30秒で読める!AI要点まとめ
精神科医と考える無理のない仕事選びと職場環境の基準
- 主治医の就労許可を得て業務量を柔軟に調整できる職場を選ぶ。
- 雇用枠や勤務形態を比較し現在の体力に見合ったペースを守る。
- 手順が明確でノルマや対人関係の疲労が少ない業務を検討する。
不安を軽減する身近な相談先と就職を支える各種専門機関
- 主治医や身近な人に相談して抱え込まずに気持ちを整理する。
- 就労移行支援事業所や専門援助窓口で就職の準備を進める。
- 自立支援医療や手帳制度などの公的支援を活用し不安を減らす。
就職後もうつ病と無理なく向き合い安定して働き続ける秘訣
- 定期的な通院を継続し日頃から安定した生活リズムを維持する。
- 心身の限界を迎える前に社内の上司や産業医へ早めに相談する。
- 自分を責めずに休養を取るための客観的な基準を設けておく。
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厚生労働省の「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」では、
うつ病は「脳内の神経伝達物質のバランスの乱れや様々なストレスが複合的に影響し、意欲の低下や憂うつな気分が続く状態のこと」と説明しています。
みなさんの中に「病状の悪化を避けて無理のない仕事を選びたい」「心身の状態と向き合いつつ就活を進めたい」といった思いはありませんか。
無理なく仕事を続けるには、自分に合った仕事と、体調の変化に対応しやすい環境を選ぶことが大切です。
ここでは、臨床経験のある精神科医やキャリアの専門家とともに、仕事選びの具体的な基準を解説します。安定して働くための第一歩として役立ててください。
本記事では、軽度〜中程度のうつ病を自覚している人に適した職種や、仕事の探し方を解説します。
心身の不調が続く場合は無理に就活を続けず、主治医や地域の専門機関・相談窓口に早めにご相談ください。
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精神科医に聞く! うつ病の症状から考える「無理のない仕事」とは?
精神科医の日浦さんは、睡眠障害、集中力の低下、自己否定などをうつ病の症状として挙げています。
実際、こうした心身への影響で仕事に行けなくなることも少なくありません。
うつ病に特有の症状の変化と向き合うためには、心身に負担の少ない仕事の特徴を理解して、症状を悪化させる可能性のある環境を避けることが大切です。
ここでは、症状に合わせて無理なく働ける仕事と環境の特徴を精神科医の日浦さんに解説してもらいます。まずは、仕事を選ぶための基本を押さえましょう。
環境がメンタルに及ぼす影響を知りたい人向けの就活QA(タップで開閉)
以下の就活QAでは、環境とうつ病の症状の関連を紹介しています。合わない環境を選ぶことのリスクをあらかじめ理解しておきましょう。
向いていない仕事とうつの関連性
向いていない仕事を続けたことで「うつ」になることはありますか?
体育会系とうつの関連性
体育会系の会社に入社するとうつになりやすいのは本当ですか?
部署配属とうつの関連性
配属ガチャでうつのような症状になり転職を迷っています。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。
そんな人におすすめしたいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、自分の強みや性格に合った職業がわかります。
今すぐ診断を受けて、自分に合う職業・合わない職業をチェックしてみましょう。
自分に合う業界や職種がわからない人は、あなたと気になる業界との相性を測れる「業界&職種マッチ度診断」を活用しましょう!
仕事を選ぶ4つの判断基準
具体的な職種名で探し始める前に、まずは仕事選びの判断基準を定めましょう。手当たり次第に検討する手間が省け、就活の負担を大きく減らせます。
ここでは、「客観的な判断」「雇用枠の選択」「仕事の仕組み」「継続の可能性」という観点から、自分に合った無理のない仕事を選ぶための基準を紹介します。
実際の仕事探しで迷わないよう、各観点での見極め方を押さえて、仕事選びの軸を作っていきましょう。

主治医からの就労許可が下りているか
自己判断での就活開始は症状を悪化させる可能性があるため、客観的な意見として、必ず主治医からの就労許可をもらいましょう。
さらに、障がい者枠での雇用を希望する際は、原則として精神障害者保健福祉手帳の取得(および医師の診断書・意見書)が必要です。
まずは、以下の項目を整理して主治医に相談してください。
主治医への伝達内容の例
- 現在の生活リズム
└起床時間・就寝時間・出かけた場所と滞在時間など - 希望する働き方の条件
└勤務日数・勤務時間帯・雇用形態など - そのほか会社に希望する配慮
└業務内容・コミュニケーション方法・望ましい環境
なお、体調の波や直近で飲み始めた薬の状況によっては許可が下りないこともあります。その際は決して焦らず、まだ心身を休める期間ととらえましょう。
「一般雇用」と「障がい者雇用」を比較検討したか
うつ病の人が選べる雇用枠は「一般雇用(クローズ)」「一般雇用(オープン)」「障がい者雇用」の3種類で、就職の際はこれらを比較検討することが大切です。
枠によって、得られる給与や求められる成果、配慮の有無が異なるため、まずは自分の体調を鑑みて、体調管理とキャリアのどちらを優先するべきかを決めましょう。
曖昧な選択による早期離職を防ぐため、以下の比較表でメリット・デメリットを確認し、現在の状態で最も優先したい項目をしっかり整理してみてください。
| 一般雇用 (クローズ) | 一般雇用 (オープン) | 障がい者雇用 | |
|---|---|---|---|
| 病気の開示 | 企業に伝えない | 企業に伝える | 企業に伝える |
| 障害者手帳 | 不要 | 不要 | 必要 |
| 企業からの配慮 | なし | あり (話し合いに基づく合理的配慮の提供が義務) | あり |
| メリット | 選択肢が幅広い | 病気を隠す心理的負担が少ない | 体調に合わせて働きやすい |
| 注意点 | ほかの雇用枠と比較して病状が悪化するリスクが高い | 一般雇用(クローズ)同様の成果水準を求められがち | 給与や職種の選択肢が狭まることがある |
- 雇用枠を選ぶ基準を教えてください!
体調の安定が継続するかで判断しよう
1カ月程度、調子の良い期間を観察してみましょう。通勤が可能で、苦手な業務にも取り組めれば、障がい者雇用にこだわる必要はありません。
ただ、1~2日働くと疲労で起きられない、苦手な業務で負荷がかかるといった場合は、「障がい者枠」を検討してみるのも手段の一つです。
就労移行支援などに定期的に通って生活リズムを整えながら、通勤できるかを確かめて就活を進める選択肢もあります。
オープン・クローズの選択に迷う人向けの就活QA(タップで開閉)
以下の就活QAでは、就活時にうつを明かすことに関する悩みにプロのキャリアコンサルタントが回答しています。回答を読んで不安を解消しましょう。
履歴書での開示
履歴書に「うつ病」による休学を記載する際、どのような表現が適切でしょうか?
うつ病を休学理由にする場合、履歴書の書き方はどうすれば良いでしょうか?
あなたが受けないほうがいい業界・職種を診断しよう
就活では、自分に合った業界・職種が見つからず悩むことも多いでしょう。
そんな時は「業界&職種マッチ度診断」が役に立ちます。簡単な質問に答えるだけで、あなた気になっている業界・職種との相性がわかります。
自分が目指す業界や職種を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
心身の状態に合わせて業務量を調整できるか
定期的な通院や、処方薬の変更にともなう心身の状態の変化に対応するため、具体的な仕事を選ぶ際は業務量が調整できることを軸に選びましょう。
そのためには、求人票から「残業なし」「相談可」といった記載を探すほか、面談や支援機関を通して業務の進め方やサポート体制を確認することが欠かせません。
求人票から読み取れない内容を企業や支援機関に確認する際は、以下の特徴があるかをたずねると、業務量の調整できる職場を選びやすくなります。
業務量を調整しやすい職場の特徴
- 業務が属人化していない
- チームで業務を分担・カバーできる
- 残業や繁忙期がない
- 突発的な対応が少ない
- 業務量や体調を相談できる機会がある
今の体力に見合ったペースで長期的に働けるか
仕事を検討する際は、自分の理想ではなく、現在の自分の状態に合ったペースで長期的に働けるかを重視しましょう。
「正社員や大手でなければ」といった思い込みを優先すると、体力以上の業務量を抱えることもあり、無理を重ねて症状悪化や早期離職を招く恐れがあります。
まずは週に何日・何時間なら落ち着いて働けるかを把握し、契約社員や派遣、アルバイトからキャリアを始めることも柔軟に検討しましょう。
- 長期的に働くなら大手や一般枠が良いのではと思ってしまいます……。
少し視野を広げて柔軟にとらえてみよう
「大手企業でなくてはいけない」「新卒向けの一般枠以外は考えられない」といった思いが不安を強めているなら、少し視野を広げてみませんか。
うつ病の症状として、物事を否定的に捉えやすくなる「認知の偏り」が生じることがあります。
認知行動療法のように、物事のとらえ方を柔軟にして、考えの幅を広げていくことが大切です。
「福祉や障がい者雇用の活用で回復を目指そう」「長い目で人生を考えよう」といった思いを持てると、気持ちが少し軽くなるかもしれません。
うつ病を抱えながらの新卒就活が気になる人向けの就活QA(タップで開閉)
以下の記事では、うつ病で就職ができるのかと悩む学生からの質問にアドバイザーが回答しています。就活時に気を付けたいことなどをチェックしておきましょう。
うつ病での就活可否
うつ病だと新卒で就活はできませんか?
【職種例付き】無理なく働ける環境の特徴
判断基準をもとに職業選択の方向性が定まったら、いよいよ自分に合った仕事を探すタイミングです。
ここからは、うつ病の代表的な症状に合わせた働きやすい環境のポイントと、無理なく続けやすい仕事の具体例を紹介します。
ただし、紹介する職種はあくまで一例です。実際に仕事を探す際は職種名だけで判断せず、これから解説する5つの環境が職場に整っているかを必ず確認してください。
あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう
就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。
そんな人に活用してほしいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたに合う職業・合わない職業を特定できます。
早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。
手順が明確で判断に迷う時間が少ない
手順が明確な仕事は、うつ病の症状で集中力や判断力が低下していても手順どおりに進めやすいため、判断に迷う時間を減らしてミスを最小限に抑えられます。
「マニュアルが整っている」「ツールで完結可能」「単純作業が多い」といった業務が該当し、職種に置き換えると以下のような仕事が代表例として挙げられます。
手順が明確な仕事
- データ入力
- 事務補助
- 倉庫内の軽作業
- 清掃・施設管理
求人票から探す際は、「定型業務」「ルーティーンワーク」「マニュアル完備」といった言葉を手掛かりに、業務の手順が明確になっているかを確認しましょう。
厳格な納期やノルマが少なく自分のペースで働ける
厳しい納期やノルマが少ないと、うつ病の影響で生じる、数字に追われる焦りや不安を感じにくくなるため、体調の波に合わせた働き方が実現しやすくなります。
「社内外との連携が少ない」「個人の売り上げ目標がない」など、他人との調整や比較が少ない業務を探しましょう。具体的には以下の職種です。
厳格な納期やノルマが少ない仕事
- 社内総務・庶務
- 施設管理・ビルメンテナンス
- 図書館・美術館の運営スタッフ
求人票では「ノルマなし」「既存メイン」「残業少なめ」といった言葉で探し、面談でも業務の進め方や残業の実態などを確認しておくようにしましょう。
対人での気疲れを最小限に抑えられる
対人業務では、うつ病の影響から周囲に過度な気配りをし、エネルギーを消耗してしまう恐れがあるため、1人で黙々と作業ができる環境がおすすめです。
「電話や来客の対応がない」「個人作業がメイン」といった分業制が取られている業務にはその傾向があり、具体的な職種としては以下が挙げられます。
対人業務が少ない仕事
- 清掃スタッフ
- 施設警備
- 品出し・商品補充
- 校正・文字起こし
- 書類スキャン・電子化スタッフ
求人票では「一人で完結」「落ち着いた職場」「電話対応なし」といった言葉で探し、面談でも人とかかわる頻度を確認しておくようにしましょう。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
心身の調子に合わせて勤務を短縮・分担しやすい
うつ病特有の朝の起きづらさや体調の波に対処しつつ定期的な通院を無理なく継続するためにも、勤務時間を柔軟に調整できる環境が欠かせません。
求人票で「短時間勤務」「シフト制」と書かれているものや、急な当日欠勤をカバーできる体制が整っている環境が理想です。
具体的には以下の職種が挙げられます。
勤務を調整しやすい仕事
- バックオフィス・事務補助(シフト制や複数人体制)
- 事務職(特例子会社や障がい者枠)
- 倉庫内の軽作業・検品(短時間勤務)
- Webサイトの更新・データ管理(チーム分担制)
ただし、勤務が流動的だと生活リズムが崩れ、時間を毎回決めるのが負担になる恐れがあるため、固定シフトや稼働日数を意識して一定のペースを確保しましょう。
就労継続支援A型の利用(通所)を検討したい人向けの記事(タップで開閉)
以下の記事では、短時間・シフト制での勤務が可能な就労継続支援A型事業所での働き方を紹介しています。作業内容や、具体的な月収を確認してみてください。
A型事業所での働き方
就労支援A型とは? 月収・作業内容・B型との違いを就活のプロと解説
在宅勤務で視線や音を気にせず働ける
在宅勤務が選択できると、うつ病の症状として感じる、周囲の視線やオフィスの雑音といった心身のストレスを減らして業務に集中できます。
業務のやり取りがテキスト上で完結する仕事は、在宅勤務が可能なことが多く、以下の職種が具体例です。
在宅勤務が可能な仕事
- オンライン事務
- データ入力
- Webライター・文字校正
- Web制作・プログラミング
(受託・クライアントワークの場合は納期や突発対応が発生しやすいため、自社サービス運営やチーム体制の確認が必須)
ただし、一人で悩みを抱え込まないよう、チャットで気軽に相談できる環境や、オンラインでの定期的な相談時間が設けられているかを面談時に確認しましょう。
- うつ病を伏せた状態で条件を希望・確認するコツはありますか?
病気以外の視点と結び付けよう!
志望動機や貢献意欲の延長として、在宅勤務の頻度やフレックス制度や時差出勤の活用についてたずねるのがコツです。
たとえば「長く安定して成果を出したく、業務への集中力を高めるため柔軟な働き方を希望したい」などと伝えられます。
また、現代の働き方に着目して、「現在リモートワークが一般的になりましたが、御社はどのような方針ですか?」と聞くことも可能です。
ただし、業務遂行に支障が出るレベルの体調不良を無理に隠して入社すると、安全配慮を受けられず早期離職や労使トラブルにつながる恐れがあります。
主治医と相談し、業務に耐えうる状態かを冷静に見極めましょう。
在宅勤務が可能な仕事の探し方(タップで開閉)
以下の記事では、リモートワークができる職種とその探し方を解説します。ぜひ自分に合った仕事を見つけてみてください。
リモートワークができる職種
リモートワークが多い職種18選|探し方や未経験からの転職法も解説
リモートワークでおすすめの職種は何ですか?
リモートワークできる職種は限られるのでしょうか?
リモートワークの現状
コロナ禍を経てリモートワークは増えたのでしょうか?現在の普及状況と実態が知りたいです
リモートワークと孤独の関係
リモートワークで孤独を感じて転職を考えるのは甘えでしょうか?
就活うつについて知りたい人向けの記事(タップで開閉)
多くの就活生が就活の過度なストレスによりうつ状態となる「就活うつ」を経験しています。以下の記事から対策や回復方法を確認しておきましょう。
就活うつの割合
就活中に「うつ病かも……」と感じる学生の割合はどれくらいですか?
就活うつの相談先
就活うつは素早い対処が肝心! 相談先やならないための予防法を解説
就活うつからの回復方法
就活うつを経験したその後、どのようにキャリアを再開すれば良いのでしょうか?
所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
仕事探しや働き方に迷ったときの相談先
「おすすめの仕事はわかっても具体的にどう探せば良いかわからない」「1人では不安だから誰かに相談したい」という悩みを抱える人もいるのではないでしょうか。
そのようなときに信頼できる相談先を「身近な相談先」「専門的な機関」の2つに分けて、それぞれの特徴や具体的な活用方法を紹介します。
就活や就職後の不安をできるだけ減らすためにも、相談先を利用するとどのようなメリットがあるのか、具体的に確認していきましょう。
心身の不安を整理する「身近な相談先」
「就活に踏み出す勇気はないけれど、少しだけ自分の悩みや迷いを打ち明けたい」と思うこともあるのではないでしょうか。
そのようなときは無理に仕事探しを始めずに、まずは身近な人に頼って気持ちを整理してみましょう。
ここでは、病院と知人という2つの選択肢を取り上げて、相談のメリットとともに、具体的な聞き方を紹介します。声のかけ方に迷ったときの参考にしてください。
主治医・かかりつけ医
最もおすすめの相談先は、あなたの症状や回復状況を最もよく知り、専門的な知識も持っている主治医やかかりつけ医です。
体調に合った働き方について医学的な知見からの判断を仰げるほか、各種申請に必要な診断書の発行や、就労支援機関と連携した支援体制を求めることもできます。
さらに、就職後も相談することで、実際の業務や体調に合わせて柔軟に服薬を調整してもらうことも可能です。迷う際は以下の聞き方を参考にしてください。
医師への相談例
- 「今の私の状態は、就労している人と比べてどの程度の回復状況でしょうか?」
- 「いつか働きたいと考えていますが、どのような状態まで回復したら就活をしても良いのでしょうか?」
- 「最近○○といった症状がひどいのですが、お薬の量や種類を調整していただけますか?」
病気に理解のある家族・先輩・友人
家族や、うつ病の経験を持つ先輩、病気に理解のある友人であれば、医師には聞きづらいプライベートな話や何気ない不安も相談することが可能です。
普段の様子や性格を知っている相手に「医師には話せないけれど、このような悩みがある」といった相談をすることで、素直な意見を聞くことができます。
完璧なアドバイスを求めるのではなく、時間を気にせず気持ちの整理や息抜きをできる相談先として頼りましょう。
身近な人への相談例
- 「就労許可は下りたけど、普段の私は無理していそうに見える?」
- 「私の性格を知っているあなたから見て、この仕事は無理なく続けられると思う?」
- 「アドバイスではなく、不安を聞いてほしいから息抜きに付き合ってほしい」
就活で友人を頼る方法を知りたい人向けの記事(タップで開閉)
以下の記事では、就活に不安を抱える場合の相談先や、友人と協力しながら就活を進める方法を紹介しています。誰もが抱えうる就活への不安を、身近な人とともに乗り越えましょう。
就活時に頼れる相談先
就活の相談先14選! 良い決断ができる相談相手の選び方も解説
就活に悩んだ際の対処法
【専門家が回答】就活がうまくいかないときの原因と対処法
友人と自己分析をする方法
就活の自己分析、友人に協力してもらうのはありですか?
友人による推薦状の可否
就活で推薦状を友人に書いてもらうのはありですか?
ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
『就活準備をもっと効率よく進めたい...!』と思っていませんか?「就活準備プロンプト集」は、生成AIを活用して自己PRや志望動機をスムーズに作成できるサポートツールです。
簡単な入力でプロが使うような回答例が出せるため、悩まずに就活準備を進められます。生成AIを活用して効率良く就活準備を進めたい人におすすめです。
- 自己PR、ガクチカ、志望動機作成プロンプト
- チャットを使用した、模擬面接プロンプト
- 自己PRで使える強み診断プロンプト
実際の就職につながる「専門機関」
心の不安が解消されても、就活の具体的な進め方に不安が残る場合は、就職活動の準備から実際の就職までを支援してくれる専門機関に相談するのがおすすめです。
ここでは「学内」「福祉」「就職支援」という3つの軸で、代表的な相談機関とその特徴を紹介します。
得られる支援の違いを理解しながら自分に合った相談先を見つけてみてください。
【学内】学生相談室・大学のキャリアセンター
大学の学生相談室やキャリアセンターでは、メンタルの悩みだけでなく、単位や休学、卒業時期の調整といった学業も含めた相談が可能です。
在籍する大学の就職実績やうつ病での休学事例を踏まえながら、学生相談室やキャリアセンター、大学によっては「障害学生支援室」などが連携し、手厚い個別支援を自分に合ったペースで受けられます。
利用の際は、大学のポータルサイトや窓口・電話で具体的な日時を予約しましょう。直接出向くのが難しくても、多くの大学がオンライン相談に対応しています。
公認心理師の吉野さんからアドバイス
相談施設には守秘義務があるため、相談したことを知人や周囲に知られる心配はありません。
それでも不安な場合は、匿名で利用できる電話やメール、LINEの相談を活用してみてください。
「こんな感じで相談できるんだ」とわかることで、相談窓口を利用しやすくなることがあります。
【福祉】就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、就職前の準備として、職業訓練で生活リズムや仕事に活きるスキルを身に付け、職場実習で仕事のペースを体験できる福祉施設です。
前年の所得に応じて原則無料で利用でき、「自治体名+就労移行支援」での検索や、役所の障害福祉窓口で事業所一覧を確認することができます。
まずは気になる事業所を探して、見学や体験の申し込みをしてみましょう。通う事業所が決まったら市町村へ申請し、通所までの手続きを進めましょう。
就労移行支援への向き不向きが気になる人向けの記事(タップで開閉)
以下の記事では、就労移行支援に通うかどうかの見極め方を紹介しています。迷う人は以下の記事をチェックして判断の参考にしてください。
就労移行支援の活用方法
就労移行支援に向いていない人って? 後悔しない見極め方と活用のヒント
【就職支援】ハローワーク・エージェント
ハローワークの専門援助窓口や、障がいを持つ人の支援に特化した就職エージェントでは、症状に合った求人や障がいに理解のある企業を紹介してもらえます。
数カ月~数年かけて通所訓練をおこなう就労移行支援とは異なり、直接求人に応募して、最短期間で効率的に就職先を探せることがメリットです。
生活リズムが整っていて「すぐに就活を実施したい」という人は、以下の比較表を参考にしつつ、自分に合った求人を紹介してくれる機関で就活を進めましょう。
さまざまな仕事の探し方を知りたい人向けの記事(タップで開閉)
以下の記事では、仕事の探し方を状況別に解説しています。自力で仕事を探す場合の参考にしてください。
経済・雇用の不安を軽減する公的制度
実際に就業を開始する前や働き始めてから利用できる公的制度を知っておくと、金銭面や体調面で困ったときにも安心です。
ここでは、経済面の負担と雇用の不安を和らげるための3つの代表的な制度を紹介します。
制度の存在を知っておくだけでも今後の不安を格段に減らせるので、現在の自分に必要か、今後利用する可能性があるかを考えながら確認してみてください。
通院費の負担を減らす「自立支援医療制度」
自立支援医療制度は、通院や治療にかかる医療費を国や自治体が補助する制度です。
この制度を利用すると、指定医療機関・薬局での自己負担割合が原則1割に軽減されます。
さらに世帯所得や症状の程度に応じて月ごとの自己負担上限額が設定されるため、毎月の医療費負担を大幅に抑えることも可能です。
医療費の負担が軽くなるため、継続的な通院や服薬にかかる費用の心配が減り、安心して治療と就活を両立できるメリットがあります。
利用する際は、まず主治医に相談し診断書を作成してもらったうえで、市区町村の窓口で申請手続きをおこなってください。
休職中の生活費を支える「傷病手当金」
傷病手当金は、就職後に利用できる支援です。
会社の健康保険に加入していれば(※国民健康保険は原則除く)、業務外の病気やケガで連続3日以上休んだ後の休業期間に対して、給与(標準報酬月額)の約3分の2に相当する額が支給されます。
なお、退職後も引き続き受給する場合は『退職日までに1年以上の継続した被保険者期間があること』などの要件が必要です。
休職した場合も、金銭面の心配から焦って次の仕事を探す必要がなくなるため、心身の回復に専念できるようになることがメリットです。
利用する際は、健康保険組合のホームページから申請書を用意し、主治医と勤務先にも必要事項を記入してもらったうえで、勤務先の担当部署に提出しましょう。
減免措置や就労配慮を受けられる「精神障害者保健福祉手帳制度」
うつ病の初診日から6カ月以上経過していれば、精神障害者保健福祉手帳を申請できます。障がい者雇用枠で応募する場合は、この手帳を持っていることが必須です。
雇用枠の幅が広がる以外にも、住民税・所得税の控除や、公共料金の減額・免除、施設料金の割引といった支援が受けられるため、金銭的な負担を減らせます。
手帳を申請するためには、主治医に診断書をもらい、以下の必要書類を用意して役所の窓口に向かいましょう。審査後、約1カ月半~2カ月後に手帳が交付されます。
必要書類
- 精神障害者保健福祉手帳交付申請書
└市区町村の窓口やWebサイトで取得 - 医師からの障害者手帳用診断書
└初診日から6カ月以上経過している、かつ発行から3カ月以内のもの - 本人の顔写真
└縦4cm×横3cm。1年以内に撮影したもの - マイナンバー確認書類
└マイナンバーカード。または、マイナンバーが記載された住民票の写し
障がい者支援の経験が豊富な板谷さんからアドバイス
精神障害者保健福祉手帳を持ちながら「一般枠」で就労している人も多くいます。
実際に、私の友人も一般枠で工事現場の交通整理をしています。
現場が変わるため対人関係の疲れが少なく、毎日リセットできるのが向いているそうです。
支援をしっかり知りたい人向けの記事(タップで開閉)
働けない場合の対策方法をあらかじめ知っておけば、就業へのハードルは低くなっていきます。以下の記事で回復までのステップを把握しておくのもおすすめです。
「働けない」悩みの解消方法
働けないを解消! その理由と社会復帰に向けてすべきことを解説
就活が難しい場合の対処方法
うつ病で就活ができないのですが、どうすれば良いでしょうか?
仕事をしながらうつ病と向き合うために大切なこと
これを読んでいる人の中には、現在うつ病と向き合いながら仕事をしている人もいるかもしれません。
ここでは、仕事をしながらうつ病と向き合うために大切なことを3つ紹介します。
新卒で就活に臨む人にも役立つ内容です。つらくなる前に対策を立てられるよう、ぜひ確認しておきましょう。
定期的な通院で生活リズムを維持する
うつ病と向き合いながら働くうえで最も意識してほしいのが、日々の生活リズムを保つことです。
生活リズムを保つためには、定期的な通院をして主治医に体調の変化やストレスを正直に伝え、客観的な意見をもらいながら仕事をすることが欠かせません。
自分でも、起床時間や就寝時間を固定する意識を持つ、自己判断で服薬を止めないなど、日ごろの習慣を整えることを心掛けましょう。
精神科医・産業医の日浦さんからアドバイス
通院に備えて、朝と夜での気分やだるさの違い、睡眠や食欲の変化を記録しておきましょう。
また、趣味を楽しめるか、読書やテレビに集中できるかどうかも重要な情報です。
ストレスの有無や周囲の理解・支援を具体的に伝えると、主治医は病状を判断しやすくなります。
エネルギーが尽きる前に産業医や上司への相談をする
業務量や職場環境を調整する際は、社内の状況を理解した人の助けが必要なため、産業医や上司といった社内で頼れる相談先を作っておくのも有効です。
人事部の相談窓口や労務担当、社内規定から産業医への相談ルートを確認し、不調を感じた段階で面談を申し込むようにしましょう。
また、上司との面談の回数を増やして相談の機会を多く設けてもらうなど、常に体調と仕事のバランスを取れるような状態にしておくのが安心です。
公認心理師の吉野さんからアドバイス
上司へうつ病を公表したくないときは、まずは主治医やカウンセラーにその理由を相談しましょう。
「甘えだと思われる」という強い不安の背景には心理的な課題があるかもしれません。
あるいは、職場に組織的な課題が隠れている可能性もあります。
自分を責めずに休む基準を設ける
休む基準を設けることは決して甘えではなく、仕事と体調を両立して、心身の健康を守るための大切な自己管理の手段です。
「朝どうしても布団から出られない状態が続く」「前日しっかり寝ても疲労で動けない」など、心身が限界を迎える手前で休養を取る基準をあらかじめ決めておきましょう。
欠勤のほか、異動や休職も一つの選択肢です。
決めた基準は「特定の症状が出たら休養や短時間勤務を希望したい」といった形式で事前に勤務先にも共有しておけば、実際に休む際も相談がしやすくなります。
- 医学的に危険なサインを教えてください。
人生に後ろ向きになったら相談のサイン
朝起きても体が動かず出勤できない、人と会うことが極端におっくうになるなど、日常生活や仕事に支障が出始めたら休職を検討するサインです。
特に「死んでもいい」と感じる場合は危険な兆候のため、仕事を休んで速やかに医師へ相談する必要があります。
また、うつ病では自己評価が低下し、些細なミスでも自分を責めやすくなる傾向があります。
失敗を自分の能力や人格と結び付けず、病気による思考の偏りも影響していると理解して、自分を追い込まないことが大切です。
「死んでもいい」「消えてしまいたい」などと感じる場合は、心身が限界を超えている非常に危険な兆候です。
無理に出勤せず、速やかに主治医へ相談するか、以下の緊急相談窓口を頼ってください。
・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
・よりそいホットライン:0120-279-338(24時間通話無料)」
うつ病の症状に合わせて「業務内容・労働時間・サポート体制」を軸に仕事を選ぼう
この記事では、うつ病の人が無理なく続けられる仕事とその選び方、困ったときに受けられるサポートを紹介してきました。
就活中も就職後も変わらず大切なのは、自分の症状を客観的に判断して、あらかじめ決めた休む基準や相談する基準に従って行動することです。
立ち止まることがあっても決して自分を責めず、主治医や専門機関と相談しながら「仕事への意欲」と「自分の体力」が無理なく両立する環境を見つけてください。
アドバイザーからあなたにエール回復を通して自分らしさと出会える
うつ病を含む精神疾患は誰もがかかりうるものです。
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 「こころの情報サイト」では、うつ病をはじめとする何らかの精神疾患にかかる『生涯有病率』は、人生の中で約4人に1人ともいわれています。
私も、うつ病からの回復を経験した「うつサバイバー」です。公言すると、「私もだ」「働きながら治療している」「福祉を活用している」と明かしてくれる人が多くいます。
精神疾患は誰もがなりうるからこそ、回復しながら自分らしく生きていけるのだと、私自身も強く実感しています。
焦らずに長い目で幸せを見つけよう
「まだ若いのに」「将来がかかった大切な時期なのに……」と不安を感じるかもしれませんが、人生には思いどおりにならないこともあります。
それでも、自分なりの幸せを見つけて生きていくことは可能です。「今しかできないこと」は、実は思っているほど多くないのかもしれません。
どうぞ焦らず、長い目で自分にとっての幸せを追求していってください。
心の状態が良くなった人向けの記事(タップで開閉)
この記事ではうつ病の症状に合わせた内容を紹介してきました。基本的な就活の進め方についても理解を深めたい人は以下の記事で就活の全体像を確認するのがおすすめです。
就活の時期別対策
就活で必ずやること一覧|時期・状況別で必須の対策を厳選!
業界研究の方法
就活の志望業界の絞り方|就活のプロが絞る数や開始時期の目安を解説
自己分析の方法
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
選考対策の進め方
就活で内定が出る時期|平均データから早期内定のための対策まで解説
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






アドバイザーのリアル・アドバイス!欠勤や業務調整ができる仕事が望ましい
精神科医/産業医
日浦 悠斗
プロフィールを見る朝起きられず出勤が難しくなったり、集中力や思考力が低下して仕事の効率が落ちたりするのがうつ病の症状の一つです。
また、自己評価が低下し、上司の指導を必要以上に否定的に受け止めることもあります。
これらを踏まえると、上司に相談しやすく、急な欠勤でも業務を代わってくれる人員がいる職場が望ましいといえます。
必要に応じて業務量の調整や部署異動ができることも重要です。
根性論を重視する職場は避けよう
一方、メンタルヘルスへの理解が乏しく、精神論や根性論を重視する職場では、無理を重ねて症状が悪化する恐れがあります。
特に新卒の場合は、周囲の支援を受けながら段階的に仕事を覚えられる環境を選ぶことが大切です。