この記事のまとめ
- 面接の志望動機では書類で書ききれなかった情報を伝えることが必要
- 面接の志望動機ではパターン別やNG例文を押さえることで高評価につながる
- 万全な面接対策にするには志望動機の深掘り質問へも対策をしよう
志望動機はあらゆる企業の面接でよく聞かれる質問の1つ。「エントリーシート(ES)と同じ内容で良いの?」「面接で伝えるときは、どこに気をつければ良いの?」と多くの悩みの声が寄せられます。
面接は、「その企業に入りたい」という熱意を直接アピールできる場所です。また、面接官との対話を通じて、自分の志望理由をより深く知ってもらうことができます。だからこそ面接での志望動機では、実際の会話を想定しながら実践的な対策をしておく必要があるのです。
面接においても志望動機をしっかり対策しておけば、「この学生は入社意欲が高い」「自社で活躍できそうだ」と好印象を残すことができ、採用担当者の記憶に残る可能性が高まります。
この記事では、新卒・若手社員・管理職クラスなど、日々さまざまな求職者の面接指導をおこなっている、キャリアコンサルタントの長谷川さん、早川さん、松田さん、瀧本さん、谷所さん、高尾さんのアドバイスを交えつつ、面接の志望動機を話す手順とコツ、志望理由別・業界別の例文を紹介していきます。
企業の面接官として数多くの学生の面接をしてきた高尾さんからは、面接官が志望動機を聞く際に重視しているポイントや、実際に「良い」と感じた志望動機についても話を聞いてみました。
面接において、自信を持って志望動機を伝えたい人はぜひ参考にしてくださいね。
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面接の志望動機で高評価を狙うなら2つのポイントを押さえるべし
「ESや履歴書に志望動機を書いたから」と準備をせずに面接に臨む人も少なくありません。しかし、面接の志望動機で高評価を狙うなら、深掘り質問への対応や熱意を伝える話し方の練習が欠かせません。なぜなら、面接はコミュニケーションの場だからです。
記事では、まず面接で志望動機が聞かれる理由を解説し、そのうえで面接で志望動機を伝える際の構成を紹介していきます。ただ、この構成に倣うだけでは不十分です。続いて紹介する、面接の志望動機で意識すべき2つのポイントとその実践方法も、必ず押さえておきましょう。
さらに、これらをふまえて志望動機のOK例文とやNG例文、想定される深掘り質問なども紹介するので、実際の面接を想定して対策を進めてみてください。また「志望動機の内容自体に不安がある」という人のために、志望動機の作り方もあらためて解説していきます。
面接ならではの志望動機の考え方をしっかりと理解し実践することで、面接官があなたに抱く印象は格段に上がります。「書類で志望動機は考えたから大丈夫」と慢心せずに一つひとつ丁寧に対策をしましょう。
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面接で志望動機を聞く3つの理由
面接で志望動機を聞く3つの理由
- 学生の志望度の高さを確認するため
- 仕事への意欲を確認するため
- 長く勤められるか確認するため
面接では多くの企業で志望動機が聞かれます。それはそれだけ企業側が志望動機を重視している項目だからです。
志望動機を実際に考える前に、面接官がどんな意図で志望動機をたずねてくるのか、その理由を知ることは大切です。面接官が志望動機を聞く理由を知ることで、志望動機に盛り込むべき内容やどんな姿勢で回答すべきなのかが見えてきますよ。
①学生の志望度の高さを確認するため
新卒採用をする企業が数多く存在するなか、面接官は学生が複数の選考を受けていることは当然わかっています。そのため面接官は学生にとって自社の志望度の高さはどの程度であり、内定辞退をされる可能性はあるのかを知りたいという狙いがあります。
面接官は「どこでも良いのではないか」「とりあえず応募をしただけではないか」という疑問や不安、学生の熱意の有無を学生の志望動機の深さによって判断していますよ。
②仕事への意欲を確認するため
面接官は学生の志望動機の内容や姿勢から、入社後どんな貢献をしてくれるかを確認したいと考えています。「なんとなく頑張ります」という態度の学生よりも、具体的なビジョンがある学生のほうが魅力的に映りますよね。
どのような考え方をするのか、どのような事業に興味を持っているのか、どのくらい興味があるのかと「仕事への興味の深さ」を知りたいと面接官は考えています。
また、志望動機や入社後のビジョンが明確な学生の方が、実際に入社をした後も意欲的に業務に取り組んでくれると想像ができますよね。
③長く勤められるか確認するため
面接官は学生の志望動機の回答内容から「学生のビジョンと自社がマッチしているか」「企業の求める人物像にマッチしていて社風に合っているか」などを総合的に見て長く勤められる学生かを判断しています。
学生がやりたいことと企業が今後目指すところの方向性が異なっていてはミスマッチとなり、入社後の早期離職の原因となりかねません。
志望動機には学生の価値観などが色濃く反映されがちです。そのためミスマッチなく長く勤めてもらうためにも、学生の人柄や考え方、ビジョンなどが自社とマッチしているかどうかも面接官は確認しています。
下記の記事では、志望動機の必要性を詳しく解説しています。志望動機への理解を深めたい人はぜひ確認してください。
企業が志望動機から特に知りたいことは「成長力がある人材か」です。「成長力」とは自らで成長していく力を指します。
たとえば、人のライフステージには「①成長期」「②探索期」「③確立期」「④維持期」「⑤下降期」の5つのステージがあります。
皆さんは今、2つ目のステージの「探索期」にいます。そのため就活生の皆さんには、次のステップの「確立期」に移行するための「成長力」があるかどうかを面接官は志望動機から垣間見たいと考えていることも多いですよ。
志望動機に熱意や意欲を盛り込むことで、成長力を魅せることができます。
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3ステップ! 面接で志望動機を伝える構成
3ステップ! 面接で志望動機を伝える構成
面接で志望動機が聞かれる理由を理解したうえで、早速、志望動機の構成を見ていきましょう。面接官に伝わりやすい構成を意識することで、面接官とのコミュニケーションも取りやすくなります。また、自分が何を伝えたいのかも明確になり、志望動機が伝えやすいです。
ESや履歴書と異なり口頭で理解してもらう必要があるからこそ、よりわかりやすい伝え方を心掛けましょう。
①その企業を志望する理由
面接では結論ファーストが重要です。結論から伝えることで、面接官はあなたが話す内容の全体像をつかむことができます。志望動機の結論はその企業を志望する理由です。なぜその企業を志望するのか明確な理由を伝えましょう。
話が長文過ぎると結局何を伝えたいのかが不明瞭になります。志望動機全体の印象が残りづらくなるため、まずは簡潔にその企業を志望する理由を一言程度で述べましょう。
②根拠となる具体的なエピソード
次に、その結論の根拠となる具体的なエピソードを伝えます。その企業を魅力に感じた場面や興味を抱いたきっかけを述べましょう。
この具体的なエピソードによって自分オリジナルの志望動機となります。「なぜその業界なのか」「なぜその企業を志望するのか」「なぜその企業でなければならないのか」が伝わるように自分の回答に自問自答し深掘りを心掛けましょう。
根拠となる具体的なエピソードの考え方の例
- 例①
証券会社の営業
↓
自分から顧客にアプローチをして、結果を追い求めたいから
↓
過去のテレフォンアポインターのアルバイトの経験から、自分から顧客にアプローチをかける働き方が好きであり、結果を数字としてみることにやりがいを感じたから - 例②
海外市場にも多くのシェアを持つ消費財メーカー
↓
海外を相手に仕事をしたい
↓
留学先で日本とは異なる文化に触れたことから、日本の文化や良いところを海外に普及していきたいと感じたから
自分の過去の経験や就活での体験談を交えることで説得力が増します。ESや履歴書など書類には記せなかった就活で新たに発見した情報や体験した情報がある場合、それを面接での志望動機に加えることも有効です。
志望動機の根拠となる具体的なエピソードでは、自分らしさが出るものを選びましょう。アルバイトならその仕事を選んだ理由や、仕事内容、働いてみてどんなことを感じたのかなど、1つのエピソードを多角的にとらえた時に自分らしさが溢れる経験を選ぶと良いですね。
③入社後のビジョン
入社後に貢献できることや実現したいことなど具体的なビジョンを伝えると、面接官は「こういう働き方をしたいから自社を志望しているのだな」と学生の考えや価値観をイメージしやすくなります。
志望動機を踏まえて、一貫性を持たせたうえで、自分はどのように企業に貢献できるのかを伝えましょう。
自分の強みやスキルが仕事に活かせることのアピールや、企業理解が深くできているアピールにもつながりますよ。
志望動機の終わり方に不安があるという人は下記の記事や就活QAも参考にしてください。最後まで熱量を高く、志望動機を伝える方法が確認できます。
面接での志望動機の終わり方がわかりません……。
面接での志望動機の締め方はどうすれば良いですか?
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
いざ志望理由を話そうとすると、緊張で何から話せば良いかわからなくなってしまうこともあるでしょう。不安を感じる人は、下記の就活QAからも志望動機で必要となる要素を確認しておきましょう。
アドバイザーからワンポイントアドバイス過去と未来をつなぐストーリーが採用担当者の心に響く
高尾 有沙
プロフィールを見る面接の志望動機において最も重要なのは、根拠となる具体的なエピソードと入社後のビジョンを伝えることだと考えています。
もちろん、その企業を志望する理由も入り口として大切ですが、面接官の記憶に残るのは、過去の経験と将来のビジョンが自然につながっていると感じられるかどうかです。
具体的な経験や仮説から志望職種への解像度の高さを示そう
個人的に印象的だった志望動機は、流通業を志望する学生が「ゼミでのサプライチェーンの研究から、貴社の在庫最適化プロジェクトに参画したいと思った、半年以内に〇〇から着手したい」と具体策まで語ってくれた例です。
実際、ゼミでは欠品率を2%改善する実証実験をしたと聞きました。この学生は、単なる熱量ではなく、仕事に対する解像度が高かったのです。
過去の検証方法を使ったデータ指標の策定、失敗から修正までの仮説立て、最後に「初年度は店舗×本部連携の課題抽出で、週次目標を達成したい」と語ってくれたのが印象的でした。
すべてが現場で応用できるわけではありませんが、これほど具体的に仮説を持ってきてくれるのは、採用担当としてとてもありがたいものです。
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面接の志望動機で意識するべき2つのポイント
面接の志望動機で意識するべき2つのポイント
- 話し方からも熱意を伝える
- 面接官の深掘りにも対応できる内容にする
ここまで解説した志望動機の構成は、就活生としての基本です。しかし、基本を押さえられている学生も多いため、基本に忠実なだけでは印象に残る学生にはなれません。そこで、さらなるレベルアップのために、面接の志望動機では2つのポイントを意識しましょう。
面接はESと異なり、一方的に志望動機を伝えるだけではなく、コミュニケーションの場です。そのため、目の前の相手に熱意や興味を感じてもらうために、工夫を凝らす必要があります。
一度書類で志望動機を考えたからと侮らずに、しっかりと対策をするためにも面接の志望動機で重要な2つのポイントを参考にしてくださいね。
①話し方からも熱意を伝える
面接の志望動機と書類の志望動機の違いは、「伝える手段」にあります。書類では文章で思いを伝えるのに対し、面接では言葉や表情、話し方なども含めて気持ちを伝えることが求められます。そのため、面接対策では話し方の練習も欠かせないのです。
面接はコミュニケーションの場であるため、ただ自分が言いたいことを言うのではなく、相手に自分の思いを届ける必要があることを忘れてはいけません。話し方にもしっかり準備を整えたうえで臨むことで、志望動機に「本気度」が現れ面接官に評価されやすくなります。
記事では、話し方で印象が変わる! 志望動機で熱意を伝える3つの工夫で具体的な話し方のポイントを解説しているため、確認しましょう。
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(人材業界の場合)
②面接官の深掘りにも対応できる内容にする
繰り返しになりますが、面接はコミュニケーションの場です。そのため志望動機を伝えた後には、面接官から「なぜ〇〇だと思ったのですか?」などと志望動機の内容を深掘りされることもよくあります。
「志望動機を教えてください」といった基本的な質問には回答ができたとしても、その後に聞かれる深掘りの質問に的確に答えることができないと良い評価は得られません。深掘りに対応できないと、志望動機が表面的で本気度が低いと受け取られる可能性があります。
そのため書類ですでに志望動機を考えてあったとしても、過去の経験や自身の価値観と照らし合わせながら深掘り対策をする必要があります。
この記事のなかでも、面接の志望動機で聞かれる可能性のある深掘り質問6選では、想定される深掘り質問とそれに対する回答を紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
また、志望理由別! 面接の志望動機の回答例文10選や業界別! 面接の志望動機の回答例文10選でもいろいろな切り口の志望動機を紹介しているため、確認して、どんな深掘りがされるかを想定しておくのもおすすめです。
下記の記事でも、評価される面接の志望動機のポイントを解説しています。より詳しく知りたいという人は併せてチェックしておきましょう。
アドバイザーからワンポイントアドバイス面接の志望動機では思考の柔軟性が見られている
高尾 有沙
プロフィールを見る書類の志望動機が論旨・一貫性・情報の正確さを評価するのに対し、面接ではそれを元に再現性と適応力を見ています。
学生のなかには、書類と同じ内容を面接でも話せば良いと考える人もいますが、それは間違いです。面接では、あなたの考えがどれだけ柔軟で、面接官からの質問に対して自分の言葉で思考できるかどうかが見られてます。
最新情報の追加+自分事の視点の反映を意識しよう!
実際、私が面接官として、私がよく聞いていたのは以下のような質問です。
・「当社プロダクトの最近のアップデートで良かった点と改善点」
・「同業B社と比較して貴社を選ぶ理由に、新しい事実が入ったらどう変わるか」
これらの質問の狙いは、事前準備の質が見られる「最新情報が反映されているか」という点、考えの柔軟さが現れる「反証への耐性があるか」という点を確かめることです。そして、入社後の行動として自分事化できているかも見ています。
面接の志望動機には個別の対策が不可欠です。書類の内容をただ繰り返すのではなく、コミュニケーションをとおして刷新し続けることが求められます。
常に最新のニュースを調べ、自分の経験を再編集し、当日は数字や固有名詞を使って具体的に語ることが重要です。
話し方で印象が変わる! 志望動機で熱意を伝える3つの工夫
話し方で印象が変わる! 志望動機で熱意を伝える3つの工夫
- 1分程度に簡潔にまとめる
- 表情や身振りなど全身で熱意を発する
- はっきりゆっくり大きな声で話す
せっかく「その企業ならではの理由」や「入社後に貢献できること」を盛り込みオリジナリティあふれる魅力的な志望動機を作成できたとしても、伝え方によっては面接官に響かないことがあります。
より良い印象を抱いてもらうためには伝え方も工夫する必要があるのです。ここでは面接で志望動機を伝える3つのコツを紹介するので、参考にしてくださいね。
①1分程度に簡潔にまとめる
熱意があるあまり長々と志望動機を伝えてしまうと、聞く側である面接官は要点がつかめず、印象に残りづらくなってしまいます。それにより「話をまとめる能力がない」「コミュニケーション能力が低い」などといったマイナス評価にもなりかねません。
そのため面接の志望動機は1分程度で簡潔にまとめるようにしましょう。1分間は文字数で言うと250〜300字程度で、作成した志望動機を口に出してみて、1分を大きく超えてしまっていないかを確認してみることがおすすめです。
面接では、面接官からの質問に応じて自然なコミュニケーションを取れば良いため、最初からすべてを話す必要はありません。
もし、大幅に1分を超えてしまう場合は、3ステップ! 面接で志望動機を伝える構成に立ち返って、不必要な要素が盛り込まれていないか、より簡潔に説明できる部分はないかを確認してみましょう。
下記の就活QAやコラムでは、志望動機の長さに関して詳しく解説しています。実際にどの程度話せば十分なのかがわからないという人はぜひ確認してください。
面接で志望動機はどのくらい話せば評価されますか?
面接の志望動機は何秒くらいが適切ですか?
面接の志望動機の最適な長さは? 時間別の例文付きで解説
②表情や身振りなど全身で熱意を発する
どれだけ魅力的な志望動機でも、丸暗記した内容を無表情で読み上げるだけの話し方では熱意が伝わりません。
志望動機は企業への熱意を伝える大切な場面です。表情や声の抑揚を意識し、強調したいポイントではジェスチャーを交えるなど、非言語コミュニケーションも活用して気持ちをしっかり伝えましょう。
表情を豊かにしたり抑揚をつける具体的な場面としては、「御社が第一志望です」「〇〇に貢献したいです」などとやる気や熱意を伝えたいときが挙げられます。少し声を大きめにしたり、表情を変えるなど感情を込めて話してみましょう。
もともと身振り手振りをしないタイプの人は、面接でどう振る舞えば良いのかわからず、戸惑ってしまうこともあるでしょう。とはいえ、何もしないことでのデメリットもあります。下記の就活Q&Aでは、キャリアコンサルタントの意見も紹介しているので、参考にしてみてください。
企業に刺さる志望動機は、AI作成ツールを試してください
「企業に伝わる志望動機ってどうやって書くの…?」そんな悩みはありませんか?
「志望動機作成ツール」では、AIがあなたの思いや強みを文章に落とし込み、選考に強い志望動機を作成します。
面接官の心に響く内容を準備し、次のステップに進む準備を整えましょう!
③はっきりゆっくり大きな声で話す
志望動機をたくさん伝えたいという思いが先行すると、1分間ですべての思いを面接官に伝えきれるようにしようと早口になりがちです。ここはグッと気持ちを押さえて、はっきりとゆっくり大きな声で面接官に伝えるようにしましょう。
淡々と話したり、早口で小さくボソッと話しても熱意は伝わりにくいです。声の印象で面接官が学生に抱く印象は大きく異なってきます。
はっきりとゆっくり大きな声で志望動機を伝えることで、「入社したい」「仕事を頑張りたい」というあなたの熱意や意欲を印象付けることができますよ。
面接で緊張すると、どうしても声が小さく早口になり、場合によっては泣きそうな声になってしまうこともあるでしょう。下記の就活QAでは、緊張を和らげ、落ち着いて話すための方法も紹介しているので、確認しておきましょう。
アドバイザーからワンポイントアドバイス人が聞いたときにわかりやすい文法を意識しよう
長谷川 晴美
プロフィールを見る面接で話すときは文が倒置されてないかにも気をつけましょう。私たちが普段何気なく話している日本語での「話し方」では「倒置法」が使われています。たとえば「美味しそう、その餃子」 など、普通の順序とは逆に表現する方法が倒置法です。
面接において文が倒置されてしまっている極端な例を言えば、「御社へ貢献したいと思います、私は」などのようなものです。「そんなこと言わないよ」と思っていても自分では気づいていないこともあります。面接の模擬練習を受けて客観的に見てもらうと良いでしょう。正しい日本語で話すことは聞く相手への配慮でもありますよ。
体全体を通して面接官に熱意を伝えよう
伝え方については、「コミュニケーションに自信がない」と思っている学生の多くが、「相手へ自分のことを伝えること」への苦手意識を持っています。
私たち人間同士が伝達し合うときは、言葉だけではなく、文字や身振り手振りなども使われています。
面接のときも、言葉のみで伝えようとするのではなく、身体全体を通して伝えることを意識すると印象もグッと変わります。その印象がその後の面接への印象を変える「ハロー効果」(評価するときに一定の特徴にひきずられてほかの特徴へも評価が影響する現象のこと)にもつながります。
面接官を思いやるような気持ちで、笑顔で大きな声で、話すスピードも少し「間」を取るように話し、ポジティブ・ハロー効果を有効利用しましょう。
志望理由別! 面接の志望動機の回答例文10選
志望理由別! 面接の志望動機の回答例文10選
ここからは、実際に志望動機の回答例文を紹介していきます。志望動機を見ながら、どう話せばより熱意が伝わるか、またどんな深掘り質問がされそうかも考えてみてください。
まずは、志望理由別の例文を紹介するため、自分に合った例文を参考にしてくださいね。新卒就活の面接でよくある志望動機のパターンをベースにしているため、自分オリジナルの志望動機にも応用しやすいでしょう。自分の志望企業に当てはめながら読んでみてくださいね。
社是(ビジョン)や理念に共感した①
下記の例文は、学生時代の経験と企業の理念が合っていると感じ、志望したケースです。
社風とのマッチを理由に志望動機を書くときは、単に「共感した」で終わらせるのではなく、そのうえで自分が何をしたいのか、どうかかわりたいのかまで書くようにしましょう。
例文①
私は御社の「顧客を第一とし誠実を売り、努力を怠らず信頼を得るを旨とする」という社是に魅力を感じ、製品開発職を志望しています。
私は学生時代に障害者サポートのボランティア活動の経験をしてきました。障害者が感じる不便や不安を聞き出しサポートをしていくのですが、人の支えとなり満足してもらうには「誠実さ」が重要だと実感してきました。
そのため御社の社是に深く共感しています。またOB・OG訪問をした際に御社の社員皆さんが「誠実」を重視していたため、そのような環境であればより多くの人々の生活を支えていけるような製品開発をしていけると感じました。
入社後は御社の経営理念でもある「顧客第一主義」を大切にして、生活のそばにあることが当たり前な製品を開発して貢献していきたいです。
企業の社是や理念に共感したというのは、企業に取ってはうれしいものです。
学生時代のボランティア活動やOB・OG訪問の経験から「誠実さ」を大切に思う気持ちを語るときに、自分自身にとっての「誠実さ」についても言語化しましょう。
そして社是の「顧客を第一とした誠実さ」を発揮する自分なりのキャリアビジョンをより明確に伝えるとなお良いでしょう。
社是(ビジョン)や理念に共感した②
下記の例文は、アルバイト経験から得た学びと事業理念が合っていると感じた際の志望理由です。自分の経験と企業の考えがマッチすることで、どのような相乗効果が生まれるのかまで表現しましょう。
例文②
私が御社を志望した理由は「一人でも多くの顧客にあらゆる出会いとふれ合いの場とやすらぎの空間を提供すること」という事業理念に魅力を感じたためです。
御社では店舗経営のみならず有機農業をおこなっており、全国9か所の農場を有するなど環境への配慮がなされています。誰もが通いやすい価格帯でありながら農薬を気にせず口にすることができる有機農産物を使用することはより多く人が集い、安らぎの場となっています。
私は学生時代にワーキングスペースでアルバイトをしていました。ワーキングスペースでは単に仕事をしやすい環境だけでなく、人とのつながりや安らぎの場を提供できるよう空間への工夫とコミュニケーションを大切にしてきました。
私が入社したら御社の事業理念に則り、店舗スタッフとして顧客がよりやすらぎを感じられるような工夫とコミュニケーションを活かして貢献したいです。また将来的には商品企画に従事して新たな触れ合いの場を創出できるようになりたいと考えています。
企業理念と事業内容への共感の前に、自分がどんな仕事をしたいのかを明確に伝えましょう。
そのうえで「この会社の理念と事業なら自分がやりたいことが実現できそうだ」という構成にするとより志望度が伝わります。
ビジネスモデルに共感した①
下記は、学生時代の地域活性化ボランティアから、地域密着型の銀行を志した例文です。
ただし、同じ地域貢献でも、学生の活動と企業の事業では目的や手法が異なります。企業の事業形態を理解したうえで、自分の経験とどう結びつけるかを意識して志望動機をまとめましょう。
例文①
私は自分が生まれ育った地域に寄り添い地域経済のサポートをしたいと思い金融業界の銀行を志望しています。そのなかでも御社は〇〇県に密着をしており、地域の未来を創造する銀行であるという点に魅力を感じ志望しています。
私は学生時代に地域活性化ボランティアとして、商店街の活性化支援をおこないました。周囲を巻き込み発信力を活かして支援をするうちに、商店街に活気が戻ってきたことにやりがいを感じました。
そのなかで資金繰りに困っているお店も多くいると気づき、地域活性化のためにもそんな中小企業の経営を支えらえるようになりたいと強く感じました。
御社に入社後は法人営業として、中小企業の経営を支えるために各企業様に沿った最適な提案をおこない、顧客および地域経済へ全力でサポートしていきたいと考えています。
志望動機の構成として、結論と理由(なぜなら)、そして具体的なエピーソドを添えている点など、わかりやすくまとまっています。
商店街の活性化や中小企業の経営を支えるための接点として、周囲を巻き込む発信力を活かすほかに、金融業界で必要とされる専門性や強みも表現し企業にどのように貢献できるかまで伝えることができるとより力強い志望動機となります。
ビジネスモデルに共感した②
この例文は、留学経験を通じてグローバルに活躍したいという思いから企業を志望したケースです。ただし、企業では社会貢献だけでなく、ビジネスとしての成果も重視されます。
自身の経験を、企業の事業や成果とどう結びつけられるかを意識して志望動機を書くことが大切です。
例文②
私は新たな価値を創造して人と人とをつなぎたいという思いがあります。御社は新興国への経済発展に注力しており、今後多くのビジネスチャンスがあり新しい価値を創造していけると感じたため志望しています。
私は学生時代、1年間マレーシアへ留学をしました。留学をする中で現地の人と留学生の交流ができるように学生団体を設立して、人とのつながりを広げてきました。
そのつながりの中で日本社会での生活しかしていなかった私は、マレーシアという新興国の若い活気や未開拓の部分が多くあることに驚きました。同時に新興国が今後大きく発展していく成長に携わり、人と人がつながる場をもっと提供したいと強く感じました。
御社は特にアジア圏の新興国で事業展開をしているため、御社の持つグローバルかつ幅広いフィールドで新興国への経済発展に貢献したいです。
人と人、国と国など、つながりを大切にしているグローバル企業にとって、海外留学の経験や現地でのエピソードは好印象になるでしょう。
冒頭で「新たな価値を想像して人と人とをつなぎたい」という思いが語られていますね。
そこでさらに一歩踏み込んで、自分が考える「新たな価値」とは具体的には何を指すのか、どのようにして「人と人をつないで」新興国への経済発展に貢献したいのかのキャリアストーリーを持って伝えるとなお良いでしょう。
企業側が学生に対して「自社で働く姿」をイメージをよりしやすくなります。
商品やサービスに魅力を感じた①
下記の例文は、サークルの経験から、企業のサービスに魅力を感じたという志望理由例文です。単なるファン的思考にとどまらず、その商品やサービスを使って自分がどう社会貢献をしたいのかも書きましょう。
例文①
私は人々が集い、そして安らぐことのできる空間を創造したいという思いから御社を志望しています。
御社は都市開発としてマンションやオフィスビルの点的な開発をするにとどまらず、商業ビルや文化ビルなどの複合開発をおこない面的でかつ長期的な目線を持った開発を進めています。
私は学生時代の軽音楽サークルの経験から、人の五感に働きかけるものこそが人に驚きや感動、幸せな気持ちとなり安らぎを与えると考えています。
入社後は御社の企画開発として、地域の方々の街への思いを継承し、ともに未来を歩くような街づくりがしたいです。そして世代を超えた街を育むことに貢献したいです。
商品とサービスへの共感はよく伝わります。
一方で軽音楽サークルの話は少し関連度を感じにくいです。
五感に働きかけるサービスは世のなかにたくさんあるので、この企業ならではのエピソードを入れられるとなお良いでしょう。
商品やサービスに魅力を感じた②
下記の例文は、生活に身近な食品という分野に魅力を感じたことから企業を志望した理由です。
食品は日常に身近な存在だからこそ、「興味がある」だけでは志望動機としては弱くなりがちです。仕事として取り組みたい理由を書くようにしましょう。
例文②
私は多くの家庭を笑顔にしたいという思いから食品メーカーに興味を持っています。そのなかでも御社は香辛・調味加工食品事業に力を入れていることからまさに家庭を笑顔にしていると感じたため志望しています。
私は学生時代に地域のこども食堂の支援ボランティアをしていました。そのなかで食事を作り子どもたちに提供したときにみんなが笑顔になり、食が笑顔を作ると実感しました。
またときには親子に対する料理教室などもおこない、家庭で簡単においしく食べられる香辛・調味加工食品の大切さを知りました。
御社に入社後は提案営業を通して「食でつなぐ、人と笑顔を。」というメッセージの元、笑顔ある暮らしをともにつくるために貢献したいです。
全体的に綺麗にまとまっています。しかし、なぜこの食品メーカーでなければならなかったのかという動機づけが弱いように感じます。
提案営業を希望するのであれば、面接企業のどのような香辛料や調味料を使い、どう感じ、それをどう入社後に提案して食と笑顔をつなぐのかといった接点までを伝えてみましょう。
そうすることで面接で提案力までアピールできるようになりますよ。
社風に魅力を感じた①
OB・OG訪問を通じて社風に魅力を感じた経験も志望理由にすることができます。その環境で働くことが、自分や企業のためにどう効果的に作用するのかまで記述しましょう。
例文①
私は御社の何事も自分事として挑戦していく社風に魅力を感じ志望しています。
私は学生時代に電力プランの飛び込み営業としてアルバイトをしていました。アルバイトの立場に甘んじてただ時給をもらうのではなく、コミュニケーションの工夫をして成約率を上げるなど何事も挑戦の気持ちをもって取り組んできました。
OB・OG訪問をした際に多くの御社の社員さんが何事も自分事としてとらえて挑戦を続けていると語っている姿を見てその気持ちに共感しました。またそんな社風の元であれば全力で力を発揮できると考えました。
入社後は挑戦する社風のもと、御社の経営理念でもある「われわれの働きで、われわれの生活を向上し、より良い社会をつくりましょう」の実現のために営業職として貢献していきたいです。
社風に魅力を感じてくれたというのは、企業に取ってはうれしいものです。
ここでは、学生時代の営業アルバイトとOB・OG訪問の経験から「挑戦する社風」に共感した思いが語られていますが、企業のキャリアパス(目標とするキャリアまで必要なスキル・経験・ステップを示す道筋のこと)なども確認してみましょう。
営業のキャリアパスは大きく分けて、「現場プレーヤー」「チームリーダー」があります。そして少し先には営業経験を活かした企画、人事、コンサルタントなども企業によってはあります。
企業が求める人材を知り、「挑戦」したいフィールドで自分が何を実現したいかを伝えるようにしてみましょう。
社風に魅力を感じた②
社風に魅力を感じたという点を志望理由にするなら、その経験をより具体的に語ることが必要です。自分自身の価値観と併せて、その社風がフィットすると感じた理由を記述しましょう。
例文②
私が御社を志望する理由は、チームワークを大切する社風があるからです。
私は15年間ソフトボールを続けてきました。この経験を通して、チームが団結することで実際の実力以上の力が発揮できると考えています。そのため、働くうえでもチームワークを重視して成果を上げたいと考えています。
御社のインターンシップのグループワークに参加した際に、私のチームが優秀賞に選ばれました。理由を聞いたところ、「このグループが最も団結していた」とのことでチームワークを重視する社風だと感じました。
OB・OG訪問をした際にもチームワークを重視する社風があることを感じ、これまで培った協調性を最大限活かせると感じました。
入社後は御社の企画職として利害関係が異なる人とも協力ができるような環境を作り、新しい企画を立ち上げ貢献したいです。
社風に関連する志望動機の作り方や例文は下記の記事でも解説をしています。
チームワークを大切にする会社に対してソフトボールを15年頑張ってきたエピソードは非常にマッチしていますね。
OB・OG訪問の話ではどこにチームワークの重要性を感じたのか、もっと具体的に書けるとなお良いでしょう。
社員に魅力を感じた①
下記の例文は、OB・OG訪問で社員に対して魅力を感じ、その企業を志望したという例文です。
この志望理由を用いる際は、なぜその人たちと働きたいのか、自分の「人」に対する価値観や考え方を交えながら説明するようにしましょう。
例文①
私は御社に所属する多くの社員さんの人柄に魅力を感じ御社を志望しています。
私は過去のサッカー部での経験を通して、周囲の人から受ける影響は大きいと実感してきました。周囲が熱意を持っている環境であるとよりいっそう私自身のモチベーションが上がります。そのため、私は「人」を就活の企業選択の軸としています。
OB・OG訪問で御社の社員さんに13名お会いしました。みなさん熱く自分の仕事について語っている姿に魅力を感じました。また同時に周囲への人への思いやりの気持ちを持ち合わせており自分も働く際は熱意と気配りを持って仕事に取り組みたいと強く思いました。
御社に入社後は営業として周囲の先輩方に負けないような熱意と気配りを持って新規開拓に努め貢献したいです。
冒頭で結論をズバリ伝えているのは良いですね。
新規開拓営業では、熱意と気配りは当然として、忍耐力や苦手な人とのかかわりも避けられません。
上記の志望動機では、OB・OGの良い面だけに影響を受けた内容となっているため、就活生の独自性を前面に出すとより良くなります。
新規開拓営業という業務の特徴と一貫性があるかを考え、「自分ならどうしたいのか」「自分なら将来どのような影響を与えられる先輩になりたいのか」まで伝えてみましょう。
社員に魅力を感じた②
新卒エージェントサービスを通じて担当者に惹かれた経験から、その企業を志望する例文です。ただ感謝の気持ちを述べるだけでなく、自分がなぜそのサービスを「提供する側」になりたいと思ったのか、その理由まで掘り下げて書くことが大切です。
例文②
私は御社の新卒エージェントサービスを利用した際に、社員の〇〇さんの人柄と社風に強く惹かれたため御社を志望しています。この場合、なぜサービスの利用者ではなく、提供する側になりたいと思ったのかを明確に書くようにしましょう。
明るく人の気持ちに寄り添う〇〇さんとかかわったことから、私も人生の岐路に立たされ困っている人も助けたいと強く思うようになりました。私は学生時代に心の病を抱える人たちへの傾聴ボランティア活動をしていました。その経験を通して人々に寄り添うことの重要性を実感しています。そのため〇〇さんの人柄に強く惹かれ、そんな方が働く会社で人々のために働きたいです。
御社に入社後はキャリアアドバイザーとして私と同じように悩んでいる多くの就活生を支援し貢献していきたいです。
企業の社風に共感したというのは、企業に取ってはうれしいものです。
しかし、社員の人柄に惹かれたという志望動機は、企業からは「雰囲気で志望企業を決めている学生」というイメージを持たれるかもしれません。
社員の人柄を志望動機とする際にはたとえば、インターンでの経験を通して一緒に学ばせていただいた方や、OB・OG訪問での先輩方へ共感した場合であれば、今後一緒に働いていきたいという強い意志が感じられます。
業界別! 面接の志望動機の回答例文10選
ここまで、企業への志望理由別に志望動機を紹介しましたが、面接では業界を志望する理由を問われることもあります。
志望理由別の志望動機であれば、企業ごとの特徴から具体的な内容をイメージしやすい一方、業界全体となるとどう作成すれば良いかわからないという人も多いでしょう。
そこで、ここからは業界別の志望動機例文を紹介していきます。気になる業界がある人は、参考にしてくださいね。
金融業界
金融業界で必要なのは、信頼性と論理的思考力です。金融業界での仕事は、融資や資産運用、保険といったサービスで社会全体の経済活動を支えるものであり、社会インフラの1つだと言えます。
そのため、顧客のライフプランや事業状況を把握し分析するためのヒアリング力、最適な提案をおこなうための折衝力、さらには信頼関係を築くコミュニケーション能力が必要になります。金融業界の志望動機で積極的にアピールしていきましょう。
金融業界の志望動機例文
私は、社会の基盤を支える金融業界に関心を持っています。そのなかで、「信頼によって社会基盤を支える存在でありたい」という貴社の理念が自分の目指す方向と重なっていると感じ、貴社を志望いたしました。
大学では経済学を専攻し、金融政策や市場構造について学びました。ゼミでは地方銀行の再編に関する調査研究をおこない、業界の現状や地域密着型の金融業の意義などを実地調査しました。
ゼミのなかで、制度や利益を超えて、誰かの生活を守るためにできることについて考える姿勢にふれて、金融業界に対する志望がより明確になったことを覚えています。
入社後は、まず配属先の業務全体を俯瞰的に理解することを目指します。そのうえで制度や金融サービスに対する知識を高めて、目の前の顧客に正確かつ丁寧に向き合えるよう、実務を通じて信頼を築いていきたいです。
将来的には、個人・法人を問わず、社会の変化に応じた課題解決をリードできるような存在を目指します。
金融業界の業務内容や求められるスキルなどについて、より詳しく知りたい人は下記の記事を確認してみてください。
金融業界の志望動機では「なぜ金融か」「なぜその企業か」を明確にしましょう。社会貢献性や経済活動への関心など、業界特有の魅力を掘り下げることが必要です。
そのうえで、具体的に発輝したい能力や実現したいことを企業理念や強みに絡めて話すと、志望動機の説得力が増します。
商社業界
商社業界では、国内外を問わずに、仕入れ・販売の交渉をおこないます。
そのため、提案力や調整能力、主体性などをアピールするようにしましょう。成果主義の傾向もあるため、タフさを伝えていくことも効果的です。
商社業界の志望動機例文
私は、国や業種を超えて多様な商材を扱い、需要と供給をつなぐ商社の役割に大きな魅力を感じ、商社業界を志望しています。
大学では国際貿易を専攻し、ゼミでは物流の遅延による経済的影響や、それに対応する現地法人の役割について研究しました。この経験から、異なる国や文化、立場の関係者と調整・交渉を重ねながら価値を生み出していく商社の仕事に強く惹かれています。
商社業界は、単なる商流の仲介にとどまらず、メーカーとの商品開発や市場開拓にも積極的に関与し、多角的に価値を創出している点が特徴です。
専門性を深めながらも各分野を横断して価値を生み出すビジネスモデルは、グローバルな視点と総合力を求められるため、大きなやりがいを感じています。
私は、既存の枠組みにとらわれず新たなビジネスを創造する姿勢で挑戦し、商社業界の発展に貢献できる人材を目指したいと考えています。
下記の記事では、商社業界について網羅的に解説しています。商社業界の就活を円滑に進めていく方法も紹介しているので確認してみてください。
商社は、ものを売るだけでなく、投資・物流・金融といった仕組みを通じて価値を生み出す産業です。
志望動機では、事業の調整力や課題解決力を身に付けられる点にも魅力を感じていると伝えましょう。
あわせて、自分がどのように貢献できるかを具体的に示すことが、より説得力のあるアピールにつながります。
IT業界
IT業界は、トレンドや情報のアップデートにおける速度が非常に速い業界であるため、柔軟性や勤勉さが求められます。
また、チームで顧客の課題を解決したり、サービスを開発することも多いため、課題解決力やチームで協働すり力も必要だと覚えておきましょう。
IT業界の志望動機例文
私は、技術の力で人や社会の課題を解決できる点に大きな魅力を感じ、IT業界を志望しています。
大学では自治体のデジタル化やデータ活用の取り組みを研究し、現場取材を通じて、ITが非効率を可視化し、人手不足や地域格差といった社会課題にもアプローチできることを実感しました。これにより、IT業界で働きたいという思いが一層強まりました。
IT業界は多様な分野の顧客に対し、単なるシステム導入にとどまらず、ビジネス全体を支える提案が求められていると理解しています。私は、顧客の先にいるユーザーの視点を大切にしながら、新たな価値を創出できるエンジニアやコンサルタントを目指したいと考えています。
将来的には、技術と人をつなぐ架け橋となり、顧客の本質的な課題に寄り添ったサービスや仕組みを作り出し、IT業界全体の発展に貢献できる存在になりたいです。
IT就活のやり方は、下記の就活QAで解説しているので、併せて確認してみてください。
IT業界の志望動機では、AIやクラウドなど具体的な技術分野への関心を示すことが必要です。
そのうえで、新しい環境に柔軟に適応しながら、成長し続けたいという意欲をアピールしましょう。
チームで協働しながら主体的に学び続ける姿勢を伝えると、より説得力が増します。
製造業界
製造業界で必要なのは、ものづくりへの関心です。開発や製造にかかわる職種であれば、品質管理や技術開発の場面で必要になってきます。
また、営業職などであれば、製造に直接かかわっていなくとも、製品を理解し拡散するための理解力や発信力が必要だと覚えておきましょう。
製造業界の志望動機例文
私は、ものづくりを通じて人々の生活を支えたいという強い思いから、製造業界を志望しています。目に見える製品が多くの人の技術や努力によって形作られていることに幼い頃から感動し、製造業に関心を持ってきました。
また、グローバルな展開や環境保全といった社会的な意義の大きさにも惹かれており、ものづくりを通じて社会に貢献できる点に魅力を感じています。
大学では国際貿易を専攻し、ゼミ活動では工場見学やメーカーへのインタビューを通じて、製品の企画から生産、出荷までの一連の工程を学びました。その経験から、現場の多様な視点を理解しながら改善や挑戦を繰り返すことの重要性を実感し、自らも成長したいと考えています。
入社後はまず、製品開発や調達などものづくりの現場で技術や仕組みを深く学び、基礎力を身に付けたいです。そのうえで、海外との輸出入や新興国での生産展開などグローバルな業務にも挑戦し、世界に価値を届けられる人材を目指したいと思っています。
製造業界の志望動機は、下記の記事で16例文紹介しています。もっと例文を見てみたいという人は確認してみてください。
製造業の志望動機では、ものづくりで社会を支えたいという姿勢が必要で、ただ憧れを語るだけでは足りません。
品質や安全への意識や現場改善の姿勢、チーム作業への関心など、それぞれに自分の経験がどう活きるかを具体的に示しましょう。
製造業で特に重視される価値観に触れて志望動機の説得力を高め、自分軸を明確にすることが効果的です。
小売業界
小売業界では、店舗やECサイトから製品を買ってもらう必要があるため、顧客の立場に立って物事を考える力が必要です。
常に数字がつきまとう業界といえるため、売上や目標への意識をアピールすることも有効だと覚えておきましょう。
小売業界の志望動機例文
私が小売業界を志望するのは、生活にもっとも身近な「店舗」という場を通じて、多くの人々の暮らしを支えられる点に魅力を感じたからです。
大学ではマーケティングを専攻し、消費者行動の分析や売上データの可視化を通じて、店舗運営と顧客との関係性について学んできました。
研究を進めるなかで、単にものを売るだけではなく、「購買体験」そのものに価値を見出し、顧客視点で店舗をつくり上げていくという小売業の在り方に惹かれるようになりました。
また、近年では実店舗とEC、アプリなど複数のチャネルを連携させる動きが進み、一人ひとりのライフスタイルに寄り添うサービスが求められていると感じています。
こうした環境のなかで、現場に立ちながらリアルな顧客の声を反映させ、より良い購買体験を提供できる存在になりたいと考え、小売業界を志望しました。
入社後はまず、店舗運営や販売促進など現場に近い業務を通じてサービスの基礎を身に付け、そのうえで多様なニーズに応える提案力を磨いていきたいです。
小売業界の志望動機では、商品・サービスの魅力に共感し、それを通じてお客様との信頼関係を築き、課題を解決することにやりがいを感じている点を強調しましょう。
加えて、目標達成への意欲やチームワークを大切にする姿勢を具体的に伝えると効果的です。
コンサルティング業界
コンサルティング業界では、顧客の企業課題を解決するために、論理的思考力や問題解決力が求められます。
企業課題の解決によって、顧客企業の利益を左右することもあるため、高いプレッシャーの下でも成果を出せる力をアピールしましょう。
コンサルティング業界の志望動機例文
私がコンサルティング業界を志望するのは、企業が直面する多様な課題に対し、客観的な視点から本質を見抜き、最適な解決策を導き出すという仕事に魅力を感じたからです。
大学では経営学を学び、ゼミでは架空の企業の課題解決に取り組むプロジェクトを経験しました。特に印象に残っているのは、メンバーと共に仮説を立てて検証を繰り返し、最終的に経営資源の再配置による業績改善案を導き出した経験です。
課題に多角的にアプローチしながら、論理と実行性の両面を意識して提案を形にしていくプロセスに大きなやりがいを感じました。
この経験を通じて、課題解決のパートナーとして企業を支援し、持続的な成長に貢献できるコンサルタントという職業に強く関心を持つようになりました。
入社後は、まず現場での経験を通じて実践的な課題把握力を養い、将来的には業界や組織の変化をとらえたうえで、再現性のあるソリューションを提供できるコンサルタントとして成長していきたいと考えています。
下記の記事では、コンサルティング業界の志望動機を12例文解説しています。志望動機を書く際のコツやNG例も紹介しているので併せて確認してみてください。
コンサルティング業界の志望動機では、課題を整理して解決に導いた経験を語ることが重要です。
抽象的な成長欲求だけでなく、データや事実に基づく提案や多様な協働の実例を示し、論理性と推進力を具体化するようにしましょう。
特に、志望先でどう活かすかまで一貫して述べると評価が高くなります。
不動産業界
不動産業界で扱う商品は非常に高額なものであるため、「この人に任せたい」という人間力が非常に重要になってきます。
信頼を勝ち取るためには、法律や契約に関する知識、契約を取るための粘り強さが必要になるため、積極的にアピールしていきましょう。
不動産業界の志望動機例文
私が不動産業界を志望する理由は、住まいや街づくりを通じて、人々の生活や心理に深く関わることができる点に魅力を感じたからです。
建物や空間は単なる構造物ではなく、人の行動や感情に影響を与える「生活の基盤」であり、そうした空間づくりに携わる仕事に強く惹かれています。
大学では心理学を専攻し、人の意思決定や行動に影響を与える要因について研究してきました。特に、生活空間の広さやレイアウトの違いが人に与える心理的効果に注目し、同じ面積でも家具の配置によって快適さや安心感が大きく変わることを実感しました。
こうした学びを通じて、空間の設計や提案が人々の暮らしの質に直結することに強く関心を持ち、不動産業界を志望するようになりました。
入社後は、まず現場での営業や管理を通じて生活者の声に直接触れ、信頼関係を築く経験を積みたいと考えています。そして将来的には、心理的な快適さを意識した空間提案ができる人材として、暮らしの価値向上に貢献したいです。
不動産業界の志望動機では、「住まいや街づくりを通じて、人々の暮らしに貢献したい」という思いを示しましょう。
単なる取引ではなく、社会を支えているという点への興味を強調することが必要です。誠実に顧客と向き合いながら、長期的な信頼関係を築く姿勢を伝えると、志望理由に説得力が増します。
不動産業界の志望動機は下記の記事からも確認できます。不動産業界の志望動機でやりがちなミスなども解説しているので、確認しておきましょう。
人材業界
人材業界の仕事は、人を中心としたビジネスで、求職者と企業をつなぐキャリアアドバイザーや営業担当の提案力が特に重要になります。
求職者の本音を引き出しながらも、企業側の希望に合わせ人材を提供していく必要があるため、高い対人スキルが求められると覚えておきましょう。
人材業界の志望動機例文
私が人材業界を志望する理由は、働く人一人ひとりの可能性を引き出し、長期的なキャリア形成を支援できる点に魅力を感じたからです。単なる仲介にとどまらず、個人と企業の双方にとって納得感のあるマッチングを実現する役割に、強く惹かれています。
大学では社会心理学を学び、授業の一環で「第一印象がチーム内の役割に与える影響」に関するグループワークに取り組みました。自己紹介だけでリーダーを決める形式をとったところ、話し方や雰囲気によって実際の適性とは異なる役割が与えられる場面が多く見られました。
この経験から、人の評価や選択が環境要因に大きく左右されることを学び、それを適切に見極めたうえで支援することの重要性を実感しました。
入社後は、求職者一人ひとりの状況や思いに丁寧に向き合いながら、企業との信頼関係も大切にし、双方の未来につながるマッチングを支援できる人材を目指したいと考えています。
人材業界の志望動機では、「人の役に立ちたい」と伝えるだけでは足りません。
業界や職種ごとの特性を理解し、自分の経験を通じてどのような課題解決ができるかを、具体的に示すことが大切です。成果志向に偏らず、長期的信頼と社会的意義も重視する姿勢を伝えるようにしましょう。
人材業界の志望動機をもっと見てみたいという人は、下記の記事も併せてチェックしておきましょう。
インフラ業界
インフラ業界の仕事は、水道・電気・ガス・交通など、私たちの生活に欠かせないものやサービスを提供することです。
そのため、社会への貢献意欲、責任感、危機管理能力などをアピールして、堅実なイメージを伝えていくことが求められます。
インフラ業界の志望動機例文
私がインフラ業界を志望するのは、電力や通信など、生活の基盤を支える分野で人々の暮らしに貢献したいと考えたからです。普段は意識されにくい存在でありながら、安定したインフラの存在が日常生活の安心感や快適さにつながっていることに強く魅力を感じました。
家電量販店でのアルバイトでは、通信機器やネット回線に関する相談を数多く受けました。特に、スマート家電の普及や在宅ワークの拡大により、通信インフラへのニーズが高まっていることを肌で感じました。
一人暮らしの高齢者や在宅勤務の方と接するなかで、通信の安定性が生活の質に直結していることを実感し、インフラという見えない部分から生活を支える仕事に強く惹かれるようになりました。
入社後は、まず現場での経験を通じてインフラの仕組みや社会的役割を深く理解し、将来的には地域や利用者のニーズに応じたインフラ整備に携われる人材を目指したいと考えています。
インフラ業界の志望動機では、社会の基盤を支える使命感と社会貢献への意欲を強調し、なぜその企業でなければならないかを具体的に述べましょう。
また、地道な業務にも真摯に向き合う責任感やチームで働く力も志望動機に盛り込むことがおすすめです。
インフラ業界は、その安定性から学生人気も高いです。インフラ業界の就活を成功させたい人は下記の記事もチェックしておきましょう。
広告・マスコミ業界
広告・マスコミ業界の仕事では、社会情勢やトレンドを先読みし、読み手がほしい情報を発信していく必要があります。そのため、新しいアイデアを形にする力、情報収集力、表現力などをアピールしていくことが有効です。
広告・マスコミ業界の志望動機例文
私がマスコミ業界を志望する理由は、情報や表現を通じて、人の行動や社会の価値観に影響を与えられる点に魅力を感じたからです。広告や報道、コンテンツは単なる情報の伝達手段ではなく、人々の気づきや行動変容を生み出す大きな力を持っていると考えています。
大学では、友人とともにPR動画を自主制作し、SNSで発信する活動に取り組みました。想定外の反応が寄せられることも多く、「誰に、何を、どう伝えるか」という視点の重要性を実感しました。
この経験から、人の心に届く表現や仕掛けについて深く学びたいと思うようになり、情報の送り手として社会と関わっていくマスコミ業界に強く惹かれるようになりました。
入社後は、生活者の視点を大切にしながら、企業や社会の魅力や課題を的確に伝えられる表現力を磨き、将来的には人々の価値観や行動に前向きな変化をもたらすような企画やプロジェクトに携わりたいと考えています。
広告業界の志望動機では、課題解決力を示すことが重要です。一方、マスコミ業界では、正確かつ公正な情報を発信するという社会的な役割や、その影響力を正しく理解しておく必要があります。
いずれの業界でも、課題発見力や発想力を、具体的な経験をもとに伝えることが求められます。
また、法令や倫理を守る姿勢を持ち、企画力・伝える工夫・効果の検証といった視点を志望動機に盛り込むと、より説得力が高まるので覚えておきましょう。
さらに、実体験や成果を交えて、自分の考えや行動に裏付けを持たせることで、信頼性が伝わりやすくなります。
広告・マスコミ業界には華々しいイメージがある学生も多く、選考の倍率も高いです。そのため、志望動機の対策は必須だといえます。広告・マスコミ業界を志望している人は下記の記事で志望動機の対策を進めましょう。
各選考段階別で、どのように志望動機を答えるべきか知りたいという人は下記の記事も参考にしてください。
一次面接
一次面接の志望動機はどう答えるのがベストですか?
最終面接
最終面接での新卒の志望動機、どう伝えるべきですか?
最終面接で志望動機が薄いと言われたらどうすべきですか?
最終面接の志望動機は、これまでと同じで良いですか?
面接の志望動機のNG例文5選
続いて面接での志望動機のNG例文を紹介します。面接では業界・企業問わずに面接官がマイナス評価をしやすい志望動機があります。
ポテンシャル採用の新卒採用において志望動機を重視している企業は少なくありません。そのため面接での志望動機のNG例文を事前に知ることは、志望動機の失敗を未然に防ぐことにつながります。
面接での志望動機を考える前に必ずNG例文を確認しておきましょう。
①ほかの企業にも当てはまる
NG例文
私が御社を志望する理由は生活を彩る家具を多く販売しているからです。
私は幼いころから家具が好きで、学生時代は家具を販売するアルバイトをしていました。アルバイトの経験を通して家具を販売するなかで、購入に至った顧客が笑顔になることにやりがいを感じています。
そのため今後も家具をより多くの顧客のもとにわたるように家具に関係する仕事をしたいと考えます。
御社に入社後は顧客がどんな家具を欲しているのか丁寧にヒアリングをしてより良い販売ができるように貢献したいです。
家具にかかわる仕事がしたいという思いは伝わるものの、その会社でなければいけない明確な理由がこの例文にはありません。
他社と比べて商品やサービスにどんな魅力があるのか、などについても伝えられると良いですね。
- 志望動機を考えると何かしら「他の企業にも当てはまる」要素ができてしまうのですが、どうしたら差別化できますか?
「過程」や「経緯」まで押さえよう
同業界の企業を複数応募するとき、志望動機が「他の企業にも当てはまる」要素となってしまうケースもあるでしょう。
ほかの企業とは一線を引いた「その企業ならでは」の志望動機を考えるうえで着目してほしいのが、面接企業の商品やサービスが生まれる過程や企業理念に至った経緯です。
商品やサービス・企業理念に至る過程を知るには、その企業の完成した商品や世に出ているサービスを知る以上の情報収集力や観察力が求められます。
ときには創業時代からの歴史を調べる必要もあれば、OB・OG訪問で商品やサービスが生まれた秘話について好奇心を示して質問するのも良いでしょう。
つまり、「他の就活生がそこまでは企業を調べないだろう」という今に至るまでのストーリーを知り尽くし、そこに自分の強みとの接点を見出すのです。そうすればほかの企業とは差別化した志望動機が見つかるでしょう。
②憧れを挙げているだけ
NG例文
私が御社を志望する理由は数々のヒットタイトルのゲームをリリースしているからです。
私は幼いころからゲームが好きでさまざまなゲームをプレイしてきました。そのなかでも特に御社の〇〇ゲームが最も好きで5年以上プレイを続けています。〇〇ゲームはグラフィックが美しくサウンドも作りこまれているため、私はその点に強く魅力を感じています。
御社に入社後は、ゲームプランナーとして今までにない世界観のゲームを企画し売り上げに貢献していきたいです。
面接官の視点では、顧客としてはありがたい学生でしょう。
しかし、志望動機としてはただ憧れを挙げているようにしか感じられず、この学生を採用する決め手がありません。
5年以上もプレイを続けてきたなかで「どのようにこのゲームが開発されたのか」という開発に至るエピソードを考えてみましょう。
また3DCGの秘術やサウンドの特徴など「自分ならどのようなゲームを世に出したいか」「そのために自分が活かせる強みは何なのか」などまで伝えることができると良い志望動機となりますよ。
③「学びたいから」と企業に依存した姿勢
NG例文
私が御社を志望する理由は介護とテクノロジーを融合したサービスを独自に手掛けている点に魅力を感じたためです。未経験ですが、そんなサービスを展開するための知識を学びたいためシステムエンジニアを希望しています。
今までIT業界に興味はあったものの、まったく触れてこなかった分野のため不安があります。しかし大学時代のゴルフ場でのアルバイトの経験から新しい領域を教えていただくことは楽しく感じています。御社は新入社員に対する教育も手厚く、多くの情報を教えていただけると感じました。
入社後は研修やOJTで基礎から学んで、早く未経験を抜け出せるような教育を受けたいです。
特に大企業では入社後の研修が手厚い傾向があります。
そのため、まずは学びながら経験を積みたいと考えることは必ずしも悪いことではないでしょう。
しかし、企業のキャリアパス(企業の求めるステップなど)も調べて、研修後に企業が求める人材像と自身がシステムエンジニアとしてどのようなことを実現していきたいのかを擦り合わせて伝えるとより良いでしょう。
④福利厚生や給与など待遇面がメインとなっている
NG例文
私が御社を志望する理由は残業の少ないホワイト企業であり福利厚生が手厚いからです。
私はゼミでの経験を通して効率的に動くことの大切さを実感してきました。そのため入社後は日々改善する気持ちをもって効率的に業務をこなし、御社の社員さんを見習いながら残業なしで働きたいです。
また御社は住宅補助や社食などが充実しているため安心して働くことができると感じました。OB・OG訪問の際に聞いた話では産休・育休、時短勤務も十分にとれる環境だと伺っています。
さらに男性でも育休を取る人が多いと聞き魅力に感じました。
御社に入社後は効率的かつ長期的に働き、貢献していきたいです。
福利厚生に魅力を感じるという本音があったとしても、志望理由の最初に言及することはおすすめしません。
事業内容についてまったく触れられておらず、「福利厚生が良ければどこでもOKなのか」と面接官に受け取られ、マイナス評価につながりかねません。
⑤長く働くイメージが持てない
NG例文
私は御社の「つくる人を増やす」という企業理念に魅力を感じ志望しています。御社の数ある職種のなかでもデザイナー職に就きたいです。
私は大学時代、放送研究会に所属していました。この経験を通して物事を0から創り出し世のなかに提供していく一連の流れのやりがいや面白さを実感してきました。
OB・OG訪問で御社の社員さんにお会いした際に一人ひとりが「つくる意識」を持ち働いていることに共感をしました。そんな企業理念が根付いた御社であれば、よりデザイナーとしての技術を向上ができ早くフリーランスとして独立ができると考えました。
御社に入社後はデザイナーとしてより多くの人の目を惹く技術を身に着け、いずれは独立をして世界を相手に戦いたいです。
面接段階で早くフリーランスとして独立したいという思いを伝えるのは得策ではありません。
向上心は評価されるかもしれません。しかし、目先のことしか考えていない自己中心的な性格だと思われ、面接官はチームワークへの悪い影響を懸念します。
まず自分がスキルを身に付けた後、後輩にそのスキルを伝える責任を先に果たす点や身に付けた技術でどう企業に貢献したいのかまでを伝えると良いでしょう。
面接の志望動機で聞かれる可能性のある深掘り質問6選
面接の志望動機で聞かれる可能性のある深掘り質問6選
面接での志望動機は「なぜ」と面接官から深掘りをされることもよくあります。そのため志望動機と似た質問を事前に確認して、回答の対策をしておきましょう。
これらの質問は志望動機とは別で聞かれることもありますが、多くの場合志望動機の深掘りとして質問をされることになるでしょう。事前対策をすることは実際の面接のときに回答に困らないだけでなく、今ある志望動機をよりブラッシュアップすることができます。
①業界選びの軸は何ですか?
「就活生が何に価値を置いているか」を判断するために、業界選びの軸について質問をされることがあります。
一つひとつの企業にフォーカスをする前に、そもそも「なぜこの業界を選ぶのか」という興味を抱く根本的な価値基準を知りたいと面接官は考えていますよ。
その業界を選ぶ理由と合わせて、その企業でなければならない理由もセットで伝えましょう。そうすることで、業界選びにも企業選びにも根拠を持たせることができ高評価につながるでしょう。
「業界選びの軸は何ですか?」の回答例文
私は特別なひと時を提供し、最高の思い出を作ってほしいという思いから旅行業界を志望しています。
私の趣味は旅行で、大学時代に御社のサービスをよく利用していました。旅行代理店はただパッケージを制作して便利さを提供しているのではなく、あらゆる面で旅行が最高のひととなるような工夫がなされていると気づきました。
旅行に行く前も、帰ってきた後も旅行としても思い出なのだと思い、私も同じような特別なひと時を提供していきたいと感じたため旅行業界を魅力に感じています。
そのなかでも御社は旅行から帰ってきた後までフォローするという業界内で最も幅広いサービス展開をしているため志望しています。
業界を選ぶときに趣味から選ぶのは悪いことではありませんが、どうしても楽しい雰囲気に惹かれて趣味の延長で応募したイメージを持たれがちです。
これまで学生時代に学んできたことや経験してきたことを軸にして伝えるようにして、趣味の旅行のエピソードはそれに少し加える程度にしておいた方がより良い印象になるでしょう。
企業が幅広いサービス展開をしていることが志望動機であるのなら、何かひとつサービスを提案してみるのもおすすめです。
②企業選びの軸は何ですか?
面接官は企業選びの軸について聞くことで、学生と自社の価値観が合うかを確かめようとしています。
業界選びの軸と似ている質問ですが、ここではより志望企業の特徴に合わせた内容を述べるようにしましょう。
企業選びの軸を決めるきっかけとなった具体的なエピソードを盛り込むことで、面接官はあなたの入社後の活躍をイメージしやすくなりますよ。
「企業選びの軸は何ですか?」の回答例文
私の企業選びの軸は2つあります。1つ目は付加価値を生み出すことができるか、2つ目は新興国の発展に貢献できるかという2つです。
私は学生時代にフィリピンに1年間の留学をし、現地の飲食店でインターンをしました。現地の人々とかかわるなかでフィリピンをはじめとする新興国では食料の保存が難しく食品ロスが多い問題があると知りました。
そこで私は、インターン先の月間客数の推移から食品入荷の調整をおこない食品ロスを削減しました。このことから周囲に喜ばれて付加価値を生み出す大切さを実感してきました。同時に世界中どこにいても、誰もが安心してご飯を食べられるようにしたいと感じました。
御社は中間素材として〇〇を製造販売しており、食品ロス削減に寄与しています。さらに中期経営では新興国への進出に力を入れるとあったため御社に魅力を感じ志望しています。
付加価値を生み出すことはほぼすべての企業が追求していることなので、会社選びの軸としては弱めです。
一方、新興国の発展に貢献したいという軸と志望理由、エピソード、会社の事業内容はマッチしているので良いでしょう。
③同業他社ではなく、なぜ当社を志望しているのですか?
企業が一緒に働きたいと思うのは、自社に入りたいと思っている学生です。
採用枠が限られているからこそ、ほかの企業でも良いやという学生よりも、自分たちの会社に熱量がある人を採用したいと思っています。
そのためここでは、企業理念や事業方針、売上高、今後の展望などへの共感ポイントを上げたうえで、なぜ応募企業で働くことを希望しているのかを伝えるようにしましょう。他社でも通用する内容ではなく、あなたがその企業でなければ実現できないことを示すことが重要です。
「なぜ当社を志望しているのですか?」の回答例文
私は、業務の効率化や部門間の連携など、社内全体の生産性向上を支える事務の仕事に魅力を感じ、事務職を志望しています。
数ある事務職を募集する企業から貴社を志望した理由は、事務職を単なるバックオフィスではなく、経営や現場を支えるパートナーと位置付けて、主体的な改善提案や業務設計にも取り組まれている点に強く共感したからです。
大学時代は、親戚の手伝いで個人事業の事務をサポートしていました。取り組んでいるうちにフォーマットや申請フローの非効率に気づき、自ら提案して見直してもらった経験があります。
学生の立場で発言することに対して少し悩みましたが、「助かった」と感謝され、改善提案をすることのおもしろさとやりがいを感じた貴重な経験です。
事務職はどの企業にも存在すると思います。だからこそ貴社の「仕組みから支える」といったスタンスに共感し、より能動的な業務改善にかかわれる環境に挑戦したいと考え、このたび志望いたしました。
事務職への熱意と主体的な姿勢が伝わる良い回答です。
「仕組みから支える」という独自のスタンスを理解し、自身の経験と結びつけている点が評価できます。
他社との違いをもう少し具体的に説明できれば、さらに説得力が増すでしょう。
④入社後、具体的にどのような業務に挑戦したいですか?
企業は、学生が入社後も長く働き続けてくれるかどうかを重視しています。採用活動には多大なコストがかかるため、一度採用した学生には、できるだけ長く活躍してもらいたいというのが本音です。
だからこそ企業は、学生が入社後のキャリアプランや働くイメージを具体的に描けているかどうかを重視しています。その企業での未来を想像できていることは、継続的な就業医局があることと同義です。入社後も明確な目標あるということを、しっかり伝えるようにしましょう。
「具体的にどのような業務に挑戦したいですか?」の回答例文
私は、デジタルマーケティングを通じて顧客との接点を最適化し、売上や認知度の向上に貢献できる業務に挑戦したいと考えています。特にWeb広告やSNS運用、コンテンツマーケティングの領域に関心があります。
大学でマーケティングに関するゼミ活動をおこなった際、架空の企業のキャンペーンを作りました。その際に、誰に対してどのように届けるかを設計することのおもしろさを実感したことがきっかけです。
入社後はまず、商品やサービスの仕組みについて理解を深めるとともに、顧客ニーズを的確にとらえる力を養いたいです。将来的には、企業の顔ともいえるSNSアカウントの運用を任せてもらえるような人材を目指したいと思います。
この例文は、関心のある分野や将来像が具体的で、自分の強みを良く伝えられています。
もう少しプラスをするのであれば、企業独自の強みとのつながりを明示することがおすすめです。
そうすることでさらに説得力が高まります。自分の経験と入社後のキャリアプランを関連づけて書くことで、「長く活躍してくれる人材」として、より高く評価される可能性が高いです。
⑤なぜほかの職種ではなく、この職種を希望しているのですか?
大手企業などでは、複数の職種で採用活動をおこなっているケースも少なくありません。その場合、「どの職種でもかまわないから入社したい」と考える学生に対しては、企業側が懸念を抱くことがあります。
なぜなら、その職種に対する理解やリスペクトがないと、入社後にモチベーションを維持できず、場合によっては早期離職やチーム単位での成果の低下につながる可能性があるからです。
だからこそ、自分のスキルとの関連性や、将来のキャリアにどうつながるのかという観点から、その職種を志望する理由を伝えることが必要です。企業側もあなたがその職種で活躍する姿をイメージしやすくなり、採用の可能性が高まります。
「なぜこの職種を希望しているのですか?」の回答例文
私は、人と組織の関係をより良くして、働く一人ひとりが最大限に力を発揮できる環境づくりに携わりたいと考え、貴社の人事職を志望しました。
学生時代は、学園祭の運営委員としてメンバーの役割分担やスケジュール管理を担当した経験があります。
仕事の偏りや意見のぶつかり合いが多いなかで、一人ひとりと丁寧に話し合い、働きやすい仕組みやルールを整えることで、全体の雰囲気が明るくなり、作業が進めやすくなったことがありました。
この経験から、人の力を引き出す環境をつくる役割に強いやりがいを感じるようになりました。ほかの職種も魅力的ですが、私は組織全体の土台を支え、社員の方を間接的に成長させるような人事の仕事に、もっとも関心をもっています。
学園祭の運営委員としてのエピソードから、人事に携わりたい気持ちが伝わってきます。
「人の力を引き出す」という言葉を、「人材育成」「社員のモチベーション向上」など、より人事の仕事に即した表現にするとなお良いです。
⑥当社において、あなたの強みはどう活かせますか?
そもそも企業が採用活動をおこなう理由は、業績を向上させたい、より良い企業を目指してともに成長できる人材を迎え入れたい、もしくは欠けた戦力を補いたいといった目的があるからです。
そのため、自社の環境で活躍ができそうな人材を採用したいと考えています。
だからこそ、どんな業務において、自分の強みをどう活かすことができるのかを、より具体的に示しましょう。企業研究をしっかりおこない、業務で求められる力を把握することで、自分の強みをどう活かせるかが見えてきます。
「当社で、あなたの強みをどう活かしますか?」の回答例文
私は、チームで成果を上げるために周囲と行動しながら動ける協調性が強みです。
大学では硬式テニス部に所属していました。団体戦では応援やサポートの役割を含めて一体となることの大切さを実感しました。
団体戦前の合宿では練習メニューに不満を抱くメンバーが現れて、部の空気がぎくしゃくすることもありました。私は部の一員として、互いの考えをすり合わせるために間に入り、対話の場を作ることで、練習環境を整えるよう努めました。
全体の雰囲気を意識しながら周囲と協力できることは、営業職でも役に立つと考えています。営業職は顧客との信頼関係構築に加えて、社内での連携も求められる仕事だと思いますので、チームとして成果を出すことを意識して取り組んでいきたいです。
具体的な経験で、協調性というスキルを裏付けていて、説得力があります。そのうえで、営業職の具体的なシーンと結び付けるとさらに効果的です。
たとえば、顧客折衝や提案の場面で、どのように強みを発揮できるかを明示すれば、入社後の活躍が一層イメージしやすくなります。
志望動機の内容に不安がある人向け! 面接の志望動機を考える4手順
志望動機の内容に不安がある人向け! 面接の志望動機を考える4手順
- 企業選びの軸を明確にする
- 業界・企業間で比較し特徴を見つける
- 軸と企業の特徴が一致する点を考える
- 入社後にやりたいことを具体的にする
ここまで、志望動機の例文や深掘り例文を読んできたなかで、そもそも志望動機の内容が不十分かもしれないと感じた人もいるかもしれません。そんなときは、面接の志望動機を考える4手順にならって、もう一度志望動機を作ってみましょう。
面接官にプラスの印象を抱いてもらうためには、ただ志望理由を並べるだけでなく、自分と企業のことを理解することがカギとなります。すでにESや履歴書などで志望動機を考えたという人も、面接での深掘りに対応するためにもう一度志望動機を考えていきましょう。
下記の記事でも志望動機の作り方を詳しく解説しています。作成の基本知識などをしっかりと身に付けたい人は併せて確認してください。
①企業選びの軸を明確にする
志望動機を作るにあたって、企業選びの軸から考えることが重要です。
その軸をもとに企業理念や仕事内容などといった企業情報を入念に調査すれば、自分の強みや志望動機との一貫性や共通点といった接点を洞察しやすくなりますよ。
企業選びの軸を明確にするためにやるべきこと
- 自己分析をする
- OB・OG訪問をする
- さまざまな人の軸を知る
面接の志望動機では「なぜその企業でなければいけないのか」という部分が見られています。そのためまずは、企業を選ぶ基準を明確にすることが大切です。自分自身の企業選びの軸は何か考えてみましょう。
また軸を意識することで、さまざまな角度から志望度や企業選びに関する質問がきても、回答全体に一貫性を持たせることができます。
どのように企業選びの軸を明確にするかわからないという人のために、その方法を解説していきますね。
自己分析をする

「なんとなくで応募したから、この企業に応募した明確な理由がわからない」という人も少なくありません。このような場合は自己分析で企業選びの軸を明らかにしましょう。
自己分析をすることで、過去の経験などから自分のモチベーションが変化する環境や大切にしている価値観が見えてきます。これらを元に、「自分はどういう理由で何に興味があって、どんな環境で頑張れるのか」を理解して企業選びの軸を明確にしていきましょう。
企業選びの軸を明確にするための自己分析
- 自分史
過去から現在までの頑張ったこと、困難を乗り越えたこと、楽しかったことなどの経験を洗い出す。なぜ頑張れたのか、なぜそれを選択したのか、なぜ楽しいと感じたのかを深掘りする。 - モチベーショングラフ
過去から現在までの自分のモチベーションの変化をグラフにする。モチベーションが上がったときや下がったときの原因を自問自答し考える。
自己分析で自分が大切にしている価値観や頑張れる環境がわかったら、次はそこから企業選びの軸を考えましょう。過去の経験から、自分がいきいき働くことのできる条件を考えてみてくださいね。
企業選びの軸の考え方の例
- 結果が目に見える状況だとモチベーションが上がった→数字や順位など結果がはっきり見える環境で働きたい
- 留学経験で日本以外のさまざまな価値観と触れ合うのが楽しかった→海外とかかわりながら働きたい
- なにかを根本的に解決するときにやりがいを感じてきた→経営を手助けできるような仕事に携わりたい
自己分析の方法は、下記の記事や就活QAでも紹介しているので確認してみてくださいね。
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説
自己分析は何を書くの?
自己分析のうまいまとめ方を教えてください。
自己分析はどうやるのが正しいですか?
OB・OG訪問をする
自己分析で何個か自分なりの企業選びの軸が見つかったとしても、社会人経験のない学生では想像できない部分もあります。そこでより想像力を巡らすためにはOB・OG訪問が有効です。
OB・OG訪問であれば実際にどのような企業選びの軸でその会社を選んだのか、今はそれについてどう思うかを聞くことができます。社会人と会話をするなかで、「こんな考えもあったのか」「実際に働くとこんな感じなんだ」と徐々に視野が広がります。
自分が将来どんな企業で働きたいのか、どんな価値観を大切にしたいのかOB・OG訪問を通して考えてみましょう。
OB・OG訪問の詳しい進め方や質問したい内容などは、下記の記事から確認することができます。
さまざまな人の軸を知る
就活生の中には視野が狭くなりがちな人も少なくありません。企業への憧れの気持ちが先行すると、自分個人の経験や価値観のみに基づく判断しかできなくなってしまうことも。
そこで、同じ就活生や年の近い先輩などの企業選びの軸を聞いてみましょう。
さまざまな人の価値観を知ることで、そのような捉え方があるのかと自分の考えがアップデートされたり、逆に「やはり自分はこれを大切にしたい」と改めて強く思うきっかけとなりますよ。
企業選びの軸の見つけ方や選考への活かし方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしましょう。
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
一目でわかる転職の軸! 自分だけの軸の見つけ方をイラストで紹介
②業界・企業間で比較し特徴を見つける
業界・企業間で比較するためにやること
- 業界地図や就活四季報を見る
- 各業界団体や企業のホームページ(HP)をみる
- 合同説明会や企業説明会に参加する
面接の志望動機を考える2つ目のステップは、業界・企業間で比較し特徴を見つけることです。これは「その企業ならでは」の志望動機を考えることにつながります。
1つの企業だけを見ていても、「その企業ならでは」の要素は見えてきません。その業界・企業の良いと思った点、逆にマイナスに感じた点を比較しながら書き出していきましょう。
そこから見つかった「特徴」が「その企業ならでは」の要素になり、志望動機を伝える際の根拠となります。
業界地図や就活四季報を見る
行きたい業界が1つではなく複数ある就活生も少なくありません。
自分自身が「興味のある業界・企業」と「興味のない業界・企業」の差を理解するために、業界地図や就活四季報を見ることで「興味」を言語化していきましょう。
業界ごとの現状や今後の動向、事業内容、今後力を入れる事業などをわかりやすく視覚的に見ることができます。
業界地図で見るべきポイント
- どのくらいの業界規模か
- 主にどんな企業があり、売上高はどれくらいか
- 企業同士の結びつき(業務提携)などはあるのか
- 業界のトレンドは何か
- 業界の今後の流れはどうなるのか
就活四季報で見るべきポイント
- 会社の設立年など基本情報
- 連結事業など企業全体としてのビジネス
- 売上高などの企業業績
- 今後の成長性などがわかる業績の見通し
各業界団体や企業のHPをみる
インターネットは、最新情報をタイムリーに入手することができます。
「〇〇業界協会」や「〇〇業界団体」などといった各業界のHPでは最新の動向などを解説している場合があります。インターネットで業界名を検索してみましょう。
そして企業のHPでも同じく最新の情報を得ることができます。新卒採用ページでは企業の歴史や強み、社員紹介など企業ごとの特徴がわかりやすく記載されていることも多いため要チェックです。
企業HPで見るべき内容
- 会社概要(代表あいさつ、企業理念、企業の沿革)
- 採用情報(求める人物像、採用フロー、会社の目指す姿)
- 事業内容(市場、商品・サービス)
- IR情報(決算報告書、中期経営計画)
合同説明会や企業説明会に参加する
面接までにまだ時間がある人は合同説明会や企業説明会に参加して、その企業ではどこに力を入れているのか、どんな雰囲気なのかを肌で感じましょう。
実際に働く社員と会うことで、どんな雰囲気なのかを理解することは社風を理解することにつながります。
また事業内容などを学生向けにわかりやすく説明してくれる場合も多くあります。わからない点は質問できるケースも多いため、HPなどで自分で調べるよりも企業理解を深めることができますよ。
説明会でどんな質問をしたら良いか悩む場合は、下記の記事も参考にしてください。
- 企業同士を比較するのって時間がかかりそうです。効率良く企業を比較する方法を教えてください。
複数の企業を洗い出しリスト化しよう
まずは簡単なリストを作るイメージで始めてみましょう。手書きでもタブレットやPCでExcelを使用して作成してもどちらでも構いません。
作成するときは、興味を持っている企業名を複数書き出します。次に比較したい項目を並べましょう。最初は「企業理念」「サービス内容・対象者」「企業の強み」「勤務条件」など調べやすい項目を並べてください。そして作ったリストを基に、企業ホームページやネットから調べていきリスト内を埋めていきましょう。
リストで可視化することで全体像が見えてきて、サービスの差異など企業ごとの立ち位置や強み(弱み)を探ることができます。
③軸と企業の特徴が一致する点を考える
軸と企業の特徴が一致する点の考え方
- 企業理念を確認する
- 社風を確認する
- 事業内容を確認する
- 企業の今後の動向を予想する
業界や企業間で比較してその企業の特徴を見つけることができたら、次は自分の企業選びの軸と企業の特徴が一致する点を考えていきましょう。
企業選びの軸と企業の特徴が一致することで、「あなたならでは」「その企業ならでは」の志望動機となりますよ。
企業理念を確認する
たとえば、あなたが「付加価値を生み出すことにやりがいを感じる」人だとしましょう。そして志望企業先の企業理念が「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」であれば、これが軸と企業の特徴が一致する点です。
企業理念はどの企業にもあり、企業の活動方針の基礎となる基本的な考え方です。そのため企業理念と軸が一致するのであれば、企業の根幹部分とマッチしているとアピールできますね。
社風を確認する
自分の軸と企業を照らし合わせるにあたって、関係しやすい要素が社風です。
自分の軸として「人と協力をして何かを成し遂げる環境」があったとします。しかし応募企業が「コツコツと1人で自分の仕事を遂行する」ような社風であると、軸と企業の特徴が一致しているとは言えませんよね。
社風を確認するためには、OB・OG訪問や企業説明会、インターンなどに参加しましょう。社員に直接社風について聞くことはもちろん、社員同士がどのようなコミュニケーションを取っているかを確認することもおすすめです。
事業内容を確認する
事業内容を知ることで、入社後に自分がやりたいことと一致する部分はどこにあるのかを確認できます。
たとえば、自分が「チームで協力をできる環境で働きたい」と考えているとします。事業内容を詳しく見て、「この事業は営業特化型で1人で黙々と仕事を進めそうだな」「この事業は他の部署と協力をして新規商品を生み出すのだな」などと整理していきましょう。
また事業内容を確認して入社後のイメージを持つことができれば、それを志望動機に盛り込むことができます。入社後にやりたいことを具体的に伝えることで「熱意がある」「しっかり企業研究ができている」と好印象にもつながりますよ。
事業内容の見るべきポイント
- 商品・サービスの詳しい内容
- 顧客の形態や年齢層、性別など
- 商品・サービスの売り方や提供方法
- マーケットシェアや販売地域
- 現状と今後の方向性
企業の今後の動向を予想する
企業は成長のために日々進化・変化しています。自分がやりたいことの軸と企業が今後力を入れる事業などに大きな相違が無いようにするために、企業の今後の動向を予想することが重要です。
たとえば、企業が今後撤退を考えている事業で頑張りたいという旨を伝えたり、変わるかもしれない人事制度に最も魅力を感じたなどと伝えることは避けた方が良いですよね。
企業の今後の動向を予想し、企業の進む方向性に合った志望動機を伝えられるようにしましょう。そうすることで面接官から入社後の活躍する姿をよりイメージしてもらいやすくなるほか、「今後の動向まで企業研究をしている熱心な学生」という高評価にもつながります。
企業の今後の動向を知る方法
- 業界地図や就活四季報を見る
- 企業や業界に関連するニュースを見る
- 企業の中期経営計画を見る
- 官公庁や業界が出す業界・企業の動向データをネットで調べる
④入社後にやりたいことを具体的にする
入社後にやりたいことを具体的にする方法
- 自分が貢献できることを考える
- キャリアプランを明確にする
入社後にやりたいことを具体的にすることで、より志望動機を具体的にして熱意を伝えられるというメリットがあります。他にも入社後にやりたいことと志望動機に食い違いが起きていないかを自分自身で確認をするという意味もありますよ。
業界や企業を選んだ理由と、入社後にやりたいことに一貫性がないと途端に志望動機に根拠がなくなってしまいます。熱意を伝えるためにも一貫性を持たせるためにも入社後にやりたいことを具体的にしましょう。
自分が貢献できることを考える
入社後にやりたいことを具体的にするためには、自分が企業に対して貢献できることを考えてみましょう。
新卒採用は基本的にはポテンシャル採用のため、実務で使えるスキルで貢献しようということではありません。自身の強みやスキルがどのような場面でどのように役立つのかを考えるということです。
ただ企業研究をして企業知識が増えただけに留めるのではなく、企業の特徴に触れて具体的に「私は〇〇に貢献できる」といった行動に落とし込むようにしましょう。
強みやスキルの活かし方の例
- 強み:折衝力がある
- 活かし方:生産管理として開発と営業の橋渡し役を担い、安定供給に貢献したい
キャリアプランを明確にする
入社後にやりたいことを具体的にするということはキャリアプランを明確にするとも言い換えることができます。キャリアプランを明確にすることで、面接官は学生の入社後の姿をより具体的にイメージしやすくなります。
キャリアプランを考える際の注意点は、その企業に合ったキャリアプランを考えるということです。学生が思い描く未来と、企業が今後歩んでいこうとする未来が異なる位置にあるのでは面接官は「この学生は自社に合っていない」と感じてしまいます。
そのため企業が今後力を入れる分野などを調べて、「その企業ならでは」のキャリアプランを考える必要がありますよ。
キャリアプランの考え方
- 3年後、5年後など期間を決める
- 自分のやりたいことや成し遂げたいことを考える
- その企業でできることを考える
- やりたいこととできることをリンクさせる
どうしてもキャリアビジョンが思いつかないという人も少なくありません。そんな人は、下記の就活QAからもキャリアビジョンの見つけ方を参考にしてみてください。
アドバイザーからワンポイントアドバイス入社後にやりたいことは2ステップで明確にしよう
松田 竹雄
プロフィールを見る入社後にやりたいことを明確にするためにおすすめの方法は、次の2ステップです。
ステップ①入社後に自分が志望する企業で働いている様子を強くイメージする
ステップ②自分を知るための5つの質問に答える
入社後のイメージはリアルな体験から連想できる
ステップ①の入社後のイメージを湧かせるためには、企業のホームページや就活四季報だけでなく、企業訪問やOB・OG訪問をおこないましょう。そうすることで、自分が働いている様子を実際に働く社員と重ねながら情報収集ができます。
また実際に企業までの道のりを通勤時間帯に通勤してみたり、企業のサービスや商品を利用して少しでもリアルな感覚を体験してみましょう。
5つの質問から自分の思いがわかる
企業の情報が明確になり、自分がやりたい仕事で働いているイメージが強く湧くようになったら、ステップ②に移ります。次の5つの質問の答えを書き出してみましょう。
①なぜ、その企業でなければならないのか
②その企業で情熱を持って取り組めることは何か
③自分がその企業で1番になれることは何か(負けたくないことはなにか)
④もし③が実現したら、どのような価値を会社に提供したいのか
⑤誰のために役立ちたいのか(誰を幸せにしたいのか)
この2ステップをおこなうと、入社後のやりたいことが明確になるはずです。ぜひ試してくださいね。
面接の志望動機は書類よりも深掘りした対策で合格を掴もう
ここまで解説した通り、面接の志望動機は書類よりも深掘りをして、その企業でなくてはいけない理由とその根拠を合わせて明確に伝える必要があります。
今回解説した面接ならではの志望動機の考え方や伝え方のコツ、実際のパターン別の例文を参考に対策をしてくださいね。そして「なぜその企業を選んだのか」「なぜその企業でなければいけないのか」を明確にすることが大切です。
企業選択の理由はもちろん、その裏にある熱意や覚悟も面接官に伝えて合格をつかみましょう。
アドバイザーからワンポイントアドバイス本気度が伝わる徹底した準備が志望動機の鍵
早川 峻
プロフィールを見る面接で志望動機を伝えることは、ESや履歴書に書く志望動機よりも難しいこととも言えます。なぜなら面接官は複数の質問で深堀りをしてくるため、的確に返答が出来なければ本気度が疑われる可能性もあるからです。
だからこそ大切なのは事前準備。準備とはセリフを丸暗記することではなく、業界や会社選びの軸を明確にして、自分がどんな仕事をしたいのか思いを巡らせることです。就活サイトや会社HPを確認することは大切ですが、そこに公開されている情報だけを切り取って志望動機にするのでは不十分でしょう。
ロジカルに志望動機を伝えて面接を突破しよう
ただ「事業や理念が良いから入社したい」ではなく、「自分がやりたいのは○○の仕事」「業界や会社選びでは××を軸にして探している」「貴社の事業・企業理念に共感をした」「まさに自分がやりたい○○の仕事ができる会社が貴社だと思うので応募をした」とロジカルに説明ができれば、あなたの志望度の高さはきっと面接官にも伝わるはずです。
面接当日は緊張もあるためうまく話せない就活生もいるでしょう。面接官もそれは理解しているので安心してください。最後になりますが、面接前はくれぐれも体調管理に注意して本番に臨みましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/認定心理士
Harumi Hasegawa〇大学では心理学を専攻。ベンチャー企業に勤務する傍ら、カラーセラピーサロンの運営を開始。同社で個人法人向けカウンセリングに加え、キャリア開発講師とコンサルティングに携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/留学カウンセラー
Shun Hayakawa〇大手就活メディアの営業を経て、現在は留学支援をおこなうアナザーストーリーの代表取締役を務める。キャリアコンサルタントとして学生の強みの発見から選考対策など幅広く支援
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takeo Matsuda〇新卒・若手・管理職・経営者のキャリア等の相談を1万件以上受けた実績。一般企業では主にサービス業を中心に幅広い職種のキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細