この記事のまとめ
- 頑張っているのに就活が終わらない人の共通点をプロが解説
- 内定を獲得して就活を終わらせるには3ルールを守ろう
- 卒業まで続く秋・冬選考も視野に入れて焦らず就活をおこなおう
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
この記事を読んでいる人におすすめ
周囲がどんどんと内定を獲得しているにもかかわらず、自分はなかなか内定に手が届かず就活が終わらない、という状況はつらいですよね。就活の早期化や売り手市場といった言葉がインターネットやニュースで飛び交っている現代は、内定を持っていないことへの焦りがつのりやすいです。
しかし、ポテンシャルや人柄を見られる新卒採用では、悲観的な姿勢が面接官に伝わってしまうとますます内定が遠のく可能性もあります。まずは一度立ち止まってこれまでの就活の内容を振り返り、内定に至らない原因を見つけて対処することが大切です。
この記事では、「就活を頑張っているにもかかわらず内定が取れない」と悩む人へ向けて、これまでの努力を内定獲得につなげるための方法をキャリアアドバイザーとともに解説します。これを参考に、納得のいく企業からの内定を獲得して、清々しい気持ちで社会人生活をスタートさせましょう。
就活が終わらない人は自分の可能性を見落としている可能性がある
新卒の就活の特徴の一つに、学生のポテンシャルが重視されるという点が挙げられます。資格や成績と異なり、数字などで明確に表現することの難しい将来性や適性といったものは見極めが難しいです。特に社会人経験のない学生が「どんな企業でどう活躍したいか」を考えるのは至難の業とも言えます。
これほど難しいことを求められているなかで「就活が終わらない」「とにかく内定を獲得しないと」と焦ったり悲観的になったりすると、視野が狭まり、就活の要とも言える自分の可能性を見落としてしまう恐れがあります。
この記事の前半では、頑張っているにもかかわらず就活が終わらない原因を明らかにしたうえで、視野を広げるためにおこなうべき3つのことを解説します。まずは一度立ち止まり、じっくりとこれまでの就活の良かった点・改善点を振り返りましょう。
後半では内定獲得に向けた具体的な対策を練っていきます。不合格になりやすいフェーズから改善点を探りつつ、秋・冬までの長期戦も視野に入れて、自分に合った企業からの内定を獲得しましょう。
面接が上手くいかないときは、面接回答集を活用してください
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就活を終わらせるタイミングは人による! 焦らず対策をして内定を目指そう
冒頭でも触れたように、就活の早期化は近年のトレンドです。2024年に就職みらい研究所が発表した就職プロセス調査(2025年卒)「2024年7月1日時点内定状況」によると、2024年度に卒業した学生の就職内定率は2月1日時点で19.9%と、就職志望者の約2割を占めているというデータが出ています。その比率は7月1日時点になると83.22%に上ります。
つまり、7月どころか、就活が本格的にスタートする3月よりも前に採用枠が埋まってしまっている可能性があるということです。就活のために早めに動き出すことは、確かに就活で優位になるための一つの方法と言えます。
しかし、マイナビの2024年卒企業新卒内定状況調査によれば、11月以降も採用活動を継続する企業は55.5%もあります。
以上のことから、「就活が終わらない」と悩んでいる人はきわめて少ない枠の奪い合いに参加していて、人材不足に悩んでいて内定を獲得しやすい企業を見逃している可能性があるのです。
先に挙げた就職プロセス調査(2025年卒)「2024年7月1日時点内定状況」では、2024年度の学生の就職内定率が7月1日から3月卒業時点までに13.6%上昇していることも指摘されています。自分に合った企業を見つけることができれば卒業までの内定獲得は可能なので、就活を終えるタイミングは人それぞれだということを念頭に置いて対策を考えましょう。
卒業直前まで就活を続けることで、自分の納得のいく企業からの内定を獲得することは可能です。
私がこれまで支援している学生は、卒業までには必ず内定を獲得しています。内定は早くもらえれば良いというものではないので、焦る必要はありません。
大事なのは、諦めずにチャレンジし続けることです。
就活の焦りや不安を取り除くための方法はこちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひ目を通してください。
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就活に焦ることは、チャンスを逃してしまったりと悪循環に陥りやすいです。焦った時に意識したい考え方や心構えをキャリアコンサルタントが解説します。うまくいかなくても焦らないことは大切ですが、行動を変えないことはNG。正しい行動をとって、焦らず就活に臨みましょう。
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もし就活を続けること自体がつらいと感じる場合は、以下の記事を参考に、まずは心身のバランスを整えてから仕切り直しを図りましょう。
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あなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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就活が終わらない5つの原因! 内定に至らない理由を受け止めて次に活かそう
就活が終わらない5つの原因! 内定に至らない理由を受け止めて次に活かそう
就活を終わらせるタイミングは人によるものの、先述のように7月頃までに8割の学生が内定を獲得していることも事実です。スムーズに就活を終わらせる学生と、就活対策に時間をかけているにもかかわらず内定に至らない学生にはどのような差があるのでしょうか。
内定にあと一歩手が届かない5つの原因を解説していくので、自分が十分に対策をできている部分と、これから強化していくべき部分を区別できるようになりましょう。
内定が獲得できない悩みへの対処法は以下の記事でも詳しく掲載しているので、ぜひこちらも参考にしてください。
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原因①志望企業と就活の軸がかみ合っていない
就活では「あなたの就活の軸を教えてください」といった質問が頻出します。就活の軸とは、学生が過去の経験などから導き出した「こんな企業であれば自分は長く活躍できそうだ」という価値観です。企業は社会人経験のない学生を採用するにあたって、学生の価値観を聞いて納得できるかどうかを重視しています。
しかし、学生によっては「この企業に入りたい」という思いが強いあまり、企業の価値観と自分の価値観が一致しているかを確かめきれないまま、企業研究や面接対策に力を入れてしまっている場合があります。
たとえば「人の成長をサポートしたい」という軸を持った学生が「建物を建てれば人の生活を支えられて、結果的に成長もサポートできる」とゼネコン企業に応募すると、論理が飛躍していると判断されて不合格になる可能性が高いです。企業への思いの強さによって論理性が欠けてしまっていないか、今一度確認しましょう。
どんな業種や職種であろうと、極度に抽象化すればいずれも「人の役に立つ」「社会に貢献する」になってしまいます。
志望理由や自分なりのエピソードが抽象的で、その企業の事業内容や商品・サービスとのつながりを感じにくいと「就職できればどこでも良いんだろうな」ととらえてしまうでしょう。
自分が当てはまるかもしれないと感じた人は、以下の記事を参考に就活の軸を今一度見直してみましょう。自分の就活の軸をもとにした企業選びのコツも解説しています。
就活の軸一覧
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
業界の絞り方
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説
原因②志望企業と自身の経験をロジカルに結べていない
就活の軸についてでも触れたとおり、新卒就活では価値観を言語化することが非常に大切です。そしてその目的は、初対面の面接官に「どうしてこの企業に入りたいのか」という思いに納得してもらうことにあります。
たとえば、「親がこの企業に勤めていたから」「みんなが知っている企業だから」といった理由では多くの面接官は選考を通さないでしょう。面接官は企業を長く支えてくれる可能性の高い人材を探しているので、本人の意思の強さや、本人と企業の相性を重視しています。
志望動機や自己PRなど、バックグラウンドや過去の体験にもとづいて組み立てなくてはならない項目では、誰が聞いても納得がいく論理性が問われています。「留学先でインフラの重要性に気づかされた」「アルバイトを通じて人を助ける仕事にやりがいを感じた」など、自立的に導き出した答えを示せているかどうかを見直してみてください。
- 憧れの企業に落ちてしまいました。熱意が伝わらなかったのかと思うと悔しいです。
熱意を持ったきっかけだけでなく入社後のビジョンも伝えよう
「長年憧れていた」「格好良いと思った」という熱意だけでは、採用につながらない可能性があります。
そのような気持ちはあくまでも志望するきっかけであり、その企業で何ができるかをしっかりアピールすることのほうが重要だからです。
憧れや格好良さだけで入社しようとする学生は、入社後に仕事内容などでミスマッチを起こして、早期離職するかもしないと考える採用担当者もいます。
しっかり企業研究をおこない、気持ちだけではなく、応募企業でかなえたいことや入社後に発揮できる能力をアピールしましょう。
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
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原因③志望職種への適性が示せていない
選考が進むにつれ、「入社後はどこへの配属を希望するか」「具体的にどのような仕事をしたいか」といった、実務に焦点を当てた質問も増えてきます。これは、その学生が志望職種への適性を持っているかを見極めるためです。
業務は日々のモチベーションに直結するので、職種への適性は重要です。業務に関するスキル自体は入社後でも習得することができますが、性格・性質などはなかなか変えることが難しく、適性がなかった場合には早期離職を招きかねません。そのため、面接官も適性の見極めは慎重におこないます。
適性を証明するにはまず業務内容を把握する必要があります。改めて志望職種の業務を確かめ、自分の長所・短所や実体験を通して志望職種への適性があることを面接官に示しましょう。
以下にて各職種について詳しく解説した記事を紹介するので、職種への理解を深める際の参考にしてください。
営業職
営業職の6つのキャリアプランとは? なりたい将来像を想像してみよう
販売職
販売職の仕事内容や魅力を徹底解剖! 就職するために必要な対策とは
エンジニア職
エンジニアとは|12の職種の仕事内容から目指し方まで徹底解説
生産技術職
生産技術職の志望動機例文5選|やりがいや他業種との違いも解説!
品質管理職
例文7選|品質管理の志望動機がグッと光る! 作り方と4つのコツ
研究職
研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!
事務職
事務職の仕事内容が丸わかり! 必要なスキルや就職のコツも
原因④企業に合わせ過ぎて個性が伝わっていない
エントリーシート(ES)を作成するにあたって、合格者のESや志望動機などのテンプレートを参考にする人も多いかと思います。または、企業の求める人物像に合わせなくては合格できないと考える人もいるかもしれません。たしかにこれらは選考対策を効率的に進めるにあたって有用な情報ですが、情報に引きずられるあまり自分らしさを伝えきれていない場合もあります。
スキルや経験がそれほど重視されない新卒就活では、伸びしろや人柄によって周囲との差別化を図らなくてはなりません。企業研究や選考対策を入念におこなうことは大切ですが、それによってせっかくの個性を面接官にアピールできないのはもったいないです。
あるいは、自分の過去や価値観を初対面の面接官につまびらかに話すことに抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし就活では、経験から得た学びなどを通してポテンシャルを主張することが求められます。
アピールが表面的では、ほかの学生との比較で競り負けてしまう可能性があります。自分ならではの強みを活かした就活を心掛けましょう。
「面接で話せることがない」「自分のことを話すのが不安」と考える人は、もし自分がまったく知らない人と何かをすることになったらと考えてみましょう。
企業も同じで、これから一緒に仕事をする人はどういう人なのか、どんなことが好きで、嫌いなのかを知りたいのです。人と比べる必要はありません。
また、自分の全てを伝えなくてもかまいません。自己分析や他者からのフィードバックで得た自分のことを認めて、どこまでなら話してもいいか自問自答しながら、自分なりのアピール方法を考えてみましょう。
原因⑤面接で本領を発揮できていない
面接では、30分~1時間程度の短い時間で自分のポテンシャルをアピールしなくてはなりません。経験豊富な面接官を相手に、緊張せずに受け答えをするのはとても難しいものです。加えて面接でたずねられるのは、価値観やビジョンといった抽象的なことが多く、これらを論理的に説明するのは学生でなくても大変です。
その対策として、頻出質問への回答を事前に用意するというものがあります。しかし注意してほしいのは、その答えを丸暗記して面接で披露するのは決して有効なアプローチではないということです。面接は学生と企業の相互理解を目的としたコミュニケーションの場なので、一方的な主張はむしろ評価を下げてしまうリスクさえあります。
面接対策を頑張っているにもかかわらずなぜか落ちてしまうと悩む人は、もしかしたら上記のように対策の方向性がズレているために、準備に見合った力を本番で発揮できていない可能性があります。面接に向けた準備はあくまでも自分の考えや気持ちを整理するためのものだと心得て、面接ではなるべく面接官とのコミュニケーションを意識しましょう。
以下の記事で面接に向けた対策について解説しているので、面接に対する苦手意識のある人はぜひ参考にしてください。これらを活用して次回の面接での内定獲得を目指しましょう。
面接練習
効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介
頻出質問
就活の面接の質問70選! 完全攻略できる準備や回答方法を解説
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
プロが解説! 頑張っているにもかかわらず就活が終わらない学生の傾向とは
就活が終わらないことに悩む人は、これまでにも自己分析や業界・企業研究などにしっかりと力を入れてきたからこそ、「ここまでやっているのにどうして内定が取れないのだろう」と焦りや不安に襲われているのではないでしょうか。
これまでの就活を振り返るだけでなく、自分自身の傾向を知ることで、多角的に改善点を探すことができます。打開策が見つからないまま就活を続けるのは心身への負担も大きいので、より早く、より効果的な対策を練り上げて、就活へのネガティブな気持ちを解消しましょう。
今回、経営コンサルティングとキャリアコンサルティングという2つの視点からキャリア支援をおこなう小松さんに、就活が終わらない状態に陥りやすい学生について話を聞きました。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見る企業視点に立った考え方ができていない学生は不合格になりやすい
志望理由や自己PRなどが雄弁に語られて「就職活動の準備」をしっかりしてきたのだろうなと感じられる学生であっても、自社への関心が薄い様子が見受けられると、不合格になることがあります。
具体的には、企業側への質問がない場合や、質問があったとしても給与や休暇などの条件面だけの場合などです。
企業が人材を採用する理由は、自社の事業を継続したり、発展させたりするために、意欲のある優秀な人材が必要だからです。当然、企業側として最も関心があるのは、「採用した学生が自社でどのように活躍してくれるか」という点に尽きます。
したがって、企業としては、応募してきた学生にはどういう個性や価値観を持っていて、入社後にはどのような仕事に就くことを志望しているのかといった話を面接の場で聞きたいと考えています。
企業が知りたがっていることを理解して面接に臨もう
自分視点の主張ばかりで、企業側の視点に立った質問や回答ができないと「独りよがり」な印象を与えてしまいます。そういう学生は、入社したとしても上司や同僚、取引先との円滑なコミュニケーションが取れないと予想されてしまうため、印象が悪くなってしまうのです。
「企業が何を知りたがっているのか」「それに応えるにはどのような回答をしたら良いのか」を考えて臨むことで、良い印象を与えることができるでしょう。
視野を広げて再出発! 就活が終わらない人が内定を獲得するのための3ルール
視野を広げて再出発! 就活が終わらない人が内定を獲得するのための3ルール
- キャリアセンター・就職エージェントを頼ろう
- 今までよりも幅広い業界・企業の選考を受けよう
- 選考を受けるごとに振り返りをおこなおう
就活が終わらない原因を把握したら、次に考えるのは原因を解消するための手立てです。この章ではまず、就活を終わらせたいと考えている人全員におこなってほしい3つのことを解説します。
より早く自分に合った企業からの内定を獲得するには、どれも重要な取り組みです。これらを実施することでどのような効果が得られるのかを把握して、行動に移していきましょう。
就活準備全体を復習して基礎固めをしたい人には以下の記事がおすすめです。
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就活で必ずやること一覧|時期・状況別で必須の対策を厳選!
就活は初めて経験するからこそ、やることが明確になっていない人が多いです。自分が今やることを理解して、実践していくことが重要です。この記事では、時期や状況別で就活でやることについて、キャリアコンサルタントと解説します。
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①キャリアセンター・就職エージェントを頼ろう
就活をサポートしてくれる身近な存在として、キャリアセンターと就職エージェントの2つが挙げられます。
キャリアセンターは大学に設置された就活支援専門の機関です。就活に関する悩み全般を職員に相談できるだけでなく、企業から直接送られてきた求人を持っている場合もあります。相談には予約が必須の大学もあるので、利用前にホームページ(HP)をチェックしましょう。
次に、就職エージェントとは、学生と企業のマッチングをおこなう民間のサービスです。学生の希望や適性を見ながら相性の良い求人を紹介してくれるだけでなく、選考突破のためにES添削や面接対策の面からもサポートしてくれます。
これらのサービスを利用すると、自身の就活対策に対するフィードバックが受けられるほか、これまで目を向けていなかった企業との出会いのきっかけも得られます。多角的に就活を支援してもらえるので、積極的に活用しましょう。
②今までよりも幅広い業界・企業の選考を受けよう
キャリアセンターや就職エージェントを活用すると、自分の強みが活かせそうな業界や職種を紹介してもらえます。そのアドバイスを参考にして、これまでよりも幅広い企業の選考を受けてみましょう。
努力がなかなか実を結ばない原因の一つとして、業界や職種との相性が考えられます。これまでとは性質の異なる企業の選考を受けると、集められる情報も変わるため、新たな業界・職種への興味を持てるかもしれません。
また、さまざまな企業との接点を持つと、自分の強みや個性を発揮しながら働くための条件をより現実的に考えることができるようになります。多くの面接官と話して自分がどの企業でどう評価されているかを把握し、内定獲得へのビジョンを明確にしましょう。
- どうしても入りたい業界で内定を得られず、途方に暮れています。
何がやりたいのかを明確にして視野を広げよう
業界へのこだわりが強く内定が得られないならば、視野を広げてみる必要があります。
これまでと違う業界を調べることで新たな気付きが得られるかもしれません。あるいは、同じ業界でも、今までの応募先とは規模が異なる企業へ目を向けてみるのも良いでしょう。
また、やりたい仕事を中心に考えてみることもできます。たとえば語学力を活かして商社を希望している人は、海外との取引があるメーカーでも活躍するチャンスがあります。
志望する業界で何がやりたいのかを考えてみると、別の業界でも実現できる仕事が多くあることに気付けます。
受ける企業の幅を広げるには、どのような業界がどのように社会とかかわっているのかを把握するのも大切です。興味を引かれる業界との出会いのきっかけにもなるので、ぜひ以下の記事を活用して各業界の大枠を把握しましょう。
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就職活動は業界の情報を集め、理解することから始まります。この記事では業界一覧や業界理解を深めるポイントをキャリアコンサルタントが解説します。さまざまな業界を知り、自分に合った業界の内定を勝ち取りましょう。
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③選考を受けるごとに振り返りをおこなおう
就活を終わらせるために大切なのは、選考の合否だけではなく、選考の内容にもしっかりと目を向けることです。せっかく幅広い企業の選考を受けたとしても、そこで得られた情報を整理して次回に活用できなければ選考通過率を上げることはできません。
わかりやすいプレゼンができたか、質問には端的に答えられたか、面接官とのやり取りはどのように進んだか、面接官は自分にどのような印象を抱いた様子だったかなどを、選考を終えたらすぐに振り返りましょう。自己成長を確認できるほか、自分が高評価を得やすい企業の共通点なども見えてきます。
また、キャリアセンターや就職エージェントを利用すると、企業からの評価を教えてもらえることがあります。それらの情報を有効に活用して、内定へつなげましょう。
振り返るべきポイントは、自己PRできたこと・できなかったこと、志望動機に相手は納得していたか、伝わる話し方や言葉の選定はどうか、話しやすい・話しにくい内容はどんなことだったか、などです。これらを自問自答してみましょう。
そのほかにも、挨拶、姿勢、目線、声の大きさを含めたマナーについても気を付けるべき点があったか振り返っても良いですね。
就活の内容を振り返る方法の一つとして、就活日記が挙げられます。作り方や活用方法の詳細はこちらの記事で解説しているので、興味のある人はぜひ参考にしてくださいね。
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就活日記で選考通過率アップ? あなたを内定へ導く書き方を解説
就活日記は適切に使えば就活を有利に進める武器になります。就活日記の始め方や書き方のポイント、継続するコツなどをキャリアコンサルタントが解説するので、就活日記を活用して内定を勝ち取りましょう。
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就活を終わらせるには? 不合格になったフェーズから対策ポイントを分析
就活を終わらせるには? 不合格になったフェーズから対策ポイントを分析
ここまで、就活が終わらない原因や、内定を獲得するために取り組むべきことについて解説してきましたが、内定獲得のための課題は人それぞれです。また「思い返しても自分の就活の改善点がピンと来ない」と感じている人もいるのではないでしょうか。
たしかに合否の細かな基準は企業によって異なるものの、実は企業が学生に求めることや、それをどのタイミングで確認するかはおおむね共通しています。つまり、自分が不合格になりやすいフェーズから自身の課題を洗い出すことが可能なのです。
以下で各フェーズで企業が学生に何を求めているのかを解説していきます。面接官が見ているポイントを把握して、改善点を明確にしていきましょう。
書類選考で落ちている場合:自己分析をやり直そう
もう一度振り返るべきポイント
- 就活の軸とその根拠となるエピソードがつながっているか
- 自分の長所・短所を象徴するエピソードがあるか
- 自己PRやガクチカが具体的な内容になっているか
- 自分の強みや経験がどんな仕事で活かせるか
企業にとって、書類選考は最も多くの学生を見極めなくてはならないフェーズです。そのため、必ずしもESを隅々まで丁寧に見てもらえるとは限りません。文面でいかに採用担当者を惹きつけられるかが鍵となります。
応募人数によっては、担当者は一日に何十枚ものESを見なくてはなりません。よって、志望動機が経歴や就活の軸とリンクしているかどうかはとても重要なポイントになります。また、自己PRやガクチカといった、自身の強み・将来性をアピールすべき項目で個性を出せていない場合も、書類選考の段階で不合格になる可能性が高いです。
つまり、書類選考で不合格になっている人は、文面上での説得力が不足していると考えられます。ESの基盤となる自己分析をやり直し、自分の魅力をより効果的にアピールできるエピソードがないか、あるいは自分の強みをより活かせる業界・職種がないかを確認しましょう。
自分史やモチベーショングラフといった自己分析のフレームワークを活用し、過去の経験を改めて振り返るとともに、自分の強みや適性を考え直してみてください。
ESを作成する際は、企業が求めている人材とマッチングしている強みや適性を積極的にアピールするよう心掛けましょう。せっかくの強みも企業で生かせなければ、採用担当者は興味を持ちません。
特に自己PRや志望理由は、企業研究をおこなって応募企業向けのものを作成することが大切です。
自己分析の方法はこちらの記事で詳しく解説しています。これまでの自己分析結果を活用する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。フレームワークのテンプレートも掲載しています。
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自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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紹介した2つの自己分析手法については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ目を通して自己分析を深めていってくださいね。
自分史
自分史のテンプレ3選! 例文付きで当てはめるだけで自己理解が深まる
モチベーショングラフ
テンプレ付き|モチベーショングラフを駆使して自己分析を深めるコツ
書類選考での通過率に悩む人には、以下の記事もおすすめです。これらの情報を活用して面接への道を拓きましょう。
書類選考の基本
書類選考で落ちる6つの理由|通過率が格段に上がる5つの基本を解説
Webテスト対策
確実にWebテスティングを突破する3つの対策|例題や問題集も紹介
一次選考で落ちている場合:面接の様子を振り返ろう
一次面接の面接官は、事前にESを読んで質問を準備してきていることが多いです。おもに一次面接でチェックされるのは、ESと面接での受け答えに明らかな矛盾がないか、一般的なビジネスマナーが身に付いているか、基本的なコミュニケーション能力があるかの3ポイントに限られているからです。
特にコミュニケーションには注意しましょう。ESとの矛盾を気にするあまり受け答えがESの丸暗記になっていたり、準備したものをすべて出し切ろうと面接官への一方的なプレゼンをしてしまったりと、気負い過ぎることでコミュニケーションが不自然になってしまうことがあります。
面接はあくまでも面接官とのコミュニケーションの場です。上記のような不自然なやり取りになってしまっていなかったかを振り返ってみましょう。そして次回以降の面接では、礼儀正しいやり取りのなかで準備した内容を自然にアピールすることを心掛けてください。
なお、一次面接対策の詳細は以下の記事にて解説しています。いずれも一次面接の通過率をアップさせるための情報が凝縮されているので、次回の一次面接までに目を通しましょう。
通過率
一次面接の通過率は? 合格率を劇的に上げる対策方法も徹底解説
一次面接対策
一次面接を突破する4つの秘訣|頻出質問や落ちる人の特徴も解説
就活マナー
絶対に落とせない面接のマナー! 「即不合格」にならないための作法
二次選考で落ちている場合:就活の軸や志望動機を練り直そう
二次選考で面接官になることが多いのは、志望職種の現場を知る社員です。そういった二次面接の面接官は、学生の就活の軸や志望動機を深掘りして、企業との相性や業務に対する適性を確かめています。「この学生は現場に配属されたらどのように働くだろうか」と、現場目線でポテンシャルを測っているのです。
面接官が現場関係者でなくとも、学生の価値観などをじっくりと見極め、入社後に高いモチベーションで仕事に臨める人材かどうかを確かめるのが二次面接の大枠の役割です。価値観に対する鋭い質問に答えることができなくては、選考を通過することは難しくなります。
二次面接で不合格になることが多い人は、どのような角度で質問を受けても面接官を納得させられる動機を持って面接に臨めているかどうかを確認する必要があります。想定外の質問に対しても一貫性のある返答ができるよう、志望動機や価値観の論理性を見直しましょう。
面接での応答に一貫性があったか、ブレない価値観にもとづいた応答ができていたかを振り返るには、面接そのものの振り返りが重要です。記憶の薄れないうちに振り返りと分析をおこない、次回以降の選考に役立てましょう。振り返りの一手段として面接ノートの作成があるので、振り返りに苦手意識のある人はぜひ試してください。
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面接ノートの作り方は? 書き方を工夫し就職活動を効率的に進めよう
面接ノートは、書き方のコツを押さえることで内定に向けて大きく活用できます。この記事ではキャリアコンサルタントとともに面接ノートに書くべき11項目と、内容を深める5ステップを解説します。ぜひ参考にして内定につなげましょう。
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- 一次面接で納得してもらえた答えに、二次面接では納得してもらえませんでした。
二次面接では一次面接よりも人物像を深掘りされるので準備は念入りに
二次面接では、自分の性格や価値観を伝えるための経験やエピソードのなかから、企業が求める人物像にマッチすることがわかるものを選び、伝える準備をすることがポイントです。
一次面接に比べてエピソードをより深掘りされる傾向にあるため、特に職種や仕事内容への理解と、キャリアプランの明確化に力を入れましょう。
具体的には、その企業でなければならない理由や学生時代力を入れて取り組んだことを、入社後の業務につなげて考えることを意識してください。
さらに、自分自身がどのような仕事でどう成長することでその企業に貢献していくかを、3年後・5年後といった区切りで明確にイメージしておき、質問されても明快に内容を伝えられるようにしておきましょう。
二次面接対策については以下の記事でも解説しています。二次面接は現場をよく知る社員が面接官になることも多いので、対策を万全にして企業への理解度の高さを示しましょう。
通過率
二次面接の通過率を就活のプロが解説! 落ちる理由や必須の対策も
二次面接対策
二次面接は深掘り質問に注意! 回答例や失敗する学生の特徴を解説
最終選考で落ちている場合:業界・企業との相性を再確認しよう
新卒採用の最終選考では、社長や役員など、企業の経営を担う人が面接官になることが多いです。
最終面接まで残った学生は、これまでの選考でコミュニケーション能力や業務への適性などが保障されています。では最終面接で経営層が何を確かめたいのかと言えば、「この学生は本当に自社で活躍してくれるのか」です。本人の志望度と企業風土との相性を中心として、学生の将来性を最終確認しているのです。
つまり最終面接で不合格になるということは、志望度が低いと見なされたか、企業風土と合わないととらえられたかのどちらかです。あるいは、ほかの学生と横並びで見たときに、相対的に「自社で長く勤めてくれる人材ではなさそう」と思われた可能性もあります。
いずれにせよ、最終面接で不合格になることが多い学生は企業との相性を不安視されたと考えられます。対策としては、企業との相性が良いことを証明できる材料をそろえたうえで、決定打となる強みを押し出すことが重要です。企業の求める人物像と自分がマッチしていることを志望動機などで強調できているかを改めて確認しつつ、その企業に入社して何がしたいのかという将来ビジョンを明確にしましょう。
最終面接まで進んだのは、能力や適性などで一定の評価をされていることの証明なので、自信を持ってください。
不合格になってしまったのは、応募企業だからこそ入社したい理由や、発揮できる能力のアピールが、ほかの応募者に比べて弱かったのかもしれません。
なぜその企業に入りたいのか、その企業で何ができるかをしっかり伝えましょう。
最終面接の対策についてより詳しく知りたい人は以下の記事に目を通してください。最終結果の決まるフェーズですが、対策をしっかりおこなえば緊張の種を取り除くことも可能です。
合格率
最終面接の合格率は? 学生が意外と知らないリアルな数字を解説
最終面接対策
最終面接の逆質問30選! 内定をつかむ必須準備と差別化のコツを解説
不合格のタイミングがバラバラな場合:第三者にフィードバックを頼もう
不合格になったフェーズがばらけている場合、自力での原因特定が難しいので、第三者の力を借りて解決を図ることをおすすめします。キャリアセンターの職員や就職エージェントにES添削や模擬面接を依頼して、改善点をたずねてみましょう。
ただし、同じフェーズで不合格になった企業に共通点がある場合は、自力での分析を進める余地があります。業界、企業規模、企業風土などから企業を見比べてみましょう。もし共通点があった場合には、ここまでに紹介した各フェーズへの対策が有効です。
とはいえ、一人で悩んでいても答えが見つからないときにはプロの手を借りるのも大切なことです。就活の状況を整理したうえで、これからの対策について相談してみてください。
企業・業界で選考の内容がまちまちな人は、自分では選考対策を頑張っているつもりでも、無意識のうちに自分の中で業界ごとに区別をしてしまっていることが想定されます。
興味が強い業界や絶対に入りたいと思う企業に対しては、当事者意識を持って貪欲に情報収集を進める一方、あまり興味がなく滑り止め感覚で応募する業界や企業に対しては「最低限の準備」をして臨むことが当たり前になっているのかもしれません。
ばらつきを直すのであれば、情報収集の項目や手順をパターン化して、熱意の高低に成果が左右されにくいような工夫を考えてみると良いでしょう。準備や情報収集のチェックリストなどを自作するといった工夫がおすすめです。
就活が終わらない人はどこでつまずく? みんなの悩みからも対策を学ぼう
「就活が思うように進まない」と悩む学生は少なくありません。実際、なかなか内定が獲得できないという学生から多くの悩みが寄せられています。内定を獲得するための対策を進めるのも大切ですが、同じ悩みを抱える学生の悩みを聞くことで、状況を客観的にとらえることができるかもしれません。
以下のQ&Aでは就活がうまくいかない、終わらないという学生の悩みに対して、キャリアアドバイザーが回答しています。キャリアアドバイザーの回答も参考に、就活が終わらないことによるさまざまな悩みを解消するための行動を取っていきましょう。
「今度こそ就活を終わらせたい!」内定獲得に必要な心構えをプロに聞く
ここまで、「就活が終わらない」と悩む人が内定を獲得して就活を終わらせるための対策を解説してきました。これらの情報は就活に対する行動的なアプローチです。
行動を起こすことはとても大切です。しかしこれまでの就活を振り返った時、「気持ちが先行するあまりに本来の力を出せなかった」という場面がある人も少なくないでしょう。行動と感情を切り離すことは難しいものです。
そこで今回、人事として10,000人以上の求職者と面接をした経験を持つ、キャリアコンサルタントの谷所さんに話を聞いてみました。「次こそは」という意気込みをポジティブな結果につなげるためにはどうするべきか、感情的なアプローチについて解説してもらっています。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る気負い過ぎずリラックスして自分の熱意や魅力をアピールしよう
「内定を獲得して就活を終わらせたい!」という気持ちが強過ぎると、意気込みが空回りして、良い結果につながらないことがあります。
これまでの就活がなぜ実を結ばなかったのかを分析し、改善できる点は改善し、応募企業についてしっかり調べたうえで、入社したい理由と活かせる能力を整理して臨みましょう。
面接官だった時、失敗は許されないという気持ちから、マニュアル本に書かれている回答を丸暗記して語る応募者の面接を担当したことがあります。残念ですが、棒読みでどの企業でも通用するような回答を言われても、入社意欲が伝わってきませんでした。
また、選考への気負いが強い応募者の面接もおこなったことがあります。「リラックスしましょう」と言っても面接最後まで硬さが抜けず、面接官としては人間関係に不安を感じました。
自分に合う企業を見つけるつもりで落ち着いて面接に臨むことが大切
就活を終わらせたい気持ちもわかりますが、終わらせるのではなく自分に合う企業と出会うという姿勢で臨むことが大切です。
自分に合う企業を見つけたいと考えることができれば、「もし合わなかったら別の企業へ応募すれば良い」という気持ちで、リラックスして臨めます。
たしかに努力が結果につながらないのはつらいです。しかし、より多くの企業とかかわりを持てた経験は、間違いなく今後の糧になります。
就活はじっくり進めても大丈夫! 卒業まで続く秋・冬選考について確認しよう
就活はじっくり進めても大丈夫! 卒業まで続く秋・冬選考について確認しよう
- 期間:計画人数の採用を目指して3月末までおこなう場合あり
- 注意点:倍率が高くなるため念入りな準備が重要
これまでの就活の課題と解決策が明確になると、次に気になるのは企業がいつまで採用活動を続けているのかです。新卒採用そのもののタイムリミットを迎えてしまってはせっかくの改善も水の泡なので、各企業がいつ頃まで採用活動をおこなっているのかを把握することは欠かせません。
この章では、新卒採用が一段落する夏以降の採用、秋・冬選考について解説します。実施時期や秋・冬選考ならではの注意点を把握し、内定獲得に向けた準備を進めましょう。
期間:計画人数の採用を目指して3月末までおこなう場合あり
秋・冬選考を実施するのは、それまでに計画していただけの人材を9月までに採用しきれなかった企業です。よって選考の終了時期は、厳密に言えば各企業が採用人数の目標を達成するまでとなります。
とはいえ、冒頭でも触れたとおり、マイナビの2024年卒企業新卒内定状況調査によると、2024年度に新卒採用をおこなった企業のうち、55.5%は11月以降も採用活動を継続する計画を9月時点で立てていました。さらに、卒業を控えた3月まで採用を継続する見込みの企業は15.4%もありました。
つまり、過半数の企業が9月以降も応募を継続的におこなっていて、全体の約15%の企業は新卒採用を3月までおこなっているということです。夏までに自由応募を締め切っている企業もあるので、独自のルートで求人情報を集めているキャリアセンターや就職エージェントを活用すると、秋・冬選考へのエントリーを効率的におこなえます。
秋・冬選考をおこなう企業は明らかに人手を欲している状況なので、内定を獲得することは十分に可能です。学生の立場からすると、対策さえしっかりおこなえれば、自分が納得して内定を受諾できる企業を探す余地があるということです。これまでの就活内容を振り返って準備を万全にしましょう。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見る早く内定をもらうことよりも自分に合った企業と出会うことが重要
就活の早期化は十数年以上も前から進んでいる傾向です。かつては「経団連ルール」と称されるような暗黙の了解があって、各社が一斉に採用活動を解禁するような状態が続いていました。
しかし、少子高齢化に伴い若年人口が年々減少していくのに連れて、優秀な人材を早めに「囲い込む」ことを目的に、経団連に所属する大企業までもが率先して暗黙の了解を破るようになりました。こうして採用市場のスタートがどんどん早期化していったのです。
かつては社会貢献としての建前を守っていたインターンシップも、現在では事実上の選考過程になっています。大学2~3年生の頃から就活がスタートしている状況です。
それでも希望する内定数に届かず、募集を継続して秋採用や冬採用を続ける企業も少なくありません。つまり通年採用活動が続いている状態です。採用活動が長引くほどに翌年以降の募集と時期が重複することになるため、企業の人事サイドも採用活動の長期化に疲弊しているのが実体です。
長期的な目線で自分に合った企業を探そう
これを学生視点でとらえれば、大手企業や人気企業でも長く採用活動をおこなっている可能性があるということです。長期戦に切り替えるにあたっては、就活というゲームの目的をとらえ直してみるのが良いでしょう。
とにかく内定さえもらえれば早いほど良いというのは、タイムアタックのような考えです。しかし、長期的な目線で考えてください。自分に合っていない企業から早く内定をもらえたからといって、そこで手を打ってしまうのは適切とは言えません。
タイムアタックではなく、宝探しの考え方で就活を進めましょう。何がベストかは一生わからないかもしれませんが、そのときの自分にとって最もベターな就職先を見つけられるよう、時間をかけて良いというゲームへと、ルールが変わったと考えてください。
せっかく就職が決まったとしても、すぐに退職してしまっては、求職者も応募者も報われません。就活では妥協せずに自分に合った企業を探すことが大切です。現在の売り手市場は、企業にとってはつらいですが、学生にとってはメリットがたくさんあることを理解しておきましょう。
大学を9月に卒業する場合の就活スケジュールが気になる人は以下の記事を参考にしてみてください。スケジュールと注意点を詳しくまとめています。
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9月卒業の人向けに就活のスケジュールや対策ポイントを解説しています。就活のプロであるキャリアコンサルタントに卒業が遅れても内定を勝ち取るためのコツを質問しているので、ぜひ確認してみてください。9月卒業になった理由に合わせた対策をして、志望企業から内定をもらいましょう。
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注意点:倍率が高くなるため念入りな準備が重要
秋・冬選考をおこなう企業は多くあり、内定を獲得することは十分に可能です。ただし、夏までの採用活動の延長線上にあることには注意しなくてはなりません。つまり、採用枠が夏以前より少ない可能性が高いということです。
また、ライバルとなるのは、自身と同様に就活を続けてきた学生や、進路を公務員からシフトした学生、留学などによって就活のスタート時期がズレた学生などが中心です。経験値や強みを持つ学生と少ない枠を競うことになるので、対策は念入りにおこなわなくてはなりません。
これまでの就活経験を活用して、企業に対し自分の強みや人柄を魅力的にアピールしつつ、志望度の高さを明確に示しましょう。
秋・冬選考と似た言葉として、通年採用があります。一年を通して採用活動をおこなう企業を以下の記事にてピックアップしているので、ぜひこちらも参考にしてください。
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選考対策に役立つ! 秋・冬選考を実施する企業の3つの特徴を押さえよう
選考対策に役立つ! 秋・冬選考を実施する企業の3つの特徴を押さえよう
- 多くの従業員を必要とする大企業
- 一般の知名度が高くない中小企業
- 学生が少ない地方の企業
秋・冬選考をおこなう企業が多くあることは前章で解説したとおりですが、内定を目指すからには、自分に合った働き方のできる企業の選考を受けたいですよね。
秋・冬選考を実施する企業の共通点として、それまでに計画していた人数の学生を採用しなかったことが挙げられます。ネガティブな情報に見えるかもしれませんが、その背景は企業によってさまざまです。
秋・冬選考を実施する企業の特徴とともに、採用が計画どおりに進まなかった背景を解説していくので、企業研究の参考にしてください。
①多くの従業員を必要とする大企業
夏までに計画していた人数の学生を採用できなかった原因の一つとして、採用したい人数が多いことが挙げられます。事業規模が大きく、また事業をおこなうにあたって人手が必要不可欠な大企業がこのような状況に陥りやすいです。
たとえば工場に人員を割かなくてはならないメーカー企業、物品の運搬に人手が必要な物流企業、常駐派遣の携帯を取るIT企業や人材サービス企業が該当します。
大きな規模の仕事にかかわりたい人や、福利厚生の手厚さを重視している人は、秋・冬選考の情報を逃さないよう、各社のHP、またはキャリアセンター、就職エージェントが持つ求人情報をこまめに確認しましょう。
妥協せずに就活を進めることで、どんな結果であっても後悔を減らすことができるかもしれません。そのうえで、少し視野や条件を広げてみるのも一つの方法です。
あまりよく知らなかった業界や企業のなかに、もしかしたら自分のやりたいことができるところがあるかもしれませんよ。
大企業については以下の記事にて詳しく解説しています。中小企業との違いを理解すると、大企業への理解度がぐっと高まり内定獲得にも近付きます。
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②一般の知名度が高くない中小企業
世間一般での知名度が高くない中小企業も、学生からの注目を集めにくいので採用が秋・冬におよぶことがあります。一般消費者との接点がないBtoB企業や、設立して間もないベンチャー企業、スタートアップ企業はその傾向が高いです。
しかし、知名度と企業の経営状況は必ずしも比例しません。たとえば自動車部品を専門的に作るBtoBメーカーは、自動車メーカーと安定的な取引をおこなっていることが多いです。
知名度などによる先入観に惑わされず、自分のやりたいことができるか、価値観が自分と合っているかに焦点を当てて、理想のキャリアを築ける企業を探しましょう。
情報発信の少ない中小企業でも、企業のHPや求人情報から企業の特徴や求めている人材を読み取ることが可能です。
それでも情報量が少ない場合は、業界研究をおこなってそこで活躍する姿をイメージしてみると、求められている人材をある程度イメージできます。
以下にて一般の知名度が低い傾向にある企業について解説した記事を紹介します。社名が広く知られていることと働きやすさ、働きがいはまったく別の問題です。それぞれの企業の特徴を理解し、自分に合った環境を見つけましょう。
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③学生が少ない地方の企業
地方企業もまた人員確保に苦戦する傾向にあります。進学・就職のタイミングで若年層が地域を離れてしまったり、その地域での知名度が高い企業に学生の応募が集中してしまったりといったことが原因です。
地方企業は地元との関係が密接なので、地域の人々からの信頼を損ねないよう、福利厚生や離職防止に力を入れていることも少なくありません。現在はリモートワークなどによって働き方も多様化しているので、地方に拠点を置いていることが取引における不利に直結することもますます減っていくと考えられます。
都心は確かに企業の絶対数は多いものの、学生の人気も集中しやすいです。若手人材を強く欲している地方企業にも目を向け、自分の可能性と、まだ知らない企業への可能性を探していきましょう。
- 都心出身の学生が地方企業を受けたら違和感を持たれませんか?
地方企業を志望した理由を説明できれば問題ない
企業側としては、当然、違和感は感じると思います。書類を見た段階で、純粋に「何で?」と疑問を持つでしょう。
「ほかの企業から内定がもらえなかったのだろう」と邪推することもあるかもしれませんが、募集をかけている以上、それだけで不合格にすることはありません。実際に会ってから確かめて判断するはずです。
企業にとって関心があるのは「他社でどれだけ就職活動を進めてきたか」ではなく、「自社が欲しい人材か」「自社に長く勤めてくれるのか」です。
なぜ地方企業である自社を志望したのかはまず間違いなくたずねられるので、その準備は必要ですが、基本的には過度に気負わずいつもどおり臨めば良いでしょう。
能力も見られますが、決め手となるのはやはり人物面です。誠実で謙虚な態度を保ち、円滑なコミュニケーションが取れれば、さほど悪い結果にはならないでしょう。
視野の広さが大切! 納得いく企業から内定を獲得して就活を終わらせよう
「就活が終わらない」と悩むのは、これまで就活を頑張ってきたからこそです。努力を内定という結果につなげるためにも、焦りを解消して、視野を広く持つことが大切です。焦りをすぐになくすことは難しくとも、視野を広げるための行動は取ることができます。行動第一で就活の内容を改善していきましょう。
また、就活のゴールは内定を獲得すること自体ではなく、自分が活き活きと働ける企業から内定を獲得することです。すがすがしい気持ちで社会人生活をスタートできるよう、自分の魅力をはっきりとアピールして、納得して入社できる企業からの内定を勝ち取りましょう。
アドバイザーコメント
楳内 有希子
プロフィールを見る就活は早く終わらせることよりも自分に合う企業とのマッチングが大切
早々に、またいくつも内定をもらっている人を目にしたりすると、焦ったり、早く就活を終わらせたいとはやる気持ちになったりするのもよくわかります。
しかし、就活は早く終われば良いというものではありません。自分が努力して貢献したいと思える企業と出会い、自分の思い描いたキャリアが実現できることが就活のゴールなのです。まずはここまで頑張ってきた自分をほめてあげてください。
また、ここまで頑張ってきたからこそ、自分のことをより深く理解できたのではないでしょうか。これまでを振り返り、良かったこともあるかと思います。それらの気づきを次に活かしていきましょう。
逆にうまくいかなかったこと、できなかったことは何ですか。振り返って一つひとつ改善していきましょう。たとえば、面接でうまく話せなかったのならば、何度も練習しましょう。キャリアセンターの相談員や就職エージェントなどを相手に、模擬面接をすることもできます。
広い視野を持って自分の理想と向き合い続けよう
私は、活用できるものをどんどん活用して、諦めずにチャレンジし続けることで、就活のゴールは必ず達成することができると信じています。
ここから改めてじっくり腰をすえて就活と向き合うために、まずは深呼吸をしてみてください。気持ちの切り替えができたら「必ず、自分の理想を実現させるんだ」という強い気持ちで望んでいきましょう。
これまで述べられている点を確認しながら、広い視野で活動していくこともポイントですよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/ワーズアンドキャリア代表
Yukiko Umenai〇アナウンサーとしてのノウハウを活かし、総合人材会社で研修や社員教育を担当。人材の活躍やキャリア形成支援にも注力し、大学ではキャリア講義やカウンセリング、就職支援を担っている
プロフィール詳細中小企業診断士/キャリアコンサルタント
Shigeki Komatsu○営業企画・マーケティング・情報システム・総務・人事・経営企画室など幅広いキャリア経験を持つ。現在はキャリア形成や能力開発に向けた企業研修や個人面談などを提供している
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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