続き、自分でも焦りを感じていた時期です。
諦めない姿勢を見せることでチームにも良い影響を与えたいと思い、練習後に自主練時間を設けたり、上手な先輩に動きを見てもらったりしました。その積み重ねが結果につながり、本番では落ち着いて実力を発揮することができました。
私は、一度つまずいても何度でも起き上がり、前に進むことができる人間だと自負しています。御社に入社後も、失敗を恐れず改善を続けながら、粘り強く成果に向かって行動し続けたいです。
多様な世代のキャリア支援が得意な板谷さんが例文を添削
上記の例文は、全体的な流れがシンプルでわかりやすいです。
しかし、大学の部活動でのエピソードがやや抽象度が高いようにも感じるので、結果を具体的に示すなど、より聞いた人がイメージできるような工夫ができると良いでしょう。
㉘常に上を向くひまわり
常に上を向くひまわりの例文
自分を一言で表すと「常に上を向くひまわり」です。
大学ではイベント運営チームに所属しており、準備が思うようにいかない場面でも、気持ちを切り替えて行動する姿勢を大切にしてきました。実際、学園祭の活動のなかで、前日に突然の雨が降り、屋外企画が中止になったことがありました。
チーム全体が落ち込み、代替案も決まっていない状況でしたが、私は「室内でも楽しめるように切り替えよう」と提案し、急遽できる準備を洗い出し、提案しました。
装飾の再配置やゲーム内容の調整など、限られた時間でできる企画をまとめたことで、当日は予想以上に多くの来場者が集まり、無事学園祭を成功させることができたのです。
この力を活かして、御社に入社後も明るい姿勢でチームに良い流れをつくり、困難な場面でも前向きに挑戦し続けたいと考えています。
企業人事に従事する馬場さんが例文を添削
前向きさを「ひまわり」で表現する比喩は印象に残り、雨天中止から即座に代替案を整えた行動も具体的で強みがよく伝わります。
一方で、明るさだけが強調されがちなので「状況整理力」や「実務的な判断」の要素も添えると、企業での再現性がより高まりますよ。
㉙吸収力3倍の勉強家
吸収力3倍の勉強家の例文
自分を一言で表すと「吸収力3倍の勉強家」です。
私は新しい知識を素早く吸収し、実践に落とし込むことが得意です。大学では、未経験から始めた飲食店のアルバイトで、多くの業務を短期間で習得し、重要な役割を任せてもらえたことがあります。
私は、アルバイトで新人研修担当を任されていました。覚えることが多く最初は不安もありましたが、マニュアルを自分用に要点整理してまとめたり、先輩の動きを観察して真似したりすることで、周りより早く業務に慣れることができました。
本来であれば、半年はかかる研修期間を3カ月で終え、新人アルバイトを即戦力として育て上げることもできました。研修終了後には、新人スタッフの教育係を正式に任命してもらい、非常にうれしかったです。
この経験から、私は「学ぶ→整理する→実践する」の循環を素早く回し、成長を加速させる力があると感じています。御社に入社後も、業務や知識を積極的に吸収し、早期からチームに貢献できる存在を目指したいと考えています。
多様な世代のキャリア支援が得意な板谷さんが例文を添削
上記の例文は、「本来であれば半年はかかる研修期間を3カ月で終え」など、具体的な数値を用いた説明により、読み手が具体的に理解しやすくなる工夫が見られます。
経験の活かし方に関しても、具体的に述べられているので好感が持てますね。
㉚解像度2倍の分析家
解像度2倍の分析家の例文
自分を一言で表すと「解像度2倍の分析家」です。私は物事を細かく観察し、背景や原因まで丁寧に読み取ることが得意だと考えています。マーケティングの授業でおこなった調査プロジェクトで、この強みを実感する機会がありました。
飲料商品の購入理由を分析する課題に取り組んだ際は、単にアンケート結果を集計するだけでなく、回答の一部に表れていた「気分転換」「パッケージの印象」などの細かな傾向に着目しました。
同じ項目でもどんな言葉が選ばれているのかまで丁寧に分類しました。そこで、「購入の決め手は味よりも瞬間的な感情に左右される」という洞察を導き出し、教授から高い評価をいただきました。
この経験から、私はデータの裏側にある本質まで思考を深め、精度の高い結論を導く力があると感じています。御社に入社後も、情報を多角的にとらえ、解像度の高い分析でチームに貢献したいと考えています。
企業人事に従事する馬場さんが例文を添削
分析の着眼点が具体的で、アンケートの言語選択まで深掘りしたプロセスは「解像度の高い思考」の裏付けとして非常に説得力があります。
一方で「解像度2倍」という表現はキャッチーですが抽象的でもあるため、「細部の差異から仮説を立てられる」などに言い換えると、企業での再現性がより明確に伝わるでしょう。
自分を表す一言を考える下準備

「たった一言だからすぐに思い付くだろう」と感じる人もいるかもしれませんが、そのような考えのもとで発した一言は説得力がなかったり、的確に自分を表現できていなかったりします。たった一言ですが、一言だからこそ重みがあるので、失敗は避けたいものです。
納得感のある一言を考えるためには丁寧な準備が必要です。
ここからは自分を表す一言を考える準備の方法を解説するので、参考にして説得力のある一言を考える土台を作ってくださいね。
①自分の強みを探す
「自分を一言で表すと」という質問は、要は「端的に自分をアピールしてください」ということでもあります。つまり、強みやアピールポイントを見つけ、それを印象に残る一言でアピールする必要があるのです。
そのため、自分がアピールしたい強みを考える必要があります。最初から企業にアピールできる強みを見つけようとは思わずに、まずは思い付くものから書き出しましょう。
日頃から得意だと感じること、褒められること、苦労しなくても成果を出せること、苦痛に思わないことなどから強みを考えてみてください。
以下の記事で強みを考える方法を解説しているので、併せてチェックしてください。就活で使える強み一覧も説明しているので、ここから自分にマッチするものを探してみるのも効果的です。
プロのアドバイザーならこうアドバイス!会社のニーズに合った自分の強みを探そう
永田 修也
プロフィールを見る本文にも記載されていますが、一番最初に多くの人がやるのは、自分の得意なことやこれまでの成果などを考えることだと思います。
一方、私が考える強みの探し方は少し異なります。
私は個人で仕事をしています。そのため集客したり、広告を打ったりと素人知識ですが小さくとも自分でマーケティングをしなければなりません。その際に「自分の強み」「自分の売り」を探し出して明確にする必要があるのです。
ここで考えなければいけないのが、自分の売りというのは「自分だけの視点ではダメだ」ということです。つまり、自分の売りや強みは顧客にとっての「買い」とイコールでなければ意味をなさないということです。
強みは独りよがりにならないように注意しよう
そのように考えると、いくら得意なことで自分の強みだと思っていても相手にとって必要性を感じなければ、それはただの独りよがりということになってしまいます。
この考えを踏まえて自身の強みを探していくと、より深みのある自分の強みを見つけることができるのではないでしょうか。
②企業が求める人物像を調べる
より効果的なアピールにするためには、企業がどんな人材を求めているのか把握する必要があります。たとえば「慎重に決断できる人」を求める企業で「リスクを厭わず挑戦できる」強みをアピールすると、求める人材と一致しないので採用にはつながりにくいです。
そこで、求める人物像をしっかり調べておきましょう。求める人物像は企業ホームページ(HP)で公開されているので探してくださいね。
そのうえで、この記事の「①自分の強みを探す」で見つけた自分の強みと企業が求める人物像にマッチした内容を探します。たとえば強みが「慎重」「協調性」「計画性」であり、企業が「慎重に決断できる人」を求めているのであれば、強みの中の「慎重」をアピールすれば良いとわかりますね。
このようにして、自分を表す一言を考える前に、何を一言にまとめるべきかを考えてみましょう。
企業研究の方法は以下の記事で詳しく解説しています。たくさんある情報をノートにわかりやすくまとめる方法も説明しているので、併せてチェックしてくださいね。
「自分を一言で表すと」を面接官が質問する意図
「自分を一言で表すと」を面接官が質問する意図
- 自己分析力を把握するため
- 表現力の有無を見るため
- 個性を把握するため
- 臨機応変な対応力の有無を見るため
「自分を一言で表すと」という質問は多くの会社で聞かれるわけではないので、慣れておらず上手く答えられない人もいます。
ここからは、「自分を一言で表すと」という質問を面接官がする意図を解説します。まずは質問の意図を把握することで、面接官の意図に沿った好印象な回答を考えやすくなるので、ここで解説する内容をチェックしましょう。
自己分析力を把握するため
就活は自分と企業とのマッチ度を測る場ですが、自己分析をしっかりおこなっていなければ、当然企業と学生がマッチしているのか正確に把握しきれません。そこで自己分析がどれくらいできているかを通して、学生が企業にマッチしているか測ろうとしているのです。
自己分析がしっかりできている人は、分析した自分の人柄を上手くまとめて一言で伝えられますが、自己分析を怠っている人は自分の強みやアピールポイントがわからず、言葉に詰まってしまいます。
自身の本質をつかむまで自己分析ができているかを把握するために、自分を表す一言を聞いているケースが多くあるのです。
自己分析が得意なキャリアコンサルタントが企業目線を解説
企業は、主体的に成長していく人材がほしいわけです。成長とは変化です。変化をするには今の自分を知る必要があります。
そのため自分を常に知る力、つまり自己分析力を通して、成長できるポテンシャルがあるかを見定めようとしているのです。
表現力の有無を見るため
特にクリエイティブな仕事では表現力が不可欠です。たとえばライターは的確な表現を探し文章にする仕事ですが、面接で自分を表す一言を聞くことで、的確かつキャッチーに表現する力があるか見ようとしていることがあります。
クリエイティブな仕事の例
- デザイナー
- ゲーム・動画クリエイター
- イラストレーター
- カメラマン
- プランナー
- ライター
- ディレクター
クリエイティブな仕事以外にも表現力は必要です。たとえば顧客向け・上司向けにプレゼンテーションをする場合、伝えたい内容を簡潔にまとめ、かつ納得感のある表現を探す力が求められます。
そのため、クリエイティブな仕事以外でも、表現力の有無を確認するために自分を表す一言を聞くことがあるのです。
個性を把握するため
「自分を一言で表すと」という質問は、つまりあなたを表すキャッチフレーズを知りたいという質問とも考えられます。画一的なキャッチフレーズでは聞く人の心に刺さりません。あなたを表す独創的な言葉を聞き、個性を把握しようとしているのです。
たとえば「失敗を恐れないパイオニアです」という一言、つまりあなたを表すキャッチフレーズを伝えると、挑戦を厭わない先駆的な個性が伝わります。
単に強みやアピールポイントを聞くだけではなかなか個性は伝わりません。そこで、「自分を一言で表すと」という表現の工夫が必要な質問をすることで、あなたの人柄を深く把握しようとしているのです。
臨機応変な対応力の有無を見るため
頻出質問ではないのでこの質問に対して準備できていない学生も多くいますが、企業側はそれを見越し、想定外のケースでも臨機応変に対応できる力があるかを見ていることもあります。
仕事は毎日シナリオ通りに進むわけではなく、急な顧客やトラブルへの対応などが発生するケースが多くあります。そのため、臨機応変に対応する力はどのような仕事であっても求められるのです。
特に営業職では、顧客から想定していなかった質問を投げかけられ、瞬時に回答しなければならないケースもあります。そのような予測できないことにも対応できる力があるかを見るため、「自分を一言で表すと」というトリッキーな質問をして臨機応変な対応力を見ているのです。
臨機応変な対応力を強みに持つ人は自己PRでもアピールしてみましょう。以下の記事で臨機応変な対応力の自己PRの作り方や伝え方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
プロのアドバイザーはこう分析!「自分を一言で表すと」の質問の2つの意図も把握し対策しよう
平井 厚子
プロフィールを見る上記で解説している以外にも、この質問には2つの意図が考えられます。
①わかりやすく説明ができるか
「自分を一言で表すと」の質問にはだらだらと答えるのではなく、当然一言で自分を表現しなければなりません。
そこには発想の飛躍があったり、比喩表現があったりします。これらはパッと見てわかるものではありません。とっさに答えて、しかもその答えの理由を面接官にわかりやすく伝える能力が必要であり、それを見られています。
②自分を客観的に見ているか
自己分析・自己理解とかかわっていますが、「私はこういう人間です」と説明するのとは違い、自分を一言で表現するには自分が他者からどう見えるのかを客観的に理解しておかないといけません。
面接官から見て「なるほど」と思わせるには独りよがりの自己像ではなく、周りの人からのフィードバックももらいながら、他者から見える自分の特徴も把握しておきましょう。
自分を一言で表す際の注意点
自分を一言で表す際の注意点
- 自己PRや志望動機などと矛盾しないようにする
- ありきたりな表現はできるだけ避ける
- 抽象的にならないようにする
- ネガティブな言葉にしない
「自分を一言で表すと」はイレギュラーな質問であることから、慣れておらず、不注意によりマイナスイメージを残してしまう人も多くいます。せっかく回答を考えるなら好印象を残したいですよね。
ここからは、自分を一言で表す際の注意点を解説します。ここで解説する内容に留意しつつ回答を考えていきましょう。
自己PRや志望動機などと矛盾しないようにする
自己PRなど、ほかの回答内容と矛盾していると「自己分析が不足しているな」「行き当たりばったりで回答しているのではないか」などと思われてしまいます。
たとえば自己PRで積極性の強みを伝えたにもかかわらず、自分を表す一言で「信頼感のあるリスク管理人です」と話すと、ミスマッチなアピールになり、面接官はあなたの人柄をつかめなくなってしまいます。
自己PRや志望動機などと矛盾した強みになっていないか確認し、選考を通して一定統一感のあるアピールを心掛けましょう。
- 矛盾はしていないけれど自己PRと異なる強みをアピールするのは問題ありませんか?
問題ないが自己PRにも入れておくとより伝わりやすい
矛盾はしてないけれど、というのが意味合いによって微妙ですね。
矛盾はしてないけれどつながりもないという意味なら、相手は理解がしにくいと思います。
矛盾していない、かつつながりがあって整合性がイメージできるような強みであれば良いでしょう。
ただ、それが自分を一言で表わせる強みならば、自己PRにも入れ方ががより伝わりやすいかなと思います。
自己PRや志望動機の考え方は以下の記事で解説しているので、まだ作成していない人は参考にしてください。
自己PR
面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選
志望動機
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
ありきたりな表現はできるだけ避ける
「自分を一言で表すと」という質問では表現力や個性が求められると解説しました。つまりありきたりな表現をすると、それらを確認できず、また印象にも残りにくく、せっかくのアピールの機会を無駄にしてしまいます。そのため、できるだけありきたりではない独自の表現を考えましょう。
たとえば「私を一言で表すと吸収力のあるスポンジです」というアピールは多くの人が思い付く内容で、ありきたりといえます。そこで「私を一言で表すと百均のスポンジです。主体性があるので、コストをかけなくとも抜群の吸収力を発揮します」などと伝えると印象に残りますよね。
比喩を具体的にしたり、普段人が使わないような四字熟語を用いたり、数字を含めたオリジナルなアピールにすることでありきたりな表現を避けることができます。
上記の「吸収力」について、自己PRで使用したい場合はこちらの記事を参考にしてみてください。魅力的にアピールするためのコツを紹介しています。
- 「自分を一言で表すと」という質問でありきたりな回答をする学生にどんな印象を持ちますか?
減点にはならないが加点にもならないのでもったいない
私の経験では、表現力やクリエイティビティ、とっさの応対力などを求められる仕事以外では、減点対象になるほどではないと思います。
ただ加点にもなりませんね。もったいないかもしれません。
「自分を一言で表すと」の質問意図に、「人間性を見る」ということもあります。
もしこの質問でユーモアを感じてもらえたら、真面目さや誠実さと併せて場をなごませるユーモアを加点評価されるのではないでしょうか。
抽象的にならないようにする
強みを一言でまとめようとすると、つい簡単な言葉を選び抽象的になってしまうことがあります。たとえば「私を一言で表すとパイオニアです」などと伝えると、どれくらいのレベルの、どういったパイオニアなのかイメージできず、印象に残りにくくなります。
そこで、修飾語を用いて具体的な内容を伝えましょう。たとえば「私を一言で表すと、電池学の分野で研究者を震撼させたパイオニアです」と伝えると、どんなパイオニアなのかなんとなくイメージしやすく、また続きも気になりますよね。
一言であなたの人柄を伝えるため、長くなりすぎないよう気を付けつつ、具体的な内容を意識しましょう。
具体的にする際は、5W1Hのいずれか、最も伝えたいところを選び明確にするのがおすすめです。
5W1Hとは
「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字を取った言葉
ネガティブな言葉にしない
「自分を一言で表すと」はあなたの人柄を端的に知るために聞く質問ですが、そこで強みではなく弱みや短所などネガティブな内容を伝えるとマイナスイメージが強く残ってしまうので避けるのが無難です。
極端な例ですが、「マイペースなナマケモノです」などと伝えると、入社後仕事をしっかり進められるのか不安を残してしまいます。
一言で表すとという質問はアピールの場だと捉えて、あなたと会社とのマッチ度を示し活躍できる人材だということを伝えられるように、ポジティブな内容を話しましょう。
短所を聞かれた際の回答方法は以下の記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
ネガティブな言葉に対する印象を企業目線で解説
自分を表す一言でネガティブな言葉を言われた場合、もし私が採用側だとしたら「ポジティブな言い回しもできるのに、あえてネガティブな言葉を選んだということはネガティブ思考が強いのかもしれない」と捉えるかと思います。
できるだけ前向きなキーワードで自分を表現した方が良いでしょう。
「自分を一言で表すと」の問いは自分の強み×企業の求める人物像で答えよう
「自分を一言で表すと」という質問は、何をどう答えれば良いかがわかりづらく、戸惑いやすい質問だといえます。そこで覚えておいてほしいのは、企業が知りたいのは「自分自身の強みをどう解釈し、どのように表現できる人なのか」を知りたいということです。
自分の強みと企業の求める人物像を結びつけた一言を見つけ、裏付けとなる経験を添えることで、「この人と働きたい」と思ってもらえる回答が作成できます。自分らしい一言を作成して、選考突破を目指しましょう。
アドバイザーからあなたにエール相手に伝わらない独りよがりの表現に注意
永田 修也
プロフィールを見る自分を一言で表すというのは人によっては簡単に感じるかもしれません。しかし、私個人としては結構難しいことだと思っています。
自分のことをきちんと理解していないと的確なワード選びができず、短い言葉でいかに相手にイメージしてもらうかというコピーライティングの技術も必要になってきます。
「お、これ良いじゃん」と自分では思っていても、相手からすると「よくわからないなぁ」と感じてしまう事態が往々にして発生するのです。
身近なキャッチコピーを参考にすると良い一言を考えやすい
CDショップでおなじみのタワーレコードには有名な「NO MUSIC NO LIFE」(音楽なしでは生きていけない)という言葉がありますね。これは音楽を愛する人へ向けた、直感的に心に響くシンプルかつ素晴らしいコピーだと思います。
実はこういった言葉というのは日常に溢れています。コンビニの商品やテレビのCM、街中の看板。いたるところにキャッチコピーが存在しています。
本気で学ぼうとしなくても良いとは思いますが、身近なものを意識するだけで、プロたちが考えた言葉に触れることができるので、これを念頭に置くと自分のことを一言で表現する良いキーワードの発見があると思いますよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi


















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キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント
Gaku Baba〇製造メーカーやITベンチャーの企業人事に従事する傍ら、キャリアエージェントとして数多くの転職希望者の支援も実施。幼児教育事業も展開するなど、幅広い年代のキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
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