この記事のまとめ
- 2024卒の平均エントリー数は約23社
- 就活では何社受けるかより自分に合った企業を見つけることが大事
- 受ける会社を増やすメリット・デメリットを紹介
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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就活を始める時に、「何社受けるのが正解なの?」と応募する会社の数で悩んでしまう学生は多くいます。周りの学生が何社受けているのか気になるところですよね。
しかし、受ける会社の数ばかり気にしてしまうと、数合わせのために自分の価値観と合わない会社を無理に受けることにもつながります。また、応募数をむやみに増やすと、スケジュール調整も難しくなるので注意が必要です。
この記事では、キャリアアドバイザーの横山さん、谷所さん、小峰さんの見解も交えて就活で何社受けるのが良いのかを解説していきます。
就活では何社受けるかよりも自分に合った企業を多く見つける方が重要
就活で受ける会社を探す際に、「何社受ければ良いのだろう?」と考える人が多いですが、会社を選ぶうえで大切なのは、応募する数ではなく自分に合った会社を多く見つけることです。
数ばかり気にすると、受ける必要のない企業にも応募するケースが出てきて、手間が増えてしまいます。
この記事では、まず学生の平均的な応募数や応募した後の動向についてデータをもとに解説します。そして、何社受けるのがベストなのかキャリアアドバイザーの見解も紹介するので、応募する数の目安を把握してくださいね。
そのうえで、受ける企業数を増やすこと、受ける企業数を絞ることのメリット・デメリットについてそれぞれ解説するので、自分が何社受けるかの判断材料にし、就活をスムーズに進めましょう。
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就活では何社受けるのが普通? データから見る学生のエントリー状況
就活では受ける会社を決めたら、まずエントリーをするのが基本です。
エントリーとは
学生がその企業に対して「興味がある」という意思表示であり、個人情報を登録し、選考に関する資料や情報を入手できるようになること
一般的な流れとしては、エントリー後に会社説明会が組まれ、その後書類選考や面接といった本選考を受ける形になります。
では、学生は実際どれくらいの数エントリーしているのでしょうか。さまざまなデータをもとに、学生のエントリー数を解説していくので、一つの目安として参考にしてください。
就活におけるエントリー数の重要性や、エントリーを効率的に進めるコツについてはこちらでも詳しく解説しているので、参考にしてください。
就活のエントリー数で間違うと悲惨! あなたに合った選び方を解説
学生全体のエントリー数は例年平均20社~30社程度
卒年度 | エントリー数平均 |
---|---|
2024卒 | 23.2 |
2023卒 | 24.7 |
2022卒 | 27.1 |
ディスコが発表した キャリタス就活2024の5月1日時点の就職活動調査によると、2024年卒の学生1人当たりのエントリー数は平均23.2社となっています。2022年卒、2023年卒と比べると若干減少傾向にありますが、そこまで大きな変化はありません。
2022年卒と2023年卒は、2024年卒より新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた世代でもあり、景気などの状況から平均エントリー数が若干増えたと推測されます。
文系は約23社程度
対象 | 平均エントリー数 |
---|---|
文系男子 | 23.1 |
文系女子 | 22.2 |
文系全体 | 22.7 |
対象 | 平均エントリー数 |
---|---|
文系男子 | 26.2 |
文系女子 | 27.2 |
文系全体 | 26.7 |
キャリタス2024の5月1日時点の就職活動調査と、キャリタス2023の3月1日時点の就職活動調査データを見ると、2023年卒の文系学生は平均22.7社エントリーしていたのに対して、2022年卒は平均26.7社となっていて、1年間で4社ほど減少しているのがわかります。
文系学生はこの後説明する理系学生より、平均エントリー数が10社程度多くなっています。
理系より文系学生の方がエントリー数が多くなる理由は、文系は文学や社会学というような比較的包括的な領域でエントリーを考えやすいのに対して、理系は限られた分野があることや特化した技能での応募になるからだと考えられます。
また、文系は一般的に社会的な関心を引きやすく、幅広い人々にとって魅力的であること、理系への苦手意識を持つ学生が文系へ進む傾向があることが関係しているかもしれません。
理系は約15社程度
対象 | 平均エントリー数 |
---|---|
理系男子 | 13.6 |
理系女子 | 14.7 |
理系全体 | 14.2 |
対象 | 平均エントリー数 |
---|---|
理系男子 | 14.9 |
理系女子 | 21.3 |
理系全体 | 18.1 |
キャリタス2024の5月1日時点の就職活動調査と、キャリタス2023の3月1日時点の就職活動調査データを見ると、2023年卒の理系学生は平均14.2社エントリーしていたのに対して、2022年卒は平均18.1社となっていて、1年間で4社ほど減少しているのがわかります。
理系学生は文系学生より平均のエントリー数が10社近く少ないですが、理系は文系と違い推薦を受けることが多いのが理由として挙げられます。
推薦は一般的な選考に比べて内定率が高い傾向にあり、その分理系学生のエントリー数が少なくなりやすいと考えられます。
就活における推薦の種類
- 学校推薦:学校が企業からの求人を受けて推薦する形式
- 教授推薦:研究室や就職担当の教授が推薦状を書く形式
- 後付け推薦:自由応募で選考に進んだ後企業から推薦状の提出を求められる形式
企業は、理系の学生に対して技術や研究に特化した優秀な学生を採用したいと考えています。
そのため、学校推薦や後付け推薦は内定辞退は基本的にできず、推薦で就職する人が多くなっているのです。
また理系では、研究室の担当教授と企業とのつながりによる推薦で就職するケースもあります。
学校推薦の仕組みやメリット・デメリットについてはこちらで詳しく解説しているので、学校推薦での就職を考えている人は参考にしてください。
学校推薦で就職する際の落とし穴とは? 利用メリットや注意点を解説
4年の4月以降に追加でエントリーするのは10社程度
一般的にマイナビやリクナビなどの就活情報サイトから、企業にエントリーできるようになるのは3月となります。
3月までにエントリーを済ませるというイメージを持っている人も多いと思いますが、キャリタス就活2024の3月1日時点の就職活動調査データによると、2024年卒の学生が4月以降に追加でエントリーする予定の企業数は平均10.7社となっています。
このデータから、自分の持ち駒の数に応じて、4月以降にもエントリー数を増やしていく学生が多いことがわかります。
平均エントリー数は若干減少傾向にあるようですが、この減少傾向は一定程度まで緩やかに続いていくと思います。
働き方や価値観が多様化している中で、自己分析や職業研究をしっかり進めたうえで、自分に合っていそうな企業を絞りこみエントリーする傾向が強くなっていくと考えられるためです。
実際に選考を受ける人は少ない? エントリー後の学生の動き
就活におけるエントリーとは、「あなたの企業に興味があります」という意思表示であって、必ずしも選考を受けなければいけないものではありません。企業説明会などを経て自分に合わないと思ったら、選考に参加する必要はないのです。
ではエントリーした企業の選考に参加する学生の割合はどれくらいなのでしょうか。ここからは、エントリー後の学生の動きについて解説していきます。
- エントリーした後に選考の案内が来たのですが、必ず選考に参加しなければいけないのでしょうか?
選考に参加するかどうかは自分で決めることができる
エントリーした後、選考の案内が来た場合は、必ず選考に参加する必要はありません。選考に参加するか否かは、最終的には個人の判断になります。
企業の理念、事業内容への興味、自分のスキルや経験が企業の求めているものかどうか、他社と比較した優先順位などを考慮してください。
選考に参加するかどうかは、自分自身で納得したうえで決めることが大切です。
また、応募した企業や組織に対して参加できない理由があれば、できるだけ早めに採用担当者に連絡を取りその旨を伝えることが望ましいです。
エントリー後にESを出す人は5割程度
多くの企業では企業説明会後に選考が始まります。一次選考は書類選考となっているケースが多く、エントリーシート(ES)や履歴書を提出する形になります。
キャリタス2024の5月1日時点の就職活動調査によると、2024年卒の平均エントリー数は23.2社ですが、ESを提出した会社の平均数は12.6社となっていて、平均エントリー数の半分程度になります。
つまり、エントリーした会社の選考を受けない学生は多いということです。
エントリーは、少しでも興味を覚える企業の説明を聞いてみたいという意図があるため、気になる企業はとりあえずエントリーする傾向があると思います。
一方ESの提出は、説明を聞いた企業のうち、印象が良かったところや、さらに興味を覚えた企業などを厳選してから対応することになるため、平均数としては大幅に少なくなる傾向にあると思われます。
エントリー後面接までいく人は3割未満
エントリー後に選考を受けて書類選考や適性検査を通過すると、面接が待っています。
キャリタス2024の5月1日時点の就職活動調査によると、2024年卒の学生は平均7.4社の面接を受けています。2024年卒の平均エントリー数が23.2社なので、エントリー後に面接まで行く人の割合は3割未満であることがわかります。
このデータはあくまでも平均値を表したものなので個人差はありますが、エントリーした後に面接までいくのは簡単ではないことは理解しておきましょう。
就活では何社受けるのがベスト? キャリアの専門家の見解を紹介
「自分は就活で何社受けるのがベストなんだろう?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
ここではキャリアアドバイザーの横山さんに、就活で受ける企業数はどのように決めた方が良いのかを話してもらったので、参考にしてください。
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る何社受けるのがベストなのかは学生の状況によって変わる
応募する企業の数は状況によって異なると思いますが、基本的には5社から20社程度にするのが無難です。
ただ、応募数にこだわるよりも、自分の興味や適性、キャリア目標に合った企業を選ぶことが重要であることを忘れないでください。
無理な数の応募をすると、興味がない企業の選考を受けることになり、ミスマッチにもつながります。さらに、選考対策に割ける時間も減るので、なるべく興味がある企業に応募するようにしましょう。
応募する会社を決めるときは3つのポイントを意識してみよう
応募数を決める際は以下のことを実践してみてください。
①倍率の高い企業ばかりに絞ると内定をとれない可能性が高くなるので、同業他社の中堅企業にもいくつか応募する
②自分の中で譲れない条件、たとえば勤務地、休日数、福利厚生などを決めて、その条件を満たす企業に応募する
③グループディスカッションや面接といった選考の経験を積むために、志望度がそこまで高くない企業にもいくつか応募する
上記3つの点を意識して応募数を決めていけば、企業とのミスマッチも起こりにくく、内定をつかめる可能性も上がるので、実践してみてください。
就活で多くの会社を受けるメリット・デメリット
多くの会社を受けるメリット
①いろいろな企業を比較できる
②選考の経験を積むことができる
③持ち駒が多いから安心できる
多くの会社を受けるデメリット
①1社に割ける時間が減る
②スケジュール管理が難しくなる
これから受ける会社を決めていく人の中には、なるべく多くの企業の選考を受けたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
新卒の就活は1度きりで、多くの企業を見てみたい気持ちはよくわかります。エントリー数を増やすと多くの企業を知れるといったメリットがある一方で、デメリットも存在するため、むやみに増やすことはおすすめしません。
ここからは、就活で受ける企業数を増やすメリット・デメリットについて解説するので、ここから解説する内容を把握したうえでエントリー数を増やすかどうか判断してください。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
メリット①いろいろな企業を比較できる
多くの企業を受けると、それだけいろいろな企業を知ることができます。企業によって業務内容や働き方は変わってくるので、エントリー数が増えるほど自分に合った企業を多く見つけられる可能性が高くなります。
逆に言えば、自分に合わない会社も併せて見つけられることもあるので、入社後のミスマッチが起きにくくなるのもメリットの一つです。
エントリーした企業の選考を必ず受ける必要はないので、とりあえず企業説明会に参加して、その後選考を受けるかどうか決めることもできます。
- いろいろな業界や企業の企業説明会に参加したいのですが、気をつけるべきことはありますか?
企業説明会に参加することが目的にならないように気をつけよう
多くの企業の企業説明会に参加することで、業界や企業を知ることができエントリー数も増えます。
一方、企業説明会に参加することが目的になってしまい、スケジュールが忙しいことで就活をやっていると勘違いしないようにしましょう。
企業説明会に参加をして多くの企業へ応募すると、忙しくて応募企業に向けたESや面接対策が疎かになることがあるので、叶えたいことが実現できる企業など、応募企業の絞り込みをおこなうと良いですね。
メリット②選考の経験を積むことができる
多くの企業の選考を経験すると、徐々に場慣れしていきます。ESの書き方や面接の受け答えなど、最初はうまくいかないケースがほとんどですが、場をこなしていけば落ち着いて対処できるようになります。
就活で最も緊張するといっても過言ではない面接も、何度も参加すれば質問にうまく答えられるようになるので、選考の経験を積むことはとても重要です。
メリット③持ち駒が多いから安心できる
就活で不安になるシチュエーションといえば、内定がなかなか出ない場面が挙げられます。選考に落ちることはほとんどの学生が経験しますが、持ち駒の数が多ければ「まだ大丈夫」と精神的に安心することができます。
ただ、「落ちても持ち駒があるから大丈夫」と気軽に考えると、油断して選考対策が不十分になりがちなので、その点は気をつけてください。
デメリット①1社に割ける時間が減る
企業説明会への参加回数や選考を受ける回数が増えると、どうしても1社あたりに割ける時間が少なくなるので、選考対策の精度が落ちるデメリットがあります。
選考対策の時間が少なくなると、ESや面接の受け答えの精度が落ちやすくなるため、選考突破の確率も低くなる可能性があります。
1社あたりに割く対策時間が減ると、各企業に対する理解が浅くなり、ESや面接の質が下がります。
企業ごとに異なる文化や価値観、求められるスキルなどがあるため、重視する企業には集中的に対策・検討の時間を割き、スケジュールを立てて計画的に準備をしてください。
デメリット②スケジュール管理が難しくなる
エントリーをすると企業から企業説明会や選考日程の案内が送られてきます。
当然ですが、受ける企業が増えると企業説明会や面接に参加する日も増えるので、スケジュール管理が難しくなります。
この時期に卒業単位がしっかり取れていないと、大学の講義に参加しながら就活も進めていくことになるので、さらにスケジュールを管理するのが難しくなるので注意してください。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る就活における自分の軸や目標をしっかり考えることが重要
多くの企業を受けるということは、それだけ時間と労力が分散されるということです。そのため、何の軸や基準もなしに多くの企業を受けると、結局何も得られないリスクが高くなります。
多くの企業を受けることを目的とするのではなく、就活の軸をしっかり定めたうえで、戦略と優先度の基準を持って、企業を選定していくことをおすすめします。
そして、自分に残された時間と労力に合わせて企業を選定した結果、多くの企業を受けることになるのであればそれは良いと思います。エントリーする企業の数は、あくまで目的を達成するための手段です。
自分が成長できる余白を残して就活のスケジュールを立てよう
もう一つ意識しておきたいのは、時間と労力があるからといって、ぎりぎりまで詰め込まないということです。就活とは、内定取得が一つの目的ですが、自分を社会人としてスタートできるように成長させていく機会でもあります。
内定というゴールは、自分が成長していくことで得られるものでもあります。
そのため、余裕のない計画で次々に処理していくのではなく、「成長」という観点でしっかり振り返りや軌道修正をおこなえるような時間や心の余裕も確保しつつ、実行していける計画を立てていくと、より良い就活ができるのではないかと思います。
就活で受ける会社を絞るメリット・デメリット
忙しくなるのを避け、受ける会社を絞り効率的に就活を進めたいと考える学生も多くいます。
確かに受ける企業数を絞れば、一つひとつの会社の選考に集中できるなどのメリットがありますが、デメリットもあります。
ここからは受ける企業数を絞るときのメリット・デメリットを詳しく解説するので、解説する内容をしっかり踏まえリスクヘッジしていきましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
メリット①選考対策に割ける時間が増える
受ける企業の数を絞ると、その分一つひとつの企業の選考対策に割ける時間が増えるので、書類選考や面接に準備万端の状態で臨みやすくなるというメリットがあります。
ESに書く内容や、面接の質問に対する回答を時間をかけて考えられ、志望企業に合わせた選考対策ができるので、その分選考を突破できる可能性が高くなるとも言えるでしょう。
メリット②目標が絞られるのでやることが明確になる
受ける企業を絞るということは、入りたい企業が明確になるので、就活に高いモチベーションで臨めます。
就活は長い期間続いていくものなので、モチベーションの維持に苦労する学生は多くいます。特に行きたい企業が定まっていない学生は、モチベーションになるものが見つからず、就活中に集中力が切れてしまうのも珍しくありません。
こういった背景から、受ける企業を自分の行きたいところに絞って、目標を明確にするのは有効といえます。
また、受ける会社を絞るとスケジュールにも余裕が出てきて、頭を整理しやすくなります。「B社よりもA社の選考が近いから、A社の選考対策を優先しよう」といったように、何をやるべきなのか明確になりやすいというメリットもあります。
デメリット①選択肢が狭まってしまう
受ける企業を絞るということは、それだけ企業説明会や選考に参加する機会が減るということなので、どうしても選択肢が狭まってしまう点がデメリットといえます。
たとえば、いろいろな会社の企業説明会に参加すると、それまであまり興味がなかった会社や業界でも「自分に合うかもしれない」と感じることがあり、視野を広げることにつながります。
しかし、受ける企業の数を絞りすぎてしまうと新しい発見をしにくくなるため、自分の潜在的な気持ちに気づけない可能性があるのです。
人は物事を経験して初めて良いか悪いかを判断できるものなので、ほかの企業や業界の良さがわからない状態で就活を進めるのは少しもったいないとも言えるでしょう。
企業の選択肢を狭めてしまうことで、自分に合う企業や仕事と出会うチャンスを逃してしまうリスクがあります。
入社後仕事が合わないと感じたとき、もっといろいろな企業を見ておけばよかったと後悔してしまうかもしれません。
デメリット②持ち駒が0になる可能性が高くなる
受ける企業数を絞るということは、持ち駒が少ない状態で就活を進めていくということです。
受ける企業数を減らすほど選考対策の時間をかけられるものの、企業によっては採用倍率が100倍を越えるのも珍しくないので、どれだけ対策をしても落ちる可能性があることは考慮しなければいけません。
持ち駒が減っていくと、「どこにも就職できないのではないか?」といった不安が高まり、精神的に落ち込んでしまいます。
また、持ち駒がなくなってきたタイミングで追加でエントリーすることもできますが、時期が進むほど受付を締め切る企業も増えるので、必然的に選択肢が狭まっていきます。
- 持ち駒が0になった場合、就職浪人をして来年の就活に備えても問題ないですか?
なぜ持ち駒が0になったのか振り返りをしたうえで判断しよう
その意思決定もありだとは思いますが、その前にしっかり振り返りをしたり、信頼できる人に相談したりしてほしいと思います。
なんとなく0になったからまた来年がんばろうでは、成長につながりにくいです。
同じ失敗を繰り返すことにもなりかねません。
これまでの活動で何を軸としてやってきたのか、その結果どうだったのか、何ができて何ができなかったのか、といった観点で振り返りをしてください。
自分なりに考えた結果として、何を続けて、何を変えていくと良いのかなど、次につなげていく戦略を考えてみましょう。
そのうえで、残りの会社にトライするのか、来年に向けてリスタートするのかの意思決定をしましょう。
就職浪人するリスクはこちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが回答しているので、併せてチェックしてくださいね。
企業の選考に全落ちてしまう人には必ず原因があります。こちらで全落ちしてしまう人の特徴を詳しく解説しているので、当てはまっていないか確認してみてください。
就活で全落ちする学生の特徴と挽回方法|今からできる秘策を紹介
デメリット③ぶっつけ本番で選考を受ける形になる
就活の選考方法は企業によって変わります。ESや適性検査、グループディスカッションや面接など選考過程によって違うので、それらを経験しておくことはとても重要です。
たとえば、第一志望の企業の選考にグループディスカッションがあったとき、それまで一度もグループディスカッションを経験していなかったらかなり不安になりますよね。
逆に、グループディスカッションを事前に経験していたら、大まかな流れが予想できるので、落ち着いて参加することができます。
このように、受ける企業数が減るとそれだけ選考を受ける経験も少なくなり、志望度の高い企業を受ける際に経験不足から必要以上に緊張してしまうことがあるので、注意が必要です。
グループディスカッションに必要な準備や流れについては以下の記事で詳しく解説しているので、グループディスカッションを控えている人は参考にしてみてください。
グループディスカッションが初めての人必見! すぐに実践できるコツ
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る6つの対策を徹底して受ける企業を絞り込もう
企業を絞り込む時に特別なことを考える必要はありません。普段からおこなっている就職活動に取り組んでください。
以下のことを実践して、自分に合う企業を探し、万全な状態で選考に臨みましょう。
①自己分析の徹底
自分の強みや興味、将来のキャリア目標をしっかりと把握し、自分に合った企業かどうか確認する。
②業界や職種の再確認
自己分析の結果、自分が本当に興味を持ち、やりがいを感じる分野であるかどうか、応募する業界や職種などを確認する。
③スキルと要件を照らし合わせる
企業が求めるスキルや条件を確認し、自分のスキルと照らしあわせる。
④最新情報の入手
最新情報を入手し、企業の最新の動きを把握するよう心がける。
⑤優先順位
応募する企業を優先順位に従って絞り込み、スケジューリングする。自分の志望度が高い企業から順番に応募すると、計画的な選考活動ができる。
⑥サポートを求める
独りよがりの判断に陥らないためにも、可能な限り先輩やキャリアアドバイザーに相談し、就活の経験や知識を活かしたアドバイスを受ける。
就活は人生の転機です。慎重に企業を選んで、後悔のない就職活動をしてください。
エントリー数は気にせず自分に合った企業を探すことに集中しよう
就活中にほかの学生が何社受けるのか気になってしまいますよね。「友達は30社エントリーしていたから、自分もそれぐらいエントリーしよう」と周りに合わせたくなる気持ちもわかりますが、それはやめましょう。
なぜなら、就活で重要なのはエントリー数ではなく、自分に合った企業を見つけることだからです。むやみにエントリー数を増やしても、選考スケジュールを圧迫するだけなので気をつけてください。
エントリー数を気にするのではなく、自分に合う企業を多く見つける気持ちでエントリーする企業を探していきましょう。
- エントリーしたい会社の数が10社以下です……。この場合、無理矢理でも持ち駒を増やした方が良いのでしょうか?
無理矢理増やす必要はない
エントリーしたい10社が自分に合う企業ならば、無理やりエントリーする会社を増やす必要はありません。
持ち駒を増やすことで、ESや面接対策が疎かになってしまうリスクがあるので、エントリーしたい10社に集中すべきでしょう。
ただし、エントリーしたい10社が同じ業界で企業規模や仕事の内容が変わらない場合は、うまくいかないリスクがあります。
他の業界の企業説明会などに参加をして調べてみたり、同じ業界でも企業規模などが違う企業にも応募するなど、何らかの対策を講じた方が良いかもしれませんね。
受ける企業数が10社では不安な人は、次の記事も読んでみてください。受ける企業が10社の場合のメリットデメリットを全落ちしないコツとともに解説しています。
就活で10社しか受けないのは危険? 全落ちを回避する方法とは
エントリーする企業を効率的に決める手順
エントリーする企業を効率的に決める手順
- 自己分析して就活の軸を決める
- 気になる企業のインターンに参加しておく
- 合同企業説明会に参加する
エントリーする企業を効率的に探すには、事前準備が非常に大切になります。準備を怠ると、自分に合う企業を見つけることはできません。
ここからは、エントリーする企業を効率的に決める手順を3ステップで解説していくので、参考にして実践してみてください。
①自己分析して就活の軸を決める
エントリーする企業を選ぶ際は、自分の価値観に合っているかどうかで選んでいくことが大切になります。つまり、自分の仕事に対する価値観がわかっていないと、判断基準がないためエントリーする企業を選べません。
自分の価値観、すなわち就活における軸を考えるには、自己分析が必要不可欠です。自己分析とはその名の通り自分を分析することです。これまでの経験や思考にもとづき、自分の能力や価値観、強みや弱みを見つけてなりたい将来像を理解しましょう。
たとえば、アルバイトで商品説明をするのが得意だったという振り返りから、「自分は商品を提案する営業に向いているかもしれない」と考えることができますね。
自己分析は成功体験や得意なことだけでなく、過去の失敗なども振り返ることが重要です。具体的には、「引っ越しのバイトの経験から、力仕事が向いていないことがわかった」といった振り返りができれば、そういった職種に募集しないという選択をすることができるようになります。
自己分析のやり方がわからない人は、こちらの記事で具体的な自己分析のやり方を紹介しているので、ぜひ実践してみてください。
自己分析のマニュアル
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
マインドマップを使った自己分析
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説
自己分析のフォーマット
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選
②気になる企業のインターンに参加しておく
就業体験ができるインターンをうまく活用できると、エントリーする企業を効率的に選ぶことができます。
企業にもよりますが、インターンは大学1〜3年生の間に参加できるケースが多く、長期のインターンではその企業の業務を実際に体験することができるので、企業研究にはとても有効です。
インターンに参加すると、入社後にどんな仕事をするのかより詳細にイメージすることができます。参加してその企業の仕事にやりがいを感じられたら、その企業にエントリーしてみましょう。
インターンの選考でも採用選考と同様に志望動機や自己PRが問われます。
インターン選考に慣れていれば本選考もスムーズに進められます。
面接などの経験を積んでおけば、本選考でも緊張せずに、自分の言いたいことを伝えられますよ。
インターンが具体的にどういったものかわからない人は、こちらでインターンの種類や参加するメリットを解説しているので、読んでみてください。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
「インターンっていつ参加すればいいの?」と疑問に思っている人は、こちらでインターンの開催時期について詳しく解説しています。
インターンはいつから参加? 応募から選考までのスケジュールを解説
インターンに行く意味を見いだせない人は、こちらのQ&Aでキャリアアドバイザーがインターンに行く意味について回答しているので、参考にしてください。
内定につながるインターンとして長期インターンが挙げられます。長期インターンのメリットについては以下のQ&Aでキャリアアドバイザーが回答しているので、参考にしてください。
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③合同企業説明会に参加する
合同企業説明会とは
一つに会場に、たくさんの企業が集まって合同でおこなう説明会のこと。
合同企業説明会は一つの会場に多くの企業が集まるため、短時間で多くの企業の情報を集めることができます。
通常の企業説明会だと半日ほどかけて1社の説明を受ける形になりますが、合同企業説明会の場合、説明時間もコンパクトにまとまっているため、1日に5〜10社程度の情報を得ることが可能です。
説明を聞いて興味が湧いた企業にチェックを入れておき、帰った後にエントリーするのが効率的です。
合同企業説明会は、マイナビやリクナビなどの就職情報サイトに案内が載っていることが多く、そこから応募することができます。応募したらメールなどで入場用の番号やQRコードが送られてきて、当日その画面を見せて入場するのが一般的です。
最近ではWeb合同説明会もあり、会場に足を運ばなくても企業説明を聞くことが可能です。こちらも、就職情報サイトから応募することができ、応募したらメールなどでURLが送られてきます。時間になったタイミングで、そのURLにアクセスすれば簡単に説明会に参加することができるのです。
Webの企業説明会の内容や参加する方法は以下の記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
- 合同企業説明会に今度初めて参加します。有益な時間にするにはどのような工夫が必要でしょうか?
合同企業説明会に参加する目的をしっかり持っておこう
有益な時間にするためには、まずは参加する目的をしっかり考えておくことが大切です。あとは、その目的を達成できるように逆算して行動戦略を立てておくと良いでしょう。
たとえば、自分の価値観と合う企業をより多く探したいという目的であれば、短時間でより多くの企業に話を聞いて回り、価値観にマッチする会社を探すイメージですね。
逆に話を聞きたい企業が絞れているなら、より深く聞きたいことを整理ししっかり質問できるようにしておきましょう。
エントリーをスムーズにおこなって就活を効率的に進める方法
エントリーをスムーズにおこなって就活を効率的に進める方法
- エントリーの受付期間を確認しておく
- エントリーする企業の選考日程を見ておく
- 志望度で企業を区分けしておく
就活は時間との勝負とも言えます。どれだけ行きたい企業であっても、エントリー受付期限を過ぎてしまったら、その企業の選考に参加するのは難しくなるので、スケジューリングはとても重要なのです。
ここからは、エントリーをスムーズにおこない、効率良く選考を受けられる状態にするためのコツを解説するので、参考にしてください。
エントリーの受付期間を確認しておく
企業によってエントリーの受付期間は異なります。3月に締め切るところもあれば、6月までエントリー可能といった企業もあるので、志望企業のエントリー期間は必ず確認しておきましょう。
受付期間が後に設定されている企業はエントリーを後回しにしてしまいがちですが、油断してそのままエントリーをし忘れてしまうケースもあるので、受付期間に限らず、受けると決めた企業はその場でエントリーするようにしましょう。
就職情報サイトのマイナビやリクナビであれば、ボタン一つ押すだけでエントリーすることができるので、時間はかかりません。
エントリーしたい企業の受付期間を確かめないで、選考機会を逃してしまう学生がいます。
就活中は、企業からの連絡などが頻繁にあり、後でエントリーすれば大丈夫だと考えて受付期間が終了することがあるので、エントリーできる場合はすぐエントリーをして、日程が先の場合は、忘れないようにカレンダーなどにメモをしておきましょう。
エントリーする企業の選考日程を見ておく
選考期間は企業によって変わります。夏までに採用活動を終わらせる企業もあれば、冬頃まで続ける企業もあります。人気企業は応募者数が増えて、早期に必要な人員を集められる傾向にあるため、早めに選考を終える可能性が高いので注意してください。
エントリーはあくまでも「あなたの企業に興味があります」という意思表示であって、自動的に選考へ進むわけではありません。
「エントリーした1カ月後にESを提出しようとしたけど受付期間が終了していた」というような事態にならないように、選考日程はしっかり頭に入れておき、期限が近いものから対応するようにしましょう。
志望度で企業を区分けしておく
エントリーする企業を志望度で事前に区分けしておくと、スケジュールを立てやすくなります。
たとえば、第一志望群、第二志望群、第三志望群といったようにわけておけば、優先的に選考を受けなければいけない企業が定まります。
多くの企業の選考を受けると、面接日やESの提出期限が重なったりするケースが出てきます。もちろん、志望したすべての企業の選考を受けられるのが理想ですが、日程的に難しくなる場合があるのです。
そういった時に志望度で区分けしておけば「第一志望群の企業を優先的に選考対策しよう」といったように短時間で決断ができます。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見るPDCAを意識してエントリーをしよう
就活とは内定というゴールが明確な活動なので、スムーズに効率良く進めるにはPDCAサイクルといって、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返していくことが重要かと思います。
つまり、(P)就活の軸を定めてしっかりと計画を立てること、(D)計画通りに実行していくこと、(C)実行した結果を振り返ってみること、(A)振り返りから計画を見直したり軌道修正することです。
このサイクルを何度も回していくことで、最初は見えていなかった視点に気が付いたり、経験から成長を得るスピードがどんどん上がっていくと思います。
客観的視野を持てるようにしよう
その際に意識しておきたいのは、自分を客観視していくということです。
自分を客観視することで視野が広がり、自分の成長につながりやすくなります。特に企業目線で自分を見ておくとより良いでしょう。
その結果、つまづいたり、行き詰まったりしたときでも、自分で解決できる力が付いていきます。
結果的には、その力が就活をスムーズに効率良く進める原動力となり、納得のいく内定というゴールへの近道となるでしょう。
就活は量より質! 受けるすべての会社の合格率を上げるコツ
就活で受ける企業が多くても、選考対策ができていなければ合格することはできません。
「たくさんの企業を受ければ一つは内定をもらえるだろう」と考えてしまう人もいますが、油断すると内定なしで終わる可能性もあるので注意してください。
ここからは、受けるすべての企業の合格率を上げるコツを3つ紹介するので、こちらを参考にして準備を進めてみてください。
内定がない状況を「無い内定」と言います。こちらの記事では無い内定から脱するための対策や、メンタルケアの方法について解説しているので、これから就活を始める人にも参考になる内容になっています。
無い内定からの逆転法|必須の対策からNG行動まで徹底解説
①ESを効率よく書ける状態にしておく
多くの企業では、選考序盤に書類選考を設けていてESの提出が求められます。ESに書く主な項目は以下のようなものがあります。
ESの主な項目
- 志望理由
- 自己PR
- 学生時代に最も打ち込んだこと
- 自分の長所・短所
- 入社後のキャリアビジョン
志望理由や入社後のキャリアビジョンに関しては企業ごとに考える必要がありますが、自己PRや学生時代に打ち込んだことは一部使い回せるケースもあるので、事前にテンプレのようなものをいくつか作っておくとESを書くスピードを上げることができます。
提出期限が迫っている状態で一つひとつ内容を考えてESを書くと時間がかかり、焦りから品質が落ちることもあるので、あらかじめ書く内容を決めておくのはとても重要なのです。
- ESに書く自己PRの内容は、使い回しても大丈夫ですか?
使い回すことは可能だが企業によって変えていくことも重要
ESに書く自己PRの内容は、基本的には使いまわしても問題ありません。
一方、応募する企業の業界や職種によって、アピールすべき強みや経験が異なるので企業ごとに変更する箇所が出てくる点には注意が必要です。
企業の求める人物像に沿って、自分の強みや経験をどのように活かすのかを明確に書く必要があるので、企業ごとに微妙に異なるESや自己PRになります。
ESの自己PRや志望動機、特技、自由記載欄の書き方については以下の記事で詳しく紹介しているので、これからESを書いていく人は参考にしてください。
ESの自己PRの書き方
例文15選|エントリーシートの自己PRで人事を惹き込むコツを解説
ESの志望動機の書き方
例文12選|受かる志望動機をエントリーシートに書く4つのステップ
ESの特技欄の書き方
例文60選|ESの趣味・特技欄で自分らしさをアピールするコツ
ESの自由記載欄の書き方
ESの自由記入欄を攻略する4ステップ|テーマ別の例文10選も紹介
学生時代最も打ち込んだことがわからない人は、こちらで打ち込んだことの選び方やエピソードの作り方を解説しているので、参考にしてみてください。
学生時代に最も打ち込んだことを的確に伝える5ステップ|例文付き
②キャリアセンターを利用する
就活は1人でおこなうより、周りの人に頼った方が効果的な選考対策につながります。なぜなら、1人で対策すると就活の知識が偏ってしまったり、間違いに気づけないことがあるからです。
特にキャリアセンターの職員は、多くの学生の相談を受けてきているので、良いアドバイスをしてくれる可能性が高いです。
また、キャリアセンターではESの添削や模擬面接など、選考対策を手伝ってくれる取り組みをしてくれるところが多いので、利用しない手はありません。
ESを初めて書く際や面接の経験が浅いときは不安が大きいと思うので、キャリアセンターを使って効率的に対策を進めていきましょう。
就活は、初めて経験することが多くあると思います。
初めて経験するということは、イメージがつきにくくて計画が立てられなかったり、不安や迷いで行動できなかったり、つまづいてどうしたら良いかわからなくなりがちです。
そのため、経験豊かで広い視野を持った専門家がいるキャリアセンターで何度も相談したり、さまざまな経験をしていくことが有効な手段の一つとなると思います。
③早期選考を受けて選考に慣れておく
企業によっては早期選考をしているところがあるので、そういった企業を受けて選考に慣れておくのも有効です。
早期選考とは
一般的に就活情報解禁、エントリー開始となる3月1日以前に実施される選考のことを指す
一般的に就職活動が本格的に始まるのはエントリー開始となる大学3年生(修士1年生)の3月と言われていますが、優秀な学生を早く確保するために、3月前に選考を始める企業は多くあります。
インターンやリクルーター面談に参加すると早期選考案内が来ることがあるので、気になる企業のそういったイベントには積極的に参加するようにしましょう。
たとえ早期選考に落ちてしまったとしても、ESを提出したり面接を受けたりする経験は就活が本格化してくる3月以降に活きてくるので、積極的に早期選考へ参加してみましょう。
早期選考の実態や、実際に早期選考をおこなう傾向にある企業や業界についてはこちらで詳しく解説しているので、早期選考を受けたい人は併せて参考にしてください。
早期選考を実施する業界一覧! 早めに内定を獲得する5つの秘策
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る選考の合格率を上げるうえで最も重要な対策はES対策
ESに書く項目は、志望理由、自己PR、学生時代に最も打ち込んだこと、自分の長所、短所、入社後のキャリアビジョンなどがありますが、書類選考が通過しなければ筆記試験や面接などを受けられません。
またESで記載した内容がベースになり面接がおこなわれることが多いので、合格するためにはES対策が重要になります。
合格するESを書くためには、企業研究をおこない企業が求めている人材を理解したうえで、マッチングしていることを自己PRや入社後のキャリアビジョンに盛り込むことが大切です。
企業研究は1社ずつ丁寧におこなうことが大切
自己PRや学生時代に最も打ち込んだことなどは、事前にベースを書いておき、応募時に加筆、修正することができますが、企業研究をおこなわずどの企業でも当てはまるESでは、合格につながらない可能性があるので注意しましょう。
志望動機も企業研究をおこなったうえで、応募企業で叶えたいこと、応募企業の魅力、応募企業で発揮したい能力などを盛り込みましょう。
受けるすべての会社の合格率を上げるためには、面倒でも応募企業に向けたESを書くことが大切です。
就活で受ける会社を増やすときの注意点
就活中に持ち駒が減ってきたとき、受ける会社を増やすこともあるでしょう。状況に応じてそういった対応は必要になってきますが、何も考えず増やしてしまうと今より状況を悪化させる恐れがあります。
ここからは受ける会社を増やすときの注意点を解説するので、就活中の人やこれから就活を始める人はぜひ参考にしてください。
数を増やすことだけにフォーカスしない
受ける企業数を増やしたからといって内定をもらえる可能性が上がるわけではありません。そのため、受ける数を増やすことにフォーカスしないようにしましょう。
選考で結果が出ないのはESや面接などに問題がある可能性が高く、その対策を進めていかないと状況は変わりません。
手当たり次第に選考を受けても、選考の準備が不十分だと内定をもらうのは難しいので、受ける企業を増やすときは、選考対策にも目を向けるようにしてください。
スケジュール管理には気をつける
就活中に受ける企業を増やすとなると、選考日程も新たに追加されることになるので、スケジュール管理にはより気を使う必要があります。
他社の選考と日程が被らないように配慮する必要があり、人によっては学校の講義との兼ね合いも出てくるでしょう。
就活ばかりに気を取られ学業が疎かになると、取得単位が足りず卒業できないなんてことにもつながります。そうならないように、闇雲に受ける企業を増やすのではなくスケジュール的に影響が出ない範囲にエントリー数を抑えるようにしましょう。
スケジュール管理で注意しておきたいポイントとしては、インターバル時間をしっかり取るということです。
隙間なく予定を組み込んでしまうと、休憩したり、振り返ったり、心身をリセットすることなく次の予定に向かうことになり、慌ただしく余裕のない態度が表れてしまうことにもなりかねません。
就活で何社受けるかは意識せず興味のある企業に絞ってエントリーしよう
周りの学生が何社受けているのか気になると思いますが、就活はエントリー数を競うものではありません。
大切なのは志望企業から内定をもらうことなので、数にこだわるのではなく自分が本当に行きたいと思う企業にエントリーすることを心掛けてください。しっかり企業研究や選考対策をおこない、志望企業の内定をつかみ取りましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る何社受けるかにかかわらず対策が重要
企業説明会を含めたエントリー数について、学生全体の平均で例年20社から30社、文系は約23社、理系は約15社といったデータがあります。
一方、何社受ければいいというものではなく、しっかりとした対策をおこなうことが大切です。
多くの企業を受けることで、いろいろな企業を比較でき、持ち駒が多いため合格のチャンスは広がりますが、スケジュール調整がうまくいかずESや面接の対策が疎かになれば、採用につながらないこともあります。
企業説明会参加後に応募企業の絞り込みが必要かもしれません。応募企業が求めている人材を見極めて、対策をおこなうことが大切です。
エントリー数が少ない場合は上手くいかなかった時の対策も考えよう
少ない企業に絞って受ける場合、集中して対策ができる反面、自分に合う仕事を逃しているかもしれません。
うまくいかなければ別の企業を受ければ良いと考えていても、すでに受付期間が終了していることもあるので、違う業界の企業説明や合同説明会に参加をして理解を深めるなど、うまくいかなかったときの対策も考えましょう。
合格する可能性やうまくいかないときの対策を踏まえて、やりたいことが実現できる企業や興味がある企業へ積極的にエントリーしましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/インテグラルキャリア研究所所長
Keiichi Yokoyama〇20歳後半からカウンセリングの勉強を始め、キャリアに比重をおくコンサルティング、人材育成を企業内で推進。独立後は大学のキャリアセンターで学生の就職支援にもかかわる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
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