商社の志望動機の書き方を解説! 総合・専門商社の職種別10例文付き

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  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで500名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

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    Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる

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    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

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    Yuichi Hirano〇主体的なキャリア形成にて代表取締役を務める。福商実務研修講座にて講師を担当するほか、人材サービス会社などで実践を重ねる。18年間で1万人以上の面談実績あり

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この記事のまとめ

  • 商社業界と自分の接点を見つけることで説得力のある志望動機になる
  • 数ある商社からその企業を選んだ理由を具体的に示すことが必事が必要
  • 総合商社・専門商社別で志望動機の例文10選を紹介

商社を志望するなかで、「志望動機の書き方がわからない」と悩む人もいるでしょう。商社の志望動機を書くには、業種やビジネスモデル・業務内容を理解したうえで、なぜその企業でなければならないのかを考えることが重要です。そのためには、まず自分の強みや価値観を理解し、商社業界で成し遂げたいことを具体的にする必要があります。

この記事では、キャリアコンサルタントの、隈本さん、木村さん、渡部さん、谷所さん、平野さんとともに、商社の志望動機を作成する方法を、総合・専門商社別の例文付きで解説します。

また、採用担当者として1万人以上との面接を経験してきた谷所さん、18年以上にわたって学生の志望動機を目にしてきた平野さんからは、商社の志望動機を書く準備として特に重要な要素、商社の採用担当者が志望動機に期待する点についても教えてもらいました。

志望動機で、商社の事業にどう貢献するかを具体的に示し、内定獲得を目指しましょう。

商社業界にかかわらず、さまざまな業界についての知識を深めたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。この記事を読むことで、主要な8つの業界知識をつけることができ、業界研究でチェックすべきポイントがわかるようになりますよ。

商社の志望動機が思いつかない人は、以下の記事を参考にしてみてください。企業視点を意識した志望動機の作り方や、志望動機が書けない原因を突き止めて3ステップで志望動機を作る方法を解説しています。

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目次

志望動機の下準備! 商社志望なら整理しておきたい4つのこと

志望動機の下準備! 商社志望なら整理しておきたい4つのこと

  • 自分の強みや価値観とは?
  • 他業界と比べて商社を志望する理由とは?
  • 商社業界で成し遂げたいことは?
  • 志望企業にしかない強みとは?

志望動機を作るには、いきなり文章を書き始めるのではなく、その前段階として準備を徹底的におこなうことが重要だといえます。なぜなら、自身の強みや価値観、そして商社で何を実現したいのかを深く掘り下げておくことで、説得力のある志望動機が作れるからです。

ここでは、商社への志望動機を考えるうえで、事前に整理しておきたい4つのことを解説します。志望動機を作り始める前に、自分自身の考えを整理し、採用担当者が納得できるような土台を固めていきましょう。

①自分の強みや価値観とは?

志望動機では、自分の持つ強みや価値観を企業で活かすことができるという自分と企業のマッチ度を伝えることが大切です

企業は、自社とマッチする学生の入社後の活躍によって、自社に利益を生み出してくれる人材であることを期待して採用しています。学生にとっても、自分の強みが評価され、価値観の合う環境で働けることで生き生きと仕事に取り組むことができるでしょう。

つまり、企業と労働者の間では、お互いの相性がマッチする、「win-win」の関係性を築くことが重要で、その視点を持って志望動機を伝えることが大切なのです。志望動機で相手の心をグッとつかむために、改めて自己分析をおこない、自分の強みや価値観を明確にしていきましょう。

②他業界と比べて商社を志望する理由とは?

各企業の志望動機を考える前に、まずは商社業界を志望する理由を書き出しましょう。

面接でもその企業への志望理由と同時に業界の志望理由についても深掘りされることが多いです。業界を志望する理由が浅い人は、他業界でも良いのではと面接官に思われてしまいます。業界における志望理由について深掘り、言語化まで落とし込みましょう。

商社しか興味がないという人は、周辺業界にも視野を広げてみると良いでしょう。商社のビジネスでは、さまざまな業界とかかわり合い、特に取引の中心はメーカーや小売店です。それらの業界研究も含めておこなうことで、なぜ自分が商社にこだわっているのか再発見することができますよ。

年収や待遇に惹かれて商社業界を志望しているのですが、これを選考で伝えるのは良くないと思います。どのように業界の志望理由を考えていけばいいのでしょうか?

キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

渡部 俊和

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好待遇な理由は何かを深掘りして考えてみよう

高い年収や好待遇があるのはなぜか? と考えてみてください。それは社員が仕事に高い付加価値をつけているから、利益が出ているということです。

では次に、なぜ、どうやって付加価値を高めているのか、と考えてみてください。あなたが「年収や待遇が欲しい」と思うことをビジネスライクに翻訳すると、あなたは「高い付加価値をつける高度な仕事がしたい」ということになりますね。

さらに、どのように高度な仕事なのか? を考えてみてください。これは人それぞれ違うはずです。あなたの得意分野、スキル、特徴を使ってあなた自身が自分の仕事を高度にし、高い付加価値をつけるのです。

このように「なぜ」「どのように」を繰り返していくと、志望動機に近いものが出てくると思います。

③商社業界で成し遂げたいことは?

企業へ入社したあとのことを想像し、仕事で成し遂げたいことについて自分の理想を挙げていきましょう。

商社業界で成し遂げたいことを具体化することで、志望動機の説得力を上げることができます。「②他業界と比べて商社業界を志望する理由を書き出す」で考えた他業界ではなく商社業界だからこそできることと掛け合わせて考えることで、相手の心にグッと刺さる志望動機をつくることができますよ。

さらに、商社業界で成し遂げたいことを明確化しておくことで、キャリアプランも定まります。すると、面接でのさまざまな質問において一貫性を持って受け答えすることができるようになります。

④志望企業にしかない強みとは?

商社業界を志望する理由や成し遂げたいことが明確化したら、志望する企業における独自の強みを見つけていきましょう。

自分と企業がマッチしているということを伝えるには、その企業でなくてはいけない理由を明確化して伝えることが大切です

いくつもある企業の中からなぜその企業を志望するのかをきちんと答えられないと「うちじゃなくてほかの企業でも良いのでは?」と面接官に解釈され、選考を突破することが難しくなってしまいます。

他企業と比較しながら企業研究をおこない、志望企業における独自の強みを発見していきましょう。

現時点で商社の志望動機が思いつかない人は、以下のQ&Aを参考にしましょう。キャリアコンサルタントが志望動機のテーマについて、詳しく解説しています。

人柄の志望動機
人柄を志望動機にするのってありですか?

成長性の志望動機
成長性を志望動機にするにはどうすればいいですか?

企業理念に共感する志望動機
企業理念への共感を志望動機にするのはダメですか?

プロのアドバイザーならこうアドバイス!商社を志望する際に整理しておくべき4つを理解しておこう

上記で解説している整理しておきたい4つのことについてそれぞれ補足していきます。

まず、「①自分の強みや価値観とは?」についてです。志望動機の作成の際に重要となる「なぜ商社でなければならないのか?」という点を明確にするためには、自分自身を知ることが重要となります。これまでの経験から得た強みや、実現したい価値観を言語化しておきましょう。

次に、「②他業界と比べて商社を志望する理由とは?」という観点についてです。商社と似たような仕事をする業界はほかにもあります。なぜほかの業界ではなく、商社で働くのか理由を説明できるようにしておきましょう。

そして、「③商社業界で成し遂げたいことは?」という点については、漠然と「グローバルに働きたい」ではなく、商社でどのようなビジネスにかかわり、何を成し遂げたいのかを具体的に考えてみることが大切です。

最後に、「④志望企業にしかない強みとは?」という観点では、「なぜ〇〇商事(具体的な企業名)なのか?」という問いに答えられるように、企業研究を徹底しましょう。同じ総合商社でも、資源分野に強い企業など、独自の強みや文化があります。

商社業界の志望動機では入社後の活躍をイメージさせられるかが鍵となる
上記のなかで、特に時間をかけてほしいのは「③商社業界で成し遂げたいことは?」と「④志望企業にしかない強みとは?」の2つです。

採用担当者が最も知りたいのは、入社後にあなたがどのような活躍をしてくれるのか、そしてそれが自社のビジョンや事業戦略とどう合致しているのか、であることを覚えておきましょう。

商社の志望動機は、ツールを使えば自動作成できます

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当てはめるだけでOK! 商社業界の志望動機の書き方

商社業界の志望動機の構成

  • 結論(志望動機)
  • 商社業界を志望する理由
  • 商社業界のなかでもその企業を志望する理由
  • 入社後の展望

志望動機の下準備が整っても、それをどのようにまとめれば良いのかと手が止まってしまう人もいるでしょう。どれだけ良い素材があっても、わかりにくい構成で志望動機を作ってしまうと、商社への思いも十分には伝わりません。

だからこそ、商社業界の志望動機を作る際は、正しい順序で志望動機を作り上げることが必要です。論理的に話を伝えながら、自分の魅力や熱意もアピールしていきましょう。

ここからは商社業界の志望動機の書き方を解説します。記事内で紹介している順番どおりに進めることで、商社に対する熱意や自分の強みをアピールできる志望動機が作れるので、ぜひ参考にしてください。

商社に限らず、基本的な志望動機の考え方はこちらの記事で詳しくまとめているので参考にしてください。

こちらのQ&Aでは、面接で志望動機をわかりやすく伝える構成について、キャリアコンサルタントが解説しています。併せてチェックして自身の志望動機を効果的にアピールしましょう。

①志望動機のまとめ

志望動機を作る際は、まず始めに結論となる志望動機のまとめを考えましょう。結論を先に伝えることで、採用担当者はあなたが最も伝えたいことを瞬時に知れるため、その後の内容も理解しやすくなります

たとえば、「私が貴社を志望する理由は、食料資源の安定供給という社会課題を、貴社のグローバルなネットワークと強固なサプライチェーンを活かして解決したいからです」のように、一番伝えたいことを最初にまとめます。

この際、複数の理由を羅列するのではなく、最も強くアピールしたい理由に絞ることが志望動機をよりわかりやすくするためには重要です。これにより、その後に続くエピソードも、すべて結論に沿った話だと認識してもらいやすくなります。

このように、志望動機のまとめをまず考えることで、あなたの志望動機を論理的にわかりやすく伝えられます。

志望動機の書き出しの考え方はこちらの記事で詳しく解説しています。インパクトを残すために非常に重要な部分となるので、併せて参考にしましょう。

②商社業界を志望する理由

続いて、商社業界を志望する理由をまとめましょう。いきなり特定の企業を志望する理由を書き始めてしまうと、採用担当者は「業界への関心」や「志望理由の背景」を把握しづらく、あなたの熱意や適性を正しく評価することができません

たとえば、「人々の生活を根幹から支えたい」という思いがあるなら、「食」や「エネルギー」といった分野を扱う商社の事業に携わりたいことを明らかにすることで、あなたの志望動機の前提となる興味関心や価値観が面接官に伝わりやすくなります。

このように、商社業界を選んだ理由をまず説明することで、あなたの業界への理解度をアピールすることができ、その後の内容もスムーズに展開できます。

③商社業界のなかでもその企業を志望する理由

商社業界を志望する理由を伝えた後は、数ある商社のなかから同業他社ではなくその企業を選んだ理由を伝えましょう。

企業への志望動機が「ほかの企業でも良いのでは」と採用担当者から思われてしまうような内容だと、人気の商社業界の選考を突破することは難しくなります。企業独自の強みやほかの商社にはない事業内容、企業理念などを具体的に挙げたうえで、あなたの強みや独自の経験と紐づけて説明することが重要です

たとえば、「業界1位のシェアがある貴社の航空機事業で、コミュニケーション能力を活かして貢献したい」のように、企業への深い理解と貢献意欲を示すことで、採用担当者に「この学生は本当に当社で働きたいのだな」と感じてもらいましょう。

渡部 俊和

プロフィール

「生活を豊かに」や「インフラを改善」のような抽象的な事しか言えないのは、職業理解が不十分な印象です。逆に、他業界でNGとされる「何でもやります」は総合商社では好意的に見る人もいます。本当に何でもやっているので。

業界の中でもその企業を志望する理由を考えるには、企業選びの軸の明確化が必要です。企業選びの軸が明確でない人は、こちらの記事を参考にして企業選びの軸を明確化し、後悔のない企業選択をおこないましょう。

④入社後の展望

初頭効果と親近効果

志望動機の締めくくりとして、入社後に自分がどのように活躍し、会社に貢献できるかを具体的に伝えましょう。入社後のミスマッチを防ぐだけではなく、採用担当者にあなたが入社後に活躍する姿をイメージしてもらうためには必要不可欠です

たとえば、「私の強みである課題解決能力を活かして、入社後は食料部門で新たな海外サプライヤーの開拓に貢献したい」のように、あなたのスキルが企業の成長にどのようにつながるかを具体的に示します。

これにより、採用担当者はあなたが単なる憧れで応募したのではなく、明確な目標を持って入社を希望していることを理解できるのです。

志望動機の締めは印象に残りやすい重要な部分です。こちらの記事も併せて確認し、熱意が伝わる締めを考えましょう。

こちらのQ&Aでは、キャリアコンサルタントが商社の志望動機が書けなくて悩んでいる人に向けて、解決方法を紹介しています。併せてチェックして志望動機を書くためのコツをつかみましょう。

プロのアドバイザーならこうアドバイス!商社の志望動機では業界の特徴を理解した将来像を具体的に語ろう

面接官は、「商社ならではの幅広い事業領域やグローバルなネットワークを活かし、自らの能力や経験を社会や企業の価値創出につなげたい」という意欲が明確に伝わる志望動機を期待しています。

具体的には、海外取引や多様な事業分野での挑戦、異文化環境における課題解決への取り組みといった将来像が含まれていると、高く評価されるでしょう。

また、自身の経験やスキルと結びつけて「商社でどのように貢献できるか」を示すことも重要です。さらに、受け身ではなく自ら課題を見出し、変化のなかで新たな価値を生み出そうとする主体性を示せれば、説得力がいっそう増します。

どの業界でも通用するような内容や待遇についての志望動機はマイナス評価に! 
一方で、マイナスに受け取られる志望動機は、業界研究が浅く、たとえば「待遇や安定性のみを重視する」「海外に行きたいだけ」といった表面的な理由にとどまる場合です。

こうした志望動機は、成長意欲や使命感が乏しいと見なされてしまうでしょう。また、単に知名度やブランド力に惹かれたといった志望理由も、「自社でなくても良いのでは」と面接官に思わせてしまいます。
 
商社の志望動機では、自身の能力や経験を事業特性と結びつけ、具体的な貢献意欲や挑戦姿勢を示すことが高評価につながります。動機が漠然としていたり、待遇や知名度ばかりを強調したりする内容は避けるべきでしょう。

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商社業界の志望動機例文10選

商社業界における知識や商社業界だからこそ、志望動機を作成するのに気をつけたいポイントについて理解が深まってきたことでしょう。そのうえで、商社業界の志望動機例文について10選紹介していきます。

実際の志望動機例文を見ることで、記事を通して学んできた理解の確認に努めてください。そして、実際に志望動機を作成してみることをおすすめします。学んだ知識をインプットするだけではなく、アウトプットして理解を形にしていきましょう。

例文①総合商社の例文

例文①

商社ビジネスの新たな転換に携わることで、経済の発展に大きく寄与したいからです。

私は、「経済の発展に大きく貢献できる仕事がしたい」という軸を第一に、就職活動をしています。そのため、業界規模が大きく、これまでの経済における発展に大きく寄与してきた歴史を持つ総合商社を志望しています。

業界研究を進めるなかで、商社のトレーディングの需要が希薄化している現状について知り、新たなビジネスの柱を広げていく必要性を強く感じています。トレーディング事業を縮小する一方で、他業界にも渡る企業経営など周辺領域へと力を入れていくことに積極的な御社に新たな可能性を感じました。

私は学んだことを他領域へ応用する力が自身の強みであると考えています。御社に入社をさせていただいた際には、一つひとつの学びから他領域の業務や事業に応用することで、ビジネスチャンスを逃さず、商社ビジネスの新たな転換に携わってまいります。

渡部 俊和

プロフィール

「学んだことを他領域に応用する」という点が、業界の特徴を踏まえたうえで、自分の強みをそこに寄せて表現していることが伺えます。ちょっとしたところからも職業理解の度合いや商社業務に対しての適性が感じられる良い例文ですね。

こちらのQ&Aでは、社会貢献がしたいことを志望動機にするのはだめなのかについて、キャリアコンサルタントが解説しています。社会貢献を志望動機のテーマにするか迷っている人は、目を通しておきましょう。

こちらのQ&Aでは、社会貢献をテーマにした志望動機を面接でアピールする方法についてキャリアコンサルタントが解説しています。併せてチェックして、面接にも備えましょう。

例文②総合商社の例文

例文②

国内のみにとどまらず世界中の発展に貢献し、持続的で豊かな世界を創り続けたいからです。

大学で歴史学を専攻するなか、先人の知恵がつなぎ合わさって、現在の豊かな生活を送ることができていると強く感じています。

この学びから、働くことを通じて世界中が持続的で豊かな未来を創り上げる一端を担いたいと思うようになりました。世界を舞台にさまざまなソリューションを提供する総合商社は、自身の夢を実現することができると考えます。

そのなかでも、御社はトレーディング事業で得たネットワークやノウハウを活かして、インフラビジネスや途上国の発展にも大きく寄与されています。そのような強みを持つ御社と自分が成し遂げたい将来との方向性は最も合致していると考え、御社を志望しています。

御社に入社させていただいた暁には、幅広い視点を持ち、国内外問わず大きな影響力を与えられるよう、尽力してまいります。

結論ファーストで志望動機を語っており、自分なりの商社像も持っている点がいいと思います。ただし、具体的な説明が少なく「自分の夢」も何をしたいのかが見えてきません。その会社だからできる具体的なことを盛り込むといいでしょう。

例文③総合商社の例文

例文③

チャレンジすることを恐れず常に成長を実感することで、何事にも高いモチベーションを持って取り組むことができるからです。

中学生で生徒会長に立候補し、高校では100名を超えるサッカー部の部長を務め、大学では1年間の休学を経て世界一周を旅しました。

このように、私はどんなに大きな挑戦や苦労がともなうことでもチャレンジすることを恐れず挑戦してきました。その過程で、自分が成長していることを感じると高いモチベーションを得ることができ、さらに自分を高めるサイクルをうまく回すことができていると自負しています。

扱う商品の多さをはじめ、経済や人々に与える影響の大きい総合商社では、既存のビジネスのみならず、チャレンジすることを恐れずに突き進む姿勢が求められると考えます。そのなかでも、M&Aに活発である御社では多角的な事業が展開され、チャレンジする機会の多さを感じ志望しました。

御社に入社後、自らチャレンジすることで高いモチベーションを持って取り組み、挑戦から学んだことを次なるアクションへと活かすことで確実な結果を出していけるよう、努力します。

木村 千恵子

プロフィール

チャレンジ精神が旺盛であることが伝わってきますね。少し具体性が足りない印象があるので、実際に経験した「チャレンジ」とは具体的にどんな課題で何をどのようにして乗り越えたのか見えるようなエピソードを加えると良くなります。

例文④総合商社の例文

例文④

日本の優れた技術を世界中の多くの人々に伝えたいと考えているからです。
私は異文化交流サークルに所属しており、国産の商品を外国人留学生に紹介すると、留学生はその安全性の高さや利便性に感銘を受けていました。

その経験から日本の持つ技術力の高さを実感したことと同時に、日本の優れた技術はまだまだ海外へ浸透していない現状もあることを痛感したのです。

そこで、日本の技術力を活かした商品を幅広く世界へ流通させることができる総合商社を志望しています。そのなかでも御社は海外売上比率が最も高く、より多くの国・人々に日本の優れた技術を活かした商品を提供できると考え、志望しています。

御社に入社をさせていただいた暁には、自身の語学力と異文化理解力を活かし、世界に日本の優れた商品を提供することで日本経済の活性化に寄与したいと考えます。

渡部 俊和

プロフィール

総合商社向けとしてはやや近視眼的な点が気になりますが、異文化交流の体験をもとに志望動機につなげているところは具体性があって良いと思います。

自身の英語力を活かして商社へ就職したい人は、以下の記事もチェックしておきましょう。商社で求められる英語力の目安や、総合商社と専門商社による英語使用頻度の違いを解説しています。

例文⑤専門商社(食品系)の例文

例文⑤

安定した流通網の構築とさらなる食品分野の発展に携わりたいからです。これは、大学でラグビー部に所属し、自身の体づくりにおいて食品は必要不可欠であることを強く感じたことがきっかけです。

食品は人が生存している以上必要なものであることはもちろん、人々のライフスタイルの多様化にともない、消費者ニーズに基づくマーケットイン型のさらなる成長市場であることに魅力を感じています。そのため食品商社を視野に就職活動を進めています。

そのなかでも、御社は積極的な海外への輸出と小売店への企画提案を強みとされていることを知り、食品分野の発展という自身の軸に合致すると考え志望しました。

ラグビー部で培った礼儀正しさを活かした既存顧客との信頼関係の構築、および精神力の高さを活かした新規顧客獲得による新たな市場開拓に励んでまいります。

冒頭で自分がかかわりたい分野を語ったうえで、自らの経験からその志望理由を語れている点が良いですね。

食品メーカーではダメなのかと思われる可能性があるので、具体的にどのような立場でどう流通させたいかという、メーカー営業と違う視点で語れるとさらに良くなるでしょう。

食品を取り扱う商社への就職を検討している人は、以下の記事をチェックしておきましょう。食品商社の現状と今後の動向や働く魅力を解説しています。

例文⑥専門商社(化学・医薬品系)の例文

例文⑥

地域に密着して健康をサポートすることで、人々の健康において「近く」「深く」支える仕事がしたいからです。

私は高齢者介護施設のボランティアをおこなうなかで、地域の人々の健康を守ることにやりがいを感じました。それと同時に介護や医療現場における医療体制の不十分さについて課題を感じたのです。

この経験から施設や機関の下支えをすることで、地域の健康を支えたいと考え、医薬品の専門商社を志望しています。

そのなかでも、御社は医薬品の安定的な流通に加えて、エリアを限定した地域のヘルスケア課題のサポートに重きを置いた事業を展開されています。このような地域密着型のビジネスでは、自身の成し遂げたいことと合致すると考えます。

御社に入社させていただいた際には、顧客の課題を汲み取り、商品やサービスの流通を通じて、課題に対するコーディネートやサポートなどの提案力を強化してまいります。

木村 千恵子

プロフィール

「高齢者介護施設のボランティアを~地域の人々の健康を守ることにやりがいを感じた」の部分が良いですね。実際に高齢者の方のどのような行動にどう対応したのか、なぜやりがいを感じたのかまで具体的に説明して説得力を持たせましょう。

例文⑦専門商社(機械・電子分野系)の例文

例文⑦

日本の優れた技術力を世界中に流通させることで、多くの人々の生活を便利で豊かなものにしたいからです。

大学の一般教養の機械工学の講義にて、スマートフォンなどの電化製品や自動車など、自分の身の回りで普段何気なく使用する便利なものには多くの電子部品が使われていることを学びました。

さらに、日本の技術力なくして最終製品の製造は成り立たないことについて知り、電子分野の奥深さに興味を持ったことをきっかけにビジネスとして携わりたいと考えました。

同業他社の中でも御社は業界内でトップシェアの顧客数と売上を誇っているため、多くの流通を通じて人々の生活を便利で豊かなものにできると考えます。

メーカーが研究・開発に注力できるよう、商社としての役割を担うことで、よりいっそう技術力向上の下支えをしていきたいと考えています。

渡部 俊和

プロフィール

途中メーカーの志望動機に見える部分もあるので、商社としての仕事内容にもっとウェイトを置いて説明できるとさらに良くなると思います。

例文⑧専門商社(鉄鋼・金属系)の例文

例文⑧

グローバルな世界を舞台に大きな影響力を与える仕事に対して、高いモチベーションで取り組むことができるからです。

私は、幼少期から英語を学び、大学では中国語、韓国語、ドイツ語などの第二外国語も学ぶなかで、語学を活かした仕事をしたいと思うようになりました。しかし、就職活動で語学を使う仕事を探していても日常的には使用しない企業や語学を用いて大きな影響を与える仕事がなかなか見つかりませんでした。

そのようななかで、グローバルにかつ鉄鋼という特殊なものであるからこそ、物流面の配慮など課題解決の試行錯誤をおこなう鉄鋼の専門商社に強い魅力を感じました。

さらに、御社は全社員が海外勤務経験があり、一人ひとりの裁量権が大きく、活躍されている社員の〇〇さんの姿に強い憧れを抱きました。自分の語学力と課題解決力を活かし、世界中の架け橋になれるよう、努力します。

経験・スキルの紹介は十分にできていますが、もう少し「なぜ鉄鋼なのか」に焦点を当てて、鉄鋼・金属業界で世の中にどうかかわっていきたいのか説明することを心掛けましょう。

鉄鋼業界についてもっと詳しく知りたい人は次の記事を読んでみてくださいね。鉄鋼業界について解説しています。

例文⑨専門商社(繊維系)の例文

例文⑨

あらゆるものにおいて環境に優しい原料の活用でサステナブルな社会を実現したいからです。

売り手と買い手の仲介役のみならず、メーカーとの共同研究開発や販売店への企画提案など幅広く事業を展開されることに魅力を感じ、繊維の専門商社を志望しています。

そのなかでも、御社は環境に配慮した繊維素材と幅広いネットワークの強みを活かすことで、環境に配慮した社会の実現に大きく寄与されています。

限りある資源のなか、人々が豊かに生活していけるサステナブルな社会の実現により、大きく貢献できるよう他社との信頼関係の構築をおこなってまいります。

木村 千恵子

プロフィール

「環境に優しい原料の活用でサステナブルな社会を実現」を目指すのは良いことですが、環境に配慮した繊維素材を扱う競合の商社が多くある中で、なぜこの企業を志望するのかが明確に伝わる具体的なエピソードや想いを加えると良いですね。

例文⑩専門商社(燃料・エネルギー系)の例文

例文⑩

エネルギーの安定供給とさらなる課題への解決に携わることで、人々の生活の安心を守り続けたいからです。東日本大震災で普段当たり前のように使用していた電気やガスなどを享受できない現実に直面し、大きな恐怖心を抱いたことがきっかけです。

エネルギーの供給を担う専門商社において、安定供給のみならず、脱炭素社会の実現や新型新型コロナウイルス感染症の影響による輸送用エネルギー需要の低下、ロシアのウクライナ侵攻にともなうエネルギー資源価格の高騰など経済・社会両面から求められる課題が多く、厳しい現状があることも認識しています。

御社の中期経営戦略とそれに取り組む事業の見直し・拡大について拝見し、課題解決に向けて真正面からスピード感を持って取り組む御社に魅力を感じました。

御社に入社後、持ち前の責任感を活かして最後まで課題解決に向き合うことで、エネルギーを通じた社会課題の解決に尽力します。

渡部 俊和

プロフィール

志望の裏付けとして体験と時事問題の2つを使って説明していて説得力があります。業界の課題を認識している(内容が的外れではないことが前提ですが)ことにも触れているので、当事者感覚を持って働いてくれることに期待が持てます。

ここまでの例文をみたうえで、商社の志望動機が思いつかない人は、以下の記事を参考にしましょう。企業理念や社風を盛り込んで志望動機を作る方法や、学生時代の活動別の志望動機の例文35選について解説しています。

企業理念の志望動機
例文9選|志望動機で企業理念への共感を伝えて唸らせる4ステップ

社風の志望動機
「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授

志望動機の例文
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ

動機ゼロでもOK!商社業界志望の方はAI作成ツールを試してください

第一志望以外の企業にエントリーする時、「特別な志望動機が思いつかない......」と悩む就活生も多いでしょう。

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最後の仕上げ! 志望動機のチェックポイント4選

最後の仕上げ! 志望動機のチェックポイント4選

  • 単なる憧れやイメージを語っていないか
  • 「なぜ総合商社か」「なぜ専門商社か」という理由が明確か
  • 扱う製品に対する思いを伝えられているか
  • メーカーの仕事と混同していないか

商社の志望動機が完成したら、提出する前に内容を確認することが重要です。商社を志望する学生は多いため、誰にでも当てはまるような志望動機になってしまっていると、あなたの熱意や個性が採用担当者に十分に伝わらない可能性があります。

ここでは、商社ならではの視点に絞った4つのチェックポイントについて解説します。これらのポイントを意識して見直すことで、説得力のある志望動機に仕上げましょう。

①単なる憧れやイメージを語っていないか

たとえば、「グローバルに働きたいからです」「大きなプロジェクトに携わりたいからです」という志望動機において、「それはなぜ?」と聞かれたときに、具体的なビジョンや考え、価値観などを伝えることが必要です

確かに、商社ではグローバルでスケールの大きい仕事をおこなうチャンスは多くあります。しかし、それを魅力に感じる理由が単なる憧れであっては採用してもらうことはできません。

企業は、入社する社員に利益を出してもらいたいと考えています。単なる憧れで志望している人を採用しても、企業はコストを掛けて採用するメリットを得られないからです。

特に、商社は人気で高倍率になるからこそ、将来を具体的に考えられていない憧れや現実に即さないイメージによる志望理由では選考を突破することができません。商社に入社をして、どんなことを成し遂げたいか、自分のどんな強みを活かせるのかが伝わる内容になっているか確認してみましょう。

商社への憧れが強いのですが、どうすればこの憧れを企業が納得する志望動機に変換できるのでしょうか?

キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

隈本 稔

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自分の考えるキャリアは商社でしか実現できないことをアピールしよう

憧れをそのまま語っても伝わらないため、商社でしか自分の目標や理想的な働き方が達成できないことを説明する必要があります。そのためには、商社に対する憧れの理由を明確にすることが大切です。

業界分析の際に、「商社だからこそできること」をしっかりと抽出したうえで、「自分なりの商社像」を語れるようになりましょう。憧れは理想とほぼ同義ですが、企業側から納得を得られるには抽象的な表現だけでなく、理論的に納得のいく説明も重要です。

商社で達成したい理想や目標を具体化して語ったうえで、応募先の商社だからこそ達成できる理由を説明しましょう。

②「なぜ総合商社か」「なぜ専門商社か」という理由が明確か

総合商社と専門商社では、以下のようにさまざまな違いがあります。

総合商社と専門商社の違いの例

  • 取引する顧客先と関係性の深さ
  • 取り扱う商材の幅広さ
  • 提供する価値
  • ネットワークの広さ
  • 事業領域
  • 経済・社会に与える影響

そのため、「なぜ総合商社か」「なぜ専門商社か」という視点を持ち、適切に答えられるようにすることが大切です。総合商社の志望動機において、専門商社でも成し遂げられることを伝えてしまうと「総合商社でなく専門商社でも良いのでは?」と思われてしまいます。

自分の成し遂げたいことや価値観に対して、どちらが合致するのかを明確にしておきましょう

こちらのQ&Aでは商社で働く実態や、仕事のやりがいについて、キャリアコンサルタントが解説しています。商社のやりがいがイメージできていない人は、併せてチェックしておきましょう。

商社のやりがい
商社のやりがいは何ですか?

商社の仕事の楽しさ
商社の仕事って楽しいですか?

専門商社への就職を目指している人には、以下の記事がおすすめです。専門商社の代表的な企業や、専門商社で働くメリット・デメリットを解説しています。

③扱う製品に対する思いを伝えられているか

商社では、鉄鋼・化学品・食品・エネルギーなど多岐にわたる製品やサービスを扱います。だからこそ、あなたが応募する商社で扱っている製品のなかでもどのような製品に興味があるのか、なぜその製品に携わりたいのかを明確にすることが重要です

たとえば、「人々の食生活を豊かにしたい」という思いがあるなら、食品を扱う商社のなかでもなぜその企業で働きたいのかを具体的に語ると、志望動機に説得力が生まれます。

自身がその製品に携わることで、商社の事業や社会にどのように貢献したいのかを伝えることで、入社後のキャリアプランが明確になり、入社への本気度をアピールできるのです。

専門商社の中には食品商社があります。食品商社の志望動機で悩んでいる人は、次の記事も併せて読んでみてください。食品商社の志望動機の例文を紹介しているので、参考にして志望動機を作成してみましょう。

④メーカーの仕事と混同していないか

製品の製造に加えて商社的な機能を持つメーカーの存在や商社の中には、あるメーカーの商品に特化して販売をおこなうメーカー系商社の存在があります。そのため、商社を志望する学生の中にはメーカーの仕事と混同している人がしばしばいます。

商社とメーカーの違いがあやふやのままでは、説得力のある志望動機を伝えることが難しいだけではなく、入社後に思っていた仕事とは違ったというギャップを生むことにもつながってしまいます。それぞれの特徴や違い、選考を受ける企業のビジネスモデルや関連企業とのかかわりまできちんと理解しておきましょう。

一般的にメーカーと商社の違いは、「自社製品を製造しているか否か」にあります。メーカーは工場を持ち、自社製品を製造して販売をすることで利益を得ているのです。

一方、商社は自社で製造をおこなっていないため、自社製品を持っていません。だからこそ、商社は顧客のニーズを適切に汲み取り、それに合致した提案をおこなうという付加価値をつけることが大切です

木村 千恵子

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商品そのものを作るメーカーとして顧客のニーズに応える事業で活躍したいのか、商品は作らずに顧客の元へ届ける商社としての事業で活躍したいのか、その違いを押さえて、志望する企業の事業に合わせて志望動機を作成しましょう。

特別な動機がなくても大丈夫!
ツールを使えば魅力的な志望動機が作れます

「第一志望以外の志望動機が思い浮かばない……」と感じたことはありませんか?そんな時にぜひ活用してほしいのが「志望動機作成ツール」です。

簡単な質問に答えるだけで、特別な動機がなくても採用したいと思われる志望動機が簡単に作成できます。

志望動機で困ったら、まずはツールを活用してみましょう。

 実際にツールで作成した志望動機例文 
 (人材業界の場合) 
私はキャリア支援を通じて社会に貢献したいと考えています。学生時代、キャリア支援団体のインターンに参加し、50人以上の学生に対してESの添削や模擬面接を実施しました。自分に自信が持てなかった学生が自分の強みを発見し、自信を持って面接に臨む姿を見たときに大きなやりがいを感じました。貴社では個々の求職者に寄り添いながら最適なキャリアを模索し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出せるようなキャリアアドバイザーになりたいと考えます。

商社業界で求められるスキル

商社業界で求められるスキル

  • コミュニケーション能力
  • 好奇心
  • チャレンジ精神
  • 語学力

志望動機を伝える際に、企業の求めるスキルをダイレクトにアピールすることで、活躍してくれる人材であるだろうと評価してもらう判断材料の1つになります。

企業は、適性のある人を採用し、活躍してもらうことで、自社の利益に貢献をしてほしいと考えています。自己PRと合わせて志望動機でも、商社業界で求められる自分のスキルを伝えていきましょう。ここでは、多くの商社業界が求める4つのスキルについて解説していきます。

ただし、志望動機はあくまで「その会社を選んだ理由」を説明することが大切です。自分のスキルや経験のアピールばかりにならずに、「その企業ならば自分のやりたいことができる」という目線での回答を心掛けましょう。

コミュニケーション能力

商社のビジネスの中心は、仕入先と販売先の中間的な役割を担うことです。双方のニーズを汲み取る必要があり、相手に寄り添ったコミュニケーション力が求められます。

営業職にコミュニケーション能力が求められるのはどの業界でも同じなのではと思うかもしれません。しかし、ものを製造していない商社だからこそ営業に付加価値をつけることが何よりも重要なのです

企業規模や取り扱う商品にもよりますが、多くの商社では既存顧客のみならず、新規顧客の獲得も欠かせません。交渉力や提案力、プレゼンテーション力、傾聴力など幅広くかつレベルの高いコミュニケーション能力が必要になります。

木村 千恵子

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商社は、売り手と買い手の仲介役をするビジネスです。そのため、厳しい交渉でも結果としていわゆるWin-Win(ウィンウィン)の取引だと双方に感じてもらえるような、真摯な姿勢と誠意あるコミュニケーション能力が求められます。

商社の面接ではコミュニケーション能力を評価するケース面接をおこなう企業があります。以下に記事ではケース面接について詳しくまとめているので参考にしてみてください。

好奇心

商社では、さまざまな原料や商品を取り扱い、新規事業・ビジネスの創出を図ることにも注力しています。そのため、情報に敏感となり自ら興味を持って調べる好奇心の強い人は活躍することができるでしょう。

幅広い知識や情報を得て応用することで、新たな可能性やビジネスチャンスを獲得することにつながります

チャレンジ精神

先述したように、商社を介さずに取引をおこなうメーカーや高度なテクノロジーの存在から、これまで主力としてきたトレーディングだけで収益を拡大することは難しくなっています。この流れは今後も変わることはなく、むしろ加速していくことでしょう。

商社の持つ多様なネットワークや経営資源を活かし、既存のビジネスを掛け合わせた新規事業の創出や潜在的な新規顧客の拡大が求められます。

そのためには、常に情報にアンテナを張り巡らせ、時代に合った新たなことへの挑戦に積極的なチャレンジ精神が大切です

チャレンジ精神を発揮するには、実現したいことやその達成に向けてどんなことに着手する必要があるのかを考える課題設定・論理的思考力も必要です。また、それを最後までやり通す体力も重要になります。

チャレンジ精神の有効的なアピール方法についてはこちらの記事で詳しくまとめているので参考にしてみてください。

語学力

商社業界で勤務するようになると、語学力が求められることがあり、高い語学力があると重宝します。

入社する企業や担当部署によって語学力の必要性は大きく異なるのが実態です。とくに海外を拠点とするビジネスを展開する総合商社や専門商社、海外展開に直接携わる部署では、語学を用いる機会が多くあります。海外勤務をする場合はもちろん、国内での勤務でも連絡のやりとりをするうえで、語学力を要する場面が存在します。

就活における語学力の評価基準は、適性検査の英語とTOEICの点数を用いられることが多いです。低学年の頃から余裕を持って、語学力の向上に取り組めると良いでしょう。しかし、選考まで時間がない人は、入社後にも学ぶ姿勢を示し、ほかの選考対策との優先順位をつけることが大切です

商社で求められる語学力については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしましょう。

こちらのQ&Aでは総合商社や専門商社への就職に必要な英語力について、キャリアコンサルタントが解説しています。商社への就職に必要な英語力を知りたい人は、併せてチェックしておきましょう。

商社マンに必要な英語力
商社マンに英語力は必須ですか?

商社で働くうえで必要な英語力
商社で働くために英語は必要不可欠ですか?

専門商社で働くうえで必要な英語力
専門商社で英語はどれくらい必要ですか?

プロのアドバイザーならこうアドバイス!異文化に対する理解とコミュニケーション能力をアピールしよう

扱う商材にもよりますが、商社は一般的に海外の企業や政府関連機関などとの取引にかかわることが多い事業体です。そのため、海外各国の市場や動向についての理解と取引上のコミュニケーション相手の理解は、入社後に仕事を覚えて活躍していくために必要不可欠です。

つまり、日本に生まれ育った人とは異なる考え方や文化を持つ海外の人たちとの交渉を円滑におこない、事業を進めていくための異文化に対する理解と、世界の共通語である英語によるコミュニケーション能力があることを適切にアピールできれば、かなりの強みとなるはずです。

TOEICのスコアだけではアピールにならない

ただし、英語力は強みにはなりますが、その能力を実践的に活かした体験がなくTOEICのスコアを獲得しただけでは強いアピールにはならないでしょう。

なぜ異文化に対する理解を育むことができたのか、実体験としてどのような課題や葛藤に直面し、それをどのような考え方や方法で克服しようとしたのか、その結果何を学び、どのような理解が深まったのか、具体的なエピソードを臨場感を持って伝えられるかどうかがポイントです。

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商社業界の2つのビジネスモデル

どれだけ志望動機を完璧に作っても、基本的な知識が欠けていると業界への関心が低いと見なされ、マイナス評価につながる恐れがあります。とは言え、商社業界の仕事は法人向けの事業が中心です。

そのため、学生にとってはどんなことをしている業界なのかなじみが薄いのも仕方ありません。しかし、商社業界で働きたいと伝えているにもかかわらず、基本的なビジネスモデルが理解できていないのは、企業側にとって懸念材料になるでしょう。

だからこそ、今一度商社業界がどのようなビジネスで成り立っているのかを確認しておくことが必要です。まず、商社業界は大きく以下の2つのビジネスモデルで構成されています。

商社業界の2つのビジネスモデル

  • トレーディング
  • 事業投資

ここからは、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。

ビジネスモデルは、その業界の企業がどのような製品やサービスを提供することで収益をあげているかを表しています。そのため、ビジネスモデルを知ることは仕事理解の最初の一歩とも言えます。

トレーディング

商社のビジネスモデル

商社業界といったらまず思い浮かぶのがこの「トレーディング」ではないでしょうか。仕入れたものをその額より高く販売することで、中間手数料を得るという仕組みです

原料を仕入れてメーカーに卸す流通の川上を担う企業もあれば、消費者に届く商品化されたものをメーカーから仕入れて小売店に販売する川下を担う企業などさまざまで、川下よりも川上を主力事業としている企業の方が多くあります。

経済産業省資源エネルギー庁の2024−日本が抱えているエネルギー問題(前編)によると、2022年度の日本のエネルギー自給率は12.6%と低く、海外からの輸入に依存しています。

このように、原料調達のため海外で勤務するといったグローバルな環境で働くこともあります。商社業界のビジネスの中核を担うのはこのトレーディングです。

事業投資

第二次世界大戦後、資源の輸入をおこなう商社のトレーディングビジネスによって、日本の高度経済成長に大きく貢献したという歴史があります。

しかしバブルが崩壊し、現在では商社を介さずに取引をおこなうメーカーの現れやインターネット技術の急速な発展の影響で、トレーディングだけに頼った収益源では厳しいことから、総合商社では事業投資という新たなビジネスを始めました。

事業投資とは、将来性のある会社や事業に経営資源を投資することで収益を得るという仕組みです。経営資源のうち「カネ」の投資による資産価値の上昇を狙うキャピタルゲインがイメージしやすいでしょう。

そのほかにも、商社の幅広いネットワークを活かした経営資源の「ヒト」や豊富な「情報」を提供することで、投資先企業の価値を高めていく事業経営にも着手しています

商社のビジネスモデルについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。より理解を深めたい人は併せて参考にしてみてください。

商社業界の2つの業種とその違い

商社業界を志望するうえで押さえておきたい基本知識は、ビジネスモデルの違いだけではありません。業種にも2つの種類があり、その違いによって携わる分野も異なるため、業務内容を正しく理解するためには覚えておく必要があります。

商社業界は、大きく「総合商社」と「専門商社」の2つの業種に分けられます。商社業界を志望する学生は、面接でこの点についてさまざまな角度から必ず深掘りされることになりますし、自身に合った企業を見つけるうえで、最低限必要な知識です。

以下でそれぞれの概要や特徴、良い点・悪い点について両者を比較しながら解説していきます。きちんと違いを押さえたうえで、自分に合っている方を見極め、さらに深堀りした研究を進めていきましょう。

商社業界の2つの業種

  1. 総合商社
  2. 専門商社

総合商社

総合商社は「カップラーメンからロケットまで」と言われることもあるほど、多岐にわたる商品を取り扱っています。その幅広さがゆえに、日本のみならず世界中でビジネスを展開しています。グローバルでスケールの大きい仕事がしたい人にとっては魅力的といえるでしょう。

また、トレーディングとは別の事業投資によって、流通とは異なる領域における利益の拡大を図っています。幅広い商材やビジネスを展開している総合商社は、何かの事業が打撃を受けてもある程度、ほかの側面でカバーしやすいのが有利な点といえるでしょう。

しかし、スケールが大きく多くのお金を動かしているからこそ、失敗すると損失が大きく、痛手になることもあります。

国内に存在する総合商社はそう多くはなく、以下の7社が総合商社として7大商社と言われています。

総合商社はかなり人気のイメージです。学歴や全国大会出場などの大きな実績がないと難しいのでしょうか?

キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

隈本 稔

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総合商社は選考難易度が高いが、実績だけで判断されるわけではない

確かに総合商社は学生に人気なので、学歴が高く、部活やそれ以外の活動でも実績を挙げている人が多く応募するため、採用試験は非常に難しくなります。

しかし、企業はこれまでの実績だけを評価して採否を決めるわけではありません。自社の理念や社風などとのマッチ度はもちろん、ポテンシャルも評価しています。

まずは、自分がこれまでの経験でどう成長し、入社後に強みを活かして活躍できることを伝えることが重要です。ただし、書類選考の段階でハードルが高いことは認識したうえで、志望動機や自己PRをしっかり作り込む必要があることは認識しておきましょう。

7大商社についてより詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。7大商社それぞれの特色と、就職を成功させる対策をまとめています。

7大商社のなかでも5大商社に興味がある人は、こちらの記事がおすすめです。各社の強みなど違いをわかりやすく解説しています。

総合商社は体育会系のイメージを抱いている人もいると思います。こちらのQ&Aではキャリアコンサルタントが総合商社のイメージについて回答しているので参考にしてみてください。

なぜ商社が体育会系といわれているのかこちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが回答しています。

専門商社

トレーディングを主力事業とし、売上高に占める専門分野に特化した商品の割合が50%以上である企業のことを一般的に専門商社と指します。トレーディングを通じて蓄積した、特定領域の専門的なノウハウを活かした物流やファイナンス、商品開発まで事業を拡大する企業もあります

専門商社は、その領域における知識が豊富です。既存顧客との関係性が濃いことも多いため、顧客と意思疎通がしやすく、融通が利きやすいこともあるでしょう。このような理由から、専門商社と取引をするというメーカーも多いです。

一方、事業が専門分野に偏っているため、取り扱っている商材における需要や市場の縮小、経済・社会状況の影響を受けたときのダメージは大きくなります。

こちらのQ&Aでは中小企業の商社の実態について、キャリアコンサルタントが解説しています。大手の商社だけではなく、中小企業にも興味がある人は併せてチェックしましょう。

木村 千恵子

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専門商社の選考では、総合商社ではなくなぜ専門商社なのか、そしてなぜその商材なのかを自分の言葉で説明できるかどうかがポイントになります。

さらに、同じ商材を扱う専門商社の数が多い場合は、なぜその他社ではなくその会社なのか、説得力のある理由が必要です。

企業に刺さる志望動機は、AI作成ツールを試してください

「企業に伝わる志望動機ってどうやって書くの…?」そんな悩みはありませんか?

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面接官の心に響く内容を準備し、次のステップに進む準備を整えましょう!

商社業界の職種と業務内容

志望動機では、仕事や業務において自分の強みがどう活かせるのかを具体的に伝えることが大切です。そのためには、業界知識のみならず各職種の具体的な仕事内容についてもきちんと把握する必要があります。

「漠然と商社業界に興味があるけど、どんな仕事が自分に向いているのか」「商社で働く人って具体的にどんな仕事をしているのかな」という疑問を抱えている人も多いことでしょう。各職種を把握することで、入社後に携わりたいことや実現したいことを発見するヒントを得ることもできますよ。

商社業界の主要な職種は以下の3つが挙げられます。

商社業界の主要な職種

  • 営業
  • 事務
  • 事業計画

各職種の仕事内容をそれぞれ確認していきましょう。

営業

営業のおもな仕事内容は、仕入れた商品の販売や仕入先の確保と調整、市場分析などが挙げられます。既存顧客のみならず、新規顧客への営業もおこなうため、商品知識はもちろん、市場分析も大切な仕事です。

商社営業は、自社商品を営業するメーカーのように取り扱う商品が制限されていないことから、幅広い商品ラインナップから各取引先ごとに合った商品を提案することができます。そのため、商品という「モノ」を通じて、コンサルティング要素を持った営業をすることができるのも魅力の1つといえるでしょう

このように、自社で商品の製造をしていないからこそ、営業に付加価値をつけることが求められるのです。

渡部 俊和

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商社の顧客はほかの業種よりも多種多様です。商流で言えば川上と川下のどちらも顧客になるので、モノやお金の流れを俯瞰的に把握して課題解決を図ることが求められます。発想力と柔軟性は他業種より必要になります。

営業職が自分に向いているか知りたい人は、こちらの記事で適性をチェックしてみましょう。不向きな人におすすめな道も解説しています。

事務

事務の仕事内容は、総合職のサポート業務や資料・印刷物の作成、商品の受注・発注などをおこないます。取引先との連絡を取ることもあるため、社内の事業状況をはじめ商品知識や顧客情報についての把握が大切です。

海外との取引がある企業では語学力も求められます。商社の一般事務は、他業界の一般事務と比べて総合職に近い専門性が求められます。高い事務処理能力や作業効率に加えて、好奇心を持って学び続けていく力や語学力など高いスキルが必要です

総合職と一般職という採用をしている企業が多く、一般職に代表される職種として事務職が挙げられます。また、一般事務、営業事務、貿易事務などが分かれているケースもあり、企業によってさまざまです。

商社に一般職としての就職を検討している人には、以下の記事がおすすめです。商社の一般職のおもな仕事内容や、向いている人の特徴を解説しています。

商社の一般職志望です。一般職だからこそ、志望動機で気を付けるべき点はありますか?

キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役

木村 千恵子

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一般職だから難易度が低いと考えず入念な準備をしよう

一般職は総合職よりも競争率が低いと思い込み、より可能性の高い職種に応募しようという考えで一般職を志望する人もいるかもしれません。

しかし、そのような安易な考えで志望を決めるのは危険です。近年は、一般職のほうが総合職よりも倍率が高い傾向にある総合商社もあるようです。総合職との違いをよく理解し、自分が希望する仕事の内容や企業のビジョン、事業方針などを客観的に検討したうえで志望を決めることが重要です。

さらに、一般職とは言っても、特に総合商社の場合は総合職と同じぐらいの能力やスキルが求められると考えて準備する必要があるので、軽い気持ちで一般職を志望しないように注意しましょう。

事業計画

事業企画の仕事内容は、事業における目標設定やそれに基づく計画、目標達成に取り組む担当部署のサポートをおこないます。経営陣の掲げる方針やビジョンに即した経営戦略を立て、具体的な行動計画を立案し、実務に落とし込む役割を持ちます

事業計画の仕事は、もちろん目標や行動計画を立てるだけではありません。目標に対して実態はどうなのか、目標達成における課題は何かなど、目標改善や新たな計画につなげることが重要です。

事業が上手くいくかどうかを担う重要な役割であるため、新入社員がいきなり事業計画の部署に配属されることは少ないでしょう。営業などで培ってきたことを活かして、将来事業計画に携わりたいというその後のキャリアプランとして伝えるのが最も現実的です。

職種についての理解を深めたい人はこちらの記事を読んでみてください。混乱しがちな業種との違いや自分に向いている職種の選び方まで理解することができます。

今後の商社業界における課題

今後の商社業界における課題

  • 資源分野に頼らない非資源分野の拡大
  • 事業ポートフォリオの見直し
  • 情報テクノロジーを活かした事業推進

志望動機を考えるうえで、業界が抱える課題を理解することはとても大切です。その課題に基づいて、自分がどう課題に向き合っていきたいのかを考えることで、成し遂げたいことが明確になり、志望動機をつくるヒントになります。

また、課題を理解しながら伝えることで、実態に即した志望動機を考えることができます。単なる憧れやイメージによる志望ではないことを論理的に言葉で伝えることができるでしょう。新卒採用では、スキルよりも熱意が評価される傾向にあります。

そのため、よく業界・企業研究をしていることについて、回答を通じてアピールしていきましょう。

ここでは、今の商社業界が抱える注目の課題を3つ解説していきます。面接では、志望動機以外にも「〇〇という課題についてどう思うか」と意見を求められることがあります。自分自身でも業界の課題について積極的に調べてみましょう。

こちらのQ&Aでは、商社業界の将来性についてキャリアコンサルタントが解説しています。商社への理解を深めるために目を通しておきましょう。

資源分野に頼らない非資源分野の拡大

2024年3月期の連結決算における総合商社上位3社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事)は8000億円を超える好決算となりました。この要因は、供給不足の一方で需要が拡大したことにともなう資源価格の高騰です。

資源分野は、資源価格の急落や需要減、事業トラブルによって、大きな損失を出すこともあるハイリスクハイリターンなのが特徴です。リスクを抑えて安定した収益を保つために、資源分野に依存しない非資源分野の拡大を図ることが課題になっています

ロシアのウクライナ侵攻による経済制裁などの影響から、資源価格は大きく変動しています。ロシアやウクライナの事業にかかわる日本の商社は、業績に影響が出ることは避けられないでしょう。

事業ポートフォリオの見直し

総合商社では、多くの事業を展開しています。企業としての利益を上げるには、事業の割合を適切に管理することが重要です。これをビジネス用語でPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とも呼びます。

安定的な収益を保つには、非資源分野の強化が課題であることを前述しました。非資源分野にも繊維や食料、住生活、情報・金融、機械、化学品、石油製品、鉄鋼製品などさまざまな分野があります。

その中で成長性や収益性、市場シェアを考慮してどのようなポートフォリオにするのかについての見直しは企業の利益にとって重要です

情報テクノロジーを活かした事業推進

現代では、テクノロジーが急速に発達していることから、どんな業界でもIT技術との適切な向き合い方が問われています。商社業界もその例外ではありません。以下のようなIT技術と掛け合わせた経営で、業務の効率化やコスト削減、既存事業を発展させた新規事業の創出および投資をしていくことが求められます

流通を主力事業とする商社では、物流事業を展開している企業も多いです。Iot技術やビックデータを活用した物流の効率化や精度の高い情報システムの構築を今後もよりいっそう発展させていくことが課題といえるでしょう。

Iot技術とは

“Internet of Things”の略で「モノをインターネットに接続する」ことを意味します。Iot技術により、モノが持つ膨大な情報を収集し、遠隔地の状況把握や操作が可能となります。患者の遠隔診断や生産現場における稼働状況の確認、混雑・交通渋滞状況の確認など業界を問わずさまざまな場面で活用されています。

ビックデータとは

人間が扱うことが困難である膨大なデータのことを指します。ビッグデータによる分析がおこなわれることで、より精度の高い予測が可能となります。それによって、無駄の削減やデータのリアルタイム利用が可能となるのです。

Iotと同様に業界を問わずさまざまな場面で活用され、今後も自動運転の実現などさらにビッグデータの活用が見込まれています。ビックデータによる情報テクノロジーとその蓄積によって、「モノ」の提供のみらず、商社が持つ豊富な「情報」を提供することでさらに高い付加価値をつけることができるのです。

プロのアドバイザーはこう分析!今後の商社業界の課題は大きく分けて3つ! 求められる力を理解しよう

現在の商社業界が直面する主要な課題は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れ、地政学リスクの高まり、そしてサステナビリティ対応です。

まずDXの遅れは、効率的な事業運営や新規ビジネス創出を妨げており、商社志望者はITスキルやデータ分析能力を磨き、業務改善や新しいビジネスモデル提案に貢献できる役割が求められます。

次に地政学リスクの増大は、グローバルなサプライチェーンの不安定化を招いており、国際情勢や地域動向の理解、リスク予測・回避能力の習得が不可欠です。

さらに、サステナビリティへの対応は事業継続の条件であり、脱炭素化や人権配慮への関心を深め、再生可能エネルギー事業や持続可能なサプライチェーン構築に貢献する視点が求められます。

商社業界を目指す際に必要なのは課題と向き合い乗り越える力である

学生には、「商社を通じて社会にどのような価値を提供したいか」を具体的に考え、自ら課題を発見し解決策を提案する意識を持つようにとアドバイスしています。

よく学生から「文系でもDXに貢献できるか」という質問がありますが、こちらについては、データ分析ツールや論理的思考、課題解決能力を身に付ければ十分可能です。

また「語学力がどれくらい必要か」については、英語は重要だが、異文化理解や多様な人との信頼関係を築くコミュニケーション能力が不可欠であると伝えています。

商社業界の業界・職種理解に役立つツールを紹介

志望動機を作成するには、業界・職種を理解することが大切であることについて記事を通して繰り返し強調してきました。業界・職種をよく理解していることで、志望動機のみならず、面接での受け答えの自信にもつながります。

そこで、商社業界の業界・職種理解に役立つツールを紹介します。「書籍」「映画・ドラマ」「Webサイト」の3つのツールに分けて解説していきます。自身の就活の状況に合わせてうまくツールを選択・活用し、商社業界の業界・職種の理解を深めていきましょう。

①書籍

書籍は、業界・職種を体系的に理解するのに役立ちます。学生におすすめする書籍の一例を以下に紹介しますが、書籍はたくさんあるので、中身を確認して自分の使いやすいものを選択しても良いでしょう

おすすめの書籍

現代総合商社論
三菱商事の社員がおこなう講義が書籍化したもので、商社の具体的な仕事内容を理解できる1冊です。これまでの総合商社の変遷や今後の商社の方向性についての理解を深めることもできます。この1冊を読むことで、面接でさまざまな確度から深掘りをされた際に業界についてよく理解した観点から受け答えすることができるようになります。

図解即戦力 商社のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
商社業界の最新動向から始まり、学生に役立つ商社で働く人の採用・待遇・キャリアパスが詳しく書かれているため、働くイメージを持つことができる1冊です。専門商社についても1章分設けて詳しく解説しているので、商社を志望する人全員におすすめしたい本です。グラフやカラーによる図解で解説されているため、理解もしやすいですよ。

業界と会社研究 2025年度版 商社 商社パーソンの仕事と働き方がわかる
商社に勤める若手ビジネスパーソンへのインタビューによる各エピソードからリアルな仕事内容や働き方を具体的に把握できる1冊です。時間がなくてOB・OG訪問ができないという人も、この本を読むことで仕事のリアルを理解することができます。

渡部 俊和

プロフィール

上記の他には、「7つの習慣」をおすすめします。読んだことのある人はたくさんいるでしょうが、実践している人は本当に少ないです。商社勤務で超多忙になってから価値がわかる本です。

②映画・ドラマ

映画・ドラマは、商社業界の働き方についてリアルな実態を理解するのに役立ちます。就活の息抜きや時間のある1、2年生にはとくにおすすめです。学生におすすめする映画・ドラマ作品の一例を以下に紹介します。

おすすめの映画・ドラマ

  • 「プロフェッショナル 仕事の流儀 商社マン 片野裕の仕事 不屈の課長、情熱を力に」
  • 「あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑 商社マン 儲かるしくみ つくります」
  • 「不毛地帯」
  • 「HOPE」
  • 「ハル ~総合商社の女~」
  • 「ザ・商社」

映画やドラマは、見て終わりだと記憶に定着しづらいこともあるため、作品からどんなことを感じたのかをまとめておくと良いでしょう

③Webサイト

書籍や映画・ドラマは、新しい作品が出版・制作されますが、一度購入したものはどんどん内容が陳腐化していきます。

そこで、業界の最新情報を得るには、Webサイトの活用が役立ちます。その中でも、JFTC – 一般社団法人日本貿易会は、商社の機能と活動事例、今話題のビジネスなど商社業界についての理解が深まるコンテンツが豊富でおすすめです

電車の移動中などにこまめに確認する習慣をつけるようにしましょう。

「なぜ商社か×どう貢献するか」が志望動機の要! 将来性のアピールで勝負しよう

商社の志望動機を書くには、なぜ数ある商社からその企業に就職したいのか、どのように自身の強みを活かして事業に貢献するかを考えることが重要です。これらが志望動機に含まれていないと、商社に対する憧れを伝えるだけの文章になり、オリジナリティのある志望動機は作れません。

この記事では、商社の志望動機を作る前に整理しておきたいことや、商社業界の志望動機を例文付きで解説しました。これらを参考に志望動機を作り、自身の強みを活かして商社の事業に貢献できることや、自身に将来性があることを採用担当者にアピールしましょう。

また、商社の志望動機を作成したら、記事の後半で解説した商社の志望動機のチェックポイント4選を確認してみてください。これにより、志望動機の質を高めたうえで選考に臨み、内定を獲得しましょう。

アドバイザーからワンポイントアドバイス自分の興味と商社の仕事を結びつけて考えてみよう

商社は毎年学生に人気のある業界ですが、応募する前から諦める必要はありません。総合商社も専門商社も各社の特長があり、探し方次第で強い興味やモチベーションを掻き立てられるような事業を展開している企業に出会うこともあるでしょう。

志望動機は、表面的な言葉を並べるだけでは採用担当者には決して伝わりません。志望する企業の商材や事業の特長をできるだけ詳細に理解するように努力し、具体的に興味を惹かれる部分がどのような点なのか、なぜ自分はそれに惹かれるのかを紙に書き出してみることをおすすめします。

自分の言葉で語れるまで志望動機を深掘りしよう

志望企業の商材や事業に自分が惹かれる理由の源泉を知ることができれば、より強くその企業への関心が沸き、より具体的な志望理由に自分自身で気づくことができ、実体験のエピソードや志望動機を裏付ける自分の想いを、表面的な漠然とした表現ではなく、自分の言葉で表現できるようになります。

自分の本当の志望理由を認識できれば、説得力のある志望理由を書くことができます。自分の本音で具体的な想いを語り、説得力のある志望理由を作成してください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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