この記事のまとめ
- 社交性の自己PRは具体性を持たせることが重要
- 社交性の自己PRで差別化する方法を知って一歩リードしよう
- 社交性の自己PRのコツと注意点を押さえた例文5選を紹介
- ChatGPT 自己PR作成ツール
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自己PRで社交性をアピールしたいものの、どのようにアピールすれば良いのか悩んでいる人は少なくないでしょう。「そもそも社交性ってアピールできるの?」「社交性ってほかの学生と被らないかな?」と考えている人もいるかもしれません。
この記事ではキャリアアドバイザーの木原さん、野村さん、有馬さんとともに、自己PRで社交性を効果的に、そしてほかの学生と被らないようにアピールする方法を解説します。
併せて社交性の自己PR例文も紹介するので、これから自己PRを作成して選考に進もうとしている人は最後まで読んで参考にしてください。
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社交性の自己PRは言い換えが必須! 自分にぴったりな表現でアピールしよう
社交性はアピールしやすく社会人としても必要なスキルなため、自己PRの題材にしようとする学生は少なくありません。そのため、ほかの学生も思いつくようなありきたりな方法でアピールすると似通った内容になってしまい、印象の薄い自己PRになってしまう可能性があります。
記事ではまず、社交性の正しい意味について説明します。社交性の意味を理解しているつもりでも、似ている言葉と混同してしまって正しく理解できていない人も意外と多くいます。自分がアピールしたいのは本当に社交性なのかを判断するため、そして正しい意味で人事にアピールするために、改めて「社交性」という言葉について考えてみましょう。
次に社交性の言い換え表現を5つ紹介します。社交性は抽象的な言葉であるため、人によって抱くイメージが異なる可能性があります。人事に自分のアピールしたい社交性を正しく伝えるためにも、適切な言葉に言い換えられるようにしましょう。
記事後半では、社交性を効果的にアピールするための自己PRの構成や社交性を活かせる職種、そして言い換え表現別と職種別で自己PRの例文について説明します。魅力をさらにアップして伝える方法も解説しているので、最後まで読んで人事に刺さる自己PRを作成できるように参考にしてみてください。
そもそも社交性とは? まずは正しい意味を理解しよう
社交性の定義
・人とのつきあいをうまくやっていける性質
・社会を形づくろうとする人間の特性
引用元:コトバンク
社交性の定義はおもにこの2つです。自己PRでアピールしようとする多くの学生が認識している社交性は、1つ目の「人付き合いが上手な性質」であることが多いかもしれません。
しかし、「人付き合いが上手」という強みもさまざまな意味を含んでいるため、人によって感じる意味が異なることがあります。そのため、自分がアピールしたい社交性と、受け取り手である人事が認識している社交性が異なると会話の方向性が一致せず、うまくアピールできない可能性があります。
一方で、社交性をほかの言葉に言い換えて具体性を持たせることで、自分が伝えたい強みを正しく効果的にアピールすることができます。「自分が自己PRでアピールしたい社交性とは具体的にどんな強みなのか?」を深掘りすることで、齟齬なくアピールすることにつながるのです。
また、社交性は広義な言葉な分似たような言葉と混同されやすいです。特に、「社会性」と「外向的」と間違えられやすいため、下記表を参考に違いを理解して、正しくアピールできるようにしましょう。
社交性と混同されやすい言葉 | 単語の意味 | 社交性との違い |
---|---|---|
社会性 | ①社会生活や人間関係に対する適応能力が高い性質 ②社会生活や社会問題と関連している度合い | 社交性は積極的に人とかかわろうとする性質なのに対し、社会性は社会生活や人間関係に対して適応しやすい性質 |
外向性 | 外の世界に興味・関心を示す性質や特性 | 社会性は人付き合いが上手なことを含むのに対し、外向性は対人関係のうまさは関係ない |
自分目線での「初対面の人ともすぐ話ができる」ということを社交性と勘違いしている人は少なくありません。社交性とは、その場面ごとの状況や相手によってそれぞれの目的があるのです。
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ありきたりな表現を回避するために! 社交性の言い換え5選
先ほども述べたとおり、社交性は受け取り手の考え方・感じ方によって人それぞれ解釈の仕方が異なります。人事に正しくアピールするためにも、まずは自分にぴったりな社交性の言い換えを知る必要があるのです。
社交性があることを効果的にアピールするためにも、以下の5つの言い換え表現を参考にしてみてくださいね。
①感情を汲み取る力がある
社交性のある人は、表情や仕草、雰囲気から相手の感情を感じ取ることを得意とする人が多い傾向にあります。相手が欲していることや感情を汲み取って自然に把握できるという人は、社交性を「感情を汲み取る力」に言い換えてアピールしてみてください。
「感情を汲み取る力がある」という表現でアピールする際は、主観的になってしまわないように注意しましょう。主観的なエピソードでは、面接官によっては「自己満足で本当は正しく相手の感情を汲み取れていないかもしれない」と感じる人もいます。そのため、客観的な視点でアピールするように準備しましょう。
感情を汲み取る力があることをアピールする学生に対して、人事は「共感力があり相手に合わせた適切なコミュニケーションが取れる」という印象を抱くことが多いでしょう。
共感力は他者との協力やコミュニケーションにおいて非常に重要なスキルです。社会人になると多様な人々と一緒に働く機会があるため、好印象を残すことができるでしょう。
②好奇心旺盛
社交性が強みである人は、物怖じせず何事にも挑戦できるという特性も合わせ持っていることがあります。興味を持ったことに対して、怖がらずに取り組むことができる好奇心を持ち合わせている人は、「好奇心旺盛」という表現をしてみましょう。
しかし、好奇心旺盛という特徴は一つのことを続けることが苦手な「飽き性」とも捉えられかねません。好奇心旺盛をアピールする際は、取り組んだことを1~2つに絞ってさまざまな視点から学んだということをアピールして、継続力も持ち合わせていることを伝えましょう。
好奇心旺盛さは、工夫をすればほかの学生と差別化を図ることができます。こちらの記事では例文も併せて差別化のコツを解説しているので、「好奇心旺盛」を特にアピールしようと考えている人はぜひ参考にしてください。
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③柔軟性がある
社交性がある人は多くの人とかかわることに対して抵抗が少ない傾向にあるため、普段の人付き合いからさまざまな価値観に触れていることが多くあります。
そして多くの人の価値観に触れているからこそ、その場に応じた対応をすることができる人が多い傾向にあります。場面や相手によって適切な対応をすることができるという人は、「柔軟性」という言い換え表現でアピールしてみましょう。
柔軟性があることをアピールする際は、主体性を持って行動していることも併せてアピールするようにしましょう。周囲の人間関係を円滑にしようとして、自分の意見を共有するのが苦手という印象を与える可能性もあるので、芯がないと思われないように工夫が必要です。
- 柔軟性って具体的に仕事のどんな場面で活用できるんですか?
柔軟性は社内外であらゆる場面で活用できる
社内に関してまず活用できる場面は入社してすぐです。
柔軟性のある人は配属された部署でのルールや人間関係にスムーズに適応することができます。異動で部署が変わったり、上司が変わったり、会社の方針が大きく変わっても抵抗なく合わせていくことができます。
社外に関しては、さまざまなタイプの顧客とすぐに関係性が作れるのはもちろん、顧客のニーズに合わせた提案ができます。
人と一切かかわらずに完結する仕事はありません。柔軟性のある人はその場のチャンスをしっかり自分のものにすることができると言えます。
柔軟性の自己PR方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてチェックしてみてくださいね。
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④傾聴力がある
社交性がある人の中には、自ら周りを引っ張っていくというよりも、周りの声に耳を傾けて周囲と良好な関係性を築くことが得意という人もいるでしょう。周囲の意見を受け入れて円滑なコミュニケーションが取れるという人は「傾聴力」という表現を使ってみてください。
一方で、傾聴力はただ単純に聞き上手なだけで自主性がないという印象を与えてしまうこともあります。傾聴力をアピールする際は、その強みを活かしてどのような行動をしたのかも併せて具体的にアピールしましょう。
こちらの記事では傾聴力をアピールした自己PR例文を14個紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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⑤ポジティブ思考
社交性が強みである人の中には、失敗しても落ち込みすぎずに明るく次に活かすことができるという人もいます。課題や問題に対して反省点を洗い出して何事にも前向きに取り組めるという人は、「ポジティブ思考」をアピールしてみてください。
ポジティブ思考をアピールするときは、楽観主義という印象を与えすぎないように注意しましょう。「後先を考えずに行動するから計画性や責任感がない」と感じる面接官もいるかもしれないためです。
どうにかなると思ってポジティブに取り組んだのではなく、困難な場面でどのように工夫・努力をして乗り越えたのかを伝えられるように意識してアピールしてください。
ポジティブさを面接でアピールしたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください。面接でアピールする際の例文も紹介しています。
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- 社交性の言い換え表現を見ても、全部が自分に当てはまっているように感じてしまいます。
「自己開示力」という表現に言い換えてみるのも一つの方法
どの言い換え表現にも当てはまるということは、あらゆる方向性でコミュニケーション能力を活かせるということなのではないかと思います。
その場合は、「自己開示力」に言い換えてみてはどうでしょうか。自己開示力とは、自身の過去の挑戦や成功体験を素直に伝えることで相手との信頼度を築くことができる力のことを指します。
もし自己開示力に当てはまるエピソードがあれば、「人とのつながりを大切にしながら仕事やチーム内で自分の力を最大限に発揮できる」ということをアピールしてみてくださいね。
こちらの記事ではムードメーカーやコミュニケーション能力をアピールする方法を詳しく解説しています。自分の強みに当てはまっているという人はチェックしておきましょう。
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コミュニケーション能力のアピール方法
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コミュニケーション能力の言い換え表現
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ほかにも社交性に類似している言葉として「明るさ」という特徴があります。こちらのQ&Aでは、明るさを自己PRすることの可否についてキャリアコンサルタントが回答しているので、ぜひチェックしてみてください。
社交性の自己PRで差別化するには? キャリアコンサルタントが詳しく解説
社交性に具体性を持たせるためにも、適切に言い換えて人事に伝えることが大切だと解説しましたが、それだけではほかの学生と差別化してアピールするには不十分です。
ここでは、キャリアコンサルタントの有馬さんに、社交性の自己PRでライバルと差をつける方法を実例をもとに解説してもらいます。ほかの学生とは重複しないアピール方法を知って、自信を持ってアピールできるようにしましょう。
アドバイザーコメント
有馬 恵里子
プロフィールを見る社交性で差別化を図るにはまずは具体性を意識しよう
社交性のエピソードは、可能な限り具体的な内容を話すとよりリアルに伝わります。2つの例文を比較してみましょう。
「バイトリーダーとしてほかのメンバーが働きやすいように工夫しました」
「バイトリーダーとして高校生から50代まで常時10名のメンバーが働きやすいように工夫しました」
前者では同年代とのアルバイトの場だとも捉えられますが、後者ではかかわった人数や年齢層を伝えているため、いろいろなタイプの人とかかわったことがアピールできます。
アピールする社交性とエピソードの一貫性を保つことも大事
また、もし初めての場でも積極的にコミュニケーションを取るエピソードを話すなら、傾聴力よりも好奇心旺盛が当てはまります。自分の社交性がどういうものかを認識して裏付けとなるエピソードでしっかりアピールしましょう。
採用担当者の重視するポイントは、アピールしている社交性が違う場面でも再現できるかどうかです。たまたま環境が良かったのではなく、どういった場面であっても発揮され得るのかを見ています。
そのために、社交性が発揮されたエピソードには自分自身が取り組んだこと、意識していることを入れましょう。
見逃すとマイナスの印象に! 社交性をアピールするときの3つの注意点
社交性をアピールするときの3つの注意点
- 「社交性」という言葉だけをアピールしない
- 自主性がない印象を与えないようにする
- 社交性のイメージに反する話し方をしない
社交性はさまざまな場面で役立つため企業に求められている力ですが、アピールする際には注意点を押さえておく必要があります。注意点を知らずに書類や面接で社交性を自己PRでアピールすると、面接官にマイナスな印象を与えてしまう可能性もあるのです。
ここでは、NG例も併せてアピールの際の注意点を紹介しているので、具体例を参考に自己PRを実際に作成する前に把握しておきましょう。
①「社交性」という言葉だけをアピールしない
社交性は幅広い意味を持つ単語なので、「社交性」というそのままの言葉でアピールをすると具体性がなく、いまひとつ何をアピールしたいのかが伝わらないという状況になってしまうことがあります。
前述のとおり、社交性をアピールする際はぴったりな表現に言い換えて、背景の具体的なエピソードを添えてアピールするようにしましょう。
社交性だけをアピールしたNG例文
私の強みは社交性があるところです。
私の父は転勤が多く、それにともなって私も複数回の転校を経験してきました。転校をする人の中には友達作りに悩みを抱える人も多いと思います。しかし、私は転校をしてもすぐに友達が作れました。
このように、自分には社交性があるため誰とでも友好的な関係が築けるのだと思います。
上記の例文では、どのような特性の社交性が友達作りに活かされたのかがわかりませんよね。どのような工夫で友達作りに成功したのかを伝えることで、エピソードに具体性を持たせることができます。
社交性という漠然とした言葉だけが強調されると、外向きな一面だけが注目され、ただ単に「調子の良い人」「表面的なコミュニケーションしか取れない人」という誤解を招いてしまう可能性があります。
また、「環境が良かっただけ」「たまたまだろう」と思われてしまうリスクもあります。社交性をアピールする際は、客観性と再現性を意識しましょう。
②自主性がない印象を与えないようにする
周りの意見を汲み取れたり傾聴力のある人が社交性をアピールする際は、自主性がない印象を与えないように気を付けましょう。
もちろん周囲への配慮や気遣いができる力は強みになりますが、「自分の意見を発言しない人」「周りの目を気にしすぎる人」という印象を人事に与えてしまうと、採用するメリットが少ないと思われてしまう可能性もあります。
自主性がない印象を与えてしまっているNG例文
私の強みは、どんな環境でもすぐになじめる社交性があるところです。
これまでの人生で、新しい学校やゼミ、部活、サークル、アルバイトなど、初めて出会う人たちと協力しなければいけない状況をたくさん経験してきました。最初は人間関係を築くのに苦労する人が多いと思いますが、私はどんな環境でもすぐになじむことができます。
私から何か特別な行動を起こすわけではないのですが、自然と私の周りに集まってくれて、いつの間にか仲良くなっているということがほとんどです。
社会人になってもこの社交性は活かせると考えています。貴社に入社後は社交性を活かして、社内外で深い関係性を築いて、貴社の売上拡大に貢献したいと考えています。
上記の例文は自然と周りに人が集まってくるというエピソードですが、「何もしていないけど勝手に人が集まってくる」といった話になっていて、特にアクションを起こしていない文章になっています。
例文のエピソードのように、周囲が警戒しない雰囲気や話しやすい雰囲気をまとっていることをアピールしたい場合は、「話す際にどのようなことを意識しているか」「何に気を付けているか」も併せて伝えることが大切です。
③社交性のイメージに反する話し方をしない
自己PRで社交性をアピールする人に対して、多くの人はコミュニケーション能力に優れている人や表情が豊かな人を想像します。これは一般的な社交性のイメージが、「人付き合いが得意」というようなコミュニケーション能力に重点を置いているためです。
そのため社交性をアピールしているにもかかわらず、無表情だったり話し方に抑揚がなかったりすると、「この人は本当に社交性があるのか?」と疑う人も一定数いるでしょう。
棒読みではなく、話し方に強弱・抑揚をつけたり身振り手振りや笑顔を意識したりすることで、立ち振る舞いからも社交性をアピールすることにつながります。
- 普段は社交的なのですが、面接ではどうしても緊張してしまって棒読み・無表情になってしまいます……。
自分の言葉で表現することを意識してみよう
面接は誰でも緊張してしまうものです。しかし緊張するということは、それだけあなたが面接に対して真剣に対峙しているということです。
棒読みや無表情になってしまうということは、あらかじめ発言する文章を作成・記憶して面接に向かっていませんか。
たしかに、緊張する面接の場できれいな整然とした文章で発言したい気持ちはわかりますが、大切なのは「心からのあなたの言葉で表現されているか」です。
そのためには、まずは自分の思いを自分の言葉で腹落ちさせることを意識しましょう。面接の場では自分の心を信じて、たとえ詰まり詰まりでも、恐れずにあなたの言葉で自信をもって相手に表現してみましょう。きっと熱意は伝わりますよ。
「社交性をアピールしたいけど面接では緊張してしまう」という人もいるでしょう。こちらの記事では身振り手振りを加えて好印象を与えるコツを解説しているので、ぜひ参考に練習してみてください。
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「面接でスラスラ話すコツをマスターしたい!」という人はこちらの記事を参考にしてみてください。うまく話せない場合の対処法も解説しているので、記事を見ながら練習して自信を持って面接に挑んでくださいね。
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自己PRは流れも重要! 社交性を効果的にアピールできる基本構成
社交性を効果的にアピールできる基本構成
- 結論:社交性が強みであることを簡潔に伝える
- 理由:強みの理由を端的に述べる
- 具体例:社交性を発揮したエピソードを詳しく説明する
- 結論:入社後に社交性を活かす方法を添える
自己PRではもちろん内容が重視されますが、文章構成を意識することも大切です。構成を理解したわかりやすい文章であれば、アピールしたい内容を的確に伝えられるからです。
ここでは、4つの手順でわかりやすい自己PRを作成する方法を解説します。一つずつ手順に沿って自己PRを作成して、効果的に社交性をアピールできるようにしましょう。
①結論:社交性が強みであることを簡潔に伝える
まずは、自己PRの最初に自分の強みが社交性であることを簡単に述べましょう。そうすることで聞き手はこれからあなたが何について話すのかを理解でき、話の背景を想像しやすくなります。
「社交性が強みである」という結論を初めに伝えずに具体的な内容から話し始めると、採用担当者はあなたの強みがそもそも何なのかを理解できずに話を聞き進めることになります。
そうなると、「結局アピールしたい強みって何なの?」と強みが十分に伝わらなくなってしまいます。これからどういったことを話していくのかを始めに伝えることで、相手に伝わりやすい文章になるのです。
結論の例
私の強みは、相手の疑問や不安を汲み取り、解決方法をわかりやすく伝えることができる社交性があることです。
②理由:強みの理由を端的に述べる
社交性が強みだという結論を伝えたら、次は強みだと思う理由について端的に述べましょう。ここでは詳細を伝えすぎず、理由を簡単にまとめて話します。強みの根拠となる具体的なエピソードを話す前に理由のまとめを伝えることで、このあと話す内容について採用担当者もイメージをしやすくなるのです。
強みの理由を端的に述べる例
私は携帯ショップのアルバイトを2年ほど経験しています。店舗に訪れる人のさまざまな疑問や不安を解消するために意見に耳を傾けて適切な情報を提供することで、社交性を身に付けられたと考えています。
この後に具体的な内容を伝えるため、ここでは社交性の強みの補足となる程度にとどめておきましょう。
③具体例:社交性を発揮したエピソードを詳しく説明する
強みの理由を端的に述べた後は、具体的なエピソードを交えて社交性を発揮した場面を説明し、詳しい内容を伝えていきましょう。
ここは、社交性を持ち合わせているということの根拠となるため具体的に説明することが大切です。さらに、具体的なエピソードを用いることで他者とは違った自分だけのアピールをすることにもつながりますよ。
社交性を発揮したエピソード例
携帯ショップを訪れる顧客の中には、そもそも何がわからないのかすら理解できていないという人も多くいました。そういった顧客の疑問を解消するために、何がわからないのか、どこでつまずいているのか、一つずつ紐解きながら顧客の意見に真摯に耳を傾けることを常に意識しました。
また、より理解を深めて不安を解消してもらうために、図式化して説明するような工夫をしていました。その結果、次の訪問時にリピートしてくれたり、口コミで名指しで良い評価をいただいたりと、店舗にも貢献できたと考えています。
④結論:入社後に社交性を活かす方法を添える
企業は自己PRから、あなたの強みに再現性があり、実務で活用できるものなのかを知ろうとしています。そのため社交性が強みであること、そして発揮した場面を説明できたら、最後に入社後にその強みを活かす方法を述べましょう。
ここでは、業務の具体的な場面を想定して伝えることで、企業研究をしっかりしているというアピールにもなります。あなたが活躍している場面を採用担当者にもイメージしてもらうことで、「自社に貢献してくれそう」という評価にもつながるでしょう。
入社後に社交性を活かす方法の例
貴社に入社後は、自身の社交性を最大限活用して顧客のあらゆる不安を多方面から解消できるように、さまざまな視点から課題に取り組み、貢献したいと考えています。
- 社交性をアピールしたエピソードで人事に評価されやすいものはありますか?
具体的な実績を含めたエピソードは印象に残りやすい
社交性を活かして何かを成し遂げたり、実績をあげた具体的なエピソードを伝えられると説得力があるでしょう。
以下2つのエピソードを見てみましょう。
「所属していたサークルは宗教や文化が異なる海外からの留学生も多かった。価値観の違いに驚くことも多かったが、リーダーとして100名以上のメンバーをまとめあげた」
「携帯ショップで接客のアルバイトをしていた際、お客様の困りごとや言葉にできないニーズをしっかりと伺うことで最適な提案を心掛けた。その結果、店舗で売上1位として表彰された」
このようなエピソードでは、社交性とともにリーダーシップや問題解決能力などもアピールできるのでおすすめです。
こちらの記事では自己PRの構成について、より詳しく解説しています。レベルアップを目指すために、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。
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自己PRの構成作成ガイド|PREP・STAR法を使う作成法を伝授
伝わる自己PRを書くために重要な構成。構成をしっかり考えることで、採用担当者に響く自己PRが作成できます。今回は構成の組み立て方からエピソードの書き方、さらに自己PRを魅力的にするコツまで幅広く解説しています。最後には例文も豊富に紹介しています。
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自分の適職を見つけるためにも! 社交性を活かせる職種も把握しておこう
多くの仕事で活かすことのできる社交性ですが、特に活用できる職種があります。自分の強みを存分に活かすためにも、どんな職種が向いているのかについても、プラスアルファの知識として把握しておきましょう。
社交性の言い換え表現別に、それぞれの強みを活かせる職種と具体的な場面を紹介します。ぜひ今後の仕事選びの参考にしてみてください。
言い換え表現 | 職種例 | 活かせる場面 |
---|---|---|
感情を汲み取る力 | 営業職、コンサルタント | ・顧客の要望を聞いて提案するとき |
好奇心旺盛 | 観光ガイド、宣伝・広報職 | ・顧客に新たなサービスを提供するとき ・新たなアイデアを企画するとき |
柔軟性 | 人事職、教師 | ・応募者の強みを実務に当てはめるとき ・生徒の状況に合わせて授業をするとき |
傾聴力 | コールセンター、カウンセラー | ・クレームを対処するとき ・相談者の気持ちを聞き出すとき |
ポジティブ思考 | 販売職、接客業 | ・商品を顧客に販売するとき |
もし結果的にマイナスになってしまったエピソードをアピールする際は、良い結果につながらなかった原因を振り返ってそこからの学びや新たな教訓として活かしているということをアピールをしましょう。
そうすることで、実務でもPDCAを意識できる人なのだという印象を与えられます。
エントリーシート(ES)や面接では、自己PRだけでなく志望動機も問われます。以下の記事では、さまざまな職種の志望動機や職務内容について解説しているので、自分に当てはまる記事をぜひ参考にしてください。
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例文8選|コールセンターの志望動機で絶対盛り込むべき4要素
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強みを的確に伝えられる表現×職種別に紹介! 社交性の自己PR例文5選
強みを的確に伝えられる表現×職種別に紹介! 社交性の自己PR例文5選
「ポイントやコツがわかっても、実際の例を見てみないと自己PRの作成が進まない……」と不安を感じている人もいるかもしれません。
ここからは社交性の言い換え表現別で自己PRの例文を5つ紹介します。自分の強みに当てはめたり、言葉の表現方法を見てみたりして、自己PRの作成に活用してみてくださいね。
例文①感情を汲み取る力×コンサルタント
例文①感情を汲み取る力×コンサルタント
私の強みは、相手の疑問や不安を汲み取り、解決方法をわかりやすく伝えることができる傾聴力があることです。
私は、個別指導塾で3年間アルバイトをしています。そのなかで問題を抱えていたり授業についていけていない生徒に対して指導をすることが多々ありました。
生徒がどこから理解できていないのかを簡単な質問を重ねて明確にし、授業内容を細かく分類してそれぞれの生徒の温度感に合わせて進めることで、一つひとつ課題を解決していくことができました。
生徒からも「〇〇先生は自分が理解できる言葉やスピードで進めてくれるからわかりやすい」という言葉をもらうことができました。
また、貴社のインターンシップに参加した際はニッチな商品を新規顧客に向けて営業することをイメージしたプレゼン資料を作成させていただきました。実務においても知識のない相手に対してわかりやすい言葉にかみ砕いて説明することの大切さを改めて実感しました。
貴社に入社後は、わかりやすく伝える力を実務を通してより向上させ、売上に貢献したいと考えています。
上記の例文では、具体的にどんな行動をしたかが明確に伝えられています。ただ本当に相手の感情を汲み取った行動なのかが伝わりづらいので、どこに課題があって、それに対してどう行動した結果こうなった、という流れで書くと納得感が増します。
コンサルタントを志望している人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。コンサルタントの志望動機作成方法を詳しく解説しています。
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例文12選|コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説
コンサル業界は志望する学生が多いため、周囲と差別化できる志望動機を作れるかがポイントです。この記事では、まずコンサル業界の魅力を解説。そのうえで、それを盛り込んだ志望動機を作成する方法を説明します。ほかにもアピールすべき要素や避けたい点など、キャリアコンサルタントとともに解説するので、参考にして周囲と差別化しましょう。
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例文②好奇心旺盛×観光ガイド
例文②好奇心旺盛×観光ガイド
私の強みは、どんな人にでも興味が持てるほど好奇心旺盛なところです。
私は幼少期から人間観察が好きで、自然とおこなっていました。その頃の経験が今に活きていて、「どんな背景があって今の行動に至っているのだろう」や「どんなことを目標としているのか」など、どんな人でも興味を持てるようになりました。
特に、大学入学時は友達がいないため、友達作りから始めなければいけませんでした。その際は、相手の趣味や好きなことに対して積極的に興味を示して質問していくことで関係を深めることができ、すぐに友達を作れるようになりました。
この強みは、社内だけでなく顧客の会社や担当者について調べる際にも役立つと思います。貴社に入社後は、素早く顧客と関係性を築いて、社内外の役に立てるよう努めてまいります。
とてもコンパクトな文字量と表現で、自分として努力してきた部分、それがどんな場面でどんな形で成果へとつなげてきたか、さらに入社してどう活かせるかと具体的な表現が多く説得力がある例文ですね。
最後の社内外にどう活かすかであなたの思いが加わるとさらに良くなりますよ。
例文③柔軟性×人事
例文③柔軟性×人事
私の強みは、人間関係における柔軟性です。相手がどんな状況であれ、それを受け止めて柔軟に対応できます。
このような強みを持った背景には、父が転勤族だったことが挙げられます。仕事の都合により転勤することが多く、当時は引っ越すたびに友人を一から作り始めなければなりませんでした。そのなかで新しく出会う人たちそれぞれの性格を理解して状況に合わせて対応することで、人間関係の柔軟性が磨かれました。
このような人間関係における柔軟性は、大学のサークルで活かせました。所属していたバスケットボールサークルには、全国からさまざまな人が集まります。
不利な状況で熱くなる人や常に冷静な人などがいる中で、試合に対する意見が食い違ってしまったことがありました。その際に、自身の柔軟性を活かして全員が納得できるような案を提示したことで、まとまった結論を出すことができました。
貴社に入社後も、営業職として社内外でさまざまな人とかかわることになると思います。その際、これまで培った柔軟性を活かして、その人に合ったコミュニケーションを取り、信頼を積み上げていきたいです。
柔軟性が磨かれた背景がよく伝わるうえに、入社後も社内外のさまざまな人と円滑に対人関係を築けそうな期待が持てる例文です。
サークルのエピソードでは「自身の柔軟性をどのように活かし、全員を納得させる結論に導いたのか」がもっと具体的に伝えられると、さらに説得力が増すと思います。
こちらの記事では、人事の志望動機作成方法を解説しています。人事志望の人は記事を参考にして志望動機を作成してみてくださいね。
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例文付き|人事の志望動機の書き方7ステップ!ポイントや注意点を解説
人事職を志望するのであれば、仕事に対する適性や求められるスキルをチェックしておく必要があります。この記事では、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ、人事の業務について理解を深めながら、志望動機の書き方や志望動機の例文をご紹介していきます。
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例文④傾聴力×カウンセラー
例文④傾聴力×カウンセラー
私の強みは、言葉や声のトーン、表情、目線などから相手の考えていることを読み取れる傾聴力です。
大学1年生からコーチングに興味があり、これまで複数回の研修を受け100回以上コーチングを提供してきたという経験から、傾聴力を身に付けられたと考えています。
特に傾聴力を発揮できた経験は、大学の友人から進路について相談されたときです。友人は2つの会社で就職先を迷っていて「どちらの就職先が良いと思うか」という相談を受けていました。
友人の話に耳を傾けつつ表情にも意識してみると、本当にやりたいことは大学院に進学して研究を続けることだとわかりました。この結論に非常に納得して、実際に大学院に進学を決めていました。
この傾聴力は営業の際に活かせると考えています。貴社に入社後は顧客の真の課題を見つけ出し、その解決策を提案して、貴社の売上貢献、顧客の課題解決に貢献したいと考えています。
100回以上のコーチング提供という具体的な数字から「傾聴力を鍛えてきたこと」がアピールできていますね。
相手とどうかかわってどういう思いを引き出したかという傾聴力を用いた具体的な深め方を話せると、さらに良くなりますよ。
例文⑤ポジティブ思考×接客
例文⑤ポジティブ思考×接客
私の強みは、相手にどんな行動をされてもポジティブに捉えられることです。
私がこのような考え方をできるようになった背景には、幼少期のスポーツチームがあります。柔道に取り組んでいたのですが、チームの先生は柔道の技術よりも人としての成長に重きを置いていました。
そのなかで「どんな行動にも意味がある」という言葉をいただき、そこから、どんな行動をされても「この人の行動には〇〇の意味があるのだろう」とポジティブに考えられるようになりました。
このポジティブさを発揮できたのは、レストランでのアルバイトです。あるお客様の機嫌が終始悪く、お店全体の雰囲気もピリピリとしていたときがありました。ほかのアルバイトは嫌気がさしていたのですが、私は「この人には何か背景があるのだろう」と考え、真摯に対応しました。
その結果、個人的に嫌なことがあり周りへの態度に出てしまったということがわかり、お客様に共感することでレストラン全体の雰囲気も良くなったという出来事があります。
貴社に入社後は、このポジティブさを活かして接客業に努めたいと思います。そして、お客様のことをよく理解し、その人に合った提案をして貢献したいです。
とても良い視点を捉えての自己PR文ですね。ポジティブ思考と併せて、常にどんな環境からも学ぶ姿勢という強みも伝わるエピソードになっているので、こちらも強みであることを冒頭で述べておくとより良くなるでしょう。
接客業の仕事をしたいという人は、こちらの記事も併せて確認しておきましょう。接客業の志望動機の書き方を詳しく解説しています。
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自分だけの表現にしたいなら! プラスアルファの魅力を伝える4ステップ
プラスアルファの魅力を伝える4ステップ
ほかの応募者と差別化するために、社交性をアピールする際は言い換え表現を活用して伝えることが大切だと説明しました。しかし、記事中で紹介した言い換え表現がしっくり来ないという人も、なかにはいるかもしれません。
納得できるような言い換え表現が思い浮かばない場合は、内容やエピソードで自分だけの表現にできるように意識していきましょう。ここでは、自分だけの表現で社交性の魅力を伝える方法を4ステップで解説します。ステップを一つずつ確認して、あなたの魅力を最大限に伝えられるようにしましょう。
ステップ①社交性を発揮したエピソードを思い出す
まずは、自分が社交性を発揮したエピソードを振り返りましょう。具体的な内容を含めて伝えることで、企業側が採用後に活躍している場面をイメージしやすくなり、印象的な自己PRを作ることができます。
振り返る際は、箇条書きで構わないので思いつく限り書き出してみましょう。自分史を作成して、小学生以前・中学時代・高校時代・大学時代、のように各年代ごとに振り返ってみると思い出しやすくなります。
もしエピソードが思い浮かばないという場合は、家族や友人など周りの人に聞いてみましょう。忘れていたことや自分では気付かなかった新たな発見があるはずです。
なかには、「社交性があることをアピールするためにできるだけ多くのエピソードを伝えたい!」と考える人もいるかもしれません。しかし、一つのエピソードに絞ることでアピールしたい軸が定まり効果的にアピールすることにつながるため、書き出したエピソードの中で特に印象に残っているものや深掘りできそうなものを使用しましょう。
エピソードを振り返る場面例
- 部活
- アルバイト
- サークル
- ゼミ
- 交友関係・日常生活
こちらの記事で自分史の詳しい作成方法を解説しているので、参考にしてみてくださいね。
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過去のエピソードを振り返るには、自己分析を深めることも効果的です。こちらの記事で今すぐ実践できる自己分析のやり方をわかりやすく解説しているので、自己分析の方法で迷っている人は、まずこちらの記事をチェックしてみましょう。
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ステップ②なぜその行動をしたのかを振り返る
次に、選んだエピソードに対して、当時の自分がなぜその行動をしたのかを振り返りましょう。行動の原因を深掘りすることで強みに根拠が生まれ、根拠を含めてアピールすれば説得力を増すことができます。
行動を振り返るには、自己分析を深めることが効果的です。マインドマップや自分史で振り返る項目を細かく設定して詳細まで振り返ることで、行動をしようと思った原点まで言語化できますよ。
なぜその行動をしたのかを振り返る例
・行動:塾のアルバイトで生徒に質問を細かく分けて繰り返した
なぜ細かく分けたのか?
→生徒の疑問を明確にするため
なぜ疑問を明確にしようと思ったのか?
→生徒自身が多くの疑問を抱えていたから
なぜ多くの疑問を抱えていると思ったのか?
→質問が曖昧だったから
なぜ質問が曖昧だと良くないと思ったのか?
→細かい疑問点まで解消できないから
・行動の原点:生徒自身も気付いていない疑問も解消するため
社交性が発揮されるタイミングは環境が変化したときが多いです。
エピソードを深掘りする際は、「進学や進級のタイミングで場になじむために意識したこと」「その当時どんな友人がいて、どう関係性を築いてきたか」を思い返してみるのもおすすめです。
こちらの記事ではマインドマップの活用方法と注意点を解説しています。自己分析の深掘りをする際の参考にしてみてくださいね。
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ステップ③行動の中で工夫した点を挙げる
なぜその行動をしたのかを振り返ったら、行動の中でどのように工夫していたのかを考えてみましょう。社交性を発揮する際に工夫したポイントを伝えられると、入社後に壁に直面しても工夫して課題と向き合うことができるという印象を与えられます。
たとえば、社交性をアピールするエピソードをアルバイトの場面に設定したとします。下記の例のように、課題に対してどのように工夫して対応したのかを具体的に伝えるようにしましょう。
アルバイトで工夫した点を挙げられている例文
人と話すことが苦手で、なかなか質問ができない生徒を担当した際、授業外でも日常会話をして緊張をほぐすことを意識し質問しやすい空気感を作り出した。
信頼関係を構築してから、生徒がつまずいている箇所を一つずつ聞き出して順番に説明していくことで、混乱させることなく課題の解決をすることができた。
- アルバイト先のカフェでお客様と会話をすることを心掛けているのですが、具体的な工夫点が思いつきません……。
日常的な会話を工夫してみることがおすすめ
メニューの中から季節限定のものやおすすめのものを紹介するのはいかがでしょうか。自然に会話が広がるきっかけになりやすいです。
ほかにも、あなたに興味を持っているという印象を与えるために、オーダーをとる際や飲み物を提供する際に、一言添えるのも良いでしょう。
「いいお天気ですね」「いつもありがとうございます」「今日はお休みですか。ゆっくりしていってくださいね」だけでも距離感が縮まると思います。見送りの際に、ドリンクやスイーツの感想を聞いてみるのもおすすめです。
ステップ④その社交性を日常や実務で活かせる場面を考える
最後に、自分の社交性を仕事でどのように活かせるのかをまとめましょう。「社交性を入社後に活かして貢献したいです」というだけでなく、より具体的なシーンを想定してまとめてみてください。
繰り返しになりますが、社交性は幅広い意味で使われる言葉であるため、詳細を含めて伝えることが効果的です。入社後に活躍できる人材であると人事に印象付けるために、志望先に入社した後にどのような業務に携わるのかを把握して、実務に照らし合わせて社交性を発揮できる場面を見つけてみてください。
入社後の実務で活かせる場面を考えるためには、実情を踏まえた企業分析をしっかりとおこなう必要があります。
実務ではどんなスキル・能力が求められるのか、どんな困難が待ち受けている可能性があるのかなど、会社説明会やOB・OG訪問を活用して働く社員に積極的に質問し実情を正しく把握してから、社交性を活かす場面を当てはめてみてくださいね。
OB・OG訪問を初めておこなうという人は、以下の記事を参考に準備を進めましょう。OB・OG訪問でおすすめな質問例を紹介しています。
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- 社交性を活かせる場面の例は理解できましたが、自分の志望先で具体的にどのように活かせるのかがわかりません……。
企業や仕事内容の特徴をつかむと社交性の活かし方がイメージしやすくなる
スピード感がある会社であれば、会社の方針が短いスパンで変わったり、担当する仕事の範囲が広かったりする可能性があるので、柔軟性や好奇心が活かせます。
顧客と長期的に関係性を築く必要がある既存営業の仕事であれば傾聴力や感情を汲み取る力が活かしやすく、自分の苦手分野に取り組む場面が多く予想されるのであればポジティブ思考が活かせます。
先輩社員の話や企業のビジョンなどから志望先の特徴をつかむようにしましょう。
自己PRのまとめとして、入社後にどのように歩んでいきたいかを伝えることも効果的です。こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
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社交性を自分の強みに的確に言い換えた自己PRで人事の心を射止めよう!
自己PRで社交性をアピールする方法を解説しました。社交性の自己PRは、企業や人事によって感じ方や評価基準が異なることがあるので、自分の社交性と志望する企業・業界が求めている社交性がどのようなものなのか、具体的に考えることがまず大切になります。
そして、実際に社交性をアピールする際には、聞き手がイメージしやすい的確な表現に言い換えて具体的に伝えるようにしましょう。記事で紹介した自己PRの作成ステップや注意点を参考に、自分らしさをアピールできる自己PRを作成してください。
社交性を効果的にアピールして人事の心を惹きつけ、選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
木原 渚
プロフィールを見る社交性の自己PRは「誤解を与えない」ことを意識しよう
職場内や取引先、顧客など、ビジネスでは多くの場面でさまざまな人々と接する機会があります。営業職やサービス職といったコミュニケーション力が重視される職種はもちろん、そのほかの職種でも社交性は非常に重宝されるスキルの一つです。
ただ、社交性という言葉は抽象的であるため、さまざまな解釈が可能な分、誤解を与えやすい面もあります。効果的にアピールする必要があるということに気を付けましょう。
大切な3つのポイントは「具体性」「客観性」「再現性」
社交性の自己PRでは、以下の3つを意識して、エピソードはできるだけ具体的に書く必要があります。
①本当に企業で役に立つ強みなのか
②独りよがりではなく客観的に見ても強みがあると言えるのか
③環境や状況が変化しても使える強みなのか
自分自身の社交性はどんな特徴を持つのかをしっかり自己分析し、その強みがどのように発揮されたか、入社後にどのように発揮できるかをわかりやすく伝えましょう。
「社交性×リーダーシップ」「社交性×問題解決力」のように、他者とのバランスやほかのスキルと組み合わせてアピールできると、より魅力的な自己PRになりますよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Nagisa Kihara◯放送・行政・人財開発など多様な職種を経験する中でキャリア支援に興味を持つ。一人ひとりが楽しく働き、豊かに生きられる社会を目指し、現在はカウンセラーや研修講師として活動中
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/NC Harmony代表
Eriko Arima〇大手人材紹介会社で約5年、転職者や若者、女性のキャリア支援を担当した。その後はIT企業の採用責任者を務め、現在は幅広い世代を対象にキャリアや就職活動の支援もおこなっている
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