この記事のまとめ
- 業種と職種の違いを理解することは就活成功への第一歩
- 業種と職種の組み合わせで仕事内容が解明できる!
- 企業と種職の違いを押えて自分に合った企業を見つけよう
就職活動を開始する際、どのような仕事があるのか就活サイトや書籍で調べる人も多いと思います。いざ調べてみると「業種」「職種」と似たような言葉を目にし、「業種と職種は何が違うの?」「どっちが重要なの?」などと悩む人もいるのではないでしょうか。
業種と職種は字面は似ているものの、意味はまったく異なります。それぞれを正確に把握し、企業研究に役立てましょう。それぞれの理解を深めることにより、自分自身の視野が広げられ新しい発見もあるかもしれません。
この記事では、キャリアアドバイザーの小松さん、谷所さん、鈴木さんのアドバイスを交えつつ業種と職種の違いを解説します。それぞれの意味を正確に理解し企業研究の精度を上げていきましょう。
業種と職種の違いを押さえて企業選びに役立てよう
世の中にはさまざまな仕事がありますが、業種や職種で分類されています。業種と職種はどちらも仕事を表す際に使う言葉ですが、指し示す範囲が違います。業種は事業の種類を、職種は企業の中で個人が担当する仕事内容を指します。
就活をする際に業種と職種の違いや内容を正しく理解できていないと、自分に合った仕事を見つけにくいだけでなく、入社後にミスマッチが生じてしまうなどのリスクがあるので注意が必要です。
この記事では、まず業種と職種の違いをわかりやすく解説し、それぞれの内容を紹介します。さらに、業種・職種それぞれを軸にした企業選びの方法を解説するので、自分の価値観や希望に照らし合わせて考えてみてください。
加えて、業種と職種の組み合わせによって異なる仕事内容も解説するので、仕事への理解を深め、納得のいく企業選びをしてくださいね。
業種と職種の違い
定義 | 例 | |
---|---|---|
業種 | 企業が営む事業の種類 | 金融業・建設業 |
職種 | 個人が担う仕事の種類 | 営業・事務 |
就活を進めるうえで、業種と職種の違いを正しく理解しておく必要があります。
業種と職種の違いを簡潔に説明すると、業種は企業が営む事業の種類を指します。たとえば金融業や建設業などです。
一方で職種は、個人が担う仕事の種類を指します。たとえば、営業や事務など個人単位の業務内容です。
ここからは、業種と職種それぞれを詳しく見ていきます。業種と職種の違いや意味をしっかり理解することで、企業研究に役立てられその後の就職活動をスムーズに進められますよ。
業種:事業の種類
業種は企業が営む事業の種類を指し、規模が大きい企業は複数の業種に携わっていることも多くあります。
業種は基本的には総務省が定める日本標準産業分類に準拠するものとされていて、20種類の大分類の下にさらに細かく99の中分類があります。非常に細かいため、就活の際に利用するのは実用的でない場合もあります。
そのため、ここからは企業を業種で分ける際に一般的な、証券コード協議会が分類した東証33業種分類と、学生が企業検索する際に利用するであろう就活サイトの業種分類をそれぞれ解説します。表記が異なる業種もあるため、確認しましょう。
東証33業種分類
総務省が定める日本標準産業分類に準じて証券コード協議会が振り分けた業種分類が、業種別分類項目です。業種別分類項目は、上場企業の有価証券報告書またはこれに準ずる財務諸表の内容を精査して振り分けたもので、10の大分類の下に33の中分類があります。
業種別分類項目が定める業種を採用して、業種別株価指数などが公表されているため、東証33業種と呼ばれることもあります。
大分類 | 中分類 |
---|---|
水産・農林業 | 水産・農林業 |
鉱業 | 鉱業 |
建設業 | 建設業 |
製造業 | 食料品 繊維製品 パルプ・紙 化学 医薬品 石油・石炭製品 ゴム製品 ガラス・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 機械 電気機器 輸送用機器 精密機器 その他製品 |
電気・ガス業 | 電気・ガス業 |
運輸・情報通信業 | 陸運業 海運業 空運業 倉庫・運輸関連業 情報・通信業 |
商業 | 卸売業 小売業 |
金融・保険業 | 銀行業 証券、商品先物取引業 保険業 その他金融業 |
不動産業 | 不動産業 |
サービス業 | サービス業 |
就活サイトの業種分類
学生にとって一番なじみ深いであろう就活サイトの業種分類も紹介します。就活サイトでは業種別に企業検索ができたり、特集が組まれていたりするため、就活サイトの業種分類を把握していると、スムーズにサイトを使いこなすことができます。
就活サイトによっても業種の分類方法や名称が異なります。今回は一例としてマイナビの業種分類を紹介します。
大分類 | 中分類 |
---|---|
メーカー | 農林・水産 食品 建設・設備関連 住宅・インテリア アパレル・服飾関連 繊維・紙・パルプ 化学・石油 薬品・化粧品 ゴム・ガラス・セラミックス 鉄鋼・金属・鉱業 機械 プラント・エンジニアリング 電子・電気・OA機器 自動車・輸送用機器 精密・医療機器 印刷・事務機器・日用品 スポーツ・玩具・ゲーム製品 その他メーカー・製造関連 |
商社 | 総合商社 商社 |
流通・小売 | 百貨店・スーパー・コンビニ 専門店 |
金融 | 銀行・証券 信金・労金・信組 クレジット・信販・リース・その他金融 生保・損保 |
サービス・インフラ | 不動産 鉄道・航空 陸運・海運・物流 電力・ガス・エネルギー レストラン・給食・フードサービス ホテル・旅行 医療機関・調剤薬局 福祉サービス フィットネスクラブ・エステ・理美容 アミューズメント・レジャー 冠婚葬祭 専門・その他サービス コンサルティング・シンクタンク・調査 人材サービス(派遣・紹介) 教育 |
ソフトウエア・通信 | ソフトウエア・情報処理・ネット関連 ゲームソフト 通信 |
広告・出版・マスコミ | マスコミ(放送・新聞) マスコミ(出版・広告) 芸能・映画・音楽 |
官公庁・公社・団体 | 官公庁・公社・団体 |
東証33業種とマイナビの業種の異なる点は、製造業がメーカーと分類されていることや、マイナビでは広告・出版・マスコミが大分類に設けられていることなどが挙げられます。
職種:仕事の種類
職種は仕事の種類を指し、個人単位の業務内容のことです。会社内では、営業部や企画部など部署によって職種が分けられていることが一般的です。
職種は企業によって名称が異なる場合もありますが、厚生労働省の職業分類に準拠していることが一般的です。
ここからは、厚生労働省の職業分類と学生が企業検索する際に利用するであろう就活サイトの職種分類をそれぞれ解説します。
どのような職種があるのかや、向いている職種の選び方はこちらの記事でも解説しています。
職種の種類一覧を徹底解説! 業種・業界・職業との違いも押さえよう
厚生労働省の職業分類
厚生労働省の職業分類は、15の大分類の下に99の中分類があり、さらに中分類の下に細分類があります。
管理的職業 |
研究・技術の職業 |
法務・経営・文化芸術等の専門的職業 |
医療・看護・保健の職業 |
保育・教育の職業 |
事務的職業 |
販売・営業の職業 |
福祉・介護の職業 |
サービスの職業 |
警備・保安の職業 |
農林漁業の職業 |
製造・修理・塗装・製図などの職業 |
配送・輸送・機械運転の職業 |
建設・土木・電気工事の職業 |
運搬・清掃・包装・選別などの職業 |
就活サイトの職種分類
業種と同様に就活サイトでは、職種別に企業検索ができたり、特集が組まれていたりするため、就活サイトの職種分類も押さえておきましょう。
就活サイトによって職種の分類方法や名称が異なります。今回は一例としてマイナビの職種分類を紹介します。
大分類 | 中分類 |
---|---|
事務・管理系 | 総務・人事・労務 経理・財務・会計 法務・特許・審査 貿易事務・海外事務 物流・在庫管理 秘書・受付 一般事務・営業事務・アシスタント 医療事務 |
企画・マーケティング系 | 宣伝・広報 調査研究・マーケティング 経営企画 企画・商品開発 |
営業系 | 営業(個人向け新規開拓メイン) 営業(個人向け既存顧客メイン) 営業(法人向け新規開拓メイン) 営業(法人向け既存顧客メイン) 海外営業 営業推進・販売促進 MR(医薬情報担当者) カスタマーサポート・カスタマーサクセス 技術営業・システム営業 |
技術・研究系 | 基礎研究 応用研究・技術開発 生産・製造技術 機械・電子機器設計 品質・生産管理・メンテナンス 整備士 航空整備・グランドハンドリング 建築/建築設備 土木施工/測量/積算 施工管理 |
販売・サービス系 | 調理師・調理補助 販売スタッフ・接客 店長(店舗運営など) スーパーバイザー バイヤー エステティシャン 客室乗務員・パーサー グランドスタッフ ドライバー 美容部員 店舗開発 |
専門系 | 経営コンサルタント 専門コンサルタント 栄養士 管理栄養士 アナウンサー インテリアコーディネーター カラーリスト ブライダルコーディネーター 葬祭プランナー 税理士・公認会計士 |
医療・福祉系 | 薬剤師 看護師 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 視能訓練士 臨床工学技士 歯科衛生士 臨床検査技師 診療放射線技師 社会福祉士 精神保健福祉士 介護福祉士 介護職・ヘルパー 医療ソーシャルワーカー マッサージ師・はり師 公認心理師・臨床心理士 |
金融系 | 為替ディーラー・トレーダー 融資・資産運用マネージャー 証券アナリスト アクチュアリー ファイナンシャルアドバイザー |
クリエイティブ系 | 編集・制作 記者・ライター ゲームクリエイター ファッションデザイナー・パタンナー ジュエリーデザイナー CGデザイナー グラフィックデザイナー インダストリアルデザイナー 空間デザイナー フォトグラファー 広告デザイナー WEBデザイナー WEBプロデューサー・ディレクター |
IT系 | ITコンサルタント データサイエンティスト プログラマー ネットワークエンジニア システム保守運用 システムコンサルタント カスタマーエンジニア システムエンジニア セールスエンジニア |
教育・保育・公共サービス系 | 講師・インストラクター 警備員 警察官・自衛官 消防士 保育士 幼稚園教諭 OAインストラクター スポーツインストラクター 国家公務員 地方公務員 教師 学芸員・司書 その他公務員・団体職員 |
厚生労働省の職業分類とマイナビの職業分類では、技術・研究系の職種が厚生労働省の職業分類では細分化されていることや、マイナビではIT系やクリエイティブ系が大分類に設けられていることなど、異なる点がいくつかあります。
なお、就活でよく耳にする一般職や総合職は、職種を表す言葉ではなく採用コースの一種です。
総合職や一般職はこちらの記事で詳しく解説しています。7つの違いや選ぶ方法も解説しているので参考にしてみてください。
総合職と一般職の7つの違いを解説! 将来後悔しない選択の秘訣とは?
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
その他の類似語
業種と職種以外にも就活をする際に押さえておきたい用語として職業、業界、産業、業態があります。それぞれの定義は以下の通りです。
職業・業界・産業・業態の違い
- 職業
働き方の種類のこと。報酬が含まれないものもある。
例:会社員、自営業、主婦、学生、無職など - 業界
企業や産業を商業で分類したもののこと。業種よりも取り扱う事業やサービスに焦点を当てて分類している。
例:銀行、ホテル、広告など - 産業
生活に必要なものやサービスを生み出す仕事の分類のこと。業種よりも大きな枠組みでまとめている。
例:農林、運輸、金融など - 業態
営業形態の種類のこと。業種は売る商品で分類するのに対して、業態は商品を売る方法を基準に分類する。
例:スーパーマーケット、百貨店、コンビニエンスストア、通信販売など
ただし明確な線引はないため、就活では混同されて使われることもあります。
他者と円滑なコミュニケーションを図るうえでは、前提知識を正しく共有している必要があります。
採用面接の場では業種や職種について尋ねられることもあるため、質問の意図を正確に把握できるように言葉の意味をしっかりと捉えておきましょう。
業界についてはこちらの記事で解説しています。それぞれのビジネスモデルや得られる知識、スキルを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る将来性を見るなら業種を、やりたいことを考えるなら職種を理解しよう
業種は企業が営む事業の種類であり、職種は個人が担う仕事の種類です。業界は業種よりも取り扱う事業やサービスに焦点をあてた分類です。
業態は、商品を売る方法を基準に分類します。就活では業種と職種の違いだけでなく、業界、業態の違いも押さえておくと良いでしょう。
将来性などを考えるときは、それぞれの事業の種類である業種が重要になり、やりたい仕事という視点では、職種が重要になります。
業種では業界知識が求められ、職種では個人の仕事のスキルが重要になります。業種と職種の違いを理解したうえで、将来像をイメージしてみると良いですね。
業種と職種は併せて説明されることが多い
業種と職種ではそれぞれ別の意味ですが、たとえば「建設業の営業職」というように、携わっている仕事を説明するときは業種と職種を併せて説明するのが一般的です。
建設業だけでは何をやっているのか理解できず、営業職だけではどういった営業職なのか把握できません。
就活で携わりたい仕事を考えるとき、業種を優先して考えるべきか、就きたい職種を重視すべきか考えてみることが大切です。
どちらを基準に絞るべき? 業種・職種それぞれを軸にした企業選びの方法
業種から絞る場合 | 世の中に何を届けたいかで決める |
職種から絞る場合 | 仕事の内容から決める |
企業選びをする際に、どのように候補を絞るべきか悩む人もいるでしょう。また、業種・職種のどちらを基準に絞るべきなのでしょうか。
ここからは、業種・職種それぞれを軸にした企業選びの方法を解説します。もちろん業種も職種も希望通りの仕事が見つかると良いですが、最初の足がかりとして自分はどのように企業選びをするべきか当てはめながら見てください。
業種から絞る場合:世の中に何を届けたいかで決める
業種から絞る場合は、世の中に対して自分は何を届けたいのかを考えてみましょう。たとえば、ITを通して豊かな社会を作りたいと考えている場合、ソフトウェア・通信業界を選択するなどです。
この場合は、企業での日々の業務で何をしたいのかではなく、働く企業が社会にどのような影響を与えているかに焦点を当てることになります。
また、待遇や将来性などの自分では変えることのできない要素を重視して考える場合も、業界から絞ることをおすすめします。
たとえば、安定した仕事や今後成長する見込みのある仕事に就きたいと考えるのであれば、将来性や安定性があると言われているインフラ系の業種を目指すことなどが考えられます。
職種から絞る場合:仕事の内容から決める
職種から絞る場合は、自分がどのような仕事をしたいのかから考えてみましょう。
自分自身が何をしたいのか、やりたいことが決まっている人は職種から絞る方法がおすすめです。
たとえば、簿記の資格を活かした仕事に就きたいと考えているならば、経理や財務など知識を活用できる職種に絞って考えられます。
また、特定の技術を身に付けて専門職として働きたいと考えている人も、業種から選んでしまうと希望の仕事になかなか就けない可能性もあるため、職種から絞って企業を選択することをおすすめします。
- 業種と職種のどちらから絞れば良いですか?
自分の状況に合わせて絞り方を選ぶのが大事
これについては完全に個人の趣向によって異なるので、一概にどちらからとは言えません。
自己分析を重ねる中で、自身がどちらのタイプなのかを探ってみましょう。仕事の内容にこだわりはなく、どんな産業に身を置きたいかを重視する人は業種から絞ってみると良いですよ。
「○○業界で働けるなら、職種はなんでも良い」と、特定の業種に憧れを抱いたり、事業としての将来性が期待できたりする場合には、業種を起点とすることがおすすめです。
一方、自分がどのような仕事をするのかを重視したい人は職種から絞る方が好ましいでしょう。
たとえ希望する業種に就職できたとしても、実際におこなう仕事が自分の期待と異なるものであれば、職業生活をあまり楽しいと思えなくなるかもしれません。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
業種・職種から企業選びをする際の注意点
企業選びをする際、業種・職種どちらから絞っても問題ありません。しかし、それぞれに理解しておくべきデメリットがあります。
ここからは業種・職種から企業選びをする際の注意点を解説します。企業選びで失敗しないためにも、必ず確認しましょう。
業種から絞る場合
業種から絞る場合、企業の選択肢をかなり絞ることができます。また、特定の業種に詳しくなり、回答に説得力が増したり熱意が伝わりやすくなったりする点もメリットといえます。
一方で、視野がせまくなってしまうというデメリットも存在します。
ここからは、業種から絞る場合の注意点を解説します。業種から絞ろうと考えている人は、確認しておきましょう。
業界から絞る場合にやるべきことや注意点はこちらの記事で解説しています。業種から絞る場合と類似する点も多いので併せて参考にしてみてください。
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説
企業の選択肢が減りやすい
業種から絞る場合、数多くの業種からいくつか興味のある業種を選ぶこととなります。効率的に企業選びができる一方で、選択肢が減るリスクもあります。
業種の中には多種多様な企業が存在するため、自分に合わないと除外した業種の中に自分に合う企業が含まれる可能性もあります。
また、絶対にこの業種が良いと決めてしまうと、その業種が自分と合っていなかった場合や、人気の業種で競争倍率が高い場合など、なかなか内定を得られない事態になりかねません。
この業種で働きたいと明確に決まっている人も、志望業種を軸に視野を広げて考えてみましょう。なぜその業種がいいと思ったのか掘り下げて考え、他に実現できる業種はないか探すことで、企業選択の幅が広がります。
- 業種はどのタイミングで何個くらいに絞るべきでしょうか?
大学3年生になったタイミングで2~3つ程度に絞れるとベター
業種を絞るタイミングとしては、一般的に3年生に進学した時点から絞ることが良いと言われています。
そして2〜3つ程度で、自分の興味や関心がある業種を選ぶと良いでしょう。
選び方としては、業界研究を実施することが一般的です。業界内の大枠の仕事内容は似ているため、まずは自分がどのような業界に興味があるのかを明確にしておきましょう。
社会全体を捉えづらくなる
志望業種を決めて業種研究をすると、特定の業種への理解が深まります。しかし、選択肢から外した業種の知識が浅いままだと、社会全体を捉えづらくなってしまうデメリットもあります。
企業は同じ業種の中だけでビジネスが成り立っているのではなく、さまざまな業種がお互いにかかわり合って企業活動をしています。そのため、希望業種だけ詳しくても他業種への知識が浅いと、社会全体の立ち位置やビジネスモデルへの理解が難しくなってしまう可能性もあります。
志望業種だけに目を向けていると、志望業種を多角的に捉えられないため、業界地図などを参考にして関連する業種や業界の知識を深めましょう。
業界地図とは
東洋経済新報が発行する雑誌。業界別に企業の順位や業績、提携関係などのあらゆる情報を、「地図」の形で直感的にわかりやすく解説したもの
特定の業種に絞り込み社会全体が捉えづらくなると、他に自分に合う業種や職種があってもチャンスを逃してしまいます。
企業はさまざまな業種とかかわり合いビジネスを成立させているので、視野が狭いことが就活でマイナスになる可能性があります。
職種から絞る場合
職種から絞る場合の注意点
- 職種が同じでも年収が異なることもある
- 希望の職種に就けない可能性がある
職種から絞る場合、仕事内容をもとに選ぶため自分がやりたいことを実現できる可能性が高くなります。しかし、同じ職種でも業種や会社によって仕事内容や待遇が異なることもあります。
ここからは、職種から絞る場合の注意点を解説します。職種から絞ろうと考えている人は確認しておきましょう。
職種が同じでも年収が異なることもある
職種が同じで、同様の仕事をしていても業種や企業の規模によって年収が異なることもあります。
たとえば、dodaの平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】によると、2021年9月~2022年8月の1年間にdodaに登録した約56万人の年収データを集計した結果、営業系全体の平均年収は439万円です。
しかし、職種別の小分類を見てみると業種によって358〜700万円と平均年収に大きな差があることがわかります。
営業職の業種別の平均年収
- MR 700万円
- 証券 570万円
- 医薬品メーカー 544万円
- 機械・電機メーカー 471万円
- 銀行 469万円
- IT・通信 449万円
- 住宅設備・建材メーカー 447万円
- 化学・素材メーカー 438万円
- クレジット・信販 428万円
- インターネット・広告・メディア 421万円
- 建設・不動産 416万円
- 専門商社 414万円
- 食品・消費財メーカー 404万円
- 保険 402万円
- サービス 398万円
- 家具・インテリア/生活雑貨 396万円
- 小売・外食 391万円
- 福祉・介護関連 368万円
- 保険代理店 358万円
どんなにやりたい職種に就けても、給与面に不満がある場合長く働き続けられない可能性もあります。そのため、給与の部分もしっかり確認して企業選びをしましょう。
給与に関しては、年収だけでなくキャリアアップにつれてどの程度昇給があるのかなど、長期的な視点を持って確認しておくことが重要です。
ホームページ(HP)や採用ページで給与が詳しくわからない場合は、就職四季報を活用して企業別の給与を調べる方法もおすすめです。
就職四季報とは
東洋経済新報が発行する就活に役立つ情報が掲載されている雑誌。企業別に初任給や年齢別の平均年収など給与に関する項目が多数掲載されている。
就職四季報の活用の仕方はこちらの記事で解説しています。業種研究や企業研究に役立つのでぜひ参考にしてみてください。
就職四季報の活用方法! 就活を有利にするポイントや読み方を伝授
希望の職種に就けない可能性がある
アメリカなどでは職業別に採用することが一般的ですが、日本の新卒採用では総合職、一般職という枠組みで採用する企業が多い傾向にあります。
そのため、希望の職種があってもその職種に配属されない可能性があることも理解しておきましょう。
たとえば、企画職に就きたいと考えていても、総合職採用で新入社員がすぐに企画職に配属になる可能性は低く、他の職種を経験して実績を積んでから配属になるケースが多くあります。
また、入社後に企画職になりたいと希望を出していても、社内の人員の関係や適性などによりなかなか希望の職種に異動できない可能性もあります。
加えて、中小企業やベンチャー企業に多いケースですが、1人で複数の業務を掛け持ちして担当することも珍しくありません。営業職を希望していても経理職や販売職も担うこともあるため、希望する企業の仕事内容やキャリアパスをよく確認したうえで選択しましょう。
仕事内容やキャリアパスなどがインターネットで確認できない場合は、OB・OG訪問で直接社員に質問する方法もおすすめです。OB・OG訪問での質問の仕方はこちらの記事で解説しています。
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
- 希望の職種に就くためにはどうしたら良いですか?
志望企業の採用方法についてしっかり分析しよう
希望の職種に就くためには、就職活動の前段において、志望企業の採用方法の分析をしっかりおこなうことが重要です。
志望企業の採用方法の分析のためには、OB・OG訪問であったり、企業説明会であったりと企業とコミュニケーションを取れる機会を主体的に探すことです。
そのコミュニケーションから企業の採用後の配属方針がおのずとわかるようになります。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る総合職を志望するなら業種から・スキルや適性を重視するなら職種から絞ろう
業種から絞る場合、どういったサービスや商材を世の中に届けたいのかといった業種が担う役割に共感できることがポイントになります。
他の業種について理解せず特定の業種に絞りこんでしまうと、企業の選択肢が減るだけでなく、将来もっと自分に合う業種があったと後悔することがあるので、多くの業種を比較検討したうえで絞り込むべきでしょう。
業種で絞り込むときは、業種や業界の研究を入念におこない、業種への思いを伝えることが大切です。さまざまな仕事を経験していく総合職を希望するならば、業種で絞ってもいいでしょう。
職種で絞る場合もその業種ならではの志望理由を考えておこう
職種で絞り込む場合、やりたい仕事に就けるため仕事のモチベーションは高くなりますが、企業により同じ職種でも年収が異なる点や、総合職としての採用では就きたい職種を伝えても希望がかなわないことが懸念としてあります。
職種で絞り込むときは、職種に対しての適性、知識、スキルが重視されるので、積極的にアピールする必要があるでしょう。
また、就きたい職種でも実際携わることで、考えていたものと違うといったリスクがあることも理解しておきましょう。
職種で絞り込む場合でも、どの業種でも良いという考えではなく、業種への思いを伝えることが大切です。
組み合わせで異なることも! 業種×職種で仕事内容を把握しよう
同じ職種でも業種によって仕事内容が異なることもあるため、仕事内容は業種と職種の組み合わせで把握しておきましょう。
ここからは、業種×職種で仕事内容を解説します。自分により合う仕事はどの組み合わせなのか考えてみてください。
メーカー業界×職種
メーカーは、自社でもの(製品)を製造する企業のことで、製造業と呼ばれることもあります。製造している製品によって、大きく4つに分類できます。
メーカーの主な種類
- 素材メーカー:原材料から製品のもととなる素材を企画・製造する
- 部品メーカー:素材を加工して製品の一部を製造する
- 加工メーカー:素材や部品を加工・組み立てをして最終的な製品を製造する
- 総合メーカー:すべての工程を自社でおこなう
ここからは、メーカーの事務・管理系、営業系、企画系職種の仕事内容を解説します。
メーカー業界にはBtoB企業も多く存在します。BtoB企業はこちらの記事で詳しく解説しているため、併せて参考にしてくださいね。
BtoB企業とは? BtoCとの違いから企業の探し方まで徹底解説
事務・管理系
メーカーの事務・管理系の職種は、一般事務、経理事務、生産管理、資材調達、貿易事務などがあります。
企業によってはそれぞれの役割が重複していたり、他の職種に属していることもありますが、主な仕事内容は以下の通りです。
メーカー×事務・管理系の仕事内容
- 一般事務:書類作成やファイリング、郵便物の仕分け、データ入力など事務作業全般を担当する。企業によって業務の範囲が大きく異なる。
- 経理事務:伝票の作成や立替経費の精算、購買契約の締結や発注業務、売掛金や買掛金の管理、原価計算などをおこなう。一般的な小売業や商社の経理とは異なり、製造にかかるコストを管理するために原価計算をする必要がある。
- 生産管理:製品の品質管理と適切な製造量を保てるよう、納期までのスケジュール立てや製造量を管理する。
- 資材調達:製品を製造するために必要な素材や材料を調達する。仕入先の開拓・選定や価格交渉、注文書の作成や納期・数量管理など業務は多岐にわたる。資材調達部や資材購買部などの専門部門が設けられている企業もある。
- 貿易事務:貿易に関する書類の作成や確認業務、通関手配など、自社製品の輸出入に関する事務作業をする。海外企業とやり取りをしながら業務をするため、ビジネスレベルの英語力が求められる。
事務職に興味のある人はこちらの記事も参考にしてください。部門別の事務職の仕事内容も解説しています。
事務職の4つの誤解に要注意! 仕事内容・適性・選考対策を徹底解説
貿易事務に興味のある人や、就活で英語力をアピールしたいと考えている人はこちらで解説しているので参考にしてくださいね。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
営業系
メーカーの営業職は、顧客に自社製品を提案・販売する仕事を担います。主に法人が顧客であるBtoB営業がメインです。ルート営業が基本の企業が多いですが、新規営業を担うこともあります。
メーカー×営業系の仕事内容
- ルート営業:既存顧客が対象で、自社製品のフォローやオプションの提案、新作の案内などをおこなう。
- 新規営業:新たな顧客を獲得するために新規開拓をする。アポイントを取ったり、飛び込み営業をしたりする。
メーカーの営業職は、ルート営業が主流のため、企業と長く関係性を構築できます。
製品分類別に担当が分けられるケースが多いため、特定の分野のスペシャリストを目指すことも可能です。
製品を販売するためは、業界の最新情報や自社製品の深い知識が必要不可欠なため、継続的に知識やスキルをアップデートできる人に向いています。
メーカーの営業はきついのではないかと不安に思う人は、以下のQ&Aコンテンツでキャリアコンサルタントが実態を回答しているので、併せてチェックしてくださいね。
営業職に興味がある人はこちらの記事も参考にしてください。営業職の種類別に仕事内容や志望動機を解説しています。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
BtoB営業の仕事内容や魅力はこちらの記事で詳しく解説しています。メーカーを含むBtoB営業が活躍する業界も解説しているので参考にしてみてください。
BtoB営業ってどんな仕事? 魅力から大変な部分までまるごと解説
営業職の仕事内容を見て、営業職には向いていなさそう……と感じている人はこちらの記事を見てみてください。営業職への適性を判断する方法を解説しています。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
- メーカーの営業は大変そうなイメージがありますが、実態を教えてください。
営業のスタイルが変わったことで人気の職種になってきている
飛び込み営業や押し売り、ノルマなどの古典的な印象があると、営業職は大変そうなイメージがあるかもしれません。
しかし、近年では営業職のスタイルも大きく変化し、むしろ人気職種と言えるほどになっています。
新型コロナウイルス感染症の影響で、部外者を容易に事業所内に入れない風潮が高まったこともあり、飛び込みなど従来型の新規開拓は見られなくなりました。
インターネットや展示会、セミナーなどで情報発信して見込み客を発掘し、定期的な情報提供で関係を構築し、単純にモノを販売するのではなく顧客の課題解決を支援するといった形で、営業職はとても知性の問われる仕事になったのです。
また、インサイドセールスやカスタマーサクセスなどの新しいスタイル営業は、報酬も高く人気職種として注目を集めています。
企画系
メーカーの企画系の職種は、商品企画や販売促進、宣伝・広報などです。企業によってはそれぞれの役割が重複していたり、他の職種に属していることもありますが、主な仕事内容は以下です。
メーカー×企画系の仕事内容
- 商品企画:市場調査や分析をして、顧客のニーズに合った新製品の開発や既存製品の改良を提案する。
- 販売促進:商品のコンセプトや顧客へのアプローチ方法など、どのようにして商品を売るか戦略を考える。
- 宣伝・広報:企画・開発した自社製品を多くの人に知ってもらうためにマスメディアやインターネットを通して宣伝する。販促イベントの企画や運営をすることもある。
大手メーカーでは商品広報と企業広報に分担されるケースもあり、商品広報は商品に関するPRを、企業広報は企業全体のブランディングをしたり、企業に関するニュースを配信する。
メーカーの企画職は、何もないところから新しいもの(製品)を生み出し、世の中に広める仕事を担います。自分のアイデアを目に見える形にできるのはメーカーの企画職ならではの魅力といえます。
企業によっては総合職採用で、営業など現場経験を積んでから企画職に配属になる場合もあります。メーカーは企画関連の部署の規模が大きい企業も多くあり、企画職を目指せるチャンスが多い傾向にあります。
メーカーの企画・開発職のやりがいとしては、その商品(プロダクト)の最初から最後までにかかわることができるという点において大きな学びと達成感が得られやすいです。
大変なこととしては、その過程の中で起こるあらゆる問題解決です。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見るメーカーは製品の開発や生産に携わりやすいのが醍醐味
メーカーに特有の仕事内容は、何といっても自社独自の製品を企画・開発・生産できることです。商品を仕入れて販売する卸売業や小売業と異なり、製品を作る段階も自社でおこなうため、製品に対する思い入れや愛着が自ずと強くなります。
メーカーの仕事は、企画→開発→原材料調達→量産化設計→製造→販売→流通というプロセスから成り立ちます。
上流から下流のそれぞれの職種で大きなやりがいを感じられる
上流工程では、市場や顧客のニーズを捉えて製品を企画し、それを具現化するべく開発・設計します。企画職では、自らのアイデアを形ある製品に変えて世の中に出せる喜びを得られることでしょう。
また開発職では、企画のアイデアを実際に製品として形にする過程で、技術的な制約や費用面での制約に直面しますが、それを乗り越えて製品化できた時の達成感は大きなものとなります。
開発した製品を量産化するにあたっては、仕様を標準化するための生産技術が求められますが、ここには専門的な知識や高度な思考力が求められ、プロの仕事としての自負と誇りを感じられやすいです。
また、販売や流通といった下流工程では、自社の製品が世の中に流通していく過程を肌で感じることができ、メーカーとしてのブランド価値を味わうことができるでしょう。
企画職に興味がある人はこちらの記事も併せて参考にしてください。新卒が企画職に就職するためのコツも解説しています。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?
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商社業界×職種
商社は、自社の商品やサービスを販売したい企業と購入したい企業を結び付け、取引の仲介を担います。
商社は取り扱う商品の領域により、総合商社と専門商社に分類されます。
商社の種類
- 総合商社:取り扱う商材が多岐にわたる
- 専門商社:特定の領域に特化して商材を取り扱う
ここからは、商社の事務・管理系、営業系、企画系職種の仕事内容を解説します。
商社に興味のある人は以下の記事も併せて参考にしてください。商社の業種や職種を解説しています。
総合商社・専門商社別の志望動機例文10選|必須の対策4選も解説
商社の中でも5大商社に興味のある人は以下の記事も参考にしましょう。5大商社それぞれの特徴や選考対策を解説しています。
5大商社を徹底比較! 事業や社風の違いから内定への道筋まで解説
事務・管理系
商社の事務・管理系の職種は、一般事務、貿易事務・海外事務、物流・在庫管理などがあります。企業によってはそれぞれの役割が重複していたり、他の職種に属していることもありますが、主な仕事内容は以下です。
商社×事務・管理系の仕事内容
- 一般事務:見積書や契約書などの書類作成、発注書のチェック、商品に関するデータの入力、会議の資料や取引先の情報を管理する。主に営業職のサポートを担う。
- 一般事務:見積書や契約書などの書類作成、発注書のチェック、商品に関するデータの入力、会議の資料や取引先の情報を管理する。主に営業職のサポートを担う。
- 物流・在庫管理:商品の仕入れ、在庫管理、円滑な出荷など、商品が小売店などのエンドユーザーに届くまでの流れを総合的に管理する。
商社では、英語で書類を作成したりメールや電話のやりとりをしたりするため、一定の英語力が求められます。
営業系
商社の営業系職種は、メーカーなどから仕入れた商品の販売や仕入先の確保、市場の分析などの仕事を担います。ルート営業だけでなく、新規営業もするため、市場の分析力も重要です。
バイヤーやマーチャンダイザー(MD)と言われる仕入れ担当が別にいることもありますが、営業職が商材の仕入れを担当する企業もあります。
商社の営業職は、自社で製造した商品のみを販売するメーカーの営業職とは異なり、取り扱う商品が幅広いといった特徴があります。幅広い商品の中から、顧客それぞれに合った商品を提案するため、コンサルティング要素を持った営業ができる点も魅力といえます。
また、仕入れや販売のために出張が多い特徴があり、扱う商品によっては長期間海外にいくことも少なくありません。
- 商社の営業は英語が得意でないといけないイメージがあります。英語が苦手なので諦めた方が良いでしょうか?
国内営業を中心にしている企業を選べば英語力がなくても活躍できる
英語が苦手でも諦める必要はないでしょう。総合商社でも英語を使わない部署はあり、海外取引ではなく国内営業を中心とした商社もあります。
英語が苦手であれば、英語力を払拭するくらいのアピールポイントを考えてみましょう。
帰国子女や留学経験者には英語力はかなわなくても、コミュニケーション能力やチャレンジ精神など別の分野で優れていれば、採用につながる可能性はあります。
商社を希望するならば、英語が苦手だからと決めつけず、たとえばTOEICで700点のスコアを目指して勉強するなど、英語力のスキルアップも考えると良いですね。
企画系
商社の主な企画系職種は、事業企画です。
事業企画は、新たな事業の開発や企業への投資に関する企画に携わる仕事です。どのような事業を立ち上げるかや、どの企業と取引をして投資するのかなど、計画を立案する仕事であり、マーケティングの役割を担うこともあります。
事業がうまくいくかどうかを担う重要な役割であるため、新入社員がいきなり事業計画の部署に配属される可能性は低く、営業職などで経験を積んでから配属されることが一般的です。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見る商社は国内外の多くの企業や人とかかわることができる魅力的な仕事
商社の基本的な業務は商品の国際取引です。製品や食品、化学品、資源など、さまざまな商品の買い付けから輸出入までをおこないます。
異なる国や業界のさまざまな人々とかかわり、価格交渉や契約締結などを経験することになります。国際的なビジネスをおこない、実際に商品が動いていく様子を見られるのは、非常に魅力的な仕事だと言えるでしょう。
営業職などの場合は長期間海外に滞在したり、場合によっては赴任することもあります。国際経験を積めるのもやりがいの一つだと言えるでしょう。
また、一般的に海外駐在の場合には手当や福利厚生が手厚くなるため、経済的な報酬が多くなるのも魅力の一つだと言えます。
スケールの大きさに誇りを感じながら仕事をすることができる
その他にも、商品を仕入れるだけでなく、国内外の企業と連携して新規ビジネスを開発したり、既存事業を拡大する機会に携わることもあります。
事業開発として巨額のお金が動く様を目にし、そのスケール感から重要な仕事をしているという自負を得ることもできるでしょう。
近年、海外への直接投資やM&Aなどをおこなう商社も多いです。商品の流通に加えて、事業そのものの成長や発展に携われることに誇りを感じることもあるでしょう。
流通・小売業界×職種
流通・小売業界の仕事は、メーカーや卸売業者から仕入れた商品を店頭に陳列し、消費者に販売する仕事です。
流通・小売業界の種類
- 百貨店
- スーパーマーケット
- コンビニエンスストア
- 専門店(家電量販店、ドラッグストア、アパレル店など)
ここからは、流通・小売業界の事務・管理系、企画系、販売・サービス系職種の仕事内容を解説します。
流通・小売業界の中でも、アパレル業界に興味のある人はこちらの記事も参考にしてください。アパレル業界特有の職種も解説しています。
例文11選|アパレル業界の志望動機に必須の準備と書き方を解説
専門店の中のドラッグストアを志望している人は以下の記事をチェックしてください。ドラッグストアの志望動機の書き方を5つの例文と共に解説しています。
例文5選|ドラッグストアの志望動機に深みを持たせて合格する方法
事務・管理系
小売・流通業界の事務・管理系の職種は、経理事務、物流・在庫管理などがあります。企業によってはそれぞれの役割が重複していたり、他の職種に属していることもありますが、主な仕事内容は以下です。
小売・流通業界×事務・管理系の仕事内容
- 経理事務:売掛金・買掛金の管理や請求書発行が主な業務。大量の商品を扱うこともあり、支払業務が煩雑になることも珍しくない。
- 物流・在庫管理:商品の仕入れ在庫の管理をする。バイヤーと呼ばれ、商品の選定や仕入れ、買付、仕入れルートの新規開拓などを担う。
企業によっては、世の中のトレンドを調査し、商品の開発や販売戦略を一貫して担うマーチャンダイザー(MD)と呼ばれる職種があり、バイヤーがマーチャンダイザー(MD)を兼任することもある。
- 小売業界は販売職のイメージが強いですが、事務職に配属になる可能性はどれくらいありますか?
販売職を経験してから事務職に配属されるケースがある
企業により異なりますが、小売業界の企業は、店舗などで販売職の経験をして本部の事務職に就くことが多いでしょう。
現場を理解していることで、事務職の仕事がうまくいくと考えている企業もあります。特に商品企画やバイヤーなどは、現場を知らなければ難しい職種です。
最初から事務職を希望する場合は、企業説明会などで配属について確認をするとともに、簿記の資格を取得して経理としての実践力を示すなど、事務職としてのスキルをアピールすると良いですね。
企画系
小売・流通業界の主な企画系の職種は運営企画や販売促進、商品開発などです。
小売・流通業界×企画系の仕事内容
- 運営企画:店舗エリアの客層や競合店を調査し、顧客ニーズを捉えた販売戦略を策定する。
- 販売促進:店舗レイアウトの考案・変更、新規店舗の出店計画、マーケティング戦略立案など。イベントやキャンペーン、SNSを活用した集客を企画、運営をすることもある。
- 商品開発:自社オリジナルの商品を企画、開発する。近年、プライベートブランド(PB)の自社商品を取り扱う企業が増えている。メーカーと共同で商品開発する場合もある。
小売・流通業界の企画系職種は、店舗で販売に携わり、経験を積んだ後に配属されるケースが多い傾向にあります。
- 流通・小売業界の企画職に興味があります。どうすれば携わることができますか?
学生のうちにアルバイトで経験をしておくと携わりやすい
流通・小売業界の企画職に携わりたいのであれば、まずはその業界にかかわることが大事です。
特に流通・小売については、アルバイトを募集していることも多く、自分から能動的にかかわっていきましょう。
たとえば、アパレル関連の販売職を目指しているなら、学生のうちにそういったお店で働いた経験があると、選考で評価されやすいですよ。
販売・サービス系
小売・流通業界で入社後に配属される可能性が高いポジションが、販売スタッフ・店長職です。
販売の仕事は、顧客の接客がメインで、顧客のニーズを捉えて最適な提案をし、販売につなげます。会社全体の売り上げに直結する重要なポジションです。企業によっては、販売スタッフ一人ひとりに売上目標が設定される場合もあります。
販売スタッフの主な仕事内容
- 接客
- レジ打ち
- 商品の陳列
- 在庫管理
店長は店頭に立って接客するだけでなく、店舗の責任者として従業員の指導や店舗全体のマネジメントなどを担います。
アルバイトやパートスタッフが在籍していることも多いため、正社員以外の指導も重要な役割です。
小売・流通業の魅力は、何といっても消費者に最も近い位置で仕事ができることでしょう。
メーカーや商社・卸売業者と異なり、商品の最終消費者と直接かかわる仕事のため、世の中の動き、時代の流れ、トレンド、人々の嗜好などを肌で感じることができるのが特徴です。人々の役に立っている実感を直接得られるのも魅力だと言えます。
販売職に興味のある人はこちらの記事も参考にしてみてください。販売職の仕事内容やキャリアプランなどを解説しています。
販売職を徹底調査! 仕事内容から就活を成功させるコツまで紹介
金融業界×職種
金融業界とは、貸付や金融商品販売などお金にかかわるさまざまな業務をする業界です。
金融業界の種類
- 銀行(メガバンク、地方銀行、信用金庫、信託銀行)
- 保険会社(生命保険会社、損害保険会社)
- 証券会社
- クレジットカード会社
- リース会社など
ここからは、金融業界の事務・管理系、営業系、金融系職種の仕事内容を解説します。
金融業界を詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。金融業界の10の業種と4つの職種を解説しています。
金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖
金融業界の中でも銀行に興味のある人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
例文14選|銀行の志望動機がスラスラ書ける簡単6ステップ
事務・管理系
金融業界特有の事務・管理系の職種は金融事務と呼ばれ、金融業務関連の事務作業を担当します。金融業界の中でも働く場所によって仕事内容が異なります。
金融業界×事務・管理系の仕事内容
- 銀行:窓口での入出金、送金、口座開設・解約、金融商品の紹介などの窓口業務や、為替、手形小切手の管理、口座振替などのバックオフィス業務を担当する。
外国為替を取り扱う外為事務や、融資に関する事務全般を担当する融資事務など、担当が分かれている場合もある。 - 保険:見積書・申込書の作成、契約内容のチェック、保険金請求の受け付け、保険金の支払い処理、問い合わせ対応などを担う。
- 証券:営業職やアナリストやトレーダーなどの金融系専門職のアシスタント業務を担当する。証券口座の管理や決算データの入力、アナリストレポートの作成補助、市場データの確認・管理などを担う。
金融業界の事務・管理職は、窓口業務で顧客に商品を勧めることもあり、営業要素が含まれる場合もあります。また、一般企業の事務職に比べて、顧客と直接対面や電話、メールなどでやり取りする機会が多い点も特徴といえます。
専門用語や金融知識を問われることも多いため、継続力があり学び続けられる人に適性があることの多い職種といえます。
- 金融業界の事務職はいずれなくなるのでしょうか?
人員が減っていく可能性はある
金融業界における業界内での業務改善やサービスの変更は、現在目まぐるしい変革の状況です。
金融業界の事務職を目指すのであれば、その再編の中で「自分がどのように働くことができるか?」ということを明確にしておくことが重要です。
すべての事務職がなくなることはありませんが、人員は削減される見込みが高い業界の職種になることが予測されます。
営業系
金融業界の営業系職種は、金融商品を取り扱い顧客に提案、販売する仕事を担います。
新しく金融商品を提案し契約に結びつけるだけでなく、すでに契約している商品の更新手続きや切り替えの提案をする仕事もあります。
対象にする顧客によって、企業向け営業と個人向け営業に分かれています。
金融業界×営業系の仕事内容
- 企業向け営業:ホールセールとも呼ばれ、大企業や機関投資家、自治体などの顧客が対象。企業に資金調達を提案したり、企業の経営のアドバイスをしたりすることもある。
顧客は経営者や役員など専門知識がある場合が多いため、高度な金融知識が必要。 - 個人向け営業:リテール営業とも呼ばれ、個人や中小企業などの比較的小規模な顧客が対象。
自社の金融商品をただ勧めるのではなく、ライフプランや資産形成に関する悩みなど顧客の人生に寄り添い、その内容を踏まえて顧客のニーズにあった金融商品を提案することが求められる。
法人を相手に融資や資金調達などをする法人営業は、企業を金融面でサポートできるといったやりがいがある反面、企業を見極める判断力などが求められます。
個人を対象にした住宅ローンや投資信託などの金融商品の提案をおこなうリテール営業では、顧客の資産管理などに携われる一方、売上目標を達成する厳しさがあります。
リテール営業については以下の記事を参考にしてみてください。仕事内容など詳しく解説しています。
リテール営業とは? 仕事内容や5つの必須スキルを専門家と解説
金融系
金融業界には、高度な金融知識を取り扱う金融系専門職があります。専門性が高く深い知見を身に付ける必要がある職種ですが、希少価値が高いため高待遇を受けられることもあります。
主な金融系職種の仕事内容
- ファイナンシャルプランナー(FP):家計管理や保険、投資、不動産、税制などに関する専門知識を活かして顧客の悩みをサポートし、暮らしとお金に関するアドバイスをする。主な勤務先は銀行、証券会社、保険会社。
- プライベートバンカー:顧客に専属で付き、富裕層の銀行、証券、信託、保険、不動産などの資産総合コンサルティングを担う。主な勤務先は大手証券会社やメガバンクなどプライベートバンクサービスを提供する企業。
- 証券アナリスト:企業や業界の価値を分析したり経済状況の調査をしたりする。財務諸表分析などの数学的分析だけでなく、企業の決算説明会に参加したりするなど、自ら足を運び情報を集めることもある。主な勤務先は証券会社や運用会社。
- ファンドマネージャー:投資信託の運用方針や目的に合わせて、運用を指揮する。アナリストによる調査分析結果などを参考に、ファンドに組み入れる銘柄の選択や売買のタイミングを決定する。
新卒で採用される可能性は低く、アナリストを経てファンドマネージャーになるケースが多い。主な勤務先は投資信託運用会社や信託銀行、保険会社。 - ディーラー:自社の資金を元手に、株式・債券・為替などの売買取引をして利益を上げ、自社や顧客に還元する。扱う取引によっては時差の関係で勤務時間が大幅に変わることもある。主な勤務先は保険会社や証券会社、銀行。
- トレーダー:大口顧客の注文を受け、株や債券などの売買取引をする。ディーラーは自分の意思で売買するのに対し、トレーダーは顧客やファンドマネージャーの指示に従い売買する。
機械的に指示を受けて作業するのではなく、顧客が最善の選択ができるように市場の状況をふまえて売買のタイミングなどをアドバイスする。主な勤務先は証券会社や運用会社。 - エコノミスト:国内外の景気や金利、為替、金融市場の動向など、規模の大きい経済状況に関する情報を収集、分析、予測する。主な勤務先は金融業界の場合証券会社、金融業界以外の場合官公庁やシンクタンク、大学。
- アクチュアリー:保険料率などから生命保険や損害保険の保険料や保険金額を決定する。主な勤務先は生命保険会社や損害保険会社。また、近年では企業のリスク管理や経営にも携わることが増えているため、活躍する業界も拡大している。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見る生活に必要不可欠なお金の悩みを抱えている人や法人の手助けをできる
金融業は「お金を融通する」と書く通り、経済的な悩みや問題を抱えている法人や個人に、資金面でのサポートをするのが仕事です。
形のある商品を提供するわけではありませんが、お金を通じて顧客の仕事や生活に貢献できるのがやりがいだと言えるでしょう。銀行や信用金庫などでは、お金そのものを貸付して顧客の経済的な問題解決を直接的に支援することができます。
時には取り立てや財産の差し押さえの仕事も必要
単にお金を貸しておしまいではなく、顧客が計画的に借金を返済して経済的に自立できるように、経営面や資金繰り面での支援をおこなうこともあります。
しかし、時には返済できない相手にお金の取り立てをしたり、財産を差し押えたりする仕事を余儀なくされる場合もあります。
証券会社は顧客の保有資産を運用することで、顧客の経済成長を支援します。保険会社は顧客の将来に対する「万が一の備え」を提供します。
いずれも、顧客の将来の不安を取り除き、安心を提供するという点で、顧客の仕事や生活に密接にかかわる仕事だと言えます。そこにやりがいや誇りを感じる人も多いことでしょう。
サービス・インフラ業界×職種
サービス・インフラ業界は、形のないサービスや仕組みを消費者に提供することが主な仕事です。私たちの生活に身近な業界のためイメージしやすい人も多いでしょう。
サービス・インフラ業界には多くの企業が含まれているため、何を消費者に提供しているのかによって、仕事内容やビジネスモデルが多岐にわたります。
サービス・インフラ業界の種類
- 電力・ガス・エネルギー
- 鉄道・航空
- 不動産
- 医療・福祉
- コンサルティング
- 教育
- 人材
- ホテル
- 旅行
- レジャー
- 飲食など
ここからは、サービス・インフラ業界の営業系、企画系、販売・サービス系職種の仕事内容を解説します。
サービス・インフラ業界に興味のある人は以下の記事も参考にしてみてください。それぞれの業種について詳しく解説しています。
ガス会社
ガス会社の志望動機は社会貢献では落ちる! 例文付きで作り方も解説
海運業界
海運業界を徹底解説! 理解必須のトレンドから志望動機例まで紹介
建設業界
建設業界の全貌がわかる! 課題・動向から仕事内容まで徹底解説
コンサルティング
例文12選|コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説
人材業界
例文6選|人材業界の志望動機を作る3ステップとやりがちなNG例
営業系
サービス・インフラ業界の営業系職種は、個人や法人に自社の企画やサービスを販売する仕事です。
企業からニーズを聞き出し、自社の経営資材であるモノや人を活かして最適なサービスを提案します。カウンター営業や電話営業、訪問営業など、サービス内容によって営業スタイルは異なります。
サービス・インフラ業界×営業系職種の仕事内容
- 電気・ガス:家庭や企業に向けて自社商品のプランを説明、提案する。一般家庭などの個人を対象とした家庭用営業と、飲食店や工場などの法人を対象とした業務用営業がある。
- 人材:人材を採用したい企業と就職したい求職者の架け橋になる。企業の採用課題をヒアリングし、解決方法を提案する。
- ホテル:企業や団体、旅行会社に向けて宿泊や宴会などの案内やプランの提案をする。
- 旅行:カウンターを訪れた顧客に対し、旅行プランの提案やサポートをする。また、企業や学校に対して、修学旅行や社員旅行の提案などをする。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見るサービス・インフラ業界の営業はコミュニケーション能力が重要
サービス・インフラ業界の営業職に向いている特徴としては、正確な情報を正確に顧客に伝える能力とコミュニケーション能力が高い人と言えます。
営業職では、さまざまな学部・学科の人を採用している傾向が高いです。その中で、仕事に直接かかわることを大学時代に専攻している人材は一握りです。ほとんどの学生は入社後の新入社員教育にて、専門性を学び営業職として仕事に就きます。
この際、スタート時点は同期入社の社員とほぼ一緒のスタートとなります。
顧客を獲得するためには、入社後に学んだ専門知識と、その専門知識をうまく説明して顧客に納得してもらい、どう売り上げにつなげるか戦略を立てることが重要になります。
この成果を大きく左右するのがコミュニケーション能力の高さです。
コモディティ化しているサービス・インフラ業界は営業の質が重要になる
現在サービス・インフラ業界においては、商品、サービスがコモディティ化し、顧客はどのようなポイントで判断すれば良いか迷うケースが散見されます。
この場合は、会社の営業職とのコミュニケーションの質が最終的な決め手になることも多く、つまりサービス・インフラ業界にとって営業は大変重要な役割を担う職種なのです。
企画系
サービス・インフラ業界の企画系職種は、顧客が抱えている課題や要望を洗い出し、どのようなサービスを提供するかを考えます。また、サービス内容だけでなく、企画したサービスを実現するための方法や価格、宣伝方法などを考えていきます。
たとえばホテル業界の企画職は、ホテル独自の宿泊プランやブライダルフェア、ディナーショーなどのさまざまなイベントを企画し、より多くの人がホテルを訪れるように戦略を練ります。市場のニーズやトレンドをリサーチし、状況を加味して企画することが重要です。
また、企画したサービスをターゲット層に向けて効果的に宣伝する方法を考えます。
企画したサービスを実現するために関係者を納得させるプレゼンテーション力や、ほかの職種とかかわり合いながら仕事を進める調整力も求められます。
販売・サービス系
サービス・インフラ業界の販売・サービス系職種は、企画系職種が企画したサービスを提供する仕事を担います。自社のサービスの魅力を顧客に伝え、快適にサービスを利用してもらったり、サービスを通して顧客の要望に応えたりする仕事です。
サービス・インフラ業界×販売・サービス系の主な職種
- ホテル:フロントスタッフやベルボーイ、コンシェルジュなど
- テーマパーク:アトラクションスタッフなど
- 旅行:ツアーコンダクターなど
- 鉄道・航空:車掌、運転手、駅員、パイロット、客室乗務員、グランドスタッフなど
販売・サービス系の職種は、顧客と直接かかわる仕事のため、サービスや企業の印象を決めるといっても過言ではありません。
特にサービス・インフラ業界の商品は形のないもののため、接客の印象が残りやすい特徴があります。また、近年では観光客の対応などで語学力が求められるケースも増えています。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見るサービス・インフラ業界は人々の生活を支えているという実感を持ちやすい
サービス・インフラ業界の事業や商材は非常に多岐にわたるため、それぞれに異なるやりがいや魅力があります。
ただし、いずれにも共通して言えるのは、人々が生活や仕事を営むうえでの基盤を作る仕事であり、それらがなくては通常の生活を送ることすらできない重要な役割を担っているということです。
そのため、どの仕事に従事するとしても「私の仕事が世の中を支えている」という自負や誇りを抱くことができるでしょう。
何といっても、これが最大の魅力です。テクノロジーが進化した現代社会においては、エネルギーの安定的な供給は決して欠かすことができません。
責任重大な分大きな誇りを感じることができる
陸海空の交通がマヒしてしまうと、人や物の移動ができなくなり、社会の動きそのものを停止させてしまいます。
飲食や娯楽、観光などは人々の生活に彩りを与える機能を持ちます。少子高齢化社会においては、医療や福祉の充実は人の幸福度に直結する重要な役割だと言えます。
いずれの産業も私たちの社会と経済を動かす重要な機能を提供し、文字通り人の生活を支える仕事です。
その分、責任が重大だとも言えますが、世の中を動かす重要な責務を担っているという誇りを感じることができるでしょう。
ソフトウエア・通信業界×職種
ソフトウェア・通信業界は、情報技術を活用して企業経営や世の中の課題を解決する仕事です。IT業界と言われることもあります。
ソフトウェア・通信業界は事業内容によって5つに分けられます。
ソフトウェア・通信業界の種類
- ハードウェア業界
- ソフトウェア業界
- 情報処理サービス業界
- 通信インフラ業界
- インターネット/Web業界
IT技術の進化にともないDX化も急速に進んでいるため、ITを活用したサービスの需要は高まっています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
Digital Transformation。企業がAI(人工知能)、IoT、ビッグデータなどのIT技術を用いて、商品やサービス、新しいビジネスモデルの開発に活用することで、社会や人々の生活をあらゆる面でより良いものに変革させていくという概念。
ソフトウェア・通信業界に興味のある人は以下の記事も参考にしてみてください。
IT業界の仕事内容
ITの仕事って何があるの? 仕事の種類や働く魅力を詳しく解説!
IT業界の企業ランキング
IT業界の企業ランキングを徹底解剖! 内定を勝ち取るコツも紹介
未経験からIT業界に就職する方法
未経験からIT業界に就職する秘訣とは? 必要なスキルまで徹底解説
Web業界の全貌
Web業界の全貌を徹底調査|選考突破の秘訣や自己PR例文も解説
事務・管理系
ソフトウェア・通信業界特有の事務・管理系職種は、IT事務と呼ばれ、書類作成や電話・メール対応などの一般事務に加えて、ITに関連する知識が求められる業務も担います。
エンジニアのサポートも業務に含まれるため、ITサポートやITサポート事務と呼ばれることもあります。
ソフトウエア・通信業界×事務・管理系職種の仕事内容
- ITエンジニアのサポート業務
- PCやモバイル端末の初期設定
- 社内のネットワークの設定
- ソフトウェアのインストール
- IT関連の資料作成
- システム開発や運用にかかわる問い合わせサポート
- IT機器の発注や管理など
IT事務は、ITの知識を使って業務をすることもあるため、企業で扱うシステムやネットワークなどに関する一定以上のスキルや知識を持っている必要があります。
営業系
ソフトウェア・通信業界の営業系職種は、自社のIT製品やサービスを販売する仕事を担います。
ソフトウェア・通信業界×営業系職種の仕事内容
- パッケージソフトウェア営業:完成しているソフトウェアを顧客に販売する。既製品を販売するため、いかにソフトウェアが顧客のニーズを満たせるのか伝えることが重要であり、営業力が求められる。
- SIer営業:顧客が抱える課題や要望を捉え、システム導入の提案、保守・運用を担う。システムの導入を提案するためITの知識が必要。
- SES営業:ITエンジニアを必要としている企業に、労働力であるエンジニアを派遣する。派遣したエンジニアのフォローや契約更新時の価格交渉なども担う。
- クラウド営業:SaaS(クラウド上にあるソフトウェアをインターネットを通して利用できるサービス)の導入を提案し、企業の課題を解決に導く。インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの3つのポジションに分かれて営業活動をする企業が多くある。
ソフトウェア・通信業界の営業職は、単にサービスや製品を売り込むだけでなく、顧客の課題や要望に合わせて提案しなくてはなりません。また、自社の製品や技術をアピールするためには、自社の製品やサービスの知識だけでなく、最新の技術やITに関連するトレンドなどを正しく理解している必要があります。
また、スケジュールの調整をしたり顧客の要望をエンジニア職に伝えたりと、顧客以外にもコミュニケーションを取る機会が多くあるため、コミュニケーション能力や調整力が求められます。
ソフトウェア・通信業界の営業職に向いている人の特徴としては、扱う商品・サービスが一般的に使われていない専門用語を使用するため、誰にでもわかる単語に変換できる言語能力がある人といえます。
IT系
ソフトウェア・通信業界にはさまざまなIT系職種があり、仕事内容も多様です。
ソフトウェア・通信業界×IT系職種の仕事内容
- ITコンサルタント:顧客の課題や要望をヒアリングし、ITを活用して顧客の抱える課題を解決する。
- データサイエンティスト:データを収集・解析し、ビジネスの状況改善に向けた施策を立案する。
- プログラマー:プログラミング言語を使い、システムやソフトウェアを開発する。
- ネットワークエンジニア:ネットワークシステム構築全般(ネットワーク設計、構築、保守運用、サーバー管理)をする。
- システム保守運用:障害発生を防ぐための運用管理や障害発生時の復旧作業を担う。
- カスタマーエンジニア:顧客のオフィスを訪問し、導入するIT製品の導入支援や保守点検を担う。
- システムエンジニア:システムの設計・開発・テストを手掛け、プロジェクト全体の進行を指揮する。
- セールスエンジニア:営業と技術者の両方の側面を持ち、自社製品の導入提案や導入後のサポートをする。
IT系職種は、チーム単位で仕事をすることも多いため、協調性やコミュニケーション能力なども求められます。
近年、未経験者を自社で育成する企業も増えているため、新卒や未経験でもIT系職種に挑戦することは可能です。
未経験でIT系職種を目指す場合は、IT系の資格を取得したり、インターンシップに参加したりするなどして、仕事に対して具体的なイメージが持てるようにしましょう。
- IT業界はハードな働き方のイメージがあります。実際はどうでしょうか?
企業によって働き方は大きく変わる
開発製品の納品前は忙しく、IT業界の人材不足が原因で、仕事量が増えて残業時間が増えることもあります。
しかし人材を確保するために労働環境の見直しをおこない、人材不足を補うために未経験者の新人育成に力を入れているIT企業もあります。
IT業界だからではなく、それぞれのIT企業の労働環境をチェックしてみると良いでしょう。
ITは日進月歩で進化し、時代の最先端にある産業だと言えるでしょう。
これまでは不可能とされていたことが実現できたり、従来とは比べ物にならないほど劇的な生産性の向上を果たしたりと、常識や固定概念を乗り越えて時代を変えていく姿を目の当たりにすることができます。
近年ではAIの発展が目覚ましく、人類はますます未知の世界へと突入します。まさに「未来をつくる仕事」だと言えます。
IT系職種を詳しく知りたい人は以下の記事で詳しく解説しています。
ITエンジニア全般
ITエンジニア20選! 必要なスキルと業務内容をわかりやすく解説
Webエンジニア
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広告・出版・マスコミ業界×職種
広告・出版・マスコミ業界は、メディアを通して多くの人に情報を提供することが主な仕事です。主に広告枠というクライアントの広告を載せる枠があり、クライアントの情報を発信することにより収益を得ています。
広告・出版・マスコミ業界の種類
- 広告代理店
- 放送局
- 出版社
- 新聞社
モバイル端末やSNSの普及により、情報をインターネットで検索して得る人が増えました。このような背景にともない、インターネット専業の広告代理店が増加し、急速に成長しています。
また、放送局や出版社もコンテンツのデジタル化を進めるなどインターネットとの融合を図っています。
- 広告・出版・マスコミ業界の対策方法を教えてください。
それぞれの業界で求められる能力を把握しよう
確かに広告・出版・マスコミ業界は、倍率が高く人気の業界なので、憧れだけでは採用にはつながりません。
たとえば広告業界では、総合広告会社、専門広告会社、インターネット広告会社があり、大きく分類すると営業、企画、クリエイティブといった仕事があります。
業界の知識だけでなく、具体的にどういった仕事があるのかを把握したうえで、なぜこの業界なのかを明確にしましょう。
そして求められている人材を把握したうえで、発揮できる強みをアピールすると良いでしょう。
広告・出版・マスコミ業界に興味のある人は以下の記事も参考にしてください。
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営業系
放送局や出版社、新聞社の営業系職種は、広告収入を確保するために、企業や団体に広告枠の宣伝やセールスをします。
広告枠とは
テレビや新聞、雑誌、ブログ、ラジオなどといった媒体にある、顧客の商品やサービスの広告を入れるスペースのこと。テレビやラジオのコマーシャル(CM)にあたる。
広告代理店の営業職は、広告主である顧客の窓口として、どのメディアを使い、どのように宣伝するのかなどの広告手法を考えます。
また、広告の提案だけでなく、スケジュール調整や進捗管理、効果検証などを担う場合もあります。取り扱うメディアや仕事内容は企業によって大きく異なります。
企画系
広告・出版・マスコミ業界の企画系職種は、広告プランナーやイベントプランナー、調査研究・マーケティングなどがあります。企業によってはそれぞれの役割が重複していたり、他の職種に属していることもありますが、主な仕事内容は以下です。
広告・出版・マスコミ業界×企画系職種の仕事内容
- 広告プランナー:顧客の要望をもとに、広告の企画・提案をする。また、企画立案後、広告が形になるまでの進行管理を担うこともある。主な勤務先は広告代理店。
- イベントプランナー:イベントを企画立案し、準備や管理など運営業務全般を担う。主な勤務先は広告代理店やイベント企画会社。
- 調査研究・マーケティング:市場調査や広告効果の測定を通して、どのようにすればより多くの人に情報を届けられるのか、宣伝効果が高いのかを考え、企画立案する。
クリエイティブ系
広告・出版・マスコミ業界のクリエイティブ系職種は、編集者、校閲、新聞記者、放送記者、プロデューサー、ディレクター、アシスタントディレクター、デザイナーなどがあります。
企業によってはそれぞれの役割が重複していたり、他の職種に属していることもありますが、主な仕事内容は以下です。
広告・出版・マスコミ業界×クリエイティブ系職種の仕事内容
- 編集者:書籍や雑誌、記事などを企画し、出版や掲載までの工程を管理する。主な勤務先は、出版社や編集プロダクション。
- 校閲:雑誌、書籍、新聞などの校正紙や原稿を確認する。誤字脱字や文章表記だけでなく、執筆された内容に事実誤認がないかや不適切な表現がないかも確認する。
- 新聞記者:世の中の情報を取材し、新聞に掲載する記事を書く。扱う情報は企業や配属部署によって異なるが、政治や経済、社会問題、スポーツなど多岐にわたり、取材対象から話を引き出すためには、専門知識も求められる。
- 放送記者:ニュース番組の制作をする。現場で取材をして情報を収集する取材記者と、内勤でニュース番組などの制作をする編集記者に分かれる。取材記者は、現場から生中継できる点が新聞記者と異なる。
- プロデューサー:テレビや雑誌、広告などの制作をする際の、プロジェクト総責任者。企画の立案や予算の設定・管理、スタッフや配役の交渉・手配など制作の権限を握っている。主な勤務地は、放送局、出版社、広告代理店。
- ディレクター:制作現場の総責任者として、管理や進行をする仕事。スタッフの選出や役割分担、制作現場とクライアントの橋渡しなども担当する。企画全体の総責任者であるプロデューサーに対して、ディレクターは現場の責任者の役割を担う。
- アシスタントディレクター:ディレクターの助手として、番組制作の実務を補佐する役割を担う。ADや演出助手と呼ばれることもある。仕事内容は、リサーチや下見、演出補佐や編集作業の補助など多岐にわたる。ディレクターになるための足がかりとなる職種。
- デザイナー:顧客やディレクターから依頼されたイメージを具体的な形にする。
- 広告業界のクリエイティブ系の仕事は人気なイメージがありますが、どうすればなれますか?
他の業界と同じくインターンやOB・OG訪問を活用すると良い
華やかなでオシャレなイメージのあるクリエイティブ系の仕事は、憧れる人も多く、狭き門だと言えるでしょう。
しかし、職種や企業によっては労働時間が不規則であったり、作業量が多くて激務であったり、人間関係の調整に追われたりなど、必ずしもイメージ通りではない一面もあります。
他業種と同様に一定の退職者がいて人手不足の状況にあるのです。
求人を探して応募をするという点では、他の仕事と同じだと言えます。
むしろ、イメージが先行して就職後にミスマッチが起きないように、自分の志向や適性に合っているかどうかを見極めていくことが重要でしょう。
インターンに参加して実際に視察、体験したり、OB・OG訪問やクチコミサイトから生の声を収集するのも有効でしょう。
広告・出版・マスコミ業界のクリエイティブ系職種は、専門的な知識が必要なこともありますが、未経験や新卒の募集をしている企業も多くあります。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る自分で調べたことを世の中に発信できる
広告・出版・マスコミ業界ならではの仕事のやりがいとしては、興味関心のある分野について積極的にかかわることができる点です。
また、いち早く世の中に入手した情報を発信することができる点が醍醐味であると言っている人もいます。
多職種で一つの制作物を作ることも達成感が大きく、やりがいにつながりやすいです。
自分がかかわっている部署や関連企業がチームのように思えるのです。
激務になりやすいことは理解しておこう
仕事内容においては、現在はかなり改善されていますが、大きな事件などがあった場合には出ずっぱりの状況であったりと、気力・体力面が非常に重要な職であることが知られています。
本当にやりたい仕事でなかったり、仕事に対する使命感がない場合には厳しい仕事になってしまうことは確かです。
この業種・職種について何をしたいのかを明確にしておくことで、やりがいが見出されやすくなります。
業種・職種研究以外にも! 企業選びの際にするべき4つの研究
企業選びの際にするべき4つの研究
- 自分自身を研究する
- 業種・業界を研究する
- 職種を研究する
- 企業の実態を研究する
業種と職種の違いや、それぞれの仕事内容を理解できた人は、自分に合った企業を見つけましょう。業種と職種だけを詳しく理解できていても、自分に本当に合っているかを確かめたり、志望企業独自の特徴を押さえたりすることはできません。
ここからは、企業選びの際にするべき研究4つを解説します。一つひとつ研究して、自分に合った企業を見つけ出しましょう。
自分に合った仕事を見つける方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。業界や職種への理解を深める方法も解説しているため、参考にしてみてください。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説
①自分自身を研究する
まずは自分自身を研究し、自分のことを深く理解する必要があります。自己理解ができていないと、自分にとって何が良いのかがわからず、自分に合った企業かどうか判断できないためです。
企業を選ぶ際は、自己分析をして自分の価値観や就活の軸を明確にしましょう。ある程度自分がやりたいことが見えている人も、自己分析の工程を飛ばさずにしっかり実施してください。
自己分析を徹底すると、企業選びだけでなくエントリーシート(ES)や面接の準備にも活かせます。
自己分析の種類
- 自己分析ツール
質問に答えるだけで自己分析ができる。 - 自分史
自分の過去から現在にかけて時系列にエピソードを洗い出す。共通点から根底にある価値観や強み・弱みを見つける。 - マインドマップ
自分の頭の中にある考えを連想しながら深掘りし、地図のように作成するもの。頭の中で考えていることを整理し、新たな発想を得たり価値観を見つけ出しやすくする。 - モチベーショングラフ
モチベーションの揺れ動きをグラフにして表したもの。どのような状況や環境で頑張れるのかが可視化できる。
就職の軸が定まらないと、何を叶えたいのかわからないため、自分に合う企業を選択できず、採用試験でも志望動機や自己PRがうまくできないでしょう。
また強みを把握せずに入社することで、ミスマッチングが生じる可能性もあります。
自己分析の方法を詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
思考の整理をして自分の価値観を見つけられるマインドマップを用いた自己分析の方法はこちらの記事で解説しています。
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説
就活の軸の考え方はこちらの記事で解説しています。業界別や職種別に就活の軸を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
モチベーショングラフとは自分のこれまでの経験を振り返って客観的に自己分析を深めるのに有効な手段です。以下の記事では就活への活かし方をまとめているので参考にしてみてください。
テンプレ付き|モチベーショングラフを駆使して自己分析を深めるコツ
②業種・業界を研究する
自己理解を深めたら、次は業種・業界への理解を深めましょう。この段階で、明確にこの業種で働きたいと絞りきれていなくても問題ありません。可能性を狭めないためにも、自分の価値観や就活の軸をもとに広い視野を持って業種・業界を研究しましょう。
業種・業界を研究する方法
- 業界地図を見る
- 合同説明会に参加する
東洋経済新報社発行の会社四季報 業界地図では、業界別に大まかな勢力図や状況などがわかるため、業界を幅広く分析するのに役立ちます。
また、合同説明会に参加して業種や業界の理解を深める方法もおすすめです。合同説明会とは、さまざまな業界・業種の企業が集まって会社や仕事の概要を説明するイベントです。合同説明会に参加することで一度にさまざまな企業の話を直接聞けます。
今まで興味を持っていなかった業種・業界に興味を持つきっかけになったり、複数の企業の説明を聞くことによって業種・業界への理解が深まったりするメリットがあります。
業種・業界を研究する際に確認するポイント
- 業種・業界の役割や全体像
- 市場規模と推移
- ビジネスモデル
- 取り扱う商品やサービス
- 将来性や安定性
- 現状の課題
- 最新のニュースやトレンド
- 業界・業種内にどのような企業があるのか
それぞれの業界・業種の特徴や事業内容などを把握できたら、自己分析の結果を踏まえて、自分がやりたいことを実現できる業界・業種や、自分に適性のある業界・業種を考えてみてください。
近年では、新卒学生向けの合同会社説明会をWebで開催する企業も増えてきました。Web合同説明会に参加しようと考えている人はこちらの記事も参考にしてみてください。
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
③職種を研究する
同じ業種・業界でも職種が変われば、仕事内容や待遇、求められるスキルが大きく異なることもあります。企業にはさまざまな職種が存在するため、各職種の業務内容や求められるスキルなどを正確に把握し、自分の強みを活かせる場の有無や適性を考えましょう。
職種を研究する際に確認するポイント
- 業務内容
- 求められるスキルや知識
- キャリアパス
- 自分の性格や希望に合っているか
- 自分のスキルや知識がどのように活かせるか
- 業種・業界が変わると業務内容は変わるのか
それぞれの職種の特徴や仕事内容などを把握できたら、自己分析の結果を踏まえて、自分に合う職種を考えてみてください。
④企業の実態を研究する
業種・業界や職種の研究を通して、興味を持った企業を調べていきましょう。
企業を研究する際は、情報が偏ってしまわないように、多角的な視点で研究していくことが重要です。インターネットだけで情報を得ることも可能ですが、実際に働いている人の話を聞いたり、詳しい人に相談したりして、企業の実態をつかみましょう。
企業研究の方法
- 企業のHPを参考にする
- OB・OG訪問する
- インターンに参加する
- 座談会に参加する
- キャリアセンターを利用する
- キャリアコンサルタントに相談する
- 企業に関する記事や書籍を読む
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る業種・職種の理解を深めるためにはインターンに参加しよう
おすすめの企業研究としては、インターンに参加することが一番良い方法だと考えています。これは、「就職をする」という時間軸よりも、その企業で「長く働く」ことを念頭に置いた企業研究になるからです。
インターンは、学生と企業がお互い納得のうえで実施されます。実施されている最中は、企業の仕事の仕方や、企業に勤めている人に実際にかかわることができます。
このかかわりにより、将来の「就職のミスマッチ」を防ぐことができるのです。
インターンで相性の良さを確認してみよう
インターンは、職場でどのような目的を持って働いているのか、どのような成長ができるのかを実際の触れ合いを通して確認できる場です。
インターンでの経験を得ることができると、かなり深い企業研究ができます。
そして、もし、このインターンの企業研究が上手くいった場合、つまりお互いに相性や目的が合致する場合には、志望度が高まるでしょう。
このような流れが一番良い企業研究の展開だと思います。
企業研究の方法を詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
OB・OG訪問
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
インターン
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
座談会
座談会とは? 質問例50選と本選考への活かし方を企業目線で解説
業種と職種の違いを理解して自分に合った企業を見つけよう
就活をする際は、基礎的な知識である業種と職種の違いをしっかり理解しましょう。
業種は、企業が営む事業の種類を指します。一方で職種は、企業の中で個人が担当する役割を指し、業種と職種が組み合わさることで仕事内容が見えてきます。
業種と職種の違いをしっかり理解したうえで自己分析や情報収集をして、自分に合った企業を見つけましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る業種と職種の違いを正しく把握して就活に役立てよう
就活をおこなううえで、業種と職種の違いを理解しておくことが大切です。業種は、建設業や不動産業といった仕事を営む事業の種類で、職種は営業や人事など個人が担う仕事の種類です。
企業選びでは、業種や職種を優先して選ぶことができますが、それぞれの注意点を押さえておく必要があります。
業種を優先して選択すると企業を絞り込むことができますが、他の業種でよりマッチングする仕事を見落としてしまう可能性があります。業種で絞り込む場合でも、他の業種についてもチェックしてみることをおすすめします。
職種で絞り込む場合、やりたい仕事に就けて仕事のモチベーションが上がりますが、総合職としての採用では希望する職種に就けない可能性があります。
同じ職種でも待遇などに違いがあることには注意しよう
また同じ職種でも年収や労働条件が企業により異なることも理解しておきましょう。職種を優先したい場合は、職種に関連する資格を取得するなど、実務能力や知識をアピールすると良いですね。
業種と職種の違いを理解したうえで、幅広く企業研究や企業説明会に参加して情報収集したうえで、就きたい業種や職種を考えてみるといいでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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中小企業診断士/キャリアコンサルタント
Shigeki Komatsu○営業企画・マーケティング・情報システム・総務・人事・経営企画室など幅広いキャリア経験を持つ。現在はキャリア形成や能力開発に向けた企業研修や個人面談などを提供している
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細