鉄鋼業界とは? ビジネスモデルから職種別の業務内容まで徹底解説

4名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • 中小企業診断士/キャリアコンサルタント

    Shigeki Komatsu○営業企画・マーケティング・情報システム・総務・人事・経営企画室など幅広いキャリア経験を持つ。現在はキャリア形成や能力開発に向けた企業研修や個人面談などを提供している

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  • キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表

    Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

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    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は60000件超。30年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

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この記事のまとめ

  • 鉄鋼業界は将来性と安定を期待できる基幹産業
  • 鉄鋼業界のビジネスモデルは製造・流通・エンドユーザーの連携で成り立つ
  • 鉄鋼業界では挑戦意欲と責任感を兼ね備えた人材が求められる

就活を進めるなかで「鉄鋼業界ってどんな業界なんだろう」「自分に向いているのかな」と疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。かかわる機会の少ない業界だからこそ、気になっていたとしても、なかなか踏み込みづらいと感じるのも無理はありません。

そんな鉄鋼業界は、日本経済の基盤を支える重要な役割を担う存在であり、安定性とグローバルな成長性を兼ね備えた業界なのです。鉄鋼業界は製造業のなかでも特にプロジェクトの規模が大きく、幅広い職種が存在する業界でもあります。

しかしそのスケールの大きさから、学生生活ではあまり接する機会がなく、業界の全体像や仕事内容については具体的にイメージがしにくいのも事実です。まずは業界の特徴やビジネスモデルを理解してから、自身のキャリアビジョンと照らし合わせてみましょう。

この記事では、キャリアコンサルタントの小松さん、谷所さん、渡部さん、瀧本さんとともに鉄鋼業界の基本的な仕組みから職種別の業務内容、求められる人物像まで詳しく解説します。

また、4万件以上のキャリア相談を受けてきた瀧本さんからは、実際の学生たちが鉄鋼業界のどのような点に惹かれることが多いかについても教えてもらいました。

鉄鋼業界に携わり、安定した環境でダイナミックな仕事に挑戦したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

鉄鋼業界とは? 業界の特徴を解説

鉄鋼業界とは? 業界の特徴を解説

  • 将来性が見込める
  • グローバルな仕事に携われる
  • プロジェクトの規模が大きい
  • 日本を代表する知名度の高い企業が多い

鉄鋼業界は、自動車や建設、造船など日本の基幹産業を支える重要な役割を担っていて、経済の安定性と成長性を兼ね備えた業界です。

それに加えて、将来性の高さやグローバル展開、大規模プロジェクトへの参画など、ほかの製造業にはない独特の特徴もあるため、業界研究を進める際は鉄鋼業界ならではの特徴を理解しておくことが重要です。

ここでは、鉄鋼業界の4つの特徴を解説します。鉄鋼業界の特徴を理解して、自身が実現したいキャリアに適しているかどうかを判断しましょう。

将来性が見込める

鉄鋼業界は、先述したように国内産業の基盤となる重要な分野です。鉄を加工して作られた素材は自動車や電化製品、建築用材料などの製品となり流通しています。鉄鋼業界は経済成長やインフラ整備の進展にともない、今後も需要が高まると予想されている業界でもあるのです。

また、脱炭素社会の実現に向けて、水素製鉄や電炉技術の高度化など革新的な製造技術の開発が活発化していて、新しい分野でのキャリア形成も可能になっています。たとえば、環境負荷を削減する次世代製鉄技術の研究開発や、リサイクル鉄鋼の品質向上プロジェクトなど、従来にはなかった専門領域が生まれているのです。

このように、技術革新と安定需要が両立している業界でスタートすれば、将来的なキャリアの幅が広がります。

小松 茂樹

プロフィール

鉄鋼業界は高度経済成長期を牽引した一大産業であり、今なお国際的にも存在感を示しています。近年は持続可能な社会への志向から、資源を有効活用することに期待が高まっているのです。

軽量で高強度な新素材の開発や環境対応技術など、業界には変化と成長のチャンスが訪れているといえるでしょう。

こちらのQ&Aでは、鉄鋼業界の今後についてキャリアコンサルタントが解説しています。鉄鋼業界の将来性が気になる人はチェックしておきましょう。

グローバルな仕事に携われる

鉄鋼業界は原材料の調達から製品の輸出まで、事業活動の多くがグローバル市場と密接にかかわっています。国際的な取引や技術交流が盛んであり、異文化を理解しながら仕事をする機会も多いです

たとえば、営業職は海外の顧客企業との商談や契約交渉を担当し、技術職では海外プロジェクトでの技術指導や設備導入支援をおこないます。また、新興国での製鉄所建設プロジェクトでは、現地スタッフとの協働や政府機関との調整など、多様な文化背景を持つ人々と連携する経験を積むことができるのです。

そのため、国際的な視野を持ちたいと考えている学生にとって、魅力的な業界だといえます。語学力や国際的なコミュニケーションスキルを身に付けることで、グローバルなキャリアを築くことが可能です。

谷所 健一郎

プロフィール

鉄鋼業界のグローバルな戦略として、海外拠点への展開やM&Aが活発です。

世界的な鉄鋼のシェアは中国の比率が高いですが、日本の鉄鋼メーカーは機能性の高いハイテンなどの鋼材での優位性を活かし、特にアジアでの需要拡大が期待できます。

プロジェクトの規模が大きい

鉄鋼業界では、製鉄所の建設や大型インフラプロジェクトなど、数百億円から数千億円規模の巨大プロジェクトに携わることができます。これらのプロジェクトは数年から十数年にわたって進行するため、長期的にダイナミックな仕事に取り組めるのが特徴です。

たとえば、新しい高炉の建設プロジェクトでは、設計から建設、稼働まで5年以上の期間がかかり、関連企業や技術者が数千人規模で参画します。

また、海外での製鉄所建設プロジェクトでは、現地政府との交渉から技術移転まで幅広い業務が含まれるため、多角的なスキルを身に付けることが可能です

このような大規模プロジェクトに関わることで、個人の成長機会が豊富に得られ、社会インフラの根幹を支える達成感を味わえます。

日本を代表する知名度の高い企業が多い

鉄鋼業界には、以下のような国内外で高い知名度と信頼性を誇る大手企業があります。

これらの企業は長い歴史のなかで培った技術力と経営基盤を持ち、グローバル市場でも高いブランド価値を確立しているため、自身のキャリアに役立つ経歴を積むことができます。

また、これらの企業は社員の成長を重視しており、研修制度やキャリアパスの構築にも力を入れています。たとえば、数年間の現場経験を積んだ後に海外拠点での勤務機会を得たり、専門技術を深めるための社内外研修に参加したりできる環境が用意されているのです。

このような知名度の高い企業で専門スキルを身に付けることで、業界内での信頼性が高まり、将来のキャリア選択肢が大きく広がります。

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鉄鋼業界は景気の影響を受けやすい! どんな課題があるのか理解しておこう

鉄鋼業界は自動車、建築、造船など幅広い産業の基盤として重要な役割を担う基幹産業です。需要が拡大する時には生産も急増しますが、不況期や海外需要の低迷によって収益が大きく揺れ動くため、景気動向の影響を強く受ける業界であることは理解しておきましょう。

また、鉄鋼メーカーが設備投資をおこなう際には、高炉や電炉など主要設備の新設や更新に数百億円から数千億円規模の巨額投資が必要となり、企業規模や財務基盤の強さが競争力の源泉です。近年は、世界的なカーボンニュートラルの流れを受けてCO₂削減が業界全体の最優先課題となり、製造プロセスの抜本的改革と技術開発が積極的に進められています。

鉄鋼業界を目指す人は「業界の取り組み×自分の価値観」で見極めることが大切
学生が鉄鋼業界に魅力を感じる理由としては、社会の根幹を支える仕事への誇りや、海外プラント展開・輸出によるグローバルなビジネス環境、高度な技術力に挑戦できる点が挙げられることが多いです。

一方、安定だけを求める場合、原料価格や国際情勢の変化により収益が乱高下しやすい側面があるため、理想と現実のギャップを感じやすい業界でもあります。したがって、業界を志望する際は、環境対応や持続可能性への取り組みに注目し、自分自身の価値観と照らして企業研究を深める姿勢が大切です。

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鉄鋼業界の現状

鉄鋼業界は、自動車や産業機械、家電など鉄にまつわる幅広い産業に関連しています。そのため、国内において経済の基盤を支える重要な役割を果たしているのです。

世界鉄鋼協会の2024年2月粗鋼生産量によると、2024年2月の世界の粗鋼生産量ランキングは1位が中国、2位がインド、そして3位が日本となっています。

日本の鉄製品が多くの国へ輸出されているのが現状ですが、日本の鉄鋼業界は海外から大きく影響を受け、業績が伸びた背景は海外での自動車などの需要が増えたことによるものと考えられています。

国外に目を向けると、やはり中国とインドの粗鋼生産量の拡大が、日本の鉄鋼業界に大きな影響を与えているといえるでしょう。

特に中国の粗鋼生産量の伸びは目覚ましく、世界的な鉄鋼需要は拡大していましたが、昨今のロシア・ウクライナ問題をはじめとした世界情勢の影響もあり、需要が低迷しています。

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鉄鋼業界は課題を抱えている状態ではあるが解決のために動き出している

日本の鉄鋼業界は現在、転換期にある基幹産業です。自動車、建設、造船など幅広い分野の土台を支え、依然として重要な役割を果たしていますが、国内市場は人口減少や建設需要の伸び悩みで横ばいか微減傾向にあります。

一方、世界の鉄鋼需要は緩やかに回復基調であり、日本企業は海外市場での需要取り込みを強化している状態です。そのため、日本企業は中国や韓国の鉄鋼メーカーとの価格競争が激化している状況に直面しています。

また、脱炭素化は業界の最重要課題であり、日本の鉄鋼大手は高炉生産を中心に据えつつも、電気炉の活用拡大や、水素還元製鉄などの革新的な環境技術の開発に注力している状況です。これらの技術が今後の競争力の鍵となり、政府のカーボンニュートラル政策とも連動していくでしょう。

鉄鋼業界は今後の成長が見込まれる! 将来性を把握したうえで検討しよう
コストや技術的課題は依然ありますが、持続可能な鉄鋼生産を目指す動きが加速しています。鉄鋼業界は、単に鉄を作るだけの時代から、環境負荷低減や高付加価値製品の開発を通じて持続可能な社会基盤を支える役割へと変化しているのです。再生可能エネルギー分野やインフラ更新需要が引き続き業界の成長を支える見通しが立っています。

鉄鋼業界への就職を考える人は、伝統的な安定性に加え、脱炭素への挑戦や技術革新にかかわる可能性を志望動機に含めることが重要となるでしょう。日本鉄鋼業界は変化のなかで成長機会を模索しながら、今後も社会を支える重要な役割を担う産業であると言えます。

仕組みを解説! 鉄鋼業界のビジネスモデル

鉄鋼業界の仕組み

鉄鋼業界のビジネスモデルは、製造、流通、エンドユーザーという3つの立場が相互に連携し合うことで成り立っています。そのため、業界全体の仕組みを理解するには、それぞれの役割と相互関係を把握することが重要です。

ここでは、鉄鋼業界のビジネスモデルを構成する3つの要素について解説します。各段階でどのような価値が生み出され、どのように次の段階へとつながっていくのかを理解することで、鉄鋼業界の全体像を掴みましょう。

鉄鋼は社会インフラに不可欠な材料なので、鉄鋼業界はインフラ業界の一部です。インフラ業界への理解を深めたい人は、以下の記事を参考にしましょう。

製造

鉄鋼業界の製造プロセスは、鉄鉱石から鉄鋼製品を製造する過程を指します。まず、鉄鉱石を高炉に投入し、高温で加熱することで鉄とスラグ(不純物)に分離します。その後、純粋な鉄を得るための精錬作業がおこなわれるといった流れになっているのです。

最終的には、この鉄が建築や自動車、家電などさまざまな産業で使用される製品に加工されます。製造プロセスでは技術力や効率性が要求され、品質の向上と生産性の向上が重要な課題といえるのです

製造の工程では主に3種類のメーカーが仕事を担っています。

製造工程を担うメーカー

  • 高炉メーカー
    鉄鉱石とコークスを高炉に入れて加熱することで、炭素分の多い銑鉄ができます。そこから、炭素をはじめとする不純物を取り除くと、鉄鋼ができあがるのです。さらに、鋼鉄を一定の形に冷やし固めることで、鉄製品を作成することができます。
  • 電炉メーカー
    くず鉄(鉄製品を作る際にできた鉄や鋼のくず。また、廃品となった鉄製品)を電気の熱で溶かすことで鉄を作ります。
  • 特殊鋼メーカー
    電炉を使って鉄スクラップを溶かす点では電炉メーカーと共通ですが、マンガンやニッケル、クロムなどのレアメタルを添加することで特殊な機能を持つ鋼材を作ります。
3種類のなかでどのメーカーがおすすめですか?

小松 茂樹

プロフィール

志望理由を掘り下げメーカーの特徴に合わせて選ぼう

それぞれのメーカーが性質の異なる特徴を持っているため、一概におすすめを提示するのは難しいです。

事業の安定性や製品の多様性を重視したい人は、大規模な設備と高い生産能力を持つ高炉メーカーが適しているといえます。

環境問題への関心が高い人は、スクラップ鋼を活用して環境負荷が小さい電炉メーカーが適しているでしょう。

特殊鋼メーカーは高付加価値の製品に特化していて、航空機、医療機器、自動車など特定の産業向けにカスタマイズされた鋼を生産することが多いため、高度な専門知識を身に付けたい人は特殊鋼メーカーが適しています。

いずれにしても、自分の興味や価値観によって重視するポイントが異なるため、鉄鋼業界を志望する理由を掘り下げて、自分に適したメーカーを選びましょう。

流通

鉄鋼製品は製造された後、流通プロセスを経て市場に供給されます。場合によっては加工業者を間に挟む場合もあるでしょう。流通の段階では、製品を販売するための戦略的な取り組みがおこなわれます。

鉄鋼メーカーは卸売業者や販売代理店を通じて、それぞれの市場に合わせた形となった製品を企業や組織に提供します

エンドユーザー

鉄鋼製品は、エンドユーザーである企業や一般消費者に利用されます。建築産業では建物の骨組みとして、自動車産業では車体や部品として、家電産業では家電製品の製造に利用されます。

これらの産業において、鉄鋼は不可欠な素材となっています。エンドユーザーは製品の品質や価格を重視し、鉄鋼メーカーはそのニーズに応える必要があります。そのため、エンドユーザーのニーズを把握し、製品の改良やカスタマイズをおこなうことが競争力を保つ鍵となります。

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鉄鋼業界の代表的な職種と仕事内容

鉄鋼業界の代表的な職種

  • 営業
  • 研究・開発
  • 製造・生産管理
  • 事務

鉄鋼業界にはさまざまな職種が存在し、それぞれの職種が業界の発展に大きく貢献しています。

鉄鋼業界への知識が少なく、どんな職種があるのか知りたいという人も多いのではないでしょうか。ここからは、鉄鋼業界の代表的な職種と仕事内容について解説します。鉄鋼業界への理解を深めるとともに、自分に合った仕事があるか確認しましょう。

営業

営業職は、鉄鋼製品を企業や個人に販売する仕事です。顧客とのコミュニケーションを通じて、ニーズを把握し、製品提案や価格交渉をおこないます。また、新規顧客の開拓や既存顧客のフォローアップも重要な業務です。

営業職は市場動向の把握や競合他社との競争にも対応し、販売戦略の立案と実行をおこないます。

営業職のつらいことを聞くと「営業に向いてないのでは……」と悩む人も多いでしょう。記事では営業に向いてない人の16の特徴を解説しています。

営業職志望の人は、以下の記事を参考に志望動機を作成し選考でアピールしましょう。

研究・開発

研究・開発職は、新しい技術や製品の開発に取り組む仕事です。鉄鋼業界の技術は常に進化し、それに対応するため新しい材料や製造技術の研究をおこない、製品の性能向上や効率化を図ります。また、環境への配慮や持続可能な技術の開発にも力を注ぎます。

研究・開発職は先端技術の習得とチームとの協力が必要であり、業界の競争力を高めるために重要な役割を果たしています。

学生のなかには、研究職のイメージが湧かない人もいるでしょう。次の記事では研究職についての基礎知識を解説しています。選考を受ける前に確認しましょう。

谷所 健一郎

プロフィール

鉄鋼業界の研究・開発職は、新製品や新技術を生み出す仕事で、おもに鉄鋼商品の開発、プロセス開発、基盤技術開発などがあります。

研究・開発職は実践力が求められるので、大学の研究テーマと関連する企業を選び、活かせるスキルや知識を強みとして積極的にアピールすることが大切です。

製造・生産管理

製造・生産管理職は、鉄鋼製品の製造工程を管理・監督する仕事です。製造ラインの効率化や品質管理、生産計画の策定など、製造プロセス全体をコントロールします

製造・生産管理では、安全性やコスト削減への取り組みも重要な任務です。製造・生産管理職は、工場内のリーダーとして、生産現場の改善と効率化を図りながら、スムーズな生産体制を確立します。

渡部 俊和

プロフィール

鉄鋼業界の製造・生産管理の仕事は需要に応じた製品を安定供給することです。足りなくてもいけないし、作りすぎてもいけません。

業務の効率化や原料調達の過程でコストを下げたり、逆にコスト削減に偏り過ぎて品質が落ちないようにすることも重要な仕事になります。

品質管理の仕事に興味がある人はこちらの記事もチェックしてください。品質管理の基礎知識と志望動機の作り方をまとめています。

事務

事務職は、鉄鋼業界におけるオフィス業務を担当します。業務内容はデータ入力や書類整理、電話応対など、さまざまな事務作業です。

また、営業や製造部門と連携し、スケジュール調整や経費管理などをサポートします。事務職は、企業の円滑な運営に欠かせない役割を果たし、その仕事内容は多岐にわたるのです

事務職として内定を獲得するためには、まず事務職の種類や求められるスキルに対する正しい理解が必須です。記事では事務職によくある4つの誤解について解説しています。

まずは鉄鋼業界に適性があるか診断しましょう

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鉄鋼業界で求められる人物像

鉄鋼業界に向いている人の特徴

  • 新しいことに挑戦できる人
  • 何事にも興味を持って取り組める人
  • ダイナミックな仕事にチャレンジしたい人
  • 責任感を持って取り組める人

記事でも紹介したように、大規模プロジェクトや技術革新、グローバル展開など、鉄鋼業界では多様な業務に対応する必要があります。こうした背景から、業界では特定のスキルや適性を持った人物が求められる傾向にあるのです。

鉄鋼業界で求められる人物像を事前に理解しておくことで、自身の適性を判断したり、面接でのアピールポイントを明確にすることも可能です。

ここでは、鉄鋼業界で求められる4つの人物像について解説します。これらの特徴を把握して、自分の強みや経験とどのように結び付けられるかを考えながら、志望動機や自己PRの材料として活用しましょう。

こちらのQ&Aでは、キャリアコンサルタントがインフラ業界に向いている人について解説しています。併せてチェックして自身が鉄鋼業界はインフラ業界の一部なので、適性があるか気になる人は参考にしましょう。

インフラ業界のメリットやデメリットについて理解を深めたい人は、以下の記事もチェックしておきましょう。インフラ業界はやめとけと言われる6つの理由や、向いていない人の特徴を解説しています。

新しいことに挑戦できる人

鉄鋼業界では、固定観念にとらわれず新しいことに挑戦できる人が求められる傾向にあります。

世界情勢の影響を大きく受ける業界と解説しましたが、それに対応するためにイノベーションが必要となるのです。

積極的かつ柔軟な考え方を持ち、新しいことにチャレンジできる人は、鉄鋼業界に適性があると考えられます

チャレンジ精神を効果的にアピールするには、4つのコツがあります。チャレンジ精神を強みに持つ人は次の記事で確認しておきましょう。

発想力は3ステップの構成でエピソードの説得力がアップします。次の記事では発想力を使った自己PR例文10選を紹介しているので、発想力のある人材を求める会社を受ける人は参考にしてくださいね。

何事にも興味を持って取り組める人

鉄鋼業界では、さまざまな視点を持って課題に取り組めるような、何事にも興味関心を抱く人を求めている傾向にあります。たとえば三菱製鋼は、これまで培った技術を活かし新分野へも積極展開しようとしていることから、広い視野を持つ学生を求めているのです。

柔軟な発想と学習意欲があり、自己成長を大切にするエピソードがあれば評価される可能性が高いと考えられます。

鉄鋼業界の国内外のビジネスに携わりながら、自らのスキルを磨いていくことをアピールしましょう。

向上心の自己PRはエピソードの作り込みが鍵です。次の記事ではアピール必須の3要素を解説しているので、向上心のある人材を求める会社を受ける人はチェックして魅力的なアピールをしましょう。

ダイナミックな仕事にチャレンジしたい人

グローバルに事業を展開している傾向にある鉄鋼メーカーでは、そのような事業をさらに成長させられる、ダイナミックな仕事に挑戦したい人にも門戸が開かれているといえます。

たとえばJFEスチールは、「鉄」に魅力を感じ、ダイナミックな仕事にチャレンジしたい志のある人を求めているとしています。

チャレンジ精神とリーダーシップを発揮し、変化に対応できる能力を発揮した経験があれば、好印象を残せる可能性が高まります

国際的なビジネス環境での経験を積みながら、成長する意欲のある人材が求められます。

自己PRでリーダーシップを題材にする際、この記事にある作り方の3ステップで作れば、企業が再現性を見出せるエピソードになります。JFEスチールのようなチャレンジ精神を重視する会社を受ける人は、ぜひ確認してください。

責任感を持って取り組める人

鉄鋼業界では、製品の品質不良や納期遅延が顧客企業の事業に大きな影響を与えるため、一人ひとりが高い責任感を持って業務に取り組む必要があります。特に、自動車や建設などの安全性が重要視される分野に製品を供給する場合、些細なミスも許されない環境で働くことになるのです

たとえば、製造現場では品質管理の基準を厳格に守り、営業では顧客との約束を確実に履行することが求められます。また、大規模プロジェクトでは複数の部署や企業が連携するため、自分の担当業務に責任を持つことが全体の成功につながるのです。

そのため、鉄鋼業界では最後まで諦めずに課題に取り組む責任感と、周囲から信頼される誠実性を兼ね備えた人材が求められます。

責任感、柔軟性、粘り強さやコミュニケーション能力を求められる会社を受ける場合は、以下の記事でそれらの強みの自己PR法を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。

責任感
例文11選! 責任感の自己PRに重要な3要素を就活のプロが解説

柔軟性
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ

粘り強さ
例文11選|粘り強い性格の自己PRで知らないと損する注意点

コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は12個の言い換えで勝負しよう! 例文つき

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専門知識と技術力のほかに3つの特徴を持った人材が求められている

現代の鉄鋼業界は、高度な技術革新と厳しい国際競争、そして環境規制といった多くの課題に直面しています。こうしたなかで鉄鋼業界で働く人には、専門知識や技術力に加えて、次のような特徴が求められるでしょう。

①変化への適応力

新技術の登場や市場ニーズの変化など、業界の状況は日々変化しています。固定観念にとらわれず、変化をチャンスととり柔軟に対応する力を発揮できれば、企業の持続的な成長を支えられるでしょう。

②チャレンジ精神

技術革新が常に求められる鉄鋼業界では、既存の方法に固執せず、新しい手法や技術に挑戦する意欲が求められます。失敗を恐れず、学びながら次に活かす姿勢が大切です。

③当事者意識

鉄鋼業界に限らず、現代のビジネスシーンでは、単なる「作業者」ではなく、プロジェクトや業績に対する「当事者」であることが求められます。問題が起きたときに他人事と考えず、自分事として解決に取り組む姿勢が必要です。当事者意識を持って自主的に行動し、結果を出す力が養われます。

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鉄鋼業界を目指す学生がやっておくべき4つの準備

鉄鋼業界を目指す学生がやっておくべき4つの準備

  • インターンで企業ごとの違いをつかむ
  • それぞれの採用形態を把握しておく
  • 外国語のスキルを身に付けておく
  • 鉄鋼業界ならではの逆質問を練っておく

鉄鋼業界は社会の基盤を支える重要な産業であり、多様な職種が存在します。鋼材は建築、自動車、家電などあらゆる産業に欠かせない素材であるからこそ、業務ではグローバルな視野を持ちながら、新たな技術と挑戦が求められる分野でもあります。

そんな鉄鋼業界を目指す学生が、就活を成功させるためにはどのような準備をしておくべきでしょうか。

①インターンで企業ごとの違いをつかむ

インターンシップは、鉄鋼業界の魅力を体験する絶好の機会です。製鉄所や製品加工工場での実務経験を通じて、製造プロセスや技術の理解ができるためです。

鉄鋼製品は、建築物、自動車、家電製品など、あらゆる分野で使用されています。多くの鉄鋼業界の企業が独自の技術を持っていて、それぞれの企業文化やビジョンを知ることで、自分に合った企業を見極めることができるのです

谷所 健一郎

プロフィール

鉄鋼業界にはさまざまな企業や職種があるため、インターンの内容も多岐にわたります。

たとえば、文系なら課題に取り組みながら業界を理解できるものや、理系なら現場での仕事が体験できる短期インターンがあります。

またグローバルに活躍したい人は、鉄鋼専門商社の短期インターンもおすすめです。

インターンへの参加は8つのメリットがあります。まずは記事を読んで、インターンの選び方を知っておきましょう。

インターンに行くべきか迷っている大学2年生は次の記事を参考にしてくださいね。

②それぞれの採用形態を把握しておく

鉄鋼業界を目指す学生は、採用形態の把握も重要です。技術職として鉄鋼業にかかわる企業だけでなく、商社として鉄鋼業界に携わるケースもあります。

また鉄鋼業界では、技術職だけでも主に3つの分野に分かれます。

鉄鋼業界の3つの技術系職種

  • 研究開発
    →新製品や新技術を生み出す仕事
  • 製造技術
    →顧客の要望に応じた機能や品質で製品を作るだけでなく、その製品を低コストかつ効率的に製造できるようにする仕事
  • 設備技術
    →製品を作るために工場を建てたり管理したりする仕事

一方、鉄鋼専門商社での採用では、職種にもよりますが、鉄鋼製品の販売や取引、営業や貿易業務が中心です。国内外の顧客との交渉や販売戦略の立案、市場調査に従事し、鋼材の販売促進に取り組むため、技術職とは異なる業務内容になります

貿易の仕事内容や必要なスキルは、以下のQ&Aコンテンツでキャリアコンサルタントが詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。

渡部 俊和

プロフィール

上記の技術系職種では、IT関連職の募集が加わることもあります。ほかに事務系職種としては営業や購買なども挙げられます。

いずれも総合職で海外を含む転勤ありのケースが多く、エリア限定の採用も制度上はあるようですが、募集はあまりおこなわれていません。

③外国語のスキルを身に付けておく

鉄鋼業界は、国際市場と密接に結び付き、多くの企業が海外との取引をおこなっています。そのため、外国語を学ぶことで、異文化とのコミュニケーションがスムーズになり、国際的なビジネスチャンスを広げられるのです。

さらに、海外での鉄鋼業界の展望を把握するためにも外国語のスキルは役立ちます。外国語を話せると、海外の鉄鋼メーカーや顧客から直接情報収集をすることができるため、海外の最新の技術動向や市場トレンドをいち早く理解できるでしょう

小松 茂樹

プロフィール

日本の鉄鋼業界では鉄鉱石、石炭など、鉄鋼製造に必要な多くの原材料を輸入に大きく依存しています。また、高い品質と技術力で製品が国際的に評価され、輸出の割合も多いです。

海外との取引が非常に多いため、外国語のスキルは重宝すると見込めます。

就活でどれほど英語力が重視されるかは以下の記事で解説しているので、併せて確認してください。

④鉄鋼業界ならではの逆質問を練っておく

鉄鋼業界の企業の面接を受ける際には、逆質問も用意しておくと面接での印象が良くなります。鉄鋼業界ならではの質問を用意しておくことで、企業への真剣さや情熱を伝えることができるためです

逆質問はしっかりと準備をしておけば、鉄鋼業界への興味や意欲をアピールする機会にもなります。ここからは、鉄鋼業界ならではの逆質問の例を紹介します。

面接での「質問はありますか」は自由度が高いからこそNG回答があります。次の記事では、面接で「質問はありますか」と聞かれたときの回答例を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。

ビジネスモデルの勉強はマスト

鉄鋼業界の企業に対して逆質問をする際には、ビジネスモデルの勉強はマストです。ビジネスモデルの理解があいまいだと、業界研究が不足していると捉えられ、逆質問によって面接官に良くない印象を与えてしまう可能性があります

「鉄鋼業界では高炉メーカーとも同じポジジョンの位置付けにある電炉メーカーですが、そのなかでも電炉メーカーだからこそのやりがいを教えていただけますか」など、ビジネスモデルの勉強を通じて、企業に対する具体的な質問を準備できれば、面接官との対話をより有意義なものとすることができるでしょう。

最低限の業界用語を理解できると具体性が増す

逆質問をする際には、最低限の業界用語を理解できると具体性が増します。無理に業界用語を交える必要はありませんが、最低限の用語を勉強しておくと面接官とのコミュニケーションがスムーズになり、自分の志向をより詳細に伝えることもできるのです。

業界用語の理解があれば、自身のキャリアに適した職種や業務内容についても、より具体的な情報を得ることができるでしょう

押さえておきたい鉄鋼業界の専門用語

  • 厚鋼板:厚さ3.0mm 以上で熱間圧延(ねつかんあつえん・圧延機によって熱間で圧延すること)によって製造した鋼板
  • 溶接:2つ以上の材料に熱や圧力を加えて、材料を接合させること
  • 脱炭処理:脱炭(だったん・鉄鋼製品の表面の炭素をなくすこと)を目的とした熱化学処理
  • ガス溶接:ガスを利用して金属の接着・加工をおこなう溶接手法
  • ガス切断:ガスの熱によって溶断する切断方法

具体的な逆質問の例

  • 造船や建産機に用いられる厚鋼板を扱いたいと考えているのですが、入社時に希望は配慮されるものなのでしょうか?
  • 鉄鋼産業のなかで、日本の産業を支えていく存在になりたいと考えているのですが、これまで〇〇さんがそう感じたことはありますか?
  • 鉄鋼商社で鉄鋼を扱うからこそ感じた、社会人としてのやりがいや魅力はありましたか?
  • 製鉄所で勤務したいと考えているのですが、どれくらいの頻度で配置転換はおこなわれますか?

これらの質問はあくまで一例です。逆質問を考える際には、自分の興味や関心、将来のキャリアプランなどを参考にしてください。

谷所 健一郎

プロフィール

脱炭素技術や海外戦略などについて説明を受けていなければ、質問するのもおすすめです。

たとえば「脱炭素技術の実用化に向けての取り組みについてお聞かせください」、あるいは「今後新興国の鉄鋼需要が伸びていくと考えられますが、特に重視している国があればお聞かせください」などと質問すると良いでしょう。

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3ステップで簡単! 鉄鋼業界の志望動機の作り方

3ステップで簡単! 鉄鋼業界の志望動機の作り方

  • なぜ鉄鋼業界を志望するのか
  • 鉄鋼業界のなかでもなぜその企業なのか
  • その企業でどのように貢献したいか

鉄鋼業界を志望する際、論理的な志望動機を持つことは非常に重要です。

志望動機が明確であれば、自己分析や企業選びにおいても的確な判断ができ、面接やエントリーシート(ES)でのアピールも強化されます。以下の3ステップをもとに、鉄鋼業界の志望動機を作成してみましょう。

ESの志望動機で重要なのは4ステップで簡潔に熱意を伝えることです。以下の記事では、ESの志望動機の基本的な書き方を解説するとともに、「志望動機を読ませる工夫」についても説明しているので、ぜひチェックしてください。

①なぜ鉄鋼業界を志望するのか

まずは、なぜ鉄鋼業界を志望するのかを明確にしましょう。鉄鋼業界で働きたい理由が明確になることで、志望動機に説得力が生まれるからです

「鉄鋼というモノづくりの原点から社会を支えたい」というように、自分がなぜ鉄鋼業界に興味を持ち、その分野で働きたいのかを考え、志望動機として言語化します。

鉄鋼業界の志望理由はどんなものが好印象ですか?

谷所 健一郎

プロフィール

鉄鋼業界への深い理解がわかる具体的な志望理由が好印象

鉄鋼業界を深く理解し、鉄鋼業界だからこそ働きたい理由を具体的に語ることが大切です。

大手企業だから安定しているなどの考えではなく、業界の現状、課題、将来像などを調べて、業界の魅力を語ってください。

そして、鉄鋼業界のなかでも選考を受ける企業の特徴や独自性を理解したうえで、働きたい理由と実現したいことを語ることで、採用担当者は自社への入社意欲を感じます。

②鉄鋼業界のなかでもなぜその企業なのか

鉄鋼業界のなかでも、特にその企業に魅力を感じる理由を具体的に考えましょう。業界そのものに感じている魅力に加え、企業の技術力や研究開発、持続可能性に対する取り組みなどに具体的に触れることで、あなたがその企業に感じた魅力が明確になるからです

たとえば「御社は世界◯カ国に△カ所もの事務所・拠点を持ち、世界のあらゆる産業に製品を提供している点に魅力を感じています」など鉄鋼業界のなかでもなぜその企業なのかを改めて棚卸しして、競合他社との違いを明確にしてください。

小松 茂樹

プロフィール

自動車や航空機、建築物などの最終消費財と比べると、鉄鋼業界の企業の製品は差別化が難しいといえます。

そのため、製品やサービスよりも、会社の歴史や思想、文化に着目して、企業の独自性に触れるようにしましょう。

具体的には、経営理念やビジョン、トップのメッセージなどから、その会社の「こだわり」を見つけ、それらに共感する姿勢を示すのがおすすめです。

③その企業でどのように貢献したいか

最後のステップでは、志望企業で自らがどのように貢献したいかを具体的に示すことが重要です。企業のビジョンやミッションに共感し、自身のスキルや経験を活かしてどのように成長し、その企業に貢献したいのかを明確に伝えます

たとえば、「自身が学んできた環境系の知識を活かして、環境にも配慮した製鉄工程・設備の提案などを積極的におこなうことで、貴社の業務に貢献したい考えています」など企業で活躍できるビジョンを示すことで、志望動機がより説得力のある内容になります。

志望動機の締めくくりはワンパターンになりがちです。こちらの記事では魅力的な志望動機の締めの文章を解説しています。

面接の志望動機の長さがわからない学生もいますよね。次の記事では時間別の志望動機の最適な長さを解説しています。

アドバイザーからワンポイントアドバイス

大手にこだわらずやりたいことが実現できる企業を選ぼう

鉄鋼業界は日本の成長を支えてきた根幹となる業界です。新規事業の展開やグローバル戦略を積極的に展開している大手鉄鋼メーカーは、特に理系学生に人気があり難易度は高いといえるでしょう。

鉄鋼業界には、高炉メーカー、電炉メーカー、販売会社、専門商社など、大小さまざまな企業があります。業界・企業研究をおこない、企業規模だけでなくやりたいことが実現できるといった切り口で、大手企業にこだわらず鉄鋼業界の応募企業を考えてみると良いですね。

企業の独自性を理解して志望動機を作ろう

志望動機は業界研究だけでなく、企業の特徴や独自性を理解することに努めましょう。鉄鋼業界で働きたい理由、企業の魅力、さらに企業に貢献したいことまで伝えることが大切です。

どの業界にも通用する志望動機だと「鉄鋼業界でなくても良いのでは?」と質問される可能性があるので、なぜ鉄鋼業界で働きたいのかについて、しっかり押さえてくださいね。

また応募企業で貢献したいことや実現したいことは、応募企業の求めている人物像やキャリアパスを理解したうえで、チャレンジ精神を重視している企業であれば積極性をアピールするなど、関連する内容を伝えるようにしましょう。

ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!

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業種ごとに解説! 鉄鋼業界の志望動機例文

業種ごとに解説! 鉄鋼業界の志望動機例文

企業に刺さる志望動機を作るには、具体性が命です。そのため、志望動機にはあなたと企業のつながりや、鉄鋼業界を目指すことになったきっかけを盛り込んでください。各ポジションごとに変化を付けると、志望動機に深みが生まれますよ。

ここからは、プロのキャリアアドバイザーのアドバイスと併せて、鉄鋼業界の志望動機の例文を解説します。

鉄鋼業界だけではなく、インフラ業界全体への就職を検討している人は、こちらの記事を参考にしましょう。インフラ業界の志望動機を作るポイントや、業種ごとの志望動機の例文を解説しています。

例文①高炉メーカーの志望動機

例文①高炉メーカー

私は、鉄鋼業界の未来に貢献したいという強い思いから、貴社を志望しました。

鉄鋼業界は、私たちの生活を支える重要な産業であり、持続可能な社会を築くうえで欠かせない存在です。鋼材は建築や自動車産業など多岐にわたる分野で使われており、その需要は今後も高まると予想されています。私は、自分の力を鉄鋼業界の成長に寄与するために活かしたいと考えています。

なかでも、貴社の持つ優れた技術力と、環境への真摯な姿勢に魅力を感じています。貴社は高炉技術において先進的な研究・開発をおこない、効率的で環境に優しい製品を提供しているのが印象的です。

私は持続可能性を重視し、環境への負荷を軽減する技術の進化に貢献したいと考えています。また、貴社の社風や社員の情熱にも共感しました。貴社の一員として、技術力を高め、新しい価値を生み出すために邁進したいという意欲が強いです。

貴社では、研究開発の分野で力を発揮したいと考えております。特に、高炉の最適化や省エネルギー技術の研究に強い関心があり、鋼材生産の効率化に貢献したいと考えています。

また、持続可能な社会の実現に向けて、再生可能エネルギーやグリーンテクノロジーといった新しい技術の導入にも積極的に取り組みたいと考えています。

小松 茂樹

プロフィール

例文は、志望企業の特徴や自分の意思について具体的な記述がされ、とても良いです。とりわけ、自分がどのように会社に貢献していきたいかを示しているのは素晴らしいですね。

一方、環境負荷軽減については、同じような話が繰り返されて文章が冗長な印象もあります。

後半の持続可能性から新技術までの記載はまとめて、もう少しコンパクトにするとスッキリ読みやすくなるでしょう。

例文②高炉メーカーの志望動機

例文②高炉メーカー

私は、鉄鋼業界の挑戦と成長の機会に魅力を感じ、貴社を志望しました。鉄鋼業界は競争が激しく、常に新しい技術やビジネスモデルを求められる業界です。

私は、変化の激しい環境で自身を成長させ、多様なチャレンジに取り組むことに魅力を感じています。高炉メーカーは業界のリーダーとして常に先進的な取り組みをおこなっており、その挑戦に参加したいと考えています。

また、鉄鋼業界はグローバルな展望が広がっている業界でもあります。世界中で需要が高まる鋼材産業において、国内だけでなく国際的な市場での経験を積むことで、自身の視野を広げ、国際的なビジネススキルを磨きたいです。

高炉メーカーでのキャリアを通じて、国際的なチームでのコミュニケーションやビジネス交渉に携わることが、私の成長につながると信じています。

貴社は社員一人ひとりを大切にし、チームワークを重視する風土があり、社員のモチベーションを高める制度や研修プログラムが充実している点も魅力に感じています。私は貴社での成長支援を受けながら、自分の力を最大限に発揮したいと強く思っています。

谷所 健一郎

プロフィール

例文では、鉄鋼業界や高炉メーカーの魅力を伝えていますが、企業の魅力がチームワークや研修プログラムの充実であることからしか伝わってきません。

「高炉メーカーは業界のリーダーとして」ではなく「特に御社は業界のリーダーとして」として伝えることを検討しましょう。

例文③電炉メーカーの志望動機

例文③電炉メーカー

私は、持続可能な鉄鋼業界の実現に貢献したいという強い思いから、貴社を志望いたしました。貴社は電炉技術においてリーディングカンパニーであり、革新的な研究・開発を進めている点に魅力を感じています。

具体的には、より効率的でクリーンなエネルギー源の活用や、CO2排出削減に貢献する技術の推進に興味があります。

なかでも貴社が独自に提示している持続可能な鋼材生産に向けた新しいビジネスモデルの提案や、国際的な市場での競争力強化にも貢献したいという意欲があります。

入社後は、環境に配慮した新たな電炉技術の研究・開発に取り組み、貴社の一員として自分にできることから努力して参ります。

渡部 俊和

プロフィール

例文の最後の「自分にできるところから努力する」という部分だけ違和感があります。環境問題への取組みや新たなビジネスモデルについて大きな抱負を語っていたのに、急に尻すぼみになった印象です。夢や抱負は遠慮しないで言い切ってください。

例文④電炉メーカーの志望動機

例文④電炉メーカー

鉄鋼業界で働くことで、日本の経済を支え、社会に貢献したいと思っています。

私は大学時代、さまざまな製品素材から環境問題について考えるゼミに所属していたこともあり、持続可能な社会の実現に強く興味を持っています。

鉄鋼業界のなかでも貴社を志望する理由は、貴社が電炉技術において世界トップクラスの技術力と実績を有しているためです。また、その高い技術力を活かして貴社の高品質で環境に優しい鋼材の開発に積極的に取り組んでいる点に共感しました。

ゼミでも鋼材については学習してきましたが、貴社に内定が決まった場合には、電炉メーカーに焦点を絞り、さらに専門的な知識について入社前に積極的に学習しようと思っています。

貴社で働くことで、環境への取り組みをさらに推進し、持続可能な社会の実現に貢献したいです。

谷所 健一郎

プロフィール

前半に鉄鋼業界を志望する理由を明確にしたうえで、応募企業の特徴を踏まえた魅力を具体的に伝えていて、納得できる志望動機です。

内定が決まった場合の「電炉メーカーに焦点を絞り」という部分は伝える必要がなく、具体的にどのような専門知識を学習するのか伝えましょう。

例文⑤特殊鋼メーカーの志望動機

例文⑤特殊鋼メーカー

私は、貴社が持つ技術力とイノベーションへの取り組みに魅力を感じています。貴社は特殊鋼の分野で先駆的な企業として知られており、高品質な製品の提供において他社をリードしています。

私は貴社が持つ技術的な挑戦に興味を持ち、先端技術の開発に貢献したいという熱意があります。また、貴社は従業員の成長を支援する環境が整っており、個々の能力を最大限に伸ばすことができる点に共感しました。

鉄鋼は私たちの日常生活に欠かせない素材であり、建築や交通機関、家電製品など、さまざまな製品に使われています。鉄鋼業界でのキャリアを通じて、多くの人々の生活に貢献し、社会に役立つ製品を生み出す喜びを味わいたいと考えています。

また、鉄鋼業界は常に変化する産業であり、新しい技術やアイデアの発展が求められる点にも魅力を感じています。

貴社に入社後は、新たな素材の研究開発や製品の品質向上に注力し、より高性能な製品を提供することが目標です。また、環境への配慮を念頭に置いた製造プロセスの改善にも積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。

渡部 俊和

プロフィール

例文では入社意欲や企業への共感を伝えてから、鉄鋼そのものの存在価値という内容も入れ、そこから業界や会社に再度言及するというように、ミクロ→マクロ→ミクロという視点の推移があります。

視点の切り替えを使って説得力を高めているのが良いですね。

例文⑥特殊鋼メーカーの志望動機

例文⑥特殊鋼メーカー

私は、以前、貴社でインターンシップに参加しました。その際、特殊鋼の分野での研究開発に携わる機会を得ました。その経験により、特殊鋼メーカーならではの高度な技術力と革新的な製品に興味を持ちました。

貴社は、特殊鋼メーカーとしてさまざまな産業に向けた特殊な合金の製造に取り組んでおり、その製品が航空宇宙産業や自動車産業などに広く活用されていることに感銘を受けました。特殊鋼メーカーならではの応用分野に貢献することが、私のキャリアにおいて大きなやりがいとなると思っています。

また、貴社は持続可能性にも注力している点が魅力的です。特殊鋼のリサイクル技術や省資源化に取り組む姿勢は、社会に貢献する企業としての誇りを感じさせます。私も貴社の研究開発チームで活躍しながら、環境に優しい革新的な製品の実現に貢献したいと考えています。

小松 茂樹

プロフィール

インターンを引き合いにして、自身の体験に基づく志望動機が書かれているのは好印象です。具体的なキャリアビジョンが示されているのも良いですね。

一方、環境負荷の軽減や持続可能性に関心を示す動機がわかりづらいため、こちらについても自分の体験や主張を盛り込んで具体化していけると良いでしょう。

例文⑦販売会社の志望動機

例文⑦販売会社

私は、鉄鋼業界のなかでも貴社をはじめとする販売会社を志望しています。鉄鋼は私たちの社会において欠かせない産業であり、建築や製造、エネルギー産業など、多岐にわたる分野に製品を提供しています。そのような重要な産業に携わりながら、多くの企業や個人とのビジネスを築くことに魅力を感じています。

特に販売会社としての役割は、製造と顧客の架け橋となることが重要です。私はコミュニケーション能力に自信があり、顧客のニーズを的確に把握し、最適な製品を提案することができると考えています。

また、鉄鋼業界は常に変化する産業であり、新しい製品や技術が次々と登場しています。私は常に情報を収集し、市場の動向を把握することで、顧客にとって最善の製品を提供したいと思っています。

また、以前会社説明会のなかでお話しされていた貴社の顧客への真摯な姿勢にも強く共感しました。貴社は社員の成長を支援する環境が整っており、自己成長とともに貴社の成長にも貢献したいと考えています。貴社で働くことで、鉄鋼業界に貢献し、社会に役立ちたいと思っています。

谷所 健一郎

プロフィール

鉄鋼業界と販売会社の魅力を具体的に伝えており、さらに説明会で話を聞いた応募企業の特徴を盛り込んでいるので、好感が持てる志望理由です。

貢献という言葉を2度使っていますが、どのように貢献したいのかまで伝えると良いですね。

例文⑧販売会社の志望動機

例文⑧販売会社

私は、鉄鋼業界の販売会社を志望します。鉄鋼業界は産業界全体において欠かせない存在であり、多様な顧客とのかかわりを持つことができる点に魅力を感じます。

学生時代、私はアパレル店でアルバイトをしていました。その経験を通じて、顧客とのコミュニケーションが販売の成功に不可欠だと気付きました。私は顧客との対話を通じて彼らのニーズを理解し、最適な提案をすることで、多くの顧客に喜んでいただくことができました。

この経験から、販売の仕事に強い興味を抱き、鉄鋼業界の販売会社を志望する決心をしました。鉄鋼業界は産業界全体において欠かせない存在であり、多様な顧客とのかかわりを持つことができる点に魅力を感じます。

また、顧客との信頼関係を築くことに自信があり、その信頼をもとにして長期的なビジネスを展開することができると考えています。

さらに貴社は鉄鋼業界において高い評価を受けており、顧客満足度の向上にも注力している点に魅力を感じました。鉄鋼業界は常に変化する産業であり、迅速かつ適切に対応することが求められます。

私は柔軟な発想と協力する姿勢で、貴社のチームに貢献したいと考えています。

渡部 俊和

プロフィール

「顧客との信頼関係を築くことに自信がある」と言い切れる学生は少数なので、この部分にインパクトがあります。面接などでその裏付けを詳しく聞きたくなります。

「柔軟な発想と協力する姿勢」は全体とのつながりが薄いので言葉を変えたいですね。

例文⑨その他関連企業の志望動機

例文⑨その他関連企業

私は、鉄鋼商社とさまざまな産業とのビジネスチャンスに魅力を感じ、貴社を志望しています。また、鉄鋼商社は国内だけでなく国際市場にも関与しており、世界中の企業との取引がおこなわれています。

貴社は鉄鋼商社として長年の歴史と実績を持ち、国内外の顧客との幅広いネットワークを築いています。また、貴社の信頼と信用の築き上げられたブランドに魅力を感じました。

貴社の取引先とのパートナーシップの強化や新たなビジネス展開に貢献することが、私の目指すキャリアの成長につながると確信しています。

また、私は大学時代に1年間アメリカに留学経験もあるため、言語力を活かして異文化を理解し、国際的な視点でビジネスを展開することにも魅力を感じています。得意な英語を活かして、新たなビジネス戦略の立案や効果的なマーケティング活動に貢献したいと考えています。

小松 茂樹

プロフィール

企業の国際的な取引や信頼性を評価したうえで、自身の留学経験にもとづいて志望動機と貢献意欲を具体的に示し、一貫性を感じることができます。

一方、「パートナーシップの強化や新たなビジネス展開に貢献する」ことについて、自身が志望する動機や目的、どのように貢献していきたいかという具体性が不足しているため、ここについての記述を増やすと良いでしょう。

例文⑩その他関連企業の志望動機

例文⑩その他関連企業

私は鉄鋼商社で、多様な企業との連携を通して新たなビジネスチャンスを創出したいと考えています。

鉄鋼業界は経済の基盤を支え、産業の発展に欠かせない重要な役割を果たしています。商社は鉄鋼製品の流通や販売を担当し、時には国境を越えた連携を通じて市場のニーズに応えています。

昨年7月に参加した貴社のサマーインターンで、「商社は鉄鋼製品の流通を担当することで、多くの産業と連携する機会がある」と〇〇部の〇〇さんにお聞きしました。その言葉から、異なる産業とのビジネス連携を通じて新たな需要を見出し、市場に適した製品を提供することができることに魅力を感じました。

私には、貴社の成長に貢献したいという強い意志があります。鉄鋼商社の仕事に必要なコミュニケーション能力や交渉能力を身に付け、貴社に貢献したいと考えています。

また、異文化を理解し、国際的なマインドセットを持つことで、貴社のグローバル展望をサポートし、国際市場における貴社の競争力を高めたいと考えています。

小松 茂樹

プロフィール

結論と理由が明確で、自分の意思やビジョンも示せているので、非常に整理された文章です。サマーインターンを引き合いに、自身の体験に触れている点も良いですね。

一方、後半で記載されているスキルアップについては記載が表面的であるため、具体的にどのように取り組んでいくのかを例示できると良いでしょう。

面接の志望動機の答え方についても、こちらの記事で実際の面接の前に回答例を確認しておきましょう。

サマーインターンは早い時期に本選考の準備ができるチャンスです。サマーインターンに興味のある学生は次の記事も必見です。

鉄鋼業界は経済の基盤を支える存在! まずは企業研究から取り組んでみよう

鉄鋼業界は、自動車から建設といった幅広い産業を支える基幹産業として、日本経済において欠かせない存在です。しかし、その規模の大きさゆえに、自分が働くイメージができないと感じることもあるでしょう。

そんなときは、記事で解説した業界の特徴やビジネスモデルに立ち返ってみてください。基本情報を押さえることで、鉄鋼業界でキャリアを積むことの魅力が具体的にイメージできるようになります。

ここまで読み終えて、鉄鋼業界で働くことに興味を持った人は、まず各企業の事業領域や強みを詳しく調べることから始めましょう。企業研究を通じて業界への理解を深めたうえで、自分の価値観に合った企業を見つけ、納得感のある就活にしていきましょう。

アドバイザーのリアル・アドバイス!

鉄鋼業界には多様な仕事がある

ひと言で「鉄鋼業界」といってもそのなかには多様な仕事が含まれ、関連する産業も多岐にわたっています。

大手は選考倍率の高い有名企業が多いですが、実はグループ会社も数多く存在し、地方に子会社などもあるので選択によっては仕事の幅は非常に広くなります。

生活のなかにある鉄製品すべてにこの業界がつながっていることを考えれば、製品の幅が広いこともわかり、より鉄鋼業界を身近に感じられるようになるのではないでしょうか。

業界と企業の研究を徹底して選考に臨もう

記事のなかでも触れていますが、歴史が古くビジネスモデルも人材育成もしっかりした基盤があります。私も鉄鋼業界での研修講師を担当することがありますが、環境面でも働きやすい企業が多い印象です。

また、歴史と伝統があるだけでなく、そのうえで新しい加工技術や新興国への海外展開など変化に対応する最先端の領域もあり、どのような人でも活躍できる懐の深さをもった業界といえるのではないかと思います。

基本的にBtoBの業界であり関心を持って調べないとわからないことも多いので、業界研究、企業研究をどこまでできるかによって大きな差が付きます。研究をしっかりおこなって選考に臨みましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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