エントリーシートの志望動機の書き方! 内容・構成・整え方のコツを解説

6名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる

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  • キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役

    Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する

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  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

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  • 国家資格キャリアコンサルタント

    Gaku Baba〇製造メーカーやITベンチャーの企業人事に従事する傍ら、キャリアエージェントとして数多くの転職希望者の支援も実施。幼児教育事業も展開するなど、幅広い年代のキャリア支援に携わる

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  • 国家資格キャリアコンサルタント/2級ファイナンシャル・プランニング技能士

    Keisuke Yamada〇沖縄県職員として18年間務めた後、キャリアコンサルタントに転身。お金や仕事に関するセミナーや個別指導などで、のべ2,500人を超える受講者や学生のキャリア支援をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

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この記事のまとめ

  • ESの志望動機の書き方を3つのステップで解説
  • 企業が志望動機を聞く目的を把握しよう
  • 業界別・職種別・共感ポイント別例文を紹介
  • この記事を読んでいる人に
    おすすめな作成ツール(無料)

  • 志望動機作成ツール

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エントリーシート(ES)を作成する際に必須項目といえるのが志望動機です。ですが、「どう内容を考えれば良いのだろう」「どう書けば良いのかわからない」と頭を悩ませる人も多いのではないでしょうか。

志望動機は書類選考のなかでも特に重視される項目の一つです。しっかりと対策しなければ、「企業に入りたい」という意思が伝わらず、書類選考の時点で不合格につながります。書くべきことを理解して、熱意の伝わる志望動機を作成しましょう。

この記事では、会社員時代に人事として3,000人以上の学生と面談してきた上原さん、NHK総合の就活番組の監修経験がある瀧本さん、数多くのキャリア相談を受けた隈本さん、馬場さん、山田さん、鈴木さん、高尾さんの7人のキャリアコンサルタントと、ESの志望動機の書き方を解説します。書類選考を控えている人は参考にしてくださいね。

特に、採用に携わった経験がある高尾さんからの「高評価を得られる志望動機の特徴」のコメントは必見です。

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目次

エントリーシート(ES)の志望動機は3ステップで書ける!

ESの志望動機は、企業に熱意や志望度を伝えるための大切な項目です。苦手意識を持ってしまうと、熱意を込めることができず「この学生は本当に入社したいのかな?」と採用担当者に疑念を抱かれてしまいます。

ただでさえ忙しい就活中に、企業ごとに準備しないといけないため、なかなか手着かずという人もいるでしょう。しかし、実は3つのステップを攻略すれば、誰でも簡単に書くことができるのです。

この記事では、まず企業が志望動機を聞く目的や見ているポイントを解説しています。ESでの志望動機の書き方に入る前に前提として、理解しておくべき内容です。

その後、書き方の3ステップに沿ってそれぞれで取り組むべきことを紹介します。大まかな流れを把握したうえで、細かな手順を把握しておきましょう。

最後に、業界別・職種別・共感ポイント別の例文をキャリアコンサルタントの解説付きで紹介しています。参考にして、自分のオリジナルの志望動機を作成していきましょう。

志望動機の基本的な作成方法について知りたい人は下記の記事を参考にしてみてください。

志望動機の作り方
志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説

志望動機の例文
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ

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企業が志望動機を聞く目的・見ているポイントとは?

志望動機の内容を考える前に、まずは企業が志望動機を聞く目的を理解しましょう。目的が理解できていないまま志望動機を作成してしまうと、企業の求めている内容にはならない可能性があります。

企業の目的を理解して、どのような内容を盛り込むべきか方向性を決定づけるようにしましょう。

また、どんな点に気を付けるべきなのかも大切です。企業が見ているポイントを知ることで、効果的な志望動機を作成することができます。

目的

企業が志望動機を聞くおもな目的は下記の3つです。

企業が志望動機を聞く目的

  • 入社や業務への意欲を知りたい
  • 入社後に活躍するポテンシャルがあるか見たい
  • 仕事に対する人柄を知りたい

志望動機とは、企業が応募者の「意欲」「将来性」「人柄」を知ることを目的としたものです

企業は、多大な採用コストをかけた人材に長く働いてもらいたいと考えており、早期離職する可能性のある人は採用したくありません。そのための一つの判断材料として、入社や業務への意欲を知ろうとしているのです。

また、応募者のモチベーションを探る目的もあります。希望の働き方が自社の社風と合っているかを確認し、入社後に活躍できる将来性があるかを見極めるのです。

さらに、仕事に対する価値観を知ることで応募者の人柄を理解したいという思いもあります。人柄を知ったうえで「一緒に働きたい」と思える人物であれば採用につながるでしょう。

アドバイザーからワンポイントアドバイス志望動機で最も重視しているのは入社後活躍するポテンシャルがあるか

企業が志望動機について聞く目的のなかで一番重要視していることは、学生が入社後に活躍するポテンシャルがあるかどうかを早い段階で発見したいということです。

これは、採用担当者の大きな仕事として、高いポテンシャルを持つ学生に入社してもらうことが課せられているからです。そして、企業は学生が自社以外にも就職活動をおこなっていることを当然知っています。そのため、より良い人材を採用するために躍起になっているのです。

ESの志望動機で良い印象を残すことで面接も良いスタートを切れる

企業研究や自己分析など事前に十分におこない、整理をして、ESを作成しましょう。しっかりと深掘りした内容を記載することが大切です。

志望動機は面接の最初に聞かれることが多い質問です。最初の印象は強く残ると言われています。つまり、ESの内容を踏まえて面接がおこなわれる場合は、ESの志望動機の内容が面接にまで大きな印象に影響を及ぼす可能性があるので、しっかり作成しましょう。

見ているポイント

志望動機は熱意を伝えるものですが、熱い思いは対面で話したほうが伝わりやすいことが多いでしょう。なぜなら、言葉に加え身振り手振りや目線で感情を伝えることができるためです。

一方で、ESでは振る舞いを通して熱意を伝えることができないため、内容面で表現を工夫することが必要となります。

ESの志望動機で、意外と多いのが、企業への想いが文章を通じて伝わっていないケースです。そもそも理解できる文章を書かなければ、評価の対象にさえなりません。

一般的に、話すことよりも書くことのほうが難しいといわれています。そのため、ESでは簡潔にわかりやすく伝える意識を持つことも重要です

ESの志望動機を作成する際は、「熱意」と、それを伝えるベースになる「簡潔さ」「わかりやすさ」を意識するようにしましょう。

アドバイザーのリアル・アドバイス!短時間で読まれるため簡潔でわかりやすい記載が不可欠

就活においてESの役割とは、企業に応募する際に提出するもので、最初の関門である書類選考に用いられます。直接会って熱意を伝えることができないため、どれだけ内容を工夫できるかが合否に直結する難しい書類の一つです。

ESによる書類選考に通るためには、入社に対する熱意を伝える書き方が大切なポイントとなります。採用人事はほかの業務をおこなったり、同時に複数人の書類をチェックしたりするため、閲覧時間は短めです。そのため、読みやすさを意識した簡潔な記載も求められるでしょう。

面接の回答のベースになるため今後苦労しないように作りこもう

また、面接に進んだ場合にも、ESは参考資料として使われるため、質問や確認事項についてもESをベースにおこなわれます。今後矛盾が発生しないように、しっかりと作りこむことが大切です。

ESは企業独自のフォーマットで作成することが多いため、記載する項目も微妙に異なることがあります。また、記入欄が広く設けられていることもあって、練習のための受験と考えている人にとっては作成にかなり苦労する面があるでしょう。

限られた時間で対応するためにも、ESの志望動機の作成については、ポイントをしっかりと押さえておくことが大切です。

ESの志望動機の書き方3ステップ

ESの志望動機の書き方3ステップ

  • 盛り込む内容を考える
  • わかりやすい構成にする
  • 読みやすい内容に整える

ここからは、志望動機の書き方を3つの手順で説明していきます。書き方のコツをつかむことで、志望動機への苦手意識もなくなり、一社一社に熱意を込めて作成することができるでしょう。

一つずつのステップを順番に進めることで、わかりやすく読みやすい志望動機になるため、読み飛ばさず丁寧な確認が大切です。それぞれを自分に置き換えて、オリジナルの志望動機を作成してみてくださいね。

ステップ①盛り込む内容を考える

企業にとって、学生の価値観が自社とマッチするかは非常に重要なポイントとなります。なぜなら、社風や価値観が異なっている学生が入社した場合、入社後のミスマッチにより早期退職につながる恐れがあるからです

必要なスキルや経験については、入社後に身に付けることができますが、学生の根底にある価値観を変えるのは非常に難しいでしょう。そのため、企業はESの志望動機から企業と学生の価値観が合っているかを見極めているのです。

こうした企業側の視点を理解したうえで、まずは企業と自分の価値観がマッチする部分を見つけることから始めましょう。

ステップ②わかりやすい構成にする

採用担当者は非常に多くのESに目を通し、書類選考の通過者を決めています。そのため、瞬時に内容を理解できる論理的な構成が必要不可欠です。

どれだけ、熱意を込めた素晴らしい内容であっても、結局何を伝えたいのかがわからないと、選考を通過することは難しいでしょう。

また、わかりやすい構成で作成することで、企業に対して物事を構造的にとらえる力や、わかりやすく伝える力があることをアピールできます。これらは、基本的なビジネススキルでもあるため、入社後の活躍イメージを共有することも可能でしょう。

自分の伝えたいことを羅列するのではなく、相手にとってわかりやすいかどうかという点を意識して作成することが大切です

ステップ③読みやすい内容に整える

ESの志望動機で見落としがちなのが、読みやすさです。非常に熱量が感じられて、わかりやすい構成になっていたとしても、誤字脱字が目立ったり、理解に時間がかかる表現だったりすると、それだけでマイナスの評価につながる可能性があります。

このような志望動機は、企業から見ると「最後の詰めが甘いタイプだから、入社後の仕事でも雑な仕事をするのではないか」「顧客の対応を任せるのが不安だな」などと入社後の不安を感じ取ってしまう可能性があるでしょう

逆に、誤字脱字がなく、相手に伝えることを目的とした読みやすい志望動機であれば、「丁寧な仕事ができそうだ」とポジティブな印象を与えることができます。

対面でカバーできない分、ESの内容から人柄をアピールしていきましょう。

アドバイザーのリアル・アドバイス!ESの志望動機には盛り込むべき3点がある! 独自性のある内容にしよう

採用担当者の心に残るESは、WebサイトやIR情報だけでは得られない「その会社ならではの具体性」を盛り込んでいることが特徴です。

具体的には、①企業固有の事実にもとづいた志望理由、②自身の強みが発揮できる再現性の証拠、③入社後の具体的な貢献計画、この3点が一本の線としてつながっているものが説得力があり高評価につながります。

まず最初の2行で「志望軸×その企業でなければならない理由」を、固有名詞と具体的な数値を用いて明確に示しましょう。たとえば「貴社の〇〇地域におけるSaaS戦略と、自身の△△という目標が合致した」のように、顧客数や直近の新規事業名などを挙げ、あなただけの志望理由を打ち立てます。

中盤では、アピールする強みを1点に絞り、その能力がどのように発揮されたのかを行動と成果の両面から数字で証明しましょう。「来場率を22%向上させた」「作業工数を30%削減した」など、具体的な数値を提示することで、あなたの強みが単なる自己評価ではなく、客観的な事実であることを伝えることが大切です。

そして志望動機の締めくくりには、その職務で求められる成果指標(KPI)に即した貢献シナリオを提示します。「入社後3ヶ月でCRM領域に習熟し、1年以内に受注率でトップを目指します」といったように、具体的なタイムラインと目標を置くことが重要です。

さらに、競合他社との比較や、事業課題に対する自分なりの仮説にまで踏み込むことができれば、ESはより一層際立ちます。

「調査の結果、解約率の山はオンボーディングの〇週目に発生していると推察します。だからこそ、私の〇〇の経験をこのように活かせると考えます」といった分析は、あなたの深い企業理解と問題解決能力を示す強力な証拠となるでしょう。

志望動機を通じて入社後のイメージを共有できれば内定にぐっと近づく!

文章全体を通して、一文は40字程度を目安に、主語と述語を近づけてわかりやすさを追求し、「頑張る」といった抽象的な言葉は具体的な行動例に置き換えることを心掛けてください。

「理念に共感した」「学びたい」といった言葉も、それ単体ではアピールとして不十分です。必ず「企業との接点→自身の具体的な実績→入社後の貢献」という因果関係で結び付け、「この応募者をどの部署に配置すれば、どのような成果を出してくれそうか」と、読み手が明確にイメージできるレベルを目指しましょう。

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ステップ①盛り込む内容を考えよう

ここまでで、ESの志望動機の基本的な書き方について理解できたと思います。

とはいえ、「書き方はわかったけど具体的にはどうすれば良いの?」と思っている人もいるでしょう。

この章では、一番最初に取り組むべき、企業と自分の価値観のマッチする部分の探し方を解説していきます。志望動機を作成するうえで非常に重要なポイントとなるため、一つずつ確認しながら、企業との共通点を見つけていきましょう。

上原 正光

プロフィール

文章を書く際は、文章を膨らませるだけ膨らませた後に、徹底的にそぎ落とす作業がおすすめです。

まずは、自分の思いや訴えたいことをできるだけ集めて書いてみることが必要でしょう。そのためには、何を書いたら良いのか抽出する事前準備が重要です。

企業が大事にしていること・活動を調べる

まずは、志望する企業が何を大切にしていて、社会に対してどのような価値を提供しているのか、そのためにどんな活動をおこなっているのかを調べましょう。

調べる際は、企業のホームページ(HP)に掲載されている、企業理念やビジョン、社員インタビューなどからの情報収集がおすすめです。そのほか、中期経営計画やIRなどからも、企業の詳しい活動状況を知ることができるでしょう。

たとえば、地域に貢献する活動についての記載がある場合は、地元地域との良好な関係性を読み解くことができ、地域に根付く企業でありたいという企業の姿勢が見えてきます。

社員インタビューからは、社員一人ひとりがどのような想いを持って仕事に向き合っているのか、どんな社員が活躍しているのかを知ることができるでしょう。

このように、さまざまな方法で企業について知ることで、表面的な情報ではなく、企業が本当に大切にしている価値観を読み解くことができます

企業HPのなかでも、上記以外に「トップメッセージ」や「プレスリリース」、「年次報告書」などの情報を見てみましょう。

その企業が具体的に何を大事にしているのかを確認でき、どのような活動をしているかを把握しやすくなります。

自分の「好き」「得意」「価値」を見つける

次に、自分自身と深く向き合い、これまでの人生を振り返ってみましょう。これは、いわゆる自己分析と呼ばれるものです。

自己分析をすることで、あなたがどんなことが得意で、どんな場面に心動かされるのか、どういったことを大切にしていきたいのか、などを知ることができます。これまでの経験のなかから、「好き」「得意」「価値」という3つの要素を抽出してみましょう。

そして、これら3つが重なり合う部分に、あなたが就活において大切にしたい軸が隠されています。自分の譲れない軸が見えてくると、企業選びにぶれがなくなり、本当に納得のいく企業を自分自身の意思で決めることができるようになるのです

自分の軸が定まっていないと、志望理由がわからず「なんとなくこの企業を志望している」という状態に陥ってしまいます。志望動機に具体性と熱意を込めるためには必須です。

上原 正光

プロフィール

まず自分の経験を振り返ってみましょう。やっていて楽しかったこと、苦にならなかったこと、打ち込めたこと、向いていると思ったことなどを思い返してみます。

そんな自分の「好き」と共通する点が企業にないか考えてみます。そうすると、企業に魅力を感じた点を深掘りすることにつながりますよ。

企業と自分のマッチする部分を見つける

最後に、企業が大切にしている価値観とあなた自身の価値観のすり合わせをおこないます。志望動機を作成する際にもっとも大切な部分です。企業側は、自社への思いが強く、熱意を持った学生を採用したいと思っています

そのため、「なぜこの企業を志望するのか」という問いに対しての明確な答えを求めているのです。とはいえ、説得力があり納得感のある内容でないと、取って付けたような印象を与えてしまいます。

たとえば、「御社の企業ビジョンに共感しました」だけだと、説得力に欠けてしまうため、「御社の”革新的な技術で社会問題を解決する”という企業ビジョンと”誰もが安心して暮らせる生活基盤を整えたい”という私の就活の軸が一致したため志望致します」など、どのような点にどう共感したのかを具体的に伝えると説得力が増すでしょう。

ほかの企業用に作成したものを使い回しするのではなく、この企業だからこそ言える志望動機を作成するためにも、価値観のマッチを見落とさないようにしてください。

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ステップ②わかりやすい構成にしよう

自分と企業とのマッチする価値観を見つけることができたら、次はそれを「相手にわかりやすく伝えるためにはどうすれば良いか」というステップに移ります。

どんなに素晴らしい内容であっても、採用担当者に伝わらなければ意味がありません。採用担当者は、多くのESを短時間で見る必要があるため、結論がわからなかったり、話の方向性がわからなかったりすると、その時点で読むのをやめてしまう可能性があります。

さらには、「自分の伝えたいことをまとめられる論理的思考力が備わっていない」と判断されるリスクも考えられるでしょう。

ここでは、あなたの熱意をわかりやすく伝えるために必要な、構成の3つの要素について解説していきます。

結論:なぜ企業を志望するのか

PREP法

まず始めに伝えるのは、結論となる、その企業を志望する理由です。結論から伝える方法はPREP法と言い、ビジネスでは基本のコミュニケーションとされています。

PREP法

「Point(結論)」、「Reason(理由)」、「Example(実例・具体例)」、「Point(結論)」の順で書く文章作成術

結論から書かなければ、採用担当者は最も知りたい答えをすぐに得られずに、「つまり何が言いたいのだろう」と考えながら続きを読むこととなってしまいます

鈴木 洵市

プロフィール

結論から書かれていないESを読んだ場合、書類審査の時点で不採用になりやすいです。

採用担当者は数多くのESを見ており、形式的に違和感を感じると内容を確認することなく通過できない可能性が高いのです。

「なぜ企業を志望するのか」の例

私が企業を志望する理由は、学生時代の部活動の経験から「どんなことにも挑戦し続ける」という企業理念に共感したためです。

理由:根拠となるエピソードは何か

結論に説得力を持たせるために、根拠となるエピソードを書きます。たとえば、「企業理念に共感した」という志望動機があったとしても、「実際に志望動機と類似した考え方を持って行動を起こした」というエピソードがなければ、本当に共感しているのかが伝わりにくいです

ステップ①で深掘りした際に学生時代のエピソードを見つけられているのであれば、それを使用しましょう。見つけられていなければ、改めて振り返ってみてくださいね。

根拠となるエピソードを伝える例

学生時代に未経験から吹奏楽部に所属し、大変な思いをしたもののその分見える世界が広がりやりがいを感じた経験があるためです。

志望理由はなんとなくあるのですが、それと結びつくエピソードが思い浮かびません。考えるコツを教えてください。

なんとなく感じた志望理由に紐づく過去を思い出そう

エピソードとは、志望理由の裏付けとなる経験のことです。「自分がどうして数ある企業のなかからその一社に興味を惹かれたのか」という観点から、考えを整理していくとエピソードを深掘りしていくことができます。

まずは、なんとなくある志望理由が、「やりたい仕事がある」「経験が活かせる」「〇〇に興味がある」など、どういった種類に分類されるのか明確にしましょう。

「やりたい仕事がある」「〇〇に興味がある」ならば、そう感じた瞬間を思い出して具体的に書くと良いでしょう。「経験が活かせる」ならば、具体的にその企業の事業や業務に関連する経験について書くことで、説得力が増します。

締め:企業でどう活躍するのか

最後に、企業でどう活躍するのかを書きます。これは、ステップ①で考えた、企業と自分のマッチする部分の内容を活用しましょう。この内容で締め、企業で活躍できる人材であるという印象を残すようにします

企業でどう活躍するのかを伝える例

「どんなことにも挑戦し続ける」という企業理念のもと、不可能を可能にするさまざまなシステム開発に挑戦し、社会に貢献したいです。

鈴木 洵市

プロフィール

どのように活躍したいかを記載していないことにより、キャリアビジョンがつかめず、「選考を通過させよう」という判断基準になる情報が不足しているというイメージになります。

志望動機の構成についてもっと詳しく知りたい人は下記の記事を参考にしてください。

構成
志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説

書き出し
例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法

締めくくり
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介

400字の場合の構成
志望動機を400字で魅力的に仕上げる! 採用される書き方の極意とは

ステップ③読みやすい内容に整えよう

志望動機が作成できたら、いよいよ最後の仕上げです。ESの志望動機では、採用担当者が読みやすい内容にすることも非常に重要なポイントとなります。

なぜなら、志望動機は、内容そのものも大切ですが、それと同時にあなたの人柄や仕事への姿勢を伝えることができるものだからです。入社後の丁寧な仕事を採用担当者がイメージできるように、丁寧に読み返して提出しましょう。

最後まで気を抜かず、チェックしてみてくださいね。

チェックリストを使う

作成した志望動機が本当に読みやすい内容かどうかを確認するのは、意外と難しいものです。そこで活躍するのがチェックリストとなります。

今回は4つのチェック項目を設けているので、提出前に一度確認してみてくださいね。

このほかにも気になる項目がでてきた場合は、随時付け足して、オリジナルのチェックリストを作っていきましょう

チェック項目
短い表現にできるところはないか漠然とした表現
例:大学で一番規模の大きい→〇名規模の

熟語に動詞がついているもの
例:〇〇を実施する(実施+する)
→〇〇する

曖昧な表現
例:だと思います→します
削除できるところはないか意味のない強調
例:絶対に、とても、何度も、なかなか
読みやすい内容にするためのチェックリスト

「できる」という言葉はよく使いますが、「〇〇することができる」のように書く人が多くいます。志望動機は基本的に自発表現を使うので、適度に「れる」「られる」を用いましょう。

また、同義語や類義語の重複使用や、二重敬語のようなものも、読み手からは冗長に感じられます。

チェック項目
難しい専門用語を使っていないか難しい専門用語
例:デバッグ
→ソフトウェアのエラーを見つけて
修正する作業
句読点の位置に違和感がないか句読点の位置に違和感がある
例:私が、貴社を志望する理由は、
〇〇に、魅力を感じているからです。
→私が貴社を志望する理由は、
〇〇に魅力を感じているからです。
読みやすい内容にするためのチェックリスト

上原 正光

プロフィール

エピソードを書く際に、状況説明に字数を割きすぎないように注意しましょう。

大切なのは、そのときに何を考え、どんな行動をすることで問題を解決したのかです。これは面接でも詳しく聞かれる内容でしょう。

また、面接官のほうが詳しいような会社の説明も不要です。書きすぎて誤ったとらえ方をしていると思わぬ失敗を招くことがあります。

声に出して読む

声に出してみると、スムーズに読めないところがあるかもしれません。その部分は、文章がわかりづらくなっている可能性があります。

また、声に出して読むことで、視覚と聴覚で内容を確認することとなるため、より精度高くチェックできます

具体的には以下の観点でチェックしましょう。

声に出して読んだ場合のチェックポイント

  • 一回読んで理解できるか
  • 回りくどい表現を使っていないか
  • 説明を省略しすぎていないか
  • 句読点や文章のつながりに違和感がないか

第三者に見てもらう

「わかりやすい内容になっているか」はその話を初めて聞く人でないと気付けない可能性があります。そこで、第三者に見てもらうことも効果的です。時間があれば、就職エージェントや大学のキャリアセンターなど、就活のプロに頼ってみましょう

また、家族やサークルの後輩など、就活に詳しくない人に見てもらうこともおすすめです。就活や企業について何も前提知識がない人に見てもらうことで、より「どんな人にも伝わる」志望動機を作成できますよ。

アドバイザーからワンポイントアドバイス表記の統一や正しい表記を使うことを意識しよう

簡潔でわかりやすいかについては、本文にあるように読み直しなどが効果的です。文章としての読みやすさを確認するならば、以下のように漢字や平仮名の使い方にも注意しましょう。

①「表記ゆれ」がないか確認する

「表記ゆれ」とは、同じ文章のなかで、同音・同義で使われるべき言葉が異なって表記されていることです。

簡単に言うと、同じ語句なのに表記がバラバラになっているという意味で、ある場所では「例えば」と漢字になっているのに、別の項目欄では「たとえば」と平仮名になっているなど、表記ゆれが起こると読みにくさを感じてしまいます。

②記者ハンドブックを使って正しい表記をする

「表記ゆれ」にも関連することですが、文章を作成する際には、漢字や平仮名の使い分けはもちろん、使うべき語句の選択も重要です。

文章作成のルールについては、新聞記者が記事を作成する際に使用している「記者ハンドブック」に、語句や言い回し別に正しい表記形式がまとめられています。

それほど高い本ではなく、検索エンジンで調べるよりも確実に公的文書に対応した表記ができるため、就活を機会に購入して自分のESを見直してみましょう。

さらに高評価を狙うために! 「読ませる志望動機」を作るコツ

高評価を狙う「読ませる志望動機」を作るコツ

ここまでは、伝わる文章を作る方法を解説してきました。しかし、これはあくまで基本的なこととなります。たとえば人気企業を受ける場合は、応募者の数が多い分、優秀な人も多くなるため、より差別化する対策が必要です。

ここからは、採用担当者を惹きつける「読ませる志望動機」を作成するコツを解説します。周囲に差をつけて選考通過を狙いましょう。

書き出しでキャッチーな表現やタイトルを用いる

初頭効果

心理学では「初頭効果」と言い、最初の印象が今後に強い影響を与えるとされています。

初頭効果

最初に与えられた情報がその後強く印象に残りやすいという意味の効果

ESに志望動機を書く際も、最初に読まれる書き出しの部分で印象を付けられると、その後印象に残りやすくなります

冒頭で印象付けるには、キャッチフレーズやタイトルを用いることが効果的です。端的かつ印象深いもので、採用担当者を惹きつけましょう。

キャッチフレーズやタイトルの考え方

  • キャッチフレーズの考え方
    →強調したいワードをわかりやすい言葉で置き換えたり、比喩表現を用いる

    例:「一人ひとりがリーダー」を理念に掲げる貴社で、「〇〇サークルの羅針盤」と言われるリーダーシップを発揮して活躍できるのではないかと考え志望しました。
  • タイトルの考え方
    →全体を端的にまとめる表現を用いる

    例:「思いやり」を一貫している点に惹かれたため
    飲食店のアルバイトで相手を思いやるコミュニケーションを意識して働き、顧客から感謝された際にやりがいを感じたため、「思いやり」を理念とする貴社に惹かれました。

上原 正光

プロフィール

企業が掲げている理念やスローガン、多用されているキーワードを意識して文章に織り込んでキャッチフレーズやタイトルを作ると、当社のことをよく理解してくれているという、一体感を感じるようになります。

エピソードで個性が伝わる考え方・行動を書く

さらにエピソードでも採用担当者の興味を引くコツがあります。それは、考え方や行動を具体的に書き、個性を伝えるというものです。

たとえば以下のように、考えたこと、それにより行動したことを伝えることで人柄が伝わりやすくなります。事実を並べた文章よりも人柄が伝わる文章のほうが、自社に合った人材を見極めようとする採用担当者にとって興味深いものとなるでしょう

人柄が伝わりにくいエピソードの例

学生時代に未経験から吹奏楽部に所属し、大変な思いをしたものの、その分見える世界が広がりやりがいを感じた経験があるためです。

考え方・行動を加えて人柄を伝えるエピソードの例

高校生まで運動部に所属していたものの、吹奏楽部の同期への憧れがあり、大学時代に未経験から吹奏楽を始めました。

もっと視野を広げたいと思い、クラシック音楽を研究すると、その複雑さや繊細さに引き込まれ、世界が広がりました。最初は楽譜も読めなかったため大変なことがたくさんありましたが、新しいことを知るのは楽しく、努力した結果世界が広がりやりがいを感じました。

この経験から、社会人になっても挑戦を続けたいと感じました。

鈴木 洵市

プロフィール

個性が伝わるエピソードの特徴としては、やはり考え方や行動を書くことが良いです。画一的な表現ではなく、自分の言葉で伝えるようにしましょう。

締めで具体的なキャリアビジョンを伝える

志望動機は、入社後に活躍できる人材かを見たいという目的もあると解説しました。締めの部分で具体的なビジョンを盛り込み、採用担当者が入社後の活躍をイメージできるようにしましょう

入社後の活躍イメージを持ちにくい締めの例

「どんなことにも挑戦し続ける」という企業理念のもと、不可能を可能にするさまざまなシステム開発に挑戦し、社会に貢献したいです。

具体的なキャリアビジョンを加えて活躍イメージを残す締めの例

「どんなことにも挑戦し続ける」という企業理念のもと、人々の生活を支える公共インフラとITを結び付け、より安心な社会をもたらすシステム開発に挑戦したいです。

たとえば貴社の「道路×ITプロジェクト」をさらに発展させて、水道やガス、鉄道など、幅広い公共インフラのメンテナンスを実現するシステム開発に携わりたいと考えています。

企業が強みとしていることや、これから注力しようとしていることを企業HPや中期経営計画で読み取り、具体的なキャリアビジョンを伝えてみましょう。

具体的なキャリアビジョンを考えるコツを教えてください。

企業の事業方針と人材育成方針から数年ごとに考えよう

キャリアビジョンは、その会社で描くことを前提に考えることが重要です。そのため、志望している企業の経営方針や経営計画を確認して、企業の事業方針をまず理解します。

次に、人材育成などのキャリアパスについての情報を収集して、どのような育成方針なのかを調べましょう。

その後で、3年後、5年後、10年後などの具体的な年数に区切って、自分がどういった立場(役職など)に立って、事業計画内のどの分野に携わりたいかについてまとめていく方法がおすすめです。

アドバイザーからワンポイントアドバイス企業研究・自己分析を徹底し「どう貢献していくのか」を盛り込もう

企業は、やる気にあふれ将来の活躍が期待される学生を採用したいと思っています。そのために、なぜ当社を選択し具体的にどのような働き方をイメージしているのか、自分のどんな特徴を活かして会社に貢献できると思っているのかをESから読み取ろうとしているのです。

そこで、モチベーション高く働くことができる理由を、自分がモチベーションを感じるきっかけとなった具体的なエピソードをもとに、記述する必要があります。

また自己分析を通じて、自分のどんな特徴が会社に貢献できるのか、どんなことを目標としていきたいのか熱意を込めて示す必要があるでしょう。

瞬時にわかる内容で記載することが必須! 読み手への配慮を忘れずに

加えて、企業側は、大量のESを短時間で読む必要があるので、一目見ただけで業界・企業を志望した理由が伝わるような志望動機を作成する必要があります。

自己分析・企業分析を通じて志望動機を準備すると同時に、わかりやすい文書とすることが高評価につながるでしょう。

業界別の志望動機例文12選

ここからは、業界別の志望動機の例文12選を紹介します。

一口に志望動機といっても、IT、金融、メーカーなどの業界によって、求められる人物像が違うため、伝えるべき内容も異なるのです。業界ごとの特徴を知っておくことで、あなたの志望動機はより魅力的なものとなるでしょう。

どんな内容で書けば良いか知りたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。

①IT業界

例文

私が貴社を志望した理由は、「ITの力で世界を変える」という企業理念に共感したためです。

私は学生時代10名が参加する手話サークルに所属していました。手話サークルは毎週3回活動していましたが、練習の成果を披露する場面はなく、物足りなさを感じていました。それは部員にも共通しており、全体のモチベーションが低下しているのを感じました。

そこで、練習の成果を披露する場を設けるため、全国から300名が集まる「手話スピーチコンテスト」への出場を提案しました。そしてその年から出場することになり、結果サークルの3名が10位以内に入賞し、私は3位を獲得することができました。

この功績によりサークルの認知度が上がり、大学から一部費用負担をしてもらえるなど、周囲の目も変わりました。

このような、サークル全体の雰囲気を変え、より良いものを生み出した経験から、将来も今いる世界に疑問を持ち、変える力のある仕事をしたいと考えました。

そこで、「ITの力で世界を変える」を理念に、世界をより良い方向へと変えていくことを目指している貴社に惹かれました。入社後は、世界にどう変革を起こせるかということを常に考えて行動し、貴社に貢献させていただきたいです。

鈴木 洵市

プロフィール

上記の例文は、今ある環境からより良いものを作るという変革の意識を持っている学生であるイメージが伝わります。

また、企業に属しても課題意識を持ちながら良いものを作りたいと締めの言葉で再度意識を向けている点が良いですね。

IT業界にはさまざまな職種が存在します。下記の記事では職種別のIT業界の志望動機を例文付きで解説しているため、気になる人は参考にしてみてください。

②商社業界

例文

私が貴社を志望する理由は、チームワークを強みとする社風に惹かれたためです。

私が最も重視するのは、「チームワークを発揮して個人では乗り越えられない課題を乗り切り、高い成果を出す」ことであり、それができる貴社を志望します。

私は学生時代ラグビー部の主将をしていました。過去には全国大会に数年連続出場していたこともありましたが、私が入部してからの数年は出場を果たせずに、悔しい思いをしていました。

そこで、チームとして団結することが必要だと考え、毎日ペアを変えて練習する、その際必ず互いの良いところを褒めるというルールを設定したところ、ペアの練習以外にも褒め合う文化が生まれ、互いに協力し合う風潮ができました。

そしてチームワークが芽生え団結力が深まったことから、互いに積極的にアドバイスするようになる、自主的に周囲を呼び掛けて練習をするなど、普段の練習も充実するようになり、そのチームワークを活かして翌年には全国大会に出場することができました。

この経験から、チームの団結力を高めていくことが、大きな成果につながることを学び、今後社会人として働くうえでも大切にしていきたいと感じるようになりました。

その点貴社は、個々の個性を活かしながらもチームで働くことを大切にされていて、コミュニケーションの取り方も工夫されていると伺いました。そういった環境であれば、自分の目指している働き方ができるのではないかと思い、貴社を志望いたします。

上原 正光

プロフィール

上記の例文は、チームワークを大切にしたいという思いがエピソードとともに語られていて、それが志望動機につながっています。とてもわかりやすい内容です。

入社後、チームワークを大切にしながら、何を実現したいのか何に貢献したいのか、もう一段深掘りし具体的に述べられるとさらに良いでしょう。

一口に商社といっても、総合商社と専門商社があります。下記の記事では、それぞれの志望動機を例文10選で解説しているので、自分の希望する商社に合わせて参考にしてみてください。

③食品メーカー業界

例文

私が貴社を志望する理由は、日常のなかに彩りを添えることに一貫している点に共感したためです。

貴社は企業理念として「日常を、幸せに」を掲げられています。かつ実際に、たとえば調味料では約7割の人が貴社の商品を使っているなど、貴社の存在は大変身近にあります。

私は学生時代、料理が好きだったことから、十分な食事ができていない子どもを対象に食事を提供する「子ども食堂」のボランティアに参加しました。

通っている子どもたちは、最初は暗い顔つきをしていたものの、長期間通っているうちに明るい雰囲気になっているのを感じ取りました。子どもたちに聞いてみると、「ここで美味しい食事をしたり話をしたりできるのが楽しく、毎日を楽しみに生きるようになった」と言われました。

そこで、食事という日常生活を支えるものは、人々の幸せにつながり、時に人を救う存在になるのではと考えました。「救いになる存在」になっていることにやりがいを感じたことから、将来も「食」にかかわることで人々を救える存在になりたいと考えました。

そこで実際に、同様の理念や事業をおこなう貴社に惹かれました。

貴社は企業理念をもとに、すでに多くの人の生活に必要不可欠なものとして認知されるブランドを数多く作られています。また、食事を満足にできない子ども向けに「子どもたちへの食事配膳プロジェクト」をおこない社会課題の解決にも注力されています。

そのような、献身的に人々の日常を支える貴社の一員として、私も貢献していきたいと思いました。

上記の例文に記載されている内容は、しっかりと経験を通して語られており、良い志望動機だと思います。

理念への共感を踏まえたうえで、自分の価値観と一致するということをより具体的に書けると良いですね。

食品業界は学生に人気の高い業界の一つです。下記の記事では高評価を狙える志望動機の書き方を解説しています。差別化したい人は参考にしてみてください。

④アミューズメント業界

例文

私が貴社を志望する理由は、「多くの人を笑顔にしたい」という夢を実現できると考えたためです。

大学では落語研究会に所属し、月2回、劇場での公演に加え老人ホームなどで披露していました。そこで多くの人に自分の話で笑ってもらうことが楽しいと感じていたのですが、もっとやりがいを感じたいと思い、自分なりに工夫する方法を考えました。

そこで現代の若者言葉を投影したセリフを入れたり、一部紙芝居形式を取り入れたりすることで、さらに笑ってもらうことができました。自分なりの表現力を活かして多くの人々を笑顔にできたことにやりがいを感じ、将来もこのようなやりがいを感じられる仕事をしたいと考えました。

貴社はアミューズメント業界売上1位の成績を持ち、多くの人を笑顔にできる影響力があります。加えて私が志望する企画職で、私の表現力を活かして貢献させていただきたいと考えています。

鈴木 洵市

プロフィール

上記の例文は、表現力を活かして貢献したいという意思が見えるものになっています。

ただ、志望動機の締めの部分で、業界1位であるから影響力があり、影響力があるから多くの人を笑顔にできるという論理展開が少し飛躍していて違和感を覚えられる可能性があると感じました。

そのため、業界売上1位の事実については触れないほうが良い文になると思います。

⑤保険業界

例文

私が貴社を志望する理由は、「困っている人に手を差し伸べる」という姿勢を徹底されているところに惹かれたためです。私は困っている人の手助けをしたときに最もやりがいを感じるため、それができる貴社に魅力を感じました。

私は学生時代、大学受験の勉強のアシスタントをする、予備校のチューターアルバイトをしていました。20名の生徒を担当していましたが、そのなかでも志望校と実力の偏差値の差が15ある生徒がおり、精神的に追いつめられている様子でした。

そこでまずはコミュニケーションを頻繁におこない信頼関係を築き、かつ生徒の話を否定せず聞くということを心掛けました。

しばらく続けると、いつの間にか信頼関係を構築できていて、学習計画を緻密に立てることができるようになっていました。生徒の本音を取り入れながら学習計画を立てることができたため、実態に即した支援をすることができたと思います。

結果的に担当生徒は志望校に合格することができ、困っている人の支えになることにやりがいを感じました。この経験から、将来も、困難に陥っている人に手を差し伸べたいと考えました。

損害保険業界では、事故に遭われ困難に遭っている顧客に手を差し伸べることができます。中でも貴社は、事故後のアフターケアも充実しており、寄り添う姿勢を徹底して大切にされていることに魅力を感じ、貢献させていただきたいと考えました。

上記の例文は、志望理由としての構成や流れについては、かなり良い内容かと思います。

ただ、「困っている人に手を差し伸べる」という点に主観的な判断が入っているように感じるので、企業の理念や事業方針などの事実をもとに言葉を選んだほうが良いでしょう。

保険業界は身近な業界ではないため、志望動機が作成できないと悩む人もいるのではないでしょうか。下記の記事では、保険会社の志望動機の書き方を解説しています。コツが知りたい人は参考にしてみてください。

⑥コンサルタント業界

例文

私の夢は日本企業における国際的な競争力を上げることであり、それを実現できる貴社に惹かれ志望しました。

私は大学2年生の時に1年間アメリカに留学し、IT企業の米国インターンシップに参加しました。ソフトウェアの会社でしたが、日本の技術や商品が多く取り入れられていることに感動しました。

帰国後さらに調べてみると、企業規模にかかわらず耐久性や機能性が良い商品を開発している企業が多いことがわかりました。特に中小企業は、技術はあるにもかかわらずグローバル展開のノウハウを持っていないことで、それを世界に提供できていないという実情を知りました。

そこで留学先でインターンに参加して得た知識を皮切りに、海外の企業が求めることと日本の中小企業が持つ技術をつなぐ懸け橋になりたいと考えました。
貴社では、特に中小企業のグローバル展開のためのビジネスコンサルタントに注力されており、熱意を持って貢献させていただきたいと考え志望しました。

上原 正光

プロフィール

上記の例文では、その企業を志望するに至った経緯が、自らの経験にもとづいてわかりやすく述べられていてとても良いと思います。

どんな中小企業を対象として、具体的にどのような支援をしていきたいのかを面接の際には述べられるように準備しておきましょう。

例年学生人気の高い業界の一つがコンサル業界です。高い競争率を勝ち抜くためには、企業に刺さる志望動機を作成する必要があります。下記の記事では、コンサル業界の志望動機で必ずアピールするべき内容について解説しているので、参考にしてみてください。

⑦証券業界

例文

私が貴社を志望する理由は、他人の立場に立ったコミュニケーション力を重視している姿勢に共感したためです。私が人生で何より大切にしているのは他人を慮ったコミュニケーションであり、それを重視している貴社に入社させていただきたいと考えました。

私は4年間続けた塾講師のアルバイトで「他人の立場に立ったコミュニケーション力」を発揮しました。具体的には、生徒が本当に困っていることや根本の悩みを解決するために相手が何を考えているのかを深く理解したうえで、それに応える教え方を意識しました。

そうすることで最後には生徒との信頼関係も生まれ、次年度は担当生徒の兄弟の個人的な家庭教師を任されるまでとなりました。コミュニケーションにより信頼を獲得できるということを感じ、将来もコミュニケーションに価値を置いて仕事をしたいと考えました。

証券業界では、顧客のニーズを汲み取り資産形成をするコミュニケーション能力が求められます。特に貴社は、コミュニケーション力強化の一環として、他部のメンバーと意見交換をする機会を設けているなど、特にその力を重視する社風があることに惹かれ志望しました。

鈴木 洵市

プロフィール

上記の例文は、締めの部分で、業界全体の必要なポイントを述べたうえで、会社の具体的な取り組みについても事例を挙げていて、企業分析をしっかりしている学生だなという印象を持ちます。

また、課題意識から行動をしているという点でも評価が高いです。

証券業界は人気の高い業界のため、ありきたりな志望動機では選考通過は難しいでしょう。下記の記事では、証券会社の志望動機を4つの例文付きで解説しています。気になる人は、参考にしてみてください。

⑧電力業界

例文

私が貴社を志望する理由は、社会貢献に注力されているところに惹かれたためです。

学生時代、経済的な事情などで、勉強したくてもできない生徒の学習を支援するボランティアに参加しました。そこで、想像以上にそのような事情がある生徒がたくさんいることがわかりました。そして、事情により機会を均等に与えられない状況がおかしいと感じ、これを解決したいと考えました。

とはいえ、どれだけ頑張ってもボランティア活動で救える人は、一握りです。そのため、もっと多くの人を救いたいと思い、電力業界を志望しました。

電力業界のなかでも、貴社は特に、幅広い社会貢献活動をおこなっていらっしゃいます。印象的なのが電気事業の公共性を活かして「〇〇地方の中学校を対象とした教育支援活動」にも尽力されていることです。

このように、社会貢献活動を積極的におこなっている貴社であれば、一人でも多くの人を救うことができるのではないかと思い、志望いたしました。

上記の例文は、企業の社会貢献事業を調べて志望動機として述べられています。ただ、社会貢献を前提とした志望動機ならば、電力業界である必要がないと感じ取られる可能性があるでしょう。

電力業界が果たすべき役割を理解したうえで、そのなかで自分がどう貢献できるかも伝えるようにするとより良いですね。

⑨アパレル業界

例文

私が貴社を志望する理由は、人々に愛されるさまざまなファッションを楽しめる商品を提供している点に魅力を感じたためです。

私は、自分が表現したいものを世に残したいという思いから学生時代「モノづくりサークル」に所属し、衣服や時計などを作成し学園祭やフリーマーケットなどで販売していました。ただ、最初は売れる日と売れない日があり、安定した売上を保つために、売上の記録を取りました。

すると、低価格でも機能性やデザインの良いものが売れている傾向にあることがわかりました。そのようなものを作成するには、安い生地を使用しつつも安っぽく見えないデザインを研究したり、最新のデザインを研究したりとかなりの労力がかかります。

しかし、人々に受け入れられてこそ意味があると考えたため、そのようなものを研究し、販売するようにしました。すると最終的には売上が3カ月で1.2倍伸び、1カ月の売上20万円を達成することができました。

この経験からやりがいを感じ、将来も自分のアイディアで人々に受け入れられる衣服作りをしたいと感じるようになりました。

貴社は低価格、機能、デザインをすべて妥協しないというコンセプトを持たれており、貴社の服の着用率は7割を超えるなど、多くの人に支持されています。そのような、多くの人に愛され、支える衣服作りに貢献させていただきたく、志望しました。

上原 正光

プロフィール

上記の例文は、自身が学生時代に取り組んで来た具体的な経験が語られ、その価値観と当社の価値観の親和性がよく語られています。志望動機や企業研究もしっかり取り組んでいることが伝わる良い内容です。

もう一歩踏み込んで、具体的な製品提案が面接でできるように準備するとさらに良いものになると思います。

アパレルを志望する人のなかには、「服が好き」という理由の人もいるでしょう。しかし、その理由だけでは書類選考を通過することはできません。下記の記事では、アパレル業界の志望動機を差別化する方法を解説しているので、気になる人は参考にしてみてください。

⑩サービス業界

例文

私が貴社を志望する理由は、企業理念の「気配り・目配り・心配り」に共感したためです。この3点は、私自身も非常に大切にしている価値観となります。

私は学生時代のアルバイトで保育園の先生のサポートをする仕事をしていました。そのときの私の目標は、誰も傷つかない環境を作ることでした。この目標の背景には、私の幼少期の経験が影響しています。

小学生のときに、仲の良かった友人から突然仲間外れにされてしまったことがあり、その傷は癒えることなく自分のなかに残っています。そのため、同じような思いをする子を一人でも減らしたいと思いました。

そこで、人を傷つける行動をしている子を見かけたら声をかけて、どうしてダメなのかという理由も併せて伝えるようにしていました。また、私の担当しているクラスの子たち全員に対して、週に1度は必ず良かった点や頑張った点を皆の前で伝えることを自分のなかのルールとして、過ごしていました。

その結果、保護者の方からは「子どもが『〇〇先生のおかげで保育園が楽しい』といっていました」などと感謝の言葉をいただくことができました。この経験から、「気配り・目配り・心配り」を大切にすることで、人々の幸せな日常に貢献できるのだなと強く実感し、この3点が特に重要視される業界で働きたいと思うようになりました。

グランドスタッフの仕事では、常に周囲を見渡し気配りをすることが求められます。加えて貴社では企業理念の「気配り・目配り・心配り」の実現のため、「誰よりも先に気付く」ことを重視する社風があると伺い、共感したため志望します。

鈴木 洵市

プロフィール

上記の例文は、自分の想いと経験が企業理念に共通であるという展開でESが記載されているのが良いですね。

そして、そのなかでも社風について触れられていて、企業理解がよくできている学生であるという印象付けがされています。

⑪製薬メーカー業界

例文

私が貴社を志望する理由は、貴社の商品は私を幼少期から支えてくださっているものであり、その恩返しをしたいと考えるためです。

子どもの頃よく風邪を引き、高熱を出していました。しかし病院が苦手で、病院に連れていこうとする親に抵抗しいつも困らせていました。

そんな私を救ってくれたのが貴社が販売されている〇〇という薬です。薬の味がとても苦手で薬に対しての強い抵抗感があったのですが、この薬は苦い味も最小限に抑えられていて、非常に飲みやすかったのを記憶しています。そのときの記憶が未だに強く残っているため、現在も体調を崩すと貴社の薬を飲むようにしています。

そのような私の支えとなっている貴社を、今度は支えたいと考え志望します。幼いころの自分を助けてくださった貴社に入社できた際は、どの配属先になったとしても精一杯貢献していきたいと思っています。

上記の例文は、読み手を惹きつけるような書き出しとエピソードで、素晴らしい展開かと思います。

ただ、最後に「どの配属先でも良い」といった記載があり、企業側としては具体的な活躍のイメージが湧きにくいため、どの職種でどう貢献したいかをはっきり書くとより良いですね。

⑫出版業界

例文

私は、マイナーなものの深い魅力を多くの人に伝えたいと考え、貴社を志望します。

私は、一般的にあまり知られていないようなものを好きになることが多く、その魅力を周囲の人に伝えることに達成感を感じています。なぜなら、感動を人と分け合えることに嬉しさを感じるからです。

たとえば大学ではアメリカ南部の楽器であるバンジョーという楽器を演奏するサークルに所属していましたが、その軽やかな音色の魅力などを多くの人に届けたいと考えました。

そこでSNSで演奏している様子とコミカルなコメントをつけたショート動画を毎週流したところ、話題になり、学園祭実行員から講堂を貸切って演奏しないかと声をかけてもらいました。学園祭では多くの人に魅力を知ってもらい、マイナーなものがメジャーになった実感があり、やりがいを感じました。

この経験から、マイナーなものをもっと多くの人に届けていきたいという思いが強くなり、メディア系の仕事を志望するようになりました。また、そのなかでも多くの人の手元に届きやすいかつ、形が残り続ける出版社に魅力を感じ志望しています。

特に貴社は、たとえばファッション雑誌〇〇でサブカルファッションを魅力的に取り上げられているなど、表現の仕方が刺さり、強く惹かれました。また、電子版での販売もおこなわれており、幅広いユーザーをターゲットとされているため、そうした環境をより活かして、マイナーなものを世に広めていきたいと思いました。

上原 正光

プロフィール

上記の例文は、マイナーなものをメジャーにすることにやりがいを持ち、それを志望動機に結び付けられています。

ただ、その魅力ややりがいについて、もう少し詳しく知りたいと思いました。また、自分がやりたいことと企業の方向性が一致しているかはしっかり確認する必要がありますよ。

特に、何をしたいのかをピンポイントで伝えると、当たると大きな効果が出ますが、外した場合には致命傷となってしまうので、企業研究を深めてくださいね。

職種別の志望動機例文4選

志望動機では、「なぜこの職種なのか」を伝えることも重要です。職種に対しての意欲をアピールすることで、採用担当者に対して職種への理解度を示すことと同時に、入社後のイメージを共有することができます。

同じ会社であっても職種ごとに求められるスキルや人柄は異なるため、自分の希望する職種に合わせた志望動機も効果的でしょう。

ここでは、4つの職種の志望動機例文を紹介します。志望動機を職種とどのように結びつけて伝えるべきなのか知りたい人は、参考にしてみてください。

販売職

例文

私が貴社を志望する理由は、貴社の店舗を利用した際に、売上ではなく本当にお客様の暮らしを良くすることを考えたような提案を受けた経験があり、感動したためです。

数年前に貴社の経営するブランドショップを利用した際、母親にプレゼントする衣類を選んでいたところ、ある販売員の方に声をかけられました。

その方には母の年齢や好みだけでなく、どのような場面で着ることを想定したものか、普段どのような場所にお出かけするのかなど、細かいことも丁寧にヒアリングしていただき、予算に合わせていくつかの提案をしてもらいました。

最終的に選んだものは母からとても喜ばれるものとなり、私もお客様の選択を後押しして、このような嬉しい気持ちになってほしいと思いました。

貴社では、そのような接客が評価される環境なのだと感じます。自分の目指す販売のあり方を実現できると考えて、貴社を志望いたしました。

販売職の志望動機では、「人と接することが好き」「ニーズを汲み取り提案する力がある」など対人スキルを強調しつつ、「貢献したい商品・サービスへの共感」や「売上への貢献意欲」も盛り込むと効果的です。

販売職は身近な職種のため、志望する学生も多いでしょう。しかしコツを押さえた志望動機でないとありきたりな内容になってしまいがちです。下記の記事では、ライバルと差別化できる志望動機の書き方を解説しているので、参考にしてみてください。

営業職

例文

私は貴社の、人と人がつながるような営業力を重視している点に魅力を感じました。

私は大学で地域企業と共同でイベントを企画する団体に所属して、そのなかでも営業を担当しました。最初はこちらが考えた企画を一方的に伝えて頼み込むだけで、なかなか前向きなご返答がいただけなかったことを覚えています。

そこで、企業ごとの強みや課題を探して、「このプロジェクトではこの層への認知拡大に効果がある」といった提案に切り替えたところ、話を聞いていただける機会が増えました。

その経験から、営業はただ詳細を伝えるのみでなく、相手にとってどのような価値があるものか考える仕事だと実感しました。

貴社はマニュアル化された営業ではなく、担当者それぞれが自身の裁量で提案をおこなうことで、長期的な信頼関係を構築していると伺っています。入社後は、まず営業の基礎を徹底的に学んでいきたいです。その後に、自分なりの営業スタイルを確立して、貴社に貢献していきたいと思います。

瀧本博史

プロフィール

上記の例文は、具体的な経験から相手の課題をとらえたうえで提案を改善したプロセスを示し、営業の理解を裏付けている点が評価できます。

ただ、「応募先の魅力」が抽象的なので、どの事業や市場であるか明示し、提案成果を件数や反応率など数値で示すと説得力が高まるでしょう。また、結びの文章で志望意欲を締めると完成度が増します。

営業職は、BtoBなのかBtoCなのか、有形なのか無形なのか、によっても業務内容は大きく異なるため、自分の志望する営業について深く理解したうえで志望動機を作成する必要があります。こちらの記事では、それぞれの種類に合わせた志望動機例文を紹介しているので、気になる人は参考にしてみてください。

事務職

例文

私は、貴社の事務職の特徴である、気付いて先回りできるようなサポート力を重視している点に共感し志望いたしました。

1年ほど前まで、事務作業のアルバイトで資料作成や記録管理を担当していました。事務作業は目立つことは少ないですが、社員の方に「資料をすぐ見つかるようにしてくれてありがとう」や「確認が早くて助かった」と言ってもらえる瞬間にやりがいを感じて、事務職を目指すようになりました。

100人ほどが参加するトークイベントの際は、前日に進行表や参加人数を見直していると、備品が少し足りないことに気付きました。担当者に確認しても「足りている」とのことでしたが、念のため在庫を数えると不足していると判明し、その場で追加注文をして当日に間に合わせられたことがあります。

この経験から、表立った仕事でなくても、気付いて自分から動くことが周囲を支える力になるのだと実感できました。そのため、自分の慎重さや観察力を活かして、貴社でも縁の下の力持ちとして組織を支えたいと思います。

山田 圭佑

プロフィール

「事務職」と一口に言っても、営業マンのサポートから給与計算まで多くの種類があります。

そのため、就職を希望する業務に対して自分が意欲を持っていることはもちろん、その業務を担うのにふさわしい人物であるという具体的なエピソードなどを用いた説得力のある志望動機を目指しましょう。

事務職にはさまざまな種類があるため、それぞれの職種に合わせて志望動機を作成しましょう。下記の記事では、事務職の志望動機について紹介しています。

事務全般
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説

学校事務
学校事務の志望動機でマッチ度を伝える方法|学校種別の例文付き

受付事務
【テンプレ付】受付事務に受かる志望動機5つのポイント徹底解説!

総務事務
例文付き|総務事務の志望動機に大事な4要素と注意点を解説

貿易事務
例文6選|貿易事務の志望動機でスキルを活かして熱意を伝える方法

医療事務
例文10選|医療事務の志望動機は2つのポイントを整理して書こう!

企画職

例文

私は、貴社が掲げる「お客様に長く愛される商品づくり」に強く共感して志望いたしました。

大学では、ハンドメイドを制作・販売するサークルに所属しています。そこでは、最初自分の好きなものだけを作って販売してきましたが、ほとんど売れなかったため、なぜ私の製品は売れないのだろうと分析してみました。

そこで過去の売上やお客さまの声を分析したところ、商品を見に来てくれる顧客層は実用性が高い商品を求めていることが判明しました。

同時に、私は自分の好きなものばかり作っていて、ターゲットを明確にしていないことにも気付けたため、まず売りたい層を決めて、価格帯・デザインなどもターゲットに合わせて変更するなど工夫を重ねました。

その結果、3カ月後には売上が3倍以上にもなり、お客様が商品を手に取る姿を見て感動したことを覚えています。

自分が良いと思ったものを作ることも大切だと思いますが、何よりお客様にとって長く使いやすく良いものを作ることの大切さを学べた良い経験です。貴社でもその視点を大切にして、より長く愛される商品を企画できるようになりたいと考えています。

上記の例文は、顧客視点に立ち、仮説検証を通じて成果を上げた経験が具体的で説得力があります。

一方で、企業の商品や企画職でどう活かすかの説明がやや弱く、自身の経験で得た学びを接続すると志望動機としての一貫性が高まりより効果的です。

共感ポイント別の志望動機例文3選

志望動機で、業界や職種についてではなく、企業理念やビジョンについて伝えたいという人もいるでしょう。

企業のどういった部分に共感して、志望したのかという点は人によってさまざまです。ここでは、共感ポイント別に例文を3選紹介します。

あなた自身はどのポイントに共感しているのかを考えながら、例文を読んでみてください。

企業理念

例文

私が貴社を志望した理由は、「目の前の一人を大切にすることが、社会全体の貢献につながる」という企業理念に深く共感したためです。私は、目の前の一人に向き合う態度は、組織や社会を形作る基礎になると考えています。

現在も続けているカフェのアルバイトでは、接客中にお客様から何度か「あなたの心配りが嬉しかった」とお褒めの言葉をいただいた経験があります。

そのとき、自分が小さな行動だと思ったことでも、相手の気持ちを動かすことがあると知り、目の前の人を大切にする姿勢が、接客業の本質であると感じました。

貴社は、どのような業務でも「人」を中心にして考える姿勢を大切にされていると聞きました。貴社への入社後は、どのような職種であっても、今の自分の対応がお客様にとってどのように影響するか意識した行動を心掛けたいと思います。

瀧本博史

プロフィール

上記の例文は、企業理念への共感を自分の経験に結び付け、具体的なエピソードで「目の前の一人を大切にする」姿勢を示せています。

ただ、「どのような業務でも……」の部分はやや定型的なので、応募先企業の具体的な業務内容や顧客層に触れ、自分の行動がどのように貢献できるかをもう少し詳しく想像させる表現にすると、より説得力が高まるでしょう。

企業理念で志望動機を作成する場合は、差別化が必須です。下記の記事では、例文9選で企業理念への共感を志望動機に盛り込むコツを解説しています。

社風や人柄

例文

私が貴社を志望した理由は、社員の方々がチーム全体で支え合っている印象を受けて、このような環境で働きたいと思ったためです。

以前、合同企業説明会にて貴社のブースを訪問させていただいた際、登壇していた若手社員の方が、入社一年目でも先輩に相談しやすい環境があることや、上司のフォローもしっかり受けられるといったエピソードを話されていました。

私が質問した際も丁寧に答えてくれて、上下関係にかかわらず風通しの良い企業だと感じました。

サークル活動で企画運営を担当していたときに感じたことですが、私はつい一人ですべて考えがちな部分があります。しかし、それでは間違いがあっても気付けないと思い、周囲と意見を交わしながら準備を進めることを意識して、無事イベントを成功させられました。

その経験から、個人の考えを持ちつつも、お互いが支え合えるような組織で働きたいという気持ちが強くなり、貴社を志望いたしました。

周囲との連携を大切にしながら、主体的に業務を進めて活躍できる人材になりたいと思っています。将来的には、チームのなかでも信頼される存在となり、後輩のサポートや改善提案などにも積極的に取り組んでいきたいです。

山田 圭佑

プロフィール

上記の例文は、志望理由とその考えに至ったエピソードを簡潔で丁寧に文章にしていることに好感を持ちます。自分の短所に対するフォローも適切です。

ただ「周囲と意見を交わしながら準備を進めることを意識して……」というエピソードから「個人の考えを持ちつつも、お互いが支え合えるような組織で働きたい」という志望理由に至るところに、やや飛躍があるように見えます。

表現の仕方をもう少し練ってみるとより良い志望動機になるでしょう。

志望動機に社風を盛り込みたいという人もいるでしょう。実は社風を志望動機に活用するのは非常に難易度が高いため注意が必要です。下記の記事では、例文付きでコツを解説しています。どう書けば良いか悩んでいる人は参考にしてみてください。

事業内容

例文

私は、貴社のITを活用した予防医療の分野において、利用者一人ひとりに合わせたサービスを展開している点に強く惹かれました。

貴社の健康サポートアプリは、日々の食事や睡眠、歩数などの生活データをもとに、個人に最適なアドバイスを提供する仕組みであり、これは医療費の削減や生活習慣病の予防につながると感じています。

大学では、人は数値化された情報をきっかけに、生活習慣を改善する意欲が高まるという研究に興味を持ちました。実際に私も貴社のアプリサービスを利用して記録したところ、数字として歩数や摂取カロリーを目にすることで、運動を取り入れたり食生活を見直したりなどの習慣が身に付きました。

こうしたデータと行動の関係性を体感したからこそ、入社後はユーザー視点を大切にした、無理のない生活改善につながるようなサービス設計に貢献したいと考えています。

上記の例文は、データ活用の意義を自身の体験と結び付けており、志望理由に具体性と納得感があります。

一方で、大学での「研究への興味」がやや抽象的なので、どのように学んだか・取り組んだかを補足するとより説得力が増すでしょう。

ESの志望動機に関するリアルな悩みと解決策を紹介!

ESの志望動機を実際に書き進めていくと、さまざまな疑問にあたります。

たとえば「こんな志望動機はありなのだろうか」「アピールになるのだろうか」と不安になることがあるかもしれません。

以下のQAコンテンツでは、そのような各志望理由を志望動機として伝えて問題ないのか解説しているため、ぜひ参考にしてください。

この志望動機は問題ない? という質問に関するQ&A

安定している
家から近い
憧れがある
社員の人柄に惹かれた
成長性を感じた
社長に惹かれた
企業理念に共感した
社会貢献したい
インターンシップの経験を活かしたい

また、書き進めていくにあたり「ほかの項目と似通ってしまう」という悩みが生じることもあると思います。その際は以下のQAコンテンツを確認してくださいね。

他とかぶってしまうのはあり? という質問に関するQ&A

ESと履歴書の志望動機が同じになってしまう
自己PRとかぶってしまう

情報を整理し読ませる志望動機を作成して書類選考を突破しよう

この記事ではESの志望動機の書き方を3つのステップで解説してきました。就活を進めるうえで避けては通れない志望動機作成ではありますが、コツさえわかれば、誰でも簡単に作成することが可能です。

あまり重くとらえすぎず、まずは「自分と企業の共通点を探す」という気持ちで情報収集に取り掛かってみてください。そして、集めた情報を整理して、まず「相手に伝わる内容」で作成しましょう。そのうえで「惹きつける内容」にすることが大切です。

一社一社に気持ちを込めて作成することで、あなたの熱意は企業に伝わります。苦手意識を持ってしまう前に、まずは一歩踏み出して、書類選考を突破しましょう。

アドバイザーからあなたにエール志望動機はES通過のカギを握るため徹底した対策が不可欠

ESは学生が企業と面識を持つ最初の接触となることがほとんどです。初めて自分を志望企業に知ってもらうため、十分に準備して作成に取り掛かるようにしてください。そのなかでも志望動機は、なぜ自社を選択しているのか? ということを企業側が知ることになる部分です。

ここがしっかり書けているか書けていないかで、ほかの項目以上に選考の結果に大きな影響を与えます。よく「面接からしっかり準備すれば良いのではないか?」と思う人もいますが、あなた自身を知ってもらうより前に書類選考で不採用となってしまっては大変もったいないことになります。

活躍イメージを持たせるための面接前の練習と考えよう

特に面接で緊張しやすい人にとっては、このESをきちんと作成することで、面接の事前練習にもなるので、力を入れて取り組むようにしてください。

ESを通してあなた自身という人物像を示し、会社でどのように活躍してくれるかを想像させることができるような志望動機を作成して、良い就職活動につなげていきましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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