志望動機と自己PRの違いは? 一貫性を持たせる4ステップも紹介

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Nagisa Kihara◯放送・行政・人財開発など多様な職種を経験する中でキャリア支援に興味を持つ。一人ひとりが楽しく働き、豊かに生きられる社会を目指し、現在はカウンセラーや研修講師として活動中

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  • キャリアコンサルタント/公認心理師

    Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 志望動機と自己PRは明確に区別する必要がある
  • 志望動機と自己PRにはそれぞれ必要な3つの要素がある!
  • 4ステップで簡単に志望動機と自己PRに一貫性を持たせることができる

学生の多くが悩む志望動機と自己PRの違い。就活の基本でありながら「どう区別すればいいのか分からない」「似たような内容になってしまう」などと頭を抱える人は意外と多いものです。

志望動機と自己PRは、就活において初期段階から聞かれる項目だからこそ、混同してしまうことで、自分の魅力を伝えきれない結果になりかねません。それぞれの目的や役割を理解し、適切に使い分けることが、選考突破のポイントとなります。

今回は、キャリアアドバイザーの木原さん、吉野さん、柴田さんのアドバイスを交えつつ、志望動機と自己PRの違いと、それぞれの効果的な書き方について解説します。2つの違いに自信のない人や、志望動機と自己PRに一貫性を持たせたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

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目次

志望動機と自己PRの違いを理解しないまま書くのはリスク!

志望動機と自己PRは就活の基礎の基礎です。しかし、多くの学生がこの2つを混同してしまい、せっかくの魅力が伝わらないケースが少なくありません。

「自己PRだからといって自分の長所ばかり並べる」「志望動機なのに自分の能力をアピールすることに終始する」など、それぞれの目的を見失ってしまうと、面接官や採用担当者に説得力のない印象を与えかねません。

また、どちらも「やる気があります」「頑張れます」といった抽象的な表現だけでは、ライバルとの差別化が難しくなります。志望動機と自己PR、それぞれの文章に具体性を持たせ、目的に応じた内容を明確に示すことが重要です。

この記事では、志望動機と自己PRの明確な違いや、それぞれに求められる要素、効果的な書き方について解説していきます。両者の違いを正しく理解したうえで、企業に対して魅力的にアピールできる文章の作り方を、具体例を交えながら詳しく説明します。実際の例文も紹介するので、ぜひ、あなたらしい志望動機と自己PRを作成する参考にしてください。

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曖昧になっていない? 志望動機と自己PRの違いとは

志望動機と自己PRの違い

繰り返しになりますが、就職活動において、志望動機と自己PRの違いを正確に理解できていない学生は少なくありません。その結果、似たような内容を書いてしまい、せっかくの魅力を十分に伝えられないケースが数多く見受けられます。

志望動機と自己PRの違い

  • 志望動機
    「なぜこの企業で働きたいのか」という問いに対する回答
  • 自己PR
    「あなたはどんな強みを持った人物か」という問いに対する回答

志望動機では、学生が企業をどれだけ深く理解しているか、そしてその企業でどのようなキャリアを築きたいと考えているのかが問われます。一般的には、企業の理念や事業内容への共感、その企業でのキャリアビジョン、そして具体的な貢献イメージまでを、説得力を持って展開することが求められるでしょう。

一方、自己PRは「あなたはどんな強みを持った人物か」という問いに対し、具体的な根拠を持って答えなければなりません。自身の強みとそれを裏付ける行動の例、そこから得られた成長、そしてそれらを企業でどのように活かせるのかを、説得力を持って示しましょう。

両者の本質的な違いは、視点の置き方です。志望動機が「企業を主語とした価値提供」の説明であるのに対し、自己PRは「自分を主語とした価値提供」の説明です。この違いを明確に意識することで、おのずと内容の重複を避けることができ、より説得力のあるアピールが可能となりますよ。

アドバイザーコメント

志望動機と自己PRは自分で書いてみることで内容に深みが出る

最初から完璧な文章が書ける人はいません。「違いがわからない」「うまく書けない」と感じるのは当然のことです。まずは手を動かし、書いてみることです。

しっかりと書けている就活生は、「これが自分だ」「この会社で働きたい」という覚悟があり、言葉に情熱があります。企業パンフレットの文言や自己PRの見本を「コピペ」で使ってしまうと、表面的な印象となり、読後感に空虚さが残ります。

志望動機と自己PRはどちらも一貫性を重視して書こう

自己PRは「過去から現在の自分のこと」、志望動機は「これからの未来のこと」です。どちらか一方ですと、全体の説得力が欠けてしまいます。過去のエピソードばかり書いて未来へのビジョンが薄い、逆に、なりたい姿ばかりで過去の経験や特性にもとづいた「できる根拠」がないと、一貫性が見えず、読み手に響きません。

自分の言葉で、一貫性を持って書くことが大切です。就職活動を重ねるうちに、自分の軸が定まり、覚悟と情熱が文章に表れるようになります。この自己成長が、就職活動の醍醐味です。

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志望動機と自己PRが似すぎているとどう思われる?

志望動機と自己PRが似すぎているとどう思われる?

  • 論理的思考力がない
  • 自己分析ができていない
  • 就活への意識が低い

採用担当者は日々、数多くの書類に目を通しています。その中で、志望動機と自己PRの内容が似通っているものを目にした場合、学生の適性について厳しい評価を下さざるを得ません。志望動機と自己PRの違いを正確に理解できていないということは、就活対策が足りていないという意味でもあるからです。

たとえそれぞれの内容が良質であったとしても、両者の違いを理解していないという事実は、学生の基本的な理解力や準備姿勢に対する大きな懸念材料となるのです。

この章では志望動機と自己PRが似すぎているとどう思われるか、3つの視点で解説します。

論理的思考力がない

志望動機と自己PRの内容が似通っているということは、それぞれの項目が求めている本質的な役割を理解できていないことを意味します

ビジネスの現場では、物事の本質を見極め、適切に整理・分類する能力が不可欠です。そのため、基礎的な書類作成の段階でこの力が不足していると判断されることは、選考においてマイナス要因となります。

特に危険なのは、志望動機の中で自己PRの要素を展開してしまうケースです。

たとえば「私には○○という強みがあるので、御社で働きたいです」といった記述は、志望動機としては大きな欠陥があります。これでは「なぜその企業なのか」という本質的な問いにまったく答えられていないのです。

ビジネスの現場では、物事の本質を見極め、適切に整理・分類する能力が不可欠です。基礎的な書類作成の段階でこの力が不足していると判断されることは、選考において大きなマイナス要因となってしまいます。

志望動機で自己PRを展開してしまう理由としては、志望動機と自己PRの違いが曖昧なことや、自分をアピールしなければという焦り、企業研究の不足などが挙げられます。

また、多くの学生が「エピソードを交えて語ることが大事」と教えられているため、エピソードを語る際に自分の実績やスキルに寄りがちになる傾向もあります。

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自己分析ができていない

自己分析とは、単に「私は几帳面です」「リーダーシップがあります」といった性格や強みを列挙することではありません。なぜその性格が形成されたのか、どんな経験を通じてその強みが培われたのか――自分の価値観や考え方の根源まで深く掘り下げる作業です。

十分な自己分析ができていれば、おのずと志望動機と自己PRの内容は異なってくるはずです。たとえば、部活動での経験から培われたリーダーシップという強みと、インターンを通じて感じた協調性を大事にする企業文化への共感は、まったく異なる文脈で語られますよね。そのため、両者が似通ってしまうということは、自己分析が表面的なレベルに留まっていることを示す証拠となってしまいます。

仮に自分の中では自己分析ができているつもりでも、他者に対してわかりやすく言語化できなければ意味がありません。企業が知りたいのは、あなたがその企業を選んだ明確な理由であり、そこに至るまでの具体的なプロセスなのです。表面的な自己PRと志望動機は、むしろあなたの本質的な理解力の欠如を露呈してしまう結果となりかねません

次の記事では、自己分析のメリットや具体的な方法、うまくできないときの対処法について解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

就活への意識が低い

志望動機と自己PRの内容が似通っているということは、就職活動に対する準備不足や意識の低さの表れとして受け取られる可能性もあります。

採用担当者は、書類選考の段階から学生の就職活動に対する姿勢を見極めようとします。特に志望動機と自己PRが似通っているケースでは、締切間際の駆け込み作成や内容の推敲不足が疑われる可能性があるでしょう

また、このような書類から学生の長期的なキャリアプランの不明確さを感じる採用担当者も。似通った内容しか書けないということは、「この先何をやりたいのか」「どういう社会人になりたいのか」という自身のキャリアについて十分な検討ができていない可能性が高いとされ、採用側にとって大きな懸念を抱かせるリスクがあるのです。

吉野 郁子

プロフィール

志望動機と自己PRは、選考過程で何度も読み返されます。ここに嘘や虚栄が混じっていると、面接で深掘りされた際に話が続かず、自分自身が苦しくなります。「嘘がなく、しっくりくる」言葉を見つけておくことが非常に大切です。

難しく考えてしまいがちなキャリア形成ですが、実は4ステップで簡単に考える方法があります。キャリア形成で悩んでいる学生は次の記事も読んでおきましょう。

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特別な動機がなくても大丈夫!
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私はキャリア支援を通じて社会に貢献したいと考えています。学生時代、キャリア支援団体のインターンに参加し、50人以上の学生に対してESの添削や模擬面接を実施しました。自分に自信が持てなかった学生が自分の強みを発見し、自信を持って面接に臨む姿を見たときに大きなやりがいを感じました。貴社では個々の求職者に寄り添いながら最適なキャリアを模索し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出せるようなキャリアアドバイザーになりたいと考えます。

熱意を伝えよう! 志望動機に必要な3つの要素

熱意を伝えよう! 志望動機に必要な3つの要素

  • なぜその業界なのか
  • なぜその企業なのか
  • 入社後に実現したいことは何か

志望動機を書く際には、「業界を選んだ理由」「その企業を選んだ理由」「将来のビジョン」という3つの要素を含めましょう。これらの要素は、あなたの熱意と企業への適性を伝えるための重要な柱となります。また、それぞれを明確にすることで、強みを表現する自己PRとの違いもおのずとわかってくることでしょう。

ただし、単にこれらの3つを順番通りに盛り込めば良い志望動機になるというわけではありません。3つの要素がしっかりとつながり、一貫性のあるストーリーとして展開されることで、はじめて説得力のある志望動機となるからです。

この章では、それぞれの要素の具体的な書き方と、3つの要素を自然につなげて魅力的な志望動機を作るための秘訣を紹介します。それでは、一つずつ確認していきましょう。

①なぜその業界なのか

業界選択の理由は、あなたが思い描くキャリアの道筋そのものを表します。ただ漠然と「この業界に興味があります」というのではなく、どんなきっかけでその業界に惹かれ、業界研究を通じて何を感じ、そこでどんな未来を描いているのか。この流れをしっかり説明できると説得力が生まれます。

業界を選んだ理由を語る際には、その業界の社会的な意味や今後の可能性について、自分の価値観と結びつけて伝えましょう。「興味があるから」「安定しているから」といった表面的な理由では、あなたの本当の思いは相手に届きません。

製造業を志望する場合

「もともとものづくりへの興味から工学部に進みましたが、研究室で実際に企業とかかわる中で、日本の製造業が持つすごさと課題に気づきました。特に印象的だったのは、世界でも認められる品質の高さと、一方で価格競争の厳しさです。IoT技術を使った生産性向上にチャレンジすることで、この課題を解決できるのではないか。そう考えるようになったのが、この業界を選んだきっかけです」

また、業界の将来性や課題についても触れてみましょう。ただし、ネットの情報をそのまま並べるのではなく、「こんな課題があるからこそ、自分はこんなことに挑戦したい」という具体的な思いを伝えることで、より深い理解と意欲を示すことができます。

業界を選んだ理由として、「成長産業だから」はありなのでしょうか?

成長する産業の中で自分がどのように関わっていきたいかを伝えよう

「成長産業だから」という理由だけではほかの志望者と差別化が難しく、説得力に欠ける場合があります。成長産業である点に加え、具体的な関心や自身の経験、将来のビジョンを絡めることで、志望理由としての深みが増します。

たとえば、「成長著しい物流業界において、○○の経験を活かし、業界の課題解決に貢献したい」といった形で、業界の成長にどのように自分がかかわりたいかを示すことが重要です。

間違った業界の絞り方は、就活失敗となったり、入社後に後悔することになりかねません。その業界を志望する理由を見つけられていない人は、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

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志望動機が思いつかない人は、ツールを使うのが一番オススメ

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・業界・職種ごとの志望動機がわからない人
・アルバイトやゼミで忙しい人

②なぜその企業なのか

「なぜこの企業なのか」は業界の中から一社を選んだ理由を、はっきりと説明できる部分です。単に「有名だから」「大手だから」ではなく、その企業だからこそ実現したい夢や、共感できる部分を具体的に伝えましょう。

特にしっかり書いて欲しいのは、企業の理念や価値観とあなたの考え方が重なる部分です

企業の理念や価値観とあなたの考え方が重なる部分

「御社の『常識を疑い、新しい価値を生み出す』という理念に強く惹かれました。実は私も大学のプロジェクトで、『なぜこの方法が当たり前なんだろう』と考え直すことで、新しい解決策を見つけた経験があります。この姿勢を大切にする御社だからこそ、自分の可能性を最大限に広げられると感じました」

また、他社と比べたときのその企業の特徴や強みにも触れてみましょう。ただし、他社の否定は避け、あくまでもその企業を選んだ前向きな理由を伝えることがポイントです。

企業の歴史や実績を語るのも効果的です。でも、ただ事実を並べるのではなく、「この出来事からどんなことを感じ取ったのか」「それが自分の目指す姿とどう重なるのか」という視点で語ることで、より心のこもった志望理由になるはずです。

業界そのものには興味があるのですが、企業の理念や価値観と考え方が重なる部分が見つけられません。どうしたら良いですか?

柴田 登子

プロフィール

自分の考えと合わない部分があっても応募したい理由を考えてみよう

誰でも自分の信念とは異なった行動を求められるのはとても苦痛なものです。企業理念と価値観がご自身のものと合わなければ、無理に入社しても仕事の進め方などに違和感を持つようになるかもしれません。

ですから、普段から私はそのような業界や企業はなるべく避ける方が良いとお伝えしています。しかしどうしてもチャレンジしたい、という人もいるでしょう。

その場合は、企業理念や価値観が合わないのに、なぜ応募したいのか、という「どうしても」の理由を考えてみましょう。商品やサービス、イメージなどどこかに興味関心を持っているはずです。その部分を書き出し、強調できるポイントを探しましょう。

志望動機に企業理念を混ぜて伝えることもできます。インターンの志望動機でも活用できるコツを解説しているので、こちらの記事も読んでおきましょう。

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③入社後に実現したいことは何か

「将来は営業のスペシャリストとして活躍したい」「グローバルに挑戦していきたい」。そんな漠然とした目標では、あなたの本気度は伝わりません。大切なのは、その企業だからこそ実現できる具体的な未来図を示すことです

入社後に実現したいこと

「入社後3年間は営業の基礎を徹底的に学び、特に御社が強みとする提案型営業のスキルを磨きたいと考えています。その後は、新規開拓チームで経験を積み、ゆくゆくは海外営業も担当させていただきたい。アジア市場での御社の実績を見て、私も将来はその発展に貢献できる存在になりたいと考えています」

このように、短期的な目標から中長期的な夢まで、時間軸に沿って語ることで説得力が生まれます。ただし、夢物語に終始するのではなく、その企業の現状や方向性を踏まえた、実現可能な目標であることが大切です。

志望動機の書き方で悩んでいる人は次の記事をチェックしてください。基本的な書き方と差別化できるコツをまとめています。

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「企業に伝わる志望動機ってどうやって書くの…?」そんな悩みはありませんか?

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スキルをアピール! 自己PRに必要な3つの要素

スキルをアピール! 自己PRに必要な3つの要素

  • 自分の強み
  • 強みを活かしたエピソード
  • 強みを活かしてどう企業に貢献するか

自己PRは、あなたの魅力を最大限に伝えられる大切な機会です。「自分の強み」「具体的なエピソード」「企業への貢献」という3つの要素をうまく織り交ぜることで、より説得力のある内容に仕上がります。

ただし、同じ強みやエピソードでも、企業によって求める人材像は違います。たとえば、チャレンジ精神を重視する企業もあれば、確実な実行力を重視する企業もあるでしょう。その企業が大切にする要素を意識しながら、内容を組み立てていきましょう。

そして何より大切なのは、素直に自分を表現すること。誇張はせず、あなたの等身大の強みと、実際の経験に基づくエピソード、そして企業への誠実な貢献意欲を率直に伝えることで心に響く自己PRとなるはずです。それでは詳しく見ていきましょう。

①自分の強みを具体的に示す

「リーダーシップがあります」「コミュニケーション能力が高いです」というような、抽象的な表現では、あなたの本当の強みは伝わりません。大切なのは「なぜそれが強みといえるのか」という裏付けです

まずは自分の経験を丁寧に振り返ってみましょう。部活動やサークル、アルバイト、インターンシップ……あなたはどんなときに力を発揮できましたか。その結果、周りからはどのような評価をもらってきましたか。そんな具体的な経験の中から、自分ならではの強みが見えてきます。

強みは、必ずしも特別な才能や目立つ個性である必要はありません。むしろ、日々の活動の中で着実に発揮できる力こそ、ビジネスの現場では光ります。「当たり前すぎて気づいていない」、そんな普段の行動の中にこそ、あなたの強みが隠れているかもしれません。

MBTIやストレングスファインダーを参考に強みを見つけても良いのでしょうか?

吉野 郁子

プロフィール

性格診断で出てきたキーワードを使って具体的な強みを見つけよう

性格診断の結果は、強みを表現する言葉の辞典として活用すると、とても役立ちます。

「これは当たっている! 」「思い当たるエピソードがある」といったキーワードを参考にすると、文章作成もスムーズになります。特に、よく練られた診断結果記述は、より繊細で具体的な表現を使ってその人の特徴を伝えてくれるものです。

たとえば、「コミュニケーション力がある」という大まかな表現を、「社交的で人と過ごすことが好き」「お人好しで人の話を丁寧に聴く」といった具体的なフレーズに変えるヒントとして活用することができます。性格診断は表現力を高める助けとなるでしょう。

②強みを活かしたエピソードを具体的に語る

「私はこんな人間です」と言葉で長々と説明するより、実際の体験を通じて語る方が、ずっと説得力がありますよね。エピソードを語る際は、ストーリー仕立てで展開していくと、より相手の心に残りやすくなります。何を話したら良いかわからない人は、次の例のように考えてみましょう。

強みを活かしたエピソードの例

  • どんな状況で、どんな課題に直面したのか
  • その時、何を考えてどう行動したのか
  • 結果として何を達成し、何を学んだのか

ただし、必ずしも華々しい成功体験である必要はありません。時には失敗や苦労の経験でも、「そこから何を学び、次にどう活かしたか」という成長のプロセスが見えれば、むしろ魅力的なエピソードになりますよ

③強みを活かして企業にどう貢献するか

いくら魅力的な強みやエピソードでも、それが企業の求めるものと結びつかなければ、響く自己PRにはなりません。大切なのは、あなたの強みがその企業でどう活きるのか、具体的なイメージを示すことです

強みを活かして企業にどう貢献するか

「私の粘り強さとコミュニケーション力は、御社が注力される新規開拓の営業で活かせると考えています。特に、商品開発の経験を通じて培った『相手の潜在的なニーズを引き出す力』は、顧客との関係構築に役立つはずです」

新入社員としてすぐに大きな貢献はできないかもしれません。でも、「まずはここから始めて、こんなふうに成長していきたい」という具体的なイメージを示すことで、より説得力のある自己PRになります。自分の強みを活かしながら、どんなふうに成長し、会社に貢献していきたいのかを率直に伝えてみましょう。

柴田 登子

プロフィール

志望先企業の求める人材像となにもかも合致している、と伝える必要はありません。いくつかある要素の中から、企業が特に強調している部分、あるいはご自身がアピールしやすいものを複数準備しておけば十分です。

自己PRの書き方がイメージできずに困っている人はテンプレートを参考にするのも一つの手です。こちらの記事を読んでみましょう。

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また、就活のプロが自己PRのコツを解説している記事もあるので読んでみてください。

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4ステップで解説! 志望動機と自己PRに一貫性を持たせる方法

4ステップで解説! 志望動機と自己PRに一貫性を持たせる方法

  • 自己分析と企業研究を徹底的におこなう
  • キーワードを洗い出す
  • それぞれの構成に当てはめる
  • 第三者に確認してもらう

ここまで説明したとおり、志望動機と自己PRは、それぞれ独立した別の要素です。しかし、両者があまりにもバラバラな印象を与えては、学生の意思の揺らぎや準備不足を感じさせてしまいます。

大切なのは、異なる視点から語りながらも、芯の通った一貫性を感じさせること。たとえば、志望動機で「顧客第一」を掲げる企業を選んだ理由を語るなら、自己PRでも「相手の立場に立って考える力」を示すエピソードを用いるなど、根底にある価値観はつながっていた方が良いでしょう。

ここでは、志望動機と自己PRに一貫性を持たせるためのコツを、具体例を交えながら紹介していきます。これらのポイントを押さえることで、バラバラな印象ではなく、あなたという人物の魅力を立体的に伝える内容に仕上げることができますよ。

ステップ1:自己分析と企業研究を徹底的におこなう

一貫性のある志望動機と自己PRを作成するための第一歩は、徹底的な自己分析と企業研究です。この段階で手を抜くと、後の工程すべてが薄い内容となってしまいます。

自己分析では、単なる性格や行動特性の把握に留まらず、なぜそのような特徴を持つに至ったのかまで掘り下げることが重要です。学生時代の経験、アルバイトやインターンでの学び、さらには家族環境や趣味まで、自分を形作ってきたあらゆる要素を丁寧に分析していきましょう。

企業研究においては、表面的な情報収集に留まらず、その企業の存在意義や社会的役割にまで理解を深めます。企業理念、事業内容、市場環境、さらには企業文化や組織風土まで、多角的な視点で分析をおこない、自分との接点を洗い出していきましょう。

自己分析と企業研究には、それぞれ一定の時間をかけることが重要です。自己分析は自分の強みや価値観を整理し、適職を明確にするため、1~2週間(合計15~20時間程度)を目安にじっくり取り組むべきといわれます。企業研究は、企業の特徴や文化、事業内容を理解するため、1社あたり3~5時間程度をかけると良いでしょう。

ステップ2:キーワードを洗い出す

キーワードを洗い出す

  1. 自分の強み
  2. 企業が求める人物像
  3. 会社選びの軸

徹底的な分析を終えたら、次は具体的なキーワード集めです。

一見地味な作業に思えるかもしれませんが、ここでの丁寧な準備が、説得力のある志望動機と自己PRを作り上げる土台となります。

特に意識したいのは、これらのキーワード同士の「つながり」です。自分の強みと企業の求める人物像が重なる部分、会社選びの軸と自分の強みが結びつく部分などを見出すことで、より説得力のある志望動機と自己PRを作り上げることができるのです

なお、このキーワード集めは一度で完成させる必要はありません。むしろ、企業研究を進める中で新しい発見があったり、自己分析が深まる中で新たな強みに気づいたりすることもあるでしょう。時間をかけて、キーワードを洗練させていきましょう。

①自分の強み

自己分析から見えてきた強みを、具体的な言葉で表現します。たとえば「リーダーシップがある」という漠然とした表現ではなく、「メンバーの個性を活かしたチームビルディング力」といった具体的な形で言語化してみましょう。

大切なのは、それぞれの強みと実際のエピソードを結びつけることです。また、強みを考える際は、日常的な行動や習慣にも目を向けてみましょう。

自分の強みの例

  • 困っている人を見かけると自然と声をかけてしまう
  • 物事の原因を深く考えたがる
  • 計画を立てて実行するのが得意
  • 新しいことに挑戦するのが好き
  • 人と話すことでアイデアが湧いてくる

こういった「当たり前」の行動の中にこそ、あなたならではの強みが隠れているかもしれません。さらに、周囲からの評価にも注目してみましょう。「いつも冷静だね」「話しやすい」「頼りになる」といった何気ない言葉の中に、あなたの特徴が表れていることも。時には家族や親しい友人に「私ってどんな人?」と聞いてみるのも一つの方法です。

強みがなかなか見つからない学生は、こちらの記事の強み一覧から探してみましょう。

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②企業が求める人物像

企業研究を通じて見えてきた「求める人物像」も、具体的な言葉に置き換えていきます。ただし、表面的な募集要項の言葉をそのまま使うのではありません。その背景にある企業の課題や目指す方向性まで考えましょう。

たとえば「チャレンジ精神旺盛な人材」という要件。その背景には「新規事業の立ち上げ」や「既存事業の改革」といった具体的な課題があるはずです。企業のニュースリリースやIR情報なども参考に、その企業が本当に求めているものを、より具体的なキーワードとして落とし込んでいきます

特に注目するべきポイント

  • 経営理念や行動指針で繰り返し使われる言葉
  • 採用担当者のメッセージで強調される部分
  • 最近の事業展開や新しい取り組みに関連するキーワード
  • 企業が抱える課題や業界での立ち位置を示す言葉
  • インターンでの社員の言葉や雰囲気

これらの情報を総合的に見ることで、表面的な募集要項からは見えてこない、企業が本当に求めている人物像が浮かび上がってきます。

③会社選びの軸

最後に、あなたの会社選びの軸となるキーワードを整理します。これは単なる希望条件や福利厚生ではなく、あなたの価値観やキャリアビジョンと深く結びついているものです。いくつか思い浮かぶものを書き出して、次の視点から掘り下げてみましょう。

就活の軸を掘り下げるための視点

  • なぜそれを重視するのか
  • どんな経験からそう考えるようになったのか
  • 将来どんなキャリアを描いているのか
  • それが自分の価値観とどう結びつくのか
  • その環境で自分はどう成長したいのか
  • 具体的にどんな仕事に携わりたいのか

また、会社選びの軸を考える際は、これまでの経験を振り返ってみるのも効果的です。

振り返りの例

  • 学生生活で最も充実していたのはどんなときか
  • アルバイトやインターンで何にやりがいを感じたか
  • どんな環境や状況が自分に合わないと感じたか

このような振り返りを通じて、自分が本当に大切にしたい価値観が明確になってきます。

吉野 郁子

プロフィール

会社選びの軸のNG例は、

①知名度だけで会社を選ぶ
②「安定していそう」というイメージで非営利系(財団法人や官公庁の外郭団体など)を選ぶ
③「事務職ならどこの会社でもいい」といった漠然とした考え方

などです。

会社選びの軸に迷っている人はこちらの記事が参考になります。

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ステップ3:それぞれの構成に当てはめる

集めたキーワードを、いよいよ実際の文章に落とし込んでいきます。ただし、ここで大切なのは「キーワードの羅列」ではなく「説得力のあるストーリー作り」です。志望動機と自己PRそれぞれの特性を活かしながら、相手の心に響く文章を組み立てていきましょう。

志望動機は「なぜこの業界なのか」から始まり、「なぜこの企業なのか」「入社後どうありたいのか」という流れで展開します。

志望動機の組み立て方

  • 導入
    「大学での研究を通じて、IoT技術による生産性革新に関心を持ち、製造業を志望するようになりました」
  • エピソード
    「その中で御社に特に魅力を感じたのは、『技術と人の力で未来を創る』という理念です。実際、インターンで製品開発の現場を見学させていただき、最新技術の導入と現場の知恵が見事に調和している様子に深く感銘を受けました」
  • 結論
    「入社後は製品開発部門で、IoT技術を活用した新しい製造プロセスの構築に携わりたいと考えています。将来的には、日本のものづくりの強みを世界に発信できる存在を目指したいと思います」

このように、会社選びの軸として整理したキーワードを中心に、企業の特徴と自身の価値観や目標を結びつけていきます。単なる企業情報の列挙ではなく、「なぜそこに魅力を感じるのか」という理由まで掘り下げて表現することがポイントです

自己PRは「どんな強みがあるのか」から始まり、「具体的にどんな経験があるのか」「その強みをどう活かせるのか」という流れで展開します。

自己PRの組み立て方

  • 導入
    「私の強みは、メンバーの個性を活かしたチームビルディング力です」
  • エピソード
    「具体例として、学園祭実行委員会でのエピソードをお話しします。50人の大所帯で意見がまとまらない状況でしたが、まず各メンバーと1対1で対話の機会を設け、それぞれの得意分野や興味を丁寧にヒアリング。そのうえで適材適所の配置を提案し、最終的に過去最高の来場者数を記録する企画を実現することができました」
  • 結論
    「この経験を活かし、御社が推進される新規プロジェクトにおいても、多様なメンバーの力を最大限に引き出せる存在となりたいと考えています」

このように、自分の強みとして整理したキーワードを軸に、具体的な経験や成果を交えながら説明します。さらに、その強みが企業の求める人物像とどう合致し、実際の業務でどう活きるのかまで言及することで、より説得力のある内容となります。

自己PRの構成はこちらも参考にしてください。フレームワークそのものは志望動機にも使えるので、志望動機に悩んでいる人も参考になります。

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ステップ4:第三者に確認してもらう

一人で何度も推敲を重ねても、どうしても気づけない点があるもの。特に、志望動機と自己PRの内容に矛盾がないか、企業の求める人物像と自己PRの内容が適切にマッチしているか、そして文章全体を通して説得力のある展開となっているか――これらは、第三者の目があってこそ、より良い気づきが得られます。

可能であれば、就職活動の経験者や企業の採用経験者など、複数の視点からフィードバックをもらうことをおすすめします。たとえば、就活を終えた先輩からは実践的なアドバイスを、企業経験者からは採用側の視点でのフィードバックを得られるはずです。

ただし、フィードバックを受ける際に気をつけたいのは、すべての意見を鵜呑みにしないこと。時には相反する指摘を受けることもあるでしょう。そんなときは、自分の軸はしっかりと保ちながら、より説得力のある表現や構成を追求していくことが大切です。

志望動機と自己PRの内容に矛盾がないかを第三者に確認してもらうときに、まずは誰に見てもらうのがおすすめですか?

キャリアアドバイザーや就活経験のある先輩など信頼できる人に見てもらおう

おすすめは、信頼できる第三者であるキャリアアドバイザーや就職支援担当者です。なぜならば就職活動の経験が豊富で、企業が求める志望動機や自己PRの作成方法についての知識も持っているからです。具体的なアドバイスをもらうことで、内容の一貫性や説得力が高まります。

また、就職活動に詳しい先輩や、業界の経験者に確認してもらうのも有効です。実際の選考過程を知っており、企業の視点でアドバイスをくれるため、より実践的な意見を得ることができます。友人や家族に見てもらうことも一つの方法ですが、専門的なフィードバックを求めるなら、就職支援のプロフェッショナルの方が適切です。

志望動機と自己PRの欄が1つの場合は?

エントリーシート(ES)や履歴書では、レイアウトの関係で「志望動機と自己PR」が一つの欄にまとめられているケースもありますよね。「どちらを中心に書けばいいのか」「どう構成すれば効果的なのか」と悩む人も多いのではないでしょうか。

この章ではキャリアコンサルタントの柴田さんに、困ったときのリアルな対処法を聞いてみました。マイナス評価につながらないよう、アドバイスを参考に対策してくださいね。

アドバイザーコメント

志望動機と自己PRにつながりを持たせて書くことで効果的にアピールできる

志望動機と自己PRの欄が1つの場合、それぞれを分けて個別に書いても構いませんが、それらにつながりを持たせることで、より効果的なアピールにつなげるのも良いでしょう。具体的には以下のような手法があります。

①自己PRを先に書き、それらのスキルを活かしたいという志望動機にまとめる

明らかにその業界で役立ちそうな自分の強みを先に伝え、志望する職種や企業こそがそれらを活かせるものである、という結論に導きます。より明確な強みを持つ人にはとても効果的なアピールになります。

②志望動機の中に自己PRを挟みこむ

文章全体を「志望動機」として展開させますが、志望する理由の一つひとつに「たとえばこうした業務には自分のこのような経験が役立つと考えられます」と付け加えていきます。そうすることで志望動機に説得力を持たせることができます。

上記の手法を用いると、志望動機と自己PRを個別に書くよりも、自分がより志望先企業へのマッチング度が高いとアピールでき、かつストーリーテリング的になるため、意図が伝わりやすくなります。ぜひ試してみてください。

志望動機と自己PRを書くうえでの注意点

志望動機と自己PRを書くうえでの注意点

  • 準備が足りない状態で書き始めない
  • 誤字脱字をしない
  • 記入欄や時間の制限を軽く見ない

就職活動において、志望動機と自己PRは最初の関門であり、採用選考の成否を大きく左右します。多くの企業では、この2つの項目からあなたの適性や熱意を判断します。つまり、これらの文章は企業があなたを知る最初の重要な手がかりとなるのです。

志望動機では「なぜその企業があなたを採用すべきなのか」を、自己PRでは「あなたがその企業でどのように活躍できるのか」を説得力を持って伝える必要があります。

特に選考の初期段階では、面接官はまずこの文章を通してあなたを理解しようとします。その後の面接でも、これらの内容が質問の重要な土台となるでしょう。そのため、安易な誇張や表面的な内容は避け、自信を持って詳しく説明できる具体的な内容を記述することが大切です。

準備が足りない状態で書き始めない

十分な準備なしには説得力のある志望動機も自己PRも書けません。企業研究では表面的な情報収集に留まらず、その企業の存在意義や社会的役割にまで理解を深めましょう。企業のホームページや採用情報だけでなく、ニュースリリースや業界動向、さらには競合他社との比較など、幅広い情報を収集・分析することで、その企業が提供している価値や直面している課題が見えてきます

自己分析でも、「真面目です」「努力家です」といった一般的な表現では、あなたの本当の強みは伝わりません。過去の経験を丁寧に振り返り、そこから得られた学びや気づきを明確にしてから執筆を始めることが重要です。

事実の列挙ではなく、その経験を通じて何を学び、どのように成長したのか。さらに、その経験や学びがどのように企業で活かせるのかまで掘り下げることで、より説得力のある内容となります。

実際に手をつける前に準備が必要なことはわかったのですが、いざ準備万全といえる状態とはどんな状態なのでしょうか?

吉野 郁子

プロフィール

実際に書き進めながらより良い自己PRと志望動機にしていこう

「準備を万全にしてから書き始める」という考え方は、少し違いますね。実際に書き始めてみると、不足している点に気づくことが多いからです。

たとえば、次のような流れで進めてみると良いでしょう。

①自己分析・企業研究を時間を決めておこなう
②とりあえず自己PR・志望動機を書いてみる
③書いたものを読み直し、添削を受けて不十分な点を見つける
④さらに調査や自己探求をおこない、書き直す
⑤最終的に何度も推敲を重ねる

これは、「PDCAサイクルを回す」というイメージです。一度誰かに添削してもらうプロセスは特に重要なので、ぜひ取り入れてみてください。

志望動機の添削について知りたい人はこちらの記事を参考にさてみてください。添削方法や注意点を詳しくまとめています。

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誤字脱字をしない

誤字脱字には細心の注意を払いましょう。特に企業名や部署名などの固有名詞における誤りは、致命的なミスとなります。こうしたミスは、基本的な注意力が欠けていることを示すだけでなく、企業に対する関心の低さが露呈することにもなりかねません。

作成した文章は必ず時間を置いて複数回確認し、可能であれば第三者にもチェックを依頼しましょう。特に提出直前の最終確認では、誤字脱字のチェックだけでなく、文章の論理性や説得力についても改めて見直すことが重要です。

基本的な文章に誤りが散見される場合、実務能力そのものを疑問視される可能性があります。特に近年は、ビジネスチャットなどさまざまなコミュニケーションツールを導入する企業も増えており、正確な文章作成能力はこれまで以上に重視されています。文章を書くことがメインの業務となる企業でなくても、丁寧なテキストの作成はマストです。

柴田 登子

プロフィール

どのような仕事も完全に体裁を整えなければお客様に納品はできません。それは文章も同じです。書いたものは読み返して誤字脱字ゼロの状態にする。そのような基本的なことすらできないのであれば、いい加減なものをお客様に提供する事態を引き起こしてしまう人物だと思われてしまいます。

ですから、応募書類には絶対に誤字脱字がないよう、何度もチェックしてください。

記入欄や時間の制限を軽く見ない

ESの志望動機や自己PRには、通常、文字数制限が設けられています。この制限を軽視することは、大きな失態につながりかねません。文字数制限は、学生の要約力や論理的思考力を測るために設定されているからです

制限された文字数の中で自身の考えを過不足なく表現することは、簡単なことではありません。しかし、ビジネスの現場では、複雑な内容を簡潔に伝える能力が必要とされます。その意味で、文字数制限は実務能力を測る一つの指標として捉えられているのです。

また、ごくまれに説明会当日にESを記入することを求める企業もあります。その際は時間制限に注意して、なるべく必要な情報を精査しながら丁寧に書きましょう。また、時間を計りながらの作文練習も、本番での時間管理に役立ちます。

こちらの記事では志望動機のベストな文字数を解説しています。

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志望動機と自己PR例文をセットで紹介

志望動機と自己PRは、それぞれ独立した要素でありながら、両者が響き合うことで大きな説得力を生みます。ここでは、実際の例文を通じて、効果的な書き方のポイントを具体的に見ていきましょう。単なる形式的な文章ではなく、あなたの熱意と企業への理解が伝わる、心のこもった内容を目指します。

ただし、これらの例文は参考としてのみ活用してください。そのまままねるのではなく、あなたならではの経験や思いを、自分の言葉で表現することが大切です。例文から書き方のコツをつかみ、オリジナリティのある志望動機と自己PRを作り上げていきましょう

①メーカー

製造業は、技術力や開発力が重視される業界です。そのため、志望動機では企業の技術への理解と情熱を、自己PRでは具体的な課題解決能力を示すことが効果的です。特に、技術と社会貢献の結びつきや、チームでの開発への理解を示せると、より説得力が増します。

志望動機

メーカーの志望動機

私は御社の「技術を通じて社会に貢献する」という企業理念に強く共感し、志望いたしました。特に、環境負荷を低減する製品開発への取り組みに感銘を受けています。

大学では環境工学を専攻し、持続可能な社会の実現に向けた技術開発について研究してきました。その中で、企業の技術力が社会課題の解決に大きな影響を与えることを学びました。御社が開発した省エネ製品の市場シェアが年々拡大していることからも、その影響力の大きさを実感しています。

また、インターンシップで製品開発プロジェクトを体験させていただき、部門を越えた連携の重要性を知りました。特に印象的だったのは、技術者とマーケティング担当者が活発に意見を交わし、顧客視点を大切にしながら製品を進化させている姿です。

私は御社で、環境技術の開発に携わりながら、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。

上記の例文は、非常に具体的で、企業の理念や自分の経験、スキルがうまく結びついています。特に「環境工学を専攻」といった学問的背景や、「インターンシップで製品開発プロジェクトを体験」といった実務経験がしっかり伝わり、説得力が増しています。

また、企業の具体的な取り組み(省エネ製品)に触れ、その影響力を実感している点も良いです。「どのように貢献したいか」をもう少し具体的に記述すると、より企業側にとって魅力的な志望動機となるでしょう。

メーカーの志望動機の作成手順はこちらの記事を読んでみてくださいね。

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自己PR

メーカーの自己PR

私の強みは、粘り強く課題解決に取り組む実行力です。この強みは、大学の研究活動で特に発揮されました。

新素材の環境負荷評価に取り組んだ研究では、当初、望ましい実験結果を得ることができませんでした。しかし、先行研究を徹底的に調査し、実験方法を100回以上試行錯誤。指導教官や先輩方との議論を重ね、実験条件を細かく調整することで、最終的に目標とする数値を達成することができました。

この過程で重要だったのは、失敗を恐れず、常に新しい方法を模索し続けることです。一つの方法で結果が出なければ、別の角度からアプローチを試みる。この粘り強い姿勢が、最終的な成功につながりました。その結果、この研究成果は学会でも高い評価をいただくことができました。

御社でも、この粘り強さを活かし、製品開発におけるさまざまな課題解決に貢献していきたいと考えています。

吉野 郁子

プロフィール

メーカーの自己PRでは、チームワークへの意識と経験を入れてはどうでしょうか。ものづくりは大勢の人が関わってくるものです。ユーザーに製品が届くまでの「バトン」を、誠実につなげられる人物だということはアピールになると思います。

②IT

デジタル技術の進化が著しいIT業界では、志望動機に企業が目指すデジタル変革への共感と、それを実現する技術への興味を示すことが大切です。自己PRでは、プログラミングスキルや論理的思考力に加え、チーム開発での具体的な成果を織り交ぜると印象的です。

志望動機

ITの志望動機

私は御社の「テクノロジーで人々の暮らしを豊かにする」というミッションに強く共感し、志望いたしました。特に、AIを活用した業務効率化アプリの開発に感銘を受けています。

大学では情報工学を専攻し、機械学習を用いた画像認識技術の研究に取り組んできました。その過程で、技術革新が人々の働き方や生活を大きく変える可能性を持つことを実感しました。御社が開発したアプリが、多くの企業の生産性向上に貢献している事例からも、その可能性の大きさを感じています。

また、インターンシップでのシステム開発プロジェクトを通じて、顧客の課題を深く理解することの重要性を学びました。特に印象的だったのは、エンジニアがユーザーの声に真摯に耳を傾け、改善を重ねていく姿勢です。

私は御社で、最新技術を活用したアプリ開発に携わり、社会の発展に貢献していきたいと考えています。

IT業界の志望動機では、その企業の製品やサービスに触れるのはマストですか?

製品やサービスに触れることよりも自分の熱意や強みをうまく伝えることが大切

IT業界の志望動機では、企業の製品やサービスに触れることは非常に有効ですが、マストではありません。たしかに製品やサービスに言及することで、企業への理解や関心が伝わり、具体的な志望理由として説得力を持たせることができます。しかし、企業の理念やビジョンに共感することや、自己のスキルと経験が企業のニーズにどうマッチするかを中心に志望動機を作成する方法も効果的です。

たとえば、企業が掲げる社会的使命や将来のビジョンに共感し、そのなかでどのように貢献したいかをアピールすることも効果的です。また、自分が持っている技術的スキルや経験が企業の事業にどう活かせるかを具体的に示すことも重要です。さらに、業界全体への興味や最新の技術トレンドに対する理解を表現し、それが企業の発展にどうつながるかを説明することも有力なアプローチです。

結局、志望動機はその企業に対する熱意や自己の強みをどう結びつけるかが重要であり、製品やサービスに触れなくても十分に説得力のある動機を伝えることができます。

IT業界の志望動機の書き方はこちらの記事で解説しています。例文10選もついているので追加で確認しておきましょう。

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IT業界は5業種に分かれ、それぞれに特化した志望動機の作成が必要です。キャリアコンサルタントが業種・職種別の例文を交えながら、IT業界の志望動機を解説。IT業界の知識を押さえて、受かる志望動機を作成し、選考を突破していきましょう。

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自己PR

ITの自己PR

私の強みは、新しい技術への探究心です。この強みは、大学での研究活動で特に発揮されました。

画像認識の精度向上に取り組んだ研究では、既存の手法に満足せず、常に新しい技術の可能性を追求してきました。特に機械学習の最新アルゴリズムについて、論文を30本以上精読し、それらを組み合わせることで、従来比15%の精度向上を実現することができました。

この過程で重要だったのは、技術トレンドを常にキャッチアップし、実践的に検証する姿勢です。新しい手法を学ぶたびに、実際にプログラムを書いて検証する。この地道な取り組みが、最終的な成果につながりました。

御社でも、この探究心を活かし、最新技術を活用した価値あるソリューション開発に貢献していきたいと考えています。

柴田 登子

プロフィール

上記の例文は、努力をアピールするのに数値を示すことでとても客観性と説得力を持たせることができています。一方で「最終的な成果」が何であるのかが示されていないため、結果的にどのような利益をもたらしたかが明確になっていないので、簡潔で良いので付け加えるようにしましょう。

③商社

商社では、グローバルな視点とビジネス創造力を重視しています。志望動機には企業の取引分野や海外展開への深い理解を示し、自己PRでは語学力やコミュニケーション能力、異文化理解の経験を盛り込みましょう。新規事業への意欲も効果的なアピールになります。

志望動機

商社の志望動機

私は御社の「世界を舞台に新しい価値を創造する」という経営理念に強く共感し、志望いたしました。特に、新興国における環境配慮型インフラ事業の展開に感銘を受けています。

大学では国際経済を専攻し、発展途上国における経済発展と環境保護の両立について研究してきました。その中で、商社の持つグローバルネットワークと事業開発力が、世界規模の課題解決に重要な役割を果たすことを学びました。御社が手がけた再生可能エネルギープロジェクトが、現地の持続的な発展に貢献している事例からも、その可能性の大きさを実感しています。

また、インターンシップでのプロジェクト立案を通じて、多様なステークホルダーとの関係構築の重要性を知りました。特に印象的だったのは、国や文化の違いを超えて、win-winの関係を築いていく社員の方々の姿勢です。

私は御社で、グローバルな視点を持ちながら、新たな価値創造に挑戦していきたいと考えています。

非常に具体的で説得力のある志望動機です。企業の理念や具体的な事業(新興国の環境配慮型インフラ事業)に対する理解がしっかり示されており、さらに自分の学んできたことやインターンシップでの経験ともつながっています。「グローバルな視点を持ちながら」という部分を、具体的な貢献方法に結びつけるとさらに強力な志望動機になるでしょう。

商社では、業界の課題や動向を押さえたうえで志望動機を考えましょう。こちらの記事で押さえるべきポイントを解説しています。

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毎年、就活生に人気の商社ですが、選考を突破するために徹底した業界・企業研修を実施したうえで志望動機を作成する必要があります。記事では、キャリアアドバイザーの解説を交えながら、商社の志望動機を作成するうえで押さえておくべきポイントや注意点を解説します。総合商社・専門商社の志望動機も交えて解説しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。

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自己PR

商社の自己PR

私の強みは、多様な価値観を理解し、調整する対話力です。この強みは、大学での国際交流プロジェクトで特に発揮されました。

5カ国10名の留学生と協働でおこなった地域活性化プロジェクトでは、文化や考え方の違いから、当初は企画の方向性が定まりませんでした。しかし、メンバー一人ひとりと丁寧な対話を重ね、それぞれの思いや背景を理解することで、全員が納得できる企画を作り上げることができました。

この過程で重要だったのは、表面的な意見の違いではなく、その背景にある文化や価値観まで理解しようとする姿勢です。時間はかかりましたが、この丁寧なコミュニケーションが、最終的に地域の方々からも高い評価をいただく企画の実現につながりました。

御社でも、この対話力を活かし、グローバルなビジネス創造に貢献していきたいと考えています。

吉野 郁子

プロフィール

「英語の勉強を頑張った」「留学先で苦労したけど、いろいろ努力して最後は達成感を得た」というエピソードはよく目にします。そのため、強みを単に「英語力」としてしまうと、埋もれやすくなります。学習プロセスで伸ばした、性格特性を伝えましょう。

④小売業界

顧客満足度を重視する小売業界では、志望動機に企業の店舗展開や顧客戦略への理解を示すことがポイントです。自己PRではアルバイトでの接客経験や、顧客ニーズを捉えた提案力を具体的に示すことで、より魅力的なアピールができます。

志望動機

小売業界の志望動機

私は御社の「顧客の毎日を豊かにする」という企業理念に強く共感し、志望いたしました。特に、地域特性に合わせた品揃えと、きめ細やかな接客サービスに感銘を受けています。

大学ではマーケティングを専攻し、消費者行動の変化について研究してきました。その中で、小売業には単なる商品提供以上に、顧客の生活に寄り添う役割があることを学びました。御社の店舗が地域コミュニティの中心として支持されている様子からも、その重要性を実感しています。

また、アルバイトとして2年間、食品スーパーで接客を経験する中で、顧客一人ひとりのニーズに応える難しさと喜びを知りました。特に印象的だったのは、日々の接客から得た気づきを商品構成や売り場作りに活かしていく、現場主導の店舗運営の姿です。

私は御社で、顧客視点を大切にしながら、より豊かな購買体験の創造に貢献していきたいと考えています。

柴田 登子

プロフィール

上記の例文では、「顧客の毎日を豊かにする」という企業理念のどこに着目し、どのように共感したのかを示すようにしましょう。志望先企業の「毎日を豊かにする」活動の例を示すなどして、そこに自分がどういった形で関わりたいのかを伝えるとより具体的になります。

アルバイト経験は入社後の活躍イメージを伝える有効な題材です。アルバイト経験を活かした自己PRの必勝法は次の記事で学びましょう。

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例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説

アルバイト経験の自己PRは、かなり効果的です。入社後の活躍イメージを伝えやすくなります。アルバイト経験の自己PRの構成や、作成時の注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。例文10選も紹介するので、アルバイト経験を魅力的に伝え、内定を掴みましょう。

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例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説

自己PR

小売業界の自己PR

私の強みは、顧客の声を形にする提案力です。この強みは、食品スーパーでのアルバイト経験で特に発揮されました。

惣菜売場での接客を通じて、「少量パックが欲しい」というシニアの顧客の声を多く聞いていました。そこで店長に提案し、人気商品の少量パック販売を試験的に開始。需要予測データを収集・分析したうえで実施したことで、導入後1カ月で該当商品の売上が20%向上しました。

この過程で重要だったのは、顧客の声を漠然と聞くのではなく、具体的なニーズとして捉え、実現可能な形に落とし込む視点です。この経験を通じて、現場の気づきを具体的な改善につなげることの重要性を学びました。

御社でも、この提案力を活かし、顧客満足度の向上に貢献していきたいと考えています。

小売業界の面接でウケが良いエピソードは、顧客とのコミュニケーション能力やサービス向上に対する意識を示すものです。たとえば、「アルバイトで接客をしていた際、顧客の要望を聞き、提案をおこなったことで再来店してもらえた」など、実際に顧客とのかかわりを通じて価値を提供した経験を話すとウケが良いです。また、チームワークや柔軟性を発揮したエピソードも好印象でしょう。

⑤金融

数値感覚とリスク管理が求められる金融業界では、志望動機に金融市場への理解と企業の成長戦略への共感を示しましょう。自己PRでは分析力や数理的思考に加え、コンプライアンス意識の高さをアピールすることで、より説得力のある内容になります

志望動機

金融の志望動機

私は御社の「金融を通じて、人々の豊かな未来を創造する」という企業理念に強く共感し、志望いたしました。特に、フィンテックを活用した新しい金融サービスの開発や、地域経済の活性化に向けた取り組みに感銘を受けています。

大学では経済学を専攻し、デジタル化が進む金融市場について研究してきました。その中で、金融機関には従来の安定性に加え、変化する社会のニーズに応える革新性が求められていることを学びました。御社が展開するモバイル決済サービスの利用者数が急成長している事例からも、その可能性の大きさを実感しています。

また、インターンシップでの企画提案を通じて、金融サービスが持つ社会的影響力の大きさを知りました。特に印象的だったのは、一つ一つの施策が顧客の生活や企業の経営に直結することへの強い責任感を持って仕事に取り組む社員の方々の姿です。

私は御社で、確かな専門性と先進的な視点を持ちながら、新たな金融サービスの創造に貢献していきたいと考えています。

吉野 郁子

プロフィール

金融業界の志望動機では、窓口業務や営業といった目に見えやすい職種のイメージだけで考えると、仕事の本質を見誤ります。金融業界の難しさは、仕事の抽象性が高く、目に見えにくいことです。どのように世のため人のためになっているのか、金融のビジネス構造をしっかり研究しましょう。

次の記事ではメガバンク出身の採用面接経験者が金融の志望動機の作り方を解説しています。

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金融の志望動機の書き方! 難関企業も狙える構成4パターンを解説

自己PR

金融の自己PR

私の強みは、データに基づいて課題を分析し解決する力です。この強みは、大学のゼミ活動で特に発揮されました。

地域企業の経営分析プロジェクトでは、3年分の財務データと市場動向を詳細に分析し、収益性改善のための具体的な提案をおこないました。特に、キャッシュフロー分析から運転資金の効率化が課題だと特定し、取引先との支払いサイトの見直しを提案。結果として、企業の資金繰り改善に貢献することができました。

この過程で重要だったのは、数値の背景にある事業の実態を理解しようとする姿勢です。経営者へのヒアリングを重ね、業界特性や事業環境まで深く理解することで、より実効性の高い提案が可能となりました。

御社でも、この分析力を活かし、顧客の経営課題解決に貢献していきたいと考えています。

柴田 登子

プロフィール

上記の例文では、経営分析プロジェクトでどのようなプロセスを経て資金繰りを改善できたかを具体的に示すことができています。

さらに、その経験を振り返り、何が功を奏したのかを分析し次に活かせる要素まで引き出している点に好感が持てます。目の前の仕事だけを処理するのではなく、長期的な視点で業務に向き合えるのではといった期待を採用担当者にもたらせるでしょう。

自己PRでゼミをアピールするときはほかの学生との差別化が鍵です。こちらの記事で差別化のポイントを押さえておきましょう。

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⑥広告

クリエイティブ力とマーケティング思考が必須の広告業界では、志望動機に企業の代表的な広告施策への理解を示すことが重要です。自己PRでは企画力やデザインセンス、SNSでの情報発信経験など、創造性を具体的に伝えることで差をつけられます

志望動機

広告の志望動機

私は御社の「クリエイティブの力で社会に新しい価値を生み出す」という企業理念に強く共感し、志望いたしました。特に、社会課題の解決につながるコミュニケーション設計や、デジタルテクノロジーを活用した革新的な広告表現に感銘を受けています。

大学では心理学を専攻し、消費者の意思決定プロセスについて研究してきました。その中で、人々の行動変容には、深い洞察に基づいた創造的なコミュニケーションが重要であることを学びました。御社が手がけたSDGs啓発キャンペーンが多くの人々の共感を得ている事例からも、その影響力の大きさを実感しています。

また、広告制作サークルでの活動を通じて、メッセージを効果的に伝えることの難しさと面白さを知りました。特に印象的だったのは、ターゲットの心理を深く理解し、それを創造的な表現に落とし込んでいく過程です。

私は御社で、人々の心に響くクリエイティブの創造に携わりながら、社会の変革に貢献していきたいと考えています。

上記の例文では、心理学を専攻したことと、その知識を広告業界で活かすという点が、ほかの応募者と差別化できる強みになっています。また、SDGs啓発キャンペーンに触れ、企業の具体的な活動に言及している点も、企業研究がしっかりできていることを示しています。「広告制作サークルでの活動」について、もう少し具体的なエピソードを加えると、さらに実績が伝わりやすくなります。たとえば、どのような広告を制作したのか、その成果がどうだったのかを簡潔に触れると良いでしょう。

広告業界に入りたいのなら、志望動機を作る前にやるべき4つのことがあります。こちらの記事で志望動機の書き方と併せて押さえておきましょう。

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自己PR

広告の自己PR

私の強みは、人々の心理を理解し、それを創造的な表現に変換する力です。この強みは、大学の広告制作サークルでの活動で特に発揮されました。

地域の環境保護キャンペーンでは、若者の環境意識の低さが課題でした。そこで同世代100人へのインタビュー調査を実施し、「環境」を身近な「日常」に結びつける企画を立案。SNSでの拡散を意識した短尺動画を制作し、当初の目標だった10万回再生を大きく上回る50万回の再生数を達成することができました。

この過程で重要だったのは、表面的な訴求ではなく、ターゲットの潜在的な価値観や行動習慣まで理解しようとする姿勢です。丹念な調査と洞察が、最終的に多くの共感を生むクリエイティブの創造につながりました。

御社でも、この洞察力を活かし、社会に新たな価値を生み出すクリエイティブの創造に貢献していきたいと考えています。

吉野 郁子

プロフィール

広告業界の自己PRでは、「問題解決力」や「コミュニケーション力」を強みとして挙げる学生は多く見受けられます。学生活動の中でも「集客」「売上」「広報活動」といったエピソードを述べるケースもよくあります。学生活動での成功に満足せず、さらなる成長意欲を伝えられると魅力的ですね。

⑦コンサルティング

問題解決力が問われるコンサル業界では、企業の支援実績や専門分野への深い理解を志望動機に盛り込むことが効果的です。自己PRでは論理的思考力や分析力に加え、実際のプロジェクト経験やプレゼンテーション能力を示すことで、より説得力のある内容になります。

志望動機

コンサルティングの志望動機

私は御社の「顧客とともに新しい価値を創造する」という理念に強く共感し、志望いたしました。特に、デジタルトランスフォーメーション領域での支援実績と、業界の垣根を越えた統合的なソリューション提供に感銘を受けています。

大学では経営戦略を専攻し、企業の持続的競争優位性について研究してきました。その中で、急速に変化する事業環境において、外部の知見を活用した経営革新が重要性を増していることを学びました。御社が手がけた製造業のDX支援事例が、顧客の業績向上に貢献している点からも、戦略的コンサルティングの可能性を実感しています。

また、インターンシップでの企業分析プロジェクトを通じて、本質的な課題発見の重要性を知りました。特に印象的だったのは、表面的な数値分析に留まらず、現場の声に耳を傾けながら真の課題を特定していく社員の方々の姿勢です。

私は御社で、幅広い知見と分析力を活かしながら、顧客の企業価値向上に貢献していきたいと考えています。

柴田 登子

プロフィール

コンサルティング業務とはすなわち「問題解決」です。取引先企業や顧客が抱える問題を把握し、その原因を追求、さらにどのように解決するかを考えなければなりません。ですから、そうした問題解決の能力を生かしたいという点を強調する志望動機を考えてみましょう。

コンサル業界では志望動機の段階から論理性のアピールも必須です。NG例も参考に、志望動機をブラッシュアップしましょう。

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コンサル業界は志望する学生が多いため、周囲と差別化できる志望動機を作れるかがポイントです。この記事では、まずコンサル業界の魅力を解説。そのうえで、それを盛り込んだ志望動機を作成する方法を説明します。ほかにもアピールすべき要素や避けたい点など、キャリアコンサルタントとともに解説するので、参考にして周囲と差別化しましょう。

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自己PR

コンサルティングの自己PR

私の強みは、複雑な課題を構造化し、解決策を導き出す論理的思考力です。この強みは、大学でのビジネスコンテストで特に発揮されました。

地方企業の事業戦略立案プロジェクトでは、業績低迷の原因を、財務データと市場環境の両面から分析。PEST分析とバリューチェーン分析を組み合わせることで、外部環境の変化に社内プロセスが対応できていないという本質的な課題を特定しました。この分析に基づき、業務プロセスの再設計を提案し、審査員特別賞を受賞することができました。

この過程で重要だったのは、データと現場の声の両方を重視する視点です。経営陣と現場社員双方へのヒアリングを通じて、定量・定性両面からの課題把握をおこないました。

御社でも、この論理的思考力を活かし、顧客の経営課題解決に貢献していきたいと考えています。

上記の例文では、自身の強み(論理的思考力)を明確にし、それを大学でのビジネスコンテストという実績に結びつけている点がとても良いです。複雑な課題を構造化し解決する能力を具体的な事例を通じて伝え、企業の経営課題にどう貢献できるかが明確に述べられているため、実務で活かせるスキルをアピールできています。「データと現場の声を重視した視点」という部分を、もう少し具体的にどう活かしたのかを少し加えると、さらに深みが出ます。

⑧医療・製薬

人々の健康に直結する医療・製薬業界では、志望動機に企業の研究開発方針や医療貢献への共感を示しましょう。自己PRでは専門知識や研究経験、そして何より人々の健康を願う強い使命感を伝えることで、採用担当者の心に響きます。

志望動機

医療・製薬の志望動機

私は御社の「革新的な医療サービスで人々の健康に貢献する」という企業理念に強く共感し、志望いたしました。特に、難治性疾患に対する新薬開発への継続的な投資と、患者さんを中心に据えた研究開発の姿勢に感銘を受けています。

大学では生命科学を専攻し、創薬研究の可能性について学んできました。その中で、製薬企業の研究開発力が、人々の生活の質向上に直結することを実感しました。御社が開発した新薬が、多くの患者さんのQOL改善に貢献している事例からも、その社会的意義の大きさを感じています。

また、インターンシップでの研究所見学を通じて、最先端の技術と倫理性の両立の重要性を知りました。特に印象的だったのは、科学的な探究心と患者さんへの思いやりを両立させながら研究に取り組む研究員の方々の姿です。

私は御社で、専門性を活かしながら、画期的な医療ソリューションの開発に貢献していきたいと考えています。

吉野 郁子

プロフィール

上記の例文では、現在の記述のままだとどの製薬会社にも言える内容になっています。他社との違いを、主力商品、専門分野、海外売上比率、などビジネス面から分析しましょう。特に、自分の研究テーマと応募先が力を入れている事業との合致があれば、ぜひ伝えましょう。

自己PR

医療・製薬の自己PR

私の強みは、高い目標に向けて粘り強く研究を進める探究心です。この強みは、大学での研究活動で特に発揮されました。

新規抗がん剤の作用機序解明に関する研究では、当初期待した結果が得られず、実験方法の見直しを迫られました。しかし、150回以上の実験を重ね、関連論文を徹底的に調査。実験条件を細かく調整することで、新たな作用メカニズムの可能性を示唆するデータを得ることができました。

この過程で重要だったのは、失敗を恐れず、常に科学的な真理を追求する姿勢です。一つの結果に固執せず、データの示す方向性に真摯に向き合うことで、予想外の発見にもつながりました。

御社でも、この探究心を活かし、革新的な医薬品の研究開発に貢献していきたいと考えています。

柴田 登子

プロフィール

医療業界では職種にもよりますが、研究職など専門性の高い仕事に就く場合、医療技術の進化を常に取り入れ、新しい知識を絶え間なく学び続ける努力や根気強さが求められます。またどのような職種であっても、医療によって人々をサポートしていきたいといった社会貢献的な意識を持っていることも好ましいです。

医療業界の志望動機では見落としがちな3つの注意点にも目を向けましょう。詳しくは次の記事を読んでみてください。

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学生の中には医療業界の仕事を志望する人も多いはず。しかし、医療業界の志望動機は、通常の就活と同じ作り方をしてもなかなか内定が取れない場合があります。この記事では、医療業界で働くための魅力的な志望動機の書き方について解説します。

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⑨建設・不動産

街づくりにかかわる建設・不動産業界では、志望動機に企業の開発実績や街づくりビジョンへの共感を示しましょう。自己PRでは設計や施工管理への興味、安全意識の高さ、そして長期的な視点でのプロジェクトマネジメント力を伝えることが効果的です。

志望動機

建設・不動産の志望動機

私は御社の「街づくりを通じて、人々の豊かな暮らしを創造する」という理念に強く共感し、志望いたしました。特に、環境配慮型の都市開発プロジェクトや、地域コミュニティの活性化を意識した施設運営に感銘を受けています。

大学では都市工学を専攻し、持続可能な都市計画について研究してきました。その中で、建設・不動産事業が、単なる建物の建設や管理に留まらず、人々の生活の質や地域社会の発展に大きな影響を与えることを学びました。御社が手がけた複合施設開発が、地域の新たなランドマークとして多くの人々に愛されている事例からも、その可能性の大きさを実感しています。

また、インターンシップでの再開発プロジェクト検討を通じて、多様なステークホルダーとの合意形成の重要性を知りました。特に印象的だったのは、地域住民の声に真摯に耳を傾け、その思いをプロジェクトに反映させていく社員の方々の姿勢です。

私は御社で、技術力と創造性を活かしながら、次世代の街づくりに貢献していきたいと考えています。

不動産業界の志望動機では、業界特有の魅力や社会的意義を理解したうえで、自分のスキルや経験がどのように活かせるかを具体的に伝えることが重要です。また、業界のトレンドや課題(例:サステナビリティやデジタル化)に対する関心を示し、企業の取り組みと自分の価値観やスキルがマッチする点を強調することも有効です。

ライバルの多い不動産業界。こちらの記事を読んで、不動産業界の志望動機に盛り込むべき4つのポイントを把握しましょう。

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不動産業界の志望動機を書く際は、不動産業界にこだわるきっかけを伝えるのがポイントです。「他の業界でも良いのでは……」と思われないように、具体的なエピソードとともに入社への熱意を伝えましょう。記事では、キャリアコンサルタントから見た不動産業界の志望動機を書くコツやテンプレート5例文を解説します。

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自己PR

建設・不動産の自己PR

私の強みは、周囲の声に耳を傾けながら最適解を導き出す調整力です。この強みは、大学での地域活性化プロジェクトで特に発揮されました。

空き店舗活用プロジェクトでは、地域住民、商店主、行政といった立場の異なる30名以上の関係者から意見を集め、全体の利害を調整しながら活用案を策定しました。特に、各関係者との対話を丁寧に重ね、それぞれの要望や懸念を可視化。その結果、地域に必要とされるコミュニティスペースとしての活用案をまとめ上げ、実際の運用開始につなげることができました。

この過程で重要だったのは、一つ一つの意見に真摯に向き合い、建設的な解決策を模索する姿勢です。異なる立場の方々の思いを理解し、接点を見出していく経験は、大きな学びとなりました。

御社でも、この調整力を活かし、多くの人々に価値ある街づくりプロジェクトの推進に貢献していきたいと考えています。

柴田 登子

プロフィール

上記の例文は、志望の業界に入ってからも活かせそうなイベントでの体験をうまく絡めながら、自身の強みを具体例と共に伝えることができています。実際に意見を聞いた人の属性がさまざまであること、また30人と数値で示した点も説得力を持たせるのに効果的です。

⑩マスコミ・メディア

情報発信力が問われるマスコミ業界では、志望動機に企業の報道姿勢や番組制作方針への理解を示すことが大切です。自己PRでは取材力や編集経験、デジタルメディアでの発信実績など、具体的なコンテンツ制作能力を伝えることで、より印象に残るアピールができます。

志望動機

マスコミ・メディアの志望動機

私は御社の「正確な情報発信を通じて、より良い社会の実現に貢献する」という理念に強く共感し、志望いたしました。特に、深い取材に基づく調査報道や、社会課題をわかりやすく伝える企画力に感銘を受けています。

大学ではジャーナリズムを専攻し、メディアの社会的役割について研究してきました。その中で、情報があふれる現代だからこそ、信頼性の高い報道機関の存在が重要であることを学びました。御社の環境問題に関する連続報道が、社会的な議論を喚起し、具体的な政策転換につながった事例からも、その影響力の大きさを実感しています。

また、学生新聞での活動を通じて、「伝える」ことの難しさと責任を知りました。特に印象的だったのは、事実を正確に把握し、読者にわかりやすく伝えることの重要性です。大学での研究不正を追った記事は、多くの反響を呼び、改善のきっかけとなりました。

私は御社で、真摯な取材姿勢と確かな表現力を身に付けながら、社会に価値ある情報発信に貢献していきたいと考えています。

吉野 郁子

プロフィール

上記の例文は、理想主義的だと感じました。実際の仕事の大変さや、ビジネス視点での応募先企業の強みや課題を研究し、それを踏まえて志望動機をさらに練り上げましょう。変化の激しい業界全体が抱える課題についても、調べておきましょう。

自己PR

マスコミ・メディアの自己PR

私の強みは、複雑な情報をわかりやすく伝える編集力です。この強みは、学生新聞での活動で特に発揮されました。

大学の研究施設の老朽化問題を取材した際、膨大な予算資料や専門的な設備の情報を、学生目線で理解しやすい記事にまとめ上げました。特に、施設の現状と予算の推移を図表で可視化し、専門家や職員30名以上のコメントを織り交ぜながら、問題の全体像を立体的に描き出すことができました。この記事は「わかりやすさ」が評価され、学内報道賞を受賞しました。

この過程で重要だったのは、読者の立場に立って情報を整理し、ストーリー化する視点です。複雑な問題も、適切な構成と表現を工夫することで、より多くの人に届く内容へと昇華させることができました。

御社でも、この編集力を活かし、社会に価値ある情報発信に貢献していきたいと考えています。

マスコミの自己PRではやはり文章力やコミニュケーション能力などを強みにあげた方が有利なのでしょうか?

柴田 登子

プロフィール

ほかの学生が選ばない強みを準備することでよりアピールできる

確かにマスコミでは文章力・コミュニケーション能力は必須です。それらがどのように「強み」と言えるのかを具体的な事例や成果などを添えて伝えられるようにしておくのは必須です。

一方でマスコミを志望するような人は、もれなくそれらが「強み」であるともいえます。ですからそこだけを強みとしていると、ほかの志望者との差別化ができなくなってしまいます。

そこで、たとえマスコミ業界で求められる能力とはかけ離れていたとしても、ほかの志望者がまず言わなさそうな「強み」のアピールを準備しておきましょう。その「かけ離れた強み」をいかに活用しマスコミ業界で活かすのかをアピールできれば、同時にコミュニケーション力の高さも伝えられます。

マスコミ業界では自由形式の自己PRも多い傾向にあります。こちらの記事で対策しましょう。

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自己PRを自由形式でプレゼンするよう求める企業があります。自由形式の自己PRは通常よりも表現の幅が広く、学生の個性や工夫が表れやすいです。この記事では自由形式の自己PRの基本的な作り方や作成例をキャリアコンサルタントとともに解説するので、参考にしてみてください。

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志望動機と自己PRを正しく使い分けて就活を制そう

ここまで見てきたように、志望動機と自己PRは就職活動の大切な武器となります。しっかりと準備して臨めばあなたの武器に、逆におろそかにすれば足かせにもなりかねません。

最後にもう一度振り返りをすると、志望動機は「なぜその企業で働きたいのか」、自己PRは「あなたが企業にどんな価値を提供できるのか」です。この2つはまったく異なる視点から書くものでありながら、どちらもあなたという人物の魅力を伝える重要な要素です。両者がバラバラな印象を与えるのではなく、あなたの価値観や目指す方向性が自然と浮かび上がってくるような内容を目指しましょう。

完璧な文章を目指すあまり、個性のない没個性的な内容になってしまうことだけは避けるべきです。大切なのは、あなたらしさが伝わる誠実な内容であること。丁寧な準備を重ねて、採用担当者の心に響く志望動機と自己PRを書きましょう。

アドバイザーコメント

志望動機はなぜその企業を選んだのかを自分なりのビジョンで伝えよう

志望動機と自己PRは、就職活動において非常に重要な要素ですが、役割が異なります。

志望動機は、なぜその企業や業界を選んだのか、どのような思いがあるのかを伝える部分です。企業に対する理解や共感、業界の魅力をどのように感じ、どのように貢献したいと考えているのかを示すことが求められます。ここで大切なのは、ほかの応募者との差別化を図ることです。自分なりの具体的な理由やビジョンを盛り込むことで、説得力のある志望動機が生まれます。

自己PRでは企業の求める人物像にマッチする強みで魅力的にアピールしよう

一方、自己PRは自分の強みやスキルをアピールする部分です。ここでは自分がどんな人間で、どのような能力を持ち、過去の経験を通じてどんな成長をしてきたかを具体的に伝えることが求められます。企業がどのような人材を求めているかを考え、それにマッチする自分の強みを見つけてアピールしましょう。

志望動機と自己PRは別々の項目ではありますが、互いに補完し合う内容であるべきです。志望動機で企業に対する思いやビジョンを示し、自己PRでその思いやビジョンを実現するための自分の強みを示すことで、より説得力が増し、魅力的なアピールができるでしょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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