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公務員試験の憲法は、民法や行政法に比べて馴染みやすく、法律科目の中でも対策しやすい科目とされています。ただし、試験区分によって出題数や重視される分野が異なるため、闇雲に学習を進めると非効率になりがちです。
この記事では、公務員試験「憲法」の概要を整理したうえで、実際の出題傾向に沿った対策問題24問を紹介します。
元公務員の木原さんによる解き方のコツもあわせて掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
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例題を解く前に確認しよう! 公務員試験「憲法」の解答のコツ
公務員試験「憲法」の概要
- 問題パターン:人権分野・統治分野
- 1問あたりの時間:1〜2分程度が目安
- テスト形式:ペーパーテスト
- 公務員試験「憲法」の解答のコツを教えてください!
断定表現に要注意! 結論の暗記が最も重要
憲法は公務員試験の中でも取り組みやすい科目です。
条文知識や基本的な判例の結論を問う問題が中心で、細かい学説対立まで問われることは少ないため、しっかり対策すれば「中学〜高校の公民」レベルの延長線上で得点できます。
また、出題数が多く、費用対効果が高いため、法律科目の中では最優先で仕上げるべき分野です。
基本的には、条文・判例の「結論」を正確に覚え、選択肢の言い回し(「一切」「必ず」など断定表現)に注意して消去法で絞って解きましょう。
応用編として、判例の理由付けまで押さえておくと、事例問題や新しい判例が出ても対応できます。
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把握しておこう! 公務員試験「憲法」の概要
公務員試験の憲法は、大きく「基本的人権」(人権総論・精神的自由・経済的自由・参政権/社会権)と「統治機構」(国会・内閣・裁判所・財政/地方自治)の2分野で構成されています。
出題数は試験種によって幅があり、専門試験では次の通りです。
必須となっている試験も多く、避けては通れない科目となります。人権は判例の結論と理由付けをセットで、統治は制度の仕組みを繰り返し問題演習で定着させるなど、分野ごとに学習法を切り替えるのが効率的です。
公務員試験「憲法」の練習問題24問|木原さんによる解き方の解説付き!
ここからは、公務員試験の憲法で問われやすい24パターンに沿って、対策問題を紹介します。
基本的人権から統治機構(国会・内閣・裁判所)まで頻出テーマを網羅しているため、自身の弱点把握にも最適です。
プロによる解き方の解説付きなので、判例の結論だけでなく「理由付け」まで正しく理解しながら学習を進められます。
問題1(難易度:★★☆☆☆)
問題
労働基本権に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:C
公務員の争議行為を一律に禁止する規定について、判例は公務員の地位の特殊性や地位の適正化、全体の利益などの観点から合理的制約として合憲としている。したがって、Cが正しい。なお、正当な争議行為は民事上の責任も免責されるためAは不当、ユニオン・ショップ協定は条件付きで有効とされBは不当、勤労の権利は直接的な職の請求権ではないためDは不当。
正当な争議行為における刑事免責(労働組合法1条2項)だけでなく、民事免責(同法8条)についても明確な根拠条文があることを理解しておきましょう。
選択肢Aの「刑事免責にとどまる」という記述がなぜ誤りなのか、条文番号まで押さえておくとより高得点を目指せます。
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問題2(難易度:★★☆☆☆)
問題
国務大臣の選任およびその資格に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:B
憲法68条1項但書は、国務大臣の過半数は国会議員の中から選ばれなければならないと定めている。この国会議員には衆議院議員と参議院議員の両方が含まれるため、Bが正しい。全員が国会議員である必要はなく民間人の任命も可能であるためAは不当、過半数が衆議院議員である必要はないためCは不当、憲法66条2項により内閣総理大臣およびその他の国務大臣はすべて文民でなければならないためDは不当。
問題3(難易度:★★★☆☆)
問題
社会権に関する最高裁判所の判例についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:D
最高裁判所の判例(朝日訴訟)によれば、生活保護基準の設定について厚生労働大臣に広い裁量が認められるが、その判断が裁量権の逸脱や濫用にあたる場合は司法審査の対象となるため、Dが正しい。なお、義務教育の無償範囲は授業料のみであり教科書代は含まれないためAは不当、憲法25条はプログラム規定であって直接の給付請求権を付与したものではないためBは不当、公務員の労働基本権の制限は肯定されているためCは不当。
問題4(難易度:★★★☆☆)
問題
国会の権限および両議院の関係に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:C
内閣総理大臣の指名において両議院の指名が異なり、両議院の協議会を開いても意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決となるためCが正しい。なお、法律案の再可決には衆議院の出席議員の3分の2以上の多数が必要なためAは不当、予算の議決における衆議院の優越では再可決を要せず直ちに衆議院の議決が国会の議決となるためBは不当、条約の承認について両議院で異なる議決をした場合、両議院の協議会を開く必要があるためDは不当。
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問題5(難易度:★★★☆☆)
問題
国政調査権に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
国政調査権は、証人の出頭や証言、記録の提出を要求する権限を含むが、刑事訴訟法上の直接的な強制捜査権限(逮捕・捜索等)までは認められていないためAが正しい。国政調査権は司法権の独立を侵害する司法判断の当否の調査、行政監視を排除するものではないためBとCは不当。また、証人には人権保障の観点から自己負罪拒否特権等の証言拒絶権が認められているためDは不当。
問題6(難易度:★★★☆☆)
問題
国会議員の特権に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:C
憲法50条および国会法33条により、国会議員は院外での現行犯罪の場合や所属議院の許諾がある場合を除き、国会の会期中に逮捕されない不逮捕特権を有する。したがって、Cが正しい。会期前に逮捕された議員は議院の要求により会期中釈放されるためAは不当、職務上の発言は職務の保障として院外で免責されるためBは不当、歳費の削減や停止には法律の根拠を要し内閣の判断のみでおこなうことはできないためDは不当。
免責特権は院内での職務行為に付随する行為にもおよぶ一方で、病院診療報酬引き上げ発言事件(最判平成9.9.9)のように、国会議員個人の民事責任は否定されつつも、国家賠償責任は例外的に肯定されうる場合があります。
単純な「絶対的免責」ではないという点まで押さえて、免責特権についての理解を深めましょう。
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問題7(難易度:★★★☆☆)
問題
内閣の組織および職務権限に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
憲法69条は、衆議院で不信任決議案を可決し、または信任決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り内閣は総辞職しなければならないと定めており、Aが正しい。内閣総理大臣が欠けたときは国会による再指名が必要であるためBは不当、内閣総理大臣の指揮監督権は閣議決定の方針にもとづく必要があるためCは不当、予算の執行・決定には国会の関与が必要であって内閣が独断で確定することはできないためDは不当。
選択肢Cに関連して、ロッキード事件判決(最大判平成7年2月22日)の「閣議決定された方針が存在しない場合であっても、内閣の明示の意思に反しない限り、内閣総理大臣は行政各部に指導・助言等の指示を与える権限を有する」という正確な規範まで押さえておきましょう。
このように、判例のポイントまで覚えておくと、内閣総理大臣の指揮監督権についての理解が深まります。
問題8(難易度:★★★☆☆)
問題
内閣総理大臣の地位および権限に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
憲法68条は内閣総理大臣による国務大臣の任免権を定め、過半数は国会議員でなければならず、7条5号によりその任免には天皇の認証を要するためAが正しい。内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督には衆議院の委員会の承認は不要であるためBは不当、内閣総理大臣の死亡は「欠けたとき」にあたり総辞職が必要であるためCは不当、内閣総理大臣の指名で両院の意見が一致しないときは衆議院の議決が優先されるためDは不当。
問題9(難易度:★★★☆☆)
問題
衆議院の解散および参議院の緊急集会に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
憲法54条2項本文および但書により、衆議院の解散時に参議院は同時に閉会となるが、国に緊急の必要があるときは内閣が参議院の緊急集会を求めることができるため、Aが正しい。参議院が自発的に緊急集会を開くことはできないためBは不当、緊急集会で採られた措置は次の国会で衆議院の同意がない場合は効力を失うためCは不当、現行憲法において内閣による緊急勅令の制度は存在しないためDは不当。
問題10(難易度:★★★☆☆)
問題
裁判所の構成および裁判官の身分保障に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
憲法79条5項および裁判所法50条の2により、最高裁判所の裁判官には任期がなく定年(70歳)で退官すると規定され、国民審査の対象となるためAが正しい。下級裁判所の裁判官も定年に達したときは退官するためBは不当、長たる裁判官以外の最高裁判所裁判官は内閣が任命し天皇が認証するためCは不当、憲法78条により行政機関が裁判官の免職処分をおこなうことは禁止されているためDは不当。
問題11(難易度:★★★☆☆)
問題
司法権の限界および憲法判断に関する最高裁判所の判例についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
最高裁判所の判例(苫米地事件)によれば、衆議院の解散のような高度に政治性のある国家行為は統治行為にあたり、訴訟の前提問題であっても司法審査の対象外とされるため、Aが正しい。砂川事件判例では一見極めて明白に違憲無効と認められない限り審査権限外とされるためBは不当、判例変更により、地方議会議員に対する出席停止の懲罰処分は司法審査の対象とされているためCは不当、教義の内容に踏み込んだ審理は原則禁止されているためDは不当。
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問題12(難易度:★★★☆☆)
問題
地方自治および財政に関する憲法の規定についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
憲法95条は、一つの地方公共団体のみに適用される特別法(地方特別法)の制定にあたっては、その地方公共団体の住民投票において過半数の同意を得なければならないと定めており、Aが正しい。条例による権利制限や義務を課すこと自体は法律の範囲内で可能であるためBは不当、国の財政処理権限の行使には国会の議決にもとづく必要があるためCは不当、解職請求(リコール)における成立要件は過半数の同意であるためDは不当。
問題13(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。(※民法の規定に関する記述は、判例当時の規定にもとづくものとする。)
選択肢
正解:B
国籍法違憲判決に関する記述である。最高裁は、日本国民である父から認知された子に日本国籍を取得させる要件として、両親の婚姻を要求する規定について、目的自体には合理性が認められるとした。しかし、家族形態の多様化などを背景に、手段の点で著しく不合理な差別的取り扱いが生じていると判断し、憲法第14条第1項に違反するとした。立法目的に合理性は認められるものの手段が違憲となる論理構造は、尊属殺違憲判決と同様である。
女性のみに課されていた6カ月の再婚禁止期間(旧民法733条)は、2024年4月施行の民法改正によって廃止されており、現在の民法には存在しません。
しかし、公務員試験の憲法分野では「その制度が今もあるか」に関係なく、「最高裁が100日を超える部分をなぜ違憲と判断したか」という憲法上の違憲審査の論理そのものが問われます。
「父性推定の重複を避けるという立法目的自体は合理的と認めつつ、100日を超える部分は目的達成の手段として合理性を欠くと判断した」という判断の枠組みは、制度が廃止された今も判例の知識として出題され続けるため、対策は引き続き必要です。
学習する際は、民法(現行法)の知識と、「過去にどんな規定があり、最高裁がどう判断したか」という憲法(判例)の知識を別物として整理して覚えることを意識してください。
「制度は廃止された=もう覚えなくて良い」と早合点すると、この判例が絡む出題で失点してしまいます。
問題14(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:D
マクリーン事件判決に関する記述である。最高裁は、基本的人権の保障は権利の性質上日本国民のみを対象としていると解されるものを除き、外国人にも等しく及ぶとした。そのうえで、政治的活動の自由についても、日本の政治的意思決定やその実施に影響を及ぼす活動など、外国人の地位にかんがみ認めることが相当でないものを除き、その保障が及ぶと判示している。ほかの選択肢はすべて判例の趣旨に反する。
問題15(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:C
早稲田大学講演会名簿提出事件に関する記述である。最高裁は、学籍番号、氏名、住所などの個人情報は個人のプライバシーにかかわる情報として法的保護の対象になるとした。そのうえで、本人の同意なく警察に提出する行為は、みだりに他人に開示されない自由を侵すものであり不法行為が成立すると判示している。なお、京都府学連事件では一定の要件を満たせば無令状の撮影も合憲とされ、前科等にかかわる事実もみだりに公表されない利益があるとされ、住基ネット制度も目的や態様から即違憲とはされないため、ほかの選択肢はすべて誤りである。
京都府学連事件において無令状撮影が認められた3要件(現行犯性、証拠保全の必要性・緊急性、撮影方法の相当性)まで押さえておきましょう。
この3要件を理解すれば、選択肢Aの「いかなる場合であっても令状が必要」という記述がなぜ誤りなのかが体系的にわかります。
問題16(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:C
博多駅テレビフィルム提出命令事件に関する記述である。最高裁は、報道機関の報道が国民の知る権利に奉仕し、憲法第21条第1項の保障のもとにあるとした。そのうえで、報道のための取材の自由についても、表現の自由そのものとは異なるものの、同条の精神に照らし十分尊重されるべきであると判示している。なお、メモを取る自由は直接保障ではなく尊重にとどまり、取材ビデオの提出命令や事前差し止めも一定の条件のもとで許容されるため、ほかの選択肢はすべて誤りである。
問題17(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
オウム真理教解散命令事件に関する記述である。最高裁は、宗教法人法にもとづく裁判所の解散命令について、宗教法人の法的領域における世俗的権能を消滅させるにとどまり、信者の宗教上の行為を直接禁止したり制限したりする効果をともなうものではないとした。解散命令によって信者の宗教上の行為に支障が生じる可能性はあるものの、その支障は解散命令制度の目的や必要性に照らして必要でやむを得ない法的規制であり、憲法第20条第1項に違反しないと判示している。ほかの選択肢はすべて判例の趣旨に反する。
問題18(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:B
君が代起立斉唱拒否事件に関する記述である。最高裁は、公立学校の式典における国歌斉唱時の起立斉唱命令について、教職員の歴史的観念や世界観と衝突しうる面があることを認めつつも、学校教育上の目的のために必要かつ合理的な範囲内にとどまる限り、職務命令は教職員の思想・良心の自由を直ちに侵害するものとはいえないと判示している。麹町中学内申書事件や謝罪広告強制事件なども含め、外部的行動や形式的行為を求める命令が直ちに思想の自由侵害とはならないとする論理構造である。ほかの選択肢はすべて判例の趣旨に反する。
問題19(難易度:★★★★☆)
問題
次のア~オの記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。
ア.旅券法にもとづき海外渡航の自由を制限することについて、最高裁は、外国旅行の自由も憲法第22条第2項の「外国に移住する自由」に含まれて保障されるが、公共の福祉のために合理的な制限を受けるとし、外務大臣に旅券の不交付処分を認めた規定は同条に違反しないとした。
イ.憲法第22条第1項が保障する居住・移転の自由は、日本国民に対して保障されるものであり、我が国に在留する外国人に対しては、居住や移転の自由はいかなる場合であっても一切保障されない。
ウ.職業の選択および遂行の自由に対する規制について、判例は、国民の生命や身体の安全を守るための消極目的規制に関しては、立法府の政策的・専門的判断を尊重し、明白性の基準を用いて合憲性を判断するとしている。
エ.公衆浴場法が設ける適正配置規制について、最高裁は、過度な競争による経営の悪化を防ぎ、公衆衛生の維持を図るという目的のための合理的かつ必要な規制であり、憲法第22条第1項に違反しないとした。
オ.薬局などの適正配置規定に関する薬事法違憲判決において、最高裁は、不良医薬品の供給を防止するという目的は積極的・社会経済的理由にもとづくものであるため、明白性の基準を適用して合憲と判断した。
選択肢
正解:B
アは妥当である。最高裁は、海外渡航の自由も憲法第22条第2項の保障に含まれるとしつつ、公共の福祉による制限を受けるとし旅券不交付規定を合憲とした。
イは不当である。在留外国人にも権利の性質上可能な限り居住・移転の自由が及ぶ。
ウは不当である。消極目的規制には厳格な合理性の基準が適用される。
エは妥当である。最高裁は公衆浴場の配置規制について、国民保健の維持を図るための合理的規制として合憲とした。
オは不当である。最高裁は薬局の配置規制を消極目的規制ととらえ、厳格な合理性の基準により違憲とした。
問題20(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:B
小売市場許可制事件に関する記述である。最高裁は、小売商業調整特別措置法による小売市場の開設許可制について、中小企業者である小規模小売業者の経営を保護・安定させるという積極的・社会経済政策的目的のための規制であるとした。このような積極的目的規制については、立法府の政策的裁量を尊重し、その規制措置が著しく不合理であることが明白でない限り合憲とする明白性の基準を適用し、合憲と判断した。
問題21(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:C
森林法違憲判決に関する記述である。最高裁は、森林法が共有林の分割請求を制約していた規定について、森林の細分化を防止して森林の保全を図るという目的自体は理解できるものの、分割請求を制限することによってその目的を達成しようとする手段は、目的との間に合理的関連性を欠いており、過重な制限であるとした。したがって、憲法第29条第2項に違反し無効であると判示している。ほかの選択肢はすべて判例の趣旨に反する。
問題22(難易度:★★★★☆)
問題
次の記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:A
憲法第35条第1項に関する記述である。最高裁は、逮捕の現場における無令状の捜索、差押えまたは検証について、逮捕の種別(通常逮捕、緊急逮捕、現行犯逮捕)を問わず許容されるとしている。これは、逮捕という事態にともなう緊急性と証拠保全の必要性にもとづく合理的な例外規定ととらえているからである。したがって、逮捕の現場において令状なしで捜索や押収をおこなうことができるとするAの記述が妥当である。ほかの選択肢はすべて判例の趣旨に反する。
問題23(難易度:★★★★☆)
問題
選挙権および参政権に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:C
Cが妥当である。参議院議員選挙の定数配分について、最高裁判所は投票価値の平等を要求しつつも、参議院の独自の役割を考慮し一定の裁量を認めている。しかし、著しい不平等状態が長期間継続し、是正措置がとられない場合には違憲の問題が生じると判断している。Aは直ちに違憲となるわけではないため誤り。Bは在外国民の投票制限を違憲としたため誤り。Dは永住外国人への選挙権付与は憲法上保障されていないため誤り。Eは公務員の政治的行為の制限を合憲としているため誤り。
問題24(難易度:★★★★☆)
問題
憲法第25条が規定する生存権および判例に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らして妥当なものはどれか。
選択肢
正解:D
Dが妥当である。憲法第25条にもとづく生活保護基準の設定や改定について、最高裁判所は厚生労働大臣に専門技術的かつ政策的な裁量を認めている。しかし、その判断が基礎となった事実を欠くなど、裁量権の範囲を逸脱または濫用してなされたと認められる場合には、司法審査の対象となりうるとしている。Aは合憲と判断したため誤り。Bは財政事情等も考慮できるため誤り。Cは抽象的権利と解されるため誤り。Eは裁量権の逸脱・濫用があれば司法審査の対象となるため誤り。
「公務員試験 憲法」を対策する際のポイント
憲法以外の練習問題も解いてみよう!
公務員試験では憲法以外にもさまざまな問題が出題されます。憲法分野の対策が十分にできたら他の科目の対策もおこなってみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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アドバイザーのリアル・アドバイス!人権と統治機構を優先して勉強しよう! 一問一答形式での練習が効果的
キャリアコンサルタント/1級キャリアコンサルティング技能士
木原 渚
プロフィールを見る憲法の対策では「過去問の反復」が基本です。頻出の判例や条文を一問一答形式で最低3周してください。誤りの選択肢は「なぜ誤りなのか」という理由まで確認しましょう。対策時間は1日20〜30分を1〜2カ月続ければ十分です。
重点的な対策が必要なのは人権(表現の自由・経済的自由・平等権)の判例問題と、統治機構(国会・内閣・裁判所、両院の優越)の条文知識問題です。この2領域が出題数の大半を占めます。
判例では結論の丸暗記だけでなく、事案の特徴と「目的効果基準」「厳格な合理性の基準」などの判断の枠組みをセットで覚えましょう。初見の応用問題や複数判例を絡めた5択問題にも対応できます。
統治分野では、数字を全部覚えるのではなく、衆議院の優越の要件、議員任期、裁判官定年など「原則と例外の分かれ目」になる頻出数字に絞って一覧表にまとめておくのが効率的です。
初学者は判例暗記から始めよう! 選択肢への安易な飛び付きには注意が必要
苦手意識が強い人は、いきなり過去問を解かず、まず超頻出判例100個の結論暗記から始めてください。
解答でのよくある失敗は以下の3点です。問題を解く時に意識できると良いですね。
①断定的な選択肢に飛びつく
②判例と学説を混同する
③似た数字を入れ替えられて引っかかる
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