情報系の学生が就職を考えると、選択肢が幅広くどこへ就職すれば良いか悩む人も多いのではないでしょうか。
情報系の学部は学ぶ範囲が広いため、自分のスキルと企業が求めるスキルがマッチしているかを理解することが重要になります。
この記事では、キャリアコンサルタントの小峰さん、板谷さん、楳内さんと一緒に、情報系の学生が就職する業界や仕事の種類を解説します。自分にどのような選択肢があるのか理解して、希望する仕事を見つけましょう。
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情報系の就職は目指す仕事に必要なスキルを明確にするのがポイント!
情報系の就職には、目指す仕事に必要なスキルを理解して、就職活動が始まる前に身に付けておくことが重要になります。就職活動が始まってからスキルの習得をすると、実務に使えるレベルに到達するまでに時間が足りなくなる場合もあるのです。
しかし、自分が目指す職業にはどのような資格が必要なのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事の前半では、情報系の学生が活躍できる業界や仕事を解説します。自分にマッチした選択肢を理解して、希望する進路を考えてみましょう。
その後で、情報系の就職に役立つ資格や情報系が就職を成功させるための4つのステップを解説します。記事を最後まで読めば、自分が希望する仕事に必要な資格やスキルが理解でき、就職活動への準備が始められるようになります。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
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情報系の就職は難しい? 実際の就職率や考えられる選択肢
情報系の就職先といえば、IT業界や通信業界しかないと思う人もいるのではないでしょうか。就職に弱い学部と感じてしまい、選択肢が少ないのではと不安に思う人もいるかもしれません。
あるいは、専門的な知識や技術を学べる学部だからこそ、実際の就職率はどの程度なのか気になる人もいるでしょう。
この章では、情報系の学生の就職率に加えて、大学院進学という選択肢も解説します。自分の選択肢をなるべく増やして、希望する進路を考えましょう。
就職率は95%以上と高い
情報系は専門知識を学ぶことが多く、就職先がないのではと不安に感じる人もいるのではないでしょうか。しかし実際のところ情報系の就職率は95%以上と高い水準です。
たとえば、2023年度の卒業生データによると、神奈川大学の情報科学科は就職率が97.1%、青山学院大学の情報テクノロジー学科は100%、東京情報大学の総合情報学部は96%となっていて、非常に高い水準であることがわかります。
また、情報学部からでもさまざまな業界へ就職していて、たとえば東京情報大学の発表するおもな就職先によると以下に就職している人がいます。
情報系学部からの就職先の例
- IT業界
- 通信業界
- 鉄道業界
- 不動産業界
- 教育業界
情報学部に在籍しているというだけで就職先をIT系に絞っては、自分の可能性を狭めてしまう可能性があります。就職先を決めるときは、視野を広げて目指す仕事や業界を考えましょう。
大学院進学など選択肢は幅広い
情報系の学生であれば、就職する以外にも大学院に進学する選択肢があります。
情報系学生であれば、大学院で最新のコンピューターやソフトウェア、システム、IT技術を学べるため、持っているスキルをさらに高めることができます。より専門性の高い分野に就職できるため、就職活動の選択肢が広がるのです。
ほかにも、AI技術や情報セキュリティに特化した大学院に行く選択肢もあります。情報系以外であればビジネスや経済学、教育系や医療系など幅広い分野からの選択も可能です。
大学院で身に付けた専門的な技術を持っていれば、就職に実務経験を必要としている企業の選考を目指せる場合もあるのです。
厚生労働省が発表した令和4年賃金構造基本統計調査によると、大学院を修了した人の給料は平均で464,200円となっています。一方、大学卒の給料は平均で362,800円です。大学院に進学しておくと、新卒に比べると待遇が良い状況で働き始めることができます。
- 就職するか大学院に進学するか悩んでいます。どのように決めたら後悔しないでしょうか?
キャリアから逆算して必要な経験を考えるのがポイント
どのような迷いがあるのかにもよりますが、職種によって決めてみるという考え方があります。
システムエンジニアやITコンサルタントなど、情報系全般の知識やスキルが求められる職種になりたい場合は大学院へ進学し、プログラマーやネットワークエンジニアなど専門的な知識やスキルが求められる職種になりたい場合は専門的な企業に就職するという考え方です。
目指すキャリアによって、最適なキャリアパスを考えてみてください。
文系は大学院に進学する選択肢があるのか気になる人もいるのではないでしょうか。下記の記事では文系が大学院に進学するメリットを解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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活躍しやすいのはココ! 情報系の就職で押さえたい業界5選
情報系の就職で押さえたい業界5選
情報系の学生はIT業界や通信業界で特に活躍できますが、それ以外の業界でも幅広く活躍できる選択肢があります。情報系だからといって視野を狭めずに就職先を探すことで、より自身に合った就職先を見つけやすくなるのです。
ここでは、情報系の学生が活躍できる業界を5つ解説します。各業界の特徴に応じた仕事内容を理解して、自分に合った業界がないか考えましょう。
①IT業界
IT業界
情報技術を活用したサービスや製品を展開する業界
IT業界は、自動車や家電製品など身の回りのあらゆるものに使われるIT技術を作る業界です。IT業界は年々成長している傾向があるため、情報系のスキルを持った学生は多くの企業で必要とされているのです。
IT業界と一言で言っても、パソコンやタブレットの内部を動かすソフトウェア業界や、Webサイトやインターネット広告の制作をおこなうWeb業界など多岐にわたります。それぞれの業界でできることを理解しておくと、自分に合った業界が見つかりやすくなります。
情報系の学生がIT業界に就職した場合は、コンピューターやプログラミングの知識を活かして働くことが可能です。
IT系の仕事は、論理的思考力がある人が向いています。また、日々進化する技術やプログラミング言語に対応するために継続的に学習したり、わからない事柄に対して粘り強く調べたりしながら取り組むことのできる人も向いています。
IT分野の仕事は多岐にわたるため、どのような仕事があるのか理解しておくと就職活動で目指す方向性が明確になります。下記の記事ではIT業界について詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
ITの仕事
ITの仕事って何があるの? 仕事の種類や働く魅力を詳しく解説!
IT業界
IT業界を徹底解剖! 押さえておきたい将来性やトレンドまで解説
②通信業界
通信業界
電波や通信を活用したサービスを消費者に提供する業界
通信業界は、携帯電話や固定電話をはじめとしたインターネットで使用する通信回線の提供や、ネットワーク設備の保守や運営をおこなう業界です。
情報系の学生が通信業界で働く場合は、端末の販売をする「営業職」やインターネット回線の保守や運営をおこなう「ネットワークエンジニア」、データの収集や分析をおこなう「データサイエンティスト」など、業務内容は多岐にわたります。
そのため、情報系の学生が通信業界に勤める場合は技術系の職業だけでなく、顧客との距離がより近い営業職も視野に入るといえます。
下記の記事では通信業界のビジネスモデルやトレンドについて解説しているため、より詳しい情報を知りたい人は目を通しておきましょう。
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例文6選|通信業界の志望動機を書くコツと業界理解を深める方法
通信業界の志望動機を書くときは、目指す職種ややりたいことを明確にすると具体的になります。この記事では、通信業界の志望動機を書く方法や業界が持つトレンドをキャリアコンサルタントと解説します。通信業界の志望動機に悩む人は、ぜひ参考にしてください。
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③メーカー
メーカー
自社で製品を製造して販売する企業
情報系の学生におすすめの就職先として、ものづくりをおこなうメーカーも選択肢に挙がります。メーカーは自社で商品の開発や設計をおこなっていて、製造する商品は食品から精密機械など企業によってさまざまです。
ものづくりが好きな人にとって、自分がかかわった製品が顧客の手に届くのは、大きなやりがいになるのではないでしょうか。
情報系の学生がメーカーに勤める場合、企業で制作する製品を動かすためのソフトウェアを作る仕事に携われます。ほかにも、自動車メーカーや機械メーカーで製品の開発や研究に取り組むことも可能です。
メーカーへの就職を考えている場合は、基本的な知識や魅力を理解しておくと自分に合った仕事かどうか判断しやすくなります。下記の記事ではメーカーの仕事や魅力を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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- ものづくりが好きという気持ちだけでは、情報系出身の学生がメーカーで活躍するのは難しいでしょうか?
「情報系の知識×ものづくりへの興味」がメーカーで活躍する鍵
ものづくりが好きという気持ちは、メーカーで働くうえでとても大切な価値観なので、それだけで十分活躍できます。また製品にもよりますが、企業の作る製品でソフトウェアが関与しない製品はほぼありません。
製品自体に組み込まれたり、製品を製造する過程で使われたり、製品の検査を合理化するために使われたりと、情報系の知識・スキルはメーカーであっても至るところで活用できるといえます。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
④金融業界
金融業界
個人や企業に対して融資や貯蓄、株式取引や保険などのサービスを提供する業界
金融業界と聞くと、窓口に立つ受付や顧客にサービスを提案する営業職が思い浮かぶかもしれません。しかし、クレジットカード会社や保険業務などではビッグデータを扱うことも多いため、金融業界は情報系の就職先としておすすめの業界の一つです。
情報系の学生が金融業界に勤めると、自身のプログラミングスキルを活かして業務を円滑にしたり、金融データの取り扱いに関するコンサルティングをおこなったりするといったスタイルで働けます。
銀行は近年DX(デジタルトランスフォーメーション)化を求められていて、デジタル分野に強い人材が不足しています。それにより、IT人材が今後も必要とされるのです。
DX化
企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを変革する取り組み
金融業界に興味が出た場合は、現在の動向や細かい職種まで理解を深めましょう。下記の記事では金融業界のトレンドや業種ごとの違いを解説しているため、目を通しておくと安心です。
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金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖
金融業界は、さまざまな特徴があります。選考を受けるなら、多角的に理解することが大切です。この記事では金融業界の動向や業種、職種、金融業界独自の選考対策などについて、キャリアコンサルタントと解説します。
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⑤広告・出版・マスコミ業界
広告・出版・マスコミ業界
インターネットやテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などさまざまなメディアを通じて、人々に情報を提供する業界
広告や出版、マスコミ業界でも現在DX化が進んでいて、IT人材は不足している状況です。特に、広告業界ではインターネットを活用したSNSでの広告配信が増えていて、顧客データの集計や統計ができる人が求められているのです。
情報系の学生はデータ分析やビッグデータが取り扱えることから、業務を円滑に進めたり企業の成長を加速させたりするために重要な存在といえます。
また、情報系の学生が持つ論理的思考があれば、顧客がなぜその商品が必要なのかを論理的に考えられ、商品をより効果的に売り出すための施策を考えることに役立ちます。このように持ち前のスキルを活かせば、IT技術職だけでなく企画やマーケティング部門でも活躍できるのです。
早くからDX化が進んでいる広告業界では、従来のクリエイティブな能力に加えて、デジタルマーケティングやデータ分析のスキルが求められています。
またAI技術を理解し、それを変化の激しいビジネスや多種多様な社会のニーズに合わせて応用する力がますます必要になっていくと考えられます。
広告業界や出版業界を目指す場合は、それぞれの仕事内容への理解を深めましょう。下記の記事では各企業のビジネスモデルや特徴を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
広告業界
例文7選|広告業界で勝ち抜く志望動機の書き方と差別化のコツ
出版業界
出版社への就職をかなえる5つの必須準備|トレンドや選考対策も解説
また、企画職やマーケティング職を目指す場合も仕事内容や必要なスキルを理解しておくと希望する企業に就職しやすくなります。下記の記事を参考にして、必要な対策をしましょう。
企画職
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?
マーケティング職
マーケティング職に就くには? 仕事内容から対策まで徹底解説
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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目指す職種を明確にしよう! 情報系の学びが活かせるおもな仕事10選
せっかく情報系の学部で専門的な知識を学んだなら、技術を活かして働きたいと思う人は多いのではないでしょうか。情報系の技術を活かせる職業は多岐にわたり、自身が学んできた分野によって目指せる職業も変わってくるのです。
ここでは、情報系の学びを活かせるおもな仕事を10個解説します。自分のスキルを活かせる仕事を明確にして、目指す方向性を決めましょう。
①システムエンジニア
システムエンジニア
顧客からの依頼を通して、ソフトウェアの設計や開発をおこなう仕事
理系の情報系であれば、就職先としてシステムエンジニア(SE)が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。情報系の学生が在学中に身に付けたプログラミングスキルや情報関係の知識を活かせるため、やりがいを持って働ける職業の一つです。
顧客の要望を仕様書に落とし込み、自身でプログラミングするか、専門のプログラマーに内容を引き継ぎます。
また、SEの仕事は就職後も勉強を続けていくことで徐々にスキルアップでき、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーなどほかの職種に就ける可能性が高いのも特徴です。手に職をつけられるため、引越しや転勤があってもキャリアが途切れにくく長期にわたって活躍できるのです。
- SEはつらいと聞きました。情報系の学生でも、目指すのはやめた方が良いでしょうか?
メリットとデメリットの両方を見ながら総合的に判断しよう
SEは、クライアントからの要件の変更や追加があっても納期に間に合わせる必要があります。そのため、長時間労働が求められたりシステム障害などのプレッシャーが生じたりすることで「つらい」と感じる場面は確かにあるかもしれません。
一方でSEはやりがいのある仕事でもあり、在宅勤務がしやすく、活躍できる分野も広いです。経験を積むことでフリーランスという働き方が実現できるなど、高い自由度を持って活躍しやすい業界といえます。
問題解決が好きな人や技術の進化を追うことが好きな人など、興味や適性があるようであればSEを視野に入れてみてください。
SEの仕事に興味がある場合は、具体的な仕事内容や働くやりがいを理解しておくと、実際に目指すかの判断がしやすくなります。下記の記事を参考に、まずはSEの知識を身に付けましょう。
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システムエンジニアは、クライアントのニーズに最適なシステムの開発を担う職種です。この記事では、システムエンジニアに興味をもっている新卒就活生向けに、システムエンジニアの仕事内容や向いている人、必要な準備などをキャリアコンサルタントと解説します。
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また、SEの仕事以外にも手に職をつけておくと仕事が探しやすくて安心という人もいるかと思います。下記の記事では手に職がつく仕事を解説しているため、興味がある職業を探してみましょう。
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受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
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②プログラマー
プログラマー
システムやソフトウェアを動かすプログラムの開発をおこなう職業
情報系の学生がプログラマーとして働く場合には、学生時代に身に付けたプログラミングスキルを発揮して、Webサイトの制作やアプリケーションの開発などができます。プログラマーは、SEが作成した仕様書をもとに、サービスや製品を作るためのプログラミングをおこないます。
プログラマーとして働くにはただ技術だけあれば良いわけではなく、プログラミング言語をサービスに落とし込むための思考力も必要です。
また、サービスによって必要とされるプログラミング言語が異なるため、自分が持っているスキルや興味を企業で活かせるのかどうかも考えて就職先を選ぶ必要があるのです。
SEとプログラマーの違いを簡単に述べるのであれば、SEは創作作業、プログラマーは制作作業と表現できます。
SEが担う創作作業ではおもに、システム仕様やプログラム仕様をデザインしていきます。そして、プログラマーはそのプログラム仕様からプログラミングをしていく制作作業を担当するイメージです。
一言でプログラマーといっても、さまざまなジャンルのプログラミングがあります。下記の記事を参考にしてそれぞれの違いを理解しておくと、自身が作りたいサービスに携わりやすくなります。
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③ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニア
ネットワークの設計、構築、運用、保守を担う職業
携帯電話やパソコンをインターネットにつなぐためのネットワークはもちろん、近年ではDX化により社内にネットワークが構築されている企業も増えています。生活するうえでインターネットは欠かせないものとなっていて、ネットワークエンジニアはそのインフラ設備を支える存在です。
ネットワークエンジニアは顧客から情報をヒアリングしたうえで、必要な機器や制作にかかるコスト、納品までのスケジュールの設定もおこないます。
情報系の学部で必要なスキルを身に付けておけば、企業によっては設計や構築も任せてもらえる可能性があります。
ネットワークエンジニアに興味がある人は、似た職業との違いを理解しておくとミスマッチを防ぐことが可能です。こちらの記事ではネットワークエンジニアの仕事内容を、似た職業との違いも含めて解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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ネットワークエンジニアの特徴や未経験からなる方法を解説しています。ネットワークエンジニアは、未経験でもなれます。アピールポイント別に志望動機をキャリアコンサルタントの視点から解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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④セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニア
ネットワークやシステムを外部からのサイバー攻撃から守る仕事
情報系の学生は在学中に情報セキュリティへの知識を身に付けている人も多く、セキュリティエンジニアになれば持っているスキルを活かしやすくなります。
近年はさまざまな情報がインターネット上に残されているため、外部からシステムの攻撃を受けて情報が流出してしまえば大きな問題となってしまいます。セキュリティエンジニアはそのようなトラブルを回避するために、セキュリティ機器の導入やウイルス感染を防ぐ業務をおこなっているのです。
セキュリティエンジニアは顧客や企業の大切な情報を守る役割のため、大事なポジションを任せられているというやりがいを感じながら働けます。
また、セキュリティエンジニアはセキュリティコンサルタントやセキュリティアナリストなどさまざまなキャリアパスに進めるため、就職後に技術を高めれば将来に対してより多くの選択肢を保てます。
セキュリティエンジニアを目指すことに不安に感じる場合は、下記の記事でセキュリティエンジニアに必要なスキルやキャリアパスを確認しておきましょう。
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セキュリティエンジニアの具体的な仕事内容や年収・キャリアパスをキャリアコンサルタントとともに解説します。働き方や将来性を具体的に理解し、ビジョンを明確にしたうえで自分に合った職業かどうか確かめてくださいね。
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⑤インフラエンジニア
インフラエンジニア
システムの基盤となるネットワークやサーバー、データベースなどの設計・構築・運用・保守をおこなう仕事
ネットワークやサーバーは生活をおこなううえで欠かせない存在であり、インフラエンジニアはその運用や保守などさまざまな業務を担当しています。担当する業務によって、ネットワークやセキュリティも扱える必要があるため、幅広い知識やスキルが求められます。
しかしその分、人々の生活を支えている存在といえるため、大きなやりがいを感じられる仕事です。
情報系の学生がインフラエンジニアになった場合は、データベースの設計や構築など、学生時代に学んだ技術をベースに活躍しやすいです。
ただし、インフラエンジニアは未経験でも目指せる職業であるものの、良い面ばかりではなくきついといわれる部分もあります。こうした側面をあらかじめ理解しておかないと、仕事を長く続けるのがつらくなってしまい、早期退職につながる恐れがあります。
下記の記事を参考に仕事内容や魅力を理解して、目指すかどうかを慎重に考えましょう。
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インフラエンジニアを目指す就活生向けに、インフラエンジニアの仕事内容や向いている人、就活に向けての準備方法などをキャリアコンサルタントと共に解説します。納得度の高い就活をするためには、インフラエンジニアの実態を正しく理解することが必須です。ぜひ参考にしてくださいね。
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⑥システム運用エンジニア
システム運用エンジニア
サーバーやネットワークがトラブルで停止しないように、システムの管理・運用をする仕事
システム運用エンジニアは常にネットワークの監視・運用をおこなっていて、万が一トラブルが起きたら稼働可能な状況に復旧できるように管理しています。
自分自身で修復に当たるケースもありますが、場合によっては顧客のそばでシステムの保守をおこなうカスタマーエンジニアに引き継ぎます。
また、セキュリティ強化のためにシステムをアップデートするのもシステム運用エンジニアの仕事です。通常業務のなかで気付いたシステムの脆弱性をSEへ引き継ぎ、協力しながら対策を考える必要があります。
情報学部で身に付けたITスキルやクラウドの知識は、システム運用エンジニアとして働く際にも強みとなります。
システム運用エンジニアとして活躍できるのは、コツコツと地道な作業をおこなうことができ、細かい変化にも気づく観察力のある人です。非常時でもパニックになることなく冷静に状況を関係者へ共有し、対処することのできる人が求められています。
⑦アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニア
ITシステムに含まれるアプリケーションのシステム設計からプログラミング、動作テストなどをおこなう仕事
アプリケーションエンジニアが制作するアプリケーションは、業務効率を改善するのが目的のものから、スマートフォン向けのサービスなど多岐にわたります。開発に必要なプログラミング言語だけでなく、ソフトウェアやネットワークなど幅広い分野への知識が求められるのです。
また、アプリケーションエンジニアのなかでもWebアプリケーションを取り扱う場合は、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに分かれます。担当する業務によって必要なスキルや知識が異なるため、自身の興味に応じて必要とされるスキルを把握しておきましょう。
スマートフォンの普及にともない、アプリケーションエンジニアの需要は徐々に高まっているため、情報系の学生が活躍できる職業といえます。在学中に身に付けたプログラミングスキルやソフトウェアの知識を活用すれば、即戦力になれる可能性もあります。
⑧AIエンジニア
AIエンジニア
AI開発やAIを活用してデータ分析をおこなう仕事
近年はAI(人工知能)の普及によって、AIを扱える人材が必要とされています。AIを活用したシステムが理想的に動くよう、システムの設計や実装をおこないます。さらに、開発したAIに新しいデータを学習させてより精度を高めていくのもAIエンジニアの仕事です。
AIエンジニアに必要なスキルは開発をおこなうためのプログラミング知識だけではありません。AIのプログラムには数学的な理論が使用されているため、情報系学部で学ぶ確率論や統計論、微分積分などの知識が活かせます。
また、AI分野は今後成長が期待されていて、新しい技術に真っ先に携われる職業のため、トレンドに敏感な人や自身のスキルを上げていきたい人にとってAIエンジニアはやりがいを感じやすい職業です。
学生時代にAIについての知識を身に付けている情報系の学生ならば、即戦力になれる可能性があります。また、情報系の学生は大学で最新技術を学んでいるため適応力が高いケースも多く、今後成長していくAI分野にも順応できると考えられています。
AI技術は、製造業、金融、教育、医療、エンタメなど、ほぼすべての業界で使われていて、今後の成長と発展に合わせてさらに需要が高まっていきそうです。
特に深い学習経験と高度なスキルを持つAIエンジニアは、幅広い分野での活躍が期待でき、技術革新の中心で働くことができるやりがいのある職業といえます。
⑨データサイエンティスト
データサイエンティスト
統計学やプログラミングの技術を利用してビッグデータを分析し、ビジネス課題の解決や戦略、意思決定の支援をおこなう仕事
データサイエンティストは、ビジネスの現場やマネジメントをおこなう層と会議をして、企業が抱える課題や今後の戦略の考案をおこないます。また、その際に発覚した課題を解決するために、AIを活用してデータの収集や分析をおこなうのです。
たとえば、新しい製品ができたときに既存のマーケティング方法で宣伝した場合の売り上げ予測を立て、より効果的な広告や販促キャンペーンを考えることもあります。
このように、データを利用した分析はどの業界でも求められているため、データサイエンティストは多くの分野で活躍できるのです。
情報系の学生がデータサイエンティストとして活躍できるのは、学生時代に培ったプログラミングスキルやクラウド、ビックデータの知識を発揮しやすいからです。
- 新卒でデータサイエンティストになるには、学生の段階からどのような勉強をしておくと良いでしょうか?
実践的なスキルを身に付け証明できる実績を積むことが大切
新卒でデータサイエンティストになるには、学生の段階から統計学やデータサイエンスの中で人気のあるPythonなどの言語を学んでおくと良いでしょう。
Kaggleのサイトでは、データサイエンティストになるための必要なスキルが数時間で学べるコースを無料で提供しています。
ある程度知識をつけたあとは、データサイエンティストとしての経験を積むためにKaggleの競技会に参加してみましょう。
GitHubなどのソフトウェア開発のプラットフォームで公開されているオープンソースプロジェクトに参加し、大規模開発やデータ処理の実務経験を積むことで実績をアピールすることも効果的です。
⑩ITコンサルタント
ITコンサルタント
ITを活用して企業が持つ課題を解決する仕事
ITコンサルタントは顧客の経営状況をヒアリングしたうえで、企業の課題を解決するためのIT技術の活用法や必要なツールの選定、システム導入の支援をおこないます。
実際に業務をおこなうのはSEやほかのエンジニア職が多くなり、ITコンサルタントはその管理や統括をするポジションとなるため、顧客のニーズを把握する能力や問題解決能力だけでなくIT系の知識も求められるのです。
このようにITコンサルタントは高度かつ幅広い知識が求められるため、「新卒ではなれないのでは?」と不安になる人もいるのではないでしょうか。しかし、ITコンサルタントはIT系やコンサルティングの知識を身に付ければ新卒でも十分に目指せる職業です。
情報系の学生は在学中から課題を決めて開発をおこなうなかで、IT系の知識と問題解決能力の両方が自然と鍛えられるため、ITコンサルタントとして活躍できるポテンシャルを兼ねそろえています。
さらに、近年はIT分野に直接関係のない金融業界や教育業界でもDX化が進んでいるため、ITコンサルタントは需要が高く、将来性も期待できる職業です。
ITコンサルタントを目指す場合は、仕事内容や将来性への理解も深めましょう。下記の記事ではITコンサルタントの業務や必要なスキルも解説しているため、目を通しておいてください。
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ここまでで紹介された職業は新卒1年目でも、やりたいという熱意と想いがあるなら、これまで学んできたことや自身の強みを活かしてチャレンジできるでしょう。
なかでも、データサイエンティストやITコンサルタントなどは、高い知識やスキルとともに経験がものをいう職業です。入社後も自己研鑽に励み、成長意欲をもって求められるエンジニアを目指しましょう。
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簡単な入力でプロが使うような回答例が出せるため、悩まずに就活準備を進められます。生成AIを活用して効率良く就活準備を進めたい人におすすめです。
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気になる疑問を解決! 情報系の就職で得られる年収
情報系には理系と文系があり、所属する学部によっても年収は変わってきます。年収は生活するうえでは重要なため、気になる人は多いのではないでしょうか。
ここでは、情報系の就職で得られる年収を解説します。理系と文系で得られる収入の違いを理解して、仕事選びの参考にしてください。
理系の場合:平均年収が高い傾向にある
情報工学科や情報科学科など理系の学生は、卒業後にIT業界や通信業界に勤め、エンジニアやプログラマーになることが多いです。
エンジニアやプログラマーの年収は企業によって異なるものの、厚生労働省が運営している職業情報提供サイトjobtagによると、SEの平均年収は一番低いスキルレベルでも約420万円です。
同じく職業情報提供サイトjobtagによると、プログラマーの場合はスキルごとに異なるものの約420万円からとなっています。
下記は、理系の情報系の学生が活躍しやすい職業の平均年収をまとめたものです。
職種 | 平均年収 |
---|---|
SE | 約420万円 |
プログラマー | 約420万円 |
ITコンサルタント | 約600万円 |
AIエンジニア | 約420万円 |
データサイエンティスト | 約600万円 |
上記は同年代の学生に比べると年収が高い傾向であり、スキルを積んでいけばさらに年収アップも見込めます。
理系の情報系の学生が順調に年収を上げていくには、学生の段階からプログラミング言語を学び、オープンソースプロジェクトに参画し実績を積みましょう。IT関連の資格取得も有効です。
入社後は、即戦力として貢献しながらアジャイルやスクラムなどのプロジェクトマネジメントスキルを身に付けることで年収を上げやすくなります。
理系の就職先の選択肢をより多く知りたい人は、下記の記事で解説しているおすすめの業界もぜひ参考にしてください。
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就活で有利と言われる理系学生ですが、「何をアピールするべきか」悩む学生は毎年多くいます。記事では、理系就職が有利と言われる理由や活かすべき強み、おすすめの就職先を解説します。
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文系の場合:出世により高年収が期待できる
経営情報学科や国際情報学科など文系の情報系の学生は、卒業後に広告業界やIT関連の企業に勤めることが多いです。技術職でない場合は、マーケティング職や顧客サポートをおこなうことが多いです。
求人ボックスによると、マーケティング職全体の年収が約461万円です。初任給は約22万円となっていて、ボーナスを抜いた年収で考えると約264万円ほどとなります。
ボーナスの金額は企業によりますが、3カ月分がプラスされたとして、330万円ほどのため、理系の学生に比べると年収は低くなりがちです。
ただ、今回例に挙げたマーケティング職でも、年数を重ねていけば役職がついたり仕事の責任が大きくなったりして年収は高くなるため、文系の情報系学生も長く勤務して経験を積むことでスキルアップし高年収が期待できます。
- 文系の場合、役職が上がらないと年収も上がりにくいのでしょうか?
文系の強みを活かして専門スキルを磨けば高年収が狙える
情報系職種はスキル重視の傾向にあるため、文系であっても専門スキルやノウハウを持っていれば役職に関係なく収入が増えることがあります。
特に、需要が高いマーケティングやマネジメントスキルを持っていれば、役職が上がらなくても年収が上がりやすいです。
また企業によっては、成果報酬型の評価制度を導入し、個人の成果や貢献度に基づいて報酬が決定されることがあります。
文系の就職先は幅広いため、選択肢を広げておくと自分が納得いく仕事が見つかりやすくなります。下記の記事を参考にして、挑戦したい仕事を見つけましょう。
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技術をアピールできる! 情報系の就職に役立つ資格
情報系の仕事は知識やスキルが必要になるため、資格を取得しておくと就職活動を有利に進めやすくなります。情報系学部で学んだスキルに適した資格取得を目指しましょう。
ここからは、情報系の就職に役立つ資格を国家資格と民間資格に分けて解説します。自分に必要な資格がどれか見極めて、資格取得を目指しましょう。
国家資格のおすすめ6選
情報系の就職に役立つ資格には、国の法律に基づいて能力や知識が証明される国家資格が数多くあります。IT分野では国家資格のなかでも、業務経験のない学生が取得しやすい資格があるため、就活で技術をアピールする際に役立つのです。
IT系の国家資格は試験範囲も広い傾向にあるため、IT分野の知識を広く持っていると伝えたいときに役立ちます。さらに、国家資格は業界での知名度も高いため、新卒採用では評価されやすい点も魅力です。
ここでは、情報系の就活に役立つ国家資格を6つ解説します。自身に必要な資格を見極め、取得を目指しましょう。
ITパスポート
ITパスポート
経済産業省認定の国家試験で、ITに関する基礎的な知識を証明する資格
ITパスポートの基礎知識
- 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:CBT方式
- 試験日:随時
- 受験費:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:150時間前後
- 合格率:約50%
ITパスポートは、経済産業省認定の国家試験で、IT系の国家試験のなかでは入門レベルの資格です。ITに関する基礎知識を有していると証明でき、合格率は約50%とほかの国家資格に比べると高い傾向にあります。
出題範囲は、経営全般からIT管理やIT技術にかかわる考え方に関する問題までさまざまです。総合得点として1,000点満点中、600点が必要です。しかしそれだけではなく、出題範囲は3つの分野に分かれていて、それぞれの得点も各1,000点満点中300点以上を満たしていなければなりません。
そのため、一つの分野だけを集中的に勉強するのではなく、各分野の対策をまんべんなくおこないましょう。
試験は毎日実施していて、いつでも挑戦できるのも特徴です。
ITパスポートを情報系の学生が取得していれば、IT系の基礎的な知識を有していると証明できるため、まだ就職して働いた経験がない学生でも基礎知識を持って即戦力として働けるとアピールできます。
ITパスポートは入門レベルの資格ではあるものの、ある程度勉強しなければ取得はできません。そのため、取得していれば一定の計画性や継続性はあるという印象を受けます。
また資格取得にトライする姿勢は、チャレンジ精神や目標達成能力があるという証明にもなります。
ITパスポートの資格を取得しておくと、IT系の基礎的な知識が身に付いていることを証明でき、就職活動を有利に進められます。下記の記事ではITパスポートの活用方法や具体的な勉強方法を解説しているため、併せて確認しておきましょう。
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また、資格取得を通じて身に付いたチャレンジ精神は、就活の際に自己PRとして有効にアピールできます。以下の記事では、チャレンジ精神を効果的に伝えるコツや例文を解説しているので、併せて参考にしてください。
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情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験
システムやサーバーをサイバー攻撃から守り、組織の情報セキュリティの確保の知識を証明する資格
情報セキュリティマネジメント試験の基礎知識
- 主催団:独立行政法人 情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:CBT形式
- 試験日:随時
- 受験費:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:約200時間
- 合格率:約50%
情報セキュリティマネジメント試験は、システムやサーバーをサイバー攻撃から守る情報セキュリティマネジメントに関する知識を証明できる資格です。プログラミングの知識がなくてもしっかりと勉強すれば合格が狙えるため、文系の情報系学生でも取得が可能です。
試験では、情報セキュリティ管理の考え方や法規に関する問題、実践力を確認する問題まで幅広く出題されます。
総合得点は1,000点となっていて、そのうち600点を取得すれば合格できます。合格率は約50%のため、比較的取得しやすい資格です。受験は通年おこなっているため、好きなタイミングで受験が可能です。
サイバー攻撃への対策として、情報セキュリティを重要と考える企業も多くあります。情報系の学部出身でかつこの資格を有していれば、必要な知識を身に付けていると理解でき、企業からも魅力的な人材と思われる可能性が高まります。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験
IT業界への就職を目指す場合に必要な基礎知識を有していることを証明できる資格
基本情報技術者試験の基礎知識
- 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:CBT形式
- 試験日:随時
- 受験費用:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:約200時間
- 合格率:約40%
SEやプログラマーなど、ITエンジニアが理解しておくべき基本的な知識を持っていると証明するならば、基本情報技術者試験の受験も視野にいれましょう。ITの実務経験がなくても受験でき、これからIT業界で働きたいと考えている人を対象にしている試験です。
試験では、コンピューターやシステムが動作する仕組み、データベースやネットワーク、セキュリティなどの基礎知識、システムやソフトウェアを開発する流れが出題されます。
企業経営やマネジメント分野の出題もされるため、IT企業で働くうえで必要な幅広い知識を証明できるのです。
試験科目が科目Aと科目Bに分かれていて、それぞれ満点が1,000点のうち600点を取得すれば合格が可能です。合格率は40%前後となり、ITパスポートに比べると難易度が上がります。
基本情報技術者試験はIT業界へ就職するときに必要な基礎の知識を有していると証明できるため、情報系の学生が取得しておくと採用担当者にIT系の基本的な知識を持っている点をアピールできます。
ITストラテジスト
ITストラテジスト
高度なITの知見を活用して企業の課題の明確化や業務効率化、IT戦略の立案をおこなう専門職の資格
ITストラテジストの基礎知識
- 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択・記述式・論述式
- 試験日:年1回
- 受験費用:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:約150〜200時間
- 合格率:約15%
ITストラテジストは、高度IT人材としての専門分野を持ち、情報技術を用いて事業の改革や最適化ができる技術を持っていると証明する資格です。ITパスポートや基本情報技術者試験に比べると難易度は高いものの、受験を受けるために必要な資格は特にありません。
試験は4つの分野に分かれて出題され、午前はIT技術の知識や仕組み、考え方、情報セキュリティ企業経営や情報システムの戦略に関する問題が出題され、幅広い対策が必要になります。午後の試験では架空の企業を想定した質問や、特定のテーマに対する論述問題が出題されます。
合格率は例年約15%のため、しっかり勉強して臨まなければ取得は難しくなります。
ITストラテジストは、高度な知識とスキルが要求される国家資格であるため、取得していれば即戦力になり得る人材であるという印象を与えやすいです。
また取得には、多くの時間と努力が必要なため、目標達成に向けて努力できることも印象付けられるでしょう。
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリスト
ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築・運用・保守をする業務に従事できるスキルを証明できる資格
ネットワークスペシャリストの基礎知識
- 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式・記述式
- 試験日:年1回
- 受験費用:7,500円
- 目安勉強時間:約50〜100時間
- 合格率:約15%
ネットワーク分野への就職を目指すなら、ネットワークスペシャリストの資格取得を目指しましょう。ITストラテジストと同じように難易度の高い資格ですが、取得すれば就職活動が有利に進みやすくなります。
試験では数学的問題から通信理論、プログラム言語、ネットワーク管理、情報セキュリティなど幅広い分野が出題されます。マネジメント関係や法務に関する知識も問われるため、受験する際はしっかり対策しましょう。
合格率は例年約15%となっていて、ITパスポートや情報セキュリティマネジメント試験など基礎的な資格を取得してから挑戦する人が多い資格です。
情報系の学生がネットワークスペシャリストを取得していれば、ネットワーク関連の仕事の即戦力として活躍できるだけでなく、難易度の高い資格へ向けて努力できる人材であるとアピールができます。
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリスト
データベースの専門知識が問われる国家資格
データベーススペシャリストの基礎知識
- 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式・記述式
- 試験日:年1回
- 受験費用:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:約200時間
- 合格率:約15%
データベーススペシャリストは、データベースに関するスキルを証明できる資格です。取得することで、データベースの設計や構築、運用、保守の業務ができることを証明できます。
試験では、コンピュータ構成要素やデータベースに関する問題、システムやソフトウェアを開発する技術の問題も出題されます。
合格率は例年約15%のため、決して高くはありません。難易度の高い資格である分、取得しておくと就活で専門性の高さをアピールしやすくなります。試験日も年に1回しかないため、試験に向けて計画的に勉強していくことが大切です。
情報系の学生が就職までにデータベーススペシャリストの資格を取得しておけば、データベースや情報システムにかかわる仕事の即戦力になれることに加えて、目的へ向かって努力できる力やスケジュール管理能力もアピールできます。
データベーススペシャリストの資格を取得したら、データベースエンジニアやデータベースの運用、管理をおこなうデータベースアドミニストレーター、データアナリストやクラウドエンジニアなどのデータベースを扱う幅広い職業に就きやすくなります。
データベーススペシャリストの資格は、データベースエンジニアの仕事に活かせます。下記の記事ではデータベースエンジニアの仕事内容や必要なスキルを解説しているため、併せて確認してみてください。
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データベースエンジニアになるには? 仕事内容や向いている人の特徴を解説
近年のITの発達によってデータベースエンジニアの需要が高まっています。しかし、新卒でデータベースエンジニアになるのは難しいのが実情。その中でデータベースエンジニアになる方法をキャリアコンサルタントと解説します。
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民間資格のおすすめ6選
情報系の学生に役立つ民間資格の多くは、IT製品を取り扱う企業が独自に実施しています。特定の製品に対するスキルを証明でき、該当の製品を扱う必要がある企業にアピールしやすいのが特徴です。
民間資格といっても、国家資格と同じくしっかり対策しなければ取得はできないため、簡単に取得できるとは思わないようにしっかりと勉強時間を確保して取り組みましょう。
ここでは、情報系の学生が就職するときに役立つ民間資格を6つ解説します。それぞれの資格の特徴を理解して、取得するか検討しましょう。
AWS認定試験
AWS認定試験
Amazon Web Servicesに関する専門知識やスキルを有していることを認定する資格
AWS認定試験の基礎知識
- 主催団体:Amazon
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:資格による
- 試験日:随時
- 受験費用:資格による
- 目安勉強時間:資格による
- 合格率:資格による
AWS認定試験は、Amazonの子会社が提供するクラウドサービスであるAmazon Web Servicesを使うための技術や専門知識を証明できる資格です。情報系の学生が取得しておけば、AWSのスキルや知識を有しているとアピールできます。資格は12個に分かれていて、難易度は初心者向けから上級者向けと試験ごとに異なります。
資格名 | 難易度 |
---|---|
Cloud Practitioner | 低 |
AI Practitioner | 低 |
SysOps Administrator | 中 |
Developer | 中 |
Solutions Architect | 中 |
Data Engineer | 中 |
Machine Learning Engineer | 中 |
Solutions Architect | 高 |
DevOps Engineer | 高 |
Advanced Networking | 高 |
Machine Learning | 高 |
Security | 高 |
情報系の学生でかつAWS認定試験の資格を取得しておくと、ITインフラにかかわる基礎的な知識が身に付いていることを証明でき、就職にも有利になります。
試験時間や範囲は資格によって異なるため、自分に必要な資格を見極めて受験する必要があります。以下で、AWS認定試験のなかで優先的に取得するべき資格について専門家が解説しているので、併せてチェックしておきましょう。
AWS認定試験のなかでどの資格を優先的に取得するかは、キャリアの方向性や現在のスキルレベルによります。新卒で情報系の職種を目指す場合は、クラウドシステム設計の基本的な知識を広く学べ、広範囲の職種に対応できるSolutions Architect(Associate)を取得しておくとキャリアの幅が広がりやすいです。
初心者であれば、まずはCloud Practitionerを取得し、AWSの基礎を固めてからステップアップすると良いでしょう。
オラクルマスター
オラクルマスター
Oracle Database の管理スキルを証明する資格
オラクルマスターの基礎知識
- 主催団体:Oracle
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:選択問題・穴埋め問題・対話形式のグラフィカルな問題
- 試験日:随時
- 受験費用:ブロンズ〜ゴールド 34,300円(税抜)、プラチナ 255,750円(税込)
- 目安勉強時間:ブロンズ〜ゴールド 約20〜40時間、プラチナ 350時間
- 合格率:ブロンズ〜ゴールド 60%前後、プラチナ 非公開
オラクルマスターはOracleが主催する資格であり、就職活動の前に資格を取得しておけば同社が提供するデータベースであるOracle Databaseに関する技術を証明できます。データベースエンジニアをはじめとした、データベースの保守や管理をおこなう職業に向いている資格です。
Oracle Databaseは世界でも高いシェア率を誇っていて、スキルを必要としている企業は数多くあるのです。
試験は難易度別にブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと分かれていて、シルバー以上であれば世界基準の資格となります。資格ごとに合格率は異なりますが、一番低いブロンズは65%前後と高めの合格率です。
試験は英語と日本語のどちらか好きな方で受けられるため、得意な言語を選びましょう。試験日は好きな日を選べるため、勉強を始めてから自信がついたタイミングがおすすめです。
情報系の学生がオラクルマスターを取得しておけば、データベースの管理に関する知識があることを有効にアピールできます。
Java SE 11 認定資格
Java SE 11 認定資格
Javaアプリケーション開発に必要な基本的なプログラミング知識と実用スキルを証明する資格
Java SE 11 認定資格の基礎知識
- 主催団体:Oracle
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:選択問題
- 試験日:随時
- 受験費用:ブロンズ 14,630円(税込)、シルバー 37,730円(税込)、ゴールド 37,730円(税込)
- 目安勉強時間:ブロンズ 約40~50時間、シルバー 約80~100時間、ゴールド 約150時間
- 合格率:ブロンズ・シルバー 60%前後、ゴールド 非公開
情報系の学生がアプリケーション関係の資格取得を目指すなら、Java SE 11 認定資格の取得を視野にいれましょう。Java SE 11 認定資格はOracleが主催する資格の一つで、プログラミング言語であるJavaのスキルを証明できます。
試験の難易度はブロンズ、シルバー、ゴールドの3つに分かれていて、エントリーレベルのブロンズでは、変数宣言や制御文などの基礎項目が出題されます。
シルバーとゴールドは国際資格となっていて、上級者の指導のもとコーディングが可能なスキルを持っていることを証明できるのが特徴です。国際資格は今後海外で働く場合があっても、スキルを証明しやすくなります。
Javaは開発案件で使用されることの多い言語のため、プログラマーやアプリケーションエンジニアなどを目指したい情報系の学生がJava SE 11 認定資格を取得しておくと即戦力をアピールしやすいです。
マイクロソフト認定資格
マイクロソフト認定資格
マイクロソフト製品に対する知識や技術を持つと証明する資格
マイクロソフト認定資格の基礎知識
- 主催団体:日本マイクロソフト
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT形式
- 試験日:随時
- 受験費用:資格による
- 目安勉強時間:資格による
- 合格率:資格による
マイクロソフト認定資格は日本マイクロソフトが主催するマイクロソフト製品に対するIT技術者の知識と技能をレベル別に認定する試験形式です。
マイクロソフト認定資格は大きく分けて2つに分かれていて、マイクロソフト各製品に関連する基礎知識を認定すると「Administrator(管理者)」や「データ エンジニア」など20種類以上の認定資格があります。
ロールベースの認定試験のなかでも初級から上級まで分かれるため、自身が取得したい資格を明確にして勉強を進める必要があります。
情報系学部の学生が取得しておけば、IT系に対する興味や基本的な知識を有していることをアピールしやすいです。
- マイクロソフト認定資格の種類が多すぎて何を取得すれば良いかわかりません。どのような資格の取得を目指せば良いでしょうか?
目指す職種や自身の興味から逆算するのがポイント
マイクロソフトの認定資格を選ぶ際には、有効期限がなく更新も不要な基礎資格から取得していきましょう。
データサイエンスを目指すなら、中級レベルではありますがAzure Data Scientist Associateの取得を目指してみてください。オンラインで学習からテストまでおこなえます。
クラウド技術やインフラに興味があるのであれば、Azure Fundamentalsからスタートして、ステップアップを図りましょう。
シスコ技術者認定
シスコ技術者認定
シスコシステムズが実施するネットワーク機器に関する認定試験
シスコ技術者認定の基礎知識
- 主催団体:シスコシステムズ
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT形式
- 試験日:随時
- 受験費用:試験による
- 目安勉強時間:試験による
- 合格率:試験による
シスコ技術者認定は、シスコシステムズが認定している民間資格です。ネットワークに関する知識を証明でき、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアを目指す人に人気があります。
資格のレベル | 対象 |
---|---|
エントリー | 特になし |
アソシエイト | システム会社やIT企業などに勤務していて、ある程度の実務経験がある人向け |
プロフェッショナル | 同上 |
エキスパート | 同上 |
学生でもとれる「エントリー」は、セキュリティ分野のスキルをアピールできる「サイバーセキュリティ」と、ネットワーク通信の知識を証明できる「ネットワーキング」という科目に分かれています。
もっともポピュラーなレベルは「アソシエイト」であり、おもに実務経験がある人が対象ですが、受験資格は特にないため学生でも挑戦できます。アソシエイトの試験時間は120分用意されているものの問題数も多いため、徹底した勉強と対策が必要です。
情報系の学生が就職前に取得しておけば、ネットワークへの知識を有しているとアピールが可能です。こちらの記事ではシスコ技術者認定のアソシエイトの詳細を解説しているため、どちらも確認しておきましょう。
CCNAとは
CCNAとはネットワーク技術者の資格! 内容と取得メリットを解説
CCNAの難易度
CCNAの難易度を多角的な視点で徹底解説|合格の秘訣まで大公開
マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格
マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格(MOS)
ExcelやWordなどのMicrosoft Office製品の操作スキルや知識を証明する資格
マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格の基礎知識
- 主催団体:日本マイクロソフト
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:マルチプロジェクト
- 試験日:原則毎月1回
- 受験費用:一般 10,780円(税込)、上級レベル 12,980円(税込)
- 目安勉強時間:一般 約20〜80時間、上級 約40〜80時間
- 合格率:一般 約80%、上級 約60%
マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格は通称MOSと呼ばれ、日本マイクロソフトが主催する資格です。マイクロソフトのオフィス製品を利用するスキルを証明できます。多くの企業はオフィスソフトを導入しているため、専門的に扱える人材は重宝されやすいです。
資格は一般と上級の2つに分かれていて、それぞれWord、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの技術に関する問題が出題されます。
MOSは合格率が一般で約80%、上級で約60%と比較的取得しやすい資格でありながら、海外でも評価される可能性がある国際資格という点も魅力です。
情報系の学生も、企業に勤める場合はWordやExcelを使用する機会は数多くあります。MOSを取得しておけば、業務をスムーズに進めるための基本的なPCの扱いが可能であることを証明できます。
MOSとマイクロソフト認定資格を両方取得するつもりであれば、MOSを優先的に取得するのがおすすめです。
MOSはマイクロソフト製品を利用するスキルであり、マイクロソフト認定資格はマイクロソフト製品を使ってソフトウェアなどを開発するスキルとなっています。ステップアップの順番を意識し、まずはMOSの取得を目指しましょう。
どの資格がおすすめ? 情報系の就職で押さえたい資格を業界・職種別でプロが解説
情報系の就活に役立つ資格を理解できても、数が多すぎてどの資格を選べば良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。情報系の資格は幅広いからこそ、自身に必要な資格を見極める必要があるのです。
そこでこの章ではキャリアコンサルタントの楳内さんに、情報系の就職で押さえたい資格を業界・職種別で解説してもらいます。自分がなりたい職種をもとに、必要な資格を理解してできるだけ早く対策を始めましょう。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見るまずはITパスポートや基本情報技術者試験がおすすめ
これから初めて資格を取る初学者には、どの業界、職種においてもITの基礎をしっかりと理解するために、ITパスポートを取得するのがおすすめです。
試験を通して、AIやビッグデータなどの新しい技術の知識、経営の知識、プロジェクトマネジメントの知識など、幅広い分野にわたってITを活用する力を身に付けられるため、就職においてアピール材料になります。
基礎がついたら、基本情報技術者試験にチャレンジしても良いでしょう。基本情報技術者試験では、IT系企業において新卒入社後1~3年以内に身に付けるべき内容が出題されているといわれています。
そのため、学生のうちに取得すれば、すでにその知識を保有しているとみなされます。実際に企業に入社後、上司や先輩から指導を受ける際に、基本情報技術者試験で知識を得ていれば、理解も早くなるでしょう。
目指す業界に特化した資格に挑戦してステップアップしよう
また、自身の知識や身に付けたいスキルに応じて、AWSなどクラウドや特定分野のスキルの強化を目指してみましょう。以下に、業種に応じた目的別に役立つ資格の例を記載します。
業種に応じた目的別資格例
①IT業界
情報セキュリティマネジメント試験:
ルールやセキュリティに関する専門知識を強化できる
②通信業界
ネットワークスペシャリスト試験:
より高度なネットワーク技術の知識習得を目指せる
③メーカー
AWS Solutions Architect(Associate):
クラウド技術が身に付く
④金融業界
情報セキュリティマネジメント試験:
セキュリティ対策に活用できる
⑤広告・出版・マスコミ業界
・マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格:
オフィス業務やデータ管理業務を目指せる
・AWS認定試験:
デジタルメディアや広告運用に活用できる
また職種別で見ると、システムエンジニアの場合はITエンジニアの登竜門と呼ばれる基本情報技術者試験のさらに上のレベルである「応用情報技術者試験」に挑戦してみてください。
またネットワークエンジニアであれば、ネットワーク分野に特化した資格である「ネットワークスペシャリスト」というように、段階的なアプローチとともに、キャリアの方向性に合わせて柔軟にスキルを強化していくのが良いでしょう。
専門的なポジションに対応できるようにするためにも、企業理解や自己分析を進めながらこれまで述べた資格の特徴を参考に考えてみてください。
やるべきことを明確にしよう! 情報系の学生が就職を成功させる4ステップ
情報系の学生が就職を成功させる4ステップ
- 情報系への興味や思いから目指す業界や職種を定める
- 資格取得などで情報系の就職に必要なスキルを身に付ける
- 企業研究を通して自分に合った会社を見つける
- 情報系の企業に役立つエピソードを伝えて選考を突破する
情報系の学生が就職を成功させるには、選考を突破するまでの手順やコツを理解する必要があります。ポイントを押さえながら手順通り進めることで、自分に合った会社を見つけられる確率が高まり、希望する職種に就きやすくなるのです。
ここでは、情報系の学生が就職を成功させる4つのステップを解説します。まずするべき行動を理解して、実行に移しましょう。
ステップ①情報系への興味や思いから目指す業界や職種を定める
情報系の学生が就職先を決めるときは、自身がなぜ情報系の学部を志したのかを振り返りましょう。自身が入学した当時の気持ちを思い出すことで、やりたい仕事や目指したい業界を明確にしてください。
やりたいことや興味があることがわかったら、目指す業界や職種に絞りこんでいきましょう。自分が講義のなかで学んできたスキルを活かせる業界だけでなく、今からでもやりたいことがあれば選択肢に加えましょう。
入学当時の気持ちを思い出せないなら、自己分析がおすすめです。自己分析をすることで自分の気持ちを思い返せるため、やりたいことが明確になります。
自己分析のやり方は下記の記事でも紹介しているため、ぜひ試してみてください。
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自己分析とは? わかりやすいやり方と選考での6つの活用法を解説
自己分析とは、自分に合う就活の軸を定めたり、自身の長所を活かした志望動機などを書くための準備工程です。この記事では自己分析のメリットや正しいやり方をキャリアコンサルタントとともに解説します。活用しやすいフレームワークも紹介するので、就活のはじめに自分を知り、納得のいく就活をおこないましょう。
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ステップ②資格取得などで情報系の就職に必要なスキルを身に付ける
自身が目指したい業界や職種が明確になったら、職業に必要なスキルを調べましょう。必要なスキルは企業の募集要項に記載されていることが多いです。
スキルを身に付けるためには、資格取得がおすすめです。特に資格を取得しておくと履歴書にも記載できるため、企業に自身のスキルをアピールしやすくなります。
情報系の就職に必要とされる技術的なスキルは資格取得や大学での勉強・研究で身に付けていきましょう。また、就職という意味ではコミュニケーション力が大事になるので、傾聴力やコーチングなどの勉強や経験を積んでおくと強みになります。
情報系の学生がIT企業を目指すなら、ITに役立つ資格を理解しておくと安心です。下記の記事ではIT系で役立つ資格15選やエンジニアに役立つ資格36選を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
ITの資格
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説
エンジニアの資格
エンジニアの種類別のとるべき36の資格|選び方や勉強方法も解説
ステップ③企業研究を通して自分に合った会社を見つける
職種が明確になっても、働き方や条件は企業によって異なります。自分に合った企業を見つけるために、企業分析をおこないましょう。
企業分析は企業の事業内容やビジネスモデルなどを比較して、自分に合った企業かどうかを考える方法です。客観的な視点で企業を比べられるため、自分に合わない企業に入社してしまい早期退職になるリスクを少なくできるのです。
企業分析をするときは、以下の内容を比較しましょう。
企業分析の項目
- 会社概要
- 事業内容
- ビジネスモデル
- 商品・サービス
- 取引先やターゲット顧客
- 業績
- 採用情報
- 環境・制度
上記をノートに書き出すことで、企業別に俯瞰して見られるようになります。
企業分析は、正しい工程でやらなければ効果がなくなってしまいます。下記の記事では企業分析に必要な情報の集め方や他社との比較方法を解説しているため、実際におこなってみてください。
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企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も
企業分析には自分に合った企業が見つかるなどのメリットが多くあります。また集めた企業情報をうまく活用することで、就活を効率的に進めることができますよ。この記事では、企業分析の正しいやり方から効率化のコツまでキャリアコンサルタントとともに徹底解説します。
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ステップ④志望企業に役立つエピソードを伝えて選考を突破する
自身の希望する企業が明確になったら、選考に参加しましょう。選考時は情報系の企業に役立つエピソードを伝えることで、採用担当者に入社後も活躍できる人材と思ってもらえる確率が高まります。
情報系の選考を突破するには、企業に合わせた志望動機や自己PRを用意する必要があり、特にエピソードは、志望企業や仕事に役立つ内容であるほど効果的です。たとえば、情報系に役立つ資格を取得するためにおこなった努力や学部で学んだことを絡めて、技術を高めたエピソードや問題を解決した経験を話しましょう。
「子どもの頃にプログラミングに触れてITに興味を持った」というようなエピソードは、ありきたりで内容が薄いと思われてしまいがちです。エピソード自体が悪いのではなく、具体性や独自性に欠けている点が問題です。
興味を持ったきっかけを通してどのような結果につながっているのかなど、しっかりと言葉を補うことでエピソードとして伝えられるように準備しておきましょう。
志望動機や自己PRの書き方がわからない場合は、下記の記事で書き方を解説しています。実際に作成する前に確認しておくと、スムーズに志望動機や自己PRを書き始められます。
志望動機の作り方
志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説
自己PRの作り方
例文20選|自己PRが簡単に書けるテンプレートで就活準備を効率化
何を伝えるかが大切! 情報系の学生が就活でアピールできる強み
情報系の学生が就活でアピールできる強み
- 目指す職種に必要な専門知識や技術
- 新しい技術を学ぶ向上心
- チームで協力できるコミュニケーション能力
- 問題を解決できる論理的思考
情報系の学生が就活でアピールできる強みを理解しておくと、採用担当者に響く志望動機や自己PRが作成しやすくなります。自身の強みを理解できるため、採用担当者に響くアピールができ、就職活動もスムーズに進みやすくなるのです。
ここからは、情報系の学生が就活でアピールできる強みを4つ解説します。自分が持つ強みを理解して、選考時の参考にしましょう。
目指す職種に必要な専門知識や技術
情報系の学生は、理系であればIT関連やプログラミングの知識、文系であれば情報に関する理論や概念を学んでいるため、業務に対する専門知識や技術を多く所有しています。目指す職種に必要な知識や技術が身に付いていれば、志望企業の選考を受けるときに即戦力として認められやすくなります。
情報系の企業に役立つ知識は一人で一から学ぼうとしても、未経験の人には難しい場合も多いです。しかし、情報系の学生は授業のなかで学んでいるため、企業側からすると一から育てる必要が少なくなります。
そのため、入社後はスキルを活かして即戦力として働きやすくなるのです。
新しい技術を学ぶ向上心
情報系に入学する学生は知的好奇心が高い人が多く、新しい技術を学ぶ努力を続けられる傾向があります。
特にIT分野の成長は目覚ましく、新しい技術が生まれ続けているため、こうした向上心は仕事をするうえで重要な要素といえます。逆に向上心がなければ業務を率先的に学べず成長の速度が遅くなってしまい、企業も育成に時間がかかってしまうのです。
だからこそ、志望業界がIT業界や通信業界でなくても、向上心の高さは高く評価される強みです。就職する業界に縛られず、自信を持ってアピールしましょう。
向上心を選考でアピールするときは、企業が求める人物像を理解したうえで内容を考えましょう。下記の記事では向上心をアピールするときに意識したい要素や注意点を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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チームで協力できるコミュニケーション能力
SEやプログラマーは一人で仕事を進めるイメージがあるかもしれませんが、実はチーム内で協力して働く必要のある職業です。
一つのプロジェクトでも顧客とやりとりするSE、仕様書に書いてある通りにソフトウェアを作るプログラマー、全体を管理するプロジェクトマネージャーなど多くの人がかかわっています。
情報系の学生は学生時代にソフトウェアを作り上げた経験がある人も多く、多くの人とかかわりながら業務を進めるのに慣れている人も多いのです。だからこそ、チームで協力できるコミュニケーション能力を持ち合わせている傾向にあります。
- 在学中は一人で開発をおこなっていたので、コミュニケーション能力には自信がありません……。
過去の出来事を深掘りするとアピールの種が見えてくる
情報系の業界や職種では、技術や知識が備わっていることに加えて、チームで協力して取り組んだり、知識のない人に向けてわかりやすく伝えたりするコミュニケーション能力が欠かせません。
コミュニケーション能力には、話す力以外にも聞く力や相手の意図を汲み取る力、論理的に物事を考える力などさまざまな要素があります。
このことを念頭に置いて、開発以外にも、ゼミやアルバイト、部活動などこれまでの学生生活で周りとともに取り組んだ経験がないか振り返ってみましょう。
自分の性格やかかわり方、苦労したことや工夫したことをふまえてわかりやすく伝えることで、アピールにつながるでしょう。
コミュニケーション能力をアピールするときは、抽象的な言い回しを避けるのが説得力を持たせる大切なポイントです。こちらの記事ではコミュニケーション能力を伝える方法をステップ別に解説しているため、目を通してから自己PRを作成しましょう。
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問題を解決できる論理的思考
製品やサービスを形にするには、制作中に起きた問題や課題を解決できる論理的思考が必要になります。論理的思考とは、物事を論理的に分析し、解決への筋道を立てる能力です。
学生時代にソフトウェアやアプリケーションの開発をした経験がある情報系の学生であれば、なぜ製品が予定通り動かないのか仮説を立て解決に導き出す際に必要な論理的思考力を持ち合わせている可能性が高いのです。
たとえ就職先がIT企業や通信業界でなくても、論理的思考は多くの業界で役立ちます。仕事のなかで課題や困難にぶつかることは多いため、論理的思考はトラブル解決に役立ちます。
情報系の就職に悩む人へおすすめのQ&Aも併せてチェック!
情報系の就職先や活躍できる職業への理解を深めても、自分の目指す先が正しいのか悩む人も多いのではないでしょうか。
そこでこの章では、PORTキャリアに寄せられたQ&Aから情報系の就職に役立つ質問を6つ紹介します。キャリアコンサルタントのアドバイスを参考にして、自身が目指す先を明確にしましょう。
情報系が活躍できる業界・職種は豊富! 必要なスキルを身に付け就活成功につなげよう
情報系の学生は就職に弱い、就職ができないなどの話を聞いて不安になる人もいるかと思います。しかし実際には、情報系の学生の就職先は幅広く、IT業界や通信業界以外にも数多くあるのです。
情報系の就職先に悩んだ場合は、記事で紹介した情報系の就職先としておすすめの業界5選や職種10選をチェックしておくと、自分のスキルにマッチした進路が見つかりやすくなります。
また、情報系の学生は職業によって求められるスキルが異なるため、目指す仕事に必要な技術や資格を理解しておくのがおすすめです。就職活動が始まってからでは取得が間に合わない資格もあるため、目指す仕事が明確になったらなるべく早く行動を開始しましょう。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る情報系人材はあらゆる仕事で活躍できニーズも多い
情報系学部から目指せる業界や業種、職種は多岐に渡るため、自分に向いている仕事などがわからなくなり、本当に就職できるのか不安になることも多いかと思います。
しかし逆に言うと、いまやどの仕事においても情報を扱わない業務はほぼないため、目指そうと思えばなんでも目指せる学部ともいえます。
選択肢がたくさんあるからこそ、迷いや悩みも多くなりがちです。そうした場合には自己理解に立ち戻り、しっかりとした自分の軸を作っていくことをおすすめします。
軸を固めることで自分にマッチした仕事を見つけよう
自分の軸とは、たとえば、興味・価値観・性格などの人柄や、適性・能力・役割などの自分らしさを表す言葉の数々です。
これらを明確に言語化し自分で理解しておくとともに、人に説明できるようになるまで練習しておくことです。それにより、さまざまな選択肢から自分にマッチした業界や仕事を選ぶ基準が見えてきます。
またその基準があることで、企業に対する志望動機や自己PRもしっかりと説明しやすくなります。ぜひ自己理解を深めて、自信をもって就職活動に向き合ってみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/ワーズアンドキャリア代表
Yukiko Umenai〇アナウンサーとしてのノウハウを活かし、総合人材会社で研修や社員教育を担当。人材の活躍やキャリア形成支援にも注力し、大学ではキャリア講義やカウンセリング、就職支援を担っている
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